JP3752531B2 - 二酸化炭素共存下でのエチルベンゼン脱水素反応用触媒 - Google Patents

二酸化炭素共存下でのエチルベンゼン脱水素反応用触媒 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチルベンゼンを二酸化炭素共存下で脱水素反応させることによりスチレンモノマーを製造するために使用する触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スチレンモノマーを工業的に製造するには、エチルベンゼンを、大量の水蒸気共存下に、酸化鉄とカリウムを主成分とする触媒上に600℃程度の温度で接触させる方法が採用されている(触媒、38巻、7号、572〜579(1996))。
しかしながら、この方法は、▲1▼大量の水蒸気を共存させるために、エネルギー消費量が大きいこと、▲2▼スチレンモノマーの単通収率を高くするために、反応を減圧下で行う必要があること、▲3▼反応中に触媒中のカリウムの揮散がおこることなど、改善すべき点も指摘されている。
これらの問題点を解決するために、本発明者らは、先に水蒸気の代わりに、二酸化炭素を共存ガスに用いることにより、▲1▼従来のプロセスよりエネルギー消費量が低くなる、▲2▼スチレンモノマーの単通収率が高くなる可能性を報告している(Catalysis Today, 55(2000)173-178)。
しかしながら、この二酸化炭素を用いる新しい方法においても、優れた触媒が必要とされており、本発明者らは、既に、酸化鉄、酸化カルシウムおよび酸化アルミニウムからなる触媒を開発した(特許第3032816号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる特許発明を更に発展・飛躍させたものであり、エチルベンゼンを二酸化炭素共存下で脱水素反応させることによりスチレンモノマーを製造する方法において、更に高性能な触媒を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、酸化鉄および酸化アルミニウムからなる触媒の性能に及ぼす種々の添加物の影響を検討した結果、意外にも酸化セリウムを添加した触媒により、その課題を解決し得ることを見い出した。
【0005】
即ち、本発明によれば、第一に、酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化セリウムを必須成分とする、二酸化炭素共存下でのエチルベンゼン脱水素反応において高い性能を示す触媒が提供される。
第二に、第一の発明において、酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化セリウムを必須成分とする触媒であって、触媒全体を100重量%とするとき、各酸化物の含有量が、上記の順に5〜20重量%、65〜94重量%、1〜15重量%であることを特徴とする二酸化炭素共存下でのエチルベンゼン脱水素反応用触媒が提供される。
第三に、エチルベンゼンを二酸化炭素の存在下、上記第1又は第2記載の触媒に接触させることを特徴とするスチレンモノマーの製造方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0007】
本発明の二酸化炭素共存下でのエチルベンゼン脱水素反応用触媒成分は、酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化セリウムを必須成分とすることを特徴とする。
【0008】
本発明の触媒は、二酸化炭素共存下でのエチルベンゼン脱水素反応において、前記特許第3032816号公報記載の発明の触媒よりも更に優れた性能を発揮する。
これは、新たに添加した酸化セリウムの作用によるものである。酸化セリウムの作用の内容が完全には明らかになっているわけではないが、酸化セリウム中のセリウムの価数が四価から三価との間を容易に往来できることにより、反応中の触媒表面を活性状態に保持できるものと推察している。
なお、セリウムと同じく希土類元素の一つであるランタンの酸化物を添加しても、酸化ランタン中のランタンの価数が三価のまま変化しないため、触媒の性能は改善されない(後記比較例4参照)。
【0009】
各触媒成分の割合は、特に限定されないが、触媒全体を100重量%とするとき、酸化鉄が5〜20重量%、酸化アルミニウムが65〜94重量%、酸化セリウムが1〜15重量%とされる。このような量的範囲において、組成を反応条件に応じて適切に定めることにより、その反応条件に適した触媒性能を得ることができる。
また、本発明の脱水素反応用触媒は、酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化セリウムを必須成分とするが、本発明の反応を損なわない範囲で、他の物質を含んでいても良い。このような物質としては、たとえば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化珪素、酸化ランタン、酸化イットリウムなどが挙げられる。
【0010】
本発明の触媒成分となる酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化セリウムの原料としては、それぞれの硝酸塩、塩酸塩、硫酸鉛、有機酸塩、水酸化物等を用いることができる。触媒は、共沈法、含浸法、混合法、逐次沈殿法、アルコキシド法等の方法により、あるいは、これらの方法を組み合わせた方法により触媒前駆体を調製し、次いで、触媒前駆体を空気中で焼成することにより製造できる。触媒前駆体の焼成温度は、特に限定しないが、300〜1000℃の範囲が好ましく、600〜800℃が特に好ましい。
【0011】
このようにして製造された触媒は、そのままで、あるいは適当な方法により造粒または打錠成型して用いる。触媒の粒子径や形状は、反応方式、反応器の形状によって任意に選択できる。すなわち、本発明による触媒は、固定床、流動床等いずれの反応方式においても用いることができる。
【0012】
本発明による触媒を用いて、エチルベンゼンの脱水素反応によりスチレンを製造する際の反応条件は、特許第3032816号公報に記載された反応条件と同様であるが、二酸化炭素のエチルベンゼンに対する割合は、エチルベンゼン1モルあたり、0.1〜100モル、好ましくは1〜50モル、反応温度は500〜650℃の範囲、好ましくは、530〜630℃、反応圧力は、加圧、常圧、減圧のいずれでも良く、好ましくは0.2〜1.5気圧(絶対圧力)である。また、本発明の触媒は、一定時間使用後に活性が低下した場合には、空気中で再度焼成することによりその性能を回復させることができる。
【0013】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
【0014】
実施例1
硝酸鉄九水和物8.3g、硝酸アルミニウム九水和物102.9g、硝酸セリウム六水和物2.2gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム52.5gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化鉄10重量%、酸化アルミニウム85重量%、酸化セリウム(CeO)5重量%であった。
【0015】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、二酸化炭素中で反応温度に昇温した後、10容量%のエチルベンゼン蒸気および90容量%の二酸化炭素からなる混合ガスを触媒層に通して、圧力0.1MPa、混合ガス流量68ml/分、温度550℃の条件下に上記混合ガスを反応させた。反応生成ガスを−1℃で冷却して得られた液体成分をガスクロマトグラフで分析した。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率20%、スチレン選択率97%であった(表1参照)。
【0016】
実施例2
硝酸鉄九水和物8.1g、硝酸アルミニウム九水和物104.2g、硝酸セリウム六水和物0.9gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム52.5gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化鉄10重量%、酸化アルミニウム88重量%、酸化セリウム(CeO)2重量%であった。
【0017】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、実施例1と同様なエチルベンゼンの脱水素反応を行った。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率14%、スチレン選択率97%であった(表1参照)。
【0018】
実施例3
硝酸鉄九水和物8.6g、硝酸アルミニウム九水和物100.6g、硝酸セリウム六水和物4.5gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム52.5gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化鉄10重量%、酸化アルミニウム80重量%、酸化セリウム(CeO)10重量%であった。
【0019】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、実施例1と同様なエチルベンゼンの脱水素反応を行った。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率18%、スチレン選択率97%であった(表1参照)。
【0020】
比較例1
硝酸アルミニウム九水和物110.7g、硝酸セリウム六水和物2.1gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム52.5gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化アルミニウム95重量%、酸化セリウム5重量%であった。
【0021】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、実施例1と同様なエチルベンゼンの脱水素反応を行った。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率1%、スチレン選択率82%であった(表1参照)。
この結果から、酸化アルミニウムと酸化セリウムからなる触媒はほとんど活性を示さず、酸化セリウムを添加した本発明の触媒における酸化セリウムは、酸化鉄と酸化アルミニウムからなる触媒の性能を高める役割を果たしていることが判る。
【0022】
比較例2
硝酸鉄九水和物8.1g、硝酸アルミニウム九水和物99.7gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム51.6gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化鉄10重量%、酸化アルミニウム90重量%であった。
【0023】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、実施例1と同様なエチルベンゼンの脱水素反応を行った。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率11%、スチレン選択率96%であった(表1参照)。
この結果から、酸化セリウムを添加していない触媒は、酸化セリウムを添加した本発明の触媒より触媒活性が低いことが判る。
【0024】
比較例3
硝酸鉄九水和物8.1g、硝酸アルミニウム九水和物99.7g、硝酸カルシウム四水和物3.4gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム51.6gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化鉄10重量%、酸化アルミニウム85重量%、酸化カルシウム5重量%であった。
【0025】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、実施例1と同様なエチルベンゼンの脱水素反応を行った。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率13%、スチレン選択率97%であった(表1参照)。
この結果から、酸化カルシウムを添加した触媒(既発明の触媒)は、酸化セリウムを添加した本発明の触媒より触媒活性が低いことが判る。
【0026】
比較例4
硝酸鉄九水和物8.3g、硝酸アルミニウム九水和物102.9g、硝酸ランタン六水和物2.2gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム51.6gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化鉄10重量%、酸化アルミニウム85重量%、酸化ランタン5重量%であった。
【0027】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、実施例1と同様なエチルベンゼンの脱水素反応を行った。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率12%、スチレン選択率97%であった(表1参照)。
この結果から、酸化ランタンを添加した触媒は、酸化セリウムを添加した本発明の触媒より触媒活性が低いことが判る。
【0028】
比較例5
硝酸鉄九水和物8.3g、硝酸アルミニウム九水和物102.3g、オキシ硝酸ジルコニウム二水和物1.8gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム52.1gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化鉄10重量%、酸化アルミニウム85重量%、酸化ジルコニウム5重量%であった。
【0029】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、実施例1と同様なエチルベンゼンの脱水素反応を行った。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率10%、スチレン選択率97%であった(表1参照)。
この結果から、酸化ジルコニウムを添加した触媒は、酸化セリウムを添加した本発明の触媒より触媒活性が低いことが判る。
【0030】
比較例6
硝酸鉄九水和物8.2g、硝酸アルミニウム九水和物101.2g、硝酸亜鉛六水和物3.0gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム51.9gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化鉄10重量%、酸化アルミニウム85重量%、酸化亜鉛5重量%であった。
【0031】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、実施例1と同様なエチルベンゼンの脱水素反応を行った。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率9%、スチレン選択率97%であった(表1参照)。
この結果から、酸化亜鉛を添加した触媒は、酸化セリウムを添加した本発明の触媒より触媒活性が低いことが判る。
【0032】
比較例7
硝酸鉄九水和物8.2g、硝酸アルミニウム九水和物101.6g、硝酸ガリウム水和物2.9gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム51.6gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化鉄10重量%、酸化アルミニウム85重量%、酸化ガリウム5重量%であった。
【0033】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、実施例1と同様なエチルベンゼンの脱水素反応を行った。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率8%、スチレン選択率97%であった(表1参照)。
この結果から、酸化ガリウムを添加した触媒は、酸化セリウムを添加した本発明の触媒より触媒活性が低いことが判る。
【0034】
比較例8
硝酸鉄九水和物8.4g、硝酸アルミニウム九水和物103.4g、硝酸ビスマス五水和物1.7gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム52.5gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化鉄10重量%、酸化アルミニウム85重量%、酸化ビスマス5重量%であった。
【0035】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、実施例1と同様なエチルベンゼンの脱水素反応を行った。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率12%、スチレン選択率97%であった(表1参照)。
この結果から、酸化ランタンを添加した触媒は、酸化セリウムを添加した本発明の触媒より触媒活性が低いことが判る。
【0036】
比較例9
硝酸鉄九水和物8.3g、硝酸アルミニウム九水和物102.8g、硝酸バリウム1.4gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム51.5gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化鉄10重量%、酸化アルミニウム85重量%、酸化バリウム5重量%であった。
【0037】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、実施例1と同様なエチルベンゼンの脱水素反応を行った。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率10%、スチレン選択率97%であった(表1参照)。
この結果から、酸化バリウムを添加した触媒は、酸化セリウムを添加した本発明の触媒より触媒活性が低いことが判る。
【0038】
比較例10
硝酸鉄九水和物8.2g、硝酸アルミニウム九水和物101.4g、硝酸マンガン六水和物2.7gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、A液とした。一方、無水炭酸ナトリウム51.9gを蒸留水に溶解し、300mlの水溶液を調製し、B液とした。A液およびB液を、それぞれ、8ml/分の速度で良く攪拌した800mlの室温の蒸留水に、同時に滴下して沈殿物を得た。この沈殿物を室温にて1日間熟成させた後、ろ過、洗浄を行い、沈殿物中のナトリウムを除去した。その後、沈殿物を110℃で乾燥し、空気中、750℃で2時間焼成した。次に、焼成後の酸化物を圧縮成型後、粉砕し、250〜600μmに粒度調製して、触媒とした。この触媒の組成は、酸化鉄10重量%、酸化アルミニウム85重量%、酸化マンガン5重量%であった。
【0039】
得られた触媒0.4gを反応管に充填し、実施例1と同様なエチルベンゼンの脱水素反応を行った。その結果、反応経過時間6時間後において、スチレン収率13%、スチレン選択率97%であった(表1参照)。
この結果から、酸化マンガンを添加した触媒は、酸化セリウムを添加した本発明の触媒より触媒活性が低いことが判る。
【0040】
【表1】
Figure 0003752531
【0041】
【発明の効果】
本発明の触媒は、二酸化炭素共存下でのエチルベンゼンの脱水素反応において、長時間その触媒活性が低下せず極めて高い触媒活性を示すものである。従って、スチレンモノマーを工業的有利に製造することができる。

Claims (3)

  1. 酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化セリウムを必須成分とすることを特徴とする二酸化炭素共存下でのエチルベンゼン脱水素反応用触媒。
  2. 酸化鉄、酸化アルミニウムおよび酸化セリウムを必須成分とする金属酸化物で構成された触媒であって、触媒全体を100重量%とするとき、各酸化物の含有量が、上記の順に5〜20重量%、65〜94重量%、1〜15重量%であることを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素共存下でのエチルベンゼン脱水素反応用触媒。
  3. エチルベンゼンを二酸化炭素の存在下、請求項1又は2の触媒に接触させることを特徴とするスチレンモノマーの製造方法。
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