JP2016200028A - タービン用部材及びその製造方法 - Google Patents

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顕生 佐谷野
Akio Sayano
顕生 佐谷野
俊幸 田澤
Toshiyuki Tazawa
俊幸 田澤
梁 閻
Liang Yan
梁 閻
雅士 高橋
Masashi Takahashi
雅士 高橋
奥野 研一
Kenichi Okuno
研一 奥野
村上 格
Itaru Murakami
格 村上
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Abstract

【課題】初期の表面粗さの増大を招くことなく耐酸化性を向上させることができるコーティング皮膜を供えたタービン用部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態のタービン用部材は、基材2の表面の少なくとも一部に、酸化アルミニウムからなる第一連続相4と酸化ケイ素からなる第二連続相5とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜3が形成されているタービン用部材1である。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、タービン用部材及びタービン用部材の製造方法に関する。
発電プラントには、例えば、蒸気タービンやガスタービンが備えられている。蒸気タービンでは、例えば、ボイラから供給された高温高圧の蒸気は、静翼翼列と動翼翼列とからなる蒸気通路を通過してタービンロータに回転エネルギを与える。ガスタービンでは、燃焼器から排出された高温の燃焼ガスは、例えば、トランジションピースを通過する。そして、静翼翼列と動翼翼列とからなる燃焼ガス通路を通過して、タービンロータに回転エネルギを与える。
このような高温高圧の蒸気や高温の燃焼ガスなどの流体に曝されるタービン用部材の表面においては、空力特性を考慮して、表面粗さを小さくしている。しかしながら、このような流体に曝されるタービン用部材の表面は、酸化されやすく、酸化皮膜が形成されやすい。タービン用部材の表面に酸化皮膜が形成されると、表面粗さが粗くなり、空力特性が低下する。そして、タービン全体の効率が低下する。
そこで、従来、タービン用部材の表面の耐酸化性や耐エロージョン性を向上させるための技術が検討されている。例えば、蒸気タービン部品等の耐エロージョン性、耐酸化性及び疲労強度を向上させるために、基材表面に窒化硬質層(ラジカル窒化層)を形成させた後、その上にさらにCrN、TiN、AlCrN等の物理蒸着硬質層を形成する方法が検討されている。
また、高い耐酸化性かつ高い遮熱性を向上させるために、耐熱合金母材上にMCrAlY皮膜を形成して表面粗さ加工を行った後、大気圧プラズマ溶射により部分安定化ジルコニアトップコートを成膜してなる遮熱コーティングを施したガスタービン高温部品が検討されている。
特開2006−37212号公報 特開2002−38281号公報 特開平8−74024号公報 特開平8−74025号公報 特開2004−169176号公報 特開2006−328499号公報
しかしながら、上記のような従来技術のいずれの場合も、製造工程が複雑で製造コストが高く実用的でないという問題があった。さらに、皮膜を形成することにより表面粗さが大きくなり、初期のタービン性能が落ちるという欠点を有していた。従って、従来において、表面処理による初期の表面粗さを増加させることなく、耐酸化性を向上させる有効な方法はなかった。
本発明が解決しようとする課題は、初期の表面粗さの増大を招くことなく耐酸化性を向上させることができるコーティング皮膜を備えたタービン用部材及びタービン用部材の製造方法を提供するものである。
実施形態のタービン用部材は、基材の表面の少なくとも一部に、酸化アルミニウムからなる第一連続相と酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜が形成されているタービン用部材である。
本発明に係るタービン用部材によれば、初期の表面粗さの増大を招くことなく耐酸化性を向上させることができる。
実施の形態のタービン用部材を模式的に示す断面図。 実施の形態のタービン用部材を用いた蒸気タービンの要部構成を模式的に示す断面図。 実施の形態のタービン用部材を用いたガスタービンの要部構成を模式的に示す断面図。
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施の形態のタービン用部材1を模式的に示す断面図である。図1に示すように、タービン用部材1は、タービン用部材の基材2の表面の少なくとも一部に、酸化アルミニウムからなる第一連続相4と酸化ケイ素からなる第二連続相5とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜3が形成されている。
基材2は、蒸気タービンの構成部材やガスタービンの構成部材を構成する一般的な基材である。例えば、基材2は、高クロム鋼が挙げられる。
コーティング皮膜3を構成する第一連続相4は、後述のコーティング皮膜形成工程の熱処理をすることによって、酸化アルミニウムの粒子同士が部分的に固着や結合して形成される。そのため、第一連続相の構造は、無秩序であり、複雑な三次元構造体である。具体的には、第一連続相の構造は、例えば、複雑な三次元の連続構造である。なお、コーティング皮膜3内の第一連続相は、単一相であっても、複数相であってもよい。コーティング皮膜3内の第一連続相が複数相である場合、複数の第一連続相は、サイズや形状が異なっても同一であってもよい。また、第二連続相5は、コーティング皮膜形成工程の熱処理をすることによって、オルガノシランが加熱分解されて、第一連続相の周囲を覆うように形成される。言い換えると、第二連続相は、第一連続相の表面上に形成される。なお、第二連続相は、第一連続相の表面上に部分的に形成されてもよいが、コーティング皮膜の特性の均一化の観点から、第二連続相は、第一連続相の表面全体に形成されることが好ましい。このような第一連続相および第二連続相により、両者が互いに絡み合う構造を形成している。
第一連続相は、ビッカース硬度(Hv)が800未満であることが好ましい。第一連続相のビッカース硬度は、例えば、ナノインテンダーなどの薄膜硬度計を用いて測定することができる。第一連続相のビッカース硬度が800未満であると、例えば金属基材との熱膨張差等によって皮膜中に発生する応力を緩和することができ、皮膜が金属基材から剥がれにくくなり、好ましい。また、第一連続相のビッカース硬度が100以上であると、皮膜自身が変形しにくく工程上での取扱いが容易となり、好ましい。
コーティング皮膜の組成について、酸化アルミニウムは、コーティング皮膜全体に対して、50質量%超95質量%未満含まれ、好ましくは、60質量%以上90質量%以下含まれる。また、酸化ケイ素は、コーティング皮膜全体に対して、5質量%超50質量%未満含まれ、好ましくは、10質量%以上40質量%以下含まれる。酸化アルミニウムの含有率がコーティング皮膜全体に対して60質量%以上であると、タービン用部材の耐酸化性に対する効果が向上する。また、酸化アルミニウムの含有率がコーティング皮膜全体に対して90質量%以下であると、タービン用部材の基材とコーティング皮膜との密着強度が向上し、剥がれ等の現象が生じず、実用的なコーティング皮膜が得られる。また、酸化ケイ素の含有率がコーティング皮膜全体に対して10質量%以上であると、タービン用部材の基材とコーティング皮膜との密着強度が向上し、剥がれ等の現象が生じず、実用的なコーティング皮膜が得られる。また、酸化ケイ素の含有率がコーティング皮膜全体に対して40質量%以下であると、タービン用部材の耐酸化性に対する効果が向上する。
酸化アルミニウムからなる第一連続相と酸化ケイ素からなる第二連続相とから形成される構造とは、第一連続相と第二連続相とが互いに絡み合う三次元構造を有している。これは、実施の形態のタービン用部材の製造方法に関係するものであり、後述の塗布工程および乾燥皮膜形成工程を有することに起因する。すなわち、アルミニウム化合物の原料として擬ベーマイト粉末などのアルミナ水和物、ケイ素化合物の原料としてオルガノシランを用いることにより、溶液の溶媒に溶けるオルガノシランが当該溶液の塗布時に擬ベーマイト粉末の周りに析出し、その後の乾燥皮膜の熱処理によって酸化アルミニウムからなる第一連続相の周りを酸化ケイ素からなる第二連続相が覆っている構造を有することとなる。
上記の第一連続相を構成する酸化アルミニウムは、非晶質である。ここで、第一連続相である酸化アルミニウムの非晶質相は、溶液に含まれるアルミニウム化合物を、コーティング皮膜形成工程の熱処理することによって形成される。アルミニウム化合物は、好ましくは擬ベーマイト型構造を有するアルミナ水和物である。ベーマイトとは、組成式Al・nHO(n=1〜1.5)で表されるアルミナ水和物の結晶であり、擬ベーマイトは、ベーマイトのコロイド状凝集体である。なお、第一連続相を構成する酸化アルミニウムは、例えばアルミナ水和物を原料として用いる場合、製造されるタービン用部材が所望の特性を有する限りにおいて、微小量のアルミナ由来の結晶相、例えばアルミナ水和物の熱処理で形成されるベーマイト相やγ-アルミナ相を含んでもよい。
上記の第二連続相を構成する酸化ケイ素は、非晶質である。ここで、第二連続相である酸化ケイ素の非晶質相は、溶液に含まれるケイ素化合物を、コーティング皮膜形成工程の熱処理で加熱分解することによって形成される。ケイ素化合物は、好ましくはオルガノシランである。オルガノシランとは、炭素が直接ケイ素に結合している化合物の総称であり、一形態としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(C20Si)等が挙げられる。
上記のコーティング皮膜は、膜厚が0.007μm超12μm未満であり、好ましくは、0.01μm以上10μm以下である。コーティング皮膜の膜厚が0.01μm以上であると、コーティング皮膜がタービン用部材の基材を均一に覆うことができ、タービン用部材の基材の部分的な露出は生じず、耐酸化性が向上する。また、コーティング皮膜の膜厚が10μm以下であると、コーティング皮膜のタービン用部材の基材に対する密着強度が向上し、コーティング皮膜中にはき裂は生じず、タービン用部材の耐酸化性が向上し、また、タービン用部材の基材からのコーティング皮膜の剥離等の問題は発生しない。
コーティング皮膜の表面粗さは、最大表面高さRyが1.6μm以下であることが好ましい。コーティング皮膜の最大表面高さRyが1.6μm以下であると、運転中において蒸気やガス流体の流れに乱れが生じず、従って運転時間が長期に亘った場合もタービン全体の効率を低下させることなく維持でき、好ましい。
(タービン用部材の製造方法)
上記タービン用部材の製造方法は、基材の表面の少なくとも一部にアルミニウム化合物とケイ素化合物とを含む溶液を塗布する工程(塗布工程ともいう)と、塗布した溶液を熱処理して皮膜(乾燥皮膜ともいう)を形成する工程(乾燥皮膜形成工程ともいう)とを有する製造方法によって製造される。
ここで、アルミニウム化合物とケイ素化合物とを含む溶液とは、錯体、ゾル、金属アルコキシド等の溶液のことを示しており、この溶液をタービン用部材の基材の表面に塗布して、塗布した溶液を熱処理することで乾燥皮膜を形成する。基材表面への溶液の塗布方法としては、ディップコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、ロールコーティング、バーコーティング等の方法が例示される。また、乾燥皮膜形成工程やコーティング皮膜形成工程における加熱方法としては、電気炉中に保持後、タービン用部材全体を加熱する方法、ヒートガンによる熱風や赤外線等によりタービン用部材の表面部分のみを加熱する方法等が例示されるが、これらの加熱方法に限定されるものではない。
また、上記溶液に含まれるアルミニウム化合物は、コーティング皮膜形成工程において、乾燥皮膜を熱処理することによって上記第一連続相を形成することができれば、特には限定されない。アルミニウム化合物としては、例えば、アルミナ水和物が挙げられる。アルミナ水和物としては、擬ベーマイト粉末などが例示される。アルミナ水和物の体積基準のメディアン径D50は、好ましくは1nm以上100nm以下であり、さらに好ましくは5nm以上30nm以下である。D50が100nmよりも大きい場合は、アルミニウム化合物の粒子の活性度が低下することにより、熱処理を施しても緻密で密着性の高いコーティング皮膜ができないことがある。また、D50が1nmよりも小さい場合は、アルミニウム化合物の粒子の活性度が非常に高いため、安定な溶液が得られず、溶液の保存性が低下することがある。D50とは、レーザー回折式粒度分布計において体積基準で測定された50%累積時の径である。
上記溶液に含まれるケイ素化合物は、コーティング皮膜形成工程において、乾燥皮膜を熱処理することによって上記第二連続相を形成することができれば、特には限定されない。ケイ素化合物としては、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのオルガノシランが挙げられる。
なお、上記の構成を満たすアルミニウム化合物およびケイ素化合物を含む溶液は、以下のような特長を有する。例えば、当該溶液は、温度および湿度制御されていない環境下で長期保管しても、実用上の問題は生じない。詳細には、長期保存しても、溶液の沈殿や不均一化は目視できない。基材に塗布する直前に、溶液に対する撹拌などの均一化処理が不要である。また、当該溶液は基材に対する濡れ性に優れている。詳細には、溶液を基材に塗布する直前に、基材表面に対する特段の洗浄処理は不要であり、アセトンなどを用いて手作業で簡易的に洗浄するだけでよい。また、溶液を用いて形成されるコーティング皮膜はロバスト性に優れている。
乾燥皮膜形成工程における熱処理温度は、当該工程で形成する乾燥皮膜が所定の安定性を有することができればよく、好ましくは35℃以上150℃以下である。乾燥皮膜の所定の安定性とは、乾燥皮膜を形成したタービン用部材を温度および湿度制御されていない環境下で搬送や長期保管しても、コーティング皮膜形成工程で、所望のコーティング皮膜を形成することができる程度の安定性である。
上記のように、タービン用部材の基材の表面の少なくとも一部にアルミニウム化合物とケイ素化合物とを含む溶液を塗布する工程と、塗布した前記溶液を熱処理して皮膜を形成する工程とを有する溶液法を用いるのは、製造プロセスが簡易で、かつコストが安価であり、極めて実用性に富む方法であると同時に、均一な皮膜の形成が可能であり、コーティング施工によるタービン用部材の表面粗さの変化がほとんどなく、コーティング施工後の加工が必要ないからである。
タービン用部材の製造方法は、乾燥皮膜形成工程の後に、皮膜を熱処理して、酸化アルミニウムからなる第一連続相と酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜を形成する工程(コーティング皮膜形成工程)を有することができる。コーティング皮膜形成工程の熱処理温度は、所望のコーティング皮膜を形成することができれば特には限定されず、例えば、上記乾燥皮膜形成工程の乾燥皮膜を形成する際の熱処理温度以上で、かつ、800℃以下であることが好ましい。コーティング皮膜形成工程の熱処理温度が乾燥皮膜を形成する際の熱処理温度以上であると、ケイ素化合物、例えばオルガノシランの加熱分解が十分に行われ、緻密なコーティング皮膜が得られ、また、コーティング皮膜が安定であり、経時変化や剥がれ等の問題は発生しない。また、コーティング皮膜形成工程の熱処理温度が800℃以下であると、タービン用部材の基材を構成している金属材料の組織は変化しにくく、疲労強度やクリープ強度等の特性は低下しにくい。コーティング皮膜形成工程の熱処理温度が800℃より高い場合であっても、熱処理の時間が数時間以内の短時間であれば、タービン用部材の基材表面の酸化は微小であるため実用上の問題はない。
コーティング皮膜形成工程における熱処理ステップは、乾燥皮膜を有するタービン用部材をタービンに配設させる前であっても後であってもよい。熱処理ステップがタービン用部材をタービンに配設させる後に実施する場合、当該熱処理ステップは、タービンの運転中に自動的に実施される。つまり、タービンの運転中に、タービンに配設された乾燥皮膜を有するタービン用部材が、乾燥皮膜形成工程の熱処理温度以上800℃以下に加熱され、その結果、乾燥皮膜が熱処理されてコーティング皮膜が形成される。
(タービン用部材の例示)
上記コーティング皮膜が形成されるタービン用部材1の一例として、蒸気タービンの構成部材やガスタービンの構成部材が例示される。特に、これらの構成部材の中でも、高温の作動流体に曝される構成部材の表面にコーティング皮膜を形成することが好適である。
まず、本実施の形態のタービン用部材が蒸気タービンの構成部材として適用される一例について説明する。図2は、実施の形態のタービン用部材を用いた蒸気タービンの要部構成を模式的に示す断面図である。図2に示すように、蒸気タービン6は、例えば、内部ケーシング13とその外側に設けられた外部ケーシング14とから構成される二重構造のケーシングを備えている。内部ケーシング13内には、タービンロータ7が貫設されている。
タービンロータ7のロータディスク15には、周方向に動翼8が植設されている。周方向に植設された複数の動翼8によって動翼翼列17を構成する。内部ケーシング13の内周側には、ダイアフラム外輪18が周方向に亘って備えられている。このダイアフラム外輪18の内側には、ダイアフラム内輪19が周方向に亘って備えられている。ダイアフラム外輪18とダイアフラム内輪19との間には、複数の静翼9が周方向に支持され、静翼翼列20を構成している。この静翼翼列20は、各動翼翼列17の上流側に設けられ、タービンロータ軸方向に、静翼翼列20と動翼翼列17とを交互に複数段備えている。また、静翼翼列20と動翼翼列17とによって1つのタービン段落を構成している。そして、タービンロータ7の軸方向に複数のタービン段落を並べて蒸気通路部10を形成した構成となっている。このような構成の蒸気タービンにおいて、蒸気通路部10に高温高圧の蒸気が導入される。そして、蒸気が蒸気通路部10を通ることで、タービンロータ7を回転させる。
このような構造の蒸気タービンにおいて、動翼8、静翼9、ダイアフラム外輪18、およびダイアフラム内輪19が本実施の形態のタービン用部材として機能する。これらの高温高圧の蒸気に曝されるタービン用部材の表面の少なくとも一部に、コーティング皮膜が形成されている。具体的には、静翼9の場合には、例えば、基材の表面全体にコーティング皮膜が形成される。動翼8の場合には、翼有効部および先端部の基材の表面、ならびに翼根部の基材の蒸気通路部10側の表面にコーティング皮膜が形成される。ダイアフラム外輪18の場合には、基材の内周面にコーティング皮膜が形成される。ダイアフラム内輪19の場合には、基材の外周面にコーティング皮膜が形成される。
次に、本実施の形態のタービン用部材がガスタービンの構成部材として適用される一例について説明する。図3は、実施の形態のタービン用部材を用いたガスタービンの要部構成を模式的に示す断面図である。ガスタービンは、外気を圧縮する圧縮機(図示しない)と、圧縮機で加圧された空気と燃料とを混合して燃焼させる燃焼器(図示しない)と、燃焼器で生成した燃焼ガスをタービン部30に導くトランジションピース45と、トランジションピース45によって導入された燃焼ガスにより回転駆動するタービン部30とを備えている。
図3に示すように、タービン部30は、ケーシング31内に、複数のロータディスク32を軸方向に有し、各ロータディスク32の周囲に動翼33が複数枚植設されたタービンロータ34が貫設されている。また、動翼33の前方には静翼35が配置されて、静翼35と動翼33とにより1つのタービン段落を構成している。静翼35は、例えば、インナーサイドウォール40とアウターサイドウォール41とに一体化されて形成される。また、静翼35は、例えば、シュラウドセグメント36、リテイニングリング37、サポートリング38を介してケーシング31に支持されている。そして、タービンロータ34の軸方向に複数のタービン段落を並べて燃焼ガス通路部43を形成した構成となっている。
このような構成を備えるガスタービンにおいて、図示しない圧縮機からの圧縮空気と燃料とが図示しない燃料器の燃焼室内で混合され燃焼して燃焼ガスとなる。この燃焼ガスは、燃焼器の出口側端部に接続されるトランジションピース45を介して、静翼35および動翼33からなる複数のタービン段落を備えるタービン部30に導入される。タービン部30に導入された燃焼ガスは、タービン部30で膨張し、動翼33が植設されたタービンロータ34を回転させる。
このような構造のガスタービンにおいて、静翼35、動翼33、インナーサイドウォール40、アウターサイドウォール41、シュラウドセグメント36、およびトランジションピース45が本実施の形態のタービン用部材として機能する。これらの高温の燃焼ガスに曝されるタービン用部材の表面の少なくとも一部に、コーティング皮膜が形成されている。具体的には、静翼35の場合には、例えば、基材の表面全体にコーティング皮膜が形成される。動翼33の場合には、翼有効部および先端部の基材の表面、ならびに翼根部の基材の燃焼ガス通路部43側の表面にコーティング皮膜が形成される。インナーサイドウォール40の場合には、基材の外周面にコーティング皮膜が形成される。アウターサイドウォール41の場合には、基材の内周面にコーティング皮膜が形成される。シュラウドセグメント36の場合には、基材の燃焼ガス通路部43側の表面にコーティング皮膜が形成される。トランジションピース45の場合には、基材の内周面の表面にコーティング皮膜が形成される。
本実施の形態では、タービン用部材の基材表面の少なくとも一部には、酸化アルミニウムからなる第一連続相と酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有する緻密なコーティング皮膜が備えられている。このため、このコーティング皮膜によってタービン用部材の基材は直接空気中の酸素と触れることがなく、従って耐酸化性が向上し、高温保持した場合のタービン用部材の表面粗さ変化も極めて小さい。これにより、タービン用部材の酸化による表面粗さの増大に伴う蒸気流のエネルギー損失を抑制することができる。さらには、静翼を蒸気タービンやガスタービンに溶接する際に、蒸気通路部や燃焼ガス通路部の周辺の温度が上がることによるスケールの発生を大幅に抑制することができる。従って、実際にプラント中で運転した場合も長期に亘り初期のタービン用部材の形状や表面粗さを維持することができ、タービン全体の効率についても初期の高いレベルを長期間維持することが可能となる。
以下、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されない。
(実施例1)
体積基準のメディアン径D50が約20nmの擬ベーマイト粉末5質量%(酸化アルミニウム換算)、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(C20Si)1質量%(酸化ケイ素換算)、純水84質量%及びメタノール10質量%を混合して、混合溶液を調整した。この混合溶液をマグネットスターラ及びテフロン(登録商標)製回転子を用いて撹拌して、スラリー状のコーティング用の溶液を得た。このコーティング用の溶液を、タービン用部材の基材である40mm×40mm×3mmの板状の高クロム鋼基材の表面にディッピングにより塗布し、塗布した試験体を35℃で約1時間熱処理して、乾燥皮膜を形成した。その後、乾燥皮膜を大気中400℃で15分間加熱処理して、膜厚約0.5μmであるコーティング皮膜を形成した。こうして、タービン用部材を製造した。
形成されたコーティング皮膜をTEM、蛍光X線装置及びX線回折装置により分析した結果、コーティング皮膜は、大部分が非晶質の酸化アルミニウムからなる第一連続相と非晶質の酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜であった。酸化アルミニウムは、コーティング皮膜全体に対して、83.3質量%含まれていた。酸化ケイ素は、コーティング皮膜全体に対して、16.7質量%含まれていた。
このコーティング皮膜に対し、耐酸化試験およびビッカース硬度Hv測定を行った。耐酸化試験は、コーティング皮膜を水蒸気大気中(相対湿度80RH%)にて600℃で1000時間保持後、コーティング皮膜の質量変化と表面粗さ変化を測定した。その結果、質量増の変化は認められなかった。表面粗さ(最大表面高さ:Ry)については、表面粗さ計を用いて測定した。その結果、試験前の表面粗さは、最大表面高さRy=0.8μmであり、試験後の表面粗さはRy=0.7μmであり、試験前と同様にRyが1.6μm以下であり、表面粗さ変化が認められなかった。また、第一連続相のビッカース硬度Hvは、ナノインデンテーション装置を用いて荷重50mNの条件にて測定した。その結果、第一連続相のビッカース硬度Hvは600であった。
また、コーティング用の溶液の基材に対する濡れ性の評価を行った。濡れ性の評価は、コーティング用の溶液を高クロム鋼基材の表面に滴下して、基材表面の溶液の接触角を測定した。この際、高クロム鋼基材の洗浄はアセトンを浸み込ませた紙タオルで軽く拭くのみとした。その結果、接触角は20度以下であり、コーティング用の溶液は良好な濡れ性を示した。
(実施例2)
実施例1において、形成されるコーティング皮膜全体に対して、それぞれ酸化ケイ素が10質量%および酸化アルミニウムが90質量%含まれるように、コーティング用の溶液を調整した以外は、実施例1と同じ方法でコーティング皮膜を形成し、実施例1と同じ方法で耐酸化試験、ビッカース硬度Hv測定および溶液の濡れ性の評価を行った。形成されたコーティング皮膜をTEMで観察した結果、コーティング皮膜は、大部分が非晶質の酸化アルミニウムからなる第一連続相と非晶質の酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜であった。耐酸化試験の結果、質量増の変化は認められなかった。表面粗さ(最大表面高さ:Ry)については、試験前の表面粗さは0.5μmであり、試験後の表面粗さは0.7μmであり、試験前と同様にRyが1.6μm以下であり、表面粗さ変化が認められなかった。第一連続相のビッカース硬度Hvは700であった。また、溶液の接触角は20度以下であった。
(実施例3)
実施例1において、形成されるコーティング皮膜全体に対して、それぞれ酸化ケイ素が40質量%および酸化アルミニウムが60質量%含まれるように、コーティング用の溶液を調整した以外は、実施例1と同じ方法でコーティング皮膜を形成し、実施例1と同じ方法で耐酸化試験、ビッカース硬度Hv測定および溶液の濡れ性の評価を行った。形成されたコーティング皮膜をTEMで観察した結果、コーティング皮膜は、大部分が非晶質の酸化アルミニウムからなる第一連続相と非晶質の酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜であった。耐酸化試験の結果、質量増の変化は認められなかった。表面粗さ(最大表面高さ:Ry)については、試験前の表面粗さは1.3μmであり、試験後の表面粗さは1.0μmであり、試験前と同様にRyが1.6μm以下であり、表面粗さ変化が認められなかった。第一連続相のビッカース硬度Hvは400であった。また、溶液の接触角は20度以下であった。
(実施例4)
実施例1において、コーティング皮膜の膜厚を0.01μmとした以外は、実施例1と同じ方法でコーティング皮膜を形成し、実施例1と同じ方法で耐酸化試験、ビッカース硬度Hv測定および溶液の濡れ性の評価を行った。形成されたコーティング皮膜をTEMで観察した結果、コーティング皮膜は、大部分が非晶質の酸化アルミニウムからなる第一連続相と非晶質の酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜であった。耐酸化試験の結果、質量増の変化は認められなかった。表面粗さ(最大表面高さ:Ry)については、試験前の表面粗さは0.8μmであり、試験後の表面粗さは1.5μmであり、試験前と同様にRyが1.6μm以下であり、表面粗さ変化が認められなかった。第一連続相のビッカース硬度Hvは600であった。また、溶液の接触角は20度以下であった。
(実施例5)
実施例1において、コーティング皮膜の膜厚を10μmとした以外は、実施例1と同じ方法でコーティング皮膜を形成し、実施例1と同じ方法で耐酸化試験、ビッカース硬度Hv測定および溶液の濡れ性の評価を行った。形成されたコーティング皮膜をTEMで観察した結果、コーティング皮膜は、大部分が非晶質の酸化アルミニウムからなる第一連続相と非晶質の酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜であった。耐酸化試験の結果、質量増の変化は認められなかった。表面粗さ(最大表面高さ:Ry)については、試験前の表面粗さは0.8μmであり、試験後の表面粗さは0.5μmであり、試験前と同様にRyが1.6μm以下であり、表面粗さ変化が認められなかった。第一連続相のビッカース硬度Hvは600であった。また、溶液の接触角は20度以下であった。
(実施例6)
実施例1において、コーティング皮膜を形成するための熱処理温度を150℃とした以外は、実施例1と同じ方法でコーティング皮膜を形成し、実施例1と同じ方法で耐酸化試験、ビッカース硬度Hv測定および溶液の濡れ性の評価を行った。形成されたコーティング皮膜をTEMで観察した結果、コーティング皮膜は、大部分が非晶質の酸化アルミニウムからなる第一連続相と非晶質の酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜であった。耐酸化試験の結果、質量増の変化は認められなかった。表面粗さ(最大表面高さ:Ry)については、試験前の表面粗さは0.8μmであり、試験後の表面粗さは1.0μmであり、試験前と同様にRyが1.6μm以下であり、表面粗さ変化が認められなかった。第一連続相のビッカース硬度Hvは700であった。また、溶液の接触角は20度以下であった。
(比較例1)
実施例1において、形成されるコーティング皮膜全体に対して、それぞれ酸化ケイ素が5質量%および酸化アルミニウムが95質量%含まれるように、コーティング用の溶液を調整した以外は、実施例1と同じ方法でコーティング皮膜を形成し、実施例1と同じ方法で耐酸化試験、ビッカース硬度Hv測定を行った。形成されたコーティング皮膜をTEMで観察した結果、コーティング皮膜は、大部分が非晶質の酸化アルミニウムからなる第一連続相と非晶質の酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜であった。耐酸化試験の結果、約0.5%の質量増が認められた。表面粗さ(最大表面高さ:Ry)については、試験前の表面粗さは0.8μmであり、試験後の表面粗さは3μmであり、試験前には1.6μm以下であったRyが、試験後には増加していた。第一連続相のビッカース硬度Hvは700であった。
(比較例2)
実施例1において、形成されるコーティング皮膜全体に対して、それぞれ酸化ケイ素が50質量%および酸化アルミニウムが50質量%含まれるように、コーティング用の溶液を調整した以外は、実施例1と同じ方法でコーティング皮膜を形成した。形成されたコーティング皮膜をTEMで観察した結果、コーティング皮膜は、大部分が非晶質の酸化アルミニウムからなる第一連続相と非晶質の酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜であった。そして、コーティング皮膜の剥離が生じ、正常なコーティング皮膜の形成ができず、耐酸化試験、ビッカース硬度Hv測定および溶液の濡れ性の評価を実施できなかった。
(比較例3)
実施例1において、コーティング皮膜の膜厚を0.007μmとした以外は、実施例1と同じ方法でコーティング皮膜を形成し、実施例1と同じ方法で耐酸化試験、ビッカース硬度Hv測定を行った。形成されたコーティング皮膜をTEMで観察した結果、コーティング皮膜は、大部分が非晶質の酸化アルミニウムからなる第一連続相と非晶質の酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜であった。耐酸化試験の結果、約1%の質量増が認められた。表面粗さ(最大表面高さ:Ry)については、試験前の表面粗さは0.9μmであり、試験後の表面粗さは5μmであり、試験前には1.6μm以下であったRyが、試験後には約5μmに増加していた。第一連続相のビッカース硬度Hvについては、膜厚が薄すぎたため測定できなかった。
(比較例4)
実施例1において、コーティング皮膜の膜厚を12μmとした以外は、実施例1と同じ方法でコーティング皮膜を形成した。形成されたコーティング皮膜をTEMで観察した結果、コーティング皮膜、大部分が非晶質の酸化アルミニウムからなる第一連続相と非晶質の酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜であった。そして、コーティング皮膜の剥離が発生し、耐酸化試験、ビッカース硬度Hv測定を実施できなかった。
(比較例5)
実施例1において、コーティング皮膜を形成しない以外は実施例1と同じ方法でタービン用部材を製造した。すなわち、比較例5において、タービン用部材は40mm×40mm×3mmの板状の高クロム鋼基材である。実施例1と同じ方法で耐酸化試験、ビッカース硬度Hv測定を行った。その結果、約1.2%の質量増が認められた。表面粗さ(最大表面高さ:Ry)についても、試験前には1.6μm以下であったRyが、試験後には5μmに増加していた。
以上説明したとおり、上記の実施の形態によれば、タービン用部材の基材の表面の少なくとも一部に、酸化アルミニウムからなる第一連続相と酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜が形成されていることにより、タービン用部材の耐酸化性の向上を図ることができる。従って、実際にプラント中で運転した場合も長期に亘りタービン用部材の初期の形状や表面粗さを維持することができ、タービン用部材の当初の空力特性が低下することがなく、タービン全体の効率についても初期の高いレベルを長期間維持することが可能となる。上記の実施の形態によれば、タービン用部材を溶液法により製造することができるため、製造工程が容易で製造コストが安価であり、タービン用部材の初期の表面粗さの増大を招くことなく耐酸化性を向上させることができるコーティング皮膜を供えたタービン用部材及びタービン用部材の製造方法を達成することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…タービン用部材、2…基材、3…コーティング皮膜、4…第一連続相、5…第二連続相、6…蒸気タービン、7…タービンロータ、8…動翼、9…静翼、10…蒸気通路部、13…内部ケーシング、14…外部ケーシング、15…ロータディスク、17…動翼翼列、18…ダイアフラム外輪、19…ダイアフラム内輪、20…静翼翼列、30…タービン部、31…ケーシング、32…ロータディスク、33…動翼、34…タービンロータ、35…静翼、36…シュラウドセグメント、37…リテイニングリング、38…サポートリング、40…インナーサイドウォール、41…アウターサイドウォール、43…燃焼ガス通路部、45…トランジションピース。

Claims (14)

  1. 基材の表面の少なくとも一部に、酸化アルミニウムからなる第一連続相と酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜が形成されていることを特徴とするタービン用部材。
  2. 前記酸化アルミニウムは非晶質であることを特徴とする請求項1記載のタービン用部材。
  3. 前記酸化ケイ素は非晶質であることを特徴とする請求項1又は2記載のタービン用部材。
  4. 前記酸化アルミニウムは、前記コーティング皮膜全体に対して、50質量%超95質量%未満含まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のタービン用部材。
  5. 前記酸化ケイ素は、前記コーティング皮膜全体に対して、5質量%超50質量%未満含まれていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のタービン用部材。
  6. 前記第一連続相は、ビッカース硬度Hvが800未満であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のタービン用部材。
  7. 前記コーティング皮膜は、膜厚が0.007μm超12μm未満であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のタービン用部材。
  8. 基材の表面の少なくとも一部にアルミニウム化合物とケイ素化合物とを含む溶液を塗布する工程と、
    塗布した前記溶液を熱処理して皮膜を形成する工程と
    を有することを特徴とするタービン用部材の製造方法。
  9. 前記アルミニウム化合物はアルミナ水和物であることを特徴とする請求項8記載のタービン用部材の製造方法。
  10. 前記ケイ素化合物はオルガノシランであることを特徴とする請求項8又は9記載のタービン用部材の製造方法。
  11. 前記皮膜を形成する際の温度が、35℃以上150℃以下であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載のタービン用部材の製造方法。
  12. 前記アルミニウム化合物は、メディアン径D50で5nm以上30nm以下であることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項記載のタービン用部材の製造方法。
  13. 前記塗布した前記溶液を熱処理して皮膜を形成する工程の後、前記皮膜を熱処理して、酸化アルミニウムからなる第一連続相と酸化ケイ素からなる第二連続相とが互いに絡み合う構造を有するコーティング皮膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項記載のタービン用部材の製造方法。
  14. 前記コーティング皮膜を形成する際の熱処理温度が、前記皮膜を形成する際の温度以上で、かつ、800℃以下であることを特徴とする請求項13記載のタービン用部材の製造方法。
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