JP4152154B2 - 毛髪化粧料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は毛髪に適用される毛髪化粧料組成物に関し、さらに詳しくはウェーブをより十分に出すことができるとともに、ウェーブをより十分に保持することができる毛髪化粧料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ヘアスタイルの多様化により、毛髪は染毛剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ用剤、ヘアストレートナー等によって処理される機会が多くなっている。これらの毛髪処理によって毛髪は損傷を受ける傾向にあり、毛髪の感触が悪化することがある。
【0003】
従来より、パーマネントウェーブ処理が施されて損傷を受けた毛髪の弾力性を回復させるために毛髪化粧料組成物が使用されている。この種の毛髪化粧料組成物としては、高級アルコール類、炭化水素類、動植物性油脂類等の油脂類と有機多価金属塩等の微粒子と組み合わせた毛髪化粧料が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
また、多価金属塩を含有する毛髪化粧料も知られている。(例えば、特許文献2及び3参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開平05−221833号公報
【特許文献2】
特開平06−172138号公報
【特許文献3】
特開平06−172139号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の毛髪化粧料組成物においては、十分な塗布感が得られず、パーマネントウェーブ処理によるウェーブを十分に出すことができないとともに、ウェーブを十分に保持することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ウェーブを十分に出すことができるとともに、ウェーブを十分に保持することができる毛髪化粧料組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、下記の(A)、(B)及び(C)の各成分を含有するものである。
(A)下記の一般式(1)で表される化合物
RCOOCH2R ・・・(1)
(式中、Rは炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基又はアルケニル基を示す。)
(B)アルミニウム塩
(C)水
【0008】
請求項2に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、請求項1に記載の発明において、前記(A)成分がイソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、ステアリン酸ステアリル及びパルミチン酸セチルから選ばれる少なくとも一種であるものである。
【0009】
請求項3に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、さらに、(D)カチオン性化合物を含有するものである。
請求項4に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、請求項3に記載の発明において、前記(D)成分として少なくとも第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも一種を含有するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の毛髪化粧料組成物としてのトリートメント剤には、下記の(A)、(B)及び(C)の各成分が含有されている。
(A)下記の一般式(1)で表される化合物
RCOOCH2R ・・・(1)
(式中、Rは炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基又はアルケニル基を示す。)
(B)アルミニウム塩
(C)水
【0011】
(A)成分は、毛髪への塗布感を向上させるために配合される。
(A)成分の具体例としては、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソステアリル、カプリル酸オクチル、ラウリン酸ラウリル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸セチル、ベヘン酸ベヘニル等が挙げられる。これらは単独で配合してもよいし、二種以上組み合わせて配合してもよい。また、これらの中でも、毛髪への塗布感をより向上させることができることから、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、ステアリン酸ステアリル及びパルミチン酸セチルから選ばれる少なくとも一種を配合することが好ましい。(A)成分の含有量は、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、良好な塗布感が得られないため塗布する際にウェーブを伸ばしてしまうおそれがある。一方、15重量%を超えると、毛髪に重さが出てしまいウェーブが伸びてしまうおそれがある。
【0012】
(B)アルミニウム塩は、毛髪に弾力性を付与するために配合される。(B)アルミニウム塩の具体例としては、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムナトリウム、酢酸アルミニウム、ベヘン酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、カプロン酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩酸アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、ジミリスチン酸アルミニウム、ジ−dl−ピロリドンカルボン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、イソステアリン酸アルミニウム、グリシンアルミニウム、ラノリン酸アルミニウム、モノステアリン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPG、硫酸アルミニウム等が挙げられる。
これらの(B)アルミニウム塩は単独で配合してもよいし、二種以上組み合わせて配合してもよい。
【0013】
(B)成分の含有量は、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.2〜2重量%である。0.01重量%未満であると、十分な弾力性を付与することができないおそれがある。一方、5重量%を超えると毛髪にゴワつき感が生じ、指通りが悪くなるおそれがある。
【0014】
ここで、上記の(A)成分と(B)成分の重量比((A)/(B))は、好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.5〜8、さらに好ましくは1〜5である。この重量比が0.1未満又は10を超えると、毛髪が硬くなる等の不具合が生じる、又は弾力感が十分に得られないおそれがある。
【0015】
(C)水は、(A)及び(B)の各成分の溶媒又は分散媒としてトリートメント剤を水溶液、分散液又は乳化物にするために適量配合される。(C)水の含有量は、好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは70〜90重量%である。この含有量が50重量%未満では、水溶液、分散液又は乳化物を安定して形成することが困難となるおそれがある。一方、95重量%を超えて配合すると、トリートメント剤の均一性及び安定性を確保しにくくなるおそれがある。
【0016】
(D)カチオン性化合物は、毛髪に滑らかさを付与するために配合される。(D)カチオン性化合物は、その化合物の水溶液がカチオン性を示す化合物を示す。(D)カチオン性化合物の具体例としては、カチオン性界面活性剤、カチオン性誘導体等が挙げられる。
【0017】
カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム塩に代表され、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0018】
カチオン性誘導体としては、カチオン化セルロース誘導体、酸中和型の3級アミドアミン、カチオン化グアーガム、第四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ジアリル第四級化アンモニウム塩重合物誘導体等が挙げられる。カチオン化セルロース誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド共重合体等が挙げられる。
【0019】
これらの(D)カチオン性化合物の中でも、毛髪に滑らかさをより付与することができ、ウェーブの保持性をより向上させることができることから、好ましくは第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも一種、より好ましくはメチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウムである。
【0020】
(D)成分の含有量は、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜4重量%、さらに好ましくは1〜3重量%である。この含有量が0.1重量%未満であると、毛髪に滑らかさを十分に付与することができないおそれがある。一方、5重量%を超えると、毛髪が重い感触となるおそれがある。
【0021】
本実施形態のトリートメント剤には、その他の成分としてカチオン性界面活性剤以外の界面活性剤、油性成分、溶剤、pH調整剤、粘度調整剤、保湿剤、帯電防止剤、毛髪柔軟剤、酸化防止剤、防腐剤、金属封鎖剤、賦形剤、色素、香料等を配合することも可能である。
【0022】
カチオン性界面活性剤以外の界面活性剤は(A)及び(B)成分を(C)水に分散させるとともに、トリートメント剤の均一性及び安定性を保持するために配合される。カチオン性界面活性剤以外の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0023】
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという)アルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル等が挙げられる。
【0024】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩等が挙げられる。
【0025】
両性界面活性剤の具体例としては、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
【0026】
これらのカチオン性界面活性剤以外の界面活性剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。カチオン性界面活性剤以外の界面活性剤の含有量は、0.1〜10.0重量%が好ましい。この含有量が0.1重量%未満では、安定性を十分に付与することができないおそれがある。一方、10.0重量%を超えて配合してもそれ以上の効果が得られないおそれがある。
【0027】
油性成分は、毛髪に軟らかさと潤いを付与するために含有される。この油性成分の具体例としては、炭化水素、油脂、ロウ類、高級アルコール、シリコーン類、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類等が挙げられる。
【0028】
炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、ポリブテン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、オゾケライト、セレシン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0029】
油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、シア脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボカド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
【0030】
ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
【0031】
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、脂肪酸変性ポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0032】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
【0033】
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0034】
エステル類としては、前記(A)成分以外のエステルが挙げられ、具体例としてはアジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジエトキシエチル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
【0035】
これらの油性成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの油性成分の中でも、毛髪に軟らかさと潤いを付与することができるとともに、トリートメント剤の安定性を向上させることができることから、少なくとも高級アルコールが含有されることが好ましい。
【0036】
トリートメント剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ミスト状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等、特に限定されない。トリートメント剤は各種容器に充填されるが、剤型をミスト状にする場合はハンドポンプスプレー容器に充填されることが好ましい。
【0037】
さて、このトリートメント剤を使用するには、適量を手に取って毛髪に塗布するか、又は直接毛髪にスプレーする。次に、手櫛、コーム(櫛)等によって毛髪を梳かしながら、トリートメント剤を毛髪全体になじませる。このとき、このトリートメント剤には、(B)成分が配合されている。従って、ダメージを受けた毛髪に弾力性を付与することができる。
【0038】
ここで、(B)成分が配合されたトリートメント剤は、毛髪に弾力性を付与することができるが、塗布しにくく、塗布ムラが生じ易い。また、(B)成分によって毛髪にコシが出るため、塗布時や毛髪のセット時に過度の力を加えることになり、ウェーブが伸び易い。このとき、このトリートメント剤には(A)成分が配合され、トリートメント剤の塗布感は向上されている。従って、トリートメント剤を毛髪に容易に塗布することができ、塗布ムラを抑制できるとともに、毛髪のウェーブを出しながら容易にセットすることができる。よって、(B)成分によって付与される毛髪の弾力性を十分に生かすことができ、ウェーブを十分に出すことができるとともに、ウェーブを十分に保持することができる。
【0039】
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 本実施形態の毛髪化粧料組成物においては、(A)、(B)及び(C)の各成分が配合されている。従って、ウェーブを十分に出すことができるとともに、ウェーブを十分に保持することができる。
【0040】
・ 本実施形態の毛髪化粧料組成物においては、(A)成分はイソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、ステアリン酸ステアリル及びパルミチン酸セチルから選ばれる少なくとも一種である。従って、毛髪への塗布感がより向上する。
【0041】
・ 本実施形態の毛髪化粧料組成物においては、(D)カチオン性化合物が配合されている。従って、毛髪に滑らかさを付与することができる。
・ 本実施形態の毛髪化粧料組成物においては、(D)カチオン性化合物として少なくとも第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも一種を含有している。従って、毛髪に滑らかさをより付与することができるとともに、ウェーブをより十分に保持することができる。
【0042】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜10及び比較例1,2)
表1に示す各成分を混合し、トリートメント剤(洗い流さないタイプ)を調製した。調製したトリートメント剤を専門のパネラーが予めパーマネントウェーブ処理が施された20代女性のダメージ毛に塗布した後、毛髪をセットした。そして、専門のパネラーが毛髪への塗布感、ウェーブの出方、ウェーブの保持性及び毛髪の滑らかさについて下記の(1)〜(4)の評価基準に従って官能評価を行った。
【0043】
(1)毛髪への塗布感
塗布感に優れる(◎)、塗布感が良好(○)、塗布感がやや不良(△)及び塗布感が不良(×)とする4段階で評価した。
【0044】
(2)ウェーブの出方
毛髪のセットする際のウェーブの出方に優れる(◎)、ウェーブの出方が良好(○)、ウェーブの出方がやや不足(△)及びウェーブの出方が不足(×)とする4段階で評価した。
【0045】
(3)ウェーブの保持性
毛髪のセット後、ウェーブの保持性に優れる(◎)、ウェーブの保持性が良好(○)、ウェーブの保持性がやや不足(△)及びウェーブの保持性が不足(×)とする4段階で評価した。
【0046】
(4)毛髪の滑らかさ
滑らかさに優れる(◎)、滑らかさが良好(○)、滑らかさがやや不足(△)及び滑らかさが不足(×)とする4段階で評価した。
【0047】
これらの評価結果を表1に示す。なお、表1おける数値は重量%を示す。
【0048】
【表1】
【0049】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜10では、毛髪への塗布感、ウェーブの出方、ウェーブの保持性が優れる又は良好であった。また、実施例1等では、(B)成分として硫酸アルミニウムカリウム、(D)成分としてメチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウムが配合されているため、ウェーブの保持性及び毛髪の滑らかさについて優れた結果となった。
【0050】
これらに対して、比較例1では、(B)成分が配合されていないため、毛髪への塗布感は優れるが、ウェーブの出方及びウェーブの保持性のいずれについても、十分な結果が得られていない。比較例2では、(A)成分が配合されていないため、ウェーブの出方がやや不足する結果となった。
【0051】
(実施例11)
表2に示す各成分を混合し、トリートメント剤(洗い流すタイプ)を調製した。調製したトリートメント剤を実施例1〜10と同じ評価項目及び基準に従って官能評価を行った。これらの評価結果を表2に示す。なお、表2における数値は重量%を示す。
【0052】
【表2】
【0053】
実施例11では、毛髪への塗布感、ウェーブの出方、ウェーブの保持性及び毛髪の滑らかさのいずれについても、優れる結果が得られた。
【0054】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記実施形態においては、毛髪化粧料組成物をトリートメント剤に適用している。これらの他に、毛髪化粧料組成物は、シャンプー、リンス、スタイリング剤、パーマネントウェーブ用剤、染毛剤、毛髪脱色剤等のヘアケア剤に適用することも可能である。この場合、(A)、(B)及び(C)の各成分からなる毛髪化粧料組成物に、各種用途に必要な成分を常法に従って配合すればよい。
【0055】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記(D)成分として少なくともメチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウムを含有することを特徴とする請求項3に記載の毛髪化粧料組成物。このように構成した場合、毛髪に滑らかさをさらに付与することができる。
【0056】
(2) さらに、非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項4、及び上記(1)のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。このように構成した場合、安定性を向上させることができる。
【0057】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の毛髪化粧料組成物によれば、ウェーブを十分に出すことができるとともに、ウェーブを十分に保持することができる。
【0058】
請求項2に記載の発明の毛髪化粧料組成物によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、毛髪への塗布感をより向上させることができる。
【0059】
請求項3に記載の発明の毛髪化粧料組成物によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、毛髪に滑らかさを付与することができる。
請求項4に記載の発明の毛髪化粧料組成物によれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、毛髪に滑らかさをより付与することができるとともに、ウェーブをより十分に保持することができる。
Claims (4)
- 下記の(A)成分0.01〜15重量%と、(B)成分0.01〜5重量%とを含有し、かつ(A)成分と(B)成分との重量比(A)/(B)が0.1〜10の範囲内であり、更に下記の(C)成分を含有し、毛髪に塗布するか、又は毛髪にスプレーするものであることを特徴とする毛髪化粧料組成物。
(A)下記の一般式(1)で表される化合物
RCOOCH2R ・・・(1)
(式中、Rは炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基又はアルケニル基を示す。)
(B)硫酸アルミニウムカリウム及び塩化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種
(C)水 - 前記(A)成分がイソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、ステアリン酸ステアリル及びパルミチン酸セチルから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
- さらに、(D)第四級アンモニウム塩及びカチオン化セルロース誘導体から選ばれるカチオン性化合物を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
- 前記(D)成分として少なくとも第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項3に記載の毛髪化粧料組成物。
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