JP2008169185A - 毛髪処理剤組成物及び毛髪処理方法 - Google Patents

毛髪処理剤組成物及び毛髪処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多価アルコール脂肪酸エステル配合時の特有の欠点を解消でき、更に毛髪強度の向上も実現できる毛髪処理剤を提供する。
【解決手段】少なくとも(A)成分:脂環式ポリオール、(B)成分:カチオン界面活性剤及び(C)成分:多価アルコール脂肪酸エステルを含有する毛髪処理剤組成物。(A)成分としては、イノシトールが特に好適である。これらの毛髪処理剤組成物をダメージ毛に適用する毛髪処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は毛髪処理剤組成物及び毛髪処理方法に関する。更に詳しくは本発明は、多価アルコール脂肪酸エステル配合時の特有の欠点を解消し、更に毛髪強度を向上させるというユニークな効果をも実現できる毛髪処理剤組成物と、この毛髪処理剤組成物を用いて行う毛髪処理方法とに関する。
多価アルコール脂肪酸エステルは、皮脂類似成分として毛髪における優れた保湿作用を発揮することが知られており、そのため従来から毛髪処理剤等に多用されている。しかし、その反面で、多価アルコール脂肪酸エステルはいずれも油性であって、毛髪上に残留して経時的にべたつきの原因になるという特有の欠点を有していた。
例えば下記の特許文献1では、多価アルコール脂肪酸エステルのカテゴリーに含まれるグリセリントリ脂肪酸エステルをカチオン界面活性剤と組み合わせて配合する場合を開示し、これが「頭髪用に好適である」旨を指摘している。
特開昭52−131513号公報
しかしながら、本願発明者の研究によれば、特許文献1に開示された発明を毛髪処理剤として適用した場合、上記の「多価アルコール脂肪酸エステルが毛髪上に残留し、経時的にべたつきの原因になる」という問題点は解消されない。
そこで本発明は、多価アルコール脂肪酸エステル配合のメリットを確保したもとで、その配合時の特有の欠点を解消できる毛髪処理剤組成物を提供することを、解決すべき技術的課題とする。
本願発明者は、多様な試行錯誤を通じて上記課題の解決手段を追求する過程で、多価アルコール脂肪酸エステルと共に、イノシトール等の脂環式ポリオールと、カチオン界面活性剤とを併せ配合する点が決定的であることを見出し、本発明を完成した。
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、下記の(A)成分〜(C)成分を含有する、毛髪処理剤組成物である。
(A)成分:脂環式ポリオール
(B)成分:カチオン界面活性剤
(C)成分:多価アルコール脂肪酸エステル
この第1発明において(A)成分:脂環式ポリオールの種類は特段に限定されず、例えばシクロヘキサンのジオールないしヘキサオール、シクロペンタンのジオールないしペンタオール、又はこれらをモノマー単位とする一定範囲のオリゴマー等が包含される。特に好ましくは、後述の実施例で用いているイノシトールである。
イノシトールは周知の生理活性物質であり、その他の脂環式ポリオールは必ずしもイノシトールと同様な生理活性を示さない。しかし、第1発明における下記に示すような特有の効果は、生理活性に基づくものではなく、「複数のアルコール基を有する脂環式化合物」という化学構造上の特徴に基づくものと考えられる。従って、イノシトール以外の脂環式ポリオールもイノシトールと同様の効果を示すものと、化学常識に基づいて合理的に推定することができる。
第1発明によれば、毛髪処理剤に上記の(A)成分〜(C)成分を併せ配合するので、(C)成分に基づき毛髪における優れた保湿作用を確保できるだけでなく、同時に(C)成分に起因する毛髪のべたつきを有効に防止することができる。その理由は未だ明確には解明していないが、(A)成分及び(B)成分が相乗的に(C)成分の毛髪への浸透性を高める結果、(C)成分の毛髪上での残留が低減して、毛髪のべたつきが防止されるものと推定している。
更に、意外なことに、第1発明の毛髪処理剤は毛髪強度を向上させるという、(A)成分の配合系においても(C)成分の配合系においても従来は全く知られていなかった驚くべき効果も示すことが見出された。その理由も未だ明確には解明していないが、(C)成分が(A)成分と共に毛髪構造に相乗的に作用して、毛髪強度を向上させるものと推定している。その際、上記のように(C)成分の毛髪への浸透性が高まることが、この効果に関連していると考えられる。
更に、好ましいことに、第1発明の毛髪処理剤組成物は、健常毛に用いても良好な効果を発揮するが、これをダメージ毛に適用すると、とりわけ顕著な効果が確保されることが分かった。
(C)成分に対して(B)成分を配合しても(A)成分を配合しない場合、仕上がり後の毛髪に、油分によるうるおい感は得られるが、毛髪がべたついて柔らかさに欠け、第1発明の効果は全く得られない。又、(C)成分に対して(A)成分を配合しても(B)成分を配合を配合しない場合、仕上がり後の毛髪のうるおい感や滑らかさが十分ではない。この場合、乳化系の毛髪処理剤においては、実際には何らかのタイプの界面活性剤の配合が不可欠であるが、乳化系の毛髪処理剤においてカチオンタイプ以外のタイプの界面活性剤を配合した場合にも、仕上がり後の毛髪のうるおい感や滑らかさが十分ではない。
なお、例えば下記の特許文献2〜特許文献4等の幾つかの文献には、毛髪処理剤やこれに類似した用途の毛髪用組成物にイノシトールを配合した事例が見られる。しかしながら、イノシトールを本発明のような技術的課題の認識のもとに配合する旨の開示・示唆は認められず、(A)成分〜(C)成分を併せ配合するという構成も開示・示唆されていない。
特開2006−315987号公報 特開2006−28026号公報 特開平10−114641号公報(第2発明)上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係る(A)成分がイノシトールである、毛髪処理剤組成物である。第2発明に規定するように、脂環式ポリオールとしては、シクロヘキサンのヘキサオールであるイノシトールを特に好ましく例示することができる。(第3発明)上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、前記毛髪処理剤組成物が以下の(1)〜(3)の1項目以上に該当する、毛髪処理剤組成物である。(1)前記(A)成分の配合量が0.005質量%〜5.0質量%の範囲内である。(2)前記(B)成分の配合量が0.3質量%〜10.0質量%の範囲内である。(3)前記(C)成分の配合量が0.1質量%〜10.0質量%の範囲内である。毛髪処理剤組成物の(A)成分〜(C)成分の配合量が第3発明の範囲内であるとき、前記した第1発明の効果が特に好ましく確保される。(A)成分の配合量が上記の範囲を下回ると、仕上がり後の毛髪に油分によるうるおい感は得られるが、相対的に、毛髪がべたついて柔らかさに欠け、更に毛髪の強度向上効果も不足しがちで、第1発明の効果は得られ難い。(A)成分の配合量が上記の範囲を上回っても、第1発明で述べた配合効果が飽和してしまい不経済であると同時に、毛髪処理剤組成物が乳化剤である場合には界面活性剤である(B)成分の効果を低下させ乳化が不安定となることが懸念される。(B)成分の配合量が上記の範囲を下回ると、界面活性剤としての本来の効果を確保し難くなる他、相対的に仕上がり後の毛髪のうるおい感や滑らかさが不十分となり、更に毛髪の強度向上効果も不足しがちである。(B)成分の配合量が上記の範囲を上回ると、界面活性剤の過剰配合に基づく皮膚刺激性の増加等の不具合が懸念される他、第1発明で述べた配合効果が飽和してしまい、不経済である。(C)成分の配合量が上記の範囲を下回ると、その配合効果である毛髪の保湿作用を確保し難い。(C)成分の配合量が上記の範囲を上回ると、過剰配合となる結果、(A)成分及び(B)成分を併用しても、毛髪のべたつきを十分に抑えきれなくなる恐れがある。(第4発明)上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、前記第1発明〜第3発明に係る(C)成分が、グリセリン脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル及びジペンタエリスリトール脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種の多価アルコール脂肪酸エステルである、毛髪処理剤組成物。第4発明に規定するように、(C)成分としては、グリセリン脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル及びジペンタエリスリトール脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。(第5発明)上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、前記第1発明〜第3発明に係る(C)成分が、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル及びジペンタエリスリトール脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種の多価アルコール脂肪酸エステルである、毛髪処理剤組成物である。第5発明に規定するように、(C)成分としては、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル及びジペンタエリスリトール脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種が、とりわけ好ましい。(第6発明)上記課題を解決するための本願第6発明の構成は、前記第1発明〜第5発明に係る毛髪処理剤組成物が更に下記の(D)成分を含有する、毛髪処理剤組成物である。(D)成分:中性又は酸性アミノ酸第6発明の毛髪処理剤組成物は、更に(D)成分として中性又は酸性アミノ酸を含有するので、仕上がり後の毛髪強度が一層向上する。(第7発明)上記課題を解決するための本願第7発明の構成は、前記第1発明〜第6発明に係る毛髪処理剤組成物が更に下記の(E)成分を含有する、毛髪処理剤組成物である。(E)成分:少なくともジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーンを包含するシリコーン誘導体群から選ばれる少なくとも1種のシリコーン誘導体。第7発明の毛髪処理剤組成物は、更に(E)成分として上記のシリコーン誘導体を含有するので、この場合にも、仕上がり後の毛髪強度が一層向上する。(第8発明)上記課題を解決するための本願第8発明の構成は、前記第1発明〜第7発明に係る毛髪処理剤組成物が、更に下記の(F)成分を含有する、毛髪処理剤組成物である。(F)成分:オリゴ糖。第8発明の毛髪処理剤組成物は、更に(F)成分として上記のオリゴ糖を含有するので、この場合にも、仕上がり後の毛髪強度が一層向上する。(第9発明)上記課題を解決するための本願第9発明の構成は、前記第1発明〜第8発明に係る毛髪処理剤組成物が更に下記の(G)成分を含有する毛髪処理剤組成物である。(G)成分:有機酸及び有機アルカリからなるpH緩衝成分。第9発明のように、毛髪処理剤組成物は(G)成分、即ちpH緩衝成分によってpHを安定化させることが好ましい。この場合にも仕上がり後の毛髪強度が一層向上する。その理由は、毛髪処理剤組成物のpHを安定化させることにより、毛髪を構成するタンパク質の構造を化学的に一層安定化させ、それに伴いタンパク質の物理的特性を向上させることができるためである。即ち、(G)成分は仕上がり感の向上に寄与するという効果を期待できる。その際、無機のpH緩衝成分は効果が強すぎるため、有機酸及び有機アルカリを用いることが好ましい。(第10発明)上記課題を解決するための本願第10発明の構成は、第1発明〜第9発明のいずれかに係る毛髪処理剤組成物をダメージ毛に適用する、毛髪処理方法である。本発明の毛髪処理剤組成物は、健常毛に用いても良好な効果を発揮するが、第10発明に規定するように、これをダメージ毛に適用するという毛髪処理方法を行った場合、とりわけ顕著な効果が確保される。
本発明の毛髪処理剤組成物は、多価アルコール脂肪酸エステルの配合により毛髪に対する優れた保湿作用を発揮できると同時に、その特有の欠点である毛髪のべたつきがなく、しかも毛髪の強度が向上するという驚くべき効果も得ることができる。
次に、本発明を実施するための形態を、その最良の形態を含めて説明する。
〔毛髪処理剤組成物〕
本発明に係る毛髪処理剤は、少なくとも(A)成分:脂環式ポリオール、(B)成分:カチオン界面活性剤、(C)成分:多価アルコール脂肪酸エステルを含有する。より好ましくは、更に、(D)成分:中性又は酸性アミノ酸、(E)成分:シリコーン誘導体、(F)成分:オリゴ糖、(G)成分:有機酸及び有機アルカリからなるpH緩衝成分、のいずれか1成分以上を含有する。これらの各成分については、後述の「毛髪処理剤の主な成分」の項で詳しく説明する。
なお、毛髪処理剤の各成分の溶媒又は分散媒として水が配合され、各成分の濃度(質量パーセンテージ)が調整される。
〔毛髪処理剤の用途及び剤型〕
本発明の毛髪処理剤の用途は、毛髪を処理するものである限りにおいて特段に限定されない。より好ましくは、パーマネントウエーブ処理の後処理剤、毛髪脱色処理、酸化染毛処理又は酸性染毛処理の後処理剤、あるいは、シャンプー剤、リンス剤、又はスタイリング剤として使用される。
パーマネントウエーブ処理とは、少なくともアルカリ剤と還元剤とを含有する第1剤で毛髪の還元を行った後、毛髪にウエーブの賦形等を行ったもとで、少なくとも酸化剤を含有する第2剤で毛髪の酸化を行う処理をいう。毛髪脱色処理とは、少なくともアルカリ剤を含有した第1剤と、少なくとも過酸化水素等の酸化剤を含有した第2剤とを使用時に混合して施用することにより、毛髪の脱色を行う処理をいう。酸化染毛処理とは、少なくともアルカリ剤及び酸化染料(主要中間体とカップラー)を含有した第1剤と、少なくとも過酸化水素等の酸化剤を含有した第2剤とを使用時に混合して施用することにより、毛髪の脱色と染料の酸化発色による染毛とを行う処理をいう。酸性染毛処理とは、予めプラス荷電を持つ毛髪に対してマイナス荷電を持つ酸性染料を施用し、イオン結合させる染毛処理をいう。
毛髪処理剤の剤型は、公知の各種の剤型の内から、その用途や使用目的等に応じて任意に選択することができる。好ましくは、液体状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、霧状(噴霧式)、エアゾールフォーム等を例示することができる。
〔毛髪処理剤のpH〕
毛髪処理剤のpHも特段に限定されないが、一般的にはpH3.0〜8.0程度が好ましく、特にpH3.5〜7.0程度が好ましい。pH3.0未満であると毛髪タンパク質の過収斂による毛髪感触の悪化が懸念され、pH8.0を超えると毛髪タンパク質の分解による毛髪損傷が懸念される。
毛髪処理剤におけるこれらの範囲内のpHを安定的に維持するために(G)成分であるpH緩衝成分を配合することが好ましいが、pH緩衝成分については次の「毛髪処理剤の主な成分」の項で詳しく説明する。
〔毛髪処理剤の主な成分〕
(脂環式ポリオール)
(A)成分である脂環式ポリオールとは、いわゆる脂肪族環状炭化水素において水酸基を2個以上持つ化合物を言う。脂肪族環状炭化水素の種類は限定されないが、任意の立体構造をとるシクロペンタン又はシクロヘキサンが代表的に例示される。シクロペンタンのポリオールとしては水酸基を2個〜5個持つ化合物が考えられ、シクロヘキサンのポリオールとしては水酸基を2個〜6個持つ化合物が考えられるが、これらのいずれもが(A)成分のカテゴリーに含まれる。特に好ましい(A)成分として、シクロヘキサンのヘキサオールであるイノシトールが例示される。これらは、その1種類を単独に配合し、又は2種類以上を併せ配合することができる。
(カチオン界面活性剤)
(B)成分であるカチオン界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム(5E.O.)、クオタニウム−91(INCI名称)、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミドプロピルエチルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、N,N−ジ(アシロキシ),N−(ヒドロキシエチル),N−メチルアンモニウムメトサルフェート等が挙げられる。これらは、その1種類を単独に配合し、又は2種類以上を併せ配合することができる。
(多価アルコール脂肪酸エステル)
(C)成分である多価アルコール脂肪酸エステルは、そのカテゴリーに属するものである限りにおいて特段に限定されず、多価アルコールのモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステル又はそれ以上のポリ脂肪酸エステル(例えば、テトラ脂肪酸エステルやヘキサ脂肪酸エステル等)が含まれる。具体的には、大豆油、オリーブ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油、ローズヒップ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、マカダミアナッツ油、アマニ油、パーシック油、ククイナッツ油、月見草油、ハイオレイックヒマワリ油、メドウホーム油、へーゼルナッツ油、ピスタシオ種子油等のグリセリン系の各種の植物油や、ペンタエリスリトール系の脂肪酸エステルが好ましく、グリセリン脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル又はジペンタエリスリトール脂肪酸エステルが特に好ましく、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル又はジペンタエリスリトール脂肪酸エステルがとりわけ好ましい。
ペンタエリスリトール系の脂肪酸エステルとしては、より具体的には、ジペンタエリスリトール(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)テトラエステルやジペンタエリスリトール(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ヘキサエステル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、テトラオレイン酸ペンタエリスリトール等が例示される。多価アルコールのモノ脂肪酸エステルとしては、モノステアリン酸グリセリンが例示される。多価アルコールのジ脂肪酸エステルとしては、ジイソステアリン酸プロピレングリコール等が例示される。
これらの多価アルコール脂肪酸エステルは、その1種類を単独に配合し、又は2種類以上を併せ配合することができる。
(中性又は酸性アミノ酸)
(D)成分である「中性又は酸性アミノ酸」は、塩基性とならない限りにおいて、酸性又は中性アミノ酸の塩や、塩基性基であるアミノ基が修飾されたもの、酸性基としてスルホン酸基を含有するものなどの誘導体を含む概念である。中性又は酸性アミノ酸の種類は限定されないが、グリシン、アラニン、タウリン、L−テアニン、L−フェニルアラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリンが好ましく例示される。これらは、その1種類を単独に配合し、又は2種類以上を併せ配合することができる。
(シリコーン誘導体)
(E)成分であるシリコーン誘導体としては、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体、7ジメチルポリシロキサンやその末端ヒドロキシ変性体(例えばジメチコノール)、ポリエーテル変性シリコーン、メチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、アミノ変性シリコーン、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、PEG−12ジメチコン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられ、ジメチコノール又はポリエーテル変性シリコーンが特に好ましい。
上記の内、アミノ変性シリコーンとしては、アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(アミノプロピルジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(アモジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(トリメチルシリルアモジメチコン)などが挙げられる。
これらの(E)成分は、その1種類を単独に配合し、又は2種類以上を併せ配合することができる。
(オリゴ糖)
(F)成分であるオリゴ糖とは、二糖類、三糖類、四糖類等の、モノマーとしての同種又は異種の単糖が2単位〜100単位の範囲でグリコシド結合したオリゴマーを言う。単糖の種類は、グルコース、フルクトース、マンノース、ソルビトール等、限定はなく、任意であり得る。又、(F)成分である「オリゴ糖」には、各種のオリゴ糖誘導体も包含される。特に好ましいオリゴ糖として、マルトース、セロビオース、ラクトース、イソマルトース、スクロース、キトビオース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノース、トレハロース、スタキオース、セロテトラオース、セロペンタオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース等を例示できる。
これらの(F)成分は、その1種類を単独に配合し、又は2種類以上を併せ配合することができる。
(pH緩衝成分)
(G)成分であるpH緩衝成分としては、酸成分が有機酸からなり、アルカリ成分が有機アルカリからなるものが好ましい。有機酸としてはカルボン酸が特に好ましく、とりわけ、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸及びコハク酸から選ばれるものが好ましい。有機アルカリとしては、モルフォリンなどの揮発性アルカリ成分、モノエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールなどのアミノアルコール類、L−アルギニン、L−リジン、L−ヒスチジン等の塩基性アミノ酸等が挙げられる。これらは、その1種類を単独に配合し、又は2種類以上を併せ配合することができる。
〔毛髪処理剤のその他の成分〕
本発明の毛髪処理剤には、上記の成分の他に、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、上記した「主な成分」以外の油性成分、炭化水素、界面活性剤、カチオン性化合物、高分子物質、タンパク加水分解物、ビタミン類、セラミド、キレート剤、香料、殺菌・防腐剤、紫外線吸収剤、噴射剤、増粘剤、パール化剤等を、必要に応じて、あるいは任意に、配合することができる。これらの内の幾つかの成分についての具体例を以下に列挙する。
(油性成分)
(C)成分である多価アルコール脂肪酸エステル以外の油性成分を配合することも可能であるが、本発明の目的の一つである「毛髪のべたつき防止」に配慮して、その配合量を少なく設定することが好ましい。
油性成分としては、多価アルコール、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、上記した多価アルコール脂肪酸エステル以外のエステル類等が挙げられる。これらは、その1種類を単独に配合し、又は2種類以上を併せ配合することができる。
多価アルコールとしては、グリコール類、グリセリン類等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等、グリセリン類としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。
油脂としては、多価アルコール脂肪酸エステルである油脂を除く各種の植物油、動物油、等が挙げられる。
ロウ類としてはミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
エステル類としては、多価アルコール脂肪酸エステル以外の、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、カプリン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
(炭化水素)
炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。これらは、その1種類を単独に配合し、又は2種類以上を併せ配合することができる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、上記したカチオン性界面活性剤を除く、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。これらは、その1種類を単独に配合し、又は2種類以上を併せ配合することができる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミド類等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のPOEアルキル硫酸塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
(高分子物質)
高分子物質としては、下記のカチオン性化合物としてのカチオン性ポリマーを除く各種の高分子物質、例えば、カルボキシビニルポリマー等のアニオン性ポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合体等の両性ポリマー、あるいは各種の水溶性ポリマーが例示される。これらは、その1種類を単独に配合し、又は2種類以上を併せ配合することができる。
高分子物質の具体例としては、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン等の植物性ポリマー、デキストラン、プルラン等の微生物系ポリマー、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物性ポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系ポリマーが例示され、その他にも、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリオキシエチレン系ポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
(カチオン性化合物)
カチオン性化合物は、その水溶液がカチオン性を示す化合物を言う。カチオン性化合物の種類は限定されないが、特に好ましくは上記したカチオン性界面活性剤を除く、カチオン性オリゴマー及びカチオン化糖誘導体が挙げられ、他にもカチオン性ポリマー等が例示される。これらは、その1種類を単独に配合し、又は2種類以上を併せ配合することができる。
カチオン性オリゴマーとしては、カチオン化加水分解タンパク類等が挙げられる。
カチオン化糖誘導体としては、カチオン化オリゴ糖、カチオン化ハチミツ、カチオン化キトサン等が挙げられる。
カチオン性ポリマーとしては、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム、カチオン化デンプン、第四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ジアリル第四級アンモニウム塩重合物誘導体等が挙げられる。
(タンパク加水分解物)
タンパク加水分解物としては、上記したカチオン化加水分解タンパクを除く、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、エッグ、シルク、コンキオリン、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質、コメ、コムギ、オオムギ、カラスムギ、ダイズ、エンドウ、アーモンド、ブラジルナッツ、ジャガイモ及びトウモロコシなどの植物から得られるタンパク質を酸、アルカリ、酵素等により加水分解したタンパク加水分解物が挙げられる。
以下に、本発明の実施例を比較例と共に説明する。本発明の技術的範囲は、これらの実施例及び比較例によって限定されない。
〔第1実施例:ダメージ毛を対象とする実施例及び比較例〕
末尾の表1に示す実施例1〜実施例13及び末尾の表2に示す比較例1〜比較例12に係る組成の毛髪処理剤(ヘアトリートメント)を常法に従って調製した。これらの毛髪処理剤はいずれも、その剤型がクリーム状であり、pHが3.0〜8.0の範囲内である。
表1、表2(及び後述の表3〜表5)の「成分」の欄において「A」、「B」、「D」、「E」、「F」と表記した成分はそれぞれ本発明の(A)成分、(B)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分であることを示し、「C」と表記した成分は(C)成分の内のトリ脂肪酸エステル又はそれ以上のポリ脂肪酸エステルであり、「C2」と表記した成分は(C)成分の内のモノ脂肪酸エステル又はジ脂肪酸エステルであることを示す。「A比」、「B比」、「C比」と表記した成分はそれぞれ(A)成分、(B)成分、(C)成分ではないが、これらの成分に対する比較用の成分であることを示す。又、「Gac」と表記した成分は(G)成分の内の有機酸成分であることを、「Gal」と表記した成分は(G)成分の内の有機酸アルカリ成分であることを、それぞれ示す。表1において、それぞれの成分量を数値で表記しているが、これらの数値は全て「質量%」単位である。
次に、ブリーチ剤(ホーユー株式会社製 ビューティーンブリーチ プラチナブロンド)を用いた常法による脱色処理を3回繰り返した、長さ20cmのヒト直毛の毛束を所要の本数だけ準備し、これらの毛束をシャンプー処理した後、それぞれ上記各実施例及び比較例に係るヘアトリートメントを毛髪に塗布し、その直後(約10秒後)に洗い流し乾燥してから、それらの毛束について、「仕上がり後のうるおい感」、「仕上がり後の滑らかさ」、「毛髪の引っ張り強度」、「毛髪のハリコシ感」の各項目を以下の評価方法によって評価した。「毛髪のハリコシ感」とは、毛髪自体の物理的特性に基づく特性で、たとえば毛髪を曲げてもすぐに元に戻ろうとする弾性があるという感覚をいう。
(仕上がり後のうるおい感)
10名のパネラーが各自、上記各実施例及び比較例に係る処理後の毛髪について、手で触れることにより、仕上がり後のうるおい感を評価した。うるおい感が十分にあった場合を4点、うるおい感があった場合を3点、あまりうるおい感がなかった場合を2点、全くうるおい感がなかった場合を1点とする4段階で評価した。
10名のパネラーの採点結果について各実施例及び比較例ごとに平均点を算出し、平均点が3.6以上である場合を◎(優れている)、平均点が2.6〜3.5である場合を○(良好)、平均点が1.6〜2.5である場合を△(やや悪い)、平均点が1.5以下である場合を×(悪い)とした。その結果を1表の「評価」欄における「仕上がり後のうるおい感」の項に表記した。
(仕上がり後の滑らかさ)
10名のパネラーが各自、上記各実施例及び比較例に係る処理後の毛髪について、手で触れることにより、仕上がり後の滑らかさを評価した。十分に滑らかであった場合を4点、滑らかであった場合を3点、あまり滑らかでなかった場合を2点、滑らかさが全くなかった場合を1点とする4段階で評価した。
10名のパネラーの採点結果について各実施例及び比較例ごとに平均点を算出し、平均点が3.6以上である場合を◎(優れている)、平均点が2.6〜3.5である場合を○(良好)、平均点が1.6〜2.5である場合を△(やや悪い)、平均点が1.5以下である場合を×(悪い)とした。その結果を1表の「評価」欄における「仕上がり後の滑らかさ」の項に表記した。
(毛髪の引っ張り強度)
上記各実施例及び比較例に係る毛髪処理剤による処理前及び処理後における毛髪について、引張試験機(テンシロンUTM−II;東洋ボールドウィン社製)を用いてそれぞれ破断応力値を測定し、処理前の測定値に対する処理後の測定値の増加率を毛髪強度増加率(%)として算出した。そして、毛髪強度を次の基準で評価した。
◎:毛髪強度増加率が9%以上、○:毛髪強度増加率が7%以上9%未満、△:毛髪強度増加率が5%以上7%未満、×:毛髪強度増加率が5%未満。
(毛髪のハリコシ感)
10名のパネラーが各自、上記各実施例及び比較例に係る処理後の毛髪について、手で触れることにより、仕上がり後の毛髪のハリコシ感を評価した。ハリコシ感が十分にあった場合を4点、ハリコシ感があった場合を3点、あまりハリコシ感がなかった場合を2点、全くハリコシ感がなかった場合を1点とする4段階で評価した。
10名のパネラーの採点結果について各実施例及び比較例ごとに平均点を算出し、平均点が3.6以上である場合を◎(優れている)、平均点が2.6〜3.5である場合を○(良好)、平均点が1.6〜2.5である場合を△(やや悪い)、平均点が1.5以下である場合を×(悪い)とした。その結果を1表の「評価」欄における「毛髪のハリコシ感」の項に表記した。
(評価結果)
表1に示す評価結果から分かるように、実施例1〜実施例13は、いずれの評価項目においても非常に高い評価結果であった。一方、比較例1〜比較例12では、その一部の例で、「C」成分や「C比」成分の配合等により「うるおい感」等の特定の評価項目のみに「◎」や「○」の高評価が見られるものの、本発明の特有の効果は全く達成されていないことが明瞭である。
更に、表1に示す評価結果の全体から、以下の諸点を指摘することができる。
1)(A)成分を配合しない場合や、(A)成分に代えて「A比」成分を配合した場合は、仕上がり後の毛髪にうるおい感は得られるが、毛髪がべたつくために滑らかさに欠け、しかも毛髪の引っ張り強度やハリコシ感は全く得られない。
2)(B)成分を配合を配合しない場合や、(B)成分に代えて「B比」成分を配合した場合は、(A)成分を配合しても、仕上がり後の毛髪のうるおい感や滑らかさが不十分であって、しかも毛髪の引っ張り強度やハリコシ感は全く得られない。
3)(C)成分を配合を配合しない場合や、(C)成分に代えて「C比」成分を配合した場合は、後者においては油分の種類によってうるおい感や滑らかさの評価が変化するが、(C)成分を配合していないため、毛髪の引っ張り強度やハリコシ感は全く得られない。
〔第2実施例:D成分、E成分、F成分の追加配合等に係る実施例〕
末尾の表3に示すように、前記の第1実施例に係る「実施例1」の配合処方に対して、各種の(D)成分を0.1質量%追加配合した実施例14〜21と、各種の(E)成分を2質量%追加配合した実施例22〜実施例24と、各種の(F)成分を1質量%追加配合した実施例25〜28と、「Gac」又は「Gal」の種類を変更した実施例29及び実施例30とに係る毛髪処理剤(ヘアトリートメント)を、それぞれ常法に従って調製した。これらの毛髪処理剤は、「実施例1」と同じ剤型、同一のpHとした。
実施例14〜実施例30に係る毛髪処理剤を用いて、第1実施例の場合と同様の毛束サンプルを用いて同様の評価を行ったところ、各項目の評価結果は表1に示す実施例1の場合と同様に全項目が「◎」の評価であった。但し、より詳細に対比すると、実施例1の場合は「毛髪のハリコシ感」の評価平均点が「3.7」であったが、実施例14〜実施例28の場合はその評価平均点が「3.9」であった。
〔第3実施例:A成分の配合量の変更に係る実施例〕
末尾の表4に示すように、前記の第1実施例に係る「実施例1」の配合処方における(A)成分の配合量を幾通りかに変更した実施例31〜34に係る毛髪処理剤(ヘアトリートメント)を、それぞれ常法に従って調製した。これらの毛髪処理剤は、「実施例1」と同じ剤型、同一のpHとした。
実施例31〜実施例34に係る毛髪処理剤を用いて、第1実施例の場合と同様の毛束サンプルを用いて同様の評価を行ったところ、各項目の評価結果は表1に示す実施例1の場合と同様に全項目が「◎」の評価であった。その内、「毛髪のハリコシ感」をより詳細に対比しても、実施例1の場合と同様に、評価平均点が「3.7」であった。
〔第4実施例:健常毛を対象とする実施例及び比較例〕
長さ20cmのヒト黒毛であって、毛髪のダメージ要因である脱色処理やパーマネントウエーブ処理を未だ受けていない未処理毛の毛束を所要の本数だけ準備し、これらの毛束をシャンプー処理した後、第1実施例の場合と同様にして、前記の実施例1、実施例14、実施例26及び比較例1、比較例6、比較例7に係るヘアトリートメントを第1実施例の場合と同様に処理し、かつ第1実施例の場合と同様の評価項目について、同様の評価方法及び評価基準で評価した。
その結果、末尾の表5に示すように、実施例1、実施例14及び実施例26については、第1実施例の場合と全く同等の評価結果を得た。これに対して、比較例1及び比較例6では、「仕上がり後の滑らかさ」、「毛髪の引っ張り強度」と「毛髪のハリコシ感」との評価結果が「△」であり、比較例7では「仕上がり後の滑らかさ」が「○」であると共に「毛髪の引っ張り強度」と「毛髪のハリコシ感」との評価結果が「△」である点が、第1実施例の場合とは異なっていた。
即ち、第4実施例に係る上記の各比較例は、第1実施例における各実施例との対比において、第1実施例に係る各比較例ほどの極めて大きな評価結果の差異はなかったものの、やはり顕著な評価結果の差異が見られた。
この点を異なる観点から述べると、本発明に係る毛髪処理剤は、従来技術に比較して、健常毛を対象とする場合にも十分に顕著な効果を示すが、ダメージ毛を対象とする場合にはとりわけ顕著な効果を示すことが判明した。
本発明により、多価アルコール脂肪酸エステル配合時の特有の欠点を解消できるだけでなく、毛髪強度の向上も実現できる毛髪処理剤が提供される。

Claims (10)

  1. 下記の(A)成分〜(C)成分を含有することを特徴とする毛髪処理剤組成物。
    (A)成分:脂環式ポリオール
    (B)成分:カチオン界面活性剤
    (C)成分:多価アルコール脂肪酸エステル
  2. 前記(A)成分がイノシトールであることを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理剤組成物。
  3. 前記毛髪処理剤組成物が以下の(1)〜(3)の1項目以上に該当することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪処理剤組成物。
    (1)前記(A)成分の配合量が0.005質量%〜5.0質量%の範囲内である。
    (2)前記(B)成分の配合量が0.3質量%〜10.0質量%の範囲内である。
    (3)前記(C)成分の配合量が0.1質量%〜10.0質量%の範囲内である。
  4. 前記(C)成分が、グリセリン脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル及びジペンタエリスリトール脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種の多価アルコール脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の毛髪処理剤組成物。
  5. 前記(C)成分が、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル及びジペンタエリスリトール脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種の多価アルコール脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の毛髪処理剤組成物。
  6. 前記毛髪処理剤組成物が、更に下記の(D)成分を含有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の毛髪処理剤組成物。
    (D)成分:中性又は酸性アミノ酸
  7. 前記毛髪処理剤組成物が、更に下記の(E)成分を含有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の毛髪処理剤組成物。
    (E)成分:少なくともジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーンを包含するシリコーン誘導体群から選ばれる少なくとも1種のシリコーン誘導体。
  8. 前記毛髪処理剤組成物が、更に下記の(F)成分を含有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の毛髪処理剤組成物。
    (F)成分:オリゴ糖。
  9. 前記毛髪処理剤組成物が、更に下記の(G)成分を含有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の毛髪処理剤組成物。
    (G)成分:有機酸及び有機アルカリからなるpH緩衝成分。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の毛髪処理剤組成物をダメージ毛に適用することを特徴とする毛髪処理方法。
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