JP4170652B2 - タイヤ加硫金型、及びタイヤ加硫金型の成形面処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外観を向上しうる空気入りタイヤの製造に役立つタイヤ加硫金型、及びタイヤ加硫金型の成形面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤは、通常、カーボンブラックなどの補強材が配合された黒色のゴムによって形成される。ところが、時間の経過とともにゴムに添加されたワックス等の油分や、老化防止剤などの添加剤がタイヤの外表面に移行して滲み出すことがある。このような油分等の滲み出しは、タイヤの外表面をぎらぎらして見せ外観を悪化させる。特にこのような滲み出しは、外部から視認されやすいサイドウォール部においてより顕著に現れる。
【0003】
従来、このような問題を解決するために、タイヤに配合するワックスや老化防止剤などの量を減じ、前記滲みだし自体を少なくする試みがなされてはいる。しかしながら、ワックスや老化防止剤の配合量が低下すると、タイヤの耐久性や耐候性などが低下するという不具合を伴う。
【0004】
発明者らは、このような実状に鑑み鋭意研究を重ねたところ、タイヤを加硫成形するタイヤ加硫金型の成形面の少なくとも一部を、一定の範囲に限定した表面粗さで形成することによって、タイヤ外表面に微細な凹凸を付与し、これによってタイヤ外表面に当たる光を乱反射させ該外表面をしっとりかつ黒っぽく見せるとともに、添加剤の滲みだし等が生じてもこれを目立ち難くして外観の悪化を抑制しうることを見出した。
【0005】
以上のように、本発明は、タイヤ加硫金型の成形面の少なくとも一部に、表面粗さを規制した粗面部成形面を設けることを基本として、外観を向上しうる空気入りタイヤを製造するのに役立つタイヤ加硫金型を提供することを目的としている。また、請求項2に係る発明にあっては、このようなタイヤ加硫金型を製造するのに役立つタイヤ加硫金型の成型面処理方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、タイヤを加硫成形する成形面を有するタイヤ加硫金型であって、
前記成形面の少なくとも一部に、十点平均粗さRzが5〜100μmでありかつ局部山頂の平均間隔Sが20〜150μmの表面粗さを有する粗面部成形面を設けるとともに、
【0007】
前記粗面部成形面は、タイヤのサイドウォール部を成形するサイドウォール成形面であることを特徴としている。
【0008】
また請求項2記載の発明は、タイヤを加硫成形する成形面の少なくとも一部に、砥粒材を噴射することにより前記成形面に、前記請求項1に係る微細な凹凸を形成するタイヤ加硫金型の成形面処理方法であって、
前記砥粒材は、平均粒子径が10μm以上かつ1 mm 以下でしかも表面に稜線を多数有する砕石状の非球体からなる。
【0009】
さらに請求項2の発明においては、この砥粒材を100〜1000kPaの高圧空気で30秒以上かつ10分以下で噴射する。
【0010】
しかも請求項2に係る発明は、前記砥粒材の噴射速度が0.3〜10(m/s)であることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すタイヤ加硫金型の断面図、図2はその部分斜視図、図3はそれによって成形された空気入りタイヤ1の部分斜視図を示している。先ず図3に示すように、空気入りタイヤ10は、トレッド部12と、その両端からタイヤ半径方向外側にのびるサイドウォール部13と、このサイドウォール部13の外端に連なりかつリムに着座するビード部14とを具えるトロイド状で構成され、本例ではラジアル構造カーカス16と、このカーカス16をタガ締めするベルト層17とを有する乗用車用のラジアルタイヤが例示される。
【0012】
また図1、図2において、タイヤ加硫金型1は、この空気入りタイヤ10の外表面を成形しうる成形面2を具える。該成形面2は、例えばトレッド部12の外表面12aを成形するトレッド成形面2aと、サイドウォール部13の外表面13aを成形するサイドウォール成形面2bと、ビード部14の外表面14aを成形するビード成形面2cとを含み、本例では熱伝導に優れかつ加工が比較的容易なアルミニウムないしアルミニウム合金から形成されたものを例示している。なお金型形状は、例示のものに限定されるものではなく、その割位置や形状などは種々変更できる。また図1中符号Bは、タイヤ内腔面を押圧するブラダーである。
【0013】
またタイヤ加硫金型1は、成形面2の少なくとも一部に、十点平均粗さRzが5〜100μmでありかつ局部山頂の平均間隔Sが20〜150μmの表面粗さを有する粗面部成形面3が設けられ、該粗面部成形面3を前記サイドウォール成形面2bに設けたものを例示している。
【0014】
発明者らの実験によると、この粗面部成形面3を有するタイヤ加硫金型1を用いてタイヤを加硫成形すると、空気入りタイヤ1の外表面(サイドウォール部13の外表面13a)に、この粗面部成形面3と実質的に同一の表面粗さをなす粗面部15を形成しうることが分かった。そして、このような表面粗さを有する粗面部15は、意外にも外部からの光を好ましい加減で乱反射し、タイヤ1の外観をしっとりとした色調で黒々と見せることが判明した。また曝露実験等を繰り返してタイヤ外表面に添加剤を故意に滲み出させても、この粗面部15が油分等のぎらつきを殆ど目立たなくし、長期に亘ってタイヤの外観を向上維持しうることを見出した。
【0015】
従って、このような粗面部15を成形しうる粗面部成形面3をタイヤ加硫金型1のサイドウォール部成形面2bに設けることにより、タイヤ使用時に外部から最も視認されやすいサイドウォール部13の外観を常に良好に保ちうる空気入りタイヤ1を製造しうるのに役立つ。なおサイドウォール部13の外表面13aに標章等の模様19が形成される場合があるが、この模様19の表面も粗面部15とし、このように、前記サイドウォール成形面2bには、サイドウォール部13の外表面13aに形成される標章を含む模様19を包含する。
【0016】
ここで、「十点平均粗さRz」は、JIS−B−0601の規定に準拠して測定される。すなわち、タイヤ加硫金型1の成形面2を針触式の表面粗さ測定器で測定し、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の最も高い山頂から5番目までの山頂の標高の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高の絶対値の平均値との和を求め、この値をマイクロメートルで表したものを十点平均粗さRzとする。なお本例では基準長さLを0.8mm、評価長さを4mmの条件とする。
【0017】
また「局部山頂の平均間隔」は、JISには規定がないがISO等で定められており、例えば図4に示すように、前記成形面2の粗さ曲線Nからその平均線mの方向に基準長さLだけ抜き取り、この抜き取り部分において隣り合う局部山頂間に対する平均線の長さ(局部山頂の間隔)S1、…Si、…Snを求め、この多数の局部山頂の間隔の算術平均値で表される。なお本例では基準長さLを0.8mm、評価長さを4mmの条件とする。
【0018】
前記粗面部成形面3において、十点平均粗さRzが5μm未満であると、形成される粗面部15において光がタイヤ表面で良い加減に乱反射せず、逆にタイヤが白っぽく見えてしまう傾向が強い。しかもタイヤ外表面に滲みだした油分などのぎらつきを目隠しする効果が少なくなる。種々調べたところ、従来のタイヤ加硫金型1では、成形面の十点平均粗さRzが2〜4μm程度のものが多いが、これでは成形されたタイヤの表面が金属のように「てかり」があるため、前記滲みだしが良く目立っていたと考えられる。また粗面部成形面3の十点平均粗さRzが100μmよりも大きくなると、成形されたタイヤ外表面がヤスリのようにザラザラとした質感となり、商品価値を損ね易いため好ましくない。より好ましくは、粗面部成形面3の十点平均粗さRzを8〜80、さらに好ましくは10〜50、特に好ましくは15〜35とするのが望ましい。
【0019】
また発明者らは、粗面部成形面3を、このような好ましい範囲の十点平均粗さRzに従って加工し、複数本のタイヤを加硫成形したところ、意外にも上述の十点平均粗さRzの範囲を満たす金型でありながらも、外観の向上がさほど期待できないタイヤが含まれていることに気付いた。そして、これらの全てのタイヤから粗さ曲線を採取して鋭意検討したところ、その主たる原因は、表面粗さの偏りにあるあることを突き止めた。
【0020】
ここで、「表面粗さの偏り」とは、図5に示す如く、基準長さLの粗さ曲線Nの中に、上述の十点平均粗さRzを満たしうる振幅の山や谷が含まれてはいるものの、これらの大部分が基準長さLの一方側に偏って存在する現象を指す。このような粗さ曲線mの外表面を持つ成形面で加硫成形されたタイヤでは、部分的に反射ムラ等が生じてしまい、しっとりとした黒さを醸し出すことが困難となることが判明した。
【0021】
そこで、本発明者らは、このような表面粗さの偏りのない粗面部成形面3について種々実験を繰り返したところ、前記十点平均粗さRzのパラメータに加え、局部山頂の平均間隔Sを20〜150μmに限定することが非常に有効であることを見出した。即ち、粗面部成形面3において、局部山頂の平均間隔Sが20μmよりも小であると、表面粗さの偏りが生じ易く、その結果、成形されたタイヤを効果的に黒々と見せることできないことが分かった。逆に、粗面部成形面3の局部山頂の平均間隔Sが150μmよりも大きくなると、表面粗さの偏りは防止できるが、適度な粗さを維持するためには、十点平均粗さRzを大きくする必要があり、タイヤ表面がザラザラした感じとなり商品価値を損ね易い。このような観点より、特に好ましくは局部山頂の平均間隔Sを25〜120μm、より好ましくは30〜100μm、さらに好ましくは40〜70μmとするのが望ましい。
【0022】
なお前記十点平均粗さRz、局部山頂の平均間隔Sは、いずれも粗さ曲線から抜き取る基準長さLを0.8mm、評価長さを4mmとすることが前提となる。標準長さLが0.8mmよりも小さいと、十点平均粗さRzを大きく見積もってしまい、平滑で白っぽい表面になる傾向があり、逆に0.8mmよりも大きいと、十点平均粗さを小さく見積もってしまい、荒れた表面になり易いなど商品価値を損ねる傾向がある。
【0023】
本発明では、前記粗面部成形面3が、サイドウォール部13の外表面13aを成形するサイドウォール成形面2bに設けられたものを示しているが、特にこの位置には限定されるわけではなく、種々の位置に設けることができる。
【0024】
次に、このような粗面部成形面3を形成するためのタイヤ加硫金型の成形面処理方法について説明する。粗面部成形面3は、例えば削り出しにより得られたタイヤ加硫金型1の成形面2に、図6に拡大して示すような砥粒材Tを噴射しかつ衝突させることにより形成しうる。
【0025】
前記砥粒材Tは、平均粒子径が10μm以上かつ1mm以下、より好ましくは20μm〜0.7mm、さらに好ましくは30μm〜0.5mmで、しかも表面に稜線を多数有する砕石状の非球体からなる。砥粒材Tの材料は特に限定されないが、強度に優れた例えば鉄、鋳鋼、セラミックス等が好適である。砥粒材Tの平均粒子径が10μm未満であると、高圧空気を用いて加速、噴射させる際に周囲に飛散し易く作業環境が悪化する傾向があり、しかも粗面部成形面3が上述の表面粗さにはなり難い。逆に砥粒材Tの平均粒子径が1mmを超える場合、砥粒材Tの表面が持つ稜線を転写しづらくし、しかも金型の成形面を早期に摩耗させる傾向があるため好ましくない。
【0026】
また砥粒材Tが、図7に示すように、従来多用されているビースショットのような球体であると、粒子径を種々違えても上述の粗面部成形面3の表面粗さを得ることが難しい。従って、表面に鋭の稜線が多数形成された無秩序な非球体の砥粒材Tを用いるのが良い。
【0027】
なお特に限定はされないが、より好適には、砥粒材Tの比重は5〜20であるのが望ましい。砥粒材Tの比重が5未満であると、タイヤ加硫金型10の成形面11に微細な凹凸を付与するためには衝突速度を大幅に高めたり、或いは砥粒材Tを長時間噴射し続ける必要があるため、作業性に難がある。逆に砥粒材Tの比重が20を超えると、砥粒Tを加速させるのにより多くのエネルギーが必要となるため生産コストを増大させるという欠点がある。
【0028】
また、より好適には、砥粒材Tのモース硬度は2〜10、さらに好ましくは2.5〜8、特に好ましくは3〜7であるのが望ましい。砥粒材Tのモース硬度が2未満であると、金型表面を適度に荒らす能力が低くなる傾向があり、逆に10を超えると、金型の成形面を早期に摩耗させ易い。
【0029】
本実施形態では、このような砥粒材Tを100〜1000kPaの高圧空気によってアルミニウムからなるタイヤ加硫金型1の成形面に30秒以上かつ10分以下の時間で前記噴射して粗面部成形面3を形成する。砥粒材Tを噴射するための高圧空気が100kPa未満又は噴射、衝突させる時間が30秒未満であると、成形面2に満遍なく粗面部成形面3を形成するのが困難な傾向があり、逆に高圧空気が1000kPaを超える場合又は砥粒の噴射衝突時間が10分を超える場合には、砥粒Tが衝突によって成形面2に突き刺さったり、あるいは成形面2を損傷させるおそれがある。より好ましくは、前記高圧空気を150〜850kPa、さらに好ましくは200〜700kPaとするのが望ましい。
【0030】
また砥粒材Tの比重、前記高圧空気の圧力などを調節し、砥粒の噴射速度(砥粒が噴射装置から噴射されるときの速度)が0.3〜10(m/s)、より好適には0.4〜8.5(m/s)、さらに好適には0.5〜7.0(m/s)であることが望ましい。前記速度が0.3(m/s)未満であると、成形面2に所望の表面粗さを形成するのが困難となり、逆に10(m/s)よりも大であると、金型を痛め易いばかりでなく、金型の成形面に砥粒材Tがめり込み取り出しできない傾向があり好ましくない。なお上記砥粒材Tの噴射圧力、衝突時間、噴射速度は、鉄又はアルミニウムの金型のいずれにも適用できる。
【0031】
図8(A)には、このような砥粒材Tを噴射、衝突させることにより形成した粗面形成部3の表面拡大写真を示している。噴射条件等は、次の通りとした。
砥粒材の材料:鉄
形状:非球形の砕石状(表面に多数の稜線あり)
平均粒子径:100μm
比重:7
モース硬度:5
高圧空気:400kPa
噴射速度:2m/s
衝突時間:5分
【0032】
一方、図8(B)には、図7に示したビースショットを噴射、衝突させることにより形成した成形面3の表面拡大写真を示している。噴射条件等は、次の通りとした。
砥粒材の材料:ガラス
形状:球状(表面に稜線なし)
平均粒子径:200μm
比重:2.5
モース硬度:3
高圧空気:400kPa
噴射速度:3m/s
衝突時間:5分
【0033】
本発明の粗面部成形面3となる図8(A)のものは、十点平均粗さRzが30μmでありかつ局部山頂の平均間隔Sが50μmの表面粗さを有する。一方、図8(B)のものは、十点平均粗さRzが2μmでありかつ局部山頂の平均間隔Sが200μmの表面粗さとなった。また図8(A)の粗面形成部3は、図8(B)のものに比して表面が非常に細かくかつランダムな凹凸がきめ細かく形成されているのに対して、図8(B)のものは、表面が非常に滑らかでかつ鱗状のような周期的模様となっており、形状の相違が明瞭に生じていることが確認できる。
【0034】
また本実施形態のタイヤ加硫金型表面処理用の砥粒材Tは、本発明のタイヤ加硫金型1を製造する際に用いられる場合の他、この金型の使用後のクリーニング材としても使用することができる。即ち、タイヤ加硫金型1を使用してタイヤを製造すると、成形面2はタイヤから発生するガス(ヒューム)によって汚損される。通常、500〜2000本程度の加硫によりクリーニングが行われるが、この際、前記砥粒材Tを成形面2に衝突させることにより、成形面に付着したヒュームなどを削り取って除去することができる。
【0035】
【実施例】
サイドウォール成形面に粗面部成形面を設けたサイズ235/45ZR17の乗用車用ラジアルタイヤ成形用の加硫金型を表1の仕様に基づき試作し、製造されたタイヤのサイドウォール部の外観を評価した。また比較のために、粗面部成形面を有しない同サイズのタイヤ加硫金型(比較例)についても併せて試作し、これにより成形されたタイヤの外観を比較した。タイヤの外観は、成形直後の新品状態及び一週間曝露(晴天日の日中のみタイヤ単体で影が当たらないように平置きした)を行った後の状態の双方で行い、5点法により評価した。数値が大きいほど良好である。テストの結果などを表1に示すが、実施例のものは、比較例に比べて外観を大幅に向上していることが確認できる。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
上述したように、本発明のタイヤ加硫金型は、表面粗さを限定した粗面部成形面を有するため、外表面に該粗面部成形面と実質的に同一の表面粗さを有する粗面部を具えた空気入りタイヤを成形できる。そして、このような粗面部は、外部からの光を好ましい加減で乱反射できタイヤを黒々と見せることができる。
【0038】
請求項1の発明は、これにより、添加剤の滲みだし等が目立ちにくくなり、長期に亘りタイヤの外観を向上しうる。とりわけ、請求項2記載の発明のように、外部から視認されやすいサイドウォール部を成形するサイドウォール成形面を粗面部成形面とすることにより、より効果的に外観に優れた空気入りタイヤを製造するのに役立つ。
【0039】
また請求項2記載の発明のように、平均粒子径を一定範囲に限定ししかも表面に稜線を多数有する砕石状の非球体からなる砥粒材を一定の高圧空気かつ一定時間でタイヤ加硫金型の成形面に噴射することにより、上述の粗面部成形面を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すタイヤ加硫金型の断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示すタイヤ加硫金型の部分斜視図である。
【図3】空気入りタイヤの断面図である。
【図4】局部山頂の平均間隔Sを説明するための粗さ曲線を示す線図である。
【図5】表面粗さの偏りを説明するための粗さ曲線を示す線図である。
【図6】本実施形態で用いた砥粒材の拡大図である。
【図7】従来のビースショットの拡大図である。
【図8】(A)はタイヤ加硫金型の粗面成形部の拡大図、(B)はビーズショットを衝突させた金型の表面拡大図である。
【符号の説明】
1 タイヤ加硫金型
2 成形面
2a トレッド成形面
2b サイドウォール成形面
2c ビード成形面
3 粗面部成形面
10 空気入りタイヤ
12 トレッド部
13 サイドウォール部
13a サイドウォール部の外面
14 ビード部
15 粗面部
Claims (2)
- タイヤを加硫成形する成形面を有するタイヤ加硫金型であって、
前記成形面の少なくとも一部に、十点平均粗さRzが5〜100μmでありかつ局部山頂の平均間隔Sが20〜150μmの表面粗さを有する粗面部成形面を設けるとともに、
前記粗面部成形面は、タイヤのサイドウォール部を成形するサイドウォール成形面であるとともに、
このサイドウォール成形面には、サイドウォール部の外表面に形成される標章を含む模様を包含することを特徴とするタイヤ加硫金型。 - 請求項1に係るタイヤ加硫金型を、砥粒材を噴射することにより形成するタイヤ加硫金型の成形面処理方法であって、
前記砥粒材は、平均粒子径が10μm以上かつ1mm以下でしかも表面に稜線を多数有する砕石状の非球体からなるとともに、
この砥粒材を100〜1000kPaの高圧空気で30秒以上かつ10分以下で噴射し、
かつ前記砥粒材の噴射速度が0.3〜10(m/s)であることを特徴とするタイヤ加硫金型の成形面処理方法。
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