JP4153663B2 - デカーシンを含む医薬組成物 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明はデカーシン及び医薬上許容しうる担体を含む医薬組成物に関する。
【0002】
【背景技術】
各種疾患の予防または治療に用いられている多くの医薬組成物は、腎毒性(すなわち、腎臓における毒性)を含む多様な毒性を有しているため、それらの臨床使用においては相応の注意を払う必要がある。特に、抗腫瘍組成物や抗生剤組成物は腎毒性等の副作用が非常に重篤であるために、臨床使用が著しく制限されてきた。例えば、シスプラチンは睾丸、食道、胃、膀胱、前立腺、肺及び子宮頚部の多様な腫瘍や骨肉腫、特に生殖器の腫瘍の治療に用いられる抗腫瘍剤である。しかしながら、アレルギーを含む腎臓、耳、胃腸管及び骨髄に対する重篤な毒性が報告されている。これらの中でも、腎毒性はシスプラチンを高用量で長期間使用する場合に腎不全を起こすほど深刻であり、そのためシスプラチンの臨床使用は多くの制限を受けている。このような状況下で、シスプラチンを用いる種々の腫瘍の治療において骨髄、胃腸管、及び特に腎臓におけるシスプラチンの毒性を減少させることは臨床上重要である。
【0003】
シスプラチン使用に伴う腎毒性の緩和をめざして集中的に研究がなされてきた。現在、腎毒性を軽減させるための従来の方法には以下のようなものがある:第一に、シスプラチンよりも毒性の低いプラチナ誘導体の合成があり、その一例がカーボプラチンである。しかしながら、この腎毒性はシスプラチンより低いが、骨髄毒性が非常に強い。別の方法としては、毒性を低下させるために排泄を促進させることがある。この目的で、マンニトール又は高張性食塩水が併用投与される。しかしながら、この方法はシスプラチンの半減期を短くするものであり、その結果、抗腫瘍効果を低下させてしまう。第三の方法として、シスプラチンの毒性を減少させるように、二経路化学療法(TRC)により解毒剤と共に抗腫瘍剤を投与する方法がある。この目的で、次硝酸ビスマス又はセレニウムが併用投与される。しかしながら、この方法は重金属の体内蓄積のような副作用をもたらすことが考えられる。
【0004】
一方、ヒトの身体の正常細胞は全て、一定範囲までの増殖と、それに続く不可欠な過程としての分化により形成される。このような増殖と分化の過程は遺伝子レベルで調節されるものと考えられている。しかしながら、癌細胞は正常細胞とは異なり、正常組織に由来するという事実にもかかわらず、何らかの分化を経ることなく無制限に増殖する未成熟な細胞から成る。その結果、癌細胞は細胞の代謝、酵素パターン及び表面構造において正常細胞とは異なっている(Raymond W. Ruddon, Cancer : A disease of abnomal differentiation, Cancer Biology, 2nd edition: 69, 1987)。
【0005】
このような未分化の癌細胞の発生メカニズムは未だ報告されていない。しかしながら、癌細胞の発生に関する主たる論争は、分化が完了した成熟細胞が脱分化するのか、或いは未分化の細胞が分化の能力を失うのか、いずれなのかという点に集中している。これまでの報告によると、癌細胞への形質転換は増殖能力を有する正常細胞にのみ起きる;一定経路への短期の運命がすでにプログラムされている細胞の分化は非可逆的な一方で、その最終的分化は可逆的である (D. Yaffe, Cellullar aspects of muscle differentiation in vitro, In vitro current Topics in developmental biology, 4:39, 1969)。
【0006】
Pierceらは再生能力を有する正常組織の幹細胞が悪性腫瘍の根源であると報告した(G. B. Pirce, Differentiation of normal and malignant cells, Fed. Proc. 29: 1248, 1970)。幹細胞は持続的な増殖能を有する未分化細胞の生成物であるという意味では癌細胞と一致する。しかしながら、最近の研究から癌細胞の異常性が完全に非可逆的というわけではないことが明らかになった。白血病、肝細胞及び腺維芽細胞にしばしば用いられる従来の方法は、分化誘導剤を用いて癌細胞に分化を誘導し正常細胞又はそれに類似の細胞にするものである(Alphonse Krystosek and Leo Sachs, Control of lysozyme induction in the differentiation of myeloid leukemia cells, Cell, 9: 675〜684, 1976; Shinichi Murao, M. Anne Gemmell, Michael F. Callaham, N. Leigh Anderson and Eliezer Huberman, Control of macrophage cell differentiation in human promyelocytic U-937 leukemia cells by 1,25-dihydroxy vitamin D3 and phorbol-12 myristate-13-acetate, Cancer Research, 43:4989-4996, 1983)。この方法は従来の細胞毒性メカニズムに基づく抗腫瘍剤とは異なり、新しい経路での腫瘍治療を試みるものとして意義がある。さらに、従来の抗腫瘍剤のあるものは細胞毒性を示す濃度よりも低濃度で分化誘導作用を示すことが報告されており、これは非常に低濃度での使用により抗腫瘍剤の副作用を軽減できるという意味において非常に励みになることとして受け止められる。
【0007】
実際に、従来はダウノマイシンを用いた多剤併用療法が主に行われてきた急性前骨髄球白血病(APL)に、分化誘導剤として知られる活性形ビタミンAが臨床で用いられている。1988年11月発行の米国血液学会紙によると、22名のAPL患者にレチノイン酸を多量に投与したところ、96%が完全緩解したことが報告されている。その後、米国、フランス、日本等でも多くの医療機関がこの方法を採用し、29日の平均緩解日数で80%以上の平均緩解率が得られた。さらに、皮膚の乾燥や胃障害を含む副作用が見られたが、その深刻さは他の抗腫瘍剤に比べて軽かった。そのため、分化誘導剤は有益な抗腫瘍剤として世界中の医療界から認知されていると言うことができる。
【0008】
従来の抗腫瘍剤において治療上の作用様式は、DNA複製の阻害、細胞内代謝や生合成の低下、又はフリーラジカルの生成により増殖の早い癌細胞を殺傷する細胞毒性に関係している。そのため、非常に高用量の抗腫瘍剤が必要とされてきた。この場合、骨髄のような細胞増殖がかなり速い種々の器官や、胃腸管、肝臓、腎臓及び心血管組織のような抗腫瘍剤が代謝及び排泄される器官で副作用が予想される。実際、そのような深刻な副作用のためにこれらの抗腫瘍剤の投与は著しく制限される。従って、毒性の低い新規の抗腫瘍剤、すなわち、癌細胞の分化誘導作用を有する抗腫瘍剤の開発が強く求められている。
【0009】
デカーシンは1966年に日本で最初にAngelica decursiva(Fr. Et Sav.)から単離された天然産物である。韓国産トウキ(Angelica gigas Nakai)にデカーシンが多量に含まれていることが1976年及び1969年に報告された(J. Pharm. Soc. Korea, 11: 22-26, 1967 及び 13: 47-50, 1969)。さらに、デカーシンはPeucedanum terebinthaceum(Fisher et Turcz.)の果実からも単離された(Korea Pharmacolpgy Journal 30(2), 73-78, 1986)。デカーシンの薬理作用に関しては、1993年に本発明者らはデカーシンが 10 ppm以上の濃度で子宮癌、白血病、肝臓癌又は大腸癌の種々の細胞系で毒性を有することを見出した(韓国特許出願第93-17935号参照)。
【0010】
【発明の開示】
本発明者らは長期間、鋭意研究を重ねた結果、デカーシンの様々な用途を発見し本発明を完成させるに至った。
本発明の目的は、デカーシンを活性成分として含み、医薬上許容しうる担体を含む、腎毒性抑制剤組成物を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、腎毒性抑制剤としてのデカーシン、抗腫瘍剤及び医薬上許容しうる担体を含む、抗腫瘍剤組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、腎毒性抑制剤としてのデカーシン、糖尿病治療剤及び医薬上許容しうる担体を含む、糖尿病治療剤組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、デカーシンを活性成分として含み、医薬上許容しうる担体を含む癌細胞分化誘導剤組成物を提供することにある。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、デカーシンを含む医薬組成物に関する。
本発明によれば、腎毒性抑制剤としてデカーシンを含む医薬組成物は、本医薬に伴う腎毒性を効果的に抑制することができる。特に、下記の実施例中に見ることができるように、デカーシンは代表的な抗腫瘍剤であるシスプラチンの腎毒性を効果的に抑制することができ、同様に代表的な糖尿病の誘発物質であるアロキサンによる腎毒性も効果的に抑制することができる。
【0013】
従って、本発明の医薬組成物はデカーシンを活性成分として含む腎毒性抑制剤組成物の形態でもよい。
さらに、本発明の医薬組成物は、腎毒性抑制剤としてデカーシンを含む抗腫瘍組成物の形態でもよい。この場合、抗腫瘍剤1モルに対して1〜5モルのデカーシンを使用してもよく、抗腫瘍剤の例としてシスプラチンを挙げることができる。さらに、本発明の医薬組成物は、腎毒性抑制剤としてデカーシンを含む糖尿病治療剤組成物の形態でもよい。この場合、糖尿病治療剤1モルに対して0.2〜10モルのデカーシンを使用してもよい。
【0014】
腎毒性抑制剤としてデカーシンを含む本発明の医薬組成物の用量は目的により変化させることができる。本組成物は体重1kg当たり1〜500 mgの用量で投与することができる。
【0015】
デカーシンによる腎毒性抑制作用のメカニズムは未だ明らかではないが、デカーシンの強力な抗酸化作用によるスカベンジャー効果によってもたらされるものと考えられる。例えば、シスプラチンの腎毒性は体内中に既に分配されたシスプラチンが速やかに排泄される際に腎臓の近位尿細管に吸収された後に化学走性により好中球が誘導及び刺激されて、その結果、好中球から分泌される酸素ラジカルが周囲の正常組織に損傷を与えるという典型的な炎症過程として説明することができる。従って、フリーラジカルに対するスカベンジャーとして作用する抗酸化剤がシスプラチンの腎毒性を軽減させるものと考えられる。しかしながら、この目的には以下の必要条件が挙げられる。第一に、上記の過程中で抗酸化剤が体内に適切に分配されなければならない。第二に、癌細胞が抗酸化剤を吸収し自らを保護することがないように、上記の抗酸化剤は体内で生産され腎臓を含む身体全組織で必要とされる生体物質であってはならない。第三に、上記の抗酸化剤は容易に代謝を受けて不活性化されたり肝臓に強い親和性を持っていてはならない。なぜならばそれにより腎臓への分配が遅れたり分配量が低下したりするためである。言い換えれば、デカーシンはフリーラジカルのスカベンジャーとして有効に作用するための上記の三つの要件を備えており、よって有効に腎毒性を抑制するものと考えられる。
【0016】
次に、癌細胞の分化誘導剤としてデカーシンを含む本発明の医薬組成物は目的によってその用量を変化させることができる。本医薬組成物は体重1kg当たり1〜300 mgの用量で投与することができる。
【0017】
活性成分としてデカーシンを含む本発明の組成物は、癌細胞の分化を効果的に誘導することができる。特に、下記の実施例中に見ることができるように、デカーシンはヒトの白血病細胞の分化を効果的に誘導することができる。言い換えれば、デカーシンが細胞毒性を誘導する濃度よりはるかに低い濃度で癌細胞、特にヒトの白血病細胞の分化を誘導できるために、本発明の組成物は新規の抗腫瘍組成物として使用することができる。
【0018】
デカーシンを含む本発明の医薬組成物は、医薬上許容しうる担体、賦形剤及び/又は添加剤を用いた種々の投与形態に処方することができる。より詳しく言えば、本発明の医薬組成物はラクトース、澱粉等の賦形剤、ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤及び等張化剤を含むことができ、必要ならば甘味料及び/又は香料を含むこともできる。さらに、本発明の医薬組成物は経口用又は末梢用投与形態に処方することができる。経口用投与形態としては錠剤、カプセル剤及び液剤が挙げられ、末梢用投与形態としては静脈内注射、腹腔内注射及び皮下注射が挙げられる。
【0019】
本発明を以下の実施例を通じてより詳しく説明するが、それらの実施例は本発明の範囲を制限するるものではない。
【0020】
【実施例】
実施例1:シスプラチン使用に伴う腎毒性に対するデカーシンの効果
体重減少、腎毒性及び肝毒性のようなシスプラチン使用に伴う副作用に対するデカーシンの抑制効果を測定するために、シスプラチン及びデカーシンの混合物を正常SDラットに投与量、投与時期及び投与回数を変えて投与した。詳細な試験方法を以下に要約する。血中の腎毒性指標としてBUN(血中尿素窒素)及びクレアチニン、肝毒性指標としてsGPT、尿潜血、ビリルビン、ウロビリノーゲン、ケトン、蛋白、ナイトライト、グルコース、pH及び比重を以下のように測定した。
【0021】
(1) BUNの測定
BUN値は、BUN測定用キット(ヨンドン製薬、韓国)を用いて以下の手順で測定した。
ウレアーゼ 0.1 mlをバッファー溶液 20 ml加え酵素バッファー溶液を得た。この溶液を2本の試験管にそれぞれ加え、一方の試験管には試験する血清サンプル 0.02 mlを加え、もう一方の試験管には対照として基準溶液(ウレア-N 60 mg/100 mlを含む)0.02 mlを加えた。これら2本の試験管を37℃で15分間インキュベートした。その後、各試験管に発色溶液2mlを加え、37℃で再び5分間インキュベートした。570 nmの吸光度を測定し、BUNの量を測定した。
【0022】
(2) クレアチニンの測定
クレアチニン値は、クレアチニン測定用キット(ヨンドン製薬、韓国)を用いて以下の手順で測定した。
試験する血清サンプル 0.5 mlにタングステン溶液4mlを加え、激しく撹拌した後10分間放置した。その後、この混合液を1500xgで10分間遠心し、上澄を分離した。上澄、クレアチニン基準溶液及び蒸留水(ブランク試験用)をそれぞれ3mlずつ別々の試験管に入れ、それぞれにピクレート溶液各1mlを加えた。その後、各試験管に1.4N NaOH 0.5 mlを加えて撹拌し、正確に15分後に515 nmの吸光度を測定した。
【0023】
(3) sGPTの測定
sGPT値は、sGPT測定用キット(ヨンドン製薬、韓国)を用いて以下の手順で測定した。
GPT基質溶液(各1ml)を37℃で3分間インキュベートした。この基質溶液に血清サンプル0.2 mlを加え、再び37℃で30分間インキュベートした。この培養溶液に2,4-ジニトロフェノール1mlを加えて20分間放置した後、0.4N NaOH 10 mlを加えてよく撹拌した。505 nmの吸光度を測定した。
【0024】
(4) 尿検査
尿検査は尿テストストリップ(Gen 9;ヨンドン製薬、韓国)を用いて以下の手順で行った。
ラットから尿を回収後直ちにテストストリップにその尿をつけ、1分以内に色を観察した。
【0025】
この実験では、全部で10匹の雄SD系ラット(体重200g)を使用した。動物を各4匹ずつの2群に分け、残り2匹のうち1匹を対照(シスプラチンのみを 5.8 mg/kgの用量で腹腔内に注射した群) として選び、他の1匹を正常群(薬剤投与をしない群)とした。第一群(前投与群)にはシスプラチン(5.8 mg/kg)を腹腔内投与する48時間前、24時間前及び1時間前の3回、腹腔内にデカーシンをデカーシン対シスプラチンが3:1のモル比となる17.4 mg/kgの用量で投与した。第二群(後投与群)にはシスプラチン(17.4 mg/kg)を腹腔内投与した1時間後、24時間後及び48時間後の3回、腹腔内にデカーシンをデカーシン対シスプラチンが3:1のモル比となる5.8 mg/kgの用量で投与した。試験の開始時(0日)にラットの体重を測定した。投与の4日後にラットを屠殺し、体重を測定した。尿検査はシスプラチンを投与した後から実施し、シスプラチンにより誘導される腎毒性を観察した。試験開始から4日後に全てのラットを屠殺した。採取した血液を30分間放置し血清を分離した。分離された血清を用いて、上記の方法により腎毒性の指標であるBUN及びクレアチニン値と肝毒性の指標であるsGPT値を測定した。結果を以下の表1〜3に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
表1に示すように、シスプラチン投与群は腎毒性の指標であるBUN及びクレアチニン値がそれぞれ69.5 mg/dl及び3.68 mg/dlと測定され、深刻な腎毒性が示された。それに対して、デカーシンを投与した群においてはBUN値が、前投与群では17.5±2.8 mg/dl(正常値は20未満)、後投与群では55.2±2.1 mg/dlであった。前投与群のBUN値は完全に正常値まで回復したが、後投与群では腎毒性が若干緩和されたものの、正常値とは有意の差が見られた。
【0028】
クレアチニン値は前投与群では0.74±0.29 mg/dl(正常値は1未満)で、正常レベルに完全に回復した。それに対して、後投与群でのクレアチニン値は2.08±0.52 mg/dlであり、シスプラチンを投与した対照群に比べると約40%の腎毒性低下が見られた。
【0029】
さらに、デカーシン投与後の腎毒性の軽減が、シスプラチンの蓄積が腎臓から肝臓に移動したことによるものかどうかを見るために、血中sGPT値の変化を観察した。前投与群及び後投与群のいずれも、それぞれ、10.8±4.9及び19.0±5.3という正常値を示した。その結果、シスプラチンの投与で肝毒性は現れなかったことが明らかとなり、これは他の文献で公表されている結果に一致する。
【0030】
【表2】
【0031】
上記の表2で確認されるように、対照群では尿中潜血、ビリルビン、ウロビリノーゲン、ケトン、蛋白、グルコース及び比重等の種々のパラメーターで顕著な増加が見られた。それに対して、前投与群では上記パラメーターは正常レベルに低下していた。しかしながら、後投与群における腎毒性はシスプラチン投与群に比べてパラメーターによっては軽減しているといえる。
【0032】
【表3】
【0033】
上記の表3から確認されるように、デカーシンを1時間、24時間、48時間に3回投与した前投与群及び後投与群の両方で体重は減少した。しかしながら、シスプラチン単独投与群よりも体重減少幅は少なかった。
【0034】
上記の結果から、シスプラチン投与前1時間、24時間、48時間にデカーシンをラットに投与すると、肝毒性を誘導することなく腎毒性活性を効果的に抑制したことが示されている。
【0035】
実施例2. 糖尿病合併症に伴う腎不全を抑制するデカーシンの効果
ICR系マウスにアロキサン(75mg/kg, 静脈注射)を投与した2日後に空腹時の血糖を測定し高血糖マウスを選別した。高血糖マウスを二群に分け、一群には生理食塩水を、もう一方の群にはデカーシンを50 mg/kgの用量で10日間経口投与した。アロキサン非投与群にも生理食塩水を10日間経口投与した。定期的に尿検査と共に体重も測定した。血清及び腎臓を単離するためにマウスをエーテルで軽く麻酔して開腹した。血液サンプルを心臓から採取し血清を分離した。腎臓は0.9% NaClで灌流し血液を除去した後に単離した。次いで右側の腎臓の重さを測定した。さらに、腎臓組織中の蛋白量を測定するために、牛血清アルブミンを標準物質として Bio-Rad プロテインアッセイキットを使用してBradford法でこれらの組織をアッセイした。腎臓組織中の MDA測定には、10%の腎臓組織ホモジネート溶液 0.5 mlに10%ソジウムドデシルスルフェート 0.4 mlを加え、37℃の水浴中に30分間置いた。次いで0.1N-HCl (2 ml)及び 0.67% TBA (1 ml)を加え、この混合液をボルテックスにかけ、沸騰水浴中に30分間置いた。さらにこの混合液を氷浴中で2〜3分間冷却して反応を停止させた。次いで、n-ブタノールを2ml加えてよく攪拌した後、3000 rpmで10分間遠心分離した。上澄を回収して 532 nmの吸光度を測定した。標準物質としては10μg/mlテトラエトキシプロパン(TEP)を使用した。血清中の MDAを測定するために、血清0.5 mlに0.8%チオバルビツール酸(TBA)を加え、沸騰水浴中に30分間置いた。さらに氷浴上で2〜3分間冷却して反応を停止させた。上澄を回収して、532 nmの吸光度を測定した。標準物質としては10μg/ml TEPを使用した。
【0036】
マウスにデカーシンを50 mg/kgの用量で10日連続で経口投与した。腎不全の指標である血中BUN及びMDAMDA等の種々のパラメーターを測定し、尿検査を実施した。腎臓組織を単離してMDA値を測定したところ(表4)、アロキサン単独投与群で17.4±3.7 mg/dlであったBUN値がデカーシン投与により正常レベル(4.8±0.6 mg/dl)に回復した。アロキサン単独投与群のMDA値は0.51±0.07であったものが、デカーシン投与により0.36±0.03に低下し、これは正常対照群と同等であった。よって、腎臓損傷が完全に回復されたことがわかった。臨床的には血中及び腎臓組織中の両方のMDA値が低下することが合理的かつ望ましいものであるため、腎臓組織中のMDA値を測定した。その結果、アロキサン単独投与群で13.24±5.93であった腎臓組織中のMDA値が、デカーシン投与により5.63±0.99に低下し、これは正常対照群(8.44±1.01)よりも低い数値であった。従って、デカーシンが腎臓組織保護において非常に有効であることが明らかになった。
【0037】
【表4】
【0038】
上記の表5から確認されるように、尿検査においてもアロキサン投与により潜血、ビリルビン、ウロビリノーゲン及びグルコースの排泄量が著しく増加し、同時に比重も著しく増加したことが示された。それに対して、デカーシンを投与した群では全てのパラメーターが正常値に近かった。この結果は血中BUN及びMDAの検査結果と一致した。アロキサン単独投与群の体重減少は著しく鈍化した。
【0039】
【表5】
【0040】
実施例3. デカーシンの細胞分化誘導活性
韓国細胞株銀行から分譲されたU-937細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)を加えたRPMI 1640培地(シグマ社、R-6504)中で培養した。5日毎に、70%ずつ培地を交換した。U-937細胞を細胞培養ディッシュ中に2×105細胞/mlの濃度で接種した。次いで、このディッシュにデカーシンを10-8〜10-6Mの濃度で加え、細胞を4日間培養した。トリパンブルー排除試験を行い血球計を用いて生存細胞を計数し、癌細胞増殖阻害パーセントを算出した。次いで、培地中で種々の量のデカーシンを含む10-2M希釈エタノール溶液で処理して分化を誘導した。
U-937細胞を細胞培養ディッシュ上に 10-7M デカーシンを含む培地中2×105細胞/mlの濃度で接種し、37℃、5% CO2インキュベイター中でインキュベートした。
【0041】
ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)還元試験では、細胞溶液(約1×106細胞/ml)をよく攪拌した後、2000 rpmで5分間遠心分離しペレットとした。このペレットを0.5 mlの培地に懸濁させ、10-6M ホルミル−メチオニン ロイシン フェニルアラニン(fMLP)及び NBT 1.0mg/DPBSml (1:9)を含む混合溶液 (0.5 ml)を加えた。この混合液を37℃で30分間インキュベートした。氷浴中で反応を停止させ、2000 rpmで5分間遠心分離した。上澄を除去した後、200μlのDPBSを加えた。この溶液を軽く振とうした後、顕微鏡下で調べて最低200個以上を観察した。NBT(+)細胞の数を%で示した。
【0042】
食菌作用試験では、106個の細胞をよく攪拌した後、2000 rpmで5分間遠心分離してペレットとした。ポリスチレン粒子中 0.2% 無血清培地溶液 1 mlをペレットに加え、振とうして37℃で4時間インキュベートした。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で3回洗浄した後、細胞ペレットを回収し、約200μlのDPBSを加えた。この溶液を軽く振とうした後、顕微鏡下で調べて最低200個以上を観察した。粒子を含む細胞の数を%で示した。
【0043】
エステラーゼ活性試験におけるα-ナフチルアセテートエステラーゼ活性を測定するために、U-937細胞の培養溶液を2000 rpmで5分間遠心してペレットとし、次いで 100μlの PBS を加えて細胞濃縮液を調製した。この細胞溶液をスライドガラス上に一滴置き、1時間以上乾燥させた。次いで 40 mlの脱イオン水を37℃に予め加温しておいた。1 mlの硝酸ナトリウム溶液を 1 mlのファーストブルーBBベース溶液と混合し、2分間放置した。この混合液が濃い茶色と黄色に変わった後に、予め加温しておいた脱イオン水 40 mlに加えた。5 mlの TRIZMAL TM 7.6バッファー溶液(シグマ社、870-2)及び 1 mlのα-ナフチルアセテート溶液を加え、得られた溶液が緑色に変わった後、ペトリディシュに注いだ。スライドガラス上の細胞を室温でクエン酸塩−アセトン−ホルムアルデヒト溶液 (CAF 溶液)で固定した。予め調製した溶液中に細胞を浸し、37℃の暗所で30分間インキュベートした。細胞を脱イオン水で2分以上かけて完全に洗浄した後にヘマトキシリン溶液で2分間対比染色し、水道水で洗浄した後、風乾した。完全に乾いた後、細胞を顕微鏡で観察し、黒く見える細胞を計数した。
【0044】
ナフトール AS-D クロロアセテートエステラーゼ活性を測定するため、U-937細胞の培養溶液を2000 rpmで5分間遠心分離してペレットとした後、100μlのPBSを加えて細胞濃縮溶液を調製した。スライドガラス上に細胞溶液を一滴置き1時間以上乾燥させた。次いで 40 mlの脱イオン水を37℃に予め加温しておいた。1 mlの硝酸ナトリウム溶液を 1 mlのファーストレッドバイオレットLBベース溶液と混合し、2分間放置した。この混合液を予め加温しておいた脱イオン水 40 mlに加えた。5 mlの TRIZMAL TM 6.3バッファー溶液(シグマ社、T-3128)及び 1 mlのナフトール AS-D クロロアセテート溶液を加え、得られた溶液が赤色に変わった後、ペトリディシュに注いだ。スライドガラス上の細胞を室温でクエン酸塩−アセトン−ホルムアルデヒト溶液 (CAF 溶液)で固定した。予め調製した溶液中に細胞を浸し、37℃の暗所で30分間インキュベートした。細胞を脱イオン水で2分以上かけて完全に洗浄した後にヘマトキシリン溶液で2分間対比染色し、水道水で洗浄した後、風乾した。完全に乾いた後、細胞を顕微鏡で観察し、赤く見える細胞を計数して%で示した。
【0045】
(1) 成長抑制試験
下記の表6から確認されるように、デカーシンの U-937細胞に対する96時間後の成長抑制率を測定したところ、デカーシンは10-7〜10-6Mの濃度で30-50%の抑制効果を示した。
【0046】
【表6】
【0047】
(2) NBT還元試験
分化した白血球細胞が刺激によりスーパーオキシドアニオンを生成できるという事実を利用して分化を調べた。上記細胞を10-7Mのデカーシン又はビタミンD3で処理し4日間インキュベートした。スーパーオキシドと反応させた培養混合液を還元し沈殿物を形成させた。次いで沈殿にNBTを加えた(表7)。下記の表7で確認されるように、対照群では NBTの還元能を示した陽性細胞が 14% であったのに対して、10-7M ビタミンD3及び同じ濃度のデカーシンで処理した場合、それぞれ 39%及び 43%に陽性細胞が増加した。
【0048】
【表7】
【0049】
(3) 食菌作用試験
U-937細胞を10-7Mのデカーシン又はビタミンD3で処理し、4日間インキュベートした。U-937細胞の分化による機能の変化を評価することを目的とする食菌作用試験の結果を下記の表8に示す。下記の表8で確認できるように、対照群の約5%が食菌作用活性を示したのに対して、同じ濃度のビタミンD3及びデカーシンで処理した細胞ではそれぞれ25.8%、及び 28.6%に増加した。
【0050】
【表8】
【0051】
(4) エステラーゼ活性試験
顆粒球類似細胞に分化すると発現するナフトールAS-Dクロロアセテートエステラーゼ及びマクロファージ類似細胞に分化すると発現するα-ナフチルアセテートエステラーゼの酵素活性試験の結果を表9に示す。表9から確認されるように、ナフトールAS-Dクロロアセテートエステラーゼ活性を示す細胞は全薬剤群とも見られなかった。しかしながら、対照群で約10%の細胞がα-ナフチルアセテートエステラーゼ活性を示し、ビタミンD3処理群では80%、デカーシン処理群では83%がそれぞれα-ナフチルアセテートエステラーゼ活性を示すことが明らかとなった。すなわち、細胞がデカーシンの作用によりマクロファージ類似細胞に分化したものと考えられる。
【0052】
【表9】
【0053】
上記の結果から、デカーシンが癌細胞の分化誘導において有効であることが確認された。より詳しく言えば、ヒト由来のU-937細胞におけるデカーシン及びビタミンD3の細胞毒性を10-8M〜10-6Mの濃度で測定した結果として、U-937細胞は非常に高い細胞毒性を示した。5×10-7M及び10-6Mの濃度ではデカーシンがビタミンD3よりも高い細胞毒性を示した。約83%の細胞毒性を示す濃度である10-7MのデカーシンについてU-937細胞に対する分化誘導活性を調べるため、ビタミンD3を比較物質として4日間細胞をデカーシンで処理した。NBT還元試験及び食菌作用試験を行った後、10-7Mのデカーシンは還元試験及び食菌作用試験の両方でビタミンD3よりも強い分化作用を示し、その際の細胞はマクロファージ類似細胞に分化した。従って、デカーシンは癌細胞の分化を有効に誘導することが確認された。
【0054】
実施例4. デカーシンの正常細胞における毒性試験
デカーシンの正常細胞における細胞毒性を測定するために、3%ウシ胎児血清 (FBS)、ペニシリン(100 U/ml)及びストレプトマイシン(100μg/ml)を含む培地−199で3−4日毎に継代培養した。その後、細胞をトリプシンで処理し細胞懸濁液を調製した。この細胞懸濁液 1 mlを24ウェルプレートに 2×105細胞/mlの濃度で接種し、一日間培地に接触させた。上澄を除去した後、適当な濃度でデカーシン 1 mlを細胞培養液に加え、3日間インキュベートした後に細胞数を数えた。その結果を下記の表10に示した。表10に確認されるように、正常細胞(LLC-PK1)における細胞毒性は10-6Mまで見られなかった。
【表10】
【0055】
【発明の効果】
上述したように、デカーシンは腎毒性を軽減させる効果的な腎毒性抑制剤である。特に、デカーシンは抗腫瘍組成物又は糖尿病治療剤組成物において効果的に使用することができる。さらに、デカーシンは効果的に癌細胞の分化を誘導する癌細胞分化誘導剤として、特にヒトの白血病細胞の分化誘導剤としてヒトの白血病の治療に使用することができる。
Claims (7)
- デカーシン(decursin)を活性成分として含み、医薬上許容しうる担体を含む腎毒性抑制剤組成物。
- (a)腎毒性抑制剤としてのデカーシン、(b)抗腫瘍剤、及び(c)医薬上許容しうる担体を含む抗腫瘍剤組成物。
- デカーシン対抗腫瘍剤のモル比が1〜5対1である請求項2に記載の組成物。
- 抗腫瘍剤がシスプラチンである請求項2又は3に記載の組成物。
- (a)腎毒性抑制剤としてのデカーシン、(b)糖尿病治療剤、及び(c)医薬上許容しうる担体を含む糖尿病治療剤組成物。
- デカーシン対糖尿病治療剤のモル比が0.2〜10対1である請求項5に記載の組成物。
- デカーシンを活性成分として含み、医薬上許容しうる担体を含む癌細胞分化誘導剤組成物であって、分化される癌細胞がヒト白血病細胞であり、かつ、分化がマクロファージ類似細胞への分化である組成物。
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