JP4169887B2 - ケース類の錠本体の施解錠機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はケース類の錠本体の施解錠構に関し、特に旅行の際に使用されるスーツケース或いはトランク等ケース類に用いられる錠本体をキープレート(長板状の係合キーの意味)を用いて解錠する場合に適するケース類の錠本体の施解錠機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
錠本体の施解錠構の一例は、例えば実公平7−15976号公報に示されている。この公報に記載の実施例の基本的構成は、錠本体の外枠等を形成する固定部材と、この固定部材の内側に設けられかつ固定部材の内壁に沿って水平移動する可動部材と、この可動部材にバネ部材に付勢されながら遊嵌し、該可動部材と前記固定部材とをロック状態に係止する複数個のタンブラ―(可動障害子をいう)とから成っている。そこで、図19乃至図23を参照に従来の技術を説明する。なお、説明,対比等の便宜上、前記公報で説明した実施例の符号をそのまま使用する。
【0003】
10は内壁に断面台形状のスライド溝11を有する固定部材である。前記スライド溝11は左右に傾斜面11a、11bが現れるように形成され、かつ、所要間隔で複数個設けられている。12は固定部材10の内壁側にプレート状鍵1の解錠操作(押込み)により水平移動するブロック或いは板状可動部材である。この可動部材12には第19図で示すように貫通状収容部13が形成されている。区画された各収容部13は可動部材12の幅方向に2個のタンブラ―14、14を1個の弾発性部材15を介して対称的に遊嵌させることができるように設けられ、かつ可動部材12の長手方向に所要間隔を有して複数個形成されている。タンブラ―14は、可動部材12の収容部13に固定部材10の内壁に形成された係合溝16と係合するように弾発性部材15に付勢されながら遊嵌している。
【0004】
そして、タンブラ―14の一側上面には、鍵1の解錠操作により可動部材12が固定部材10の内壁に沿って移動する際にスライド溝11の左側の傾斜面11aを摺動する突起状第1摺動部14aが形成され、また該第1摺動部14aが形成された反対側の一側下面には該第1摺動部14aが前記傾斜面11aを摺動する際に鍵1の嵌合孔17の内周縁17aと摺接し、タンブラ―14を前記固定部材10との係合を解除する方向へ移動させる円錐状の第2摺動部14bが形成されている。
【0005】
またタンブラ―14の第2摺動部14bが形成された面と直交する外周側壁の一側面には、前述した固定部材10の係合溝16と係合する突起状の第1係合部14cが形成され、さらに、該第1係合部14cが形成された反対側の側面には、弾発性部材15の一方端部を嵌挿するバネ用嵌合穴14dが設けられている。18は施解錠装置の外枠の一部を形成する外壁である。
【0006】
上記構成に於いて、施錠状態の場合には、タンブラ―14は弾発性部材15に付勢され、タンブラ―14の第1係合部14cが固定部材10の係合溝16内に位置している。したがって、可動部材12はタンブラ―14を介し固定部材10にロックされた施錠状態となる。このような施錠状態において、鍵1を、その嵌合孔17を有する側から可動部材12の鍵挿入部に挿入する。鍵1の嵌合部17を鍵挿入部内に挿入した場合、図23で示すようにタンブラ―14の第2摺動部14bの中心が鍵1の嵌合孔17の内周縁17a近く位置するよう設定されている。
【0007】
そこで、鍵1をさらに押し付けると、可動部材12は鍵1の挿入先端に押され、鍵1と共に矢印方向へ多少移動する。そうすると、タンブラ―14の第1摺動部14aが固定部材10の左側の傾斜面11aと突き当たり、それと同時にタンブラ―14の第2摺動部14bが鍵1の嵌合部17の右側内周縁17aと突き当たる。そして、さらに鍵1を押し付けて可動部材12を水平方向へ移動させると、タンブラ―14の第1摺動部14aはスライド溝11の傾斜面11aをスライドし、タンブラ―14は垂直方向へ下降する。一方、タンブラ―の下降に伴いタンブラ―14の第2摺動部14bが鍵1の嵌合部17の内周縁17aと摺動し、前記内周縁17aが第2摺動部14bのテ―パ―面を徐々に捨(摺)ってゆく関係となり、タンブラ―14は図23で示すように鍵1の移動する矢印A方向と直交する矢印B方向へ弾発性部材15の付勢力に抗しながら後退する。したがって、タンブラ―14の第1係合部14cは固定部材10の係合溝16から序々に離れ、その結果、タンブラ―14と固定部材10との係合が解除された解錠状態となる。
【0008】
このように解錠状態になった場合には、タンブラ―14の第1摺動部14aは、固定部材10のスライド溝11から抜けて平な内壁10aに位置し、一方、その第2摺動部14bは鍵1の嵌合部17に嵌合し、さらに、第1係合部14cは固定部材10の係合溝16から完全に脱けた状態となる。
【0009】
したがって、従来の実施例は、鍵1の解錠または施錠操作で可動部材12を水平移動させ、それによって可動部材12の収容部13内に遊嵌された複数個のタンブラ―を上下および水平の二方向へ同時移動させ、固定部材10と可動部材のロックの解除を図ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の実施例は、図19で示すように可動部材12の収容部13に収容された各タンブラ―14がそれぞれ別体(分離型)であり、多数の鍵違いを得る為には、突起(第2摺動部14b)の位置が異なる多数のタンブラ―14をそれぞれ製作する必要がある。しかし、タンブラーの形態や製造数が多くなればなるほどコストが高くなってしまう。また従来の実施例は、左右に対向配設された一対のタンブラ―14,14には弾発性部材15を介在させる必要があるので、組み合わせが面倒であると言う問題点もあった(左右一対のタンブラ―と、これら左右のタンブラ―をつなぐ弾発性部材の3部品を組み合わせる必要がある)。
【0011】
そこで、本願発明は、部品点数を少なくすることによるタンブラ―の製造コストの低減化、可動部材に対するタンブラ―の組込みの容易化、並びにタンブラ―の形態を工夫することによるタンブラ―の傾倒乃至水平作動のスムーズ化を図る点にある。また本発明は、錠本体を強力に揺さぶる,異形物を差し込む等をしながら各タンブラーの係合状態を解消させようと試みても、結局は、正規のキープレートを使用しないかぎり、錠本体を容易に解錠状態にすることができない施解錠機構を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のケース類の錠本体の施解錠機構は、錠本体の固定部材10Aの内壁に沿って摺動する可動部材12Aと、この可動部材の区画された各貫通状収容部13Aにそれぞれ内装され、かつ、その一側面中央部が各弾発性部材15Aの端部にそれぞれ支持された状態でキープレート用案内区画部27側に常時当接するように付勢された複数個のタンブラー14Aとを備え、普通の状態では、各タンブラー14Aは各弾発性部材15Aのバネ力により浮上して可動部材12Aの移動を阻止し、正規のキープレート7を可動部材12Aに差し込んだ場合には、各タンブラー14Aはそれぞれ各弾発性部材15Aのバネ力に抗して水平状態に固定部材10Aの水平案内部42の位置までバランス良く水平下降し、一方、正規でないキープレート7Aを可動部材12Aに差し込んだ時は、少なくとも1つのタンブラー14Aは弾発性部材15Aを支点にシーソー式に傾倒し、当該タンブラー14Aの左右の係合部14c,14cは、固定部材10Aの水平案内部42に連通する係合溝に入り込むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明のケース類の錠本体の施解錠機構は、錠本体の固定部材10Aの内壁に沿って摺動する可動部材12Aと、この可動部材の区画された各貫通状収容部13Aにそれぞれ内装され、かつ、その一側面中央部が各弾発性部材15Bの端部にそれぞれ支持された状態でキープレート用案内区画部27側に常時当接するように付勢された複数個のタンブラー14Bとを備え、普通の状態では、各タンブラー14Bは各弾発性部材15Bのバネ力により傾倒状態で浮上して可動部材12Aの移動を阻止し、正規のキープレート7を可動部材12Aに差し込んだ場合には、各タンブラー14Bはそれぞれ各弾発性部材15Bのバネ力に抗して水平状態に固定部材10Aの水平案内部42の位置までバランス良く下降し、一方、正規でないキープレート7Aを可動部材12Aに差し込んだ時は、少なくとも1つのタンブラー14Bは弾発性部材15Bを支点に相変わらず傾倒状態のままであり、当該タンブラー14Bの左右の係合部14c,14cは、固定部材10Aの水平案内部42に連通する係合溝に係合していることを特徴とする。
【0014】
上記構成に於いて、正規でないキープレート7Aを可動部材12Aに差し込んだ時、シーソー式に傾倒した、或いは所定の位置にて相変わらず水平状態にならないタンブラー(14A,14B)の左右の係合部14c,14cが、固定部材10Aのアンダープレート41の上方係合溝43と下方係合溝44とにそれぞれ入り込む(或いは係合している)ことを特徴とする。またタンブラー14Aの水平板部35には、可動部材12Aの案内仕切壁部26に形成した係合溝12aと係合する突起軸14eが形成されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
まず、図1乃至図3を参照に本発明の実施の形態を簡単に説明する。Xは主として旅行の際に使用されるスーツケースで、このスーツケースXは、把手を有するケース体2と蓋体3とがある。4は前記ケース体2の上壁部2a左右に対向して取付けられた1対のケース類の錠である。左右の錠4,4は同一の構造をしており、前記上壁部2aに固定的に取付けられた枠状の取付金具5と、この取付金具5に一端部側が適宜に軸支された錠本体6とから成る。本発明は、前記錠本体6の施解錠機構Yに特徴があり、図3で示すように、特にキープレート(長板状の係合キーの意味)7を錠本体6のキー挿入口8に挿入した際に於いて、前記キープレート7が正規であるならば複数個のタンブラー14Aを備えたブロック状可動部材12Aを錠本体内の復帰バネ9のバネ力に抗して後退させ、一方、キープレート7Aが正規でないならば、ブロック状可動部材12Aはシーソー式に揺動する、或いは相変わらず傾倒状態のままである少なくとも1つ以上のタンブラー(可動障害子)により、その摺動が阻止される点に特徴がある。
【0016】
次に図4乃至図14は、錠本体6の施解錠機構Yを示す第1実施例である。この第1実施例も従来の実施例と同様に基本的な構成部材は同一である。したがって、説明の便宜上、同一の部材に関しては同一又は同様の符号を付してある。そこで、以下、これらの基本的部材を中心に説明をする。
【0017】
図4は複数個(本実施例では3個)のタンブラー14Aを備えたブロック状可動部材12Aと、この可動部材12Aの一端部開口20側から該可動部材12Aに差し込み挿入されるキープレート7と、前記可動部材12Aの他端部に形成された取付長孔21に適宜に取付けられる係止鉤22とをそれぞれ示してある。可動部材12Aは、図3で示すように錠本体6をフレーム等を構成する固定部材10Aに、その内壁に沿って摺動可能に組み込まれる。またキープレートの挿入先端部7aには、正規のキー7ならばタンブラー14Aの鍵違い用摺動部14bと符合する複数個(本実施例では5個)の係合孔23が適宜に形成されている。また係止鉤22は可動部材12Aに一体的に取付けられると、その鉤部が可動部材12Aの下面から突出する。この係止鉤22は図3で示すように錠本体6から突出し、スーツケースXの蓋体3と掛合するが、前述したように正規のキー7の挿入により、可動部材12Aが錠本体内を後退した場合には掛合状態が解消される。さらに、可動部材12Aの収容部13Aに組み込まれる各タンブラー14Aは、従来の実施例で説明したタンブラ―14とは相違し、公園,遊園地等に設置されたシーソー板状に形成されている。本実施例のシーソー板状の各タンブラー14Aは、いわば左右に対向配設された従来のタンブラ―14,14を一体化した形態であるとも言える。
【0018】
図5は合計3個のタンブラー14Aを並列的に備えた可動部材12Aの正面図である。また図6は図5に於いて、正規のキープレート7の挿入先端部7aを可動部材12Aの一端部開口20側から差し込んだ状態を示す。この場合シーソー式の各タンブラー14Aは傾倒せず、水平状態にそのまま下降している。さらに、図7は図5を基準とした可動部材12Aの底面図である。図8は可動部材12Aの概略断面図である。そして、図9はタンブラー14Aの一例を示す説明図である。
【0019】
そこで、図4乃至図9を中心に本発明の特定要件(可動部材12A,タンブラー14A等)を説明する。まず可動部材12Aについて説明する。可動部材12Aは、前述したように固定部材10Aに摺動可能に内装される。また固定部材10Aは図4で示すように全体として普通一般のおもちゃのブロック状に形成されている。図4を基準にすると、その上面の一部は、一端部開口20と連通する矩形状の開口25が形成され、この開口25からはタンブラー14Aの摺動部14bが見える。そして、図6で示すように正規のキープレート7を可動部材12Aに差し込むと、前記摺動部14bの一部又は全部がキープレート7の係合孔23に係合する。
【0020】
また本実施例の可動部材12Aも、従来の可動部材12(図19)と同様に区画された合計3個の貫通状収容部13Aが形成されている。しかしながら、本実施例の可動部材12Aが従来の可動部材12と異なる点は、図8を基準にすると、貫通状収容部13Aを形成する区画部が、並列状態に区画された案内仕切壁部26の左右両端上部にそれぞれ連設するキープレート用案内区画部27と、弾発性部材(スプリング)15Aの下端部を支持し、かつ、前記各案内仕切壁部26の下端部に形成された中央切欠部28に固定的に横架されたバネ用ベース部材29とを有することである。また可動部材12Aの各案内仕切壁部26には、後述するタンブラー14Aに形成した突起軸14eと係合する下向きU字型状の係合溝12aが適宜に形成されていることである(図10参照)。
【0021】
しかして、前記案内仕切壁部26によって形成された下向きの切欠部30からは、図7で示すようにタンブラー14Aの端部が突出し、また前記案内区画部27は案内仕切壁部26に対してアングル(交差)状に連設し、さらに、前記バネ用ベース部材29の適宜箇所には、弾発性部材15Aの下端部を支持する合計3個の皿状バネ支持部31が形成されている。なお、皿状バネ支持部31には小孔が形成されている。
【0022】
次にタンブラー14Aは、図4又は図9で示すように上面に突起状の鍵違い用摺動部14bを有するものの、全体としてベンチ形状に形成されている。そして、前述したように各タンブラー14Aは、可動部材12Aの各貫通状収容部13Aにそれぞれ内装され、かつ、その下面中央部が各弾発性部材15Aの上端部にそれぞれ支持された状態でキープレート用案内区画部27側に常時当接するように付勢されている。
【0023】
ところで、第1実施例の各タンブラー14Aは、弾発性部材15Aにシーソー式にそれぞれ支持されており、異なるキープレート7Aが可動部材12Aに差し込まれた場合には、可動部材12Aの係合溝12aを基準に左右いずれか一方に傾倒する。この点従来の2個のタンブラ―14、14が1個の弾発性部材15を介して収容部13内に対称的に遊嵌され、横方向に往復動するのとは相違する。
【0024】
ここで、本実施例のタンブラー14Aの形状について、図9を基準に説明する。35はタンブラー14Aの水平板部で、この水平板部35の上面35aの適宜箇所には鍵違い用摺動部14b,14bが複数個形成されている。これらの鍵違い用摺動部14bの形状は異なる。14dは水平板部35の下面中央部に形成された下向き凹所状のバネ用嵌合穴である。このバネ用嵌合穴14dに弾発性部材15Aの上端部が入込む。
【0025】
ところで、前記バネ用嵌合穴14dの弾発性部材15Aの上端部に支持される内壁面36は、図10で示すように水平板部35の上面35a又は下面35bに対して水平である。
【0026】
37は水平板部35の下面両端部に連設する左右一対の短脚部である。14cは水平板部35の両端部に連設するやや幅狭の係合部で、これらの係合部14c,14cは、図7で示すように可動部材12Aの切欠部30から突出する。タンブラー14Aの係合部14c,14cは、後述するように錠本体6の固定部材10Aと係脱する。14eは前記水平板部35の中央部の両側壁にそれぞれ形成された突起軸で、これらの突起軸14eは可動部材12Aの中心の係合溝12aに係合する。
【0027】
図10乃至図15は、固定部材10Aとタンブラー14Aの係合部14c,14cとの係脱関係を示す各説明図である。そこで、これらの図を参照に正規のキープレート7が可動部材12Aに差し込まれた場合とそうでない場合とを説明する。
【0028】
まず図10及び図11は、キープレート7が可動部材12Aに差し込まれていない場合の概略説明図である。この場合タンブラー14Aは弾発性部材15Aのバネ力により上方に浮上している。各タンブラー14Aの係合部14cは固定部材10Aに形成された各上方係合溝43に係合或いは入り込んでいる。したがって、このような状態では可動部材12Aは水平方向へ摺動不可である。
【0029】
ところで、本実施例の固定部材10Aは、錠本体6のフレームを形成する固定部材本体40と、この固定部材本体40の内壁に固定されたチヤンネル形状のアンダープレート41とから成り、このアンダープレート41の左右の対向壁部41a,41aには、図11で示すように水平案内部(切欠部や水平案内溝)42が対向形成されている。そして、左右の対向壁部41a,41aには、これらの水平案内部42と連通するように上方係合溝43と下方係合溝44がそれぞれ所要間隔を有して形成されている。
【0030】
次に図12及び図13は、正規のキープレート7が可動部材12Aに差し込まれた場合の概略説明図である。この場合キープレート7を最後まで差し込むことができる。各タンブラー14Aはそれぞれ各弾発性部材15Aのバネ力に抗して水平状態に水平案内部42の位置までバランス良く水平下降する。したがって、図13で示すように、各タンブラー14Aの係合部14c,14cはアンダープレート41の水平案内部42内に浮いた状態となるので、可動部材12Aは正規のキープレート7の解錠(押込み)操作により、錠本体6の奥側に摺動する。その結果、係止鉤22とスーツケースXの蓋体3との掛合が解消される。
【0031】
最後に図14及び図15は、正規でないキープレート7Aを可動部材12Aに差し込んだ時の概略説明図である。この時キープレート7Aを最後まで差し込むことができない。図14で示すように一つのタンブラー14Aの摺動部14bがキープレート7の係合孔23に係合しないと、当該タンブラー14Aは弾発性部材15Aを支点に傾倒する。そうすると、当該タンブラー14Aの左右の係合部14c,14cは、アンダープレート41の上方係合溝43と下方係合溝44とにそれぞれ入り込んでしまう。
【0032】
したがって、正規でないキープレート7Aを可動部材12Aに押込んでも、傾倒したタンブラー14Aが障害となり、可動部材12Aは錠本体6の奥側に摺動しない。それ故に、係止鉤22とスーツケースXの蓋体3との掛合を解消することができない。
【0033】
【実施例】
本発明の第1実施例に於いて、タンブラー14Aの水平板部35の上面に形成系された鍵違い用摺動部14b,14bの形状は、任意に形成することができる。要は、正規のキープレート7を可動部材12Aに差し込んだ時のみ、タンブラー14Aが水平バランスを保持しながら所定の位置まで下降できる形状であれば良い。
【0034】
また、固定部材10Aは錠本体6のフレームを形成する固定部材本体40と、この固定部材本体40の内壁に固定されたチヤンネル形状のアンダープレート41とから成るが、設計如何によってはアンダープレート41に水平案内部42を形成するのではなく、固定部材本体40の内壁に水平案内部42を形成することも可能である。
【0035】
次に、図16乃至図18に示す本発明の第2実施例につき説明する。なお、この第2実施例の説明にあたって、第1実施例と同一の部分には、同一又は同様の符号を付して重複する説明を省略する。
【0036】
この第2実施例において、第1実施例と主に異なる点は、普通或いは施錠状態の場合において、タンブラー14Bは弾発性部材15Bに傾倒状態に支持されていることである。すなわち、タンブラー14Bのバネ用嵌合孔14dは下向き凹所状である点は第1実施例と同様であるが、弾発性部材15Bに支持される内壁面36Bは、水平板部35の上面35a又は下面35b、或いはバネ用ベース部材29に対して傾斜状に形成されている。
【0037】
したがって、図18で示すように、普通或いは施錠状態の場合には、少なくとも1つ以上のタンブラー14Bは、弾発性部材15Bの上端部に傾倒状態に支持されており、正規のキープレート7が挿入された場合のみバネ用ベース部材29に対して水平状態になる。
【0038】
このように構成すると、例えば錠本体を強力に揺さぶりながら正規でないキープレートでタンブラー14Bの係合状態を解消させようと試みても、タンブラー14Bは容易に傾倒状態から水平状態にならないので、結局は、正規のキープレート7でない限り、可動部材を容易に移動させることができないと言う利点がある。
【0039】
【発明の効果】
本発明にあっては、各貫通状収容部13Aにそれぞれ内装される可動障害子は、それぞれ「1個」で済む。すなわち、タンブラーは比較的製造が難しくかつコスト高となる分離型ではなく、各弾発性部材15Aの端部にそれぞれシーソー式に支持された一体型なので、部品点数が少なくなる。したがって、タンブラ―の製造コストの低減化、可動部材に対するタンブラ―の組込みの容易化を図ることができる。
【0040】
また正規のキープレート7を可動部材12Aに差し込んだ場合には、各タンブラー(14A,14B)はそれぞれ各弾発性部材(15A,15B)のバネ力に抗して水平状態に固定部材10Aの水平案内部42の位置までバランス良く下降し、一方、正規でないキープレート7Aを可動部材12Aに差し込んだ時は、タンブラーは可動部材の係合溝12a或いは弾発性部材を支点にシーソー式にスムーズに傾倒し、或いは相変わらず傾倒状態のままであり、当該タンブラー(14A,14B)の左右の係合部14c,14cは、固定部材10Aの水平案内部42に連通する係合溝と係合状態なので、施錠・解錠の確実化を図ることができる。
【0041】
さらに、固定部材10Aが、錠本体6のフレームを形成する固定部材本体40と、この固定部材本体40の内に固定されたアンダープレート41とから成る実施例の場合には、水平案内部42並びに上方係合溝43並びに下方係合溝44を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図15は、本発明の第1実施例を示す各説明図である。図16乃至図18は本発明の第2実施例を示す各説明図である。図19乃至図23は、従来の一例を示す各説明図である。
【図1】本発明の実施形態の一例を示す平面図。
【図2】錠本体の外観を示す平面図。
【図3】キープレートを錠本体に差し込んだ状態の概略説明図。
【図4】主要部の斜視からの概略説明図。
【図5】タンブラーを並列的に備えた可動部材の正面図。
【図6】図5に於いて、正規のキープレートを可動部材に差し込んだ状態を示す正面図。
【図7】図5を基準とした可動部材の底面図。
【図8】図5の8−8断面図。
【図9】タンブラーの一例を示す説明図。
【図10】固定部材とタンブラーとの係脱関係を示す説明図(普通の状態)。
【図11】図10に於いて、固定部材の係合溝とタンブラーの係合部との係合状態を示す概略説明図。
【図12】固定部材とタンブラーとの係脱関係を示す説明図(正規のキープレートを可動部材に差し込んだ状態)。
【図13】図12に於いて、固定部材の水平案内部とタンブラーの係合部との関係を示す概略説明図。
【図14】固定部材とタンブラーとの係脱関係を示す説明図(正規でないキープレートを可動部材に差し込んだ場合)。
【図15】図14に於いて、固定部材の係合溝とタンブラーの係合部との関係を示す概略説明図。
【図16】図17に於いて、タンブラーの係合部の位置を示す概略説明図。
【図17】施錠状態の場合におけるタンブラーの傾倒状態を示す概略説明図。
【図18】図17において、正規のキープレートを可動部材に差し込んだ場合のタンブラーの動きを示す概略説明図。
【図19】従来の可動部材とタンブラーの説明図。
【図20】鍵を錠本体に差し込んだ状態の概略説明図。
【図21】固定部材の係合溝とタンブラーの係合部との関係を示す概略説明図。
【図22】固定部材、可動部材、タンブラーの各関係を示す概略説明図。
【図23】鍵の係合部とタンブラーの摺動部との関係を示す概略説明図。
【符号の説明】
X…ケース類、Y…施解錠機構、2…ケース体、3…蓋体、5…取付金具、6…錠本体、7,7A…キープレート、8…キー挿入口、9…復帰バネ、10A…固定部材、12A…可動部材、12a…係合溝、13A…収容部、14A,14B…タンブラー、14b…摺動部、14d…バネ用嵌合穴、14c…係合部、14e…突起軸、15A,15B…弾発性部材、20…一端部開口、21…取付長孔、22…係止鉤、23…係合孔、25…開口、26…案内仕切壁部、27…案内区画部、28…中央切欠部、29…バネ用ベース部、30…切欠部、35…水平板部、36,36B…内壁面、40…固定部材本体、41…アンダープレート、41a…対向壁部、42…水平案内部、43…上方係合溝、44…下方係合溝。
Claims (7)
- 錠本体の固定部材10Aの内壁に沿って摺動する可動部材12Aと、この可動部材の区画された各貫通状収容部13Aにそれぞれ内装され、かつ、その一側面中央部が各弾発性部材15Aの端部にそれぞれ支持された状態でキープレート用案内区画部27側に常時当接するように付勢された複数個のタンブラー14Aとを備え、普通の状態では、各タンブラー14Aは各弾発性部材15Aのバネ力により浮上して可動部材12Aの移動を阻止し、正規のキープレート7を可動部材12Aに差し込んだ場合には、各タンブラー14Aはそれぞれ各弾発性部材15Aのバネ力に抗して水平状態に固定部材10Aの水平案内部42の位置までバランス良く水平下降し、一方、正規でないキープレート7Aを可動部材12Aに差し込んだ時は、少なくとも1つのタンブラー14Aは弾発性部材15Aを支点にシーソー式に傾倒し、当該タンブラー14Aの左右の係合部14c,14cは、固定部材10Aの水平案内部42に連通する係合溝に入り込むことを特徴とするケース類の錠本体の施解錠機構。
- 請求項1に於いて、正規でないキープレート7を可動部材12Aに差し込んだ時、シーソー式に傾倒した当該タンブラー14Aの左右の係合部14c,14cは、固定部材10Aを構成するアンダープレート41の上方係合溝43と下方係合溝44とにそれぞれ入り込むことを特徴とするケース類の錠本体の施解錠機構。
- 請求項1に於いて、タンブラー14Aの水平板部35の中央部には、可動部材12Aの案内仕切壁部26に形成した係合溝12aと係合する突起軸14eが形成されていることを特徴とするケース類の錠本体の施解錠機構。
- 請求項1に於いて、固定部材10Aは、錠本体6のフレームを形成する固定部材本体40と、この固定部材本体40の内に固定されたアンダープレート41とから成り、このアンダープレート41の左右の対向壁部41a,41aには水平案内部42と、この水平案内部42と連通する上方係合溝43並びに下方係合溝44がそれぞれ所要間隔を有して形成されていることを特徴とするケース類の錠本体の施解錠機構。
- 請求項1に於いて、タンブラー14Aは、上面に鍵違い用摺動部14bを有する水平板部35と、この水平板部35の両端部に連設し、かつ、固定部材10Aの係合溝43,44と係脱する左右の係合部14c,14cとを有し、前記水平板部35の下面中央部には、バネ用嵌合穴14dが形成されていることを特徴とするケース類の錠本体の施解錠機構。
- 錠本体の固定部材10Aの内壁に沿って摺動する可動部材12Aと、この可動部材の区画された各貫通状収容部13Aにそれぞれ内装され、かつ、その一側面中央部が各弾発性部材15Bの端部にそれぞれ支持された状態でキープレート用案内区画部27側に常時当接するように付勢された複数個のタンブラー14Bとを備え、普通の状態では、各タンブラー14Bは各弾発性部材15Bのバネ力により傾倒状態で浮上して可動部材12Aの移動を阻止し、正規のキープレート7を可動部材12Aに差し込んだ場合には、各タンブラー14Bはそれぞれ各弾発性部材15Bのバネ力に抗して水平状態に固定部材10Aの水平案内部42の位置までバランス良く下降し、一方、正規でないキープレート7Aを可動部材12Aに差し込んだ時は、少なくとも1つのタンブラー14Bは弾発性部材15Bを支点に相変わらず傾倒状態のままであり、当該タンブラー14Bの左右の係合部14c,14cは、固定部材10Aの水平案内部42に連通する係合溝に係合していることを特徴とするケース類の錠本体の施解錠機構。
- 請求項6に於いて、タンブラー14Bの中心部に形成されたバネ用嵌合孔14dは凹所状であり、弾発性部材15Bに支持されているタンブラー14Bの凹所状の内壁面36Bは、バネ用ベース部材29に対して傾斜状に形成されていることを特徴とするケース類の錠本体の施解錠機構。
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