JPH09308831A - アルキル化用触媒とその触媒を用いたヒドロキシ芳香族化合物の製法 - Google Patents

アルキル化用触媒とその触媒を用いたヒドロキシ芳香族化合物の製法

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JPH09308831A
JPH09308831A JP8125799A JP12579996A JPH09308831A JP H09308831 A JPH09308831 A JP H09308831A JP 8125799 A JP8125799 A JP 8125799A JP 12579996 A JP12579996 A JP 12579996A JP H09308831 A JPH09308831 A JP H09308831A
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ortho
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viii
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Hitoshi Ota
等 太田
Shigeo Nakamura
茂男 中村
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒドロキシ芳香族化合物とアルキルアルコー
ルを気相接触させてヒドロキシ芳香族化合物のオルト位
を選択的にアルキル化してオルト位アルキル化ヒドロキ
シ芳香族化合物を製造する方法およびその製造のための
アルキル化用触媒を提供する。 【解決手段】 特定の組成のVA族、VIII族、II
A族、IA族からなる金属酸化物触媒を用いる。 【効果】 オルト位アルキル化ヒドロキシ芳香族化合物
の工業的製法において、低温高活性かつ高選択性を有
し、エネルギー的に有利で副生メタ、パラ位アルキル化
ヒドロキシ芳香族化合物を分離する複雑な分離精製工程
を必要とせず、活性及び選択性の高い時間的持続性を有
し、触媒再生の期間を長期化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有用なプラスチッ
クスの原料になるオルト位アルキル化ヒドロキシ芳香族
化合物の新規かつ優れた製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オルト位アルキル化ヒドロキシ芳香族化
合物(たとえば、オルト位アルキル化フェノール)の合
成方法に関しては古くから数多くの技術が知られてい
る。例えば、酸化アルミニウムを触媒とする方法(米国
特許第717588号)、酸化マグネシウムを触媒とす
る方法(米国特許第3446856号)が提案されてい
る。しかしながら、前者の触媒を使用する場合は、活性
およびオルト位メチル化選択性が低く、メタ位、パラ位
のメチル化フェノールが副生している。これらの混合物
から2,6−キシレノールを分離するには、複雑な分
離、精製工程を必要とし、工業的に実施する上で有利な
方法ではない。また、後者の触媒の場合、触媒活性が低
いために反応温度を475〜600℃ときわめて高温に
保つ必要がありエネルギー的に不利であり、加えて活性
の低下が速い欠点を有している。
【0003】一方、これらの欠点を解決するために、酸
化バナジウムと酸化鉄を含む触媒が提案されている(特
公昭47−37943)。この触媒は活性が高く、30
0〜400℃の比較的低温での反応が可能であり、ま
た、オルト位メチル化選択性も比較的高い特徴を有して
いるが、工業的に有利に実施する上で充分なオルト位メ
チル化選択性を有してはいない。また、触媒活性の経時
的低下があるため、しばしば反応を止め、触媒再生を行
う必要がある。
【0004】特願昭57−173852号にはバナジウ
ム−鉄触媒にアルカリ金属を添加する事で触媒のオルト
位メチル化選択性の向上と活性劣化の改良がなされると
いう技術が示されている。しかし、本方法においてもメ
タノールのオルト位メチル化選択性(以下、メタノール
選択性と呼ぶ)が経時的に低下するという傾向を有し、
かつ工業的に実施する上では触媒の活性劣化の改良が充
分とは言えない。
【0005】特公昭51−12610公報にはクロムに
対し原子比で9〜1/9の鉄を含む、クロムと鉄の酸化
物の存在下250〜550℃でフェノールまたはオルト
クレゾールのオルト位をメタノールでメチル化する方法
が記載されている。この方法は触媒の活性が低く、ま
た、メタノール選択性、フェノールのオルト位メチル化
選択性も低い。又触媒寿命に関しても充分でない。
【0006】メタノールでフェノール化合物をオルトア
ルキル化するに際し、特公昭52−12690号公報に
は酸化鉄、酸化クロム及びシリカを触媒とする方法、特
公昭52−12692号公報には酸化鉄、酸化クロム、
シリカ及びアルカリ金属酸化物を触媒とする方法が記載
されている。しかし、いずれもメタノールの分解率が高
く、CO2 ,CO,CH4 、H2 のガスが多く発生し、
メタノール選択性が低く、更にメタノール選択性が経時
的に低下するという欠点を有している。
【0007】一般に本反応に関する従来技術は、反応経
過時間に従い触媒上に炭素質が沈着すると共に徐々にシ
ンタリングを受け、触媒活性およびメタノール選択性が
低下するため、工業的に実施する場合には、沈着した炭
素質を除去するための定期的な触媒再生操作および一定
期間以上使用した触媒の交換操作を余儀なくされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
酸化物触媒を使用してオルト位アルキル化芳香族化合物
(たとえば2、6キシレノール)の製法の有する欠点、
すなわち、(1) 活性が低い酸化物触媒による製法では、
目的とするオルト位アルキル化芳香族化合物の収率を上
げるためには高い反応温度を必要とし、その結果、エネ
ルギー的に不利であるばかりでなく、メタノール等のア
ルキルアルコール分解損失が大きく、また、副生物生成
が多いため、アルキルアルコールのオルト位アルキル化
選択性(以下、アルキルアルコール選択性と呼ぶ)が低
く、オルト位アルキル化芳香族化合物の収率が低い。加
えて、副生するメタ、パラ位のアルキル化芳香族化合物
を分離するには工業的に実施する上で有利でない複雑な
分離、精製工程を必要とする。一方、活性の高い触媒に
よる製法では工業的に有利に実施する上で充分なアルキ
ルアルコール選択性を有してはいない。(2) 更に、どち
らの触媒による製法においても、反応経過時間に従い触
媒上に炭素質が沈着すると共に徐々にシンタリングを受
け触媒活性およびアルキルアルコール選択性が低下する
ため、工業的に実施する場合には、沈着した炭素質を除
去するための定期的な触媒再生操作および一定期間以上
使用した触媒の交換操作を頻繁に余儀なくされる、以上
を全て同時に解決することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するための研究を重ねた結果、 一般組成式VA1 VIIIf IIAg VIAh IAi
j (ここでVAはVA族より選ばれる1種類以上の元素で
あり、同様にVIIIはVIII族より、IIAはアル
カリ土類金属より、VIAはVIA族より、IAはアル
カリ金属より選ばれる1種類以上の元素である。添字f,
g,h,i はVA族元素1に対する原子比率であり、f=0.01
〜10、g=0.01〜10、h=0 〜10、i=0.01〜0.2 、jは式I
中の酸素以外の原子価及び頻度により決定される数を表
す)で示される金属酸化物を用いた場合、先行技術から
予想出来ない、上記課題が解決できることを見いだし本
発明に到達した。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、一般組成式:VA1 VIIIf IIAg VIAh
i j(式中、VAはVA族より選ばれる1種類以上
の元素であり、同様にVIIIはVIII族より、II
Aはアルカリ土類金属より、VIAはVIA族より、I
Aはアルカリ金属より選ばれる1種類以上の元素であ
る。添字f,g,h,i はVA族元素1に対する原子比率であ
り、f=0.01〜10、g=0.01〜10、h=0 〜10、i=0.01〜0.2
、jは式I中の酸素以外の原子価及び頻度により決定
される数を表す)で示される金属酸化物触媒および一般
式(I)
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は水素又
は炭素数1〜24の飽和脂肪族炭化水素基を表す。)で
示されるヒドロキシ芳香族化合物と炭素数1〜24のア
ルキルアルコールとを気相接触させてヒドロキシ芳香族
化合物のオルト位を選択的にアルキル化してオルト位ア
ルキル化ヒドロキシ芳香族化合物を製造するに際し、上
記組成式で表される金属酸化物触媒を用いることを特徴
とするオルト位アルキル化ヒドロキシ芳香族化合物の製
造方法に係わる。
【0013】本発明における炭素数1〜24のアルキル
アルコールとは、例えばメタノール、エタノール、プロ
ピルアルコールなどであり、中でもメタノールが好まし
い。一般式(I)で示されるヒドロキシ芳香族化合物と
しては、例えばフェノール、オルトクレゾールなどであ
り、中でもフェノールが好ましい。本発明の触媒中のV
A族元素とはバナジウム、ニオブ、タンタルであり、V
III族元素とは鉄、ルテニウム、オスミウム、コバル
ト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白
金であり、IIA族元素とはベリリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム
であり、VIA族元素とはクロム、モリブデン、タング
ステンであり、IA族元素とはリチウム、ナトリウム、
カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムであ
る。
【0014】VA族元素、VIII族元素、IIA族元
素、VIA族元素およびIA元素は、バナジウム、鉄、
マグネシウム、クロム、カリウムの組み合わせが好まし
い。組成は原子比でVA族元素1に対して0.01〜10のV
III族元素、0.01〜10のIIA族元素、0 〜10のVI
A族元素、0.01〜0.2 のIA族元素である。好ましく
は、原子比でVA族元素1に対して0.3 〜2 のVIII
族元素、0.3 〜4 のIIA族元素、0 〜0.1 のVIA族
元素、0.01〜0.05のIA族元素を用いた場合である。
【0015】本発明の触媒にIIA族元素が含まれるこ
とは、活性を高くし、低い反応温度で反応を可能にする
上できわめて大きな効果をもたらす。その結果、エネル
ギー的に有利になるばかりでなく、アルキルアルコール
分解損失が小さくなり、副生物生成が少なくなる為、ア
ルキルアルコール選択性が高くなるという利点が生まれ
る。
【0016】更に、このように低い反応温度で触媒活性
が高いと同時にアルキルアルコール選択性が高い事、触
媒活性の低下が少ない事、アルキルアルコール選択率の
低下傾向が著しく小さい事によって触媒再生までの期間
が従来の観念からは想像出来ないまでに長期化出来る。
VA族元素、IIA族元素がそれぞれ、バナジウム、マ
グネシウムの場合、触媒中のマグネシウムは少量で触媒
活性の低下防止に大きな効果をもたらすが、バナジウム
元素1に対して10以上では活性が小さくなる。
【0017】本発明の触媒は、VA族元素、VIII族
元素、IIA族元素の酸化物に、更にLi,Na,K、
Rb、Cs及びFrの元素から選ばれる1種類以上のア
ルカリ金属酸化物が少量含まれている。アルカリ金属酸
化物の添加は、本発明の場合、触媒のオルト位選択性の
向上と触媒上への炭素析出を抑制する上で有効である。
アルカリ金属酸化物を含む触媒はオルト位選択性が著し
く向上し、2,6キシレノールとの分離が困難であるメ
タ−クレゾール、パラ−クレゾールの生成が事実上なく
なり、極めて高純度な2,6キシレノールの製品を得る
ことができる。また、フェノールを原料にして2,6キ
シレノールを製造する場合、フェノールの転化率を10
0%近くまで高めても2、4、6−トリメチルフェノー
ルの生成量は少ない。さらにアルカリ金属酸化物を含む
触媒は炭素析出が激減するため、IIA族元素酸化物添
加による触媒寿命の長期化という効果を相乗的に高め
る。
【0018】好ましいアルカリ金属酸化物の添加量は触
媒中のVA元素1に対し原子比でアルカリ金属元素は0.
01〜0.05である。アルカリ金属酸化物の量が本発明の範
囲より多い場合は触媒の活性が低くなる。本発明の触媒
は無担持でも実施できるが、適当な担体と共に用いるこ
ともできる。
【0019】担体と共に用いる場合は、触媒の強度の向
上およびオルト位選択性を維持する上で、担体の種類お
よび担体の量を適正に選定しなければならないが、この
目的のためにはシリカが好ましい。シリカ担持触媒に対
するシリカ担体量は5重量%〜95重量%、特に好適に
は10重量%〜80重量%の範囲である。特に流動床反
応器を用いて反応を行う場合、固定床に比べ触媒の耐摩
耗強度は著しく高いことが要求されるが、シリカ担体量
が10重量%〜80重量%、好ましくは20重量%〜8
0重量%であれば、流動床にも充分耐えうるものであ
る。
【0020】触媒を調製するにあたり使用する原料は、
それぞれの金属の水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸水酸
化物、塩化物等のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、有機
酸塩類である。触媒の調製法は公知の方法が各種適用可
能である。 (無担持触媒調製例) (1) バナジウム、鉄及びマグネシウムの塩類、一般式M
mAn(ここでM=NH 4+、Fe3+、Mg2+、A=OH
- 、Cl- 、NO3 - 、SO42- 、COOH- 、mおよ
びnはM、Aの原子価により決定される数)すなわち水
酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩の混合水溶
液をアンモニア等のアルカリで処理して得られる共沈物
を乾燥、焼成して触媒を調製する共沈法。
【0021】又共沈法により調製した触媒にアルカリ金
属塩類を添加する場合はアンモニア等のアルカリでpH
4〜8に中和して得られた共沈物を水洗濾過後100〜
200℃で乾燥してアルカリ金属塩の水溶液に浸漬し、
蒸発乾固後焼成して触媒を得る方法。 (2) バナジウム、鉄、マグネシウムとアルカリ金属の塩
類の混合水溶液を乾固後焼成する方法。 (3) 鉄及びマグネシウムの塩類の水溶液より沈澱法によ
り水酸化物の沈澱ケーキを作り、これをバナジウムの塩
類たとえばメタバナジン酸アンモニウム及びアルカリ金
属塩の水溶液に浸漬、乾燥しながら乾固焼成する方法等
が利用出来る。 (シリカを担体として用いた触媒調製例) (1) 固定床用触媒の調製 メタバナジン酸アンモニウムを熱水に溶解させた液に、
硝酸第二鉄、硝酸マグネシウムを加え溶解させてアンモ
ニア等のアルカリでpH4〜8中和する。生成した沈澱
を水洗、濾過し乾燥粉砕する。このものにアルカリ金属
塩の水溶液及びシリカゾルを加え、成形しやすい適当な
水分量に調節後、成型する。
【0022】あるいはメタバナジン酸アンモニウム、硝
酸第二鉄、硝酸マグネシウム、アルカリ金属塩類を溶解
した水溶液を公知の噴霧乾燥機で乾燥し、乾燥粒子を低
温で脱硝後シリカゾルを加え混練後所望の物理的形状に
成型する。粒子成型物はたとえばペレット、円柱、タブ
レットである。さらに粒子成型物を焼成し触媒として使
用する。 (2) 流動床用触媒の調製 先ず原料スラリーの調製は、メタバナジン酸アンモニウ
ムを熱水に溶解した液に、撹拌しながら硝酸第二鉄、硝
酸マグネシウム、成分Aの硝酸塩およびシリカゾルを加
えることによって好適に行うことができる。ここにシリ
カコロイドゾルに均一に分散した微粒懸濁質のスラリー
で得られる。次いで該スラリーは、公知の噴霧乾燥装置
を用いて乾燥することにより、球状の乾燥微粒子として
得られる。
【0023】原料スラリーの噴霧化は、通常工業的実施
に用いられる遠心方式、二流体ノズル方式あるいは高圧
ノズル方式のいずれによっても行いうるが、特に遠心方
式が好適である。粒子径は遠心方式においてはディスク
の回転速度およびスラリーの供給速度を5〜20リット
ル/min.調節することによって、流動床反応器に用
いるに適した10〜150ミクロンの間に分布させるこ
とができる。このようにして得た乾燥微粒子を低温で脱
硝後焼成し、流動床用触媒として使用する。
【0024】本発明のアルキル化方法の場合、供給原料
中のヒドロキシ芳香族化合物に対するメタノールのモル
比は1:1〜20、好ましくは1:2〜8である。又、
水蒸気または不活性ガスは必要に応じ導入することもで
きる。反応温度は250〜500℃、好ましくは280
〜400℃の範囲が適している。
【0025】反応の圧力は常温でもよいが、必要に応じ
て減圧または加圧下での実施できる。ガスと触媒との接
触時間は0.5から50秒、好ましくは1〜20秒が適
している。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に
詳しく説明する。尚、実施例についての反応成績は次式
によって定義したものを使用した。いずれもモル基準で
ある。 フェノール転化率X(モル%) ここでヒドロキシ芳香族化合物とは、一般式(I)で表
されるヒドロキシ芳香族化合物を示す。 フェノール収率Y(モル%) メタノール収率Z(モル%)
【0027】
【実施例1】メタバナジン酸アンモニウム(NH4 VO
3 )21.8gを90℃に加温した純水500gに溶か
し、激しく撹拌しながら、この中に硝酸第二鉄[Fe
(NO3 )3 ・9H2 O]75.2g、硝酸マグネシウ
ム[Mg(NO3 )2 ・6H2O]11.9g、硝酸カ
リウム(KNO3 )0.3gおよび30重量%のSiO
2 を含むシリカゾル(日産化学製スノーテックスN)1
12.7gを加える事によって得られる原料スラリー
を、並流式の噴霧乾燥器に送り乾燥した。得られた乾燥
粉末を、回転円盤型キルンを用い、300℃で2時間予
備焼成した後、680℃で3時間焼成を行った。得られ
た触媒の組成は蛍光X線装置により測定した。その結果
はV/Fe/Mg/K/SiO29=1.0/1.0/
0.26/0.016(mol%:モル換算)/47.
9(wt%:重量換算)であった。この触媒は電子顕微
鏡の観察から流動床法に適した球形を有していた。
【0028】得られた触媒67.6gを直径が1インチ
の流動床反応器に投入し、反応温度を約320℃、圧力
は大気圧に保ち、フェノールとメタノールと水のモル比
が1:3:1.5の原料液を蒸発器を通して反応器に導
入して20〜240時間反応させた。このとき原料ガス
と触媒との接触時間が16秒となるように流量を調節し
た。
【0029】反応器から流出するガスを全量凝縮器に通
して凝縮した液および凝縮器を通過したガスをガスクロ
マトグラフィーで分析した。反応結果を表1に示す。
【0030】
【比較例1〜3】実施例1と同様な方法により表1に示
した組成の触媒を調製し、調整した触媒を用いて実施例
1と同様に反応を行った。反応結果を表1にまとめて示
す。
【0031】
【実施例2】実施例1の触媒を用いてフェノール転化率
が大体90モル%近傍になるように反応温度を設定した
以外は実施例1と同様の条件で反応を行った。反応結果
を表2に示す。
【0032】
【比較例4〜6】実施例1と同様な方法により表2に示
した組成の触媒を調製し、調整した触媒を用いて実施例
2と同様に反応を行った。反応結果を表2にまとめて示
す。表1において、実施例1、比較例1および2の結果
で明かなように、本発明はMgを添加することで、同一
反応温度320℃において活性が高く、表2において、
実施例2、比較例4および5の結果、低い反応温度で高
フェノール転化率の反応が可能であり、同時にフェノー
ル収率およびメタノール収率が高く、経時的な低下が少
ないことが分かる。
【0033】また、表1において、比較例3の結果で明
らかなように、本発明の触媒組成から外れたK量を含有
する触媒では、活性および目的生成物の収率は極めて低
い。また、同触媒は、表2において比較例6の結果から
活性および目的生成物の収率の経時的な低下が大きい。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明の触媒をオルト位アルキル化ヒド
ロキシ芳香族化合物の製造に用いた場合、1)触媒活性
が高く、目的とするオルト位アルキル化芳香族化合物の
収率を高く維持したまま、低い反応温度での反応が可能
であり、その結果エネルギー的に有利であるばかりでな
く、アルキルアルコール分解損失が少なく、また副生物
生成量が少ないため、アルキルアルコール選択性が高
く、オルトアルキル化ヒドロキシ芳香族化合物の収率が
高い。 2)副生するメタ、パラ位のアルキル化芳香族化合物が
少ないため、これを分離する複雑な分離、精製工程を必
要としない。3)活性および選択性の高い時間的持続性
を有すること及びオルト位アルキル化芳香族化合物の高
収率を低い反応温度で可能であることから、工業的に実
施する場合に必要な沈着した炭素質を除去するための定
期的な触媒再生操作の期間を長期化でき、また、一定期
間以上使用した触媒の交換の頻度を低減できる、等の優
れた効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 37/16 B01J 23/64 102Z 39/06 103Z // C07B 61/00 300 23/84 301Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシ芳香族化合物とアルキルアル
    コールを反応させてオルト位アルキル化ヒドロキシ芳香
    族化合物を製造する触媒であって、一般組成 式:VA1 VIIIf IIAg VIAh IAi j (式中、VAはVA族より選ばれる1種類以上の元素で
    あり、同様にVIIIはVIII族より、IIAはアル
    カリ土類金属より、VIAはVIA族より、IAはアル
    カリ金属より選ばれる1種類以上の元素である。添字f,
    g,h,i はVA族元素1に対する原子比率であり、f=0.01
    〜10、g=0.01〜10、h=0 〜10、i=0.01〜0.2 、jは式I
    中の酸素以外の原子価及び頻度により決定される数を表
    す)で示される金属酸化物触媒。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 は水素又は炭素数1〜
    24の飽和脂肪族炭化水素基を表す。)で示されるヒド
    ロキシ芳香族化合物と炭素数1〜24のアルキルアルコ
    ールとを気相接触させてヒドロキシ芳香族化合物のオル
    ト位を選択的にアルキル化してオルト位アルキル化ヒド
    ロキシ芳香族化合物を製造するに際し、請求項1記載の
    金属酸化物触媒を用いることを特徴とするオルト位アル
    キル化ヒドロキシ芳香族化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 VAがバナジウム、VIIIが鉄、II
    Aがマグネシウム、VIAがクロム、IAがカリウムで
    あることを特徴とする請求項1記載の金属酸化物触媒。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の金属酸化物触媒が担体に
    担持されていることを特徴とする請求項1記載の金属酸
    化物触媒。
JP8125799A 1996-05-21 1996-05-21 アルキル化用触媒とその触媒を用いたヒドロキシ芳香族化合物の製法 Withdrawn JPH09308831A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014124628A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Sekisui Chem Co Ltd C2酸素化物合成用の触媒、c2酸素化物の製造装置及びc2酸素化物の製造方法

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JP2014124628A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Sekisui Chem Co Ltd C2酸素化物合成用の触媒、c2酸素化物の製造装置及びc2酸素化物の製造方法

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