JP4170562B2 - アルキレンオキサイド付加反応用触媒 - Google Patents

アルキレンオキサイド付加反応用触媒 Download PDF

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    • C07C41/01Preparation of ethers
    • C07C41/02Preparation of ethers from oxiranes
    • C07C41/03Preparation of ethers from oxiranes by reaction of oxirane rings with hydroxy groups

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルキレンオキサイド付加反応用触媒及び該触媒を使用するアルキレンオキサイド付加体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルコールやフェノール等の活性水素を有する有機化合物(以下、活性水素化合物という)にアルキレンオキサイド(以下、AOという)を付加させる反応に用いられる触媒としては、例えばAl3 + 、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、及びMn2+からなる群から選ばれた金属の一種又はそれ以上が添加された酸化マグネシウムからなる触媒(特開平1-164437号公報、同8-268919号公報)、Mg2+とAl3+を含む焼成ハイドロタルサイトからなる触媒が知られている(特開平2-71841 号公報)。
【0003】
しかしながら、特開平1-164437号公報で開示している酸化マグネシウムにアルミニウムイオンを添加して焼成した複合酸化物触媒は、活性が非常に低い上、濾過性も良好とは言えない。さらに副生するポリエチレングリコールなどの高分子量体の生成量が多い。特開平2-71841 号公報では、Mg/Alハイドロタルク石を焼成した複合酸化物触媒が開示されているが、活性が依然として十分とは言えず、また副生する高分子量体による影響で満足した濾過性が得られなかった。さらに特開平8-268919号公報では濾過工程への負荷を低減する為、活性を向上させた触媒として、酸化マグネシウム/酸化アルミニウム複合酸化物触媒が開示されている。しかしながら、触媒自体の濾過性が良くない為に、触媒分離工程への負荷は依然として多大であるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、(1)従来の触媒に比べ触媒活性が向上しており、(2)副生物としての高分子量体の生成量を大幅に低減することで触媒濾過性を飛躍的に向上させることができ、(3)原料である活性水素化合物の未反応分を従来技術に比べ低減させることができるAO付加反応用触媒及び該触媒を使用するAO付加体の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
(1) 一般式(I):
[(Zn a Mg b 2+ 1-x Al 3+ x (OH) 2 x+ (A n- x/n ・mH 2
〔式中、0.1≦(1−x)/x≦10、a、bは0.001≦a/b≦10を満たす正の数。A n- はn価の陰イオン基を示す。Aが複数の場合には、nはAの価数の合計値を示す。mは0以上の数。〕
で表される触媒前駆体を焼成して得られる、Zn、Al及びMgの複合酸化物を含有してなるアルキレンオキサイド付加反応用触媒、並びに
(2) 前記(1)記載の触媒の存在下、活性水素を有する有機化合物にAOを付加させる、AO付加体の製造方法、
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の触媒は、Zn、Al及びMgの複合酸化物からなるAO付加反応用触媒である。本発明の触媒中の(Zn+Mg)/Alの原子比は、触媒活性の観点から0.1≦(Zn+Mg)/Al≦10が好ましく、0.5≦(Zn+Mg)/Al≦9がより好ましく、1≦(Zn+Mg)/Al≦9がさらに好ましく、1≦(Zn+Mg)/Al≦4が特に好ましい。またZn/Mgの原子比は、触媒活性及び濾過性の観点から、0.001≦Zn/Mg≦10が好ましく、0.01≦Zn/Mg≦5がより好ましく、0.01≦Zn/Mg≦1が特に好ましい。尚、本発明にいう触媒活性とは、AO付加反応の反応活性及び選択性に対する作用能をいう。
【0007】
また、本発明の触媒としては、かかる触媒の所望の効果を発現させる観点から、その触媒前駆体が、一般式(I):
[(Zna Mgb 2+ 1-x Al3+ x (OH)2 x+(An-x/n ・mH2
〔式中、0.1≦(1−x)/x≦10、a、bは0.001≦a/b≦10を満たす正の数。An-はn価の陰イオン基を示す。Aが複数の場合には、nはAの価数の合計値を示す。mは0以上の数。〕
で表される組成を有する合成ハイドロタルサイト類化合物〔以下、触媒前駆体(I)という〕であるのが好ましく、かかる触媒前駆体(I)を焼成して得られたものが好ましい。ここで、(1−x)/xは好ましくは0.5〜9、さらに好ましくは1〜9、特に好ましくは1〜4である。また、a/bは好ましくは0.01〜5、さらに好ましくは0.01〜1である。また、nは好ましくは1〜3の整数である。尚、触媒前駆体(I)の構造は、X線粉末回折測定により求める。
【0008】
<触媒の調製>
触媒前駆体は、Zn、Al、Mgの各金属のイオンを含有する溶液(以下、金属イオン含有液という)とアルカリ剤とを所定の温度にて混合することにより沈殿物(複合水酸化物)として得られる。
【0009】
金属イオン含有液の調製には、各金属の硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、塩化物等いずれを用いてもよいが、触媒性能、即ち触媒活性及び触媒の濾過性の観点から硝酸塩が好ましい。金属塩を溶解する溶媒としては、通常使用されるイオン交換水等の水の他、メタノール、エタノール、エチレングリコール等の有機溶剤を使用しても良く、また、これらの混合物であってもよい。アルカリ剤は、金属イオン含有液との混合によって沈殿を生ずるものなら何でもよいが、例えばOH- イオンを有する化合物とAn-イオンを有する化合物の混合物もしくはいずれか一方が挙げられる。混合物として用いる場合には、両化合物の混合物として若しくは各々同時供給して、触媒前駆体の調製に用いられる。An-イオンとしては、S、Se、Te、P、Si、Ge、Sn、B、V、Cr、Mo、W、Mn、Ru、Rh、Os及びUから選ばれる少なくとも1種の酸素酸又は金属ハロゲン酸の陰イオン、S2-、CO3 2-又はCs3 2-等が例示される。触媒活性の観点から、好ましいアルカリ剤としては、水酸化ナトリウムと、炭酸ナトリウム又は硫酸ナトリウム、特に炭酸ナトリウムとの混合物が挙げられる。アルカリ剤の供給形態は、固形若しくは水溶液のいずれの形態でもよいが、反応の均一性の観点から水溶液が好ましい。
【0010】
金属イオン含有液中のZn、Al、Mgの各金属イオンの量比並びにアルカリ剤中のOH- イオンを有する化合物とAn-イオンを有する化合物の量比は所望の触媒前駆体、ひいては所望の触媒が得られれば、特に限定されるものではない。また、触媒前駆体調製時における、金属イオン含有液中のZn、Al、Mgの各金属イオンの合計量とアルカリ剤に含まれるOH- イオンとAn-イオンの合計量との比についても、同様に特に限定されるものではない。
【0011】
触媒前駆体の調製は、所定の反応槽に金属イオン含有液とアルカリ剤とを供給し、攪拌混合して両者の沈殿反応により行なう。触媒性能の観点から、金属イオン含有液とアルカリ剤とを同時に添加し、アルカリ剤の添加速度を調節して、混合液のpHを一定に保ちながら行なうことが好ましい。一定に保つpH値としては、pH=9〜11の範囲で設定することが好ましい。かかる沈殿反応は、触媒活性の観点から、好ましくは45℃以下、より好ましくは30℃以下、さらに好ましくは−20〜20℃、特に好ましくは−15〜10℃であり、1〜5時間程度行う。次いで所望により1〜20時間程度、金属イオン含有液とアルカリ剤の供給を停止して沈殿反応と同様の条件で熟成を行なう。
【0012】
金属イオン含有液とアルカリ剤の混合によって得られる触媒前駆体は、濾過、遠心分離等の方法によって溶媒から分離し、得られた触媒前駆体を水、好ましくはイオン交換水を用いて洗浄する。洗浄後、80〜120℃で乾燥させ、不活性ガス気流中、空気中又は真空下で、好ましくは100℃以上、より好ましくは400〜1000℃、特に好ましくは500〜800℃で焼成して複合酸化物とすることにより、目的の触媒を得る。焼成後の触媒は、水又は二酸化炭素の吸着を防ぐ為、不活性ガス又は真空中で冷却し、冷却後、反応に用いる活性水素化合物又はAO付加体に浸漬することが好ましい。
【0013】
触媒はまた、成形体にして用いることもできる。成形は、例えば触媒若しくは触媒前駆体に対して、成形用バインダーとして、水のみ、又は水とアルミナゾル、シリカゾル、アンチモンゾル、チタンゾル、ジルコニアゾルの群から選ばれる1種以上の無機バインダー若しくはエタノール、メタノール、エチレングリコール、グリセリン、脂肪族アルコール等の有機バインダーとの水溶液を、触媒若しくは触媒前駆体と成形用バインダーとの混合物中、好ましくは50重量%以下、より好ましくは0.5〜40重量%、特に好ましくは0.5〜30重量%添加して行なわれる。成形用バインダーとの混練は、例えば公知のニーダー等を使用して行い、成形は、例えば公知の押出成形、打錠成形等により行なうことができる。成形後、前述の条件にて乾燥、焼成する。
【0014】
<AO付加反応>
本発明にいうAO付加反応とは、活性水素化合物にAOを付加させる反応をいう。本発明の触媒は触媒活性が高く、かかるAO付加反応において、反応活性及び選択性を向上させ得るものである。反応活性を十分高く維持することができることから、反応時における触媒使用量を少なくすることができ、触媒分離工程への負荷を低減できる。さらに、AO付加反応の選択性が高いことから、副生物としての高分子量体(ポリエチレングリコール)の生成量を大幅に低減できる。
【0015】
AO付加反応に用いる活性水素化合物としては、アルコール類、フェノール類、ポリオール類、カルボン酸類、チオール類、アミン類、アミド類の1種以上が挙げられる。これらの中ではアルコール類が好ましく、かかるアルコール類としては、炭素数2〜30の直鎖又は分岐鎖の一級又は二級アルコールが好ましく、炭素数6〜24の一級アルコールがより好ましい。具体的には、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等を挙げることができる。
【0016】
またAOは、活性水素化合物と反応して付加体を生成し得るものならばどのようなものでもよいが、炭素数2〜8の、隣接する炭素がエポキシ化されたものが好ましく、エチレンオキサイド(以下、EOという)、プロピレンオキサイド、又はこれらの混合物が特に好ましい。
【0017】
AO付加反応の反応器は、攪拌槽型回分式、攪拌槽型流通式、固定床流通式等いずれの形式も用い得るが、触媒分離回収の煩雑さなどを考慮すれば固定床流通式が望ましい。
【0018】
回分式反応器での使用においては、本発明の触媒使用量は、通常、活性水素化合物100重量部に対して0.05〜20重量部が好ましく、0.1〜8重量部がより好ましい。反応温度は、低すぎると反応速度が遅く、高すぎると生成物が分解してしまうので、好ましくは80〜230℃、より好ましくは120〜180℃、特に好ましくは120〜160℃である。反応圧力は、反応温度にもよるが、好ましくは2MPa絶対圧以下、より好ましくは0.1〜1MPa絶対圧である。
【0019】
AO付加反応において触媒を粉末状で使用する場合は、例えば反応器中に活性水素化合物と触媒とを前記比率にて仕込み、窒素雰囲気中で、所定の温度・圧力条件下で活性水素化合物1モルに対してAOを好ましくは0.1〜100モル導入して反応させた後、冷却し、触媒を濾別することによりAO付加体を得ることができる。また、触媒を成形体として使用する場合は、例えばステンレス製の針金等によって作られたバスケットを有する攪拌翼に成形触媒を入れ、これと活性水素化合物を反応器に仕込み、窒素雰囲気中で、所定の温度・圧力条件下でAOを導入して反応させた後、冷却し、生成したAO付加体のみを抜き出すことにより行なうことができる。
【0020】
AO付加体の製造を固定床流通式で行なう場合には、例えば固定床流通式の反応器に触媒を充填し、AOと活性水素化合物とを活性水素化合物1モルに対してAOを好ましくは0.1〜10モルの割合として通液する。通液速度は液空間速度で0.1〜100h-1が好ましく、0.2〜70h-1がより好ましく、1〜50h-1が特に好ましい。反応管圧力は特に限定されるものではなく、通常実施される公知の程度で良い。具体的には3MPa絶対圧以下が好ましく、0.2〜2MPa絶対圧がより好ましく、0.2〜1.6MPa絶対圧が特に好ましい。反応温度は、50〜300℃が好ましく、80〜250℃がより好ましく、100〜230℃が特に好ましい。AOとして低級AO、特にEOを用いる場合には、その爆発の危険性を避ける為に、窒素雰囲気下に行なうのが好ましい。
【0021】
この固定床流通式で行なった場合、得られるAO付加体中には、触媒の成分金属は含まれず、反応後、AO付加体と触媒の濾過・遠心分離等による分離処理が不必要である。
【0022】
また、従来の触媒を用いたAO付加反応では、副生物としての高分子量体(ポリエチレングリコール)の生成により、目的の生成物であるAO付加体の溶液粘度が著しく増加する場合があり、触媒の濾過性が低下していた。本発明の触媒は、非常に嵩高く、そのため濾液が通過しやすいという観点から、該触媒自体の濾過性が良好であることに加え、その触媒活性が高く、ポリエチレングリコールの生成量を大幅に低減させることができるので、触媒の濾過性が飛躍的に向上する。尚、生成物中の高分子量体量の測定並びに触媒の濾過性の評価は、以下の各方法により行なう。
【0023】
<生成物中の高分子量体量の測定方法>
AO付加体中のポリエチレングリコールの定量は、n−ブタノール飽和水での抽出法により分析する。分析はn−ブタノール飽和水と水飽和n−ブタノール溶液の混合液(二層に分離)を用い、その中にポリエチレングリコールを含んだ溶液を加え、ポリエチレングリコールを水飽和n−ブタノール溶液中に抽出し、その抽出量を秤量(g)することにより求める。
【0024】
<触媒の濾過性評価>
本発明の触媒の濾過性評価は、触媒の濾過を定圧濾過により行い、得られたデータに定圧濾過式として知られているRUTH式〔ルース(Ruth),B.F.,Ind.Eng.Chem.,27(1935)p.708〕を適用して行なう。具体的には、RUTHプロットにより得られるケーク比抵抗α(m/kg)を濾過性の評価に用いる。以下に、RUTHの定圧濾過式とケーク比抵抗αの導出方法を示す。
【0025】
[RUTHの定圧濾過式]
【0026】
【数1】
Figure 0004170562
【0027】
V :濾液体積(m 3 ) A :濾過面積(m2
Vo :仮想濾液量(m 3 ) P :濾過圧力(kgf/m2
θ :濾過時間(hr) m :ケーク 湿乾質量比(−)
θ0 :V 0 を得る時間(hr) s :固形分濃度(−)
K :Ruth定圧濾過定数(m 6 /hr) μ’:濾液粘度(kg・ s/m 2
α :ケーク 平均比抵抗(m/kg) ρ :濾液密度(kg/m 3
【0028】
RUTHの定圧濾過式を変形し、
【0029】
【数2】
Figure 0004170562
【0030】
ここで、K ’=K/A2 とすると、
【0031】
【数3】
Figure 0004170562
【0032】
(V/A)に対してd θ/d(V/A) をプロットし、得られる直線の傾きから、ケーク比抵抗αを算出することができる。ケーク比抵抗αは、好適な触媒濾過性が得られるという観点から、好ましくは4×1010m/kg以下である。
【0033】
【実施例】
実施例1
〔触媒調製〕
Zn(NO3 ) 2 ・6H2 O 55.8g、Al(NO3 ) 3 ・9H2 O 112.5g及びMg(NO3 ) 2 ・6H2 O 144.2gをイオン交換水1299gに溶解した混合溶液を、0.24mol/L Na2 CO3 水溶液及び4N NaOH水溶液と共に、それぞれ12.5mL/min、9mL/min及び5〜7.5mL/minの液量で5L容積の反応槽に同時供給した。反応槽には予め水を500g入れておき、定速攪拌器で250rpmで攪拌した。反応液は液温度が15±2℃になるように温度制御し、さらにpHが9.7〜10.3になるようにNaOH水溶液の添加量を調節し、2時間沈殿反応を行った後、各水溶液の供給を停止し、懸濁液を攪拌したまま1時間熟成させた。この懸濁液を濾過し、得られた白色固体をイオン交換水を用いて十分に洗浄した。洗浄後、110℃の温風乾燥器中で12時間乾燥させ、下記式:
[(Zn0.25Mg0.755/7 Al2/7 (OH)2 ](CO3 1/7 ・cH2
で表わされる白色固体状の触媒前駆体を得た。次いで、乾燥後の触媒前駆体をN2 気流中で550℃、2時間焼成し触媒を得た。
【0034】
〔AO付加体の製造〕
上記の触媒を用いてAO付加体の製造を行った。3.5L容オートクレーブにラウリルアルコール(商品名:カルコール 2098 、花王(株)製)500gと得られた触媒を該アルコール100重量部に対して1重量部仕込み、系中を窒素で置換した後、400rpmで定速攪拌しながら160℃まで昇温した。同温度でEO 355gを圧力0.1MPa絶対圧に保ちながら導入し反応を行った。反応活性は3mol−EO/(mol−アルコール・h)であった。110℃に冷却し、触媒を下記の条件で定圧濾過し、AO付加体と分離した。この定圧濾過データにRUTH式を適用して求めた触媒のケーク比抵抗は3.2×1010m/kgであった。また、得られたAO付加体中の高分子量体量は0.73重量%、EO平均付加モル数は3であった。
【0035】
<定圧濾過条件>
濾過温度:110℃ 濾過圧力:98kPa
濾過面積:6.16cm2 濾布:敷島カンバス社製FT7501SS
【0036】
実施例2及び3
Zn(NO3 ) 2 ・6H2 O、Mg(NO3 ) 2 ・6H2 Oをそれぞれ、33.5g、163.5g(実施例2)又は22.3g、173.1g(実施例3)とする以外は実施例1と同様にして触媒を調製し、得られた触媒を用いて実施例1と同様の操作を行いAO付加体を得た。結果を表1及び表2に示す。
【0037】
比較例1
Mg(NO3 ) 2 ・6H2 O 192.3g、Al(NO3 ) 3 ・9H2 O 120.8gをイオン交換水1315gに溶解した混合溶液を、0.24mol/L Na2 CO3 水溶液及び4N NaOH水溶液と共に、それぞれ12.5mL/min、9mL/min及び5〜7.5mL/minの液量で5L容積の反応槽に同時供給した。反応槽には予め水を500g入れておき、定速攪拌器で250rpmで攪拌した。反応液は液温度が15±2℃になるように温度制御し、さらにpHが9.7〜10.3になるようにNaOH水溶液の添加量を調節し、2時間沈殿反応を行った後、各水溶液の供給を停止し、懸濁液を攪拌したまま1時間熟成させた。この懸濁液を濾過し、得られた白色固体をイオン交換水を用いて十分に洗浄した。洗浄後、110℃の温風乾燥器中で12時間乾燥させ白色固体状の触媒前駆体を得た。乾燥後の触媒前駆体をN2 気流中で550℃、2時間焼成し触媒を得た。得られた触媒を用いて実施例1と同様の操作を行いAO付加体を得た。結果を表1及び表2に示す。
【0038】
比較例2
特開平8-268919号公報の実施例1に記載されている触媒(1.25Mg(OH)2 ・Al(OH)3 ・xCO3 ・yH2 O)を用い、前記実施例1と同様にして該触媒の焼成を行い、触媒酸化物を調製した。かかる触媒酸化物を用いて実施例1と同様の操作を行いAO付加体を得た。結果を表1及び表2に示す。
【0039】
比較例3
Zn(NO3 ) 2 ・6H2 O 223g、Al(NO3 ) 3 ・9H2 O 112.5gをイオン交換水1300gに溶解した混合溶液を、0.24mol/LNa2 CO3 水溶液及び4N NaOH水溶液と共に、それぞれ12.5mL/min、9mL/min及び5〜7.5mL/minの液量で5L容積の反応槽に同時供給した。反応槽には予め水を500g入れておき、定速攪拌器で250rpmで攪拌した。反応液は液温度が15±2℃になるように温度制御し、さらにpHが9.7〜10.3になるようにNaOH水溶液の添加量を調節し、2時間沈殿反応を行った後、各水溶液の供給を停止し、懸濁液を攪拌したまま1時間熟成させた。この懸濁液を濾過し、得られた白色固体をイオン交換水を用いて十分に洗浄した。洗浄後、110℃の温風乾燥器中で12時間乾燥させ白色固体状の触媒前駆体を得た。乾燥後の触媒前駆体をN2 気流中で550℃、2時間焼成し触媒を得た。得られた触媒を用いて実施例1と同様の操作を行いAO付加体を得た。結果を表1及び表2に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004170562
【0041】
【表2】
Figure 0004170562
【0042】
表2から明らかなように、Zn、Al及びMgの複合酸化物からなる本発明の触媒は、触媒活性に優れ、原料であるアルコールの未反応分をすくなくでき、しかも高分子量体の副生量が少なく、濾過性にも優れる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の触媒に比べ触媒活性が高く、副生物としての高分子量体の生成量を大幅に低減でき、その結果、触媒の濾過性を飛躍的に向上させることができるAO付加反応用触媒が得られ、従来技術に比べ非常に効率よく高品質なAO付加体を製造することができる。

Claims (2)

  1. 一般式(I):
    [(Zn a Mg b 2+ 1-x Al 3+ x (OH) 2 x+ (A n- x/n ・mH 2
    〔式中、0.1≦(1−x)/x≦10、a、bは0.001≦a/b≦10を満たす正の数。A n- はn価の陰イオン基を示す。Aが複数の場合には、nはAの価数の合計値を示す。mは0以上の数。〕
    で表される触媒前駆体を焼成して得られる、Zn、Al及びMgの複合酸化物を含有してなるアルキレンオキサイド付加反応用触媒。
  2. 請求項1記載の触媒の存在下、活性水素を有する有機化合物にアルキレンオキサイドを付加させる、アルキレンオキサイド付加体の製造方法。
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