JP4163520B2 - 水系紫外線吸収性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

水系紫外線吸収性樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性に優れた塗膜を得ることができる水系紫外線吸収性樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、建造物の美観を長期間維持するための建築用塗料、近年のコンピューター印刷の発達から増加している屋外広告用のプラスチックフィルムのフィルムコーティング用塗料、環境問題を考慮して農業用フィルムの耐久年数を向上させるためのフィルムコーティング用塗料などの塗料には、各種性能が求められているが、なかでも耐候性については特に重要であると考えられ、より高いレベルの耐候性を実現しうる塗料が要望されている。また、近年は、環境問題等の観点から水系塗料が主流となっており、水系の樹脂を使用した塗料であることが求められる条件の一つとなっている。
【0003】
耐候性を向上させる方法としては、例えば、樹脂の共重合成分の一つとして紫外線安定性モノマーおよび/または紫外線吸収性モノマーを用いるようにする方法が知られており、該方法を利用した水系の塗料としては、例えば、特定の(メタ)アクリル酸エステルとピペリジル基を有するエチレン性不飽和単量体および/または紫外線吸収基を有するエチレン性不飽和単量体との共重合体を含有する水性被覆材が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、水系塗料に用いる樹脂は、エマルションの形態であることが好ましいことから、従来、前述のような共重合成分の一つとして紫外線安定性モノマーおよび/または紫外線吸収性モノマーを用いた共重合体の製造は、乳化剤を用いた乳化重合法により得るのが一般的であった。しかしながら、乳化剤を用いて重合すると、塗料とする組成物中に乳化剤が残存することとなり、このため、得られる塗膜の耐水性が低下したり、乳化剤のブリージングが生じやすくなったりするという問題を招くことがあった。また、従来の乳化重合法においては、通常固体である紫外線安定性モノマーおよび/または紫外線吸収性モノマーを単量体混合物もしくは水に溶解させる必要があるが、単量体混合物中での紫外線安定性モノマーおよび/または紫外線吸収性モノマーの溶解性は低く、しかも水には不溶であるため、これらの添加量が制限されることとなり、さらなる耐候性の向上は望めないのが実情であった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−226771号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、より優れた耐候性を発現するとともに、耐水性の低下やブリージングを招く恐れのない塗膜を得ることができる水系紫外線吸収性樹脂組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するべく、鋭意検討を行った。その結果、3級アミンモノマー、カルボキシル基含有モノマーおよび紫外線吸収性モノマーという特定の組み合わせの単量体成分においては、水溶性溶剤中で重合させることができ、該重合によれば乳化剤を用いる必要がないこと、しかも、該重合では水溶性溶剤を用いることによってさらに多くの紫外線吸収性モノマーを溶解させることができるので、その配合量を格段に増加させることが可能となること、さらに、前記単量体成分を水溶性溶剤中で重合させて得られた重合体が有するカルボキシル基の少なくとも一部を中和した状態にしておくことにより、乳化剤の非存在下でも水性化(水溶性化またはエマルション化)が可能になり、水系樹脂組成物とすることができること、を見出し、これらの知見より本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明にかかる水系紫外線吸収性樹脂組成物は、3級アミンモノマー由来の構造単位、カルボキシル基含有モノマー由来の構造単位、および紫外線吸収性モノマー由来の構造単位を有する重合体と水とを必須とする樹脂組成物であって、前記重合体は、分子量が2,000〜500,000で、乳化剤を用いない重合により得られたものであり、前記3級アミンモノマーは、N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N’−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびN,N’−ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種または2種以上であり、前記紫外線吸収性モノマー由来の構造単位を有する重合体の全構造単位中に占める含有量は10〜50wt%であり、かつ前記カルボキシル基含有モノマー由来の構造単位はそのカルボキシル基のうちの少なくとも一部が中和された状態となっている、ことを特徴とする。
本発明にかかる水系紫外線吸収性樹脂組成物の製造方法は、3級アミンモノマー、カルボキシル基含有モノマーおよび紫外線吸収性モノマーを必須とする単量体成分を、水溶性溶剤中で重合した後、水を添加するようにする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物は、3級アミンモノマー由来の構造単位、カルボキシル基含有モノマー由来の構造単位、および紫外線吸収性モノマー由来の構造単位を有する重合体(以下、「重合体(X)」と称することもある。)を必須とするものである。
前記3級アミンモノマーとしては、例えば、N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N’−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N’−ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら3級アミンモノマーは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0009】
前記重合体(X)を構成する全構造単位中に占める前記3級アミンモノマー由来の構造単位の含有量は、1〜10重量%とすることが好ましい。1重量%未満であると、該構造単位によって発現されると考えられる低温硬化性が不充分となる恐れがあり、一方、10重量%を越えると、耐候性が不充分となる恐れがある。なお、3級アミンモノマー由来の構造単位の含有量を前記範囲とするには、後述する単量体成分中の3級アミンモノマーの割合を前記範囲とすればよい。
前記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、カルボキシル基含有カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、カルボキシル基末端カプロラクトン変性(メタ)アクリレート(市販品では、例えば、「プラクセルFMAシリーズ」ダイセル化学工業(株)製など)等が挙げられる。これらカルボキシル基含有モノマーは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0010】
前記重合体(X)を構成する全構造単位中に占める前記カルボキシル基含有モノマー由来の構造単位の含有量は、2〜20重量%とすることが好ましい。2重量%未満であると、乳化剤の非存在下で水性化(水溶性化またはエマルション化)することができず、水系樹脂組成物とすることが困難になる恐れがあり、一方、20重量%を越えると、耐候性が不充分となる恐れがある。なお、カルボキシル基含有モノマー由来の構造単位の含有量を前記範囲とするには、後述する単量体成分中のカルボキシル基含有モノマーの割合を前記範囲とすればよい。
前記紫外線吸収性モノマーとしては、例えば、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(市販品では、例えば、「RUVA−93」大塚化学(株)製など)、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチル−3’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−5−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3’−t−ブチルフェニル]−4−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収性単量体;2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ]プロポキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ビニルオキシカルボニルメトキシベンゾフェノン等のベンゾトリフェノン系紫外線吸収性単量体;2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジン等のトリアジン系紫外線吸収性単量体;等が挙げられる。これら紫外線吸収性モノマーは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0011】
前記重合体(X)を構成する全構造単位中に占める前記紫外線吸収性モノマー由来の構造単位の含有量は、0.1〜60重量%とすることが好ましく、より好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜50重量%とするのがよい。0.1重量%未満であると、紫外線遮蔽能力が不足して、塗布された基材の紫外線劣化を充分に防ぐことができなくなり、一方、60重量%を越えると、得られる塗膜の可とう性が低下したり、他の成分(後述するエポキシ化合物および/またはオキサゾリン基含有化合物や添加剤など)との相溶性が悪くなる恐れがある。なお、紫外線吸収性モノマー由来の構造単位の含有量を前記範囲とするには、後述する単量体成分中の紫外線吸収性モノマーの割合を前記範囲とすればよい。
【0012】
前記重合体(X)は、前記必須となる構造単位のほかに、紫外線安定性モノマー由来の構造単位をも有することが好ましい。
前記紫外線安定性モノマーとしては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。また、紫外線安定性モノマーの市販品としては、例えば、「アデカスタブLA−82」や「アデカスタブLA−87」(以上、旭電化工業(株)製)、「FA−711MM」や「FA−712HM」(以上、日立化成工業(株)製)等がある。これら紫外線安定性モノマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0013】
前記重合体(X)が紫外線安定性モノマー由来の構造単位をも有する場合、前記重合体(X)を構成する全構造単位中に占める前記紫外線安定性モノマー由来の構造単位の含有量は、特に制限されないが、0.1〜30重量%とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%とするのがよい。0.1重量%未満であると、得られる塗膜の耐久性向上効果が小さくなり、一方、30重量%を越えると、得られる塗膜の耐水性が低下する恐れがある。なお、紫外線安定性モノマー由来の構造単位の含有量を前記範囲とするには、後述する単量体成分中の紫外線安定性モノマーの割合を前記範囲とすればよい。
【0014】
前記重合体(X)は、さらに必要に応じて、前記必須となる構造単位と紫外線安定性モノマー由来の構造単位のほかに、前記各モノマー(3級アミンモノマー、カルボキシル基含有モノマー、紫外線吸収性モノマー)と共重合可能な他のモノマー由来の構造単位を有するものであってもよい。
前記共重合可能な他のモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、以下のものが挙げられる。
1)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート(市販品では、例えば、「AAEM」イーストマン製など)、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;
2)酢酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;
3)ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート等の珪素含有モノマー類;
4)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタドデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、β−(パーフロロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェノール3EO付加(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート等のハロゲン含有モノマー類;
5)(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート硫酸塩、モルホリンEO付加(メタ)アクリレート、N−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルサクシンンイミド、N−ビニルメチルカルベメート、N,N−メチルビニルアセトアミド、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の窒素含有モノマー類;
6)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#600ジ(メタ)アクリレート、14−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−13−ジ(メタ)アクリロキシプロパンジ(メタ)アクリレート、2、2−ビス[4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2、2−ビス[4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、2、2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパンジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー類;
7)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニル−n−プロピルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニル−n−アミルエーテル、ビニルイソアミルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニル−n−オクタデシルエーテル、シアノメチルビニルエーテル、2、2−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、2−クロルエチルビニルエーテル、β―ジフルオロメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ジビニルエーテル、ジビニルアセタール等のビニルエーテル類;
8)グリシジルアクリレート、α−メチルグリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(市販品では、例えば、「CYCLOMER A200」ダイセル化学工業(株)製など)、グリシジルメタクリレート、α−メチルグリシジルメタクリレート(市販品では、例えば、「M-GMA」ダイセル化学工業(株)製など)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(市販品では、例えば、「CYCLOMER M100」ダイセル化学工業(株)製など)等のエポキシ基含有モノマー類;
9)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(市販品では、例えば、「プラクセルF」シリーズ、ダイセル化学工業(株)製など)等の水酸基含有モノマー類;
10)スルホエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェード等の酸性官能基含有モノマー類;
前記重合体(X)が前記他のモノマー由来の構造単位をも有する場合、前記重合体(X)を構成する全構造単位中に占める前記他のモノマー由来の構造単位の含有量は、前記必須モノマーおよび紫外線安定性モノマー由来の構造単位の割合が前記範囲となるよう適宜設定すればよく、特に制限されない。なお、他のモノマー由来の構造単位の含有量を所望の範囲に設定するには、後述する単量体成分中の他のモノマーの割合を該所望の範囲とすればよい。
【0015】
本発明において、前記重合体(X)は、乳化剤を用いない重合により得られたものであることが重要である。これは、乳化剤を用いると、耐水性の低下やブリージングを招く恐れが生じるからである。乳化剤を用いない重合としては、例えば、本発明の製造方法として後述するような水溶性溶剤中での重合が挙げられる。
本発明においては、前記重合体(X)が有する前記カルボキシル基含有モノマー由来の構造単位は、そのカルボキシル基の少なくとも一部が中和された状態となっていることが重要である。これにより、乳化剤の非存在下でも水性化(水溶性化またはエマルション化)が可能となり本発明の樹脂組成物は水系の樹脂組成物となるのである。好ましくは、カルボキシル基含有モノマー由来の構造単位のカルボキシル基のうちの25モル%以上が中和されていることが好ましい。なお、本発明において、前記カルボキシル基が中和された状態とは、重合体(X)が分子内または分子間で自己中和している状態、すなわち重合体(X)が有する3級アミンモノマー由来の構造単位中のアミノ基等によって前記カルボキシル基が中和されている状態をも含むものとする。
【0016】
前記重合体(X)の数平均分子量(Mn)は、特に制限されないが、好ましくは2,000〜500,000、より好ましくは4,000〜300,000、さらに好ましくは5,000〜200,000であるのがよい。なお、本発明における数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定されるポリスチレン標準の値であるものとする。
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物における前記重合体(X)の含有量は、特に制限されないが、組成物中1〜60重量%とすることが好ましい。
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物は、水系の樹脂組成物であるので、前記重合体(X)とともに、水を必須とする。
【0017】
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物における水の含有量は、特に制限されるものではなく、前記重合体(X)や後述するエポキシ化合物および/またはオキサゾリン基含有化合物が所定の含有量になるように適宜設定すればよい。
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物は、さらにエポキシ化合物および/またはオキサゾリン基含有化合物をも必須とすることが好ましい。前記重合体(X)は、エポキシ化合物および/またはオキサゾリン基含有化合物と共存させることにより、硬化性を発現し、塗料等の用途に使用できることとなる。
前記エポキシ化合物としては、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、特に制限されるものではない。具体的には、例えば、ソルビトールポリグルシジルエーテル、ソルビタンポリグルシジルエーテル、ポリグリセロールポリグルシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグルシジルエーテル、ジグリセロールポリグルシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグルシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグルシジルエーテル、レソルシンジグルシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグルシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグルシジルエーテル、エチレングリコールジグルシジルエーテル、ポリエチレングリコールジポリグルシジルエーテル、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂等が挙げられる。これらエポキシ化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0018】
前記オキサゾリン基含有化合物としては、1分子中に少なくとも1個以上のオキサゾリン基を有する化合物であれば、特に制限されるものではない。具体的には、例えば、2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン誘導体;前記オキサゾリン誘導体のホモポリマーもしくはコポリマー;等が挙げられる。これらオキサゾリン基含有化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0019】
なお、前記オキサゾリン誘導体と該誘導体以外の他の単量体とが共重合されてなる前記オキサゾリン誘導体のコポリマーにおいて、前記オキサゾリン誘導体以外の他の単量体としては、前記オキサゾリン誘導体と共重合可能で、かつオキサゾリン基に対して不活性なものであれば、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸とポリプロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールとのモノエステル化物、(メタ)アクリル酸2−アミノエチルまたはその塩、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン変性物、(メタ)アクリル酸−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、(メタ)アクリル酸−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム等の(メタ)アクリル酸塩;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン含有α,β−不飽和脂肪族炭化水素類;スチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム等のα,β−不飽和芳香族炭化水素類;等が挙げられる。これら前記オキサゾリン誘導体以外の他の単量体の中でも特に、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが、より優れた硬化性を発現させうる点から好ましい。また、耐候性の点では、(メタ)アクリル酸−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンや(メタ)アクリル酸−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンが好ましい。また、前記オキサゾリン誘導体のコポリマーにおける前記オキサゾリン誘導体由来の構造単位の割合は、5重量%以上であるのがよい。
【0020】
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物における前記エポキシ化合物および/またはオキサゾリン基含有化合物の含有量は、特に制限されないが、組成物中1〜50重量%とすることが好ましい。
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物は、水溶性溶剤を含有するものであってもよい。
前記水溶性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(市販品では、例えば「PGM」クラレ製など)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(市販品では、例えば「PE」クラレ製など)、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル(市販品では、例えば「PTB」クラレ製など)、3−メチル−3−メトキシブタノール(市販品では、例えば「ソルフィット」クラレ製など)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(市販品では、例えば「D−PGM」クラレ製など)、アセトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これら水溶性溶剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0021】
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物における水溶性溶剤の含有量は、特に制限されるものではなく、前記重合体(X)やエポキシ化合物および/またはオキサゾリン基含有化合物が所定の含有量になるように適宜設定すればよい。
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、流動調整剤、金属不活性化剤、過酸化物分解剤、充填剤(例えば、シリカ、タルクなど)、カップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤など)、補強剤、可塑剤、潤滑剤、防曇剤、防食剤、防錆剤(例えば、亜鉛、リン酸アルミニウム、アミノカルボン酸など)、抗菌剤(例えば、銀系抗菌剤、ゼオライト系抗菌剤、第4級アンモニウム塩系抗菌剤など)、有機防炎剤、無機防炎剤、静電防止剤、防カビ剤、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、耐熱安定剤、顔料(例えば、酸化チタン、カーボンブラック、黄鉛、三酸化アンチモン、モリブデートオレンジ、亜鉛華、紺青、リトポン、カドミウム系顔料、鉛白、複合酸化物顔料、モリブテン、環式高級顔料、ベンガラ、溶性アゾ顔料、黄色酸化鉄、銅フタロシアニン顔料、黄華など)等の添加剤を含有するものであってもよい。これら添加剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0022】
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物により形成される塗膜は、紫外線吸収層となって優れた耐候性を発揮することができる。このとき、塗膜(紫外線吸収層)の膜厚は特に制限されないが、より優れた耐候性を発揮させることを考慮すると、紫外線吸収層100gを形成するのに要する樹脂組成物中の前記重合体(X)に含まれる紫外線吸収性モノマー成分量(g)(樹脂組成物中に存在する量の前記重合体(X)を得る際に用いた紫外線吸収性モノマーの量(g))と膜厚(μm)との積が、1〜5000の範囲、好ましくは10〜2500の範囲、より好ましくは100〜1500の範囲となるように、膜厚を設定することが望ましい。前記積が1未満であると、紫外線遮蔽能が不足する傾向があり、一方、5000を超えると、膜厚が大きくなりすぎて不経済であったり、クラックが生じやすくなる恐れがある。
【0023】
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物は、水系の樹脂組成物であり、しかも優れた耐候性を発揮するものであるので、例えば、一般的な塗料やフィルムコーティング等の用途において、好適に用いることができる。
本発明の紫外線吸収性樹脂組成物は、以下に説明する本発明の製造方法によって容易に得ることができる。
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物の製造方法は、前記3級アミンモノマー、前記カルボキシル基含有モノマーおよび前記紫外線吸収性モノマーを必須とする単量体成分を重合するものである。前記単量体成分としては、前記3級アミンモノマー、前記カルボキシル基含有モノマーおよび前記紫外線吸収性モノマーを必須とするとともに、さらに前述した紫外線安定性モノマーをも含有することが好ましく、さらに必要に応じて前述した他のモノマーを含有するものであってもよい。なお、前記単量体成分における各モノマーの含有量については、前述した各モノマー由来の構造単位の含有量と同様の範囲とすればよい。
【0024】
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物の製造方法においては、前記単量体成分を水溶性溶剤中で重合することが重要である。水溶性溶剤中での重合では乳化剤を用いる必要がないので、乳化剤を用いることのない重合が可能となり、これにより、得られる樹脂組成物は、耐水性の低下やブリージングを招く恐れのない塗膜を形成することができるものとなるのである。したがって、本発明の製造方法における水溶性溶剤中での重合は、乳化剤を用いることなく行うものである。また、水溶性溶剤中での重合によれば、紫外線吸収性モノマーの配合量を格段に増加させることが可能となるので、得られる樹脂組成物中の重合体は紫外線吸収性モノマー由来の構造単位の含有量が極めて高いものとなり、得られる塗膜の耐候性を著しく向上させて、塗布された基材の紫外線劣化を効果的に防ぐことができる。従来の乳化剤を用いた水中での乳化重合によれば、得られる樹脂組成物中の重合体における紫外線吸収性モノマー由来の構造単位の含有量は、全構造単位中30重量%程度が上限となるが、本発明においては、前述のように60重量%程度まで上げることができる。
【0025】
前記水溶性溶剤としては、本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物の任意成分として前述したものと同様のものが挙げられる。水溶性溶剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記単量体成分と前記水溶性溶剤との使用割合は、特に制限されないが、単量体成分/水溶性溶剤(重量比)=80/20〜20/80とすることが好ましい。前記重合は、従来公知の開始剤を用いて行うことができる。具体的には、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(市販品では、例えば「ABN−E」日本ヒドラジン工業(株)製など)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(市販品では、例えば「AIBN」日本ヒドラジン工業(株)製など)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(市販品では、例えば「ABN−V」日本ヒドラジン工業(株)製など)等のアゾ系開始剤;
ベンゾイルパーオキサイド(市販品では、例えば「ナイパーBW」日本油脂(株)製など)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(市販品では、例えば「パーヘキサ3M」日本油脂(株)製など)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(市販品では、例えば「パーブチルO」日本油脂(株)製など)等のパーオキサイド系開始剤;等の開始剤を用いることができる。
【0026】
前記重合の際の反応条件については、特に制限されるものではなく、適宜設定すればよいが、例えば、反応温度は40〜200℃とすることが好ましい。また、反応は、加圧下、減圧下、常圧下のいずれで行ってもよい。前記重合は、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物の製造方法においては、前記重合後、水を添加するようにする。水の添加量は、特に制限されるものではなく、樹脂組成物の樹脂固形分(すなわち前述した本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物中の重合体(X)の含有量)が所望の範囲となるように、適宜設定すればよい。
【0027】
本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物の製造方法においては、前記重合後、中和処理を施すようにすることが好ましい。これは、前記重合で得られた重合体(X)が有するカルボキシル基のうちの少なくとも一部を中和された状態にするための処理であり、これにより、得られる樹脂組成物は、乳化剤を含まないが、水系の樹脂組成物となるのである。なお、重合条件などによっては、前述したように、重合体(X)が分子内または分子間で自己中和している状態となっていることがあり、該中和処理を施す必要がない場合もある。
前記中和の方法としては、特に制限はなく、例えば、アンモニア、アルカリ金属化合物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、有機アミン類(例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなど)等の中和剤を添加することにより行うことができる。中和剤の使用量としては、カルボキシル基含有モノマーの使用量に対して5〜110モル%とすることが好ましく、特に、前述した自己中和が全く起こっていない場合には25〜110モル%とすることが好ましい。なお、中和の際の諸条件(温度等)については、特に制限はなく、適宜設定すればよい。
【0028】
なお、本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物の製造方法においては、前記重合後、重合に用いた水溶性溶剤の一部もしくは全部を除去するようにしてもよいし、逆に、水とともにさらに前記水溶性溶剤の1種または2種以上を添加して所望の樹脂固形分になるように調整するようにしてもよい。また、本発明の水系紫外線吸収性樹脂組成物の製造方法においては、前述した添加剤を適宜添加するようにしてもよい。
【0029】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
(実施例1−1)
攪拌機、滴下口、温度計、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた500ミリリットルのフラスコに、イソプロピルアルコール65gを仕込み、窒素ガスを導入し攪拌しながら80℃に加熱した。該フラスコに、単量体成分として、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール10g、ブチルメタクリレート20g、ブチルアクリレート30g、メチルメタクリレート32g、メタクリル酸5g、およびN,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート3gと、開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4gとの混合物を、4時間かけて滴下し、滴下終了後さらに2時間同温度を維持して反応させた。その後、40℃まで冷却し、中和剤として25%アンモニア水1gと、樹脂固形分(ポリマー分)が30重量%になるように決定した量の希釈水とを添加し、前記樹脂固形分の重合体溶液(樹脂組成物)を得た。該重合体溶液中の重合体の数平均分子量は5700であった。
【0030】
(実施例1−2〜1−6および比較例1−1〜1−3)
単量体成分の種類と量、開始剤および中和剤の量、希釈水の量を決定する際の樹脂固形分(希釈水の量)を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、重合体溶液(樹脂組成物)を得た。但し、実施例1−2〜1−6においては、紫外線吸収性モノマー(下記UVA(1)、UVA(2))の使用量の60重量%分をイソプロピルアルコールとともに初めにフラスコに仕込むようにし、残りの40重量%を他の単量体成分と混合して滴下するようにした。得られた重合体溶液中の重合体の数平均分子量を表1に示す。なお、実施例1−1についても、表1に併せて示した。
【0031】
下記表1においては、以下の略号を用いた。
UVA(1):2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
UVA(2):2−[2’―ヒドロキシ−5’−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)−3’−t−ブチルフェニル]−4−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール
HALS(3):4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
HALS(4):1−メタクリロイル−4−メタクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
n−BMA:n−ブチルメタアクリレート
n−BA:n−ブチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
DAM:N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート
AAM:アクリルアミド
【0032】
【表1】
Figure 0004163520
【0033】
(比較例1−4)
攪拌機、滴下ロート、温度計、冷却管及び窒素ガス導入口を備えたセパラブルフラスコに、脱イオン水170.5gを仕込み、窒素ガスを導入し攪拌しながら70℃に加熱した。一方、滴下ロートに、単量体成分として、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール20g、ブチルアクリレート60g、ブチルメタクリレート37g、メチルメタクリレート54g、メタクリル酸9g、およびN,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート5gと、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩(「ハイテノールN−08」第一工業製薬社製)の20%水溶液50gと、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(「ノニポール200」三洋化成工業社製)の25%水溶液20gと、脱イオン水154.8gとからなる乳化物を仕込んだ。前記セパラブルフラスコの内温を70℃に維持しながら、前記乳化物と、5%過硫酸カリウム水溶液50gおよび2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40gとを、それぞれ別々に3時間かけてほぼ等速で滴下し、滴下終了後、76℃で3時間反応させた。得られた反応物(乳化物)を冷却し、25%アンモニア水3gを添加した後、100メッシュのステンレス金網で濾過を行い、乳化重合による重合体溶液(樹脂組成物)を得た。得られた樹脂組成物は、樹脂固形分(ポリマー分)が29.7重量%、pHが8.8、粘度が100mPa・sであるものであった。
【0034】
(比較例1−5)
実施例1−1と同様にして反応を行い、反応後、40℃まで冷却した。中和剤を添加することなく、樹脂固形分(ポリマー分)が30重量%になるように決定した量の希釈水を添加したが、樹脂固形分(ポリマー分)を均一に溶解させることができず、重合体溶液(樹脂組成物)は得られなかった。
(実施例2−1)
実施例1−1で得られた重合体溶液に、該重合体溶液の樹脂固形分10重量部に対して、樹脂固形分で1重量部の多官能エポキシ樹脂(「デナコールEX622」ナガセ化成工業(株)製)を添加、混合した。さらに、塗工可能な粘度になるようにシンナーを添加して、樹脂組成物を得た。
【0035】
得られた樹脂組成物を、片面に易接着処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(「E4100」東洋紡製、50μm)の処理面に、塗工機としてグラビアコーターを用いて乾燥膜厚5μmになるように塗布した。その後、熱風乾燥機中100℃で2分間乾燥した後、30℃で1週間放置して試験フィルムを得、得られた試験フィルムを下記の物性試験に供した。結果を表3に示す。
(実施例2−2〜2−6および比較例2−1〜2−4)
実施例1−1で得られた重合体溶液の代わりに、実施例1−2〜1−6、比較例1−1〜1−4で得られた各重合体溶液を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、樹脂組成物を得た。
【0036】
得られた樹脂組成物を、塗工機および乾燥膜厚を表2に示すように変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして、試験フィルムを得、得られた試験フィルムを下記の物性試験に供した。結果を表3に示す。
【0037】
【表2】
Figure 0004163520
【0038】
<耐候性試験>
試験装置として、275nm以下の波長領域を遮蔽するフィルターを備えた超エネルギー照射試験器(「UE−1DEC型」スガ試験器(株)製)を用い、UV照射強度を約100mW/cm2として、ブラックパネル温度70℃・湿度50%Rhの状態を10時間保持する照射過程と、ブラックパネル温度50℃・湿度96%Rhの状態を2時間保持する湿潤過程とを合わせて1サイクルとする照射−湿潤サイクルを15サイクル繰り返す促進試験に試験フィルムを供した。
1)促進試験前後の密着性;試験フィルムにおける基材と樹脂組成物層との密着性を次のようにして評価した。すなわち、試験フィルムの樹脂組成物層上に粘着テープ(「CT405−24」ニチバン(株)製)を圧着させた後、該粘着テープを180度方向に強制剥離しときの樹脂組成物層の剥離度合いを観察し、下記のように評価した。
◎:剥離無し、○:僅かに点剥離あり、×:剥離面積が10%以上である
2)外観;促進試験前後の試験フィルムの外観を目視で観察し、下記のように評価した。
◎:試験前後で変化無し、○:試験後クラックの発生はないが、僅かな黄変あり、×:試験後クラックが発生
3)ヘイズ値(%);日本電色製ヘイズメーターを用い、JIS−K−6714に準じて、促進試験後のフィルムヘイズ値を測定した。
【0039】
<耐溶剤性>
得られた試験フィルムの樹脂組成物層上を、メチルエチルケトンをしみこませた脱脂綿で50回ラビングした後の表面状態を目視にて観察し、下記のように評価した。
◎:変化無し、○:僅かに変化あり、×:塗膜が溶解消失している
<耐温水性>
JIS−K−5400−1990.8.20に準じ、得られた試験フィルムを40℃の温水中で10日間の試験に供した後、塗膜の割れ、剥がれ、白化、変色等の発生状態を目視にて観察し、下記のように評価した。
◎:変化無し、×:塗膜の割れ、剥がれ、白化、変色等の発生あり
【0040】
【表3】
Figure 0004163520
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、より優れた耐候性を発現するとともに、耐水性の低下やブリージングを招く恐れのない塗膜を得ることができる水系紫外線吸収性樹脂組成物およびその製造方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. 3級アミンモノマー由来の構造単位、カルボキシル基含有モノマー由来の構造単位、および紫外線吸収性モノマー由来の構造単位を有する重合体と水とを必須とする樹脂組成物であって、
    前記重合体は、分子量が2,000〜500,000で、乳化剤を用いない重合により得られたものであり、前記3級アミンモノマーは、N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N’−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびN,N’−ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種または2種以上であり、前記紫外線吸収性モノマー由来の構造単位を有する重合体の全重合単位中に占める含有量は10〜50wt%であり、かつ前記カルボキシル基含有モノマー由来の構造単位はそのカルボキシル基のうちの少なくとも一部が中和された状態となっている、
    ことを特徴とする水系紫外線吸収性樹脂組成物。
  2. さらにエポキシ化合物および/またはオキサゾリン基含有化合物をも必須とする、請求項1に記載の水系紫外線吸収性樹脂組成物。
  3. 3級アミンモノマー、カルボキシル基含有モノマーおよび紫外線吸収性モノマーを必須とする単量体成分を、水溶性溶剤中で重合した後、水を添加するようにする、請求項1または2に記載の水系紫外線吸収性樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記重合後、中和処理を施すようにする、請求項3に記載の水系紫外線吸収性樹脂組成物の製造方法。
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