JP7272996B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。
遊技機として、遊技盤および発射装置等を備えたパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機では、遊技球(遊技媒体)が遊技盤の前面に設けられた遊技領域に発射され、遊技球が、遊技領域に設けられている入賞口に進入したことに基づき、遊技者に遊技上の利益が付与される。このような遊技機に代表される所定の遊技機は、遊技球を貯留する受皿を備えており、ボタン操作に基づいて受皿から遊技球を排出することが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005-160568号公報
ところで、従来の遊技機では、一部の操作に関して操作性が悪いという問題があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、快適に操作できる遊技機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
受皿から遊技球を排出可能な第1の孔と、
前記受皿から遊技球を排出可能な第2の孔と、
前記第1の孔を開閉可能な第1の開閉手段と、
前記第2の孔を開閉可能な第2の開閉手段と、
前記第1の開閉手段を動かす操作を受け付ける第1の操作手段と、
前記第2の開閉手段を動かす操作を受け付ける第2の操作手段と、を備え、
前記第1の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第1の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
前記第2の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第2の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
前記第1の操作手段に対する操作が最大操作量である場合は、前記第1の孔を2つ以上の遊技球が同時に通過することが不可能な状態であり、
前記第2の操作手段に対する操作が最大操作量である場合は、前記第2の孔を2つ以上の遊技球が同時に通過することが可能な状態であり、
前記第2の操作手段についての前記最大操作量は、前記第1操作手段についての前記最大操作量よりも大きいことを特徴とする。
また、前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
第1の受皿から遊技球を排出可能な第1の孔と、
第2の受皿から遊技球を排出可能な第2の孔と、
前記第1の孔を開閉可能な第1の開閉手段と、
前記第2の孔を開閉可能な第2の開閉手段と、
前記第1の開閉手段を動かす操作を受け付ける第1の操作手段と、
前記第2の開閉手段を動かす操作を受け付ける第2の操作手段と、を備え、
前記第1の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第1の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
前記第2の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第2の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
前記第1の操作手段に対する操作が最大操作量である場合は、前記第1の孔を2つ以上の遊技球が同時に通過することが不可能な状態であり、
前記第2の操作手段に対する操作が最大操作量である場合は、前記第2の孔を2つ以上の遊技球が同時に通過することが可能な状態であり、
前記第2の操作手段についての前記最大操作量は、前記第1操作手段についての前記最大操作量よりも大きいことを特徴とする。
このような構成によれば、第1の孔または第2の孔から遊技球を排出させるために必要な、第1の操作手段または第2の操作手段に対する操作量を少なくすることができる。したがって、少ない操作量で、受皿からの球抜きが可能となるので、操作の負担を軽減することができる。また、このような構成によれば、第1の操作手段の最大操作量と第2の操作手段の最大操作量との関係が、遊技球の排出効率にリンクする。よって、第2の操作手段を操作した方が迅速に遊技球の排出を行えるような感覚を与えることができる。したがって、受皿に所定量以上の遊技球が貯留され受皿が満タン状態となった場合(満タンエラーが発生した場合)など、迅速な球抜きが望まれる場合に、効率的な球抜きを実行可能な第2の操作手段の操作を促すための体感的な動機を与えることができる。
本発明の遊技機によれば、快適に操作できる。
本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。 同、遊技盤を正面側から見た図である。 同、受皿ユニットの分解斜視図である。 同、受皿ユニットを背面側から見た図である。 同、下流側球抜きユニットの分解斜視図である。 同、下流側球抜き孔の閉状態を説明するための図である。 同、下流側球抜き孔の開状態を説明するための図である。 同、上流側球抜きユニットの分解斜視図である。 同、上流側球抜き孔の閉状態を説明するための図である。 同、上流側球抜き孔の開状態を説明するための図である。 同、上流側球抜きボタンを遊技球の直径未満の所定量操作したときの上流側球抜き孔の状態を説明するための図である。 同、遊技機の下部を下側から見た図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では遊技機の一つであるパチンコ遊技機について説明するが、その他の遊技機(例えば、スロットマシン、メダルレス遊技機等)であってもよい。以下の説明において、基本的に「前後」とは、パチンコ遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、パチンコ遊技機側が「後」を意味し、「上下」とはパチンコ遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。なお、本発明はその発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
図1は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10を備えている。
なお、本実施形態の遊技機で用いられる遊技球の直径は約11mmとなっている。
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ(照明装置)12が設けられている。
また、前枠10の上部には、左右方向に長尺な意匠部材(照明装置)13が設けられている。また、意匠部材13は、その前面が、遊技領域4およびガラスユニット8よりも前方に位置するよう、前方に突出して配置されている。意匠部材13には機種名等を表わすロゴが付されており、内部に設けられたLED基板によってロゴが光るようになっている。
また、前枠10には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカ14が複数設けられている。
前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための受皿16が設けられており、受皿16の内側側面(背面16e)の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また、受皿16の内側側面(背面16e)の右部には、受皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22(図6、図7参照)が設けられている。
前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機の内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施の形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
受皿16の縁部の手前側には、演出操作装置26が設けられており、遊技者が演出操作装置26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
図2は、図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図2に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像等を表示する液晶ディスプレイ32と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。このディスプレイ枠34には意匠部材38が設けられている。なお、本実施の形態では、意匠部材38を液晶ディスプレイ32の上方に設けた場合を示すが、意匠部材38の位置はこれに限るものではない。
本実施の形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4か右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
ディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
ステージ44の中央部の下方には、第1始動入賞口46が設けられている。
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48の下方に、第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50には、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52が設けられている。
液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第2始動入賞口50の下方に、大入賞口54が設けられている。この大入賞口54には、大入賞口54を塞ぐ可動部材を備える特別役物56が設けられている。特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入不可能な閉状態と、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(図2は閉状態を示している)。特別役物56は、大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において、所定条件下で開状態となるように制御される。
大入賞口54の下方には、大入賞通路58が下方に向かって設けられている。大入賞通路58の下端には、通常進入口62が設けられている。また、大入賞通路58の下方には、大入賞通路58の途中から下方に向かって分岐するように特定通路65が設けられている。この特定通路65には、特定通路65を塞ぐ可動部材を備える特定役物66が設けられている。特定役物66は、特定通路65に遊技球が進入不可能な閉状態と、特定通路65に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(図2は閉状態を示している)。特定役物66は、特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。特定通路65の下端には、特定進入口68が設けられている。また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機の内部に回収するアウト口69が設けられている。
遊技球の発射装置は、図1で示したグリップユニット(操作ハンドル)20の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口46に進入するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が進入するように、あるいは大入賞口54に遊技球が進入するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。本実施形態の遊技機は、メイン基板およびサブ基板を含む制御基板によって制御される。そして、メイン基板やサブ基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
メイン基板は、入力手段(第1始動入賞口センサ、通過ゲートセンサ、第2始動入賞口センサ、大入賞口センサ、通常進入口センサ、特定通路センサ、払出センサ等)からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、出力手段(状態表示駆動装置、普通役物駆動装置、特別役物駆動装置、特定役物駆動装置、払出装置等)の動作制御を行う。
サブ基板は、メイン基板から送られてくるコマンドや、演出操作装置26に対する操作を検出する演出操作センサからの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出装置(演出表示装置、音響装置、演出物駆動装置等)の動作制御を行う。
前枠10の下部には、受皿ユニット100が設けられている。受皿ユニット100は、図3および図4に示すように、受皿16の前面16a、下面16bおよび左右の側面16c,16dを構成する皿部材110と、受皿16の背面16eを構成するベース部材(板状部材)111と、受皿16に貯留された遊技球を排出するための下流側球抜きユニット(第1球抜きユニット)112および上流側球抜きユニット(第2球抜きユニット)113と、受皿16から排出された遊技球が通過する第1通路114および第2通路115と、受皿ユニット100の上面の右側部分を構成し各種ボタンが配置されるボタン配置部116と、を有している。
なお、ボタン配置部116には、球貸しボタン(図示せず)、返却ボタン91、方向キー92、音量調整ボタン93、光量調整ボタン94等が設けられている(図1参照)。ここで、玉貸しボタンは、遊技球の貸し出しを受ける際に操作されるボタンである。また、返却ボタン91は、遊技者が保有している遊技球を受皿16に排出する際に操作されるボタンである。また、方向キー92は、演出に関する選択等を行う際に操作されるボタンである。また、音量調整ボタン93および光量調整ボタン94は、それぞれ音量または光量を調整する際に操作されるボタンである。
受皿16には、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)が貯留される。すなわち、受皿16には、払出口18から排出された遊技球が貯留される。受皿16の下面16bは、図4に示すように、左側から右側に向かうにつれて下側に向かう傾斜面となっている。また、受皿16は、左側から右側(上側から下側)に向かうにつれて前後方向の幅が狭くなっている。そして、受皿16に排出された遊技球は、一列に整列されながら、受皿16の右下部に向かうようになっている。換言すると、受皿16の右下部には、遊技球を一列に整列させる整列通路103が形成されている。また、整列通路103(受皿16)の右下端部には、受皿16から遊技球を排出可能な孔(球抜き孔)として、下流側球抜き孔118(第1の孔)が形成されている。
また、受皿16の下面16bの左側部分には、受皿16から遊技球を排出可能な孔(球抜き孔)として、上流側球抜き孔119(第2の孔)が形成されている。また、上流側球抜き孔119は、払出口18の前方に設けられており、前後方向において、少なくとも一部が払出口18と重複している。
下流側球抜き孔118と上流側球抜き孔119とは、それぞれ開状態と閉状態とを有している。開状態においては、球抜き孔118,119は開放された状態となり、遊技球が球抜き孔118,119を通って落下することが可能となる。また、閉状態においては、球抜き孔118,119は、下流側球抜きユニット112または上流側球抜きユニット113によって閉塞された状態となり、遊技球が球抜き孔118,119を通って落下することが不可能となる。
なお、ここで閉塞とは、球抜き孔118,119が隙間なく閉じられた状態のみを示すものではなく、遊技球が通過することができない程度に閉じられた状態を意味する。
下流側球抜きユニット112は、下流側球抜き孔118に対応して設けられている。そして、下流側球抜きユニット112を操作することで、下流側球抜き孔118の開状態と閉状態とを切り替えることが可能となっている。また、上流側球抜きユニット113は、上流側球抜き孔119に対応して設けられている。そして、上流側球抜きユニット113を操作することで、上流側球抜き孔119の開状態と閉状態とを切り替えることが可能となっている。
下流側球抜きユニット112は、図5に示すように、下流側球抜きボタン120(第1のボタン:第1の操作手段)と、リンク部材122と、スライド部材124と、下流側蓋125(第1の蓋:第1の開閉手段)と、ピン126と、ばね128と、を備えている。また、ベース部材111等における、これら下流側球抜きボタン120、リンク部材122、スライド部材124およびばね128等が取り付けられる部分(後述する突出部200,202,202およびベース部材側フック204等)も下流側球抜きユニット112の一部を構成しているといえる。
下流側球抜きボタン120は、遊技者等による押下操作が可能となっている。下流側球抜きボタン120は、遊技者等が触れる押下部130と、押下部130の下方(裏側)に突出する突出部132と、係止部134,134と、を備えている。また、押下部130と、突出部132と、係止部134とは、樹脂材料により一体的に形成されている。
押下部130は、略方形箱状となっている。また、突出部132は、角柱状となっており、押下部130の下面よりも下方に突出している。また、係止部134は、押下部130の左右の側面の下方位置に設けられており、左右方向外側に突出する爪を有している。
下流側球抜きボタン120は、ボタン配置部116に設けられる。具体的には、下流側球抜きボタン120は、非操作時において、押下部130が、ボタン配置部116の上面よりも上方に突出するようにして、ボタン配置部116に配置される(図1、図4参照)。また、非操作時においては、係止部134の爪が、ボタン配置部116の下面に係止されることで、押下部130の上方への動きが規制されている。この非操作時における下流側球抜きボタン120(押下部130)の位置を初期位置(第1初期位置)とすると、下流側球抜きボタン120(押下部130)は、初期位置から下方に向けて移動するように押し込むことが可能となっている。
リンク部材122は、略円筒状の円筒状部140と、第1アーム142と、第2アーム144と、補強板146とを備えている。また、円筒状部140と、第1アーム142と、第2アーム144と、補強板146とは、樹脂材料により一体的に形成されている。
円筒状部140は、軸を前後方向に向けた状態となっている。また、第1アーム142および第2アーム144は、円筒状部140の外周面から径方向外側に延びるように形成されている。また、第1アーム142と第2アーム144とは、円筒状部140の周方向において互いに離れた位置に形成されている。具体的には、第1アーム142の基端部は、円筒状部140の外周面の左側部分に接続されている。そして、この基端部から、円筒状部140の径方向外側に向けて第1アーム142の先端部が延びている。また、第2アーム144の基端部は、円筒状部140の外周面の下側部分に接続されている。そして、この基端部から、円筒状部140の径方向外側に向けて第2アーム144の先端部が延びている。すなわち、第1アーム142の基端部と、第2アーム144の基端部とは、円筒状部の140の周方向において所定角度(例えば、約90度)離れた位置において、円筒状部140と接続されている。また、第1アーム142の先端部と、第2アーム144の先端部とは、円筒状部の140の周方向において所定角度(例えば、約90度)離れた位置に配置されている。
第1アーム142の先端部には、下流側球抜きボタン120の突出部132が当接する当接面150が形成されている。具体的には、第1アーム142の先端部は、円筒状となっており、この先端部の外周面(外側の曲面)の上側部分が、突出部132が当接する当接面150となっている。また、第2アーム144の先端部には、ピン126が挿入されるピン挿入孔152が形成されている。ピン126は、丸棒状であり、第2アーム144の先端部から後方に突出するようにして設けられる。
また、第1アーム142と第2アーム144との間には、第1アーム142と第2アーム144とをつなぐ板状の補強板146が設けられている。そして、この補強板146が、第1アーム142と第2アーム144とを補強している。
円筒状部140には、ベース部材111の背面から後方に突出する円筒状の突出部200が挿入される(図6(a)、図7(a)参照)。そして、リンク部材122は、円筒状部140を中心として(突出部200を軸として)、周方向に回転可能になっている。換言すると、第1アーム142および第2アーム144は、円筒状部140の中心軸を回動の中心として、回動するようになっている。
スライド部材124は、略直方体状のスライド部材本体160を有している。また、スライド部材本体160の右端部には、ピン126が挿入される方形状のピン挿入孔161が形成されている。このピン挿入孔161は、左右方向の幅が、ピン126の直径と略等しくなっており、上下方向の幅が、ピン126の直径よりも長くなっている。そして、ピン126は、ピン挿入孔161に対して、左右方向にはほとんど動けないようにされているとともに、上下方向に動くことが可能にされている。
スライド部材本体160には、左右方向に並べて、2つの孔162,162が形成されている。この2つの孔162,162それぞれには、ベース部材111の背面から後方に突出する円筒状の突出部202,202が挿入される(図6(a)、図7(a)参照)。孔162,162は、方形状となっている。また、孔162,162は、上下方向の幅が、突出部202,202の直径と略等しくなっており、左右方向の幅が、突出部202,202の直径よりも長く(例えば、直径よりも11mm以上長く)なっている。そして、孔162,162(スライド部材124)は、突出部202,202(ベース部材111)に対して上下方向にはほとんど動けないようにされているとともに、左右方向に動くことが可能にされている。すなわち、孔162,162と突出部202,202とによって、スライド部材124の動く方向を左右方向に制限する動作方向制限部が形成されている。
また、スライド部材本体160の上部には、ばね128が掛けられるスライド部材側フック164が設けられている。ばね128は、引張ばねとなっており、左右方向に伸縮可能となっている。また、ばね128は、左右の両端部に円形のフック128a,128bを有している。そして、ばね128の右端部のフック128bが、スライド部材側フック164に掛けられている。また、ベース部材111の背面には、ばね128の左端部のフック128aが掛けられるベース部材側フック204が設けられている(図6(a)、図7(a)参照)。そして、ばね128の左端部のフック128aが、ベース部材側フック204に掛けられている。
スライド部材124(スライド部材本体160)の左端部には、下流側蓋125が設けられている。また、下流側蓋125は、スライド部材124から左方に突出するようにして設けられている。また、下流側蓋125は、略方形板状となっている。また、下流側蓋125とスライド部材124とは、樹脂材料によって一体的に形成されている。
下流側蓋125は、下流側球抜き孔118を開閉する蓋である。下流側蓋125は、スライド部材124の左右方向への動きに連動して左右方向に動くようになっている。そして、下流側蓋125は、左側に位置するときには下流側球抜き孔118を閉塞し、右側に位置するときには下流側球抜き孔118を開放するようになっている。換言すると、下流側蓋125は、下流側球抜き孔118を閉塞する閉位置と、下流側球抜き孔118を開放する開位置との間で移動可能となっている。
下流側球抜きユニット112は、下流側球抜きボタン120の上下方向への動きに伴って、下流側蓋125が左右方向に動くようになっている。すなわち、遊技者等の下流側球抜きボタン120に対する操作に基づいて、下流側蓋125を動かし、下流側球抜き孔118を開閉させることが可能となっている。
下流側球抜きユニット112の動作を図6および図7を参照しながら説明する。なお、図6は、下流側球抜きボタン120が非操作時の初期位置にあり、下流側蓋125が閉位置にある状態を示す図である。なお、図6(a)は、ベース部材111を含めて示す図であり、図6(b)は、ベース部材111を省略して示す図である。また、図7は、下流側球抜きボタン120が最大まで押し込まれた位置(最大押下位置)にあり、下流側蓋125が開位置にある状態を示す図である。なお、図7(a)は、ベース部材111を含めて示す図であり、図7(b)は、ベース部材111を省略して示す図である。
まず、下流側球抜きボタン120が非操作時の初期位置にある場合、下流側蓋125は閉位置に位置している。すなわち、このとき下流側球抜き孔118は閉状態となっている。そして、下流側球抜きボタン120が初期位置から下方に動かされると(遊技者によって押下されると)、リンク部材122の第1アーム142の先端部が、下流側球抜きボタン120の突出部132によって、上方から下方に向かって押される。すると、第1アーム142は、円筒状部140を中心として、下方に向かって(反時計回りに)回転する。また、これと同時に、第2アーム144は、円筒状部140を中心として右方に向かって(反時計回りに)回転する。また、第2アーム144が右方に向かって回転すると、ピン126が、スライド部材124のピン挿入孔161の内側で上下に動きながらスライド部材124を右方に引っ張る。すると、スライド部材124は、ばね128の弾性力に反して右方に動く。そして、これに伴い下流側蓋125が右方に動く。すると、下流側蓋125が開位置となり、下流側球抜き孔118が開放される。
なお、下流側球抜きボタン120を最大まで押下するとスライド部材124の孔162,162とベース部材111の突出部202,202とが当接し、それ以上の下流側球抜きボタン120の下方への移動と、スライド部材124の右方への移動とが規制される。
また、遊技者が、下流側球抜きボタン120から手を放すと、ばね128の弾性力によって、スライド部材本体160が左方に引っ張られる。そして、これに伴い下流側蓋125が左方に動く。また、スライド部材本体160の動きが、ピン126およびリンク部材122を介して下流側球抜きボタン120に伝わり、下流側球抜きボタン120が初期位置に戻る。すなわち、下流側球抜きボタン120は、非操作時においては、ばね128の弾性力によって、初期位置に配置されるようになっている。換言すると、下流側球抜きボタン120は、上方に向かって付勢されている。
このように、リンク部材122と、スライド部材124と、ピン126とによって、下流側球抜きボタン120の上下方向の動きを下流側蓋125の左右方向の動きに変え、下流側蓋125の左右方向の動きを下流側球抜きボタン120の上下方向の動きに変えるリンク機構が形成されている。
ここで、リンク部材122の回転の中心(円筒状部140の中心軸)からピン126(第2アーム144の先端部)までの距離L2は、リンク部材122の回転の中心から下流側球抜きボタン120と第1アーム142とが接する部分(第1アーム142の先端部:当接面150)までの距離L1の2倍以上となっている。したがって、第1アーム142が下方に動いた量の2倍以上、第2アーム144が右方に動くようになっている。すなわち、下流側球抜きボタン120に対する押下量の2倍以上、下流側蓋125が右方に動くようになっている。すなわち、リンク機構は、下流側球抜きボタン120の操作量を増加させて下流側蓋125に伝えるようになっている。
本実施形態の遊技機では、少なくとも1個の遊技球が通過可能となるように、下流側球抜き孔118を開放するために必要な、下流側球抜きボタン120に対する操作量は、遊技球の直径未満に設定されている。具体的には、下流側球抜きボタン120を初期位置から約4mm押下すると、下流側蓋125が右方に約11mm動くようになっている。換言すると、下流側球抜きボタン120を初期位置から遊技球の直径未満の所定量(約4mm)押下すると、下流側球抜き孔118の開口幅W1(下流側蓋125の先端から、当該先端に対向する下流側球抜き孔118の縁までの距離)が11mm以上となるようになっている。さらに換言すると、本実施形態の遊技機では、少なくとも1個の遊技球が通過可能となるように、下流側球抜き孔118を開放するために必要な、下流側球抜きボタン120に対する操作量は、遊技球の半径未満に設定されている。
また、下流側球抜きボタン120を最大まで押下すると、下流側球抜き孔118の開口幅W1は、約14mmとなるようになっている。すなわち、下流側球抜きボタン120を最大まで押下すると、下流側球抜き孔118は、遊技球の直径+3mm程度開くとともに、遊技球の直径の2倍未満の開き具合となるようになっている。換言すると、下流側球抜き孔118は、下流側球抜きボタン120を最大まで押下しても、遊技球2個が同時に通過することは不可能なようにされている。
また、下流側球抜きボタン120の押下可能な最大量(最大操作量)は、遊技球の直径以下(直径未満(約6mm))に設定されている。換言すると、下流側球抜きボタン120は、遊技球の直径以下(直径未満)の所定量押し込むと、それ以上は押し込めないようになっている。具体的には、下流側球抜きボタン120の最大操作量は、遊技球の半径以上、直径以下に設定されている。また、下流側球抜きボタン120の直径の約半分に設定されているともいえる。なお、ここで直径の約半分とは、直径の半分からおおよそ±1.5mm以内(約4mm~7mm)の範囲を意味する。
なお、本実施形態の遊技機では、図7(b)に示すように、下流側球抜きボタン120が非操作時の初期位置にある場合でも、下流側蓋125の先端と、下流側球抜き孔118の縁との間には、下流側蓋125の動作方向(左右方向)において、遊技球の直径未満の所定幅W2の隙間が形成されている。これにより、より少ない操作量で、下流側球抜き孔118から遊技球を落下させることが可能となっている。
なお、下流側蓋125が、下流側球抜き孔118を閉塞した状態においては、遊技球は、受皿16上の右下端部から供給口22を通って発射装置に導かれるようになっている。
次に、上流側球抜きユニット113について説明する。
上流側球抜きユニット113は、図8に示すように、上流側蓋300(第2の蓋:第2の開閉手段)と、ねじりばね302と、カバー部材304と、上流側球抜きボタン306(第2のボタン:第2の操作手段)と、スライド部材308と、ラッチ310と、球抜きベース312(ベース部材)と、を備えている。
上流側蓋300は、上流側球抜き孔119を閉塞する蓋部320と、蓋部320(蓋部320の回転)を支持する支持部322と、を備えている。蓋部320は、略円形の板状に形成されている。また、蓋部320は、上流側球抜き孔119を下側から覆うことが可能な大きさとなっている。また、支持部322は、蓋部320の前側の縁から前方に突出して形成されている。また、蓋部320と支持部322とは、樹脂材料によって一体的に形成されている。
支持部322には、後述するカバー部材304の突出部332が挿入される挿入孔324が形成されている。また、支持部322には、下方に突出する円筒状のガイド突出部326が設けられている。
カバー部材304は、略方形の板状となっている。また、カバー部材304の右後部には、遊技球が通過する遊技球通過孔330が形成されている。また、カバー部材304の上面であって、遊技球通過孔330の前方位置には、円筒状の突出部332が設けられている。
また、カバー部材304の上面には、円弧状のレール334が3本形成されている。3本のレール334は、円弧状の突条となっており、円弧の中心は突出部332(突出部332の中心軸)となっている。
また、カバー部材304には、上流側蓋300のガイド突出部326が挿通されるガイド孔336が設けられている。また、ガイド孔336は、円弧状の孔となっており、円弧の中心は突出部332(突出部332の中心軸)となっている。ガイド孔336は、遊技球通過孔330の前方であって、突出部332の右方に設けられている。また、ガイド孔336は、その幅(円弧の径方向における長さ)が、ガイド突出部326の外径と略一致しているとともに、その長さ(円弧の周方向における長さ)が、ガイド突出部326の外径よりも長くなっている。
また、カバー部材304の上面には、ねじりばね302の腕の1つを受ける壁部338が設けられている。壁部338は、左右方向に延びて形成されている。また、壁部338は、突出部332の前方左側に設けられている。
上流側蓋300は、カバー部材304の突出部332が、上流側蓋300の挿入孔324に挿入された状態で、カバー部材304の上に配置される。また、上流側蓋300は、カバー部材304の突出部332(突出部332の中心軸)を中心として回転可能な状態となっている。ここで、上流側蓋300のガイド突出部326は、カバー部材304のガイド孔336に挿通された状態となる。したがって、ガイド突出部326は、ガイド孔336の長さ方向の範囲内で動くことが可能となっている。すなわち、ガイド突出部326とガイド孔336とによって、上流側蓋300の移動範囲(可動範囲)を制限する移動範囲制限部が形成されている。
また、ねじりばね302は、その内側にカバー部材304の突出部332が通された状態で、カバー部材304と上流側蓋300との間に配置される。なお、カバー部材304の下面には、挿入孔324と連通する穴を有し下方に突出する円筒状の突出部(図示せず)が設けられている。そして、当該突出部の内側にカバー部材304の突出部332が挿入されるとともに、当該突出部を囲うようにねじりばね302が配置されるようになっている。また、カバー部材304の下面には、ねじりばね302の腕の1つを固定する固定部(図示せず)が設けられている。そして、ねじりばね302は、その腕の1つが当該固定部に固定されるとともに、他の腕がカバー部材304の壁部338に押し当てられている。これにより、上流側球抜き孔119を閉じる方向への力が、ねじりばね302から上流側蓋300に加わるようになっている。
なお、カバー部材304の突出部332にはねじ穴が設けられている。そして、上流側蓋300の挿入孔324に挿通されたねじ333(図9、図10参照)が当該ねじ穴にねじ込まれることで、上流側蓋300がカバー部材304に取り付けられている。
また、上流側蓋300は、回転する際に、カバー部材304のレール334の上を滑るようにして回転するようになっている。したがって、上流側蓋300とカバー部材304との間に生じる摩擦を低減し、上流側蓋300を少ない力で回転させることが可能となる。
また、カバー部材304の下面には、前後方向に延びる突条部340が設けられている。
また、カバー部材304の3つの角部(右前側、右後側および左後側の角部)には、それぞれ、ねじ345(図9、図10参照)が挿通されるねじ挿通孔342が形成されている。
スライド部材308は、前後方向に移動可能な状態で球抜きベース312とカバー部材304との間に配置される。スライド部材308は、略平板状に形成されている。また、スライド部材30の左前部には、上流側球抜きボタン306が固定されるボタン固定部350が形成されている。そして、このボタン固定部350に、上流側球抜きボタン306が、ねじ止めによって固定されている。
また、スライド部材308の左後部には、後方に突出するロック突起352が形成されている。ロック突起352は、後方に向けて棒状に延びた支持部と、支持部の先端において左右方向に広がった先端部とを有している。
また、スライド部材308の右側部分は、前後方向の幅の短い略方形枠状の枠状部353となっている。また、枠状部353には、上流側蓋300のガイド突出部326が挿入されるガイド挿入孔354が形成されている。ガイド挿入孔354は、その前後方向の長さが、ガイド突出部326の外径と略一致しているとともに、その左右方向の長さが、ガイド突出部326の外径よりも長くなっている。すなわち、ガイド突出部326は、ガイド挿入孔354に対して、前後方向にはほとんど動けないようにされているとともに、左右方向に動くことが可能にされている。また、枠状部353の前面は、後述する球抜きベース312の前壁372に当接する当接面355となっている。
また、スライド部材308の下面には、円筒状のばね360の一端部が挿入される突起(図示せず)およびばね360の一端が押し当てられる壁部(図示せず)が設けられている(後述する球抜きベース312の突起382および壁部380参照)。
また、スライド部材308の上面には、前後方向に延びる溝356が形成されている。溝356は、カバー部材304の突条部340に沿った形状となっている。また、スライド部材308の下面には、前後方向に延びる凸部358が設けられている。
球抜きベース312は、上流側球抜きユニット113の最下部に配置され上流側球抜きユニット113の底部を構成する。球抜きベース312は、略方形の板状となっている。また、球抜きベース312の左前部は、後方に向かって切り欠かれた形状となっており、切り欠き部370が形成されている。そして、上流側球抜きボタン306は、押し込み操作される際に、切り欠き部370の内側に押し込まれるようになっている。
また、球抜きベース312の前縁の右側部分(切り欠き部370を除く部分)には、上方に突出する壁部(前壁372)が、形成されている。
また、球抜きベース312の右後部には、遊技球が通過する遊技球通過孔374が形成されている。遊技球通過孔374は、カバー部材304の遊技球通過孔330の下方に設けられており、内径(孔の形)が、遊技球通過孔330と略一致している。
なお、遊技球通過孔330,374は、その内径が、上流側蓋300の蓋部320の外径よりも小さくなっている。そして、上流側蓋300が閉じた状態において、遊技球通過孔330,374が上方から完全に覆い隠されるようになっている(図9(b)参照)。
また、球抜きベース312の上面の左後部には、ラッチ310が固定されるラッチ固定部376が設けられている。また、ラッチ固定部376に固定されたラッチ310は、スライド部材308のロック突起352の後方に位置するようになっている。
球抜きベース312の上面の左右方向における中央部(遊技球通過孔374とラッチ固定部376との間)には、スライド部材308を案内する溝378が設けられている。この溝378は、前後方向に延びて形成されており、スライド部材308の凸部358に沿った形状となっている。また、溝378の後部には、球抜きベース312の上面から上方に突出する壁部380が設けられている。また、壁部380の前面には、前方に突出する突起382が設けられている。この突起382は、円筒状のばね360の一端部に挿入されるようになっている。また、壁部380には、ばね360の一端が押し当てられるようになっている。そして、当該壁部380と、スライド部材308の下面に設けられた前記壁部との間に、ばね360が、前後方向に伸縮可能な状態で配置されるようになっている。
また、球抜きベース312の3つの角部(右前側、右後側および左後側の角部)には、それぞれ、ねじ345をねじ込むためのねじ穴384が形成されている。
球抜きベース312とカバー部材304とは、カバー部材304のねじ挿通孔342に挿通されたねじ345が球抜きベース312のねじ穴384にねじ込まれることで互いに固定される。ここで、スライド部材308は、球抜きベース312とカバー部材304とに挟まれた状態となっている。また、球抜きベース312の溝378にスライド部材308の凸部358が挿入されるとともに、スライド部材308の溝356にカバー部材304の突条部340が挿入された状態となっている。そして、スライド部材308は、球抜きベース312の溝378およびカバー部材304の突条部340に案内されて前後方向に移動するようになっている。また、スライド部材308の枠状部353は、球抜きベース312の前壁372と遊技球通過孔374との間に配置され、これらの間で前後に移動するようになっている。
また、上流側蓋300は、スライド部材308の前後方向への動きに連動して左右方向に回転するようになっている。そして、上流側蓋300は、右側に位置するときには上流側球抜き孔119を閉塞し、左側に位置するときには上流側球抜き孔119を開放するようになっている。換言すると、上流側蓋300は、上流側球抜き孔119を閉塞する閉位置と、上流側球抜き孔119を開放する開位置との間で移動可能となっている。すなわち、上流側蓋300は、上流側球抜き孔119を開閉する蓋となっている。換言すると、上流側球抜きユニット113は、上流側球抜きボタン306の前後方向への動きに伴って、上流側蓋300が左右方向に動くようになっている。すなわち、遊技者等の上流側球抜きボタン306に対する操作に基づいて、上流側蓋300を動かし、上流側球抜き孔119を開閉させることが可能となっている。
上流側球抜きユニット113の動作を図9および図10を参照しながら説明する。なお、図9は、上流側球抜きボタン306が非操作時の初期位置にあり、上流側蓋300が閉位置にある状態を示す図である。なお、図9(a)は、皿部材110およびカバー部材304を含めて示す図であり、図9(b)は、皿部材110およびカバー部材304を省略して示す図である。また、図10は、上流側球抜きボタン306が押し込まれスライド部材308がラッチ310によって保持された位置にあり、上流側蓋300が開位置にある状態を示す図である。なお、図10(a)は、皿部材110およびカバー部材304を含めて示す図であり、図10(b)は、皿部材110およびカバー部材304を省略して示す図である。
なお、以下では、上流側球抜きボタン306が操作されておらず、スライド部材308がラッチ310によって保持されていないときの、上流側球抜きボタン306の状態を上流側球抜きボタン306の初期状態とする。換言すると、上流側球抜きボタン306が前方に(最も)突出した状態を初期状態とする。また、初期状態における上流側球抜きボタン306の位置を初期位置(第2初期位置)とする。
まず、上流側球抜きボタン306が非操作時の初期位置にある場合、上流側蓋300は閉位置に位置している。この状態においては、上流側球抜き孔119は、上流側蓋300によって閉塞されており、上流側球抜き孔119から遊技球を落下させることができないようになっている。
なお、本実施形態の遊技機では、上流側蓋300の蓋部320の外縁部には、フランジ部390が形成されている。フランジ部390は、蓋部320の中央部分よりも下方において、蓋部320の径方向外側に突出して設けられている。また、フランジ部390は、蓋部320の、上流側蓋300が閉じるときの移動方向前方部分(右側部分)に設けられている。また、フランジ部390は、上流側蓋300が上流側球抜き孔119を閉塞した状態において、受皿16の下方に入り込んだ状態となっている(上流側球抜き孔119の縁よりも外側に突出している)。そして、上流側球抜きボタン306が初期位置にある場合、平面視(上方から見た場合)において、上流側球抜き孔119は、上流側蓋300によって隙間なく塞がれた状態となっている。換言すると、上流側蓋300によって、上流側球抜き孔119が完全に閉塞され、上流側球抜き孔119から下方にある部材を視認することはできない状態とされている。一方、前述のように、下流側球抜きボタン120が初期位置にある場合、下流側蓋125と下流側球抜き孔118との間には隙間が形成されている。しかし、下流側球抜き孔118の上方には、下流側球抜き孔118を覆う覆い部材392が配置されている(図4参照)。したがって、この覆い部材392によって、平面視において、下流側球抜き孔118から下方にある部材を視認することはできない状態となっている。なお、この覆い部材392は、受皿16の右下端部に導かれる遊技球を上下方向において一列に整列させる機能を有している。
上流側球抜きボタン306が初期位置から後方に動かされると(遊技者によって押下されると)、上流側球抜きボタン306と一体化されたスライド部材308が、後方に向かって動かされる。すると、スライド部材308のガイド挿入孔354の内側に挿入された上流側蓋300のガイド突出部326が、後方に向かって押される。すると、上流側蓋300は、カバー部材304の突出部332(突出部332の中心軸)を中心として、左回り(平面視において反時計回り)に回転する。換言すると、上流側蓋300は、左方に向かって動く。すると、上流側蓋300が開位置となり、上流側球抜き孔119が開放される。
また、上流側球抜きボタン306が初期位置から所定量以上後方に動かされると、スライド部材308のロック突起352がラッチ310に押し込まれる。すると、ラッチ310が閉じてロック突起352の先端部を把持する。これによって、スライド部材308がラッチ310に保持(ラッチ)された状態となり、上流側球抜きボタン306が押し込まれた状態で固定される。
スライド部材308がラッチ310に保持された状態においては、図10に示すように、上流側球抜き孔119は、完全に開放された状態となる。すなわち、この状態においては、上流側球抜き孔119と上流側蓋300とは、上下方向において一切重複しておらず、平面視において上流側球抜き孔119から上流側蓋300を視認することができない状態となっている。また、上流側球抜き孔119の下方には、カバー部材304の遊技球通過孔330および球抜きベース312の遊技球通過孔374が配置されているが、遊技球通過孔330,374の内径は、上流側球抜き孔119の内径よりも大きくなっており、平面視において上流側球抜き孔110から遊技球通過孔330,374の縁を視認することはできない状態となっている。換言すると、この状態においては、上流側球抜き孔119から上下方向に真っ直ぐ落下(垂直に落下)する遊技球は、上流側蓋300や遊技球通過孔330,374の縁に当たらないようになっている。
なお、スライド部材308がラッチ310に保持された状態において、上流側蓋300の一部が、上流側球抜き孔119の径方向内側に突出していてもよい。また、上流側蓋300の当該一部が、(開状態において)上流側球抜き孔119の径方向内側に向かうにつれて下方に向かう傾斜面等を有しており、上流側球抜孔119からの遊技球の落下を補助する役目を有していてもよい。
また、ラッチ310が閉じた状態(ロック突起352を把持した状態)において、スライド部材308が再度押し込まれると、ラッチ310はロック突起352を解放して、スライド部材308の前方への移動を許容する。ここで、スライド部材308が押し込まれた状態(ラッチ310がロック突起352を把持した状態や、ラッチ310がロック突起352を解放した瞬間の状態)においては、スライド部材308の下面に設けられた前記壁部と、球抜きベース312の上面に設けられた壁部380との間でばね360が圧縮された状態となっている。したがって、スライド部材308を前方に押し戻すように、ばね360の弾性力が働く。このとき、ラッチ310がロック突起352を把持した状態であれば、スライド部材308の前方への動きが規制され、スライド部材308および上流側球抜きボタン306は押し込まれた状態で固定される。一方、ラッチ310がロック突起352を解放すると、ばね360の弾性力によって、スライド部材308および上流側球抜きボタン306が前方に押し戻される。
ばね360の弾性力によってスライド部材308が前方に押し戻されると、スライド部材のガイド挿入孔354の内側に挿入された上流側蓋300のガイド突出部326が、前方に向かって引き戻される。すると、上流側蓋300は、カバー部材304の突出部332(突出部332の中心軸)を中心として、右回り(平面視において時計回り)に回転する。換言すると、上流側蓋300は、右方に向かって動く。すると、上流側蓋300が閉位置となり、上流側球抜き孔119が閉塞される。
また、前述のように、本実施形態の遊技機では、上流側球抜き孔119を閉じる方向への力が、ねじりばね302から上流側蓋300に加わるようになっている。すなわち、上流側蓋300が開いた状態においては、上流側蓋300を閉位置に戻すようにねじりばねの弾性力が働く。また、この力は、上流側蓋300のガイド突出部326を介してスライド部材308に伝えられる。すなわち、ねじりばね302の弾性力が、スライド部材308および上流側球抜きボタン306を前方に戻す方向に働く。
したがって、非操作時であって、スライド部材308がラッチ310によって保持されていない状態においては、ばね360の弾性力とねじりばね302の弾性力とによって、上流側蓋300が閉位置に戻されるとともに、上流側球抜きボタン306が初期位置に戻される。すなわち、上流側球抜きボタン306は、非操作時であって、スライド部材308がラッチ310によって保持されていない状態においては、初期位置に配置されるようになっている。換言すると、上流側球抜きボタン306は、前方に向かって付勢されている。
また、上流側蓋300の回転の中心(カバー部材304の突出部332の中心軸)から蓋部320の中心までの距離L4は、上流側蓋300の回転の中心からガイド突出部326(ガイド突出部326とガイド挿入孔354との当接部:上流側蓋300がスライド部材308によって押される部分)までの距離L3の2倍以上となっている。したがって、スライド部材308が後方に動くことによってガイド突出部326が回転する長さの2倍以上、蓋部320が回転移動することとなる。
本実施形態の遊技機では、少なくとも1個の遊技球が通過可能となるように、上流側球抜き孔119を開放するために必要な、上流側球抜きボタン306に対する操作量は、遊技球の直径未満に設定されている。具体的には、図11に示すように、上流側球抜きボタン306を初期位置から約4mm押下すると、遊技球Bが少なくとも1個通過可能となるように上流側球抜き孔119が開放される。すなわち、上流側球抜きボタン306を初期位置から遊技球の直径未満の所定量(約4mm)押下すると、上流側球抜き孔119の開口幅W3(上流側蓋300の先端から、当該先端に対向する上流側球抜き孔119の縁までの距離)が11mm以上となるようになっている。また、本実施形態の遊技機では、少なくとも1個の遊技球が通過可能となるように、上流側球抜き孔119を開放するために必要な、上流側球抜きボタン306に対する操作量は、遊技球の半径未満に設定されている。
また、上流側球抜きボタン306を最大まで押下すると、上流側球抜き孔119の開口幅W3は、遊技球の直径の2倍(22mm)よりも大きくなるようになっている。なお、本実施形態の遊技機では、上流側球抜きボタン306を最大まで押下すると、スライド部材308がラッチ310によって保持されるが、この状態において上流側球抜きボタン306から手を離すと、上流側球抜きボタン306(スライド部材308)は、前側に若干(例えば、約3mm)戻ることとなる。しかし、本実施形態の遊技機では、上流側球抜きボタン306を最大まで押下している状態と、スライド部材308がラッチ310を保持している状態とのいずれにおいても、上流側球抜き孔119は完全に開放されるようになっている。そして、このときには、上流側球抜き孔119は、少なくとも2個の遊技球が同時に通過可能な状態となる。本実施形態の遊技機では、上流側球抜き孔119は、3個以上、より具体的には4個以上の遊技球が同時に通過可能な状態となる。また、このときに、上流側球抜き孔119は、3個の遊技球を同一直線状に並べた状態で、この3個の遊技球を同時に通過させることはできないようになっている。換言すると、上流側球抜き孔119は、いずれの部分でも縁から縁までの直線距離(差渡し:直径)が遊技球の直径の3倍未満となっている。さらに換言すると、上流側球抜き孔119は、互いに交差(直交)する2方向における縁から縁までの直線距離(差渡し:直径)が遊技球の直径の3倍未満となっている。また、上流側球抜き孔119は、互いに交差(直交)する2方向における縁から縁までの直線距離(差渡し:直径)が遊技球の直径の2倍よりも大きくなっている。
このように、差渡しが遊技球の直径の2倍よりも大きくなっていることで、2個の遊技球が同時に上流側球抜き孔119を通過しようとした際に、上流側球抜き孔119に引っ掛かって詰まってしまうことを防止できる。また、差渡しが遊技球の直径の3倍未満となっていることで、このような遊技球の詰まりをさらに確実に防止することができる。
また、上流側球抜きボタン306の押下可能な最大量(最大操作量)は、遊技球の直径以上(直径を越える長さ)に設定されている。換言すると、上流側球抜きボタン306の最大操作量は、下流側球抜きボタン120の最大操作量よりも大きく設定されている。本実施形態の遊技機では、上流側球抜きボタン306の最大操作量は、約14.5mmに設定されている。すなわち、上流側球抜きボタン306の最大操作量は、遊技球の直径以上、直径の2倍未満(1.5倍未満)に設定されている。
本実施形態の遊技機によれば、下流側球抜きボタン120(第1のボタン:第1の操作手段)は、遊技球の直径未満の操作量で、下流側球抜き孔118(第1の孔)を遊技球が通過可能な状態とし、上流側球抜きボタン306(第2のボタン:第2の操作手段)は、遊技球の直径未満の操作量で、上流側球抜き孔119(第2の孔)を遊技球が通過可能な状態とするので、下流側球抜き孔118または上流側球抜き孔119から遊技球を排出させるために必要な、下流側球抜きボタン120または上流側球抜きボタン306に対する操作量を少なくすることができる。したがって、少ない操作量で、受皿16からの球抜きが可能となり、操作の負担を軽減することができる。
また、本実施形態の遊技機によれば、下流側球抜きボタン120に対する操作量の最大値は、遊技球の直径以下(直径未満)であり、上流側球抜きボタン306に対する操作量の最大値は、遊技球の直径以上(直径を越える長さ)であり、上流側球抜きボタン306に対する操作量が最大値となる位置まで上流側球抜きボタン306を操作すると、上流側球抜き孔119は、少なくとも2つの遊技球が同時に通過可能な状態となる。したがって、下流側球抜きボタン120は、少ない操作量で最大操作量に到達するので、操作の負担を軽減することができる。また、上流側球抜きボタン306については、最大操作量を遊技球の直径以上としたことで、最大操作量まで操作したときの上流側球抜き孔119の排出能力を向上させることができる。また、下流側球抜きボタン120と上流側球抜きボタン306とで、最大操作量が異なっていることにより(操作量と孔の排出能力とが関連付けられることにより)、下流側球抜きボタン120と上流側球抜きボタン306との判別がし易くなるとともに、機能が共通する双方の操作手段に対する操作感覚が掴みやすくなる。したがって、遊技者が意図しない箇所から遊技球を排出してしまうといった誤操作や、遊技者が意図しない数の遊技球を排出してしまうといった誤操作を防止できる。また、本実施形態の遊技機においては、下流側球抜きボタン120は、遊技者が手を離すと、初期位置に戻るようになっているため、下流側球抜き孔118からの球抜きを続けるためには、下流側球抜きボタン120を押下し続けなければならない。しかし、本実施形態の遊技機においては、下流側球抜きボタン120は、少ない操作量で最大操作量に到達するので、少ない負担で下流側球抜きボタン120を押下し続けることが可能となる。一方、上流側球抜きボタン306は、ラッチ310によって保持されるようになっているので、上流側球抜きボタン306を押下し続けなくても、上流側球抜き孔119からの球抜きを続けることができる。そして、このような上流側球抜きボタン306については、最大操作量を遊技球の直径以上としたことで、受皿16から短時間に多量の遊技球を排出することが可能となった。
また、本実施形態の遊技機においては、下流側球抜き孔118は、上流側球抜き孔119に比べ、孔自体の大きさが小さくなっている。すなわち、下流側球抜き孔118は、上流側球抜き孔119に比べ、孔の直径(差渡し)(縁から縁までの直線距離の最長長さ)が短くなっている。換言すると、下流側球抜き孔118は、上流側球抜き孔119に比べ、孔の面積が小さくなっている。
なお、少なくとも1個の遊技球が通過可能となるように球抜き孔(下流側球抜き孔118または上流側球抜き孔119)を開放するために必要な操作量(球1個分の操作量)は、下流側球抜きボタン120の方が、上流側球抜きボタン306よりも大きくなっていてもよい。具体的には、例えば、下流側球抜きボタン120を初期位置から約4mm動かすと、下流側球抜き孔118を遊技球が通過可能な状態となり、上流側球抜きボタン306を初期位置から約3mm動かすと、上流側球抜き孔119を遊技球が通過可能な状態となるようにしてもよい。換言すると、球1個分の操作量は、下流側球抜きボタン120と上流側球抜きボタン306とで異なっていてもよく、両ボタンについての球1個分の操作量同士の差が、最大操作量同士の差よりも小さくなっていればよい。このような構成によれば、下流側球抜きボタン120と上流側球抜きボタン306とで、球1個分の操作量が異なっていることにより(操作量と孔の排出能力とが関連付けられることにより)、下流側球抜きボタン120と上流側球抜きボタン306との判別がし易くなるとともに、機能が共通する双方の操作手段に対する操作感覚が掴みやすくなる。したがって、遊技者が意図しない箇所から遊技球を排出してしまうといった誤操作や、遊技者が意図しない数の遊技球を排出してしまうといった誤操作を防止できる。また、このような構成によれば、下流側球抜きボタン120の球1個分の操作量が、上流側球抜きボタン306の球1個分の操作量よりも大きくなり、かつ、下流側球抜きボタン120の最大操作量が、上流側球抜きボタン306の最大操作量よりも小さくなる。
なお、上流側球抜きボタン306の球1個分の操作量は、下流側球抜きボタン120の球1個分の操作量よりも小さく、上流側球抜きボタン306についての球1個分の操作量分、上流側球抜きボタン306を動かすのに必要な操作荷重は、下流側球抜きボタン120についての球1個分の操作量分、下流側球抜きボタン120を動かすのに必要な操作荷重よりも小さくなっていてもよい。具体的には、例えば、上流側球抜きボタン306を初期位置から約3mm動かすと、上流側球抜き孔119を遊技球が通過可能な状態となり、下流側球抜きボタン120を初期位置から約4mm動かすと、下流側球抜き孔118を遊技球が通過可能な状態となり、上流側球抜きボタン306を約3mm動かすために必要な操作荷重を例えば2Nとし、下流側球抜きボタン120を約4mm動かすために必要な操作荷重を約4Nとしてもよい。換言すると、上流側球抜きボタン306および下流側球抜きボタン120に(それぞれに対しての操作量が最大操作量とならない範囲で)同一の大きさの荷重を加えると、上流側球抜き孔119の方が下流側球抜き孔118よりも大きく開くようになっていてもよい。このような構成によれば、上流側球抜きボタン306は、下流側球抜きボタン120よりも小さい操作量で球抜きが可能となるとともに、下流側球抜きボタン120よりも小さい操作荷重で球抜きが可能となる。このため、受皿16に所定量以上の遊技球が貯留され受皿16が満タン状態となった場合(満タンエラーが発生した場合)など、迅速な球抜きが望まれる場合に、効率的な球抜きを実行可能な上流側球抜きボタン306の操作を促すための体感的な動機を与えることができる。
なお、下流側球抜きボタン120と上流側球抜きボタン306との球1個分の操作量の大小関係に関わらず、上流側球抜きボタン306についての球1個分の操作量分、上流側球抜きボタン306を動かすのに必要な操作荷重を、下流側球抜きボタン120についての球1個分の操作量分、下流側球抜きボタン120を動かすのに必要な操作荷重よりも小さくしてもよい。
また、本実施形態の遊技機によれば、上流側球抜きボタン306における最大操作量(約14.5mm)に対する球1個分の操作量(約3mmあるいは約4mm)の割合は、下流側球抜きボタン120における最大操作量(約6mm)に対する球1個分の操作量(約4mm)の割合よりも小さい。このため、上流側球抜きボタン306を操作した方が迅速に遊技球の排出を行えるような感覚を与えることができる。したがって、受皿16に所定量以上の遊技球が貯留され受皿16が満タン状態となった場合(満タンエラーが発生した場合)など、迅速な球抜きが望まれる場合に、効率的な球抜きを実行可能な上流側球抜きボタン306の操作を促すための体感的な動機を与えることができる。
また、本実施形態の遊技機によれば、下流側球抜きボタン120に対する操作が最大操作量である場合は、下流側球抜き孔118を2つ以上の遊技球が同時に通過することが不可能な状態であり、上流側球抜きボタン306に対する操作が最大操作量である場合は、上流側球抜き孔119を2つ以上の遊技球が同時に通過することが可能な状態であり、上流側球抜きボタン306についての最大操作量は、下流側球抜きボタン120についての最大操作量よりも大きい。このため、下流側球抜きボタン120の最大操作量と上流側球抜きボタン306の最大操作量との関係が、遊技球の排出効率にリンクしている。よって、上流側球抜きボタン306を操作した方が迅速に遊技球の排出を行えるような感覚を与えることができる。したがって、受皿16に所定量以上の遊技球が貯留され受皿16が満タン状態となった場合(満タンエラーが発生した場合)など、迅速な球抜きが望まれる場合に、効率的な球抜きを実行可能な上流側球抜きボタン306の操作を促すための体感的な動機を与えることができる。
なお、下流側球抜きユニット112または上流側球抜きユニット113における、ボタン(下流側球抜きボタン120または上流側球抜きボタン360)の操作量に対して、蓋(下流側蓋125または上流側蓋300)の移動量を多くするための機構としては、前述の機構に限らず、周知の各種伝達機構を採用することができる。また、下流側球抜きボタン120(第1の操作手段)または上流側球抜きボタン360(第2の操作手段)は、前述のような押しボタンに限らず、スライド式の操作手段(例えば、左右方向にスライドさせるレバー)等であってもよい。
また、図3に示すように、上流側球抜きユニット113は、皿部材110の左部の下側に、ねじ止めによって固定されている。そして、上流側球抜きボタン306は、受皿16よりも下方に配置されている。また、図12に示すように、上流側球抜きボタン306は、前枠10の外装部品に設けられた開口から前方に突出して設けられている。
上流側球抜きボタン306と上流側球抜きボタン306を囲う部分とは、異なる色となっている。すなわち、上流側球抜きボタン306を露出させる開口を形成する周辺部材(外装部品)は、上流側球抜きボタン306とは異なる色となっている。本実施形態の遊技機では、上流側球抜きボタン306が赤色であるのに対し、周辺部材は白色となっている。
また、前述のように、下流側球抜きボタン120はボタン配置部116に設けられるが、下流側球抜きボタン120とボタン配置部116とは、異なる色となっている。本実施形態の遊技機では、下流側球抜きボタン120が赤色であるのに対し、ボタン配置部116は黒色となっている。
このように、上流側球抜きボタン306および下流側球抜きボタン120の色を、それぞれボタンを囲う周辺部材の色と異なる色とすることで、ボタンの視認性を向上させることができる。したがって、遊技者がボタンを容易に発見できるようになる。
また、上流側球抜きボタン306と下流側球抜きボタン120とは、同色(同系色)の樹脂材料により形成されている。また、上流側球抜きボタン306および下流側球抜きボタン120は、全体にわたって一色で形成されている。また、ボタン配置部116に配置された他のボタン(球貸しボタン、返却ボタン91、方向キー92、音量調整ボタン93、光量調整ボタン94等)は、全て、上流側球抜きボタン306および下流側球抜きボタン120とは、異なる色の樹脂材料により形成されている。したがって、どのボタンが球抜き用のボタンなのかわかりやすく、遊技者がボタンをより容易に発見することができる。
なお、上流側球抜きボタン306と下流側球抜きボタン120との他には、これらのボタンと同色の樹脂材料により成形されたボタンが無いようにしてもよい。すなわち、当該色を、受皿16から遊技球を排出させるためのボタンの専用色としてもよい。また、上流側球抜きボタン306および下流側球抜きボタン120以外のボタン(他のボタン)は、専用色を含んでいても良いが、その場合、他のボタンは、専用色以外の色も含んでいることが好ましい。
また、本実施形態の遊技機では、下流側球抜きボタン120(第1のボタン:第1の操作手段)の押圧面(ボタンを押下する際に遊技者等が触れる面:上面)(操作面)は、(ほぼ)平らに形成されている。一方、上流側球抜きボタン306(第2のボタン:第2の操作手段)の押圧面(ボタンを押下する際に遊技者等が触れる面:前面)(操作面)には、凹凸が形成されている。換言すると、上流側球抜きボタン306の押圧面は、下流側球抜きボタン120の押圧面に比べ、凹凸の多い形状となっている。上流側球抜きボタン306は、外装部品に囲われていることや、受皿16よりも下方において前方に突出して設けられていることから、視認し難くなっているが、凹凸が比較的多く設けられていることにより、遊技者がボタンを探ることが容易となっている。また、下流側球抜きボタン120は、受皿ユニット100の上面を構成するボタン配置部116に設けられているため、視認しやすくなっているが、凹凸が比較的少なくされていることにより、ボタンであることが判別しやすくなっている。
また、本実施形態の遊技機では、下流側球抜きボタン120(第1のボタン:第1の操作手段)の操作面は、上流側球抜きボタン306(第2のボタン:第2の操作手段)の操作面よりも面積が小さくなっている。ここで操作面とは、操作手段が如何なる位置に操作されている場合であっても、遊技者の接触できる範囲が変わらない面、遊技者の視認できる範囲が変わらない面をいう。換言すると、操作手段が操作されたことによって周囲の部材によって隠れてしまうような面は、操作面に含まれない。このような構成によれば、操作面の大きさが、操作手段の操作量に関連付けられるので、機能が共通する双方の操作手段に対する操作感覚が掴みやすくなる。したがって、遊技者が意図しない数の遊技球を排出してしまうといった誤操作を防止できる。
なお、下流側球抜き孔118から排出された遊技球は、第1通路114を通って下方に導かれる。また、上流側球抜き孔119から排出された遊技球は、第2通路115を通って下方に導かれる。また、第1通路114は、第2通路115に合流している。また、第2通路は、遊技機の下面に設けられた孔400に繋がっている(図12参照)。そして、下流側球抜き孔118または上流側球抜き孔119から排出された遊技球は、この孔400から遊技機の外部に排出されるようになっている。
なお、本実施形態の遊技機では、受皿16は1つとしたが、複数の受皿を有することとしてもよい。例えば、一般に、上皿(第1の受皿)と下皿(第2の受皿)との2つの受皿を有する遊技機が知られている。この種の遊技機では、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)が上皿に貯留される。下皿は、上皿よりも下方位置に設けられており、例えば、上皿が満杯の状態(上皿に所定量以上の遊技球が貯留されている状態)でさらに払い出された遊技球等が貯留される。また、上皿に設けられた球抜き孔からは下皿に向けて遊技球を排出可能となっている。本実施形態の遊技機の構成をこの種の遊技機に適用してもよい。具体的には、例えば、上皿に下流側球抜き孔118と同様の球抜き孔を設けるとともに、当該球抜き孔に対応する下流側球抜きユニット112を設けてもよい。換言すると、本実施形態における下流側球抜き孔118および下流側球抜きユニット112を、上皿に対して設けられたものとして読み替えてもよい。また、例えば、下皿に上流側球抜き孔119と同様の球抜き孔を設けるとともに、当該球抜き孔に対応する上流側球抜きユニット113を設けてもよい。換言すると、本実施形態における上流側球抜き孔119および上流側球抜きユニット113を、下皿に対して設けられたものとして読み替えてもよい。
100 受皿ユニット
110 皿部材
112 下流側球抜きユニット(第1球抜きユニット)
113 上流側球抜きユニット(第2球抜きユニット)
118 下流側球抜き孔(第1の孔)
119 上流側球抜き孔(第2の孔)
120 下流側球抜きボタン(第1の操作手段)
125 下流側蓋(第1の開閉手段)
300 上流側蓋(第2の開閉手段)
306 上流側球抜きボタン(第2の操作手段)

Claims (2)

  1. 受皿から遊技球を排出可能な第1の孔と、
    前記受皿から遊技球を排出可能な第2の孔と、
    前記第1の孔を開閉可能な第1の開閉手段と、
    前記第2の孔を開閉可能な第2の開閉手段と、
    前記第1の開閉手段を動かす操作を受け付ける第1の操作手段と、
    前記第2の開閉手段を動かす操作を受け付ける第2の操作手段と、を備え、
    前記第1の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第1の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
    前記第2の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第2の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
    前記第1の操作手段に対する操作が最大操作量である場合は、前記第1の孔を2つ以上の遊技球が同時に通過することが不可能な状態であり、
    前記第2の操作手段に対する操作が最大操作量である場合は、前記第2の孔を2つ以上の遊技球が同時に通過することが可能な状態であり、
    前記第2の操作手段についての前記最大操作量は、前記第1操作手段についての前記最大操作量よりも大きく、
    前記第2の操作手段についての前記直径未満の操作量は、前記第1の操作手段についての前記直径未満の操作量よりも小さく、
    前記第2の操作手段についての前記直径未満の操作量分、前記第2の操作手段を動かすのに必要な操作荷重は、前記第1の操作手段についての前記直径未満の操作量分、前記第1の操作手段を動かすのに必要な操作荷重よりも小さいことを特徴とする遊技機。
  2. 上皿から遊技球を排出可能な第1の孔と、
    下皿から遊技球を排出可能な第2の孔と、
    前記第1の孔を開閉可能な第1の開閉手段と、
    前記第2の孔を開閉可能な第2の開閉手段と、
    前記第1の開閉手段を動かす操作を受け付ける第1の操作手段と、
    前記第2の開閉手段を動かす操作を受け付ける第2の操作手段と、を備え、
    前記第1の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第1の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
    前記第2の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第2の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
    前記第1の操作手段に対する操作が最大操作量である場合は、前記第1の孔を2つ以上の遊技球が同時に通過することが不可能な状態であり、
    前記第2の操作手段に対する操作が最大操作量である場合は、前記第2の孔を2つ以上の遊技球が同時に通過することが可能な状態であり、
    前記第2の操作手段についての前記最大操作量は、前記第1操作手段についての前記最大操作量よりも大きく、
    前記第2の操作手段についての前記直径未満の操作量は、前記第1の操作手段についての前記直径未満の操作量よりも小さく、
    前記第2の操作手段についての前記直径未満の操作量分、前記第2の操作手段を動かすのに必要な操作荷重は、前記第1の操作手段についての前記直径未満の操作量分、前記第1の操作手段を動かすのに必要な操作荷重よりも小さいことを特徴とする遊技機。
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