JP2012115963A - 工作機械の振動抑制装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工完了までの所要時間を変更したり、過度の加工条件変更によるびびり振動の増加を招いたりすることなく、発生したびびり振動に対して適切に対処する。
【解決手段】S2で各パラメータに基づいて上限回転速度を設定して加工を開始し(S3)、びびり振動の発生を検出してびびり振動の種類を判別し(S4,S5)、検出されたびびり振動が強制びびり振動であれば、そのときの回転速度と振動量とを記憶して(S7)回転速度を上昇側へ変更する(S8)一方、回転速度を上昇側へ変更しても振動が拡大傾向にある場合(S10)、若しくは上昇側へ変更しようとする次の回転速度が上限回転速度を超える場合(S13)には、回転速度を上昇側へ変更することなく、記憶された回転速度から振動量が最小となる回転速度を選択する(S11)。
【選択図】図2

Description

本発明は、工具又はワークを回転させながら加工を行う工作機械において、加工中に発生する振動の抑制を目的とした振動抑制装置及び方法に関するものである。
従来、たとえば回転可能な主軸に工具を支持させ、工具及びワークを送りながら相対移動させて、ワークに加工を施すといった工作機械がある。該工作機械においては、切削加工における切込み量を大きくし過ぎると、加工中に「びびり振動」が発生して、加工面の仕上げ精度の悪化、急速な工具摩耗、工具欠損などの問題が生じる。このびびり振動を抑制するために、特許文献1には、回転速度や切込み量を減少させてびびり振動の低減処理を行う技術が、特許文献2には、振動数の60倍の値を工具の刃数と所定の整数との積で除した値を回転数とする技術がそれぞれ開示されている。
特開2006−150504号公報 特開2003−340627号公報
しかし、上記従来の技術では、回転速度や切込み量などの加工条件を調整することでびびり振動の低減が期待できる一方、加工時間に影響する切込み量を変更するため、加工完了までの所要時間も変更されてしまう恐れがある。また、びびりには強制びびり振動や再生びびり振動などの種類があり、それぞれに対して対処が異なるため、回転速度の増加及び切込み量の減少のみでは対処できない可能性がある。さらに、過度に回転速度の増加または切込み量の減少を行うと逆にびびりが増加する危険がある。
そこで、本発明は、加工完了までの所要時間を変更したり、過度の加工条件変更によるびびり振動の増加を招いたりすることなく、発生したびびり振動に対して適切に対処可能となる工作機械の振動抑制装置及び方法を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、工具又はワークを回転させる回転軸を備えた工作機械において、前記回転軸の回転に伴って発生するびびり振動を前記回転軸の回転速度の変更によって抑制する振動抑制装置であって、
前記回転速度の上限を設定する上限回転速度設定手段と、前記びびり振動の発生を検出する振動検出手段と、検出された前記びびり振動の種類を判別する振動判別手段と、前記振動検出手段によりびびり振動を検出した場合、そのときの前記回転速度と振動量とを記憶する記憶手段と、前記振動判別手段において判別された前記びびり振動が強制びびり振動であれば、前記回転速度を上昇側へ変更する回転速度変更手段と、前記回転速度を上昇側へ変更しても前記強制びびり振動の振動量が増加した場合、若しくは上昇側へ変更しようとする次の回転速度が、前記上限回転速度設定手段で設定された上限回転速度を超える場合には、前記回転速度を上昇側へ変更することなく、前記記憶手段に記憶された前記回転速度から前記振動量が最小となる前記回転速度を選択する回転速度選択手段とを備えることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、前記回転速度変更手段によって前記回転速度を上昇側へ変更しても前記強制びびり振動が抑制されない場合、前記記憶手段による前記回転速度及び振動量の記憶と回転速度変更手段による前記回転速度の上昇側への変更とを繰り返し、前記回転速度選択手段は、変更前の回転速度での振動量と変更後の回転速度での振動量との差分を算出し、前記差分が一定回数以上連続して正となった場合に、前記振動量が増加したと判断することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、前記上限回転速度設定手段は、予め設定される工具の限界切削速度及び刃先丸み半径、ワークの材種の加工変質層深さに基づいて上限回転速度を求めることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、前記上限回転速度設定手段は、予め設定される工具の限界切削速度である回転速度nlim0と、以下の式(1)(2)に基づいて算出した2つの回転速度nlim1、nlim2とのうち、最も小さい回転速度を上限回転速度とすることを特徴とするものである。
lim1=v/(N×fZ1) ・・(1)
lim2=v/(N×fZ2) ・・(2)
:1分間当たりの主軸送り速度、N:工具刃数、fZ1:R×P(R:工具刃先丸み半径、P:調整係数)、fZ2:T×Q(T:ワークの材種の加工変質層深さ、Q:調整係数)
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、前記振動判別手段は、k=60f/nN(f:びびり振動周波数、n:現在回転速度、N:工具刃数)を演算して、kが整数の場合は強制びびり振動、それ以外の場合は再生びびり振動と判別することを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、工具又はワークを回転させる回転軸を備えた工作機械において、前記回転軸の回転に伴って発生するびびり振動を前記回転軸の回転速度の変更によって抑制する振動抑制方法であって、
前記回転速度の上限を設定する上限回転速度設定ステップと、前記びびり振動の発生を検出する振動検出ステップと、検出された前記びびり振動の種類を判別する振動判別ステップと、前記振動検出ステップによりびびり振動を検出した場合、そのときの前記回転速度と振動量とを記憶する記憶ステップと、前記振動判別ステップにおいて判別された前記びびり振動が強制びびり振動であれば、前記回転速度を上昇側へ変更する回転速度変更ステップと、前記回転速度を上昇側へ変更しても前記強制びびり振動の振動量が増加した場合、若しくは上昇側へ変更しようとする次の回転速度が、前記上限回転速度設定ステップで設定された上限回転速度を超える場合には、前記回転速度を上昇側へ変更することなく、前記記憶ステップで記憶された前記回転速度から前記振動量が最小となる前記回転速度を選択する回転速度選択ステップとを実行することを特徴とするものである。
請求項1及び6に記載の発明によれば、強制びびり振動を回転速度の上昇側への変更によって適切に抑制可能となる一方、回転速度を上昇側へ変更しても強制びびり振動の抑制効果が得られなかった場合には、極度に切込み量が小さくならない回転速度への変更に留めることができる。よって、加工完了までの所要時間を変更したり、過度の加工条件変更によるびびり振動の増加を招いたりすることなく、発生したびびり振動に対して適切に対処可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、振動量の増加を適切に判別することができる。
請求項3及び4に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、最も余裕のある領域で上限回転速度を設定可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、強制びびり振動と再生びびり振動とを簡単に判別可能となる。
立形マシニングセンタの概略構成図である。 振動抑制方法のフローチャートである。 強制びびり振動の発生メカニズムを示す説明図である。 図3のa−a’断面における工具刃通過周波数による入力を示す説明図である。 図3のa−a’断面における機械系の伝達関数を示す説明図である。 図3のa−a′断面における振動量を示す説明図である。 強制びびり振動の発生メカニズムにおける入力を示す説明図である。 (A)は通常の切込みにおける切削を示す説明図、(B)は微小切込みにおける寸法効果を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、工作機械の一例である立形マシニングセンタ及び立形マシニングセンタに設けられる振動抑制装置を概略で示した構成図である。
まず、立形マシニングセンタ1は、上方に設けた主軸頭2にC軸回りで回転自在な回転軸としての主軸3を設け、その主軸3に取り付けた工具4によって、下方の加工テーブル5上にセットされたワーク6を加工する周知の構成で、NC装置12が、NCプログラムに従って主軸3の回転を制御すると共に、図示しない自動工具交換装置によって工具4を自動交換可能となっている。
振動抑制装置10は、主軸3に生じる「びびり振動」を制御するためのものであって、回転中の主軸3に生じる時間領域の振動加速度を検出するための振動センサ7と、該振動センサ7による検出値をもとにして主軸3の回転速度を制御する制御装置11とを備えている。
制御装置11は、NC装置12と、振動センサ7から検出される時間領域の振動加速度をもとにしたフーリエ解析を行う演算装置13と、演算装置13で演算された演算値や主軸3の回転速度、びびり振動の最大加速度等を記憶する記憶手段としての記憶装置14と、演算装置13に所定のパラメータを入力する入力装置15とを備えている。このうち演算装置13が、上限回転速度設定手段及び振動判別手段、回転速度選択手段としてそれぞれ機能すると共に、振動センサ7と併せて振動検出手段として、NC装置12と併せて回転速度変更手段としてそれぞれ機能する。
以下、制御装置11における加工中での振動抑制方法について、図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、S1で入力装置15により、演算装置13で用いる各パラメータを入力する。このパラメータとして、工具刃先丸み半径Rと、ワークの材種の加工変質深さTと、主軸3の上限回転速度nlim0と、振動量(最大加速度)の閾値と、工具刃数とが設定される。パラメータの入力を受けて演算装置13は、S2において、以下の式(1)に基づいて上限回転速度nlim1を、以下の式(2)に基づいて上限回転速度nlim2をそれぞれ算出し、これら3つの上限回転速度nlim0とnlim1とnlim2とを比較して、最も小さい値を主軸3の上限回転速度nlimとして記憶装置14に設定する(上限回転速度設定ステップ)。
lim1=v/(N×fZ1) ・・(1)
lim2=v/(N×fZ2) ・・(2)
:1分間当たりの主軸送り速度、N:工具刃数、fZ1:R×P(R:工具刃先丸み半径、P:調整係数(例えば100%から500%の値))、fZ2:T×Q(T:ワークの材種の加工変質層深さ、Q:調整係数(例えば100%から500%の値))
従って、例えば工具の限界切削速度などから設定された上限回転速度nlim0が10,000min−1、比切削抵抗の寸法効果を考慮した上限回転速度nlim1が6,000min−1、加工変質層深さを考慮した上限回転速度nlim2が8,000min−1の場合、選択される上限回転速度nlimは6,000min−1となる。
次に、S3で加工を開始し、加工中は、振動センサ7から得られる加工中の振動加速度を検出して、演算装置13で周波数領域の加速度に変換し、得られた振動量(最大加速度)の値を予め設定した閾値と比較する(S4)。最大加速度が閾値を越えた場合には、びびり振動が発生したと判断して(振動検出ステップ)、びびり周波数と工具刃数と回転速度とから強制びびり振動か再生びびり振動かを判別する(S5、振動判別ステップ)。この判別は、例えば以下の式でk値を演算して、k値が整数の場合は強制びびり振動、それ以外の場合は再生びびり振動と判別する。
k=60f/n
(f:びびり振動周波数、n:現在回転速度、N:工具刃数)
これは図3に示すように、強制びびり振動は、k=1,2,3・・の斜め点線で示される工具刃通過周波数での切削力変動による入力と、f1、f2、f3の範囲で示される共振周波数とが一致した斜め実線で示される箇所で発生する、すなわち、k値が整数である工具刃通過周波数線上に存在することから、上記演算によって得られたk値が整数であることをもって強制びびり振動と判別するものである。
S5の判別でNO,すなわち再生びびり振動と判断されたら、S6で、最適回転速度nを以下の式で演算し、主軸3の回転速度を最適回転速度nへ変更してS4の判別へ戻る。
n=60f/{(k1+1)N}
(k1:k値の整数部分)
一方、S5の判別で強制びびり振動と判断されたら、S7で回転速度と振動量とを記憶して(記憶ステップ)、S8で回転速度を予め設定された一定数だけ上げる(回転速度変更ステップ)。
ここで回転速度を上げるのは、図3に示されるように、ある共振周波数に着目した場合、回転速度を上げた方が各工具刃通過周波数の間隔(点線の間隔)が広くなり、工具刃通過周波数と共振周波数範囲とが一致しない回転速度範囲が広がるため、強制びびり振動が発生しない回転速度が存在する可能性が高くなるからである。
また、図4から図6に示されるように、振動量は各周波数における工具刃通過周波数での入力と機械系の伝達関数との積となるため、入力を低減するか、伝達関数を小さくするか、入力と伝達関数の大きい共振周波数との周波数をずらすかすることで発生する振動量を低減させることができる。ここで図7より、工具4の毎分送り(矢印A)が一定の場合、矢印Bでの回転速度を上げることでワーク6の切削断面20の長さが減少することが分かる。入力はこの切削断面20の長さと図面に対して鉛直方向の切込み量との積の切削断面積に比例するため、切削断面20の長さが減少することで入力が低減する。このため、回転速度を上げると入力が低減され、振動量が低減されるのである。
S8で回転速度を上げた後、S9で再び振動量と閾値との比較を行う。ここでも振動量が閾値以上、すなわち回転速度を上昇側へ変更しても強制びびり振動の抑制効果が得られなかった場合は、S10で、現在の回転速度までの結果から振動が拡大傾向にあるか否かを判断する。これは、たとえば現在の回転速度での加工をN回目とするならば、N回目とN−1回目の振動量の差分が正で、且つN−1回目とN−2回目の振動量の差分が正、・・というように、回転速度を上げるにつれて振動量の差分が一定回数以上連続して正となる場合は、振動が拡大傾向にあると判断する。
そして、振動が拡大傾向と判断された場合は、S11で、記憶装置14の中で最も振動量の小さい回転速度に変更して(回転速度選択ステップ)、S12で加工終了となるまで当該回転速度で加工を継続する。
一方、S10で振動が拡大傾向にないと判断された場合は、S13で、現在の回転速度に回転速度増加分を足した次の回転速度が、S2で設定したnlimを超えているか否かを確認する。ここでnlimを超えない場合は、S4へ戻って制御を継続する。よって、振動量が依然として閾値を超えており(S4でYES)、尚かつ強制びびり振動である(S5でYES)場合、S7で当該回転速度と振動量とを記憶した後、S8で再び回転速度を上げてS9で振動量と閾値との比較を行う。すなわち、回転速度がnlimに達しない範囲で回転速度を段階的に上げて強制びびり振動の抑制を図るものである。
そして、強制びびり振動が抑制されないままS13で次の回転速度がnlimを超える場合は、S11で記憶装置14の中で最も振動量の小さい回転速度に変更して(回転速度選択ステップ)、S12で加工終了となるまで当該回転速度で加工を継続する。
なお、S10において振動が拡大傾向にあるか否かを判別し、S13において次の回転速度がnlimを超えるか否かを判別して、何れの判別でもYESの場合には記憶の中で最も振動量の小さい回転速度に変更するのには以下の理由による。
まず、図8(A)に示されるように工具刃先4Aの丸みの影響が無視できる程度の切込み量21である場合に対して、同図(B)に示されるように工具刃先4Aの丸みの影響が無視できない程度の微小切込み量22である場合は、「比切削抵抗の寸法効果」(「基礎切削加工学」(共立出版株式会社)参照)により実質すくい角が減少することで比切削抵抗が大きくなるため、びびり振動が発生しやすくなるからである。また、加工変質層の加工硬化により一般的に表面に近いほど硬度は高くなるため、表面近くで微小切込量の切削を行うと、びびり振動が発生しやすくなったり、チッピングが発生したり、摩耗が早く進行したりするからである。つまり、S10,S13の判別は、回転速度をnlim近くまで上げ続けたことで、切込量が小さくなりすぎて逆にびびり振動が大きくなったり工具不良が発生したりする不具合を回避するための処理である。
このように、上記形態の振動抑制装置及び方法によれば、強制びびり振動が発生すると回転速度を上昇側へ変更することで振動の低減を図る一方、上昇側へ変更しても振動の低減に繋がらない場合、若しくは変更しようとする次の回転速度が上限回転速度を超える場合には、振動量が最小となる回転速度を選択するようにしたことで、回転速度を上昇側へ変更しても強制びびり振動の抑制効果が得られなかった場合には、極度に切込み量が小さくならない回転速度への変更に留めることができる。よって、加工完了までの所要時間を変更したり、過度の加工条件変更によるびびり振動の増加を招いたりすることなく、発生したびびり振動に対して適切に対処可能となる。
特にここでは、回転速度を上昇側へ変更しても強制びびり振動が抑制されない場合、S7での回転速度及び振動量の記憶とS8での回転速度の上昇側への変更とを繰り返し、演算装置13は、S10において、振動が拡大傾向、すなわち変更前の回転速度での振動量と変更後の回転速度での振動量との差分を算出し、差分が一定回数以上連続して正となった場合に、振動量が増加したと判断するようにしているので、強制びびり振動の振動量の増加を適切に判別することができる。
また、演算装置13は、予め設定される工具の限界切削速度である回転速度nlim0と、上記2つの回転速度nlim1、nlim2とのうち、最も小さい回転速度を上限回転速度とするようにしているので、最も余裕のある領域で上限回転速度を設定することができる。
さらに、演算装置13は、k=60f/nN(f:びびり振動周波数、n:現在回転速度、N:工具刃数)を演算して、kが整数の場合は強制びびり振動、それ以外の場合は再生びびり振動と判別するようにしているので、びびり振動の種類が簡単に判別可能となる。
なお、本発明の振動抑制装置に係る構成は、上記実施の形態に記載した態様に何ら限定されるものではなく、振動検出手段や制御装置の構成、振動抑制制御等を本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。
たとえば、振動検出手段には変位計やマイクを採用して、振動加速度の代わりに振動変位や振動音を用いることも可能である。
また、上記形態では最終的に選択された回転速度へ自動的に変更しているが、記憶装置が記憶している結果を表示する表示装置を設けて、表示された結果を基にオペレータが手動で最終的な回転速度に変更してもよい。
さらにまた、S1でのパラメータの設定において、工具の限界切削速度Vlimと工具径Dとを設定できるようにして、S2ではnlim0=Vlim/(π×D)として上限回転速度nlim0を設定するようにしてもよい。
また、予め共振周波数を測定して、S1でその共振周波数を入力できるようにして、図3で示される斜め実線を考慮して不安定と想定される回転速度を除外するように回転速度の変更範囲を制限してもよい。
さらにまた、S10では振動が拡大傾向にあるか否かを演算しているが、1回ごとの測定結果の比較ではなく、数回分の測定結果を平均してから比較するなどしてもよい。このようにすれば測定誤差の影響を抑えることができる。但し、1回の回転速度の変更の前後で振動量が増加していれば、さらに回転速度を上げることなく振動量が最小の回転速度を選択するようにしてもよい。
その他、工作機械としては立形マシニングセンタに限らず、回転軸に装着したワークを回転させて加工を行うNC旋盤等の他の工作機械であっても本発明は適用可能である。
1・・立形マシニングセンタ、2・・主軸頭、3・・主軸、4・・工具、5・・加工テーブル、6・・ワーク、7・・振動センサ、10・・振動抑制装置、11・・制御装置、12・・NC装置、13・・演算装置、14・・記憶装置、15・・入力装置、20・・切削断面、21・・切込み量、22・・微小切込み量。

Claims (6)

  1. 工具又はワークを回転させる回転軸を備えた工作機械において、前記回転軸の回転に伴って発生するびびり振動を前記回転軸の回転速度の変更によって抑制する振動抑制装置であって、
    前記回転速度の上限を設定する上限回転速度設定手段と、
    前記びびり振動の発生を検出する振動検出手段と、
    検出された前記びびり振動の種類を判別する振動判別手段と、
    前記振動検出手段によりびびり振動を検出した場合、そのときの前記回転速度と振動量とを記憶する記憶手段と、
    前記振動判別手段において判別された前記びびり振動が強制びびり振動であれば、前記回転速度を上昇側へ変更する回転速度変更手段と、
    前記回転速度を上昇側へ変更しても前記強制びびり振動の振動量が増加した場合、若しくは上昇側へ変更しようとする次の回転速度が、前記上限回転速度設定手段で設定された上限回転速度を超える場合には、前記回転速度を上昇側へ変更することなく、前記記憶手段に記憶された前記回転速度から前記振動量が最小となる前記回転速度を選択する回転速度選択手段と
    を備えることを特徴とする工作機械の振動抑制装置。
  2. 前記回転速度変更手段によって前記回転速度を上昇側へ変更しても前記強制びびり振動が抑制されない場合、前記記憶手段による前記回転速度及び振動量の記憶と回転速度変更手段による前記回転速度の上昇側への変更とを繰り返し、前記回転速度選択手段は、変更前の回転速度での振動量と変更後の回転速度での振動量との差分を算出し、前記差分が一定回数以上連続して正となった場合に、前記振動量が増加したと判断することを特徴とする請求項1に記載の工作機械の振動抑制装置。
  3. 前記上限回転速度設定手段は、予め設定される工具の限界切削速度及び刃先丸み半径、ワークの材種の加工変質層深さに基づいて上限回転速度を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械の振動抑制装置。
  4. 前記上限回転速度設定手段は、予め設定される工具の限界切削速度である回転速度nlim0と、以下の式(1)(2)に基づいて算出した2つの回転速度nlim1、nlim2とのうち、最も小さい回転速度を上限回転速度とすることを特徴とする請求項3に記載の工作機械の振動抑制装置。
    lim1=v/(N×fZ1) ・・(1)
    lim2=v/(N×fZ2) ・・(2)
    :1分間当たりの主軸送り速度、N:工具刃数、fZ1:R×P(R:工具刃先丸み半径、P:調整係数)、fZ2:T×Q(T:ワークの材種の加工変質層深さ、Q:調整係数)
  5. 前記振動判別手段は、k=60f/nN(f:びびり振動周波数、n:現在回転速度、N:工具刃数)を演算して、kが整数の場合は強制びびり振動、それ以外の場合は再生びびり振動と判別することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の工作機械の振動抑制装置。
  6. 工具又はワークを回転させる回転軸を備えた工作機械において、前記回転軸の回転に伴って発生するびびり振動を前記回転軸の回転速度の変更によって抑制する振動抑制方法であって、
    前記回転速度の上限を設定する上限回転速度設定ステップと、
    前記びびり振動の発生を検出する振動検出ステップと、
    検出された前記びびり振動の種類を判別する振動判別ステップと、
    前記振動検出ステップによりびびり振動を検出した場合、そのときの前記回転速度と振動量とを記憶する記憶ステップと、
    前記振動判別ステップにおいて判別された前記びびり振動が強制びびり振動であれば、前記回転速度を上昇側へ変更する回転速度変更ステップと、
    前記回転速度を上昇側へ変更しても前記強制びびり振動の振動量が増加した場合、若しくは上昇側へ変更しようとする次の回転速度が、前記上限回転速度設定ステップで設定された上限回転速度を超える場合には、前記回転速度を上昇側へ変更することなく、前記記憶ステップで記憶された前記回転速度から前記振動量が最小となる前記回転速度を選択する回転速度選択ステップと
    を実行することを特徴とする工作機械の振動抑制方法。
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