JP4454009B2 - アンモ酸化反応の選択性改善方法およびこれを用いる不飽和ニトリルの製造方法 - Google Patents

アンモ酸化反応の選択性改善方法およびこれを用いる不飽和ニトリルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルカリ金属元素、モリブデン、ビスマスおよび鉄を含有する酸化物触媒存在下、プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと分子状酸素およびアンモニアとを反応させてアクリロ二トリルまたはメタクリロニトリルを製造する方法に関する。
プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと分子状酸素およびアンモニアとの反応である、いわゆるアンモ酸化反応によりアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造する方法は、オレフィンのアンモ酸化反応として広く知られており、現在工業的規模で実施されている。この反応に使用されるアルカリ金属元素、モリブデン、ビスマス、鉄を含む多成分酸化物触媒は多数開示されおり、例えば、特許文献1〜3が挙げられる。この中で特許文献1では、微量の必須成分としてカリウム、ルビジウム及びセシウムから選ばれる1種類以上の元素を用いることによってアクリロニトリルの選択性が大きく向上するのみならず、実質100%に近いプロピレン転化率においても大きな選択率が保持されることが記載されている。
これらの触媒をプロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールのアンモ酸化反応に用いるときの大きな欠点は、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの収率が経時的に低下する事実にある。収率が低下する要因は多様であり十分に解明されていないが、一因としてアンモ酸化反応に伴う触媒からのモリブデン成分の損失が考えられている。
この損失モリブデンを補給することによる収率回復の方策がいくつか提案されており、例えば、特許文献4にはモリブデンがモリブデン含有量の高い触媒から低い触媒に移動することが開示されている。また、特許文献5には、アンモ酸化触媒の活性を維持する方法として、反応中に損失するモリブデンを補うために、モリブデンの比率のみを高めた触媒を加える方法が開示されている。
以上の例から判るように、モリブデン含有触媒は、実際の使用に際してモリブデンが損失していくことで活性が低下してくるが、モリブデンを何らかの方法で補給することによってその活性を再生、維持させていることが判る。しかしながら、モリブデン以外の成分については、アンモ酸化反応に伴う触媒からの損失挙動や収率低下との関連は未だ明らかとなっていない。
特公昭58−2232号公報 特公昭59−50667号公報 特許第3214984号公報 特開平5−301051号公報 米国特許第5,177,048号明細書
本発明は、アルカリ金属元素、モリブデン、ビスマスおよび鉄を含む多成分酸化物触媒を用いて流動層においてアンモ酸化反応を行うにあたり、経時的な収率低下を抑制し、長期に亘って安定にアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、驚くべきことにアンモ酸化反応に伴い触媒からアルカリ金属元素が損失し、これに伴って収率が低下することを発見した。さらに驚くべきことに、アルカリ金属元素が損失した触媒とアルカリ金属元素の含有量を高めた触媒を接触させると、アルカリ金属元素がアルカリ金属元素の含有量が高い触媒から低い触媒へ移動して補給され、接触前に比べてアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの収率が回復し、しかもこの方法により収率を安定に維持できることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと分子状酸素及びアンモニアとを酸化物触媒の存在下、流動層反応器で反応させてアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造するに際して、触媒1、触媒2はそれぞれ酸化物触媒として下記実験式(1)で示され、アンモ酸化反応に伴いアルカリ金属元素が損失した触媒1のG成分の原子比をg1、触媒2のG成分の原子比をg2としたときに、1<g2/g1<3であり、触媒1と触媒2を接触させることを特徴とするアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法に関するものである。
実験式(1) : Mo12BiFecNa
(式中、CはNi、Co、Mn、Zn、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれる1種以上の元素、Dは希土類元素から選ばれる1種以上の元素、EはCr、W、B、Al、Ga、In、P、Sb及びTeから選ばれる1種以上の元素、FはPd、Rh、Ru、Pt、Ir及びOsから選ばれる1種以上の元素、GはK、Rb及びCsから選ばれる1種類以上の元素、Oは酸素を表し、aは0.05〜8、bは0.5〜8、cは0〜12、dは0〜5、eは0〜5、fは0〜1、gは0.01〜0.5、hは0〜2、xは存在する他の元素の原子価要求を満足させるために必要な酸素の原子数である。)
また、本発明は、上記の製造方法において、上記触媒2と共に、或いは触媒2に代えて、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選ばれる1種類以上の元素の塩および/または水酸化物を用い、この化合物と上記実験式(1)で表される触媒とを接触させることを特徴とするアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法に関するものである。
本発明によれば、プロピレン、プロパン、イソブテン、イソブタンまたは3級ブタノールのアンモ酸化反応によってアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造するに際して、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを高い収率で長時間に亘って安定的に製造することができる。
本発明の主たる要件は、アルカリ金属の含量が低い触媒1と、アルカリ金属元素の含量が高い触媒2および/またはアルカリ金属元素の化合物との接触によって、触媒2および/またはアルカリ金属元素の化合物から触媒1にアルカリ金属元素が移動することにより、触媒1のアルカリ金属元素の原子比を制御することにある。
アルカリ金属元素の含有量が少ないと、アクリロニトリルの選択率が低いばかりでなく、プロピレンの転化率を高めると共に、生成アクリロニトリルが二次分解を受け選択率が大きく低下する。アルカリ金属元素の含有量が多い場合には、アンモニアの利用度が低くアクロレインの副生が増大し好ましくないため、アルカリ金属元素の含有量を適正な範囲内で制御することが必要である。
アルカリ金属元素の移動は、一般的に元素の比率が大きい触媒粒子、または元素の含油量の高い触媒粒子から元素の比率の小さい触媒粒子、または元素の含有量の低い触媒粒子に対して起こるが、触媒粒子の表面状態及び濃度等に影響される場合もある。この元素の移動は、同一元素の比率の異なる2種類以上の触媒粒子間で、その比率、または、含有量が均一化するまで移動すると考えられる。
アルカリ金属元素が触媒粒子間で移動する機構の詳細については現在のところ不明であるが、触媒粒子同士の衝突時に物理的に移動する、移動する元素が蒸気圧を有する化合物に変化することで蒸気として移動するなどが考えられる。
本発明に用いる触媒は下記実験式(1)で示される。
実験式(1) : Mo12BiFecNa
(式中、CはNi、Co、Mn、Zn、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれる1種以上の元素、Dは希土類元素から選ばれる1種以上の元素、EはCr、W、B、Al、Ga、In、P、Sb及びTeから選ばれる1種以上の元素、FはPd、Rh、Ru、Pt、Ir及びOsから選ばれる1種以上の元素、GはK、Rb及びCsから選ばれる1種類以上の元素、Oは酸素を表し、aは0.05〜8、bは0.5〜8、cは0〜12、dは0〜5、eは0〜5、fは0〜1、gは0.01〜0.5、hは0.〜2、xは存在する他の元素の原子価要求を満足させるために必要な酸素の原子数である。)
実験式(1)で示される触媒の、好ましい実験式(2)は下記に示すとおりである。
実験式(2) : Mo12BiFecNa
(式中、CはNi、Co、Mg、及びZnから選ばれる1種以上の元素、DはY、La、Ce、Pr、NdおよびSmから選ばれる1種以上の元素、EはCr、Ga、In及びPから選ばれる1種以上の元素、GはK、Rb及びCsから選ばれる1種類以上の元素、Oは酸素を表し、aは0.1〜6、bは0.5〜7、cは0〜12、dは0〜4、eは0〜4、fは0〜0.5、gは0.01〜0.4、hは0〜2、xは存在する他の元素の原子価要求を満足させるために必要な酸素の原子数である。)
実験式(1)で示される触媒の、更に好ましい実験式(3)は下記に示すとおりである。
実験式(3) : Mo12BiFecNa
(式中、CはNi、Co及びMgから選ばれる1種以上の元素、DはLa、Ce、Pr及びNdから選ばれる1種以上の元素で、特に好ましくはCeであり、d/(a+d)=0.6〜0.8、a+d=0.5〜2、bは0.5〜3、cは4〜10、gは0.01〜0.3、hは0〜2、xは存在する他の元素の原子価要求を満足させるために必要な酸素の原子数である。)
本発明の方法は、実験式(1)で示される触媒1と触媒2および/またはアルカリ金属元素の化合物を接触させるという簡易な方法であること、反応を継続しながら、即ち生産を行いながら実施できることに加え、収率を高い水準で保つことができることにより目的物および副生成物の収率が安定するため後工程に影響する反応器の変動要因が小さくなり、結果として回収系および精製系の運転が容易になることなどの優れた効果が得られる。
本発明の方法に用いる触媒において、アルカリ金属元素とは、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選ばれる1種類以上の元素を指す。これらの元素は単独でも、2種類以上混合させても使用することができる。本発明で用いる触媒1と触媒2のアルカリ金属元素の種類は同一であることが好ましいが、異種の元素を使用することもできる。
本発明の方法において、触媒1よりも触媒2のMo含有量を高くすることで、アルカリ金属元素とMoを触媒1に同時に補給することが可能である。
本発明の方法において、触媒1と触媒2のアルカリ金属元素以外の元素の比率は同一であることが好ましいが、異なる比率であってもよい。
本発明の方法において、触媒1と触媒2のアルカリ金属元素以外の元素の種類は同一であることが好ましいが、異種の元素であってもよい。
反応器中のアルカリ金属元素の原子比は運転条件等に影響されて変化するので、アルカリ金属含量を高めた触媒におけるアルカリ金属元素の原子比、添加量、頻度は、反応器中の触媒のアルカリ金属元素の原子比を分析することにより、適宜変更して行うことができる。触媒の原子比の分析は、蛍光X線分析、原子吸光分析、誘導結合プラズマ発光分析(ICP)等の方法で実施することができる。
本発明においては、触媒1と触媒2および/またはアルカリ金属元素化合物を流動層で接触させることが好ましい。流動層とは触媒粒子を入れた容器の下部からガスを供給する携帯の装置を指し、、工業的または、一般的な流動層装置を用いることができる。ガスの空塔線速度は1〜200cm/sec、好ましくは5〜100cm/sec、更に好ましくは20〜80cm/secである。圧力は特に限定されず、該触媒の使用条件であれば良い。一般的には、0〜10Kg/cmGの範囲である。温度も特に限定されず、該触媒の使用条件であれば良い。一般的には200〜700℃の範囲である。
供給するガスは、該触媒の反応原料ガス、酸素および/または水蒸気を含んだガス、不活性ガスなどが挙げられる。反応原料ガスとは、具体的にはプロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと分子状酸素及びアンモニアが挙げられる。この反応原料ガスには水を含むこともできる。
酸素および/または水蒸気を含むガスの例としては、空気、酸素および/または水蒸気を添加した空気、窒素、二酸化炭素などの不活性ガスを添加した空気などが挙げられる。不活性ガスの例としては、窒素、二酸化炭素などが挙げられる。これらの中で、生産を継続する観点から反応原料ガスを供給することが好ましい。
本発明に用いる触媒の担体としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの酸化物が用いられるが、好適な担体としてシリカが用いられる。担体は30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%で用いるのが良い。
本発明に用いる酸化物触媒は、公知の方法、例えば原料スラリーを調製する第1の工程、該原料スラリーを乾燥する第2の工程、および第2の工程で得られた乾燥品を焼成する第3の工程を包含する方法によって得ることができる。
第1の工程では、触媒原料を調製して原料スラリーを得るが、モリブデン、ビスマス、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、クロム、タングステン、硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、希土類元素、燐、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムなどの各元素の元素源としては、水または硝酸に可溶なアンモニウム塩、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、有機酸塩、無機酸などを挙げることができる。
特にモリブデンおよびタングステンの各元素の元素源としてはアンモニウム塩が、また、ビスマス、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、クロム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、希土類元素、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムの各元素の元素源としては、それぞれの硝酸塩を、燐は燐酸を用いることが好ましい。
担体の元素源としては担体を構成する元素を含む酸化物、水酸化物、硝酸塩、塩酸塩等が用いられ、特にシリカを担体とする場合はシリカ源としてシリカゾルを使用することが好ましい。
原料スラリーの調製は、燐を含有する触媒であれば、燐酸をシリカゾルに添加し、次に、水に溶解させたモリブデンおよびタングステンなどのアンモニウム塩をシリカゾルに加え、次に、ビスマス、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、クロム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、希土類元素、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムなどの各元素の元素源の硝酸塩を水または硝酸水溶液に溶解させた溶液を加えることによって行なうことができる。このようにして、原料スラリーを調製することができる。その際、上記の添加の順序を変えることもできる。
第2の工程では、上記の第1の工程で得られた該原料スラリーを噴霧乾燥して略球状の粒子を得る。原料スラリーの噴霧化は、通常工業的に実施される遠心方式、二流体ノズル方式および高圧ノズル方式等の方法によって行うことができるが、特に遠心方式で行うことが望ましい。
次に、得られた粒子を乾燥するが、乾燥熱源としては、スチーム、電気ヒーター等によって加熱された空気を用いることが好ましい。乾燥機入口の温度は100〜400℃、好ましくは150〜300℃である。
第3の工程では、第2の工程で得られた乾燥粒子を焼成することで所望の触媒組成物を得る。乾燥粒子の焼成は、必要に応じて150〜450℃で前焼成を行い、その後450〜750℃、好ましくは500〜700℃の温度範囲で1〜20時間焼成を行う。焼成は回転炉、トンネル炉、マッフル炉等の焼成炉を用いて行うことができる。上記本発明の触媒組成物は、粒子の大きさとして10〜150μmの範囲に分布していることが好ましい。
本発明に用いるアルカリ金属化合物として、カリウム、ルビジウムおよびセシウムの硝酸塩、炭酸塩、塩酸塩、硫酸塩、無機酸塩、有機酸塩、水酸化物などを使用することができる。
本発明の酸化物触媒を用いるプロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと分子状酸素およびアンモニアとの反応によるアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造は、流動層反応器または固定床反応器のいずれでも実施できるが、流動層反応器で行うことが好ましい。原料のプロピレン、イソブテン、3級ブタノールおよびアンモニアは、必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのものを使用することができる。また、分子状酸素源としては、通常空気を用いるのが好ましいが、酸素を空気と混合するなどして酸素濃度を高めたガスを用いることもできる。
原料ガスの組成として、プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールに対するアンモニアと空気のモル比は、(プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノール)/アンモニア/空気=1/0.8〜1.4/7〜12、好ましくは1/0.9〜1.3/8〜11の範囲である。また、反応温度は350〜550℃、好ましくは400〜500℃の範囲である。反応圧力は微減圧〜3kg/cmGの範囲で行うことができる。原料ガスと触媒との接触時間は0.5〜20(sec・g/cc)、好ましくは1〜10(sec・g/cc)である。
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。なお、実施例および比較例において、反応成績を表すために用いた転化率およびアクリロニトリル収率は、次式で定義される。
転化率(%)
=[(反応したプロピレンのモル数)/(供給したプロピレンのモル数)]×100
アクリロニトリル収率(%)
=[(生成したアクリロニトリルのモル数)/(供給したプロピレンのモル数)]
×100
また、反応装置は10メッシュの金網を1cm間隔で12枚内蔵した内径25mmのバイコールガラス製流動層反応管を用い、充填触媒量Wは50g、反応圧力Pは0.5kg/cmG、全供給ガス量Fは4.0〜6.0cc/sec、反応温度Tは430℃で行った。
接触時間は次式で定義される。
接触時間(sec・g/cc)=(W/F)×273/(273+T)×(1.03+P)/1.03
供給した反応ガスの組成は、
プロピレン/アンモニア/空気=1/1.1/8.0〜10.0
であり、空気の組成は、反応器出口の酸素濃度が0.05〜0.2容量%になるような値を適宜選択して用いた。
[触媒の調整]
触媒A、触媒B、触媒Cを次の方法で調製した。
(触媒A)特開平7−328441号公報の実施例4、50重量%のシリカに担持された触媒組成がMo12Bi0.60Ce1.2Fe1.8Co4.5Mg2.00.20で表される酸化物触媒を明細書に記載された方法に準じて調製した。
(触媒B)50重量%のシリカに担持された触媒組成がMo12Bi0.60Ce1.2Fe1.8Co4.5Mg2.00.15で表される酸化物触媒を、使用する硝酸カリウム[KNO]の量を変えた他は、触媒Aと同じ方法で調製した。
(触媒C)50重量%のシリカに担持された触媒組成がMo12Bi0.60Ce1.2Fe1.8Co4.5Mg2.00.4で表される酸化物触媒を、使用する硝酸カリウム[KNO]の量を変えた他は、触媒Aと同じ方法で調製した。
[触媒A,B,Cを用いたプロピレンのアンモ酸化反応]
(触媒A)触媒Aを50g用い、接触時間4.5sec・g/ccでプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から20時間後の転化率は99.3%、アクリロニトリル収率は82.6%、300時間後の転化率は99.2%、アクリロニトリル収率は82.5%であった。
(触媒B)触媒Bを50g用い、接触時間4.5sec・g/ccでプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から20時間後の転化率は99.5%、アクリロニトリル収率は81.1%、300時間後の転化率は99.4%、アクリロニトリル収率は81.0%であった。
(触媒C)触媒Cを50g用い、接触時間4.5sec・g/ccでプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から20時間後の転化率は98.8%、アクリロニトリル収率は80.6%、300時間後の転化率は98.7%、アクリロニトリル収率は80.5%であった。
[実施例1]
触媒Bを40g、触媒Cを10gとり、合計50gを用いて、接触時間4.5sec・g/ccでプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から20時間後の転化率は99.4%、アクリロニトリル収率は80.9%、300時間後の転化率は99.2%、アクリロニトリル収率は82.3%であった。
[実施例2]
触媒Bを50g、硝酸カリウム[KNO]0.145gをとり、触接触時間4.5sec・g/ccでプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から20時間後の転化率は99.4%、アクリロニトリル収率は81.0%、300時間後の転化率は99.2%、アクリロニトリル収率は82.2%であった。
実施例3
触媒Aを40g、触媒Cを10gとり、合計50gを用いて、接触時間4.5sec・g/ccでプロピレンのアンモ酸化反応を行った。反応開始から20時間後の転化率は99.1%、アクリロニトリル収率は82.1%、300時間後の転化率は98.9%、アクリロニトリル収率は82.2%であった。
本発明の方法は、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを高い収率で長時間に亘って安定的に製造することができるので、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの工業的生産方法として利用できる。

Claims (2)

  1. プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと分子状酸素及びアンモニアとを酸化物触媒の存在下、流動層反応器で反応させてアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造するに際して、触媒1、触媒2はそれぞれ酸化物触媒として下記実験式(1)で示され、アンモ酸化反応に伴いアルカリ金属元素が損失した触媒1のG成分の原子比をg1、触媒2のG成分の原子比をg2としたときに、1<g2/g1<3であり、触媒1と触媒2を接触させることを特徴とするアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法。
    実験式(1) : Mo12BiFecNa
    (式中、CはNi、Co、Mn、Zn、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれる1種以上の元素、Dは希土類元素から選ばれる1種以上の元素、EはCr、W、B、Al、Ga、In、P、Sb及びTeから選ばれる1種以上の元素、FはPd、Rh、Ru、Pt、Ir及びOsから選ばれる1種以上の元素、GはK、Rb及びCsから選ばれる1種以上の元素、Oは酸素を表し、aは0.05〜8、bは0.5〜8、cは0〜12、dは0〜5、eは0〜5、fは0〜1、gは0.01〜0.5、hは0〜2、xは存在する他の元素の原子価要求を満足させるために必要な酸素の原子数である。)
  2. プロピレン、イソブテンまたは3級ブタノールと分子状酸素及びアンモニアとを酸化物触媒の存在下、流動層反応器で反応させてアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造するに際して、酸化物触媒として、下記実験式(1)によって表されるアンモ酸化反応に伴いアルカリ金属元素が損失した触媒と、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選ばれる1種類以上の元素の塩および/または水酸化物とを接触させることを特徴とするアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造方法。
    実験式(1) : Mo12BiFecNa
    (式中、CはNi、Co、Mn、Zn、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれる1種以上の元素、Dは希土類元素から選ばれる1種以上の元素、EはCr、W、B、Al、Ga、In、P、Sb及びTeから選ばれる1種以上の元素、FはPd、Rh、Ru、Pt、Ir及びOsから選ばれる1種以上の元素、GはK、Rb及びCsから選ばれる1種類以上の元素、Oは酸素を表し、aは0.05〜8、bは0.5〜8、cは0〜12、dは0〜5、eは0〜5、fは0〜1、gは0.01〜0.5、hは0〜2、xは存在する他の元素の原子価要求を満足させるために必要な酸素の原子数である。)
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