JP4144086B2 - アナログ/ディジタル変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアナログ/ディジタル変換装置に関し、特にフラッシュ型のアナログ/ディジタル変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フラッシュ型(全並列型)アナログ/ディジタル変換装置は、高速のアナログ/ディジタル変換装置の一種であり、nビットの変換ならば2n −1個のコンパレータを並列に接続し、それぞれにしきい値を設けてコンパレータ出力をエンコードしてnビットのデータに変換する。
【0003】
コンパレータの入力段には様々な形式のものがあり、例えばエミッタフォロワ経由で差動対のトランジスタを駆動する形式や、エミッタフォロワなしで差動対のトランジスタを直接駆動する形式などがある。
【0004】
エミッタフォロワなしで差動対のトランジスタを直接駆動する形式は、エミッタフォロワを経由するコンパレータに比べて、素子数を減らすことができ、また入力電圧範囲をより低いところに設定しやすいので、近年では多く用いられている。
【0005】
一方、差動対のトランジスタを直接駆動するコンパレータを用いた場合、アナログ入力信号のレベルによって、基準電圧を分圧する分圧抵抗からコンパレータへ流れ出る入力電流(ベース電流)の総和が変わるため、ILE(Integral Linearity Error:積分直線性誤差)が悪化してしまう傾向があった。
【0006】
このため、例えば、特開平10−078037号公報では、基準電圧の印加位置からの抵抗値と総抵抗値との比にもとづいて、補正電流の供給量と供給位置を決定し、決定した補正電流を補正電流供給回路から分圧抵抗に供給することにより、ILEを小さくしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来技術では、補正電流の供給だけを行っているので、入力電流の変化に対して十分に対応できないといった問題があった。すなわち、コンパレータの入力電流と供給した補正電流との間にずれが生じてしまい、ILEを十分に小さくすることができなかった。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ILE補正効果を高めたアナログ/ディジタル変換装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、フラッシュ型のアナログ/ディジタル変換装置において、直列接続されて、基準電圧を分圧する複数の分圧抵抗と、分圧された基準電圧と入力信号とのレベルを比較する複数の比較手段と、前記比較手段からの比較結果に応じたディジタルコードを生成して出力するエンコーダと、前記基準電圧の印加位置からの前記分圧抵抗の抵抗値と総抵抗値との比にもとづいた補正電流を判断し、その判断された補正電流を得るための加算用補正電流源と減算用補正電流源とを用意し、前記加算用補正電流源からの加算用補正電流を前記分圧抵抗の特定の接続点に供給し、前記特定の接続点とは異なる別の特定の接続点で、前記減算用補正電流源による減算用補正電流の引き込みを行う補正電流制御手段と、を有することを特徴とするアナログ/ディジタル変換装置が提供される。
【0010】
ここで、分圧抵抗は直列接続されて、基準電圧を分圧する。比較手段は、分圧された基準電圧と入力信号とのレベルを比較する。エンコーダは、比較手段からの比較結果に応じたディジタルコードを生成して出力する。補正電流制御手段は、基準電圧の印加位置からの分圧抵抗の抵抗値と総抵抗値との比にもとづいて、分圧抵抗に対し補正電流の供給及び引き込みを行う。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明のアナログ/ディジタル変換装置の原理図である。アナログ/ディジタル(以下、A/D)変換装置1は、フラッシュ型のA/D変換装置である。
【0012】
分圧抵抗R0、R1、…、R2n −1は、直列接続しており、その両端に電圧VRT、VRBを印加すると、分圧抵抗R0、R1、…、R2n −1は、電圧VRT、VRB間の差電圧からなる基準電圧を分圧する。
【0013】
そして、分圧された各基準電圧を比較手段(コンパレータ)C0、C1、…、C2n −2の一方の入力端子に供給する。また、比較手段C0、C1、…、C2n −2の他方の入力端子には、アナログ入力電圧VINを供給する。
【0014】
比較手段C0、C1、…、C2n −2の出力信号は、エンコーダ20に供給される。また、比較手段C0、C1、…、C2n −2は、それぞれ差動対のバイポーラトランジスタからなる差動増幅回路を備える。
【0015】
エンコーダ20は、比較手段C0、C1、…、C2n −2からの出力信号を2進数に変換し、nビット例えば8ビットのディジタルコードを生成する。なお、比較手段C0、C1、…、C2n −2とエンコーダ20との間に、論理積回路による微分回路を設け、微分結果をエンコーダ20に供給する構成としてもよい。
【0016】
補正電流制御手段10は、基準電圧の印加位置からの分圧抵抗の抵抗値と総抵抗値との比にもとづいて、分圧抵抗へ補正電流の供給及び引き込みを行って、ILEの補正効果を高める。詳細は後述する。
【0017】
次に本発明のA/D変換装置1の構成について説明する。図2はA/D変換装置1のレイアウトを示す図であり、8ビットのA/D変換を行う場合を示している。図3は図2を簡略化した模式図であり、図2で示されている6ビットエンコーダ21及び8ビットエンコーダ22を省略して示している。
【0018】
実際の回路構成上では256個のコンパレータを直線上に配置するのは現実的ではない。したがって、図では、コンパレータ256個を1列32個ずつで8列で折り返して配置している。以下、コンパレータの各列をコンパレータバンクCBという。
【0019】
4対の隣接するコンパレータバンクCBの間には6ビットエンコーダ21が計4つ配置され、これらのエンコーダ21の出力コードが8ビットエンコーダ22に供給される。
【0020】
電圧VRT、VRB間の差電圧からなる基準電圧を分圧する分圧抵抗は、4対の隣接する2列のコンパレータバンクCBに沿って配線された金属配線11と、この金属配線11を所定の抵抗値等に区分する出力端とからなり、そのうちの配線部分111〜114では配線幅を太くして、それ以外の配線部分よりも単位長当たりの抵抗値を低くしている。
【0021】
入力信号VINはノードN1に供給される。ノードN1はノードN2、N3と接続する。ノードN2はノードN4、N5と接続する。ノードN3はノードN6、N7と接続する。
【0022】
ノードN4からの入力信号VINは、C0〜C31とC32〜C63の両コンパレータバンクCBに供給される。ノードN5からの入力信号VINは、C64〜C95とC96〜C127の両コンパレータバンクCBに供給される。ノードN6からの入力信号VINは、C128〜C159とC160〜C191の両コンパレータバンクCBに供給される。ノードN7からの入力信号VINは、C192〜C223とC224〜C255の両コンパレータバンクCBに供給される。
【0023】
また、分圧抵抗の電位を補正する補正電流を、金属配線11に対し供給及び引き込みを行う補正電流制御手段10を備えている。
補正電流制御手段10は、A1端子から補正電流IA1を出力して金属配線11の配線部分113の位置a1に供給する。A2端子からは補正電流IA2を出力して金属配線11の位置a2に供給する。A3端子からは補正電流IA3を出力して金属配線11の配線部分114の位置a3に供給する。A4端子から補正電流IA4を金属配線11の配線部分111の位置a4から引き込む。
【0024】
一方、電圧VRTの印加位置から電圧VRBの印加位置までの金属配線11の抵抗値Rは、位置s1、s2、a2により4等分されている。また電圧VRTの印加位置から配線部分111までの抵抗値はR/8であり、電圧VRTの印加位置から配線部分112までの抵抗値は3R/8であり、電圧VRTの印加位置から配線部分113までの抵抗値は5R/8であり、電圧VRTの印加位置から配線部分114までの抵抗値は7R/8である。
【0025】
次にILEについて説明する。図4は金属配線を抵抗体で近似したモデルを示す図である。(A)は電流が引き出されている様子を示す図であり、(B)は抵抗体の電位分布を解析するための図である。
【0026】
コンパレータの入力段は差動対のトランジスタからなるので、レジスタストリングからコンパレータC0、C1、…、C2n −2に供給される入力電流は、レジスタストリング上の電位がVRT〜VINの範囲からの電流となる。
【0027】
ここで、(A)と(B)のように、レジスタストリングを直線状の抵抗体RSで近似する。抵抗体RSの全長をL2 とし、抵抗体RSの単位長さ当たりの抵抗値すなわち抵抗密度をρとし、抵抗体RSの抵抗値をRとする。抵抗密度ρは次式となる。
【0028】
【数1】
ρ=R/L2 …(1)
また、抵抗体RSの一端からの距離xが0<x<L1 に対し、一様に電流Iが引き出されている。電流密度iは次式となる。
【0029】
【数2】
i=I/L1 …(2)
ここで、0≦L1 ≦L2 である。また、抵抗体RSのx=L1 の位置には、抵抗体RSの他端から電流I2が流入している。図中の符号電位は接地電位を示す。
【0030】
抵抗体RS上の距離xの位置に対し、抵抗体RSの一端から電流i1が流入し、他端から電流i2が流入し、電流iが引き出されている。この場合、次式が成立する。
【0031】
【数3】
i1*ρx=i2*(R−ρx) …(3)
【0032】
【数4】
i1+i2=i …(4)
式(3)、式(4)からi1を消去すると、
【0033】
【数5】
i2=iρx/R …(5)
が得られる。そこで、式(5)をx=0〜L1 の範囲で積分すると、次式が成立する。
【0034】
【数6】
I2=I*L1 /2*L2 …(6)
したがって、抵抗体RS上の距離x=L1 での電位VL1は次式で表される。
【0035】
【数7】
VL1=((L1/L2)−1)*(L1/2*L2)*RI…(7)
ここで、比L1/L2=Lとおき、L1=L2の場合に抵抗体RSから引き出される最大電流値をI O とおくとI=(L1/L2)*I O が成立し、抵抗体RS上での比Lの位置での電位V(L)は次式で表される。
【0036】
【数8】
V(L)=(L−1)*(1/2)*L*R*L*I O
=(1/2)*R*I O *L 2 *(L―1)…(8)
次にこの式(8)と図3のA/D変換装置1との対応について説明する。アルミニウム配線等からなる金属配線11及びこの金属配線11を所定の抵抗値毎に区分する出力端は、電流VRTと電流VRBの差電圧からなる基準電圧を分圧する。
【0037】
金属配線11の抵抗値の総和をRとする。また、金属配線11から電流が各コンパレータに流入する場合に、各電流の大きさはコンパレータの入力段のトランジスタのベース電流ibとする。
【0038】
すなわち、金属配線11上の電位が電圧VRT〜VIN(VRT>VIN>VRB)となる位置から各コンパレータが入力する電流値をibとおく。
そして、256個のコンパレータC0、C1、…、C255における金属配線11からの入力電流値の最大合計値をIO とし、IO =256ibとする。
【0039】
また、電流VRTの印加位置からの抵抗値rと総和Rとの比r/RをLとおく。抵抗値rは電圧VRTの印加位置からの分圧抵抗の抵抗値を加え合わせた値に対応している。
【0040】
図5は抵抗体の電位分布を示す図である。式(8)をグラフにした図であり、縦軸にV(L)、横軸にLをとる。図は補正電流を供給しない場合の金属配線上の位置に対する電圧の誤差を示しており、補正電流を供給しない場合のILEを示すものである。この曲線は下に凸の形状をなし、L=2/3のときに最小値である−512Rib/27をとる。
【0041】
次に補正電流制御手段10について詳しく説明する。図6は補正電流制御手段10の回路構成を示す図である。まず、各素子の接続関係について説明する。電源電圧Vccは、npnトランジスタQ2のコレクタ及びベース、npnトランジスタQ8、Q10のコレクタ、抵抗r3、r4、r6、r7、r8、r9が接続する。
【0042】
トランジスタQ2のエミッタには、npnトランジスタQ1、Q3、Q6のコレクタが接続する。トランジスタQ1のベースはコレクタに接続し、トランジスタQ1、Q3、Q6のベースは各々接続する。
【0043】
トランジスタQ1のエミッタはnpnトランジスタQ5のベースに接続する。トランジスタQ3のエミッタはトランジスタQ6のエミッタ、トランジスタQ5のコレクタ及びnpnトランジスタQ7のベースに接続する。
【0044】
トランジスタQ5のエミッタはnpnトランジスタQ7、Q9、Q11、Q12のエミッタ及びnpnトランジスタQ4のコレクタに接続する。トランジスタQ4のベースには、バイアス電圧Vbiasが供給され、トランジスタQ4のエミッタは抵抗r1を介して接地する。
【0045】
トランジスタQ7、Q9、Q11、Q12のベースは、各々接続する。トランジスタQ7、Q9、Q11、Q12のコレクタは、各々接続する。トランジスタQ8、Q10のエミッタはトランジスタQ8のベース及びトランジスタQ11のコレクタに接続し、トランジスタQ8のベースはトランジスタQ10のベースに接続する。
【0046】
pnpトランジスタP1、P3、P4、P5、P6、P7のエミッタは、各々抵抗r3、r4、r6、r7、r8、r9に接続する。pnpトランジスタP1、P3、P4、P5、P6、P7のベースは、各々接続する。
【0047】
トランジスタP1のコレクタは、トランジスタQ12のコレクタ及びpnpトランジスタP2のベースに接続する。トランジスタP2のエミッタは、トランジスタP3のベース及びコレクタに接続し、トランジスタP2のコレクタは接地する。
【0048】
npnトランジスタQ14のコレクタはトランジスタQ12のエミッタに接続する。npnトランジスタQ13のエミッタはベース抵抗r2を介して接地する。トランジスタP4のコレクタはnpnトランジスタQ16のコレクタ及びベースに接続する。
【0049】
トランジスタQ16のベースは、トランジスタQ14、npnトランジスタQ18のベースに接続し、トランジスタQ16のエミッタはnpnトランジスタQ15のコレクタに接続する。
【0050】
トランジスタQ15のベースは、トランジスタQ13のベース、コレクタ、npnトランジスタQ17のベース及びトランジスタQ14のエミッタに接続し、トランジスタQ15のエミッタは抵抗r5を介して接地する。トランジスタP5、P6、P7のコレクタは各々A1、A2、A3端子に接続する。
【0051】
トランジスタQ17のコレクタとトランジスタQ18のエミッタが接続し、トランジスタQ17のエミッタは抵抗r10を介し接地する。トランジスタQ18のコレクタはA4端子に接続する。
【0052】
次に動作について説明する。トランジスタQ5のベース電流(コンパレータのベース電流に相当)をib(Q5)、トランジスタP1のコレクタ電流をic(P1)、エミッタ電流をie(P1)とすると、トランジスタQ1、Q3、Q5、Q7には次の関係が成立する。
【0053】
【数9】
Vbe(Q7)=Vbe(Q5)+Vbe(Q1)−Vbe(Q3)…(9)
なお、Vbe(Q7)は、トランジスタQ7のベース−エミッタ間電圧、Vbe(Q5)は、トランジスタQ5のベース−エミッタ間電圧、Vbe(Q3)は、トランジスタQ3のベース−エミッタ間電圧、Vbe(Q1)は、トランジスタQ1のベース−エミッタ間電圧である。
【0054】
また、エバース・モル(Ebers]Moll) のトランジスタモデルから、次式が成立する。
【0055】
【数10】
Vbe=Vt*ln(ic/is) …(10)
なお、isは比例定数、Vt=kT/qであり、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子の電荷量である。
【0056】
ここで、式(10)を式(9)に代入すると、
【0057】
【数11】
ln(ic(P1)/4is)=ln((β*ib(Q5))/is)+ln(ib(Q5)/is)−ln((β*ib(Q5))/2is) …(11)
なお、βは電流増幅率であり、β=ic/ibである。ic(P1)はトランジスタP1のコレクタ電流であり、ib(Q5)はトランジスタQ5のコレクタ電流である。式(11)のexPをとると、
【0058】
【数12】
ic(P1)/4is=((β*ib(Q5))/is)*(ib(Q5)/is)*(2is/(β*ib(Q5))) …(12)
式(12)を整理して、
【0059】
【数13】
ic(P1)・ie(P1)=8ib …(13)
なお、トランジスタQ5のベース電流ibの大きさを1個のコンパレータがレジスタストリングから入力する入力電流の大きさに等しくなるように設定している。
【0060】
そして、r7、r8、r9、r10の抵抗値により、補正電流IA1、IA2、IA3、IA4の値を変更することができる。
ここで、図3の模式図に示すように、レジスタストリングの位置a1(5/8)、a2(3/4)、a3(7/8)に補正電流を供給し、a4(1/8)の位置からは補正電流を引き込む。
【0061】
また、補正電流は、5/8のポイントではIA1=32ib、3/4のポイントではIA2=64ib、7/8のポイントではIA3=32ibを供給する。そして、1/8の位置からはIA4=16ibを引き込む。
【0062】
次にILEの補正効果について説明する。図7は補正電流の供給のみを行った場合のILEを示す図である。すなわち、補正電流IA4の引き込みを行わず、補正電流IA1〜IA3の供給のみを行った場合を示している。縦軸にILE、横軸にレジスタストリングの位置をとる。
【0063】
黒の菱形を結線した曲線は、補正電流を供給しない場合のILEを示す。黒の四角形を結線した曲線は、比L=5/8の位置に、補正電流IA1=32ibを供給した場合の補正電流IA1による金属配線11の電位増加分を示す。
【0064】
黒の三角形を結線した曲線は、比L=3/4の位置に補正電流IA2=64ibを供給した場合の補正電流IA2による金属配線11の電位増加分を示す。×印を結線した曲線は、比L=7/8の位置に補正電流IA3=32ibを供給した場合の補正電流IA3による金属配線11の電位増加分を示す。
【0065】
*印を結線した曲線は、全補正分であり、補正電流IA1、IA2、IA3による金属配線11の電位増加分を示す。また、黒の丸印を結線した曲線から、誤差は|ILE|(max) =2.4Ribである。
【0066】
図8は本発明の補正電流の供給及び引き込みを行った場合のILEを示す図である。縦軸にILE、横軸にレジスタストリングの位置をとる。
黒の菱形を結線した曲線は、補正電流を供給しない場合のILEを示す。黒の三角形を結線した曲線は、比L=5/8の位置に、補正電流IA1=32ibを供給した場合の補正電流IA1による金属配線11の電位増加分を示す。
【0067】
×印を結線した曲線は、比L=3/4の位置に補正電流IA2=64ibを供給した場合の補正電流IA2による金属配線11の電位増加分を示す。*印を結線した曲線は、比L=7/8の位置に補正電流IA3=32ibを供給した場合の補正電流IA3による金属配線11の電位増加分を示す。
【0068】
黒の四角形を結線した曲線は、比L=1/8の位置から、補正電流IA4=16ibを引き込んだ場合の補正電流IA4による金属配線11の電位を示す。黒丸を結線した曲線は、全補正分であり、補正電流IA1、IA2、IA3、IA4による金属配線11の電位増加分を示す。
【0069】
また、誤差分を示す曲線2から、誤差は|ILE|(max) =1.5Rib程度まで抑制されることがわかる。
以上説明したように、本発明のA/D変換装置1は、基準電圧の印加位置からの分圧抵抗の抵抗値と総抵抗値との比にもとづいて、レジスタストリングに対し補正電流の供給、さらに補正電流の引き込みを行う構成した。
【0070】
したがって、式(8)にもとづいて、補正電流の供給量または引き込み量を考慮して設計することにより、コンパレータベース電流によるILEを効果的に削減することが可能になる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のアナログ/ディジタル変換装置は、基準電圧の印加位置からの分圧抵抗の抵抗値と総抵抗値との比にもとづいて、分圧抵抗に対し補正電流の供給及び引き込みを行う構成した。これにより、ILEの補正効果を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアナログ/ディジタル変換装置の原理図である。
【図2】A/D変換装置のレイアウトを示す図である。
【図3】8ビットのフラッシュ型A/D変換装置を簡略化した模式図である。
【図4】金属配線を抵抗体で近似したモデルを示す図である。(A)は電流が引き出されている様子を示す図であり、(B)は抵抗体の電位分布を解析するための図である。
【図5】抵抗体の電位分布を示す図である。
【図6】補正電流制御手段の回路構成を示す図である。
【図7】補正電流の供給のみを行った場合のILEを示す図である。
【図8】本発明の補正電流の供給及び引き込みを行った場合のILEを示す図である。
【符号の説明】
1……アナログ/ディジタル変換装置、10……補正電流制御手段、20……エンコーダ、R0〜R2n −1……分圧抵抗、C0〜C2n −2……比較手段、VRT、VRB……電圧、VIN……アナログ入力電圧。
Claims (4)
- フラッシュ型のアナログ/ディジタル変換装置において、
直列接続して、基準電圧を分圧する複数の分圧抵抗と、
分圧された基準電圧と入力信号とのレベルを比較する複数の比較手段と、
前記比較手段からの比較結果に応じたディジタルコードを生成して出力するエンコーダと、
前記基準電圧の印加位置からの前記分圧抵抗の抵抗値と総抵抗値との比にもとづいた補正電流を判断し、その判断された補正電流を得るための加算用補正電流源と減算用補正電流源とを用意し、前記加算用補正電流源からの加算用補正電流を前記分圧抵抗の特定の限られた接続点に供給し、前記特定の接続点とは異なる別の特定の限られた接続点で、前記減算用補正電流源による減算用補正電流の引き込みを行う補正電流制御手段とを有し、
前記複数の比較手段を所定個ずつ別の列で配置し、前記特定の接続点と前記別の特定の接続点とを、それぞれ別の列の比較手段に接続された分圧抵抗の接続点に接続したアナログ/ディジタル変換装置。 - 前記加算用補正電流源として3個用意し、その3個の加算用補正電流源からの加算用補正電流を前記分圧抵抗の3つの特定の接続点に供給する構成とし、前記減算用補正電流源として1個用意し、その1個の減算用補正電流源で減算用補正電流を前記分圧抵抗の前記別の特定の接続点から引き込む構成とし、
前記3つの特定の接続点と前記別の特定の接続点とを、それぞれ別の列の比較手段に接続された分圧抵抗の接続点に接続した請求項1記載のアナログ/ディジタル変換装置。 - フラッシュ型のアナログ/ディジタル変換装置において、
直列接続して、基準電圧を分圧する複数の分圧抵抗と、
分圧された基準電圧と入力信号とのレベルを比較する複数の比較手段と、
前記比較手段からの比較結果に応じたディジタルコードを生成して出力するエンコーダと、
前記基準電圧の印加位置からの前記分圧抵抗の抵抗値と総抵抗値との比にもとづいた補正電流を判断し、その判断された補正電流を得るための加算用補正電流源と減算用補正電流源とを用意し、前記加算用補正電流源からの加算用補正電流を前記分圧抵抗の特定の限られた接続点に供給し、前記特定の接続点とは異なる別の特定の限られた接続点で、前記減算用補正電流源による減算用補正電流の引き込みを行う補正電流制御手段とを有し、
前記補正電流制御手段は、前記比較手段の前記分圧抵抗からの入力電流値の最大合計値をIO、前記基準電圧の印加位置から前記分圧抵抗の抵抗値を加えた値rと総抵抗値Rの比r/RがLである位置に対する電位をV(L)とした場合、
V(L)=(1/2)*R*IO*L2*(L―1)
の値または近傍の値にもとづいて、前記補正電流の供給及び引き込みを行うアナログ/ディジタル変換装置。 - 前記補正電流制御手段は、8ビットのアナログ/ディジタル変換を行う場合、前記比r/Rが5/8である位置または近傍の位置にIO/8の大きさの電流を供給し、前記比r/Rが3/4である位置または近傍の位置にIO/4の大きさの電流を供給し、前記比r/Rが7/8である位置または近傍の位置にIO/8の大きさの電流を供給し、前記比r/Rが1/8である位置または近傍の位置からIO/16の大きさの電流を引き込む請求項3記載のアナログ/ディジタル変換装置。
Priority Applications (1)
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