JP4177028B2 - 小径エンドミルによる加工方法及び加工条件決定方法 - Google Patents
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Description
【本発明の属する技術分野】
本発明は、小径エンドミルによる加工方法に関し、適正条件での加工によって、高精度且つ高効率な加工を実現することができるものである。また、本発明は、当該加工方法において、適正な加工条件を決定する方法、更には、これら加工方法及び加工条件決定方法を実施するための好ましい装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンドミル加工においては、主軸の回転数によっては、所謂「自励びびり振動」と呼ばれるエンドミル自身の自励振動や、被加工体を固定するテーブル等の振動が発生して、良好な仕上げ面が得られない場合がある。そのためエンドミル加工では、好適な切削条件の選定のために事前のテスト加工を行ない、工具摩耗、加工精度、加工面品質等の面から試行錯誤により最適な加工条件を決定することが為されてきた。
【0003】
しかし、斯かるテスト加工には多くの工数を要し、中には無駄なテスト加工を行なうこともあって時間がかかり非効率的であると共に、総ての条件をテストすることは実質的に不可能であることから、必ずしも最適な主軸回転数を設定できるとは限らない。
【0004】
そこで、特開平8−229772号公報に記載されている方法では、テスト加工を行なうことなく、主軸を空回転させて主軸及びテーブルの振動等を測定することにより、適切な加工が達成できるような主軸回転数を求めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来方法により主軸回転数を決定しても、実際には、「自励びびり振動」が発生した場合の安全性を考慮して、工作機械ごとに設定されている最大主軸回転数の80%程度以下の回転数範囲で条件を設定したり、或いは主軸の送り速度を下げたりすることにより、「自励びびり振動」を抑制することが一般的に行なわれている。特に、その直径が比較的小さい小径エンドミルによる加工においては「自励びびり振動」が生じやすいため、加工条件の選定に当たり、工作機械の主軸回転数を落とした条件が選択されており、場合によっては最大回転数の70%以下という安全性優先の運転状況に抑えることもあった。
【0006】
即ち、工作機械の主軸回転数を落とした場合は、確かに「自励びびり振動」は抑制されて工作時の安全性は増し、高精度な加工が可能となるが、一方で工作機械が有する機能を最大限に利用することができない結果となり、生産性は低下する。
【0007】
また、従来の加工条件決定方法では、被テスト加工物の有無はともかく、条件選択のための予備的な実験を必要とし、手間と時間を要する。
【0008】
本発明は、このような現状に鑑みて為されたものであって、その目的は、小径エンドミルによる加工を行なうにあたり、工作機械の性能を十分に発揮させ、生産性を低下させることのない加工方法を提供すると共に、その様な生産性の高い加工方法を時間及び労力をかけずに選定することを可能にするものである。
【0009】
即ち、本発明の目的は、小径エンドミルによる加工時において、「自励びびり振動」を抑制できる加工方法、そのような加工条件を決定する方法及びこれら加工を実施する装置を提供することにある。本発明に従えば、「自励びびり振動」を抑制しつつ最大限の回転数で小径エンドミルによる加工を行なうことができるので、仕上がり状態の良い被加工体を、効率良く且つ安全に得ることが可能となる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
「自励びびり振動」は、エンドミルによる切り取り厚さの変動に起因して発生すると考えられる。つまり、工作機械の固有振動が原因となりエンドミルによる被加工体の切り取り面は波状となるが、図1に表わした様に、前刃による切り取り面(前刃先の軌跡)と次刃による切り取り面(次刃先の軌跡)に「ずれ」が生じたときは、切削時の切り取り厚さが一定にならず、この様な場合に、「自励びびり振動」が生じると推定されている。従って、本発明者らは、図2に示す様に、前刃先の軌跡と次刃先の軌跡との間に位相差が生じないよう回転数を設定すれば、切り取り厚さの変動が発生せず、「自励びびり振動」を抑制することができるのではないかと考え、実験と検討を進めた結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
本発明の小径エンドミルによる加工方法は、加工時における当該エンドミルの回転数を、下記式(1)により求められる回転数N(rpm)の±3%以内とすることを特徴とし、
N=(ω×60)/(e×n) ・・・(1)
ω:使用する工作機械の固有振動数(Hz)
e:小径エンドミルの刃数
n:1以上の整数
当該回転数は、使用する工作機械の最大回転数の85%以上にすることが望ましい。
【0012】
また、本発明の小径エンドミルによる加工の条件を決定する方法は、使用する工作機械の固有振動数であるω(Hz)を実測又は計算によって求め、当該ωの値を用いて上記式(1)により回転数N(rpm)を求め、当該回転数Nの±3%以内を当該エンドミルの回転数として決定することを特徴とし、当該回転数は、使用する工作機械の最大回転数の85%以上であることが好ましい。
【0013】
更に、本発明の小径エンドミルによる加工装置は、使用する工作機械の固有振動数であるω(Hz)を入力する手段と、当該ωの値を用いて上記式(1)により回転数N(rpm)を算出する手段と、当該回転数Nの3%以内を当該エンドミルの回転数として回転数を制御する手段を有することを特徴とする。この加工装置は、当該エンドミルの回転数を、使用する工作機械の最大回転数の85%以上に制御する手段を有するものが好ましく、また、当該固有振動数ω(Hz)を測定し、当該固有振動数ωを出力する手段を有するものが好ましい。これら加工装置は、加工時における更なる安全性を確保するために、一定以上の外乱を感知すると、上記式(1)中nの値を(n+1)として回転数を制御する手段を有することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の小径エンドミルによる加工方法が発揮する最大の特徴は、エンドミルの「自励びびり振動」を抑制することにより、工作機械の設計性能を最大限に発揮させることができ、更に、安全に加工を行なうことができ、且つ被加工材の加工表面を美しく仕上げることができる点にある。
【0015】
以下に、本発明の実施形態及びその効果について説明する。
【0016】
本発明の適用対象を「小径エンドミル」としたのは、小径エンドミルによる加工においては特に「自励びびり振動」が生じやすいため、工作機械主軸の回転数を落とすことなく当該「自励びびり振動」を抑制する技術が求められているからである。ここで「小径エンドミル」とは、一般的には直径が10mm以下のものをいうが、「自励びびり振動」を抑制する必要があるものであれば、本発明の課題に鑑み、これ以上の直径を有するエンドミルであってもよいことは容易に理解される。
【0017】
本発明に係る加工時におけるエンドミルの回転数は、下記式(1)により求められる回転数N(rpm)の±3%以内であることが必要である。当該条件下においては、切削時に前刃先の軌跡と次刃先の軌跡との位相差が生じないため、「自励びびり振動」が生じないからである。
【0018】
N=(ω×60)/(e×n) ・・・(1)
ω:使用する工作機械の固有振動数(Hz)
e:小径エンドミルの刃数
n:1以上の整数
以下に、式(1)を説明する。
【0019】
式(1)を変形すると次の通りになる。
【0020】
(N×e)×n=ω×60 ・・・(2)
ここで、エンドミルの回転数であるNの単位である「rpm」は、1分間当たりの回転数を表わす単位であり、「小径エンドミルの刃数」とは、エンドミルが被加工体に接触する断面方向における刃の数をいうので、(N×e)は、1分間にエンドミルの刃が被加工体に接触する回数(被加工体を切削する回数)に該当する。一方、使用する工作機械の固有振動数であるωの単位Hzは、使用する工作機械が1秒間当たりに振動する回数をいうので、(ω×60)は、使用する工作機械が1分間当たりに振動する回数を表わす。従って、上記式(2)は、1分間ごとの“エンドミルの刃が被加工体に接触する回数”の整数倍が、1分間に“使用する工作機械が振動する回数”と等しいことを表わすので、式(2)、即ち式(1)を満たす条件下で切削すれば、各刃の軌跡の位相差は無くなり、ひいては「自励びびり振動」が抑制されることとなる。
【0021】
式(1)中、ωを「使用するエンドミルの固有振動数」ではなく「使用する工作機械の固有振動数」としたのは、当該固有振動数は使用するエンドミルのみに依存するものではなく、エンドミルを工作機械の主軸に取付ける際のエンドミルの深さ等によっても変化するからである。従って、「使用する工作機械」とは、エンドミルを取付けた工作機械の全体をいい、「使用する工作機械の固有振動数」とは、工作機械に取付けられた状態においてエンドミルが有するに至る固有振動数をいう。
【0022】
「自励びびり振動」を抑制できる主軸の回転数は、外乱などの影響により、理論的に決定される回転数よりも若干増減することが考えられる。従って、実際の加工では、常に本発明の方法により決定された回転数と厳密に同一の回転数で加工を行なう必要はなく、「自励びびり振動」を抑制できる許容範囲内で回転数を決定すればよい。また、「自励びびり振動」の有無を観察しつつ、事前に決定した回転数を調整する方法も、本発明の範囲に含まれる。当該許容範囲は、本発明の目的を達成できる範囲であれば特に制限されないが、一応の目安として±約5%以内が好適であり、更に好ましくは±約3%以内である。
【0023】
加工時における当該エンドミルの回転数を、「使用する工作機械の最大回転数の約85%以上」が好ましいとしたのは、使用する工作機械の性能を最大限に発揮させるには、当該回転数を約85%以上とすることが望まれるからである。即ち、当該回転数を低下させれば「自励びびり振動」を抑制できるが、それでは使用する工作機械が有する本来の性能を十分に発揮させることができず、生産性が低下せざるを得ない。従って、加工時における当該エンドミルの回転数は、式(1)に従うと共に、「使用する工作機械の最大回転数の約85%以上」とすることが好ましく、より好ましくは約90%以上である。尚、「使用する工作機械の最大回転数」は、工作機械メーカーが工作時における安全性等を考慮して定められたものであり、夫々の工作機械に固有のものである。
【0024】
本発明の方法によれば、式(1)を満たす条件下で整数nを変化させることにより、使用する工作機械の最大回転数内で自由に「自励びびり振動」を生じない回転数を規定することができる。また逆に、使用する工作機械の最大回転数の約85%以上で「自励びびり振動」を生じない回転数が設定できる様に、エンドミルの直径、その突き出し長さ、その材質等を変更する等によって、使用する工作機械の固有振動数ωを調整することも可能である。
【0025】
「使用する工作機械の固有振動数ω」を測定する方法は、当業者により通常使用される方法であれば特に限定されないが、例えば図3に示すようなインパルス応答法が挙げられる。即ち、エンドミルの一部をインパルスハンマで加振して、同時にアンプを通じてインパルスハンマの信号(加振力)を固有振動数の測定装置へ送る。また、加振によるエンドミルの振動を変位計によって捕らえ、アンプを通じてその信号(変位データ)を固有振動数の測定装置へ送る。固有振動数の測定装置は、受信した加振力と変位データによって、エンドミルの固有振動数を算出することができる。
【0026】
ここで「インパルスハンマ」は、振動特性を測定するために使用される専用の測定器であり、ハンマの内部に動力測定を行なうための装置があり、ハンマにより加振した際の加振力を出力することができるものである。
【0027】
「変位計」とは、インパルスハンマにより加振された工具の振動を測定するセンサであるが、本発明では、変位計のほかに加速度計でも同様の測定が可能である。
【0028】
「固有振動数の測定装置」は、受信した加振力と変位データによって、エンドミルの固有振動数を算出することができるものであれば特に限定なく使用され得るが、FFTアナライザが好適に用いられる。
【0029】
また、本発明におけるエンドミルの固有振動数は、上述したインパルス応答法以外にも、当業者にとっての公知技術である「周波数応答法」によって測定してもよい。
【0030】
エンドミルの直径が小さ過ぎるために、インパルス応答法等により「使用する工作機械の固有振動数ω」が測定し難い場合には、計算により求めることも可能である。斯かる計算による固有振動数ωの算出方法は、以下の手順による。
【0031】
(i)固有振動数ωの算出を目的とするエンドミルと材質及び形状が同一であり、大きさのみが異なる相似形のエンドミルを用意する。その大きさは、固有振動数ωの測定が可能である程度のものとし、その固有振動数ωを上述したインパルス応答法等により実測する。
【0032】
(ii)エンドミルを「片持ちばり」、即ちエンドミルを断面が円形である円柱であると仮定すると、材料力学の知識から、固有振動数ωは、下記式(3)により求めることができる。
【0033】
【数1】
【0034】
但し、エンドミルは円形断面ではなく複雑な形状を有しているため、片持ちばりとして仮定するためには補正係数cをかける必要がある。上記式(3)中、Eとρはエンドミルの材質により定まり、Iはエンドミルを円形と仮定することにより求められ、dは使用するエンドミル固有の値であり、lは実測により求めることができ、gは固定値である。従って、固有振動数ωの実測値からエンドミル径の補正係数cを求めることができる。
【0035】
(iii)補正係数cは、材質と形状が同一な相似形のエンドミル間では一定の値であるため、固有振動数ωを実測できないエンドミルの固有振動数は、上記式(3)により算出することができる。
【0036】
尚、上記式(3)からも、エンドミルの直径、その突き出し長さ、その材質(密度等)を変更することによって、使用する工作機械の最大回転数の約85%以上で「自励びびり振動」が発生しない回転数が設定できる様に、使用する工作機械の固有振動数ωを調整し得ることが解かる。
【0037】
図4は、本発明に係る加工装置を模式的に表わしたものである。本発明の加工装置は、(a)使用する工作機械の固有振動数であるω(Hz)を入力する手段と、(b)当該ωの値を用いて式(1)により回転数N(rpm)を算出する手段と、(c)当該回転数Nの±3%以内を当該エンドミルの回転数として回転数を制御する手段を有することを特徴とするが、(d)当該エンドミルの回転数を、使用する工作機械の最大回転数の85%以上に制御する手段、(e)当該固有振動数ω(Hz)を測定し、当該固有振動数ωを出力する手段、(f)一定以上の外乱を感知すると、上記式(1)中nの値を(n+1)として回転数を制御する手段のそれぞれ或いは手段(d)〜(f)の二以上の組合わせをも有していてもよい。
図4に示した加工装置は、これら(a)〜(f)の構成要件全てを具備するものである。図4において、1は工作機械、2は工作機械の主軸、3はエンドミル、4は固有振動数の測定装置、5は工作機械の回転数制御装置を示す。固有振動数の測定装置4は、エンドミルのインパルス信号S1を受け取ると固有振動数ωを導き出し、当該固有振動数ωを信号S2として、工作機械の回転数制御装置5に出力する。回転数制御装置5は、固有振動数から工作機械の最大回転数内で式(1)に従って回転数を算出し、信号S4として出力し、主軸及びエンドミルの回転数を制御する。また、一定以上の外乱が信号S3として回転数制御装置5に出力された場合には、回転数制御装置5は、式(1)に従って回転数を一段階以上下げ、信号S4として出力し、回転数を制御する。斯かる回転数の低下によって外乱による影響が抑制された場合には、信号S3は停止し、回転数制御装置5は再び回転数を元に戻すことにより、安全で且つ効率的な加工が可能となる。
【0038】
【実施例】
以下に、実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
最大回転数が10,000rpmである工作機械(シチズン社製、NF4)の主軸に材質が超硬である小径エンドミル(MMCコベルコツール社製、C-2MC(刃数2枚のもの)及びC-4MC(刃数4枚のもの)、直径6mm,8mm,10mm)を取り付け、径方向切り込み:2.0mm、軸方向切り込み:8.0mmの条件でアルミニウム合金(A7075)を切削するに当たり、インパルス応答法により工作機械の固有振動数を測定し、当該振動数に応じて種々の回転数で切削を行ない、自励びびり振動の有無を観察した。
【0039】
工作機械の固有振動数の測定は、主軸に取付けたエンドミルの先端部外周面に加速度計(PCB PIEZOTRONICS社製、352A10)を貼り付け、インパスルハンマ(PCB PIEZOTRONICS社製、086C01)によりエンドミル先端部であり且つ加速度計の反対側を加振し、加振力及びエンドミル先端部の加速度を測定し、得られたデータからFFTアナライザ(小野測器社製、CF940)により行なった。
【0040】
本実施例の結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表1中、自励びびり振動の有無は、○:びびり振動無し、×:びびり振動有りで表わす。
【0043】
実施例1〜5より、本発明の要件を満たす条件下での加工では、自励びびり振動は発生しない上、工作機械の最大回転数の約85%以上の回転数で加工を行なっても、自励びびり振動は発生しないことが明らかとなった。即ち、本発明の加工方法によれば、自励びびり振動を抑制しつつも工作機械が有する機能を最大限に発揮させることができ、安全下に高精度且つ高効率な加工を実現することができる。
【0044】
その一方で、本発明の要件を満たさない条件、即ち式(1)においてnが整数でない回転数で加工を行なうと(比較例1〜4)、回転数を落としても自励びびり振動が発生することが判る。特に、直径が10mmのエンドミル加工においては、本発明の要件を満たさない条件下では、回転数を最大回転数の約70%にまで落としても、自励びびり振動が観察された(比較例4)。しかし、同じ直径10mmのエンドミル加工でも、本発明の要件を満たせば、最大回転数の90%以上の回転数で加工を行なっても、自励びびり振動は発生していない(実施例4)。
【0045】
【発明の効果】
本発明の小径エンドミルによる加工方法によれば、使用する工作機械の最大回転数の約85%以上という高回転数で加工を行なっても、エンドミルの自励びびり振動が発生しないため、安全に高精度且つ高効率な加工を達成することができる。
【0046】
また、本発明の小径エンドミルによる加工条件決定方法では、事前のテスト加工等を行なわなくても、使用する工作機械の固有振動数を実測又は計算するのみで、その様な回転数を決定することができるという効果を有する。
【0047】
更に、本発明の小径エンドミルによる加工装置は、これら本発明が有する作用効果をそのまま享有し、本発明の加工方法及び加工条件決定方法を簡便に実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】被加工体の切り取り厚さの変動が生じている場合の模式図
【図2】被加工体の切り取り厚さが一定である場合の模式図
【図3】インパルス応答法による固有振動数の測定を表わす図
【図4】本発明の加工方法を好適に実施する加工装置の模式図
【符号の説明】
1:工作機械
2:工作機械の主軸
3:エンドミル
4:固有振動数の測定装置
5:工作機械の回転数制御装置
S1:エンドミルのインパルス信号
S2:算出された固有振動数ωの出力信号
S3:外乱の出力信号
S4:回転数制御装置5からの回転数制御信号
Claims (8)
- 小径エンドミルによる加工方法であって、加工時における当該エンドミルの回転数を、下記式(1)により求められる回転数N(rpm)の±3%以内とすることを特徴とする小径エンドミルによる加工方法。
N=(ω×60)/(e×n) ・・・(1)
ω:使用する工作機械の固有振動数(Hz)
e:小径エンドミルの刃数
n:1以上の整数 - 上記エンドミルの回転数を、使用する工作機械の最大回転数の85%以上とする請求項1に記載の小径エンドミルによる加工方法。
- 小径エンドミルによる加工の条件を決定する方法であって、使用する工作機械の固有振動数であるω(Hz)を実測又は計算によって求め、当該ωの値を用いて下記式(1)により回転数N(rpm)を求め、当該回転数Nの±3%以内を当該エンドミルの回転数として決定することを特徴とする小径エンドミルによる加工条件決定方法。
N=(ω×60)/(e×n) ・・・(1)
ω:使用する工作機械の固有振動数(Hz)
e:小径エンドミルの刃数
n:1以上の整数 - 上記エンドミルの回転数を、使用する工作機械の最大回転数の85%以上である回転数として決定する請求項3に記載の小径エンドミルによる加工条件決定方法。
- 小径エンドミルによる加工装置であって、使用する工作機械の固有振動数であるω(Hz)を入力する手段と、当該ωの値を用いて下記式(1)により回転数N(rpm)を算出する手段と、当該回転数Nの±3%以内を当該エンドミルの回転数として回転数を制御する手段を有することを特徴とする小径エンドミルによる加工装置。
N=(ω×60)/(e×n) ・・・(1)
ω:使用する工作機械の固有振動数(Hz)
e:小径エンドミルの刃数
n:1以上の整数 - 上記エンドミルの回転数を、使用する工作機械の最大回転数の85%以上に制御する手段を有する請求項5に記載の小径エンドミルによる加工装置。
- 上記固有振動数ω(Hz)を測定し、当該固有振動数ωを出力する手段を有する請求項5又は6に記載の小径エンドミルによる加工装置。
- 一定以上の外乱を感知すると、上記式(1)中nの値を(n+1)として回転数を制御する手段を有する請求項5〜7のいずれかに記載の小径エンドミルによる加工装置。
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