JP6264282B2 - アクリロニトリルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プロピレンを分子状酸素およびアンモニアにより気相接触アンモ酸化してアクリロニトリルを製造する方法に関する。
本発明は、2012年2月29日に日本国に出願された特願2012−042831号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
流動層反応器においてプロピレン、アンモニアおよび分子状酸素(酸素含有ガス)を原料として用い、気相接触アンモ酸化反応によりアクリロニトリルを製造する方法は広く知られている。特に、モリブデンおよびビスマスを含有する複合酸化物触媒はアンモ酸化反応に有用であり、工業的にも広く用いられている。
従来、モリブデンおよびビスマスを含有する複合酸化物触媒に関しては多くの検討がなされ、これまでに種々の触媒が提案されている。
例えば特許文献1にはモリブデンおよびビスマスを含有する触媒が開示されている。また、特許文献2にはモリブデン、ビスマス、および鉄を含有する触媒が開示されている。更に、特許文献3〜6にはモリブデンおよびビスマスに、その他成分がさらに多元化された触媒が開示されている。
また、特許文献7〜9にはモリブデンおよびビスマスを含有する複合酸化物触媒の製造方法が開示されている。
ところで、アンモ酸化反応は、通常、400〜500℃の高温下で実施される。そのため、触媒中のモリブデン成分等が触媒から揮散しやすく、経時的に触媒性能が低下する傾向にあった。
そこで、この対策として、例えば特許文献10には酸化モリブデンを不活性担体に担持させ、これを触媒と混合して反応させる方法が開示されている。また、特許文献11にはモリブデン、リン、クロム、およびビスマス等を含有する再活性化剤を触媒に添加する方法が開示されている。更に、特許文献12〜15にはモリブデン富化触媒を用いる方法が開示されている。また、特許文献16〜18には担体に担持されていないモリブデン含有化合物を添加しながら反応を行う方法が開示されている。
特公昭36−5870号公報 特公昭38−17967号公報 特公昭51−33888号公報 特開平6−9530号公報 特開平7−289901号公報 特開平4−118051号公報 特公昭37−8568号公報 特公昭57−49253号公報 特公昭54−12913号公報 特公昭58−57422号公報 特開平4−227072号公報 米国特許第5177048号明細書 特開平5−301051号公報 特開昭59−76544号公報 特開平11−33400号公報 独国特許発明第3311521号明細書 国際公開第97/33868号パンフレット 特開昭59−76543号公報
しかしながら、これらの従来技術に開示された触媒やその触媒の製造方法、およびアクリロニトリルの製造方法は、高いアクリロニトリル収率を維持する点においてはある程度の効果は見られるものの、必ずしも十分ではない。従って、アクリロニトリルをさらに高い収率で製造する方法が望まれている。
また、従来技術においてはモリブデン等の添加剤が過剰に添加されるおそれがあり、その場合には過剰に添加した添加剤からモリブデン等が揮散し、アクリロニトリルの製造装置に付着するなどして、長期間、安定的にアクリロニトリルを製造することが、困難となる場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、長期間に亘り、安定して高いアクリロニトリル収率を維持することができるアクリロニトリルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のアクリロニトリルの製造方法の1つの態様は、流動層反応器にて、モリブデンおよびビスマスを含有する流動層触媒を用い、プロピレンを分子状酸素およびアンモニアにより気相接触アンモ酸化してアクリロニトリルを製造する方法において、前記気相接触アンモ酸化反応中における前記流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持しながら、気相接触アンモ酸化反応を行うことを特徴とする。
また、前記流動層触媒が、下記一般式(1)で表されることが好ましい。
Mo12BiFe(SiO ・・・(1)
式中、Mo、Bi、Fe、OおよびSiOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄、酸素およびシリカを表し、Aはニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、マンガンおよび銅からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Dはランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジムおよびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Eはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Gはカルシウム、ストロンチウム、バリウム、カドミウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、タングステン、ゲルマニウム、スズ、イットリウム、アルミニウム、ガリウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀、ホウ素、リン、アンチモンおよびテルルよりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表し、a、b、c、d、e、f、xおよびyは原子比を表し、a=0.1〜5、b=0.1〜10、c=2〜12、d=0.01〜5、e=0.01〜2、f=0〜10、y=20〜200であり、xはシリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子数である。
また、本発明のアクリロニトリルの製造方法は、以下の側面を有する。
<1>アクリロニトリルの製造方法であって、
プロピレンと、分子状酸素と、アンモニアとを含む原料ガスを、流動層触媒に接触させて気相接触アンモ酸化を行い、アクリロニトリルを得る、気相接触アンモ酸化工程を含み、
前記流動層触媒が、モリブデンおよびビスマスを含有する触媒であり、
前記気相接触アンモ酸化工程が、前記流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持しながら行われることを特徴とする、アクリロニトリルの製造方法;
<2>前記流動層触媒が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする<1>に記載のアクリロニトリルの製造方法;
Mo12BiFe(SiO ・・・(1)
(式中、Mo、Bi、Fe、OおよびSiOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄、酸素およびシリカを表し、Aはニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、マンガン、および銅からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Dはランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、およびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Eはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Gはカルシウム、ストロンチウム、バリウム、カドミウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、タングステン、ゲルマニウム、スズ、イットリウム、アルミニウム、ガリウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀、ホウ素、リン、アンチモン、およびテルルよりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表し、a、b、c、d、e、f、xおよびyは原子比を表し、a=0.1〜5、b=0.1〜10、c=2〜12、d=0.01〜5、e=0.01〜2、f=0〜10、y=20〜200であり、xはシリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子数である。ただし、A、D、E、およびGが、2種以上の元素を含む場合、c、d、e、およびfは、各元素の原子比の合計を表す。)
本発明のアクリロニトリルの製造方法によれば、長期間に亘り、安定して高いアクリロニトリル収率を維持することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明1つの態様は、流動層反応器にて、モリブデンおよびビスマスを含有する流動層触媒を用い、プロピレンを分子状酸素およびアンモニアにより気相接触アンモ酸化してアクリロニトリルを製造する方法において、前記気相接触アンモ酸化反応中における前記流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持しながら、気相接触アンモ酸化反応を行うことを特徴とするアクリロニトリルの製造方法である。
また、本発明のその他の態様は、プロピレンと、分子状酸素と、アンモニアとを含む原料ガスを、流動層触媒に接触させて気相接触アンモ酸化を行い、アクリロニトリルを得る、気相接触アンモ酸化工程を含み、前記流動層触媒が、モリブデンおよびビスマスを含有する触媒であり、前記気相接触アンモ酸化工程が、前記流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持しながら行われることを特徴とする、アクリロニトリルの製造方法である。
流動層反応器にて、モリブデンおよびビスマスを含有する流動層触媒を用い、プロピレンの気相接触アンモ酸化反応によりアクリロニトリルを製造する方法においては、アクリロニトリル収率が経時的に低下することがある。本発明者らがこの原因について鋭意検討した結果、アクリロニトリル収率の経時的な低下は、前記流動層触媒のアンモニアを吸着する能力が経時的に変化することによるものであることを見出した。その結果から、気相接触アンモ酸化反応中における流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持することで、アクリロニトリル収率の経時的な低下を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明では、気相接触アンモ酸化反応工程中における、流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持しながら気相接触アンモ酸化反応を行うことで、長期間に亘り、安定して高いアクリロニトリル収率を維持することができる。また、本発明によれば、気相接触アンモ酸化反応工程中における流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持することで、長期間に亘り、高いアクリロニトリル収率を維持することができるので、モリブデン等の添加剤を過剰に添加する必要がない。よって、過剰に添加された添加剤から揮散したモリブデン等がアクリロニトリルの製造装置に付着することを抑制でき、長期間に亘り安定的に運転することができる。
気相接触アンモ酸化反応工程の流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量の下限値は好ましくは0.08μmol/mであり、上限値は好ましくは0.5μmol/mである。
本発明において、未反応(すなわち、流動層触媒が気相接触アンモ酸化反応に供される前)の流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量については、気相接触アンモ酸化反応工程中の流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量が、0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持することができる限り、特に制限はない。未反応の流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量は、好ましくは0.08〜0.5μmol/mである。流動層触媒のアンモニア吸着量が上記の条件を満たすことにより、良好な触媒性能、すなわち、高いアクリロニトリル収率を維持することができる。
なお、気相接触アンモ酸化反応工程における流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量は、前記工程中に流動層反応器から前記流動層触媒の一部を抜き出し、その触媒を下記の方法で定量した値である。
流動層触媒のアンモニア吸着量は、ゼオライト(Vol.21,No.2,p.45−52,2004)や、表面科学(Vol.24,No.10,p.635−641,2003)に記載されているアンモニア昇温脱離法を参考にし、以下のようにして測定される値である。なお、キャリアーガスとしては、ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることができる。以下に、キャリアーガスに、ヘリウムを用いた場合について説明する。
本発明のアンモニア吸着量は、流動層触媒から脱離したアンモニア量をアンモニア吸着量測定装置で測定した値のことを指す。以下に、具体的な測定方法について記載する。まず、流動層触媒約0.3gを装置に仕込み、ヘリウムを流速50mL/min.で流通させながら400℃で1時間保持し、触媒の前処理を行う。
前処理終了後、100℃まで触媒を降温し、その状態で10分間保持する。
ついで、0.1容量%アンモニア−99.9容量%ヘリウム混合ガスを5分間流通し、触媒上にアンモニアを吸着させる。
その後、ヘリウムを流速50mL/min.で流通させ、その状態で60分間保持する。
ついで、触媒にヘリウムを流速50mL/min.で流通させながら、昇温速度10℃/min.で500℃まで昇温し、その間、四重極質量分析計によって、触媒から脱離したアンモニアガスを分析し、触媒から脱離したアンモニア量を定量する。アンモニア量の定量には、別途、既知量のアンモニアガスを四重極質量分析計に導入して作成した検量線を用いる。
流動層触媒の比表面積(m/g)は、比表面積測定装置(BET法)を用いて算出した。なお、その方法については、日本粉体工業技術協会規格 比表面積検定用粉体 附属書A(参考)比表面積検定用粉体の使用条件に記載されている条件を参考に測定することができる。
前記測定方法により定量したアンモニア量を、流動層触媒に吸着したアンモニア量(アンモニア吸着量)とし、これを流動層触媒の比表面積(m/g)あたりの量に換算したものを気相接触アンモ酸化反応中における流動層触媒のアンモニア吸着量とする。
気相接触アンモ酸化工程の流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量が上記下限値、すなわち、0.05μmol/mよりも小さい場合には、アクロレインやアクリル酸等の副生成物の生成量が増加し、アクリロニトリル収率が低下する。アクロレインやアクリル酸等は、反応器後段の精製工程等で重合しやすく、その結果、ラインや塔などの閉塞の要因となるため、長期間に亘る安定運転が困難となる場合もある。
一方、気相接触アンモ酸化工程中の流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量が上記上限値、すなわち、0.6μmol/mよりも大きい場合には、二酸化炭素等の副生成物の生成量が増加し、アクリロニトリル収率が低下する。また、アンモニアの燃焼率も増大し、アンモニア原単位が悪化するといった問題も発生する。ここで、「アンモニア原単位」とは、一定量のアクリロニトリルを得るために必要なアンモニア量のことを意味する。
なお、アンモニア吸着量が上記範囲内、すなわち、0.05〜0.6μmol/mの範囲であればそのまま反応を継続すればよいが、アンモニア吸着量が上記範囲から外れない範囲で、アンモニア吸着量を増大させたり低減させたりしてもよい。
本発明のアクリロニトリルの製造方法の1つの態様において、気相接触アンモ酸化工程は、前記流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持しながら行われることを特徴とする。すなわち、本発明のアクリロニトリルの製造方法は、気相接触アンモ酸化反応工程が、更に、比表面積あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持する工程を含むことが好ましい。アンモニア吸着量を特定の範囲に維持するためには、アンモニア吸着量を増大させる方法、もしくはアンモニア吸着量を低減させる方法を用いることが好ましい。
気相接触アンモ酸化工程中の流動層触媒のアンモニア吸着量を増大させる方法としては、アンモニアの吸着を促進する効果を有する化合物を添加する方法が挙げられる。アンモニアの吸着を促進する効果を有する化合物としては、具体的にはモリブデンやタングステン等の酸性を有する元素を含む化合物等が挙げられ、特に、モリブデン酸アンモニウムなどのモリブデン化合物を反応器中に添加する方法が、アンモニア吸着量を増大させる方法として有効である。
また、アンモニア吸着量の多い触媒を添加したり、反応器中の触媒の一部を新品の触媒で置換する方法なども有効である。
アンモニア吸着量の多い触媒は、モリブデンやタングステン等、アンモニアの吸着を促進する効果を有する元素の含有量を高めるなど、触媒組成を調節することにより製造することができる。また、本発明の流動層触媒に、アンモニアの吸着を促進する効果を有する元素を含浸することにより、アンモニア吸着量の多い触媒を製造することもできる。「アンモニアの吸着を促進する効果を有する元素」としては、例えば、モリブデンやタングステン等が挙げられる。
一方、気相接触アンモ酸化工程中の流動層触媒のアンモニア吸着量を低減する方法としては、アンモニアの吸着を阻害する効果を有する化合物を添加する方法が挙げられる。アンモニアの吸着を阻害する効果を有する化合物としては、具体的にはカリウム、ルビジウム、セシウム等の塩基性を有する元素を含む化合物等が挙げられる。また、アンモニア吸着量の少ない触媒を添加したり、反応器中の触媒の一部を反応使用によってアンモニア吸着量が低下した触媒で置換する方法等も有効である。
アンモニア吸着量の少ない触媒は、カリウム、ルビジウム、セシウム等、アンモニアの吸着を阻害する効果を有する元素の含有量を高めるなど、触媒組成を調節することにより製造することができる。また、本発明の流動層触媒に、アンモニアの吸着を阻害する効果を有する元素を含浸することにより、アンモニア吸着量の少ない触媒を製造することもできる。「アンモニアの吸着を阻害する効果を有する元素」としては、例えば、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。
また、アンモニア吸着を促進する元素であるモリブデン等は、触媒を構成する他の成分と比較して、気相接触アンモ酸化工程中に揮散しやすい性質を有する。この性質を利用し、反応温度を一時的に上昇(または下降)させるなどしてモリブデン等の揮散を促進(または低減)させることにより、反応中の流動層触媒のアンモニア吸着量を制御してもよい。
上述したアンモニアの吸着を促進する効果を有する化合物や、アンモニアの吸着を阻害する効果を有する化合物を添加するタイミング、又は添加量については本発明の効果を有する限り特に制限されないが、気相接触アンモ酸化反応が進行するに連れて反応中の流動層触媒のアンモニア吸着量は低下する傾向にある。よって、気相接触アンモ酸化反応中における流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量が上記範囲となるような添加のタイミングや添加量が好ましい。
なお、反応器中の流動層触媒のアンモニア吸着量を制御する方法は、上述した方法に限定されず、公知の任意の方法で実施することができる。
本発明のアクリロニトリルの製造方法において、気相接触アンモ酸化工程は、流動層反応器に流動層触媒を充填して触媒層とし、前記触媒層にプロピレン、分子状酸素、及びアンモニアを含有する原料ガスを通過させることにより行われる。
原料ガスとしては本発明の効果を有する限り特に限定されないが、プロピレン/アンモニア/酸素が1/1.0〜2.0/1.0〜5.0(モル比)の範囲の原料ガスが好ましい。
酸素源である分子状酸素の供給減としては本発明の効果を有する限り特に限定されないが、空気を用いることが好ましい。
原料ガスは窒素、二酸化炭素等の不活性ガスや飽和炭化水素等で希釈してもよく、また、純酸素を混合して酸素濃度を高めて用いてもよい。
気相接触アンモ酸化反応の反応温度は350〜500℃が好ましく、反応圧力は常圧(100kPa)から500kPaの範囲内が好ましい。流動層触媒と反応ガスの接触時間は、0.1〜20秒間であることが好ましい。
本発明に用いられる流動層触媒としては、上記の要件を満たし、かつモリブデンおよびビスマスを含有するものであれば、本発明の効果を有する限り特に限定されないが、高いアクリロニトリル収率が得られる点で、下記一般式(1)で表される組成であることが好ましい。
Mo12BiFe(SiO ・・・(1)
式中、Mo、Bi、Fe、O、およびSiOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄、酸素およびシリカを表し、Aはニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、マンガン、および銅からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Dはランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、およびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Eはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Gはカルシウム、ストロンチウム、バリウム、カドミウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、タングステン、ゲルマニウム、スズ、イットリウム、アルミニウム、ガリウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀、ホウ素、リン、アンチモン、およびテルルよりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表し、a、b、c、d、e、f、xおよびyは原子比を表し、a=0.1〜5、b=0.1〜10、c=2〜12、d=0.01〜5、e=0.01〜2、f=0〜10、y=20〜200であり、xはシリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子数である。ただし、A、D、E、およびGが、2種以上の元素を含む場合、c、d、e、およびfは、各元素の原子比の合計を表す。
本発明に用いられる流動層触媒の製造方法については本発明の効果を有する限り特に限定はなく、例えば前述の特許文献1〜18等に記載の触媒の製造方法に倣えばよい。具体的には、流動層触媒を構成する各元素の原料を含有する溶液または水性スラリーを調製し、得られた溶液または水性スラリーを乾燥した後、得られた乾燥物を焼成する方法などが挙げられる。すなわち、本発明の流動層触媒の製造方法は、流動層触媒を構成する各元素を混合して、溶液または水性スラリーを調製する工程(I)、前記工程(I)で得られた溶液または水性スラリーを乾燥した後、得られた乾燥物を焼成する工程(II)を含む製造方法等により製造される事が好ましい。
工程(I)において、溶液または水性スラリーには、流動層触媒を構成する所望の元素の全てが、所望の原子比で含有されていてもよい。また、流動層触媒を構成する、一部の元素を含む溶液または水性スラリーを調製し、残りの元素を、乾燥後あるいは焼成後の触媒組成物に含浸等の方法により添加してもよい。
流動層触媒を構成する各元素の原料については、その目的、用途等に応じて決められ、酸化物、あるいは強熱することにより容易に酸化物になり得る硝酸塩、炭酸塩、有機酸塩、水酸化物、アンモニウム塩等、またはそれらの混合物を用いることが好ましい。
これらの原料を固体のまま、あるいは水や希硝酸等に溶解して溶液とした後に混合し、溶液または水性スラリーを得る。また、本発明の流動層触媒はシリカを含むが、前記シリカとしては、シリカゾルを用いることが好ましい。
溶液または水性スラリーのpH調製に際しては、必要に応じて硝酸やアンモニア水等を添加してpH調整を行ってもよく、また、濃縮処理や加熱処理により行ってもよい。
工程(II)は、前記工程(I)で得られた溶液または水性スラリーを乾燥した後、得られた乾燥物を焼成する工程である。工程(II)において、流動層触媒を構成する元素を含有する溶液またはスラリーを乾燥してできるだけ球状の乾燥物(乾燥粒子)を得ることが好ましい。乾燥は、通常、噴霧乾燥により行われる。乾燥機としては回転円盤式、ノズル式等一般的なものを用いることができる。流動層触媒として好ましい粒径分布を有する触媒を得るため、乾燥の条件を適宜調節することができる。
得られた乾燥粒子は焼成することにより触媒としての活性を発現する。焼成温度は300〜1000℃が好ましい。焼成温度が上記下限値、すなわち、300℃より低い場合には、触媒としての活性が発現しにくくなる。逆に焼成温度が上記上限値、すなわち、1000℃より高い場合には活性が過小となったり、アクリロニトリル収率が低下したりしやすくなる。すなわち、焼成温度が300〜1000℃であれば、触媒としての活性が発現しやすく、アクリロニトリル収率が低下しにくいため好ましい。
焼成時間は、短すぎると触媒としての活性が十分に発現しにくいことから、0.5時間以上が好ましい。上限は特に限定されないが、必要以上に焼成時間を延長しても、触媒の性能は一定以上とはならないため、通常は20時間以内である。すなわち、焼成時間は、0.5〜20時間であることが好ましい。
焼成に用いられる炉については特に制限はなく、箱型炉、ロータリーキルン、流動焼成炉等を用いることができる。流動層触媒の製造には、粒子を流動させながら焼成するロータリーキルンや流動焼成炉が好ましく、特に均一な焼成が可能であるという点で流動焼成炉が好ましい。焼成は二回、あるいはそれ以上に分けて行うことでアクリロニトリル収率や粒子強度等の物性が向上するため好ましい。
触媒組成を上記一般式(1)の範囲内とするためには、例えば上述した溶液または水性スラリーの調製工程における各触媒原料の添加量や、溶液または水性スラリーの調製工程後から乾燥工程までの各工程で添加する触媒原料の添加量を適宜選択すればよい。また、工程(II)において、乾燥後の触媒に含浸する等の方法により触媒を製造する場合には、含浸等により添加される触媒原料の添加量を適宜選択すればよい。
触媒の組成は、ICP(誘導結合高周波プラズマ)発光分析法、XRF(蛍光X線)分析法、原子吸光分析法等により元素分析を行うことにより確認できる。著しく揮発性の高い元素を用いない場合は、触媒製造時に用いた各原料の仕込み量から算出しても差し支えない。
以上説明した本発明のアクリロニトリルの製造方法によれば、気相接触アンモ酸化反応中において、反応中の流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持しながら、気相接触アンモ酸化反応を行うことで、アクリロニトリル収率の経時的な低下を抑制でき、長期間に亘り、安定して高いアクリロニトリル収率を維持することができる。従って、本発明のアクリロニトリルの製造方法は、経済的に有利な方法である。
以下、実施例により、本発明の実施態様および効果を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
各実施例で用いた流動層触媒の製造方法を以下に示す。なお、流動層触媒の組成は、触媒の製造に用いた各原料の仕込み量から求めた。
また、流動層触媒の活性試験、および流動層触媒のアンモニア吸着量の測定方法を以下に示す。
[流動層触媒の製造]
<流動層触媒1>
まず、20質量%シリカゾル8724.4gに、攪拌下、パラモリブデン酸アンモニウム1025.5gを水2500gに溶解したものを加え、40℃に加温した(A液)。
これとは別に、17質量%硝酸1000gに、攪拌下、硝酸ビスマス164.4gを溶解し、この液に硝酸鉄(III)254.2g、硝酸ニッケル774.1g、硝酸亜鉛144.0g、硝酸マンガン69.5g、硝酸ランタン41.9g、硝酸プラセオジム4.2g、硝酸カリウム19.6gおよび硝酸セシウム9.4gを順次加え、45℃に加温し、スラリー状物を得た(B液)。
攪拌下、A液にB液を加えて、水性スラリーを得た。
得られた水性スラリーを回転ディスク型スプレー乾燥機にて、熱風の導入口における温度を280℃、出口における温度を150℃にコントロールしながら乾燥した。
得られた乾燥物を、300℃で2時間、ついで450℃で2時間予備焼成した後、600℃で3時間流動焼成炉にて焼成することで流動層触媒1を得た。
得られた流動層触媒1の組成は、以下の通りであった。
Mo12Bi0.7Fe1.3Ni5.5ZnMn0.5La0.2Pr0.020.4Cs0.1(SiO60
ここで、xは、シリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子数である。なお、流動層触媒1の組成を表1にも示すが、表1においては酸素とその原子数(x)の記載を省略する。
<流動層触媒2>
50℃に加熱した純水450gに、パラモリブデン酸アンモニウム222.2gを添加して溶解した後、そこに純水を添加することにより、液量を530mLに調節し、C液を調製した。
3000gの流動層触媒1に、C液を少しずつ添加し、C液を含浸した混合物を得た。
この混合物を回転焼成炉内で、450℃で、3時間焼成を行うことにより、流動層触媒2を得た。
得られた流動層触媒2の組成は、以下の通りであった。
Mo14.6Bi0.7Fe1.3Ni5.5ZnMn0.5La0.2Pr0.020.4Cs0.1(SiO60
ここで、xは、シリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子数である。なお、流動層触媒2の組成を表1にも示すが、表1においては酸素とその原子数(x)の記載を省略する。
<流動層触媒3>
50℃に加熱した純水280gに、硝酸カリウム4.9g、硝酸セシウム28.3gを添加して溶解した後、そこに純水を添加することにより、液量を520mLに調節し、D液を調製した。
3000gの流動層触媒1に、D液を少しずつ添加し、D液を含浸した混合物を得た。
この混合物を回転焼成炉内で、450℃で、3時間焼成を行うことにより、流動層触媒3を得た。
得られた流動層触媒3の組成は、以下の通りであった。
Mo12Bi0.7Fe1.3Ni5.5ZnMn0.5La0.2Pr0.020.5Cs0.4(SiO60
ここで、xは、シリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子数である。なお、流動層触媒3の組成を表1にも示すが、表1においては酸素とその原子数(x)の記載を省略する。
<流動層触媒4>
まず、20質量%シリカゾル6325.9gに、攪拌下、パラモリブデン酸アンモニウム1274.7gを水2500gに溶解したものを加え、40℃に加温した(E液)。
これとは別に、17質量%硝酸1000gに、攪拌下、硝酸ビスマス145.9gを溶解し、この液に硝酸鉄(III)437.5g、硝酸ニッケル349.9g、硝酸コバルト700.4g、硝酸マグネシウム462.8g、硝酸ランタン52.1g、硝酸セリウム156.8g、硝酸ルビジウム35.5gおよび三酸化アンチモン8.8gを順次加え、45℃に加温し、スラリー状物を得た(F液)。
攪拌下、E液にF液を加えた後、45℃に加温したメタタングステン酸アンモニウム50質量%水溶液(WOとして50質量%)139.5gを添加し、水性スラリーを得た。
得られた水性スラリーを回転ディスク型スプレー乾燥機にて、熱風の導入口における温度を285℃、出口における温度を155℃にコントロールしながら乾燥した。
得られた乾燥物を、300℃で2時間、ついで450℃で2時間予備焼成した後、540℃で3時間流動焼成炉にて焼成することで流動層触媒4を得た。
得られた流動層触媒4の組成は、以下の通りであった。
Mo12Bi0.5Fe1.8NiCoMgLa0.2Ce0.6Rb0.40.5Sb0.1(SiO35
ここで、xは、シリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子数である。なお、流動層触媒4の組成を表1にも示すが、表1においては酸素とその原子数(x)の記載を省略する。
<流動層触媒5>
流動層触媒4の製造において、F液調製時に使用する硝酸ルビジウムの量を35.5gから0.9gに変更した点以外は、流動層触媒4と同様に製造を行い、流動層触媒5を得た。
得られた流動層触媒5の組成は、以下の通りであった。
Mo12Bi0.5Fe1.8NiCoMgLa0.2Ce0.6Rb0.010.5Sb0.1(SiO35
ここで、xは、シリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子数である。なお、流動層触媒5の組成を表1にも示すが、表1においては酸素とその原子数(x)の記載を省略する。
<流動層触媒6>
流動層触媒4の製造において、E液調製時に使用するパラモリブデン酸アンモニウムの量を1274.7gから1062.3gに変更した点以外は、流動層触媒4と同様に製造を行い、流動層触媒6を得た。
得られた流動層触媒6の組成は、以下の通りであった。
Mo10Bi0.5Fe1.8NiCoMgLa0.2Ce0.6Rb0.40.5Sb0.1(SiO35
ここで、xは、シリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子数である。なお、流動層触媒6の組成を表1にも示すが、表1においては酸素とその原子数(x)の記載を省略する。
Figure 0006264282
[流動層触媒の活性試験]
得られた流動層触媒を用い、以下の要領でプロピレンの気相接触アンモ酸化反応によるアクリロニトリル合成反応を実施した。
触媒流動部の内径が55mm、高さが2000mmの流動層反応器に、接触時間が2.8秒間となるように流動層触媒を充填した。流動層触媒と反応ガスの接触時間は下記式により求めた。
接触時間(秒)=見掛け嵩密度基準の触媒容積(mL)/反応条件に換算した供給原料ガス量(mL/秒)
酸素源として空気を用い、組成がプロピレン:アンモニア:酸素:水蒸気=1:1.2:2.0:0.5(モル比)である原料ガスを、ガス線速17cm/秒で触媒層に送入した。反応圧力は200kPa、反応温度は435℃とした。
反応生成物の定量にはガスクロマトグラフィーを用い、100時間に1回以上の頻度で分析を行った。その際、プロピレンの転化率が97.8〜98.2%となるように、触媒量を適宜調整した。具体的には、プロピレン転化率がこの範囲よりも小さい場合、新品触媒を添加し、触媒量を調整した。また、プロピレン転化率がこの範囲よりも大きい場合、反応器から触媒を抜き出し、プロピレンの転化率を調整した。
プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率は下記式により求めた。
プロピレン転化率(%)={(供給したプロピレンの炭素質量−未反応プロピレンの炭素質量)/供給したプロピレンの炭素質量}×100
アクリロニトリル収率(%)={(生成したアクリロニトリルの炭素質量)/供給したプロピレンの炭素質量)}×100
アンモニア燃焼率(%)={(供給したアンモニアの窒素質量−未反応アンモニアの窒素質量−捕集された窒素含有有機化合物の窒素質量)/(供給したアンモニアの窒素質量)}×100[アンモニア吸着量の測定]
流動層触媒のアンモニア吸着量について、ゼオライト(Vol.21,No.2,p.45−52,2004)や、表面科学(Vol.24,No.10,p.635−641,2003)に記載されているアンモニア昇温脱離法を参考にし、以下のようにして測定した。なお、アンモニア吸着量測定装置としては、全自動昇温脱離ガス分析装置(日本ベル株式会社製、「マルチタスクTPD」)を用いた。また、キャリアーガスとしては、ヘリウムを用いた。
まず、対象とする流動層触媒約0.3gを分取し、全自動昇温脱離ガス分析装置の測定用セルにセットした。この触媒に、ヘリウムを流速50mL/min.で流通させながら、触媒の温度を400℃として1時間保持し、触媒の前処理を行った。
前処理終了後、100℃まで触媒を降温し、その状態で10分間保持した。
ついで、0.1容量%アンモニア−99.9容量%ヘリウム混合ガスを5分間流通し、触媒上にアンモニアを吸着させた。
その後、ヘリウムを流速50mL/min.で流通させ、その状態で60分間保持した。
ついで、触媒にヘリウムを流速50mL/min.で流通させながら、昇温速度10℃/min.で500℃まで昇温し、その間、四重極質量分析計を用いて触媒から脱離したアンモニアガスを分析し、触媒から脱離したアンモニア量を定量した。アンモニア量の定量には、別途、既知量のアンモニアガスを四重極質量分析計に導入して作成した検量線を用いた。
前記測定方法により定量したアンモニア量を、触媒に吸着したアンモニア量(アンモニア吸着量)とし、これを触媒の比表面積(m/g)あたりの量に換算したものを気相接触アンモ酸化反応中における流動層触媒のアンモニア吸着量とした。
なお、四重極質量分析計の設定条件は下記の通りである。
<設定条件>
・積算回数:5回
・MCP(Micro Channel Plate 光電子倍増素子電圧):720eV・Emission(放出電流):2mA
・IE(Ion Energy イオン化エネルギー):8V
・EE(Electron Energy 電子エネルギー):70eV
・ScanTime(走査時間):300ms
前記測定方法により定量したアンモニア量、測定に用いた触媒重量などから、触媒1gあたりのアンモニア吸着量(μmol/g)を求めた。
[比表面積の測定]
流動層触媒の比表面積(m/g)は、比表面積測定装置(BET法)を用いて算出した。なお、その方法については、日本粉体工業技術協会規格 比表面積検定用粉体 附属書A(参考)比表面積検定用粉体の使用条件に記載されている条件を参考にし、以下のようにして測定した。なお、比表面積測定装置としては、BET比表面積測定装置((株)マウンテック社製、「Macsorb HM Model−1208」)を用いた。
まず、対象とする流動層触媒約0.5gを分取し、BET比表面積測定装置の測定用セルにセットした。この触媒に、窒素ガスを流通させながら、触媒の温度を200℃として40分保持し、触媒の前処理を行った。
前処理終了後、4分間室温で放冷し、ついで、30容量%窒素−70容量%ヘリウム混合ガスを流速25ml/minで流通させながら、液体窒素まで冷却して窒素を吸着させた。出口ガス中の窒素量をTCD検出器にて検出し、一定量で安定するまで、触媒に充分窒素を吸着させた。
その後、室温にて充分吸着させた窒素を脱離させ、脱離した量を同じくTCD検出器により検出した。
脱離完了後、装置内のカラムに充満された窒素ガスを混合ガスラインに押し出し、キャリブレーションを行った。
測定が終了し、室温になったサンプルセルの重量を測定し、触媒の重量を算出した。窒素脱離量、キャリブレーションの値、サンプル重量などから、触媒1gあたりの比表面積(m/g)を算出した。
上記測定法により求めた、触媒のアンモニア吸着量(μmol/g)および比表面積(m/g)の値を用いて、以下の式により、触媒の比表面積あたりのアンモニア吸着量(μmol/m)を算出した。
流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量(μmol/m)=アンモニア吸着量(μmol/g)/流動層触媒の比表面積(m/g)
[実施例1]
以下のようにして活性試験および反応器より抜き出した触媒のアンモニア吸着量および比表面積の測定を行った。
流動層触媒1を用いて気相接触アンモ酸化反応によるアクリロニトリル合成反応を行った。なお、未反応の触媒の比表面積あたりのアンモニア吸着量は0.42μmol/mであった。
反応開始から100時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、反応ガス分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から100時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。
引き続き、反応を継続し、反応開始300時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、反応ガス分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から300時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。反応開始325時間後に反応器中の触媒質量の3%に相当する量のモリブデン酸アンモニウムを添加して、反応を継続した。
反応開始500時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、反応ガス分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から500時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。反応開始525時間後に反応器中の触媒質量の7%に相当する量の触媒を反応器から抜き出し、抜き出した触媒と等量の流動層触媒2を添加して、反応を継続した。
反応開始700時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、反応ガス分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から700時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。反応開始725時間後に反応器中の触媒質量の4%に相当する量の流動層触媒3を添加して、反応を継続した。
反応開始1000時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、反応ガス分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から1000時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。
これらの結果を表2に示す。
[実施例2]
実施例1と同じ流動層触媒1を用い、以下のように気相接触アンモ酸化反応によるアクリロニトリル合成反応を行った。
反応開始525時間まで実施例1と同様の運転を行い、反応開始525時間後に反応器中の触媒質量の15%に相当する量の触媒を反応器から抜き出し、抜き出した触媒と等量の流動層触媒2を添加して、反応を継続した。また、これ以降も実施例1と同様の運転を行った。
反応開始100、300、500、700、1000時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、それぞれ反応ガスの分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から100、300、500、700、1000時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。
これらの結果を表2に示す。
[実施例3]
流動層触媒4を用いて気相接触アンモ酸化反応によるアクリロニトリル合成反応を行った。なお、未反応の触媒の比表面積あたりのアンモニア吸着量は0.18μmol/mであった。
反応開始100時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、反応ガス分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から100時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。
引き続き、反応を継続し、反応開始300時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、反応ガス分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から300時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。反応開始325時間後に反応器中の触媒質量の2%に相当する量の流動層触媒5を添加して、反応を継続した。
反応開始500時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、反応ガス分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から500時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。反応開始525時間後に反応器中の触媒質量の6%に相当する量の三酸化モリブデンを添加して、反応を継続した。
反応開始700時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、反応ガス分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から700時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。反応開始725時間後に反応器中の触媒質量の2%に相当する量の流動層触媒6を添加して、反応を継続した。
反応開始1000時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、反応ガス分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から1000時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。
これらの結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例3と同じ流動層触媒4を用い、かつ、反応途中で流動層触媒5、6および三酸化モリブデンの添加を行わない以外は、実施例3と同様の運転を行った。
反応開始100、300、500、700、1000時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、それぞれ反応ガスの分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から100、300、500、700、1000時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。
これらの結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例1と同じ流動層触媒1を用い、以下のように気相接触アンモ酸化反応によるアクリロニトリル合成反応を行った。
反応開始100時間後に反応ガスを分析し、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率、アンモニア燃焼率を求めた。また、反応ガス分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から100時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。反応開始125時間後に反応器中の触媒質量の15%に相当する量の触媒を反応器から抜き出し、抜き出した触媒と等量の流動層触媒2を添加して、反応を継続した。
反応開始300時間後に反応ガスを分析した。また、反応ガス分析直後に反応器から触媒約5gを抜き出し、反応開始から300時間後のアンモニア吸着量および比表面積を測定した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 0006264282
表2の結果から明らかなように、気相接触アンモ酸化工程流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持しながら、気相接触アンモ酸化反応を行った実施例1〜3の場合は、81%以上の高いアクリロニトリル収率を維持しながらアクリロニトリルを製造することができた。特に、反応中の流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.08〜0.5μmol/mの範囲に維持しながら、気相接触アンモ酸化反応を行った実施例1の場合は、81.9%以上のより高いアクリロニトリル収率を維持しながらアクリロニトリルを製造することができた。
また、実施例1〜3の場合、反応終了後の反応器の内壁等には、モリブデンに由来する付着物は確認されなかった。加えて、使用した流動層触媒にも変化は見られなかった。
一方、比較例1の場合、気相接触アンモ酸化反応の途中で、反応中の流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量が0.05μmol/m未満になると、アクリロニトリルの収率が低下した。また、反応終了後の反応器の内壁等には、モリブデンに由来する付着物は確認されなかった。加えて、使用した流動層触媒にも変化は見られなかった。
また、比較例2の場合、気相接触アンモ酸化反応の途中で、反応中の流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量が0.6μmol/mを超えると、アクリロニトリルの収率が低下した。また、反応終了後の反応器の内壁等には、モリブデンに由来する白色の付着物が確認された。加えて、使用した流動層触媒にも同様の白色の付着物が確認された。
これらの結果より、気相接触アンモ酸化工程中のアンモニア吸着量が0.05〜0.6μmol/mの範囲内のときのアクリロニトリル収率は、アンモニア吸着量が上記範囲外のときの収率よりも高かった。アンモニア吸着量とアクリロニトリルの収率の関係、すなわちアンモニア吸着量が上記範囲内であればアクリロニトリルの収率の低下を効果的に抑制できることを確認できた。
従って、本発明であれば、気相接触アンモ酸化工程中の流動層触媒の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持しながら気相接触アンモ酸化反応を行うことで、経時的なアクリロニトリル収率の低下を抑制でき、長期間に亘り、安定して高いアクリロニトリル収率を維持することができる。

Claims (3)

  1. アクリロニトリルの製造方法であって、
    プロピレンと、分子状酸素と、アンモニアとを含む原料ガスを、流動層触媒(a)に接触させて気相接触アンモ酸化を行い、アクリロニトリルを得る、気相接触アンモ酸化工程を含み、
    前記流動層触媒(a)が、モリブデンおよびビスマスを含有する触媒であり、
    前記気相接触アンモ酸化工程が、モリブデンを含む化合物、及び下記一般式(1)で表される組成を有する流動層触媒(b)から選択される少なくとも1種を加えることにより、前記流動層触媒(a)のアンモニア吸着量を増大させるか低減させて、前記流動層触媒(a)の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持しながら行われることを特徴とする、アクリロニトリルの製造方法。
    Mo 12 Bi Fe (SiO ・・・(1)
    (式中、Mo、Bi、Fe、OおよびSiO はそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄、酸素およびシリカを表し、Aはニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、マンガン、および銅からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Dはランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、およびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Eはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Gはカルシウム、ストロンチウム、バリウム、カドミウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、タングステン、ゲルマニウム、スズ、イットリウム、アルミニウム、ガリウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀、ホウ素、リン、アンチモン、およびテルルよりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表し、a、b、c、d、e、f、xおよびyは原子比を表し、a=0.1〜5、b=0.1〜10、c=2〜12、d=0.01〜5、e=0.01〜2、f=0〜10、y=20〜200であり、xはシリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子数である。ただし、A、D、E、およびGが、2種以上の元素を含む場合、b、d、およびeは、各元素の原子比の合計を表す。)
  2. 前記流動層触媒(a)が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1に記載のアクリロニトリルの製造方法。
    Mo12BiFe(SiO ・・・(1)
    (式中、Mo、Bi、Fe、OおよびSiOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄、酸素およびシリカを表し、Aはニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、マンガン、および銅からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Dはランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、およびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Eはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表し、Gはカルシウム、ストロンチウム、バリウム、カドミウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、タングステン、ゲルマニウム、スズ、イットリウム、アルミニウム、ガリウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀、ホウ素、リン、アンチモン、およびテルルよりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表し、a、b、c、d、e、f、xおよびyは原子比を表し、a=0.1〜5、b=0.1〜10、c=2〜12、d=0.01〜5、e=0.01〜2、f=0〜10、y=20〜200であり、xはシリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子数である。ただし、A、D、E、およびGが、2種以上の元素を含む場合、b、d、およびeは、各元素の原子比の合計を表す。)
  3. 前記気相接触アンモ酸化工程が、前記気相接触アンモ酸化工程中に一部の前記流動層触媒(a)を抜出し、前記一部の流動層触媒(a)の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を測定し、測定結果に基づいて、前記流動層触媒(a)のアンモニア吸着量を増大させるか低減させて、前記流動層触媒(a)の比表面積(m/g)あたりのアンモニア吸着量を0.05〜0.6μmol/mの範囲に維持しながら行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアクリロニトリルの製造方法。
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