JP2833907B2 - エチルベンゼン脱水素触媒及びその製造法 - Google Patents

エチルベンゼン脱水素触媒及びその製造法

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JP2833907B2
JP2833907B2 JP4044749A JP4474992A JP2833907B2 JP 2833907 B2 JP2833907 B2 JP 2833907B2 JP 4044749 A JP4044749 A JP 4044749A JP 4474992 A JP4474992 A JP 4474992A JP 2833907 B2 JP2833907 B2 JP 2833907B2
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oxide
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titanium
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彰 村上
秀美 運永
雅幸 寺西
正喜 大田
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  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水蒸気存在下に主として
エチルベンゼンを脱水素することによりスチレンを製造
する触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレンは通常エチルベンゼンを脱水素
することにより製造され、合成ゴム、ABS樹脂、ポリ
スチレン等の原料モノマーとして利用される為に、その
生産量は年々増大している。
【0003】エチルベンゼン脱水素反応は下記反応式に
示されるように容積膨張を伴う吸熱反応であり、 C・C→C・C+H−11
3キロジュール/モル この反応は1940年代米国において、合成ゴム製造に
対する社会的要請に応える為に盛んに研究され、その中
で現在工業的に実施されているような、エチルベンゼン
をスチーム希釈下に接触的に脱水素する方式が技術的に
確立され、代表的なスチレン製造法としての位置を占め
るに至っている。
【0004】本反応は容積が膨張する為に、反応物をス
チーム希釈すれば化学平衡上有利になるが、スチーム希
釈にはその他に次のような利点がある。
【0005】(イ)反応は550℃〜650℃の高温で
行われるので、エチルベンゼン加熱用の熱源としてスチ
ームを利用できる。
【0006】(ロ)副反応によって炭素質物質が触媒上
に析出するが、その除去にスチームとの水性ガス反応が
利用出来、それによって触媒を再生すること無く連続的
に使用を継続することが出来る。
【0007】(ハ)希釈剤としてのスチームは単に生成
物を液化させるだけで容易に生成物と分離することが出
来る。
【0008】スチーム存在下での脱水素反応方式は以上
のように化学平衡上有利な条件で、スチレンを連続生産
出来る工業的に優れた製造法であるが、このような操業
方法を技術的に可能にしたのは酸化鉄・酸化カリウム系
触媒がスチームによって被毒されること無く、高性能を
安定的に維持することが判明したことによっているが、
この触媒が工業的に使用可能になる迄には更に多くの性
能改善が計られ、その中で幾多の助触媒成分添加が検討
されて来た。
【0009】学理的には各触媒成分の作用状況下におけ
る役割は解明されており、脱水素反応そのものに対して
活性を有している成分は部分的に還元された酸化鉄であ
り、酸化カリウムは助触媒として作用して酸化鉄の活性
を高めると共に、触媒表面に析出した炭素質物質とスチ
ームとの水性ガス反応を促進して活性の経時的劣化を防
止し、その他の助触媒成分は活性、選択性の向上或いは
触媒の熱的安定性、機械的強度安定性等の向上の為に添
加されている。
【0010】触媒は通常、酸化鉄或いはその前駆体とし
ての鉄化合物、カリウム化合物、及びその他の助触媒成
分酸化物或いはその前駆体化合物を水分共存下に湿式混
練し、次いで押出成型、乾燥、焼成することによって製
造されている。原料鉄として使用されるのは赤色酸化鉄
(ヘマタイト)、或いはその前駆体化合物としての黄色
オキシ水酸化鉄(ゲータイト)等であり、カリウム化合
物は焼成することによって酸化カリウムに分解し得るも
のであり、触媒中に被毒作用をするような成分を残留さ
せないものであればどのような化合物ても使用可能であ
るが、通常水酸化カリウム或いは炭酸カリウム等が使用
される。
【0011】酸化鉄、酸化カリウムはエチルベンゼン脱
水素反応が希釈スチーム存在下に行われる限り必須成分
で、両成分を組み合わせることにより酸化鉄の活性は、
単独での使用に比較して桁違いに向上するが、両成分だ
けでは工業触媒として使用に耐えず、その活性のみなら
ず選択性、触媒構造の安定性、機械的強度等の改善の為
にその目的に合った各種助触媒成分が添加され実用触媒
として供給されて来た。
【0012】添加される助触媒成分としては、例えば活
性向上成分としてはCe、Cr等が、選択性向上成分と
してはCa、V、Mo、W、等があることが知られてい
るが、これら元素を使用した従来技術としてCe、M
o、Ca、Mg、Crの添加が米国特許US50232
25に、Cr、Mo、W、V、Alの添加が独国特許D
E4025931に、Ca、Ce、Ge、Sn、Pb等
の添加が特開昭64−27646に夫々提案されてお
り、一方触媒の構造安定化に寄与する成分としてはC
r、Mg、等が知られおり、性能向上の為の成分に合わ
せてUS5023225或いはDE4025931等に
開示されているが、これら元素と異なる触媒構造を安定
化する成分としてTiの添加がチエコスロバキア特許C
S168220及び174488に夫々示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】これら助触媒成分の添
加によってその性能は一段と向上し、触媒構造の安定性
或いは機械的強度も改善されるが、脱水素触媒はアルカ
リ金属含有量が多く、又高アルカリ含有量にも係わらず
反応温度が高い為に、実操業においてはアルカリ金属の
触媒内移動或いは触媒層下流側への飛散等の問題が起き
易く、それが触媒性能低下或いは触媒層閉塞による圧力
損失増加に繋がるので装置運転上のトラブルとなる危険
を内蔵しており、又その活性は実際の工業的な反応温度
におけるエチルベンゼン平衡転化率と比較するとかなり
低く、未だ性能的に改良すべき余地をかなり残してい
る。
【0014】ここで、エチルベンゼン脱水素反応を工業
的な見地から見た場合、触媒の選択性を損なうことなく
活性を向上出来れば、それによって単にスチレンの収率
を上げることが出来るばかりで無く、より温和な条件で
の操業を可能にするので、熱的な影響による酸化鉄焼結
或いはアルカリ金属移動の為の活性低下、アルカリ金属
飛散による圧力損失増加等、触媒に係わる操業上の諸問
題を軽減する為の対策を取ることを可能にする。
【0015】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は既存触媒に性
能上改善の余地が残されていることに鑑み、エチルベン
ゼン脱水素触媒の活性を選択性を犠牲にすることなく向
上させることを勘案し、酸化鉄・酸化カリウム系触媒へ
の別成分添加を中心として、種々の角度から検討を加え
て来た。
【0016】その中で別成分として少量の酸化チタンを
他の助触媒成分に合わせて添加するとその性能は驚く程
向上し、しかもその効果は単に活性を増大させるだけに
止まらず同一転化率での選択率もかなり向上させ、又そ
の効果はチタン添加方法によらないことを見出したが、
係る知見にもとずき更に検討を重ねることにより、本発
明を完成するに至ったものである。
【0017】本発明において酸化チタンは触媒性能向上
を目的とした検討の中から見だされたものであり、少量
の添加(0.005〜0.95wt.%)によって予想
以上の性能向上効果を示し、その添加による性能の挙動
は特定添加量で極大の性能を示すことより、典型的な性
能向上に対する助触媒効果と見なすことが出来、触媒の
構造安定化を目的として1〜10wt.%の酸化チタン
を酸化鉄、酸化カリウム、酸化バナジウムよりなる触媒
に添加したチエコスロバキア特許CS168220及び
174488からは全く類推出来ない特異な結果であ
る。
【0018】本発明者等は以前より、高活性であると共
に高選択性であるとされている助触媒成分としてCe、
Mo、アルカリ土類金属等を含有した触媒を対象に、活
性を一層向上させることを目的に検討を加えてきたが、
その中で酸化鉄を含めての各種触媒原料を湿式混練した
後、押出成型し、次いで乾燥、焼成することによって触
媒を製造する際、酸化チタンを合わせて添加混練するこ
とによってその性能を顕著に改善させ、その目的を達成
し得ることを見出した。
【0019】酸化チタンの添加法は酸化チタンそのも
の、又は酸化チタン前駆体を酸化鉄を含む各触媒原料の
湿式混練工程で加える混練添加でも良く、又通常の工業
的酸化鉄製造法である沈殿法或いは熱分解法において、
原料としての鉄塩水溶液に水溶性のチタン塩類を添加溶
解させておき、次いで必要な後工程を施し酸化鉄を得る
ことにより予め酸化鉄中に酸化チタンを加えておく先行
添加でも良いが、既存の工業用酸化鉄でも目的に適う量
の酸化チタンを既に含有する酸化鉄であれば、これを酸
化チタン先行添加の酸化鉄として使用することが出来
る。
【0020】酸化鉄製造用鉄塩類は、硫酸鉄、硝酸鉄、
ハロゲン化鉄等、水溶性であればどのような塩類も使用
可能であるが、酸化鉄を沈殿法で製造する場合は、通常
経済的理由によって硫酸鉄が使用され、塩基性物質との
中和反応によって製造されるが、酸化鉄中への硫黄残留
を出来るだけ少なくする為に沈殿物の水洗を充分行う必
要があり、一方酸化鉄を熱分解によって製造する場合
は、経済的理由と熱分解の容易さの為に通常塩化鉄が使
用されるが、酸化鉄中への塩素残留を出来るだけ少なく
する為に、熱分解を充分行い製造されなければならな
い。
【0021】本触媒に使用される鉄原料は通常酸化鉄で
あるが、触媒焼成の際酸化鉄になり得るような酸化鉄前
駆体、即ちゲータイト或いは塩基性炭酸鉄等の鉄化合物
も使用することが出来、或いはこれら鉄化合物と酸化鉄
を混合したものも使用することが出来る。
【0022】触媒は最終的に焼成されるので、助触媒成
分として添加する成分も必ずしも酸化物である必要はな
く、熱処理によって酸化物に分解され得るものであれば
どのような化合物でも使用可能であるが、触媒毒となる
ような成分を含有していないものであることが必要であ
り、通常入手容易性或いは経済性等の点から、カリウ
ム、セリウム、アルカリ土類金属の原料は水酸化物或い
は炭酸塩の使用が、モリブデンについてはパラモリブデ
ン酸アンモン或いは酸化モリブデンの使用が好ましい。
【0023】各触媒成分の含有量は、既に提案されてい
るような量で良く、例えば触媒成分を全て酸化物に換算
して表示すれば次のような範囲であり、 Fe 40〜90 wt.% KO 5〜30 wt.% Ce 2〜20 wt.% MoO 1〜10 wt.% アルカリ土類金属酸化物 1〜10 wt.% 又、別成分として添加する酸化チタン量は同様に全成分
を酸化物に換算して表示すると、その添加方法或いは添
加されるチタン化合物の形態に係わらず0.005〜
0.95wt.%の範囲である。
【0024】酸化チタン添加量が0.005wt.%以
下ではその添加による性能向上が充分でなく、又その添
加量が0.95wt.%以上では選択性は大幅に改善さ
れるが、活性向上効果が低下し、更に実用上の重要な問
題として性能の長期的安定性が失われ、経時的な活性低
下が顕著である欠点を具備した触媒となるので実際の使
用に耐える触媒を得ることが出来ない。
【0025】チタンを触媒原料混練の際添加する場合は
酸化チタン或いは触媒最終焼成によって酸化チタンに分
解し、しかも触媒毒になるような成分を含有していない
化合物、例えば硝酸チタン、酸化チタン水和物、各種チ
タンアルコオキサイド等を使用することが出来、又チタ
ンを酸化鉄中に先行添加する場合は、沈殿法によって製
造される酸化鉄においては、チタンを含む鉄沈澱物は水
洗することにより不純物を除去出来るので、水溶性であ
ればどのようなチタン化合物でも使用可能であり、例え
ば硫酸チタン、チタンハロゲン化物、硝酸チタン等のチ
タン化合物を使用することが出来、一方熱分解法によっ
て製造される酸化鉄においては、水溶性であればどの様
なチタン化合物も使用可能であるが、熱分解の容易さの
ために、チタンハロゲン化物の使用が好ましい。
【0026】酸化鉄を含めての触媒原料は湿式混練され
るが、混練の際に加えられる水分量は次の工程の押出成
型に適した水分量とする必要があり、使用される原料の
種類によってその量は異なるが、通常10〜30wt.
%の範囲で添加され、充分混練した後押出成型し、次い
で乾燥、焼成することにより所定の触媒を得ることが出
来る。乾燥は押出成型物が保有する遊離水を除去出来れ
ば良く、通常80〜200℃、好ましくは100〜15
0℃の温度で行われ、一方焼成は乾燥物中に含有されて
いる各触媒前駆体を熱的に分解し、触媒ペレットの機械
的強度を改善すると共に、その性能を向上させる為に行
われ、通常400〜1000℃、好ましくは500〜9
00℃の範囲で行われる。
【0027】焼成温度は良好な品質の触媒を得る為に重
要であり、400℃以下の温度では各触媒成分前駆体を
酸化物となす為には不充分であり、又1000℃以上の
温度では酸化鉄の結晶成長が助長される為、活性低下を
来すので好ましくない。
【0028】得られた触媒について常圧流通式反応装置
によってエチルベンゼン脱水素反応を行いその性能及び
性能の経時変化を測定したが、酸化チタン少量添加の性
能向上に対する効果は大きく、単に活性を顕著に高める
だけでなく同一転化率での選択率をも高める効果もある
上に、経時的に安定した性能を有していることが見出さ
れた。
【0029】以上に記述したように、酸化チタンを少量
添加せしめることによりセリウム、モリブデン、アルカ
リ土類金属を促進剤とする触媒の性能が顕著に改善され
ることを見出したので、本発明者等は更にクロム含有触
媒をも対象としてその性能向上の為の検討を行った。
【0030】クロム含有触媒も基本的には各触媒成分酸
化物或いはその前駆体化合物を湿式混練した後押出成型
し、次いで乾燥、焼成することによって製造することが
出来るので、セリウム、モリブデン、アルカリ土類金属
含有触媒に使用し得る原料を利用出来、一方クロム原料
としては各種クロム酸塩類、特にクロム酸或いは重クロ
ム酸のアルカリ塩類、或いはアンモニウム塩類等が使用
され、その他のものとして酸化クロム、無水クロム酸等
のクロム酸化物を使用することが出来る。
【0031】そこで本発明者等は、セリウム、モリブデ
ン、アルカリ土類金属含有触媒と同様の処理法によって
酸化チタンを添加したクロム含有触媒を調製した。得ら
れた触媒につき常圧流通式反応装置によってエチルベン
ゼン脱水素反応を行い、性能を評価したが、セリウム、
モリブデン、アルカリ土類金属含有触媒における場合と
同様に酸化チタンを少量添加することによってクロム含
有触媒の性能は著しく改善され、その効果は単に活性を
向上させるだけでなく、同一転化率での選択率をも向上
させ、更に性能が長期的に安定していることを確認し、
本発明を完成した。
【0032】尚、本発明による触媒は単にエチルベンゼ
ン脱水素によるスチレン製造触媒として利用できるだけ
でなく、同様の脱水素反応方式によって製造される各種
アルルケニル芳香族化合物、例えばジエチルベンゼンよ
りのジビニルベンゼン、クメンよりのαメチルスチレン
等の製造にも利用することが出来る。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、酸化鉄、酸化カリウム
及び各種助触媒成分よりなる触媒に少量の酸化チタンを
添加することによって、触媒活性を大幅に増大させるこ
とが出来るばかりでなく、同一転化率での選択率をも向
上させ得るので、それによって操業条件を変えることな
くスチレン収率を向上させることが出来、又場合によっ
てはより温和な条件での操業を可能にするので、熱的な
影響による酸化鉄結晶成長の為の活性低下、或いはカリ
ウム飛散に起因する圧力損失増大等の操業上の問題を低
減することが出来る。
【0034】
【実施例】次に本発明の内容を実施例によって具体的に
説明するが、その中で説明されている性能評価は次のよ
うな条件によって実施され、 性能評価条件 触媒使用量(cc) 100 HO/エチルベンゼン(重量比) 2.0 反応温度(℃) 570、600、620 反応時間(Hr.) 100 又触媒性能を表す転化率(%)及び選択率(%)は夫々
下式によって計算され、 転化率(%)=〔(A−B)/A〕×100 選択率(%)=〔C/(A−B)〕×100 一方、触媒性能の経時変化は反応温度620℃で行っ
た。
【0035】ここでA、B、C、は夫々次の物質濃度を
表す。 A;触媒層入口エチルベンゼン濃度(wt.%) B;触媒層出口エチルベンゼン濃度(wt.%) C;触媒層出口スチレン濃度(wt.%)
【0036】実施例−1 赤色酸化鉄(ヘマタイト結晶構造)500g、炭酸カリ
ウム252g、炭酸マグネシウム25g、水酸化セリウ
ム55.2g、酸化モリブデン21g、酸化チタン0.
7gをニーダー中に秤取し、混合しつつ徐々に純水を加
えてペースト状となし、次いで1/8インチサイズに押
出成型し、乾燥器中で100〜120℃、1夜乾燥した
後、電気炉中に移し、600℃、4時間焼成した。得ら
れた触媒は下記の組成を有しており、 触媒組成 Fe 67.01 wt.% KO 23.14 〃 Ce 5.36 〃 MoO 2.81 〃 MgO 1.59 〃 TiO 0.094 〃 その性能評価結果は表−1の通りであった。
【0037】実施例−2〜4 実施例−1において、酸化鉄を含めた触媒原料湿式混練
の際、酸化チタン使用量を0.10g、又は3.0g、
又は6.5g、とした以外は、実施例−1と全く同じ処
理法によって、実施例−2、3、4、の触媒を調製し
た。得られた触媒は下記の組成を有しており、 触媒組成 成分(wt.%) 実施例−2 実施例−3 実施例−4 Fe 67.17 67.47 66.82 KO 23.05 22.53 22.93 Ce 5.37 5.28 5.18 MoO 2.82 2.67 2.64 MgO 1.58 1.63 1.55 TiO 0.013 0.42 0.88 その性能評価結果は表−1の通りであり、実施例−3に
ついての触媒性能の経時変化測定結果は表−2の通りで
あった。
【0038】比較例−1 実施例−1において、酸化鉄を含めた触媒原料湿式混練
の際、酸化チタンを加えなかった以外は実施例−1と全
く同じ処理法によって、比較例−1の触媒を調製した。
得られた触媒は下記の組成を有しており、 触媒組成 Fe 67.43 wt.% KO 22.87 〃 Ce 5.42 〃 MoO 2.58 〃 MgO 1.70 〃 その性能評価結果は表−1の通りであった。
【0039】比較例−2 実施例−1において、酸化鉄を含めた触媒原料湿式混練
の際、酸化チタン添加量を23.0gとした以外は実施
例−1と全く同じ処理法によって、比較例−2の触媒を
調製した。得られた触媒は下記の組成を有しており、 触媒組成 Fe 65.62 wt.% KO 22.06 〃 Ce 5.09 〃 MoO 2.66 〃 MgO 1.54 〃 TiO 3.03 〃 その性能評価結果は表−1の通りであり、触媒性能の経
時変化測定結果は表−2の通りであった。
【0040】実施例−5 実施例−1において、酸化鉄を含めた触媒原料湿式混練
の際、酸化チタンに替えテトラブトキシチタネート
〔(n−CO)Ti〕1.57gを使用した以
外は、実施例−1と全く同じ処理法によって実施例−5
の触媒を調製した。得られた触媒は下記の組成を有して
おり、 触媒組成 Fe 67.57 wt.% KO 23.02 〃 Ce 5.08 〃 MoO 2.57 〃 MgO 1.71 〃 TiO 0.048 〃 その性能評価結果は表−1の通りであった。
【0041】実施例−6 赤色酸化鉄(ヘマタイト結晶構造)500g、炭酸カリ
ウム84g、重クロム酸アンモニウム24.0g、及び
酸化チタン0.5gをニーダー中に秤取し、混合しつつ
徐々に純水を加えてペースト状となし、次いで押出機に
よって1/8インチサイズに押出成型し、乾燥器中で1
00〜120℃、1夜乾燥した後、電気炉中に移し、6
00℃、4時間焼成した。得られた触媒は下記の組成を
有しており、 触媒組成 Fe 87.46 wt.% KO 10.03 〃 Cr 2.42 〃 TiO 0.087 〃 その性能評価結果は表−1の通りであった。
【0042】実施例−7〜8 実施例−6において、酸化鉄を含めた触媒原料湿式混練
の際、酸化チタン使用量を0.10g、又は2.0gと
した以外は、実施例−6と全く同じ処理法によって、実
施例−7、8の触媒を調製した。得られた触媒は下記の
組成を有しており、 触媒組成 成分(wt.%) 実施例−7 実施例−8 Fe 87.22 87.15 KO 10.27 10.06 Cr 2.49 2.45 TiO 0.018 0.34 その性能評価結果は表−1の通りであり、実施例−8に
ついての触媒性能の経時変化測定結果は表−2の通りで
あった。
【0043】比較例−3 実施例−6において、酸化鉄を含めた触媒原料湿式混練
の際、酸化チタンを加えなかった以外は実施例−6と全
く同じ処理法によって、比較例−3の触媒を調製した。
得られた触媒は下記の組成を有しており、 触媒組成 Fe 87.53 wt.% KO 9.98 〃 Cr 2.49 〃 その性能評価結果は表−1の通りであった。
【0044】比較例−4 実施例−6において、酸化鉄を含めた触媒原料湿式混練
の際、酸化チタン添加量を13.0gとした以外は実施
例−6と全く同じ処理法によって、比較例−4の触媒を
調製した。得られた触媒は下記の組成を有しており、 触媒組成 Fe 85.58 wt.% KO 9.74 〃 Cr 2.43 〃 TiO 2.25 〃 その性能評価結果は表−1の通りであり、触媒性能の経
時変化測定結果は表−2の通りであった。
【0045】実施例−9 硫酸第一鉄1741g及び硫酸チタン0.75gを10
ビーカーに秤取した後、純水6を攪拌下に加えて溶
解し(A液とする)、これとは別に5ビーカーに純水
を加えておき、予め秤取しておいた炭酸ナトリウム
796.5gを攪拌下に徐々に加えて溶解する(B液と
する)。次いで常温において、A液をB液中に攪拌下に
徐々に加えて塩基性炭酸鉄の沈殿物を得(A液滴下時間
約60分)、1〜2時間放置後水洗、濾過を数回繰り返
すことによって不純物を充分除去した後、磁性皿に移し
て乾燥器中100〜120℃、1夜乾燥し、更に乾燥物
を電気炉中に入れ、400℃、4時間焼成することによ
って酸化チタン含有酸化鉄を得た。この酸化鉄全量をニ
ーダー中に移し、その他の触媒原料として炭酸カリウム
252g、炭酸マグネシウム25g、炭酸セリウム13
4.3g、酸化モリブデン21gをニーダー中に秤取
し、混合しつつ徐々に純水を加えてペースト状となし、
次いで混練物を押出機によって1/8インチサイズに押
出成型し、乾燥器中で100〜120℃、1夜乾燥した
後、電気炉中にて600℃、4時間焼成した。得られた
触媒は下記の組成を有しており、 触媒組成 Fe 67.11 wt.% KO 23.05 〃 Ce 5.36 〃 MoO 2.80 〃 MgO 1.64 〃 TiO 0.034 〃 その性能評価結果は表−1の通りであった。
【0046】実施例−10〜12 実施例−9において、酸化チタン含有酸化鉄調製の際、
硫酸チタン使用量を0.15g、又は3.4g、又は1
8.5gとした以外は実施例−9と全く同じ処理法によ
って実施例−10、11、12の触媒を調製した。得ら
れた触媒は下記の組成を有しており、 触媒組成(wt.%) 実施例−10 実施例−11 実施例−12 Fe 67.05 67.09 66.57 KO 23.20 23.03 22.91 Ce 5.28 5.29 5.32 MoO 2.81 2.83 2.79 MgO 1.65 1.61 1.58 TiO 0.007 0.15 0.82 その性能評価結果は表−1の通りであり、実施例−12
についての触媒性能経時変化測定結果は表−2の通りで
あった。
【0047】比較例−5 実施例−9において、酸化チタン含有酸化鉄調製の際、
硫酸チタンを加えなかった以外は実施例−9と全く同じ
処理法によって比較例−5の触媒を調製した。得られた
触媒は下記の組成を有しており、 触媒組成 Fe 67.09 wt.% KO 23.03 〃 Ce 5.41 〃 MoO 2.85 〃 MgO 1.61 〃 その性能評価結果は表−1の通りであった。
【0048】比較例−6 実施例−9において、酸化チタン含有酸化鉄調製の際、
硫酸チタン使用量を37.5gとした以外は実施例−9
と全く同じ処理法によって比較例−5の触媒を調製し
た。得られた触媒は下記の組成を有しており、 触媒組成 Fe 66.02 wt.% KO 22.74 〃 Ce 5.29 〃 MoO 2.75 〃 MgO 1.57 〃 TiO 1.63 〃 その性能評価結果は表−1の通りであり、触媒性能の経
時変化測定結果は表−2の通りであった。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭53−135940(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 23/00 C07C 5/333 C07C 15/46

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化鉄、酸化カリウム、及び酸化チタン
    を必須成分として含有し、全触媒成分を酸化物に換算し
    た場合、酸化鉄含有量が40.0〜90.0wt.%、
    酸化カリウム含有量が5.0〜30.0wt.%、酸化
    チタン含有量が0.005〜0.95wt.%であるエ
    チルベンゼン脱水素触媒。
  2. 【請求項2】 助触媒成分として酸化セリウム、酸化モ
    リブデン、及び酸化マグネシウムを含有し、全触媒成分
    を酸化物に換算した場合、酸化セリウム含有量が2.0
    〜20.0wt.%、酸化モリブデン含有量が1.0〜
    10.0wt.%、酸化マグネシウム含有量が1.0〜
    10.0wt.%である請求項1記載の触媒。
  3. 【請求項3】 助触媒成分として酸化セリウム、酸化モ
    リブデン、及び酸化マグネシウムを含有し、全触媒成分
    を酸化物に換算した場合、酸化セリウム含有量が4.0
    〜6.0wt.%、酸化モリブデン含有量が2.0〜
    4.0wt.%、酸化マグネシウム含有量が1.5〜
    4.0wt.%である請求項1記載の触媒。
  4. 【請求項4】 助触媒成分として酸化クロムを含有し、
    全触媒成分を酸化物に換算した場合、酸化クロム含有量
    が1.0〜5.0wt.%である請求項1記載の触媒。
  5. 【請求項5】 助触媒成分として酸化クロムを含有し、
    全触媒成分を酸化物に換算した場合、酸化クロム含有量
    が2.0〜4.0wt.%である請求項1記載の触媒。
  6. 【請求項6】 触媒成分酸化物及び/又は触媒成分酸化
    物前駆体化合物を湿式混練した後押出成型し、次いで乾
    燥、焼成することによる請求項1記載の触媒の製造法。
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