JP4142527B2 - 食器洗浄機 - Google Patents
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Description
引出式食器洗浄機は、洗浄工程中に引出式洗浄槽の上面の開口から洗浄水が漏れるのを防止するために内蓋を備えている。内蓋は引出式洗浄槽の上面の開口を閉塞する。従来の引出式食器洗浄機では、引出式洗浄槽が収容位置に戻される動きを利用し、その動きを内蓋の下降運動に変換する機械式の内蓋開閉機構を備えている。
本発明の目的は、軽い力で引出式洗浄槽を収容位置に押込むことができる引出式食器洗浄機を実現することである。
上記の引出式食器洗浄機によると、引出式洗浄槽を収容位置に押込む力を利用して内蓋を下降させる必要がなく、軽い力で引出式洗浄槽を収容位置に押込むことができる。
また、食器洗浄機の使用者が、洗浄槽の上縁よりも高い位置まで食器等を収容してしまう場合がある。この場合、下降する内蓋によって食器等破損する恐れがある。内蓋開閉機構の一部に弾性体が利用されていると、上記の場合には食器等が内蓋に加える力によって弾性体が変形し、内蓋の下降動作によって食器等が破損することを抑制することができる。もっとも弾性体が変形するために、内蓋が洗浄槽の開口を塞ぎきれない事象がおこり、洗浄水が漏れでることを防止できない事象が生じる可能性が生じるが、それに対しては別途の対策を講じればよい。
また、上記の禁止手段が設けられていれば、使用者が洗浄工程中に不用意に洗浄槽を引き出そうとした場合でも、洗浄槽を引き出すことができない。高温の洗浄水が漏れでることを禁止することができる。
ここで、内蓋開閉機構は、アクチュエーターの運動によってスライドするスライド部材と、一端がスライド部材に連携しているとともに他端が内蓋に連携しているリンカーとを有する構成にしてもよい。この場合、ロックピンは、リンカーに設けることができる。
使用者が強い力で洗浄槽を押込んだために、洗浄槽が収容位置に向けて早く移動しすぎれば、収容位置に到達したときに洗浄槽が急減速して食器等が損傷する可能性がある。使用者が洗浄槽に加えた力が弱すぎれば洗浄槽が収容位置にまで移動しないことがある。
洗浄槽の収容速度が速すぎれば減速して収容位置に向けて引き込み、収容速度が遅ければ収容位置に向けて引き込むようにすると、洗浄槽が急減速して食器等が損傷することを抑制でき、しかも洗浄槽が収容位置に収容されない現象の発生を抑制することができる。
この場合、食器洗浄運転が終了すると、内蓋が上昇して洗浄槽から離反し、使用者は軽い力で洗浄槽を引き出すことが可能となる。
この場合、食器洗浄運転終了後も内蓋が洗浄槽を閉じつづけ、異物等の浸入を防止することができる。操作者は洗浄槽を引き出すときにスイッチ等を操作して内蓋を上昇させることができる。使用者は軽い力で洗浄槽を引き出すことが可能となる。
(第1実施形態)
アクチュエーターがモーターであり、減速機構を介して連携ピンを回転させる。その連携ピンの両側の回転限界に、内蓋が下降したことを検知する下限スイッチと、内蓋が上昇したことを検知する上限スイッチが備えられている。
一つのアクチュエーターが、スライド部材を洗浄機本体に対してスライドさせる。そのスライド部材の前側に前側リンク機構が連携し、スライド部材の奥側に奥側リンク機構が連携している。前側リンク機構は内蓋の前側に連携し、奥側リンク機構は内蓋の奥側に連携している。一つのアクチュエーターが、内蓋の前側と内蓋の奥側を、同時に上下動させる。
(第3実施形態)
内蓋を上下動させるリンク機構にロックピンが設けられ、内蓋が下降するとロックピンが洗浄槽に係合して洗浄槽が引き出されるの禁止する。
本実施例の引出式食器洗浄機は、洗浄機本体の前面が開放されており、その開口から洗浄槽を引出し、引出された洗浄槽を洗浄機本体内に収容するように構成されている。
まず、実施例の引出式食器洗浄機の特徴を、図1に示すブロック図によって説明する。
引出式洗浄槽が収容位置に配置されたという情報を、表示部を介して知った使用者は、運転スタートに対応するスイッチを操作し、入力部を介して制御部へ入力する。
制御部は、位置センサーからの入力と、運転スタート信号の入力の両条件が成立したときに、アクチュエーターを作動させる。アクチュエーターは内蓋を下降させて、洗浄槽の上面の開口部を閉塞する。
この実施例に代えて、制御部は、位置センサーからの入力があったときに、アクチュエーターを作動させて内蓋を下降させてもよい。すなわち、運転スタートスイッチの操作を待たずに内蓋を下降させてもよい。この場合、使用者が運転スタートスイッチを操作すると、洗浄運転が開始する。
本実施例の食器洗浄機では、引出式洗浄槽が収容位置に収容された後に内蓋が下降する。内蓋の下降運動はアクチュエーターを用いて実施される。したがって引出式洗浄槽を収容位置に押込む力を利用して内蓋を下降させる必要がなく、軽い力で引出式洗浄槽を収容位置に押込むことができる。
また、従来の食器洗浄機では、引出式洗浄槽の水平移動と内蓋の下降運動が同時に進行するため、内蓋と引出式洗浄槽がこすりあう状態が発生していた。
本実施例の引出式洗浄機では、引出式洗浄槽の水平移動と内蓋の下降運動が同時には進行しない。内蓋と引出式洗浄槽がこすれあう状態が発生しない。内蓋が引出式洗浄槽とこすれあって両者を水密に接触させるシール部材が磨耗することを抑制することもできる。
引出式洗浄槽が収容位置に収容されたことを使用者へ伝達するための表示部は、表示という手段に限られず、例えば、ブザーなどによって報知してもよい。また、表示部や入力部がない構成であってもよい。引出式洗浄槽が収容位置に収容されたことを検知したときに、アクチュエーターの運動を開始する構成にしてもよい。また、引出式洗浄槽が収容位置に配置されていないことを使用者に報知する手段が付加されていてもよい。引出式洗浄槽が収容位置に配置されていない状態で、使用者が運転スタートスイッチを操作した場合などに、例えばブザーなどによって報知する。使用者は引出式洗浄槽が収容位置に配置されていないことを知り得ることができ好適である。
引出式洗浄槽23は、上面が開口された構成であり、その開口部から食器かご24内に食器等を並べる。引出式洗浄槽23の前面(紙面左側)は扉であり、その扉の表面には表示パネル32や、電源スイッチや運転スタート/運転一時停止などの各種スイッチが配置された操作パネル34が形成されている。表示パネル32や操作パネル34と電気的に接続されている制御部36が扉内部に形成されている。制御部36は、食器洗浄機の各部の動作を制御する。
洗浄ノズル26から加圧された洗浄水が噴出する。洗浄槽23内に噴出した洗浄水は洗浄槽23にたまり、図示しない洗浄ポンプに送られ、洗浄ポンプによって加圧され、通路25を経由して再び洗浄ノズル26に供給される。洗浄水は繰返し利用される。
洗浄が終了すると、図示しない排水ポンプが作動して洗浄水が吸い込み通路27を経由して引出式洗浄槽23の底部から吸出され、最終的には図示しない排水ホースを通り、洗浄機本体22の外部に排出される。
位置センサー40は、洗浄機本体22の内側面に配置されており、洗浄槽23の外側面に形成されているセンサーピン40aに対応する位置に配置されている。位置センサー40は、センサーピン40aによって揺動されるレバー39と、レバー39の揺動に連動してオン・オフするマイクロスイッチ41で構成されている。
引出式洗浄槽23が洗浄機本体22内に押込まれると(図3参照)、洗浄槽23のセンサーピン40aは洗浄槽23に追従して洗浄機本体22内に移動する。洗浄槽23が収容位置まで移動すると、センサーピン40aがレバー39を揺動させ、揺動するレバーの外周面によってマイクロスイッチ41がオンする。位置センサー40は、引出式洗浄槽23が収容位置に収容されている間はオンする。
なお、位置センサーは上記の態様に限定されるものではなく、様々なセンサーを適宜用いることができる。
アクチュエーター52は制御部36からの出力によって作動し、内蓋開閉機構を介して内蓋42を下降させ、洗浄槽23の開口部を閉塞する。
使用者が強い力で引出式洗浄槽23を押込んだ場合は、制動補助機構が引出式洗浄槽23に制動力を加えて速度を落とすために、引出式洗浄槽23が急停止する場合の衝撃を和らげ、食器などの損傷を抑制できる。一方、弱い力で引出式洗浄槽23を押込む場合は、制動補助機構が引出式洗浄槽23を収容位置まで移動するのを補助するため、使用者は軽い力で引出洗浄槽23を収容位置に押込むことができる。
この制動補助機構が備えられていると、引出式洗浄槽23は収容位置にほぼ一定の速度で収容することができる。例えば、制動補助機構が備えられていない場合、強い力で引出式洗浄槽23を洗浄機本体22内に押込むと、収容位置に一旦配置された引出式洗浄槽23が跳ね返り、収容位置から移動する場合がある。その場合でも、位置センサー40は、一旦配置された状態を検知し、洗浄槽23が収容位置に収容されていると誤作動する場合がある。しかしながら、制動補助機構が備えられていると、洗浄槽23がほぼ一定の収容速度で収容位置に配置されるため、位置センサー40の誤作動を低減することができる。
スライド部材43のほぼ中央にはバネ46の一端が取付けられており、バネ46の他端が洗浄機本体22の前側の内側面に取付けられている。バネ46はスライド部材43を洗浄機本体の前面側(紙面左側)に付勢している。
バネ46およびワイヤー47の一部が弾性体で構成されていると、アクチュエーター52が内蓋42に加える力を緩衝することができる。
リンカー44は略L字形の形状をしており、ピン44cによって洗浄機本体22に対して揺動可能とされている。
このロックピン45とロックピン受け45aが構成されていると、内蓋42が引出式洗浄槽23の開口部を閉塞した状態をロックすると同時に、引出式洗浄槽23を収容位置にロックすることができる。つまり、ロックピン45は後側リンカー44bに形成されており、その後側リンカー44bは洗浄機本体22に係合している。したがって、内蓋42が引出式洗浄槽23の開口部を閉塞した状態でロックすることは、同時に引出式洗浄槽23を収容位置にロックすることになる。内蓋42が下降している間、引出式洗浄槽23が収容位置から引き出されるのを禁止することができる。
また、バネ46とワイヤー47の一部に弾性体が利用されていると、ロックピン45とロックピン受け45aを備える構成と相俟って、更なる効果を奏する。ロックピン45とロックピン受け45aによって、引出式洗浄槽23と洗浄機本体22がロックされた状態で、例えば食器洗浄機の故障や停電などによって、ロックされた状態が解除できない状況が発生する場合がある。そのような状況でも、バネ46とワイヤー47の一部に弾性体が利用されていれば、引出式洗浄槽23を強く引出すことで、その弾性体の伸縮機能によってロックピン45とロックピン受け45aを解除することが可能となる。
制御部36からの出力によってモーターが回転し、円盤49を半周回転させる。円盤49が半周回転することによって連携ピン49aは半回転の前後で所定の距離を移動する。この移動に対応してフック48及びワイヤー47も所定の距離を移動する。ワイヤー47の移動に連動してワイヤー47に連携するスライド部材43も洗浄機本体22に対して略水平後方へスライドする。このスライド部材43の略水平後方のスライドと、前側リンカ44aと後側リンカー44bは連動し、それぞれのリンカー44はピン44cを軸心として揺動する。この揺動に連動して内蓋42前側と後側が同時にほぼ垂直下方へ下降する。
上記の内蓋開閉機構の特徴は、一つのアクチュエーター52の運動によって、内蓋42が水平のバランスを保持しながら上下動が可能なことである。
円盤49半周回転が内蓋42のほぼ垂直下方への移動となるように、各々の部材は適宜設計されている。
位置センサー40は洗浄機本体22の内側面に形成されており、洗浄機本体22の右奥に配置されており、引出式洗浄槽23の動作と干渉しない位置に配置されている。位置センサー40に対応して、引出式洗浄槽23の外側面にセンサーピン40aが形成されている。位置センサー40は左右どちらかの洗浄機本体22の内側面に形成されていればその機能を有する。
アクチュエーター52(本実施例ではモーターが例示されている)は洗浄機本体22の内側面に形成されており、左右両方の内側面に形成されている。アクチュエーター52には洗浄水の漏水の影響を防ぐためアクチュエーター52を覆うカバーが備えられている。カバーは引出式洗浄槽23の動作を干渉しないように形成されている。アクチュエーター52からスライド部材43に伸びるワイヤー47はカバーによってその動きを干渉されないように、カバーには開口部が形成されている。
図7と図8にはアクチュエーター52の要部拡大図が模式的に示されており、図7は引出式洗浄槽23が洗浄機本体22から引き出され、内蓋42が開いた状態のアクチュエーター52の要部拡大図が模式的に示されており、図8は引出式洗浄槽23が洗浄機本体22の収容位置に配置され、内蓋が閉じた状態である。なお、円盤49、連携ピン49a、フック48は、その位置に対応して破線で図示されている。
図7に示すように、洗浄槽23が収容位置に配置されていない状態では、上限スイッチ62aのスイッチ側に突部の位置が対応している。
洗浄槽23が洗浄機本体22に収容位置に配置されると、制御部36からの出力によってモーターが回転して内蓋42が下降する。内蓋42が所定の位置まで下降するには、円盤49がちょうど半周回転する必要がある。図8に示すように、円盤49が半周回転すると(内蓋42が所定の位置まで下降すると)、同一の軸心とするスイッチ制御環64も半周回転し、スイッチ制御環64の突部によって下限スイッチ62bがオンされる。この信号に対応してモーターは停止される。したがって、内蓋42は所定の下降位置に精度よく移動されることになり、洗浄槽42の開口部を精度よく閉塞可能となる。また、モーターの回転方向はどちらに回転してもよく、その回転方向に合わせてスイッチなどを配置すればよい。
一方、洗浄運転が終了した場合、やはりモーターが回転して内蓋42が上昇する。この場合でも半周回転すると(内蓋42が所定の位置に配置されると)、上限スイッチ62aがオンされ(図7参照)、その信号に対応してモーターが停止する。したがって、内蓋42は洗浄機本体22内の上方の所定の位置に精度よく配置される。
なお、上限スイッチ62aのオン信号に対応して、ブザーなどを介して使用者に運転終了を報知する構成としてもよい。
なお、内蓋42の下降運動は、水漏れなどが発生しないためにも精度よく引出式洗浄槽23の開口部を閉塞する必要がある。したがって下限スイッチ62bは左右両方のモーターに構成されているのが好ましい。この場合、内蓋42の左右が傾斜することなく、所定の位置まで下降することができるため、引出式洗浄槽23の開口部を精度良く閉塞することができる。それに反して、上限スイッチ62aはいずれか一方のモーターにのみ設ければよい。一方のモーターが内蓋を上動させる位置まで回転したときに他方のモーターの回転を停止させるようにしてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
23:引出式洗浄槽
32:表示パネル
34:操作パネル
36:制御部
40:位置センサー
40a:センサーピン
42:内蓋
43:スライド部材
44:リンカー
45:ロックピン
45a:ロックピン受け
46:バネ
47:ワイヤー
48:フック
49:円盤
49a:連携ピン
52:アクチュエーター
62a:上限スイッチ
62b:下限スイッチ
64:スイッチ制御環
Claims (5)
- 洗浄槽が収容位置にあることを検知する位置センサーと、
その位置センサーによって洗浄槽が収容位置に収容されたことを検知したときに、内蓋を下降させるアクチュエーターと、
アクチュエーターの運動を内蓋の上下動に変換する内蓋開閉機構と、
内蓋が下降している間、洗浄槽が収容位置から引きだされることを禁止する手段と、を備えており、
前記禁止手段は、前記内蓋開閉機構に設けられたロックピンと前記洗浄槽に設けられたロックピン受けとを有しており、該ロックピンと該ロックピン受けは、洗浄槽が収容位置にあるときに係合するように構成されており、
前記内蓋開閉機構の一部に弾性体が利用されており、その弾性体によってアクチュエーターが内蓋に加える力を緩衝するとともに、その弾性体の伸縮機能によって前記ロックピンとロックピン受けを解除することが可能な食器洗浄機。 - 前記内蓋開閉機構は、アクチュエーターの運動によってスライドするスライド部材と、一端がスライド部材に連携しているとともに他端が内蓋に連携しているリンカーとを有しており、
前記ロックピンは、前記リンカーに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の食器洗浄機。 - 洗浄槽の収容時に収容速度が速すぎれば減速して収容位置に向けて引き込み、収容速度が遅ければ収容位置に向けて引き込む制動補助機構が付加されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の食器洗浄機。
- 食器洗浄運転が終了したときに、アクチュエーターによって内蓋を上昇させる手段が付加されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の食器洗浄機。
- 操作者の操作を検知してアクチュエーターによって内蓋を上昇させる手段が付加されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の食器洗浄機。
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