JP4153998B2 - プロスタグランジン類の製造方法 - Google Patents

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Description

[技術分野]
本発明は広汎な生理活性を有するプロスタグランジン類及びその中間体を容易に効率良く且つ工業的にも有利に製造する方法に関する。
[背景技術]
天然プロスタグランジン類は特異な構造を有し、微量で広い範囲にわたる生理活性を示す化合物として知られており、多くの有機合成化学者の興味を引いたことや、さらに詳細な生物活性の研究を行なうため天然から大量に得ることが困難である天然プロスタグランジン類を純粋に有機化学的に大量合成することが望まれたこと、更に、天然プロスタグランジン類は構造上数多くの類縁体が合成可能であり、これらのプロスタグランジン類縁体は医薬品開発の面から興味がもたれたことなどの理由から、数多くの合成研究が行なわれてきた。
プロスタグランジン類の代表的な製造法の1つに、α,β−不飽和シクロペンテノンに有機金属試薬を作用させてオメガ側鎖を導入する方法がある。なかでも、目的のオメガ側鎖構造を有するビニルスズ化合物もしくは対応するビニルヨウ化物をビニル銅錯体に変換し、α,β−不飽和シクロペンテノンに共役付加を行なう方法(USP 4,777,275[特開昭63−316786]、USP 4,543,421[特公昭63−44743])等は良く知られた方法である。典型的には、ビニルスズ化合物は原料化合物である末端アルキン化合物が有する遊離の水酸基に、トリアルキルシリル基等の酸に不安定な保護基付加を行なった後、スズハイドライド化合物をラジカル反応条件下で作用させて製造する(USP 4,087,447[特開昭53−108929])。ビニルヨウ化物への変換はこのビニルスズ化物にヨウ素を作用させることによって行なわれる。得られたビニルスズ化合物もしくは対応するビニルヨウ化物にアルキル金属試薬を反応させてビニル金属化合物とし、次いで銅(I)塩を加えてビニル銅錯体を生成させる。ここに、α,β−不飽和シクロペンテノンを加えて1,4−共役付加生成物を得る。ビニルヨウ化物を得るにはビニルスズ化合物から更に1工程経なければならず、ビニルスズ化合物とビニルヨウ化物に反応性の差がないため、ビニルヨウ化物にまで誘導する顕著な利点はない。従って、ビニルスズ化合物からビニル金属化合物を経由する方が有利であるが、上述の方法でビニルスズ化合物を製造する際、幾何異性体が副生するという好ましくない問題がある。
[発明の開示]
天然型プロスタグランジン及び多くのプロスタグランジン類縁体は13,14位に二重結合を有し、その幾何配置は(E)−配置という構造上の特徴があるが、この特徴的な立体を構築するには目的のオメガ側鎖構造を有する(E)−ビニルスズ化合物が必要である。従来のビニルスズ化合物製造法、すなわちヒドロキシ−1−アルキン類の水酸基を保護した後、スズハイドライド化合物を反応させる方法では、幾何異性体である(Z)−ビニルスズ化合物が約20%程度副生し(USP 4,543,421[特公昭63−44743])、しかも、得られる(E)−及び(Z)−ビニルスズ化合物の幾何異性体混合物はシリカゲルカラムクロマトグラフィー手法または精留による分離操作によっても分離は非常に困難である。従って、従来法では極低収率ながらも単離して使用するか、幾何異性体混合物のまま反応に使用されることになる。後者の場合、反応後の共役付加生成物に望まない幾何異性体が必然的に共存することとなり、しかも、得られる(13E)−体とその幾何異性体である(13Z)−体はシリカゲルカラムクロマトグラフィーでは分離が非常に困難であり、低収率となる原因になる。
また、ヒドロキシ−1−アルキン類への保護基の導入は最終的にプロスタグランジン類を生成させる脱保護工程の収率にも影響を及ぼす。この脱保護試薬には酸水溶液等が用いられるが、プロスタグランジン類は酸に不安定なため、より酸の使用を少なくする反応条件が好ましい。
幾何異性の問題を解決する方法として、ジルコニウム化合物を使用する選択的(E)−体合成法が開発されている(B. H. Lipshutzら、J. Am. Chem. Soc., 112巻, 7440頁, 1990年)。つまり、オメガ側鎖を構成する末端アルキン化合物とジルコノセン試薬より、(E)−アルケニルジルコニウム中間体をつくり、ここにアルキルリチウム及び銅試薬を反応させることによって銅酸塩中間体を生成させ、この銅酸塩中間体とα,β−不飽和シクロペンテノンを反応させてプロスタグランジン類の中間体の合成を行なっている。しかしながら、ジルコノセン試薬は高価であり、且つ大量に入手することは困難である。しかも、原料となる末端アルキン化合物の製造段階に水酸基の保護工程は含まれており、この方法においてもプロスタグランジン類を製造することは工業的に好ましくない。
オメガ側鎖化合物の水酸基の保護を必要とせず、幾何異性の問題も解決した方法としては、J. R. Behlingらが開発した(E)−ビス(トリブチルスタニル)エチレンから出発する方法がある(Tetrahedron Letters, 30巻, 27-30頁, 1989年. US 5,075,478)。この製造法は(E)−ビス(トリブチルスタニル)エチレンに別途調製した2−チエニルシアノ銅酸リチウムを作用させてビニルスタナン銅錯体とし、これとエポキシド、アルデヒドあるいはケトンを反応させて、反応系内でオメガ側鎖に対応するアルコキシビニルスタナンを生成させ、更にアルキルリチウム試薬を加えてビニルリチウム錯体とし、ここへ、別途調製した有機銅試薬を加えたのちα,β−不飽和シクロペンテノンと反応させてプロスタグランジン類の中間体の合成を行なっている。この方法によればワンポットでプロスタグランジン類の中間体の合成を達成できるが、原料である(E)−ビス(トリブチルスタニル)エチレンは以下に述べる2工程を経て製造しなければならない。つまり、アセチレンをリチウムアセチリドとした後に塩化トリブチルスズと反応させてトリブチルエチニルスタナンを得、これと水素化トリブチルスズを反応させることによって(E)−ビス(トリブチルスタニル)エチレンを得る方法である(J. Org. Chem., 46巻, 5221頁, 1981年)。上述の(E)−ビス(トリブチルスタニル)エチレンから出発するプロスタグランジン中間体製造法における一連の反応操作はかなり複雑で、相当な熟練をもってしても再現性ある安定的製造を期待することが出来ない。しかも、収率は30〜68%程度と満足できるものではない。よって、この方法もプロスタグランジン類の好ましい工業的製造法とは言えない。
従って、本願が解決しようとする課題は、プロスタグランジン類及びその中間体を簡単に効率よく、工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
本発明者らはかかる欠点を克服すべく鋭意研究した結果、合成経路(I)に示す工程によってプロスタグランジン類を工業的に有利に製造する方法を発明するに至った。
すなわち、式(II)で示されるヒドロキシ−1−アルキン類を式(III)で示されるスズハイドライド化合物と反応させ、式(IV)の(E,Z)−ヒドロキシビニルスズ化合物を得た後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて(E)−体と(Z)−体の分離を行ない、式(V)の(E)−ヒドロキシビニルスズ化合物を得る。次に(E)−ヒドロキシビニルスズ化合物のスズ部位を活性銅部位に、水酸基の水素をリチウムにそれぞれ変換した式(VI)のビニル銅錯体を生成させ、式(VII)のα,β−不飽和シクロペンテノンと1,4−共役付加反応を行なうことによって式(VIII)で表されるプロスタグランジン類中間体を得る。最後に、酸による脱保護工程を経由することによって式(I)のプロスタグランジン類を製造する方法である。
Figure 0004153998
上記合成経路(I)によるプロスタグランジン類の製造方法には次のような特徴点が挙げられる。
▲1▼式(II)で示されるオメガ側鎖の原料化合物であるヒドロキシ−1−アルキン類は水酸基の保護なしでも、式(IV)で示されるヒドロキシビニルスズ化合物へ変換される。
▲2▼式(IV)で示されるスズ化合物は保護基付加されたスズ化合物の場合とは異なり、クロマトグラフィー手法により(E)−体と(Z)−体を効率良く分離することができるため、望む式(V)の(E)−配置を有するヒドロキシビニルスズ化合物を収率良く得ることができる。
▲3▼(E)−ヒドロキシビニルスズ化合物を式(VI)で示されるビニル銅錯体に変換させ、次いで式(VII)のα,β−不飽和シクロペンテノンと1,4−共役付加反応を行なうことによって式(VIII)で表されるプロスタグランジン類中間体が高収率で得られる。この場合、式(V)で表されるヒドロキシビニルスズ化合物を式(VI)で表されるビニル銅錯体に変換するために加える試薬のうちアルキルリチウム試薬に関しては、スズ部位を活性銅部位とするための必要量と遊離の水酸基の水素を金属交換するための少なくともスズ化合物に対する当量との総量を添加する。水酸基の水素がリチウムで交換されている部位は式(VII)のα,β−不飽和シクロペンテノンと反応せず、後処理段階で容易に水酸基に戻る。このように、遊離の水酸基を有するオメガ側鎖の原料化合物を用いて、銅酸錯体形成の段階でスズ化合物に対して少なくとも当量分のアルキルリチウム試薬を過剰に添加する条件で、共役付加反応は収率良く進行する。
▲4▼式(VIII)で示されるプロスタグランジン類中間体は酸で処理することによって、容易に11位の水酸基の脱保護が進行する。水酸基の保護基が11位とオメガ側鎖部にある場合と比較し、はるかに高い収率でプロスタグランジン類が得られる。
本発明により、プロスタグランジン類及びその中間体を簡便に効率良く、工業的有利に製造することができた。
[発明の実施の形態]
本発明による下記式(I)
Figure 0004153998
(式中、Aはエチレンまたは(Z)−ビニレンであり、XはCH2OR2またはCO22であり、R2は炭素数1から5個のアルキル基、Hまたは保護基であり、Rω(OH)は2級あるいは3級の水酸基を有する炭素数4〜10個の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基であり、水酸基の立体配置はR体、S体又はR体とS体の混合物であり、分枝鎖の立体配置はR体、S体又はR体とS体の混合物である。また、式(I)の立体は相対立体配置を表し、光学活性体であるかラセミ体であるかを限定しない。)で示されるプロスタグランジン類の製造方法は次のとおりである。
下記式(II)
Figure 0004153998
(Rω(OH)の定義は前述に同じである。)で示されるヒドロキシ−1−アルキン類が有する水酸基の保護を行なわず、下記式(III)
(R33SnH (III)
(式中、R3は炭素数1〜6個の低級アルキル基、フェニルまたはシクロヘキシルを表す。)で示されるスズハイドライド化合物と反応させたのち、下記式(IV)
Figure 0004153998
(式中、R3、Rω(OH)の定義は前述に同じである。)で示される(E,Z)−ヒドロキシビニルスズ化合物を製造し、カラムクロマトグラフィーにより(E)−体と(Z)−体の分離を行ない、下記式(V)
Figure 0004153998
(式中、R3、Rω(OH)の定義は前述に同じである。)で示される(E)−ヒドロキシビニルスズ化合物を得る。
本反応に使用するヒドロキシ−1−アルキン類(II)として好ましくは下記式(XIII)
Figure 0004153998
(式中、R6、R7は独立して炭素数1から7個の直鎖アルキル基あるいは分枝鎖アルキル基又は水素を表し、また、水酸基の立体配置はR体、S体又はR体とS体の混合物である。)で示される4−ヒドロキシ−4−アルキル−1−アルキン類又は下記式(XIV)
Figure 0004153998
(式中、R8は炭素数3から9個の直鎖アルキル基あるいは分枝鎖アルキル基を表し、水酸基の立体配置はR体、S体又はR体とS体の混合物である。)で示される3−ヒドロキシ−1−アルキン類などが挙げられる。
より具体的には4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクチン、4−ヒドロキシ−4,6−ジメチルヘプト−5−エン−1−イン、4−ヒドロキシ−4,8−ジメチルノン−7−エン−1−イン、4−ビニル−4−ヒドロキシ−1−オクチン、6−エチルオキシ−4−ヒドロキシ−4,5,5−トリメチル−1−ヘキシン、4−ヒドロキシ−4,7−ジメチルデカ−5,7−ジエン−1−インなどを挙げることができる。より好ましくは、一般式(XIII)で表わすことができる4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクチン、4−ヒドロキシ−4,6−ジメチルヘプト−5−エン−1−イン、又は一般式(XIV)で表わすことができる3−ヒドロキシ−1−オクチン、4,4−ジメチル−3−ヒドロキシ−1−オクチン、3−ヒドロキシ−5−メチル−1−ノニンなどを挙げることができる。
本反応に使用する式(III)のスズハイドライド化合物としては、同式中のR3がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、シクロヘキシル基などである化合物を挙げることができ、該化合物は、原料化合物のヒドロキシ−1−アルキン類に対して、1〜10当量、好ましくは1〜1.5当量用いられる。本反応における反応温度は0〜200℃、好ましくは50〜150℃の範囲で、約1〜12時間反応させる。本反応においてはスズハイドライド化合物以外に特に試薬を添加しないが、アゾビスイソブチロニトリルなどのフリーラジカル開始剤または紫外線存在下で反応を行なっても同様の結果を与える。本反応においては特に有機溶媒を必要としない。また、特に後処理を必要とせず、反応混合物を室温まで冷却した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて(E)−体と(Z)−体の分離を行ない、(E)−体を得る。本反応におけるE/Z生成比は約85:15である。ここで、酸に不安定な保護基等で水酸基が保護されているビニルスズ化合物は(E)−体と(Z)−体のクロマトグラフィー分離は非常に困難であるが、遊離の水酸基を有すると極性差が生じるためクロマトグラフィー分離が行なえるようになる。
テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類あるいはペンタン、ヘキサンなどのアルカン類あるいはエーテル類とアルカン類の混合溶媒中で、(E)−ヒドロキシビニルスズ化合物に、CuY(Yは−CN、−SCNまたは−OSO2CF3を表す。)で示される銅(I)塩とR4Li(R4は低級アルキル基を表す。)で示されるアルキルリチウム試薬を加える、あるいは、CuY(Yの定義は前述に同じである。)、R4Li(R4の定義は前述に同じである。)及びルイス酸を加える、あるいは、CuY(Yの定義は前述に同じである。)、R4Li(R4の定義は前述に同じである。)、ルイス酸及びLiZ(Zはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子のいずれでもよいハロゲン原子または−OSO2CF3を表す。)で示されるリチウム塩を加えることにより、下記式(VI)
Figure 0004153998
(式中、MはY及びLiを持つ活性銅部分、あるいはY、Li及びルイス酸を持つ活性銅部分、あるいはY、Li、ルイス酸及びLiZを持つ活性銅部分を表し、Rω(OLi)は前述に定義したRω(OH)の水酸基の水素がリチウムで交換された基を表す。)で示されるビニル銅錯体を生成させる。
本発明に使用されるアルキルリチウム試薬の量は活性銅部位を形成する当量数に加えて、原料スズ化合物の水酸基を金属交換するための少なくとも当量を必要とする。このことにより、スズ化合物のスズ部位は活性銅部位に、水酸基の水素はリチウムにそれぞれ変換される。式(VI)の活性銅部分であるM部位は用いる試薬の種類、試薬の当量数によって決まる。更に詳しくは、式(VI)のM部位が下記式(IX)〜(XII)
Figure 0004153998
(式中、R5はR4あるいは
Figure 0004153998
を表し、Gはルイス酸を表し、R4、Y、Z及びRω(OLi)の定義は前述に同じである。)で示されるビニル銅錯体が調製できる。
ヒドロキシビニルスズ化合物に対して、CuY(Yの定義は前述に同じである。)で示される銅(I)塩を化学量論的には1当量とR4Li(R4の定義は前述に同じである。)で示されるアルキルリチウム試薬を化学量論的には3当量加える条件では、式(IX)で示される活性銅部分のR5がR4(R4の定義は前述に同じである。)であるビニル銅錯体が生成する。ヒドロキシビニルスズ化合物に対して、CuY(Yの定義は前述に同じである。)を化学量論的には1当量とR4Li(R4の定義は前述に同じである。)を化学量論的には4当量加える条件では、式(IX)で示される活性銅部分のR5
Figure 0004153998
であるビニル銅錯体が生成する。ヒドロキシビニルスズ化合物に対して、CuY(Yの定義は前述に同じである。)を化学量論的には1当量、R4Li(R4の定義は前述に同じである。)を化学量論的には2当量及びルイス酸を化学量論的には1当量加える条件では、式(X)で示される活性銅部分を持つビニル銅錯体が生成する。ヒドロキシビニルスズ化合物に対して、CuY(Yの定義は前述に同じである。)を化学量論的には1当量、R4Li(R4の定義は前述に同じである。)を化学量論的には3当量及びルイス酸を化学量論的には1当量加える条件では式(XI)で示される活性銅部分のR5がR4(R4の定義は前述に同じである。)であるビニル銅錯体が生成する。
ヒドロキシビニルスズ化合物に対して、CuY(Yの定義は前述に同じである。)を化学量論的には1当量、R4Li(R4の定義は前述に同じである。)を化学量論的には4当量及びルイス酸を化学量論的には1当量加える条件では式(XI)で示される活性銅部分のR5
Figure 0004153998
であるビニル銅錯体が生成する。ヒドロキシビニルスズ化合物に対して、CuY(Yの定義は前述に同じである。)を化学量論的には1当量、R4Li(R4の定義は前述に同じである。)を化学量論的には2当量、ルイス酸を化学量論的には1当量及びLiZ(Zの定義は前述に同じである。)で示されるリチウム塩を化学量論的には1当量加える条件では式(XII)で示される活性銅部分を持つビニル銅錯体が生成する。ヒドロキシビニルスズ化合物、CuY(Yの定義は前述に同じである。)、R4Li(R4の定義は前述に同じである。)及びLiZ(Zの定義は前述に同じである。)の添加順序は特に制限がなく、これらの試薬の添加順序を変えても求めるビニル銅錯体は生成され、付加反応の収率に影響は見られない。
これらのビニル銅錯体を調製する反応温度は−100〜40℃、好ましくは−80〜30℃の範囲である。反応時間は反応量、使用する試薬の種類、使用する溶媒の種類、反応温度により変化するが、通常、1分間〜8時間程度である。
本発明で使用されるアルキルリチウム試薬はメチルリチウム、ブチルリチウム等が用いられる。本発明で使用されるルイス酸試薬は三フッ化ホウ素エーテル錯体、塩化トリメチルシリル、塩化アルミニウムなどが用いられる。式(IX)〜(XII)で示される活性銅部分を持つビニル銅錯体に下記式(VII)
Figure 0004153998
(式中、R1はトリ(C1〜C7)炭化水素シリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル等の酸に不安定な保護基であり、A及びXの定義は前述に同じである。また、式(VII)は光学活性体であるかラセミ体であるかを限定しない。)で示されるα,β−不飽和シクロペンテノンと共役付加反応を行ない、下記式(VIII)
Figure 0004153998
(式中、R1、A、X及びRω(OH)の定義は前述に同じである。また、式(VIII)の立体は相対立体配置を表し、光学活性体であるかラセミ体であるかを限定しない。)で示されるプロスタグランジン類の中間体を製造する。この反応において、ビニル銅錯体のM部位(Mは式(IX)〜(XII)で示される。)がα,β−不飽和シクロペンテノンと反応し、水酸基の水素がリチウムで交換されている部位(−OLi)は反応せずに後処理段階で容易に水酸基に戻る。
式(VII)で表わされるα,β−不飽和シクロペンテノンとしては、同式中のXがCH2OR2またはCO22であり、R2は炭素数1から5個のアルキル基、Hまたは保護基であるが、炭素数1から5個のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などを挙げることができ、保護基としては、トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基などが挙げられる。
式(VI)のビニル銅錯体(Mは式(IX)〜(XII)で示される)はα,β−不飽和シクロペンテノンに対して1〜10当量、好ましくは1〜3当量調製される。また、調製されたビニル銅錯体とα,β−不飽和シクロペンテノンとの共役付加反応の反応温度は−100〜0℃、好ましくは−80〜−20℃の範囲である。反応時間は反応量、使用する溶媒の種類、反応温度により変化するが、通常、1分間〜4時間程度である。反応の終点は、α,β−不飽和シクロペンテノンが反応系から消失した時点をもって決定される。
反応終了後、反応混合物からのプロスタグランジン類の中間体(VIII)の取り出しはクエンチング、抽出、分液、ろ過等の操作の後、有機溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィーにて行なわれる。得られるプロスタグランジン類の中間体は分離困難な幾何異性体である(13Z)−体を含まないことより、精製は非常に容易に行なうことができる。
式(VIII)で示されるプロスタグランジン類中間体を酸で処理することによって、11位の水酸基の脱保護を行ない、下記式(I)
Figure 0004153998
(式中、A、X及びRω(OH)の定義は前述に同じである。また、式(I)の立体は相対立体配置を表し、光学活性体であるかラセミ体であるかを限定しない。)で示されるプロスタグランジン類を製造する。ここで使用される酸は無機酸類及びp−トルエンスルホン酸などの有機酸類であり、好ましくは酢酸、フッ化水素酸、塩酸である。本発明で使用される溶媒は、水溶性且つ原料化合物(VIII)を溶解可能なものであり、好ましくはアセトニトリル、テトラヒドロフラン、含水テトラヒドロフランである。反応温度は−50〜100℃、好ましくは−20〜60℃の範囲である。反応時間は反応量、使用する試薬の種類、使用する溶媒の種類、反応温度により変化するが、通常、1分間〜18時間程度である。反応の終点は、化合物(VIII)が反応系から消失した時点をもって決定される。
反応終了後、反応混合物からのプロスタグランジン類(I)の取り出しは抽出、分液、ろ過等の操作の後、有機溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて行なわれる。
本発明による特に好ましいプロスタグランジン類の製造方法の概要を合成経路(II)に示す。ヒドロキシ−1−アルキン化合物(XIII’)は水酸基への保護基付加を行なうことなく、式(III)で示されるスズハイドライド化合物(R3の定義は前述に同じである。)と反応させ、式(IV’)で示される(E,Z)−ヒドロキシビニルスズ化合物とし、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる分離を行って、式(V’)で示される(E)−ヒドロキシビニルスズ化合物を製造する。この(E)−ヒドロキシビニルスズ化合物にCuY(Yの定義は前述に同じである。)で示される銅(I)塩を化学量論的には1当量とR4Li(R4の定義は前述に同じである。)で示されるアルキルリチウム試薬を化学量論的には3当量加える条件で式(IX’)で示されるビニル銅錯体に変換し、ここに、式(VII’)で示されるα,β−不飽和シクロペンテノン(R1の定義は前述に同じである。)を加えて、式(VIII’)で示されるプロスタグランジン類中間体(R1の定義は前述に同じである。)を製造する。更に、この化合物の保護基R1(R1の定義は前述に同じである。)は適当な酸によって容易に脱保護され、式(I’)で示されるプロスタグランジン類を得ることができる。一連の工程における反応温度、反応時間、使用する溶媒などの更に詳細な説明は、合成経路(I)に示した製造法について述べたものと同様である。
Figure 0004153998
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが本願発明がこれに限定されるものでないことはいうまでもない。
〔実施例1〕
[(4RS,1E)−4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの製造
窒素雰囲気下、100℃に加熱、撹拌した4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクチンの46.8g(0.33mol)にトリ−n−ブチルチンハイドライドの126g(0.43mol)を滴下し、更に100〜105℃で1時間撹拌した。反応混合物をHPLCで分析したところ、E/Z比は85:15であった。4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクチンの消失をTLCで確認した後、反応混合物を室温まで冷却し、中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(1/40)]で精製し、[(4RS,1E)−4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの88.1g(収率61%、得られたZ体及びEZ体混合物を考慮した反応変換率は96%であった。)を無色油状物として得た;IR(薄膜):νMAX=3370cm-1,1600,1460,1375,990。1H NMR(90MHz,CDCl3):δ=0.72−1.09(m,18H),1.09−1.93(m,18H),1.16(s,3H),2.20−2.41(m,2H),5.91−6.11(m,2H)。
〔実施例2〕
(±)−メチル(16RS,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−16−ヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの製造(式(IX)タイプのビニル銅錯体を経由する方法)
窒素雰囲気下、乾燥フラスコにシアン化銅(I)の188mg(2.1mmol)と乾燥テトラヒドロフランの5mlを入れ、0℃に冷却してメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(1.03mol/リットル)の6.7ml(6.93mmol)を滴下した。0℃で30分間撹拌した後、[(4RS,1E)−4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの1.03g(2.4mmol)乾燥テトラヒドロフラン(3ml)溶液を滴下し、同温で45分間撹拌した。−78℃まで冷却し、(±)−7−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテニル)−ヘプタン酸メチルの529mg(1.5mmol)乾燥テトラヒドロフラン(2.5ml)溶液を素早く加えた。5分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液/アンモニア水混合液(9:1)を70ml加え、徐々に室温まで昇温させて30分間撹拌した。これを酢酸エチル100mlで2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(1/5)]で精製し、(±)−メチル(16RS,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−16−ヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートを無色油状物として622mg(収率84%)得た;IR(薄膜):νMAX=3520cm-1,1740,1250,975。1H NMR(90MHz,CDCl3):δ=0.05(s,6H),0.73−1.10(m,12H),1.10−2.89(m,25H),1.17(s,3H),3.67(s,3H),4.04(q,J=8.3Hz,1H),5.20−5.90(m,2H)。
〔実施例3〕
(±)−メチル(16RS,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−16−ヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの製造(式(IX)タイプのビニル銅錯体を経由する方法)
窒素雰囲気下、乾燥フラスコにシアン化銅(I)の10.6g(118mmol)と[(4RS,1E)−4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの58.4g(135mmol)乾燥テトラヒドロフラン(600ml)溶液を加え、0℃に冷却した。ここにメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(1.08mol/リットル)の360ml(389mmol)を滴下し、徐々に室温まで昇温し1時間撹拌した。−78℃まで冷却した後、(±)−7−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテニル)−ヘプタン酸メチルの30.0g(84.6mmol)乾燥テトラヒドロフラン(140ml)溶液を素早く加えた。5分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液/アンモニア水混合液(9:1)を300ml加え、徐々に室温まで昇温させて30分間撹拌した。これを酢酸エチル400mlで2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(1/5)]で精製し、(±)−メチル(16RS,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−16−ヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの39.5g(収率94%)を無色油状物として得た。IR及び1H NMRのスペクトルデータは実施例2で得られたものと一致した。
〔実施例4〕
(±)−メチル(16RS,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−16−ヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの製造(式(IX)タイプのビニル銅錯体を経由する方法)
窒素雰囲気下、乾燥フラスコに[(4RS,1E)−4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの1.36g(3.15mmol)乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液を加え、0℃に冷却した。ここにメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(1.05mol/リットル)の5.7ml(5.99mmol)を滴下し、徐々に室温まで昇温し1時間撹拌した。−40℃まで冷却した後、シアン化銅(I)の141mg(1.58mmol)を加え、0℃まで昇温して溶解させた。この反応液を−78℃に冷却し、(±)−7−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテニル)−ヘプタン酸メチルの318mg(0.9mmol)乾燥テトラヒドロフラン(1.5ml)溶液を素早く加えた。5分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液/アンモニア水混合液(9:1)を20ml加え、徐々に室温まで昇温させて30分間撹拌した。これを酢酸エチル80mlで2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(1/5)]で精製し、(±)−メチル(16RS,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−16−ヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの413mg(収率96%)を無色油状物として得た。IR及び1H NMRのスペクトルデータは実施例2で得られたものと一致した。
〔実施例5〕
(−)−メチル(11R,15S,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−15−ヒドロキシ−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの製造(式(IX)タイプのビニル銅錯体を経由する方法)
窒素雰囲気下、乾燥フラスコに(S)−1−オクチン−3−オールの2.00g(15.8mmol)を入れ、アゾビスイソブチロニトリル25mg(0.15mmol)及びトリ−n−ブチルチンハイドライドの5.11ml(19.0mmol)を加え、80℃で2時間加熱撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(1/5)]で精製し、[(3S,1E)−3−ヒドロキシ−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの4.80g(収率73%)を無色油状物として得た。窒素雰囲気下、乾燥フラスコにシアン化銅(I)の188mg(2.1mmol)と乾燥テトラヒドロフランの5mlを入れ、0℃に冷却してメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(1.03mol/リットル)の6.6ml(6.75mmol)を滴下した。0℃で30分間撹拌した後、[(3S,1E)−3−ヒドロキシ−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの939mg(2.25mmol)乾燥テトラヒドロフラン(3ml)溶液を0℃で滴下し、室温で30分間撹拌した。この反応液を−78℃に冷却し、(+)−7−[(3R)−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテニル]−ヘプタン酸メチルの529mg(1.5mmol)乾燥テトラヒドロフラン(1.5ml)溶液を素早く加えた。徐々に昇温させながら3時間撹拌して−10℃にし、飽和塩化アンモニウム水溶液/アンモニア水混合液(9:1)を30ml加え、徐々に室温まで昇温させて30分間撹拌した。これを酢酸エチル100mlで2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(1/6)]で精製し、(−)−メチル(11R,15S,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−15−ヒドロキシ−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの448mg(収率62%)を無色油状物として得た;IR(薄膜):νMAX=3470cm-1,1740,1250,975。1H NMR(90MHz,CDCl3):δ=0.04(s,6H),0.73−1.02(m,3H),0.88(s,9H),1.08−2.86(m,25H),3.65(s,3H),3.86−4.25(m,2H),5.49−5.70(m,2H)。
〔実施例6〕
(−)−メチル(11R,15S,5Z,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−15−ヒドロキシ−9−オキソプロスト−5,13−ジエン−1−オアートの製造(式(IX)タイプのビニル銅錯体を経由する方法)
窒素雰囲気下、乾燥フラスコにシアン化銅(I)の125mg(1.4mmol)と[(3S,1E)−3−ヒドロキシ−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの668mg(1.4mmol)乾燥テトラヒドロフラン(3ml)溶液を加え、0℃に冷却した。ここにメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(1.05mol/リットル)の4.4ml(4.6mmol)を滴下し、室温まで昇温して2時間撹拌した。この反応液を−78℃に冷却し、(+)−7−[(3R)−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテニル]−4Z−ヘプテン酸メチルの350mg(1.0mmol)乾燥テトラヒドロフラン(2ml)溶液を素早く加えた。3時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液/アンモニア水混合液(9:1)を20ml加え、徐々に室温まで昇温させて30分間撹拌した。これを酢酸エチル100mlで2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(1/6)]で精製し、(−)−メチル(11R,15S,5Z,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−15−ヒドロキシ−9−オキソプロスト−5,13−ジエン−1−オアートの278mg(収率58%)を無色油状物として得た;IR(薄膜):νMAX=3470cm-1,1740,1245,1150,1110,965,770。1H NMR(90MHz,CDCl3):δ=0.05(s,6H),0.73−1.02(m,3H),0.89(s,9H),1.08−2.89(m,20H),3.66(s,3H),3.85−4.24(m,2H),5.28−5.49(m,2H),5.52−5.72(m,2H)。
〔実施例7〕
(±)−メチル(16RS,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−16−ヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの製造(式(X)タイプのビニル銅錯体を経由する方法)
窒素雰囲気下、乾燥フラスコに[(4RS,1E)−4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの973mg(2.26mmol)乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液を加え、0℃に冷却した。ここにメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(0.88mol/リットル)の5.1ml(4.48mmol)を滴下し、室温まで昇温して2時間撹拌した。−40℃まで冷却し、シアン化銅(I)の202mg(2.26mmol)を加え、徐々に0℃まで昇温して溶解させた。この反応液を−78℃に冷却し、三フッ化ホウ素エーテル錯体の283μl(2.26mmol)を滴下して10分間撹拌し、(±)−7−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテニル)−ヘプタン酸メチルの500mg(1.4mmol)乾燥テトラヒドロフラン(2ml)溶液を素早く加えた。30分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液/アンモニア水混合液(9:1)を20ml加え、徐々に室温まで昇温させて20分間撹拌した。これを酢酸エチル70mlで2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(1/5)]で精製し、(±)−メチル(16RS,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−16−ヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの522mg(収率75%)を無色油状物として得た。IR及び1H NMRのスペクトルデータは実施例2で得られたものと一致した。
〔実施例8〕
(−)−メチル(11R,15S,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−15−ヒドロキシ−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの製造(式(X)タイプのビニル銅錯体を経由する方法)
窒素雰囲気下、乾燥フラスコに[(3S,1E)−3−ヒドロキシ−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの668mg(1.6mmol)乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液を加え、0℃に冷却した。ここにメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(1.05mol/リットル)の3.1ml(3.2mmol)を滴下し、室温まで昇温して2時間撹拌した。−40℃まで冷却し、シアン化銅(I)の125mg(1.4mmol)を加え、徐々に0℃まで昇温して溶解させた。この反応液を−78℃に冷却し、三フッ化ホウ素エーテル錯体の160μl(1.3mmol)を滴下して10分間撹拌し、(+)−7−[(3R)−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテニル]−ヘプタン酸メチルの352mg(1.0mmol)乾燥テトラヒドロフラン(2ml)溶液を素早く加えた。40分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液/アンモニア水混合液(9:1)を20ml加え、徐々に室温まで昇温させて20分間撹拌した。これを酢酸エチル70mlで2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(1/6)]で精製し、(−)−メチル(11R,15S,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−15−ヒドロキシ−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの340mg(収率71%)を無色油状物として得た。IR及び1H NMRのスペクトルデータは実施例5で得られたものと一致した。
〔実施例9〕
(−)−メチル(11R,15S,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−15−ヒドロキシ−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの製造(式(XI)タイプのビニル銅錯体を経由する方法)
窒素雰囲気下、乾燥フラスコにシアン化銅(I)の125mg(1.4mmol)と[(3S,1E)−3−ヒドロキシ−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの668mg(1.6mmol)乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液を加え、0℃に冷却した。ここにメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(1.05mol/リットル)の4.4ml(4.6mmol)を滴下し、室温まで昇温して2時間撹拌した。この反応液を−78℃に冷却し、三フッ化ホウ素エーテル錯体の160μl(1.3mmol)を滴下して10分間撹拌し、(+)−7−[(3R)−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテニル]−ヘプタン酸メチルの352mg(1.0mmol)乾燥テトラヒドロフラン(2ml)溶液を素早く加えた。40分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液/アンモニア水混合液(9:1)を20ml加え、徐々に室温まで昇温させて20分間撹拌した。これを酢酸エチル70mlで2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(1/6)]で精製し、(−)−メチル(11R,15S,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−15−ヒドロキシ−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの349mg(収率73%)を無色油状物として得た。IR及び1H NMRのスペクトルデータは実施例5で得られたものと一致した。
〔実施例10〕
(±)−メチル(16RS,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−16−ヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの製造(式(XII)タイプのビニル銅錯体を経由する方法)
窒素雰囲気下、乾燥フラスコに[(4RS,1E)−4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの973mg(2.26mmol)乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液を加え、0℃に冷却した。ここにメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(0.88mol/リットル)の5.7ml(4.97mmol)を滴下し、室温まで昇温して2時間撹拌した。−78℃まで冷却し、予め調製しておいたシアン化銅(I)の215mg(2.4mmol)と塩化リチウムの102mg(2.4mmol)を乾燥テトラヒドロフラン3mlに溶解した溶液をキャヌラを用いて加え、1時間撹拌した。この反応液に三フッ化ホウ素エーテル錯体の283μl(2.26mmol)を滴下して10分間撹拌し、(±)−7−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテニル)−ヘプタン酸メチルの500mg(1.4mmol)乾燥テトラヒドロフラン(2ml)溶液を素早く加えた。30分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液/アンモニア水混合液(9:1)を20ml加え、徐々に室温まで昇温させて20分間撹拌した。これを酢酸エチル70mlで2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(1/5)]で精製し、(±)−メチル(16RS,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−16−ヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの590mg(収率85%)を無色油状物として得た。IR及び1H NMRのスペクトルデータは実施例2で得られたものと一致した。
〔実施例11〕
(−)−メチル(11R,15S,5Z,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−15−ヒドロキシ−9−オキソプロスト−5,13−ジエン−1−オアートの製造(式(XII)タイプのビニル銅錯体を経由する方法)
窒素雰囲気下、乾燥フラスコに[(3S,1E)−3−ヒドロキシ−1−オクテニル]トリ−n−ブチルスズの668mg(1.6mmol)乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液を加え、0℃に冷却した。ここにメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(1.05mol/リットル)の3.1ml(3.2mmol)を滴下し、室温まで昇温して2時間撹拌した。−78℃まで冷却し、予め調製しておいたシアン化銅(I)の125mg(1.4mmol)と塩化リチウムの59mg(1.6mmol)を乾燥テトラヒドロフラン3mlに溶解した溶液をキャヌラを用いて加え、1時間撹拌した。この反応液に三フッ化ホウ素エーテル錯体の160μl(1.3mmol)を滴下して10分間撹拌し、(+)−7−[(3R)−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテニル]−4Z−ヘプテン酸メチルの350mg(1.0mmol)乾燥テトラヒドロフラン(2ml)溶液を素早く加えた。1時間30分撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液/アンモニア水混合液(9:1)を20ml加え、徐々に室温まで昇温させて20分間撹拌した。これを酢酸エチル70mlで2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(1/6)]で精製し、(−)−メチル(11R,15S,5Z,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−15−ヒドロキシ−9−オキソプロスト−5,13−ジエン−1−オアートの330mg(収率69%)を無色油状物として得た。IR及び1H NMRのスペクトルデータは実施例6で得られたものと一致した。
〔実施例12〕
(±)−メチル(16RS,13E)−11,16−ジヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアート(ミソプロストール)の製造
テフロン製容器に(±)−メチル(16RS,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−16−ヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの1.89g(3.81mmol)とアセトニトリルの50mlを入れ、ここに、46%フッ化水素酸の4.5mlを加えて、室温で2時間撹拌した。反応混合液に水を120ml加え、塩化メチレン60mlで2回抽出した。有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(2/1)]で精製し、ミソプロストールを1.44g(収率99%)得た;IR(薄膜):νMAX=3400cm-1,1720,1710,1160,970。1H NMR(90MHz,CDCl3):δ=0.92(t,J=7Hz,3H),1.10−1.80(m,16H),1.17(s,3H),1.80−2.90(m,8H),3.66(s,3H),4.03(q,J=9Hz,1H),5.38(dd,J=15,9Hz,1H),5.68(dt,J=15,7Hz,1H)。
〔実施例13〕
(−)−メチル(11R,15S,13E)−11,15−ジヒドロキシ−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアート(プロスタグランジンE1メチルエステル)の製造
(−)−メチル(11R,15S,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−15−ヒドロキシ−9−オキソプロスト−13−エン−1−オアートの481mg(1.0mmol)を酢酸/水/テトラヒドロフラン(6:3:1)混合溶媒5mlに溶解し、40℃で2時間撹拌した。反応混合液を氷冷した飽和炭酸ナトリウム水溶液に投入し、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(2/1)]で精製し、プロスタグランジンE1メチルエステルを312mg(収率85%)得た;IR(薄膜):νMAX=3380cm-1,1735,965。1H NMR(90MHz,CDCl3):δ=0.87(br.t,3H),1.04−2.92(m,24H),3.64(s,3H),3.76−4.20(m,2H),5.40−5.70(m,2H)。
〔実施例14〕
(−)−メチル(11R,15S,5Z,13E)−11,15−ジヒドロキシ−9−オキソプロスト−5,13−ジエン−1−オアート(プロスタグランジンE2メチルエステル)の製造
テフロン製容器に(−)−メチル(11R,15S,5Z,13E)−11−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−15−ヒドロキシ−9−オキソプロスト−5,13−ジエン−1−オアートの518mg(1.08mmol)とアセトニトリルの10mlを入れ、0℃に冷却した。ここに、46%フッ化水素酸の1.0mlを加え、2時間撹拌した。反応混合液を氷冷した飽和炭酸ナトリウム水溶液に投入し、酢酸エチル150mlで2回抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル/ヘキサン(2/1)]で精製し、プロスタグランジンE2メチルエステルを345mg(収率88%)得た;IR(薄膜):νMAX=3380cm-1,1735,1150,1070,965。1H NMR(90MHz,CDCl3):δ=0.70−1.06(br.t,3H),1.06−1.87(m,10H),1.86−2.92(m,10H),3.20−3.59(m,1H),3.65(s,3H),3.81−4.55(m,5H),5.20−5.80(m,4H)。

Claims (2)

  1. 下記式(I)
    Figure 0004153998
    (式中、Aはエチレンまたは(Z)−ビニレンであり、XはCH2OR2またはCO22であり、R2は炭素数1から5個のアルキル基、Hまたは保護基であり、Rω(OH)は2級あるいは3級の水酸基を有する炭素数4〜10個の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基であり、水酸基の立体配置はR体、S体又はR体とS体の混合物であり、分枝鎖の立体配置はR体、S体又はR体とS体の混合物である。また、式(I)の立体は相対立体配置を表し、光学活性体であるかラセミ体であるかを限定しない。)で示されるプロスタグランジン類の製造方法であって、
    (a)下記式(II)
    Figure 0004153998
    (Rω(OH)の定義は前述に同じである。)で示されるヒドロキシ−1−アルキン類を下記式(III)
    (R33SnH (III)
    (式中、R3は炭素数1〜6個の低級アルキル基、フェニルまたはシクロヘキシルを表す。)で示されるスズハイドライド化合物と反応させたのち、下記式(IV)
    Figure 0004153998
    (式中、R3、Rω(OH)の定義は前述に同じである。)で示される(E,Z)−ヒドロキシビニルスズ化合物を製造し、
    (b)(E,Z)−ヒドロキシビニルスズ化合物の(E)−体と(Z)−体の分離を行い、下記式(V)
    Figure 0004153998
    (式中、R3、Rω(OH)の定義は前述に同じである。)で示される(E)−ヒドロキシビニルスズ化合物を製造し、
    (c)CuY(Yは−CN、−SCNまたは−OSO2CF3を表す。)で示される銅(I)塩とR4Li(R4は低級アルキル基を表す。)で示されるアルキルリチウム試薬を加える、あるいは、CuY(Yの定義は前述に同じである。)、R4Li(R4の定義は前述に同じである。)及びルイス酸を加える、あるいは、CuY(Yの定義は前述に同じである。)、R4Li(R4の定義は前述に同じである。)、ルイス酸及びLiZ(Zはハロゲン原子または−OSO2CF3を表す。)で示されるリチウム塩を加える、ことにより下記式(VI)
    Figure 0004153998
    (式中、MはY及びLiを持つ活性銅部分、あるいはY、Li及びルイス酸を持つ活性銅部分、あるいはY、Li、ルイス酸及びLiZを持つ活性銅部分を表し、Rω(OLi)は前述に定義したRω(OH)の水酸基の水素がリチウムで交換された基を表す。)で示されるビニル銅錯体を生成させ、
    (d)下記式(VII)
    Figure 0004153998
    (式中、R1は保護基であり、A及びXの定義は前述に同じである。また、式(VII)は光学活性体であるかラセミ体であるかを限定しない。)で示されるα,β−不飽和シクロペンテノンと共役付加反応を行なって、下記式(VIII)
    Figure 0004153998
    (式中、R1、A、X及びRω(OH)の定義は前述に同じである。また、式(VIII)の立体は相対立体配置を表し、光学活性体であるかラセミ体であるかを限定しない。)で示されるプロスタグランジン類中間体を製造し、
    (e)式(VIII)で示されるプロスタグランジン類中間体を酸で処理することによって、脱保護反応を行う、
    の諸段階からなる、前記プロスタグランジン類(I)の製造方法。
  2. (a)下記式(II)
    Figure 0004153998
    (Rω(OH)の定義は前述に同じである。)で示されるヒドロキシ−1−アルキン類を下記式(III)
    (R 3 3 SnH (III)
    (式中、R 3 は炭素数1〜6個の低級アルキル基、フェニルまたはシクロヘキシルを表す。)で示されるスズハイドライド化合物と反応させたのち、下記式(IV)
    Figure 0004153998
    (式中、R 3 、Rω(OH)の定義は前述に同じである。)示される(E,Z)−ヒドロキシビニルスズ化合物を製造し、
    (b)(E,Z)−ヒドロキシビニルスズ化合物の(E)−体と(Z)−体の分離を行い、下記式(V)
    Figure 0004153998
    (式中、R 3 、Rω(OH)の定義は前述に同じである。)で示される(E)−ヒドロキシビニルスズ化合物を製造し、
    (c)CuY(Yは−CN、−SCNまたは−OSO 2 CF 3 を表す。)で示される銅(I)塩とR 4 Li(R 4 は低級アルキル基を表す。)で示されるアルキルリチウム試薬を加える、あるいは、CuY(Yの定義は前述に同じである。)、R 4 Li(R 4 の定義は前述に同じである。)及びルイス酸を加える、あるいは、CuY(Yの定義は前述に同じである。)、R 4 Li(R 4 の定義は前述に同じである。)、ルイス酸及びLiZ(Zはハロゲン原子または−OSO 2 CF 3 を表す。)で示されるリチウム塩を加える、ことにより下記式(VI)
    Figure 0004153998
    (式中、MはY及びLiを持つ活性銅部分、あるいはY、Li及びルイス酸を持つ活性銅部分、あるいはY、Li、ルイス酸及びLiZを持つ活性銅部分を表し、Rω(OLi)は前述に定義したRω(OH)の水酸基の水素がリチウムで交換された基を表す。)で示されるビニル銅錯体を生成させ、
    下記式(VI)
    Figure 0004153998
    (式中、M及びRω(OLi)の定義は請求項1に記載のとおりである。)で示されるビニル銅錯体と下記式(VII)
    Figure 0004153998
    (式中、R1、A及びXの定義は請求項1に記載のとおりである。また、式(VII)は光学活性体であるかラセミ体であるかを限定しない。)で示されるα,β−不飽和シクロペンテノンと共役付加反応を行なって、下記式(VIII)
    Figure 0004153998
    (式中、R1、A、X及びRω(OH)の定義は前述に同じである。また、式(VIII)の立体は相対立体配置を表し、光学活性体であるかラセミ体であるかを限定しない。)で示されるプロスタグランジン類中間体を製造する方法。
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