JP3789550B2 - アルキル化用触媒とその触媒を用いたヒドロキシ芳香族化合物の製造法 - Google Patents
アルキル化用触媒とその触媒を用いたヒドロキシ芳香族化合物の製造法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有用なプラスチックスの原料になるオルト位アルキル化ヒドロキシ芳香族化合物の新規かつ優れた製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オルト位アルキル化ヒドロキシ芳香族化合物(たとえば、オルト位アルキル化フェノール)の合成方法に関しては古くから数多くの技術が知られている。例えば、酸化アルミニウムを触媒とする方法(米国特許第717588号)、酸化マグネシウムを触媒とする方法(米国特許第3446856号)が提案されている。しかしながら、前者の触媒を使用する場合は、活性およびオルト位メチル化選択性が低く、メタ位、パラ位のメチル化フェノールが副生している。これらの混合物から2,6−キシレノールを分離するには、複雑な分離、精製工程を必要とし、工業的に実施する上で有利な方法ではない。また、後者の触媒の場合、触媒活性が低いために反応温度を475〜600℃ときわめて高温に保つ必要がありエネルギー的に不利であり、加えて活性の低下が速い欠点を有している。
【0003】
一方、これらの欠点を解決するために、酸化バナジウムと酸化鉄を含む触媒が提案されている(特公昭47−37943)。この触媒は活性が高く、300〜400℃の比較的低温での反応が可能であり、また、オルト位メチル化選択性も比較的高い特徴を有しているが、工業的に有利に実施する上で充分なオルト位メチル化選択性を有してはいない。また、触媒活性の経時的低下があるため、しばしば反応を止め、触媒再生を行う必要がある。
【0004】
特願昭57−173852号にはバナジウム−鉄触媒にアルカリ金属を添加する事で触媒のオルト位メチル化選択性の向上と活性劣化の改良がなされるという技術が示されている。
しかしながら本方法においてもメタノールのオルト位メチル化選択性(以下メタノール選択性と呼ぶ)が経時的に低下するという傾向を有し、かつ工業的に実施する上では触媒の活性劣化の改良が充分とは言えない。
【0005】
特公昭51−12610公報にはクロムに対し原子比で9〜1/9の鉄を含む、クロムと鉄の酸化物の存在下250〜550℃でフェノールまたはオルトクレゾールのオルト位をメタノールでメチル化する方法が記載されている。この方法は触媒の活性が低く、また、メタノール選択性、フェノールのオルト位メチル化選択性(以下フェノール選択性と呼ぶ)も低い。又触媒寿命に関しても充分でない。
【0006】
メタノールでフェノール化合物をオルトアルキル化するに際し、特公昭52−12690号公報には酸化鉄、酸化クロム及びシリカを触媒とする方法、特公昭52−12692号公報には酸化鉄、酸化クロム、シリカ及びアルカリ金属酸化物を触媒とする方法が記載されている。
しかしながらいずれもメタノールの分解が激しく、回収メタノール損失が大きい。更にメタノール選択性が経時的に低下するという欠点を有している。
【0007】
一般に本反応に関する従来技術は反応経過時間に従い触媒上に炭素質が沈着すると共に徐々にシンタリングを受け、触媒活性およびメタノール選択性が低下するため、工業的に実施する場合には、沈着した炭素質を除去するための定期的な触媒再生操作および一定期間以上使用した触媒の交換操作を余儀なくされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の酸化物触媒を使用してオルト位アルキル化芳香族化合物(たとえば2、6キシレノール)の製法の有する欠点、すなわち、(1) 活性が低い酸化物触媒による製法では、目的とするオルト位アルキル化芳香族化合物の収率を上げるためには高い反応温度を必要とし、その結果、エネルギー的に不利であるばかりでなく、メタノール等のアルキルアルコール分解損失が大きく、また、副生物生成が多いため、アルキルアルコールのオルト位アルキル化選択性(以下、アルキルアルコール選択性と呼ぶ)が低く、オルト位アルキル化芳香族化合物の収率が低い。加えて、副生するメタ、パラ位のアルキル化芳香族化合物を分離するには工業的に実施する上で有利でない複雑な分離、精製工程を必要とする。一方、活性の高い触媒による製法では工業的に有利に実施する上で充分なアルキルアルコール選択性を有してはいない。(2) 更に、どちらの触媒による製法においても、反応経過時間に従い触媒上に炭素質が沈着すると共に、徐々にシンタリングを受け、触媒活性およびアルキルアルコール選択性が低下するため、工業的に実施する場合には、沈着した炭素質を除去するための定期的な触媒再生操作および一定期間以上使用した触媒の交換操作を頻繁に余儀なくされる等を全て同時に解決することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するための研究を重ねた結果、
一般組成式VA1 VIIIf IIIAg VIAh IAi Oj
(ここでVAはVA族より選ばれる1種類以上の元素であり、同様にVIIIはVIII族より、IIIAはIIIA族より、VIAはVIA族より、IAはアルカリ金属より選ばれる1種類以上の元素である。添字f,g,h,i はVA族元素1に対する原子比率であり、f=0.01〜10、g=0.01〜10、h=0〜10、i=0.01〜0.2 、jは酸素以外の原子価及び頻度により決定される数を表す)で示される金属酸化物を用いた場合、先行技術から予想出来ない、上記課題が解決できることを見いだし本発明に到達した。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、一般組成式:VA1 VIIIf IIIAg VIAh IAi Oj (式中、VAはV族より選ばれる1種類以上の元素であり、同様にVIIIはVIII族より、IIIAはIIIA族より、VIAはVIA族より、IAはアルカリ金属より選ばれる1種類以上の元素である。添字f,g,h,i はVA族元素1に対する原子比率であり、f=0.01〜10、g=0.01〜10、h=0〜10、i=0.01〜0.2 、jは酸素以外の原子価及び頻度により決定される数を表す)で示される金属酸化物触媒および一般式(I)
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は水素又は炭素数1〜24の飽和脂肪族炭化水素基を表す。)で示されるヒドロキシ芳香族化合物と炭素数1〜24のアルキルアルコールとを気相接触させてヒドロキシ芳香族化合物のオルト位を選択的にアルキル化してオルト位アルキル化ヒドロキシ芳香族化合物を製造するに際し、上記組成式で表される金属酸化物触媒を用いることを特徴とするオルト位アルキル化ヒドロキシ芳香族化合物の製造方法に関する。
【0013】
本発明における炭素数1〜24のアルキルアルコールとは、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等であり、中でもメタノールが好ましい。一般式(I)で示されるヒドロキシ芳香族化合物としては、例えば、フェノール、オルトクレゾールなどであり、中でもフェノールが好ましい。
本発明の触媒中のVA族元素とはバナジウム、ニオブ、タンタルであり、VIII族元素とは鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金であり、IIIA族元素とはスカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムであり、VIA族元素とはクロム、モリブデン、タングステンであり、IA族元素とはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムである。
【0014】
VA族元素、VIII族元素、IIIA族元素、VIA族元素、IA族元素はバナジウム、鉄、セリウム、クロム、カリウムの組み合わせが好ましい。
組成は原子比でVA族元素1に対して0.01〜10のVIII族元素、0.01〜10のIIIA族元素、0 〜10のVIA族元素、0.01〜0.2 のIA族元素である。好ましくは、原子比でVA族元素1に対して0.3 〜2 のVIII族元素、0.3 〜4 のIIIA族元素、0 〜0.1 のVIA族元素、0.01〜0.05のIA族元素を用いた場合である。
【0015】
本発明の触媒にIIIA族元素の金属酸化物が含まれることは、触媒活性を高くし、低い反応温度で反応を可能にする上できわめて大きな効果をもたらす。その結果、エネルギー的に有利になるばかりでなく、アルキルアルコール分解損失が小さく、副生物生成が少なくなるため、アルキルアルコール選択性が高くなるという利点が生まれる。
【0016】
更に、このように低い反応温度で触媒活性が高い事と同時にアルキルアルコール選択性が高い事、触媒活性の低下が少ない事、アルキルアルコール選択率の低下傾向が著しく小さい事によって触媒再生までの期間が従来の観念からは想像出来ないまでに長期化出来る。
VA族元素、IIIA族元素が、それぞれバナジウム、セリウムの場合、触媒中のセリウムは少量で触媒活性の低下防止に大きな効果をもたらすが、バナジウム元素1に対して10以上では活性が小さくなる。
【0017】
本発明の触媒はVA族元素、VIII族元素、IIIA族元素の酸化物に、更にLi,Na,K、Rb、Cs及びFrの元素から選ばれる1種類以上のアルカリ金属酸化物が少量含まれている。
アルカリ金属酸化物の添加は、本発明の場合、触媒のオルト位選択性の向上と触媒上への炭素析出を抑制する上で有効である。アルカリ金属酸化物を含む触媒はオルト位選択性が著しく向上し、2,6キシレノールとの分離が困難であるメタ−クレゾール、パラ−クレゾールの生成が事実上なくなり、極めて高純度な2,6キシレノールの製品を得ることができる。また、フェノールを原料にして2,6キシレノールを製造する場合、フェノールの転化率を100%近くまで高めても2、4、6−トリメチルフェノールの生成量は少ない。さらにアルカリ金属酸化物を含む触媒は炭素析出が激減するためIIIA族元素酸化物添加による触媒寿命の長期化という効果を相乗的に高める。
【0018】
好ましいアルカリ金属酸化物の添加量は触媒中のVA元素1に対し原子比でアルカリ金属元素は0.01〜0.2 である。アルカリ金属酸化物の量が本発明の範囲より多い場合は、触媒の活性が低くなる。
本発明の触媒は無担時でも実施できるが、適当な担体と共に用いることもできる。
【0019】
担体と共に用いる場合は、触媒の強度の向上およびオルト位選択性を維持する上で、担体の種類および担体の量を適正に選定しなければならないが、この目的のためにはシリカが好ましい。
シリカ担持触媒に対するシリカ担体量は、5重量%〜95重量%、特に好適には10重量%〜80重量%の範囲である。特に流動床反応器を用いて反応を行う場合、固定床に比べ触媒の耐摩耗強度は著しく高いことが要求されるが、シリカ担体量が10重量%〜80重量%、好ましくは20重量%〜80重量%であれば、流動床にも充分耐えうるものである。
【0020】
触媒を調製するにあたり使用する原料は、それぞれの金属の水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸水酸化物、塩化物等のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩類である。
触媒の調製法は公知の方法が各種適用可能である。
(無担持触媒調製例)
(1) バナジウム、鉄及びセリウムの塩類、一般式MmAn(ここでM=NH4+、Fe3+、Ce3+、A=OH- 、Cl- 、NO3 - 、SO42- 、COOH- 、mおよびnはM、Aの原子価により決定される数)すなわち水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩の混合水溶液をアンモニア等のアルカリで処理して得られる共沈物を乾燥、焼成して触媒を調製する共沈法。
【0021】
又共沈法により調製した触媒にアルカリ金属塩類を添加する場合はアンモニア等のアルカリでpH4〜8に中和して得られた共沈物を水洗濾過後100〜200℃で乾燥してアルカリ金属塩の水溶液に浸漬し、蒸発乾固後焼成して触媒を得る方法。
(2) バナジウム、鉄、セリウムとアルカリ金属の塩類の混合水溶液を乾固後焼成する方法。
(3) 鉄及びセリウムの塩類の水溶液より沈澱法により水酸化物の沈澱ケーキを作り、これをバナジウムの塩類たとえばメタバナジン酸アンモニウム及びアルカリ金属塩の水溶液に浸漬、乾燥しながら乾固焼成する方法等が利用出来る。
(シリカを担体として用いた触媒調製例)
(1) 固定床用触媒の調製
メタバナジン酸アンモニウムを熱水に溶解させた液に、硝酸第二鉄、硝酸セリウムを加え溶解させてアンモニア等のアルカリでpH4〜8中和する。生成した沈澱を水洗、濾過し乾燥粉砕する。このものにアルカリ金属塩の水溶液及びシリカゾルを加え、成形しやすい適当な水分量に調節後、成型する。
【0022】
あるいはメタバナジン酸アンモニウム、硝酸第二鉄、硝酸セリウム、アルカリ金属塩類を溶解した水溶液を公知の噴霧乾燥機で乾燥し、乾燥粒子を低温で脱硝後シリカゾルを加え混練後所望の物理的形状に成型する。粒子成型物はたとえばペレット、円柱、タブレットである。さらに粒子成型物を焼成し触媒として使用する。
(2) 流動床用触媒の調製
先ず原料スラリーの調製は、メタバナジン酸アンモニウムを熱水に溶解した液に、撹拌しながら硝酸第二鉄、硝酸セリウム、成分Aの硝酸塩およびシリカゾルを加えることによって好適に行うことができる。ここにシリカコロイドゾルに均一に分散した微粒懸濁質のスラリーで得られる。次いで該スラリーは、公知の噴霧乾燥装置を用いて乾燥することにより、球状の乾燥微粒子として得られる。
【0023】
原料スラリーの噴霧化は、通常工業的実施に用いられる遠心方式、二流体ノズル方式あるいは高圧ノズル方式のいずれによっても行いうるが、特に遠心方式が好適である。粒子径は遠心方式においてはディスクの回転速度およびスラリーの供給速度を5〜20リットル/min.調節することによって、流動床反応器に用いるに適した10〜150ミクロンの間に分布させることができる。このようにして得た乾燥微粒子を低温で脱硝後焼成し、流動床用触媒として使用する。
【0024】
本発明のアルキル化方法の場合、供給原料中のヒドロキシ芳香族化合物に対するメタノールのモル比は1:1〜20、好ましくは1:2〜8である。又、水蒸気または不活性ガスは必要に応じ導入することもできる。
反応温度は250〜500℃、好ましくは280〜400℃の範囲が適している。
【0025】
反応の圧力は常温でもよいが、必要に応じて減圧または加圧下での実施できる。
ガスと触媒との接触時間は0.5から50秒、好ましくは1〜20秒が適している。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。なお実施例についての反応成績は次式によって定義したものを使用した。いずれもモル基準である。
フェノール転化率X(モル%)
ここでヒドロキシ芳香族化合物とは、一般式(I)で表されるヒドロキシ芳香族化合物を示す。
【0027】
フェノール収率Y(モル%)
メタノール収率Z(モル%)
【0028】
【実施例1】
メタバナジン酸アンモニウム(NH4 VO3 )21.5gを90℃に加温した純水500gに溶かし激しく撹拌しながら、この中に硝酸第二鉄[Fe(NO3 )3 ・9H2 O]74.1g、硝酸セリウム[Ce(NO3 )3 ・6H2 O]4.0g、硝酸クロム[Cr(NO3 )3 ・9H2 O]4.4g、硝酸カリウム(KNO3 )0.3g及び30重量%のSiO2 を含むシリカゾル(日産化学製スノーテックスN)112.7gを加える事によって得られる原料スラリーを、並流式の噴霧乾燥器に送り乾燥した。得られた乾燥粉末を、回転円盤型キルンを用い、300℃で2時間予備焼成した後、680℃で3時間焼成を行った。得られた触媒の組成は蛍光X線装置により測定した、その結果はV/Fe/Ce/Cr/K/SiO2 =1.0/1.0/0.05/0.06/0.016(mol%:モル換算)/47.9(wt%:重量換算)であった。この触媒は電子顕微鏡の観察から流動床法に適した球形を有していた。
【0029】
得られた触媒67.6gを直径が1インチの流動床反応器に投入し、フェノール転化率が大体90モル%近傍になるように反応温度を設定して、圧力は大気圧に保ち、フェノールとメタノールと水のモル比が1:3:1.5の原料液を蒸発器を通して反応器に導入して20〜240時間反応させた。このとき原料ガスと触媒との接触時間が16秒となるように流量を調節した。
【0030】
反応器から流出するガスを全量凝縮器に通して凝縮した液および凝縮器を通過したガスをガスクロマトグラフィーで分析した。反応結果を表1に示す。
【0031】
【比較例1〜2】
実施例1と同様な方法により表1に示した組成の触媒を調製し、得られた触媒を用いて実施例1と同様に反応を行った。反応結果を表1に示す。
表1において、実施例1、比較例1および2の結果で明かなように本発明は、Ceを添加することで、同一反応温度320℃においてメタノール収率が高く経時的な低下が少ないことが分かる。
【0032】
【比較例3〜4】
実施例1と同様な方法により表1に示した組成の触媒を調製した。フェノール転化率が大体90モル%近傍になるように反応温度を設定して20〜240時間反応させた。反応結果を表1に示す。
表1において、実施例1、比較例3および4の結果で明かなように本発明は、Ceを添加することで、フェノール収率およびメタノール収率が高く、経時的な低下が少ないことが分かる。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】
本発明の触媒をオルト位アルキル化ヒドロキシ芳香族化合物の製法に用いた場合、1)触媒活性が高く、かつ、アルキルアルコール分解損失が少なく、副生物生成量が少ないため、アルキルアルコール選択性が高く、オルトアルキル化ヒドロキシ芳香族化合物の収率が高い。
2)副生するメタ、パラ位のアルキル化芳香族化合物が少ないため、これを分離する複雑な分離、精製工程を必要としない。
3)高触媒活性かつ高選択性を有し、同時に活性および選択性の高い時間的持続性を有することから、工業的に実施する場合に必要な沈着した炭素質を除去するための定期的な触媒再生操作の期間を長期化でき、また一定期間以上使用した触媒の交換の頻度を低減できる等の優れた効果が得られる。
Claims (4)
- ヒドロキシ芳香族化合物とアルキルアルコールを反応させてオルト位アルキル化ヒドロキシ芳香族化合物を製造する触媒であって、一般組成式:VA1 VIIIf IIIAg VIAh IAi Oj
(式中、VAはVA族より選ばれる1種類以上の元素であり、同様にVIIIはVIII族より、IIIAはIIIA族より、VIAはVIA族より、IAはアルカリ金属より選ばれる1種類以上の元素である。添字f,g,h,i はVA族元素1に対する原子比率であり、f=0.01〜10、g=0.01〜10、h=0〜10、i=0.01〜0.2 、jは酸素以外の原子価及び頻度により決定される数を表す)で示される金属酸化物触媒。 - VAがバナジウム、VIIIが鉄、IIIAがセリウム、VIAがクロム、IAがカリウムであることを特徴とする請求項1記載の金属酸化物触媒。
- 請求項1記載の金属酸化物触媒が担体に担持されていることを特徴とする請求項1記載の金属酸化物触媒。
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