JP4144696B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発射ハンドルを備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機用発射ハンドルとしては例えば、特許文献1に挙げるものがある。この遊技機用発射ハンドル(以下、単に発射ハンドルとも言う。なお特許文献1では操作ハンドル)では、発射ハンドルの握り部であるハンドルベース(本発明のカバー部に相当)に略三角形状の穴を形成し、ここにハンドルベースの内側から突起形成部材を装着している。突起形成部材には略半球状の小さな突起が多数形成されており、これらが略三角形状の穴から露出される。これにより、遊技者がハンドルベースを握ると掌に多数の突起が当たり、長時間の遊技による手の疲労感を少なくすることができるとされている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−267276号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記多数の突起が掌に触れるのを嫌がる遊技者がいるかもしれない。こうした遊技者にとって上記従来技術は手の疲労感を少なくできるどころか逆に不快感をもよおすことになる。
【0005】
また、遊技者によって、掌の寸法及び感覚が個々に異なるため、遊技を行うに際して適切で快適な発射ハンドル形状あるいは好みの表面状態は遊技者各々毎に異なっている。しかしながら、上記従来の発射ハンドルは掌当接部の形状が固定されており、遊技者各々に個別に対応することは困難で、快適な遊技を行うことが難しいという問題があった。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、遊技者が快適に遊技を行うことが可能な遊技機用発射ハンドルおよび遊技機を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、掌に当たる面として自分の好みの形状または状態を選択可能な遊技機用発射ハンドルおよび遊技機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
かかる課題を解決するためになされた請求項1に記載の遊技機は、
遊技球の発射強度を操作するための発射ハンドルを備えた遊技機において、
前記発射ハンドルは、
遊技機本体に固定されるハンドル保持部と、
遊技者により周囲を把持され、その軸が略遊技者方向を向けて配置される部材であって、前記軸周りに該遊技者によって回動され、該回動の角度により遊技球の発射強度を前記遊技者が指示するための発射レバーと、
前記ハンドル保持部に固定されるベース部と、
前記発射レバーの遊技者側の少なくとも一部を覆うカバー部と、
を備えており、
前記発射レバーは、遊技者により回動されていない状態では遊技球を発射せず、所定の方向に回動されるほど発射強度を強くするように指示するためのものであり、
前記カバー部は、当該カバー部の周方向に沿って異なる3種類の形状の表面が各中心角120度の扇形に配置されている掌当接部を備え、
前記発射レバーは、前記ハンドル保持部と前記ベース部との間に回動自在に挟持されており、
前記ベース部は、表側に爪部を有し、
前記カバー部は、裏側に歯部を有し、
前記掌当接部は、遊技者が前記カバー部を回動させると、その回動に応じて前記掌当接部の異なる形状の表面が前記遊技者の掌に当接し、
前記カバー部は、前記ベース部と回動可能に接続され、前記発射レバーとは連動せず、前記爪部と前記歯部が噛み合うことにより、前記所定の方向の逆方向への回動が禁止されて位置決め可能とされ、独立して前記所定の方向にのみ回動する
ことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の遊技機では、発射レバーの遊技者側の少なくとも一部を覆うカバー部は、その周方向に沿って異なる3種類の形状の表面が各中心角120度の扇形に配置されている掌当接部を備えており、ベース部と回動可能に接続され、発射レバーとは連動せず、ベース部の表側に配された爪部とカバー部の裏側に配された歯部とが噛み合うことにより、所定の方向の逆方向への回動が禁止されて位置決め可能とされ、独立して所定の方向にのみ回動するため、遊技者が発射レバーの回動とは無関係にカバー部を所定の方向に回動させることができる。遊技者がカバー部を回動させると、その回動角度に応じて掌当接部の異なる形状の表面が遊技者の掌に当接するから、遊技者は、自分の好みの表面を掌に当接させてより快適に遊技をすることができる。
【0009】
なお、表面形状としては、ディンプル状の複数の窪み、イボ状の複数の突起、複数の溝、壁状の複数の突部等が挙げられる。また、表面状態としては、凹凸が一切ない滑らかな表面、凹凸が複数形成された凹凸面、硬い面、柔らかい面等が挙げられる。さらに、カバー部の周方向に沿って異なる表面形状には、カバー部の表面形状が回動軸の軸方向に異なっていること、カバー部の表面形状が回動軸と交差する方向に異なっていること等が挙げられる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。
ここでは遊技機として、いわゆるセブン機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例に取り、その構造について図1及び図2を参照して説明する。
【0027】
パチンコ機1の前面部は、図1及び図2に示すように、主として外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、シリンダ錠7とから構成されている。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものであり、この外枠2にてパチンコ機1の遊技盤を収納する。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図2参照)3aと下板部とを有し、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。中枠3の右端中央にはシリンダ錠7が設けられ、シリンダ錠7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0028】
ここで枠体部3aは、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の略三角形状の枠飾りLED用レンズ4c,4eに対応して、左側に賞球表示LED(図示を省略)及び賞球表示LED基板が、右側にストップ表示LED(図2では図示略)及びストップ表示LED基板が配設されている。
【0029】
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカー面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカーが配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット(図示略)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。
【0030】
さらに、下板部の下方には、灰皿や玉抜きレバー等を備えた下皿部6が設けられ、下皿部6の略中央には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニット(図示略)を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。
【0031】
前面枠4は、図1及び図2に示すように、全体がプラスチック製であり、遊技盤を前方から視認するべく、遊技盤に形成された遊技領域の形状に対応して略円周状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板4rが嵌められた略長方形状のガラス枠4s(図2参照)が装着されている。尚、本実施例では、ガラス枠4sが、前面枠4に裏面に装着され、このガラス枠4fによって、ガラス板4rの周縁部が保持されている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤に形成された遊技領域は、ガラス板4eの後方に形成されている。尚、前面枠4の前面側にガラス枠4sを装着し、前面枠4の前面側で、ガラス板4rを保持してもよい。また、ガラス板4r以外の透明板(例えば、透明な樹脂板)を、前面枠4に装着された透明板枠で保持することもできる。
【0032】
また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の約2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bも設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
【0033】
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。また、上皿部5には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカー面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
【0034】
次に、図3及び図4を用いて、発射ハンドル9の構造を説明する。この発射ハンドル9は、図3及び図4に示すように、発射レバー55と、カバー部31と、クリックベース39と、連結子59と、可変抵抗器60と、ハンドル保持部57と、を備えている。なお、図3において、下皿外枠6bより内側(同図において右側)は、下皿外枠6bや中枠3を取除いた発射装置の打撃槌56及びその駆動部を示している。また、ハンドル保持部57には凹部33が複数形成されており、発射ハンドル9を遊技者が把持した際に滑らないようにされている。そしてカバー部31には3種類の表面を有する掌当接部35を備えている。図3によく示されているように、発射レバー55の回動軸とハンドルベース58の軸は、ずれて配置されている。
【0035】
発射レバー55は、クリックベース39とハンドル保持部57との間に回動自在に挟持されている。そしてクリックベース39には爪43が形成されている。なお、発射レバー55はスプリング41により遊技者側から見て左回りに付勢されている。また、ハンドル保持部57は、中枠3に支持されたハンドルベース58に固定され、可変抵抗器60はハンドル保持部57内に保持されている。そして、この可変抵抗器60の回動軸62は、連結子59を介して発射レバー55の連結部(図示略)と連結されているため、発射レバー55の連結子59の軸周りの回動操作に伴って、可変抵抗器60の回動軸62は回動する。すなわち、発射レバー55は遊技者により回動されていない状態では遊技球を発射せず所定の方向としての右方向に回動されるほど発射強度を強くする様に指示するためのものである。なお、本実施例では、発射装置の駆動源として、発射ソレノイドを用いた物を例示したが、シンクロナスモータやパルスモータなどを駆動源として用いても良いことはいうまでもない。
【0036】
カバー部31および掌当接部35の詳細を図5に示す。図5(a)はカバー部31を発射レバー55の回動軸37(図4参照)の遊技者側から見た図であり、図5(b)はカバー部31を図5(a)の裏側から見た図である。掌当接部35は、図5(a)に示すように、イボ状の突起47が形成された面35aと、ウレタンゴムが接着された面35bと、溝49が形成された面35cの3種類の表面を備えており、各面35a、35b、35cは本図に示す方向から見て何れも中心角が各120°の扇形を呈している。
【0037】
カバー部31を裏側から見ると、図5(b)に示すように、その内側にラチェット51が固定されている。このラチェット51はカバー部31に固定されており、カバー部31と一体となって回動する。
クリックベース39の詳細を図6に示す。図6(a)はクリックベース39を55の回動軸37の遊技者側から見た図であり、図6(b)はクリックベース39を図6(a)の裏側から見た図である。爪43は位置Pを軸として本図において右回りに付勢されている。雌ねじ穴61は、カバー部31を回動可能にクリックベース39に接続するための物であり、この接続は、カバー部31のキャップ53(図5(a)参照)をはずすと現れる遊挿穴54(図5(b)参照)を通したボルトを雌ねじ穴61に螺合させることにより為される。このとき同時に爪43がラチェット51に係止して、カバー部31を図5(b)の矢印Q方向(遊技者から見ると右回り)のみに回動し、逆方向の回動を禁止する。爪43およびラチェット51が本発明の回動機構部(ラチェット機構)に相当する。なお、ラチェット51は18個の歯を有しており、これによりカバー部31を20°単位で位置決め可能な物となっている。
【0038】
クリックベース39を裏側から見ると、図6(b)に示すように、雌ねじ穴63a、63b、63cが形成されている。これらの位置は、ハンドル保持部57の遊挿穴57a、57b、57c(図4参照)と整合しており、ハンドル保持部57の裏側(ハンドルベース58側)からボルトで固定することによりクリックベース39を固定すると共に、クリックベース39とハンドル保持部57とで発射レバー55を回動可能に挟持する。また、クリックベース39の裏側には、発射レバー55の軸凸部55aが遊嵌する遊嵌穴39aが形成されている。
【0039】
このように構成された発射ハンドル9によれば、遊技者が発射レバー55の回動とは無関係にカバー部31を回動させることができ、その回動の角度に応じて、掌当接部35の面35a、35b、35cの中から自分(遊技者)の好みの面を掌に当接させることができ、より快適に遊技をすることができる。
【0040】
また、カバー部31は、遊技者から見て右回り(所定の方向)には回動するが左回り(反所定の方向)には回動しないようにされている。従って一度、自分の好みの面が掌に当接するようにすれば、手を離す都度、カバー部31を再回動させる必要がない。
【0041】
以上、本発明を適用した一実施形態として、発射ハンドル9について説明してきたが、本発明はこの実施形態に何等限定されるものではなく様々な態様で実施しうる。
例えば、本実施例の発射ハンドル9の掌当接部35では、表面が異なる面が3種類であったが、2種類に減らしたり4種類以上に増やしたりしても良い。また、イボ状の突起45、溝49以外にも、ディンプル状の窪みを形成した面としたり、壁状の突起を複数形成した面としたり、金属、木材などをウレタンゴムに代えて(或いは加えて)カバー部31に固定したりしても良い。
【0042】
また、カバー部を図7に示したような物にしても良い。このカバー部61は、曲率半径の異なる2つの曲面67a、67bを有した物となっている。この場合、カバー部65全体が掌当接部に相当する。曲率の値としては曲面67aの曲率半径Rを35mm、曲面67bの曲率半径rを25mmとすることが例示できる。このように構成されたカバー部65を有する発射ハンドル9によれば、遊技者は、カバー部65の回動の角度に応じて、異なる曲率の表面を自分の掌に当接させることができる。これにより遊技者は、自分の手の寸法に適した好みの曲率の面を掌に当接させることができ、より快適に遊技をすることができる。
【0043】
また、曲面67a、67bの曲率は前記した値以外の数値にしても良いし、また曲面の数を3以上にしても良い。
また、カバー部を図8に示すカバー部69のような形状にしても良い。このカバー部69は、発射レバー55からの高さhが低い面35dと、発射レバー55からの高さHが高い面35eを備えている。そしてカバー部69を回動させることにより掌に面35d、面35eのいずれかを当接させることができる。こうすると、遊技者の体格に応じた面を選択できる。すなわち、遊技者の肩の高さや腕の長さに応じて手の位置が左右にずれる。手が発射ハンドル9に対して上から出る場合には図8(a)のように面35dが上を向くようにし、手が発射ハンドル9に対して下から出る場合には図8(b)のように面35eが上を向くようにするとよい。ここで、カバー部69は、表面形状がカバー部69の回動軸の軸方向に異なっている。
【0044】
また、ラチェット51は18個の歯を有することによりカバー部31を20°単位で位置決め可能な物であったが、20°以外の単位で固定可能な物としても良い。例えば、掌当接部35が3種類の面35a、35b、35cを有していることに対応して、120°単位で位置決め可能に構成しても良い。また、ラチェット以外の機構を用いて、カバー部31を1方向にのみ回動可能に構成したり、或いは単に回動可能に構成したりしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である遊技機用発射ハンドルが適用されたパチンコ機を示す正面図である。
【図2】本実施例の遊技機用発射ハンドルが適用されたパチンコ機において、前面枠を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本実施例の遊技機用発射ハンドルの側面図である。
【図4】本実施例の遊技機用発射ハンドルの分解斜視図である。
【図5】(a)は本実施例の遊技機用発射ハンドルが備えるカバー部の正面図であり、(b)はその背面図である。
【図6】(a)は本実施例の遊技機用発射ハンドルが備えるクリックベースの正面図であり、(b)はその背面図である。
【図7】本発明の他の実施例の遊技機用発射ハンドルが備えるカバー部の正面図である。
【図8】本発明の他の実施例の遊技機用発射ハンドルの側面図である。
【符号の説明】
1…パチンコ機 9…発射ハンドル
31…カバー部 35…掌当接部
43…爪 51…ラチェット
Claims (1)
- 遊技球の発射強度を操作するための発射ハンドルを備えた遊技機において、
前記発射ハンドルは、
遊技機本体に固定されるハンドル保持部と、
遊技者により周囲を把持され、その軸が略遊技者方向を向けて配置される部材であって、前記軸周りに該遊技者によって回動され、該回動の角度により遊技球の発射強度を前記遊技者が指示するための発射レバーと、
前記ハンドル保持部に固定されるベース部と、
前記発射レバーの遊技者側の少なくとも一部を覆うカバー部と、
を備えており、
前記発射レバーは、遊技者により回動されていない状態では遊技球を発射せず、所定の方向に回動されるほど発射強度を強くするように指示するためのものであり、
前記カバー部は、当該カバー部の周方向に沿って異なる3種類の形状の表面が各中心角120度の扇形に配置されている掌当接部を備え、
前記発射レバーは、前記ハンドル保持部と前記ベース部との間に回動自在に挟持されており、
前記ベース部は、表側に爪部を有し、
前記カバー部は、裏側に歯部を有し、
前記掌当接部は、遊技者が前記カバー部を回動させると、その回動に応じて前記掌当接部の異なる形状の表面が前記遊技者の掌に当接し、
前記カバー部は、前記ベース部と回動可能に接続され、前記発射レバーとは連動せず、前記爪部と前記歯部が噛み合うことにより、前記所定の方向の逆方向への回動が禁止されて位置決め可能とされ、独立して前記所定の方向にのみ回動する
ことを特徴とする遊技機。
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