JP4141071B2 - 中通し竿 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に釣糸が挿通可能な釣糸通路を有する中通し竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の例えば中通し竿は、内部に釣糸が挿通可能な釣糸通路を有する元竿と、元竿の穂先側に連結され元竿同様に内部に釣糸通路を有する中竿と、中竿の穂先側に連結され釣糸通路を有する穂先竿とを有している。元竿には、リールを取り付け可能なリールシートが形成され、リールシートの穂先側にはリールからの釣糸を竿体内部の釣糸通路に導入するための釣糸導入口が形成されている。また、穂先竿の穂先側端部にはトップガイドが設けられている。
【0003】
このトップガイドは、例えば、穂先竿の穂先側端部外周面に接着剤等で取り付けられた雄ねじ部材に脱着自在に螺合した筒状の本体部と、本体部の穂先側端部内にはめ込まれたセラミックリングを有している。そして、リールからの釣糸は釣糸導入口から竿体内部へ導かれて穂先側のトップガイドへ至り、トップガイドの本体部内を挿通してセラミックリングに支持されながら外部へ導出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
釣りをおこなう際に釣糸に付着した水は、釣糸の巻き上げと共に中通し竿内に侵入し中通し竿内に溜まることになる。特にこの水が溜まりやすいのは穂先側端部のトップガイドの内部である。そこで、従来のトップガイドには本体部側面に外界と連通する排水孔を形成したものがある。しかし、従来のトップガイドではトップガイド内に溜まる水を上手く排水できない場合がある。
【0005】
本発明の課題は、トップガイド内に溜まる水を適切に排水可能な中通し竿を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る中通し竿は、魚釣りに用いる中通し竿であって、内部に釣糸通路を有する竿体と、竿体の穂先側端部に周方向に回動自在に取り付けられ、内部に竿体の釣糸通路に連通する糸導出通路を有し、側面上に外界と糸導出通路とを連通する貫通孔を有する筒状の回転体と、回転体の貫通孔付近に設けられた錘とを備えている。
【0007】
この中通し竿では、釣糸は竿体内部の釣糸通路から回転体の糸導出通路を経て外部に導出される。そして、魚釣りをおこなう際に竿体が周方向に回転すると、回転体も竿体に対して相対的に周方向に回転する。この回転体は側面に形成された貫通孔付近に錘が配置されているので、貫通孔付近が重力方向に向くように竿体に対して相対回転する。この結果、釣糸の巻き上げ時に釣糸と共に水が回転体の糸導出通路内に溜まっても、溜まった水は貫通孔から効率的に排水される。
【0008】
発明2に係る中通し竿は、発明1の中通し竿であって、回転体の穂先側端部の釣糸導出通路縁部にはめ込まれた硬質釣糸案内部材をさらに備えている。
この場合には、硬質釣糸案内部材が回転体内の糸導出通路を挿通する釣糸を支持し、回転体の糸導出通路内面を保護すると共に釣糸の導出抵抗を低減する。
発明3に係る中通し竿は、発明1または2の中通し竿であって、竿体は、穂先側端部に他の部分より肉厚かつ大径の大径部が形成され、かつ大径部内周面には内周面を切削した切削部が形成され、竿体の切削部に穂先側からはめ込まれたパイプ材を有している。そして、回転体はパイプ材に周方向に回転自在に連結されている。
【0009】
この場合には、パイプ材が竿体の内周面の切削部に挿入され固定されており、竿体外周面上に他部材を固定する場合の様に竿体外周面に段差が生じない。竿体外周面にその外径が異なる段差があるとこの段差部分に釣糸が絡みつき糸絡みのトラブルを発生しかねないが、この中通し竿では糸絡みの発生を抑えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1実施形態を採用した中通し竿は、図1に示すように、内部に釣糸が挿通可能な釣糸通路100(図3参照)を有する元竿1と、元竿1の穂先側に順次振出形式で連結される元上竿2,中竿3、穂先竿4とを有している。元竿1にはリール7を脱着自在に装着可能なリールシート8が設けられており、このリールシート8の穂先側周面上にはリール7からの釣糸Lを釣糸通路内に導入するための釣糸導入口9が形成されている。また、釣糸導入口9上には釣糸Lを釣糸導入口9へ導く釣糸導入ガイドGが配置される。さらに、穂先竿4穂先側端部にはトップガイド6が取り付けられている。そして、リール7からの釣糸Lは釣糸導入ガイドG,釣糸導入口9から元竿1内部の釣糸通路に導入され、順次穂先側へ導かれてトップガイド6から外部に導出される。
【0011】
各竿体1〜4は、それぞれ炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維に樹脂を含浸させたプリプレグをマンドレルに巻回し焼成して得られた先細り筒状部材である。穂先側に配置される竿体ほど小径で順次竿元側に配置される竿体内に挿入可能である。また、それぞれの竿体の外周面上には撥水性,耐候性の塗材が塗布されており、商品イメージに応じて様々な模様が施されている。
【0012】
図3に示すように、穂先竿4は穂先側端部に他の部分より肉厚かつ大径に形成された大径部4aが形成されている。そして、大径部4a内周面は穂先側端部竿元側に向かって削られ内径が他の部分より大きく形成された切削部4bとなっている。この切削部4bにはリング状のワッシャー22が配置されると共に、竿元側が開口した蓋付き円筒型のパイプ材21が穂先側から挿入され固定される。パイプ材21の穂先側端面には孔が形成されており、この孔から穂先側に突出しつつ回転自在なように内部に後述の回転体10が配置される。
【0013】
図2及び図3に示すように、トップガイド6は、内部に糸導出通路110を有する筒状の回転体10と、回転体10内に配置される第1〜第3セラミックリング11〜13と、回転体10の側面上に形成され糸導出通路110と外界とを連通する排水孔15と、回転体10内の排水孔15周縁に配置された錘14とを有している。
【0014】
回転体10は穂先竿4の穂先側に取り付けられたパイプ材21の内部に配置された小径部分10bと、パイプ材21の孔から穂先側に突出し穂先側ほど拡径する拡径部分10aとを有する。小径部分10bと拡径部分10aとの間にはパイプ材21の孔に係止される首部が存在し、回転体10はパイプ材21に対して周方向に相対回転可能に連結されている。なお、必要に応じて、小径部分10b外周面にワックス等を塗布してもよい。また、回転体10内の糸導出通路110は穂先竿4の釣糸通路100に連通している。
【0015】
第1〜第3セラミックリング11〜13は、硬質セラミックからなるリング状部材であり、それぞれ、回転体10の穂先側端部内縁,拡径部分10aの竿元側付近,小径部分10bの竿元側端部の糸導出通路110に接着剤等で固定されている。
排水孔15は回転体10の拡径部分10a側面上に形成されている。排水孔15は単独で形成されても、比較的小径の排水孔を複数形成してもよい。そして、排水孔15付近の回転体10内部には錘14が取り付けられている。錘14は、例えば、鉛,鉄等からなるリング状のものを排水孔14周縁に配置し、または回転体10に埋め込んでもよい。
【0016】
このように構成された中通し竿では、釣糸Lは各竿体の釣糸通路100からトップガイド6の糸導出通路110を経て外部に導出される。そして、魚釣りをおこなう際に各竿体1〜4が周方向に回転すると、回転体10は小径部分10bがパイプ材21内で周方向に回転し、穂先竿4に対して相対的に周方向に回転する。この回転体10は拡径部分10a側面に形成された排水孔15付近に錘14が配置されており、排水孔15付近が重力方向に向くように穂先竿4に対して相対回転する。この結果、釣糸Lの巻き上げ時に釣糸Lと共に水が回転体10内の糸導出通路110内に溜まっても、溜まった水は常に重力方向に向いている排水孔15から効率的に排水される。
【0017】
さらに、パイプ材21が穂先竿4の内周面の切削部4bに挿入され固定されており、穂先竿4の外周面にトップガイド6を取り付けるための他部材を固定する必要がなく、穂先竿4外周面上に段差(部分的外径差)が発生しない。また、パイプ材21の最大外径も穂先竿4の穂先側端部外径に合致させており、穂先竿4からトップガイド6の穂先側端部外径にかけて外径が段差なく連続的に形成されている。この結果、この中通し竿ではトップガイド6付近の糸絡みの発生を十分に防止できる。
【0018】
[他の実施形態]
(a)セラミックガイドは任意数配置すれば足りる。また、セラミックではなく金属部材を用いてもよい。
(b)回転体の形状は上記実施形態に限定されるものではない。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、トップガイド内に溜まった水を容易に排水できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した釣竿の全体図。
【図2】図1のトップガイドの拡大図。
【図3】図1のトップガイド付近の断面図。
【符号の説明】
1 元竿
4 穂先竿
6 トップガイド
10 回転体
11〜13 第1〜第3セラミックリング
14 錘
15 排水孔
21 パイプ部材
Claims (3)
- 魚釣りに用いる中通し竿であって、
内部に釣糸通路を有する竿体と、
前記竿体の穂先側端部に周方向に回動自在に取り付けられ、内部に前記竿体の釣糸通路に連通する糸導出通路を有し、側面上に外界と前記糸導出通路とを連通する貫通孔を有する筒状の回転体と、
前記回転体の貫通孔付近に設けられた錘と
を備えた中通し竿。 - 前記回転体の穂先側端部の前記釣糸導出通路縁部にはめ込まれた硬質釣糸案内部材をさらに備えた、請求項1に記載の中通し竿。
- 前記竿体は、穂先側端部に他の部分より肉厚かつ大径の大径部が形成され、かつ前記大径部内周面には内周面を切削した切削部が形成され、前記竿体の切削部に穂先側からはめ込まれたパイプ材を有しており、
前記回転体は、前記パイプ材に周方向に回転自在に連結されている、請求項1または2に記載の中通し竿。
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JP27070099A JP4141071B2 (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 中通し竿 |
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---|---|---|---|
JP27070099A Expired - Fee Related JP4141071B2 (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 中通し竿 |
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-
1999
- 1999-09-24 JP JP27070099A patent/JP4141071B2/ja not_active Expired - Fee Related
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