JP4138925B2 - 液晶表示板用の着色スペーサー、その製造方法および液晶表示板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示板用の着色スペーサー、その製造方法および液晶表示板に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示板は、2枚の電極基板間に、該基板間の隙間距離(セルギャップ)を均一に保持するためのスペーサーと液晶(LC)とを含む。この液晶表示板にバックライトを当てると、スペーサーが存在する部分には液晶が存在しないため、バックライトからの光が抜けてきて、画像のコントラストが低下し、表示品位が悪くなるという問題があった。特に、STD−LCDにおいては、その表示がノーマリーブラックモードであるため、スペーサーが存在する部分からの光抜けの抑制が求められている。
【0003】
スペーサー部分からの光抜けの抑制方法としては、スペーサー粒子を着色する方法が試みられている。従来から知られている着色法には、染料や顔料などの着色剤を用いる方法がある。
染料を用いて着色する方法には、▲1▼得られた粒子を染料で後染着する方法(特開平3−33165号公報、特開平4−103633号公報および特開平4−351639号公報など)および▲2▼モノマーと染料とを懸濁重合する方法(特開平5−301909号公報など)が挙げられる。
【0004】
ところが、▲1▼の方法では、染着の際に粒子表面の粒子構造が切断されるため、粒子の強度が小さくなり、かかる粒子をスペーサーとして液晶表示板を作成する場合に、2枚の電極基板を組み合わせる際に、該電極基板の間に存在するスペーサーが容易に変形し、場合によっては破壊するためセルギャップの均一が困難で、ギャップムラが生じ、そのギャップムラに起因する画像の色ムラの発生原因となる場合がある。
【0005】
他方、▲2▼の方法では、染料中に重合禁止作用を有するものが含まれている場合があり、得られる重合体の重合度が低かったり、十分な強度を有する粒子が得られなかったり、または柔らかかったりする場合がある。かかる粒子をスペーサーとして液晶表示板を組み立てると、スペーサーの強度が十分でないため、ギャップコントロールがしづらくてギャップムラが発生し、その結果、画像の色ムラが生じる場合がある。
【0006】
また、▲1▼および▲2▼のいずれの方法においても、染料を用いた場合に、粒子マトリックス中に染料を固定化することが困難なため、染料や染料中の不純物が液晶中へ溶出し、液晶の電気特性などの信頼性に問題がある場合がある。
次に、顔料を用いる着色方法には、モノマーと顔料とを懸濁重合させる方法(特開平7−2913号公報および特開平9−25309号公報など)などがあるが、顔料が凝集し易いためモノマーへの均一分散が困難であり、さらに重合しても着色されていない粒子が得られる場合がある。特に、カーボンブラックは得られる粒子を黒色にすることができるため有利であるが、カーボンブラック表面の水酸基やカルボキシル基が重合禁止又は抑制の維持効果があるため、重合の際のモノマーの重合度が低くて、得られる粒子の強度が十分でなかったり、又は柔らかすぎたりする場合がある。かかる粒子をスペーサーとして液晶表示板を組み立てると、染料法の場合と同様に、ギャップコントロールがしづらく、ギャップムラが発生して画像の色ムラが生じやすい問題がある。そのうえ、カーボンブラックの場合には、カーボンブラックの導電性に起因してスペーサーの絶縁性が低下し、スペーサー周囲の光抜けが大きい問題があるため、液晶表示板に使用することが困難な場合がある。
【0007】
さらに、最近、モニター用のLCDの開発が進んでおりLCDパネルの大型化(13インチ以上)、高表示品位化(コントラスト、色ムラ)や信頼性の向上がますます望まれており、したがってスペーサーの品質の向上も望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、かかる問題点を改良すべくなされたもので、液晶表示板に組み立てた場合に、ギャップムラが発生せず、ギャップコントロールがしやすい強度と硬さとを有し、着色剤やそれに由来する不純物のブリードがなく、スペーサーおよびその周囲の光抜けの少ない液晶表示板用着色スペーサーを提供することにある。
【0009】
また、本発明の課題は、前記液晶表示板用着色スペーサーの製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の課題は、前記液晶表示板用着色スペーサーを用いる液晶表示板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、従来の着色スペーサーでは粒子内部まで着色化するために、それに起因する強度や硬さの低下および着色剤に由来する信頼性の低下が生じることに着目し、粒子表面に着色剤を含有する遮光層を有する着色スペーサーとすれば、これら問題を一挙に解決できることを見い出した。
【0011】
すなわち、本発明にかかる液晶表示板用の着色スペーサーは、粒子本体表面を着色剤とポリマーで被覆した粒子であって、着色剤が被覆ポリマーと化学結合してなることを特徴とする。
本発明にかかる着色スペーサーにおいては、粒子本体を被覆したポリマーが架橋しているのが好ましく、粒子本体表面と被覆ポリマーも化学結合しているのが好ましい。
【0012】
本発明にかかる液晶表示板用の着色スペーサーの製造方法は、着色剤が被覆ポリマーと化学結合してなる着色剤グラフトポリマーを粒子本体表面に被覆する工程を含む。
本発明にかかる着色スペーサーの製造方法において、着色剤グラフトポリマーを架橋させる工程をも含むのが好ましく、粒子本体表面と着色剤グラフトポリマーとを反応させる工程をさらに含むのが好ましい。
【0013】
本発明にかかる液晶表示板は上記着色スペーサーを含むことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下では、粒子本体と着色剤とポリマーについて説明した後、着色剤と被覆ポリマーの化学結合、粒子本体表面と被覆ポリマーの化学結合を説明する。
粒子本体
本発明で用いられる粒子本体は、後述のように、被覆ポリマーと化学結合していることが好ましいので、その表面に官能基U(エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、アミノ基、ビニル基、オキサゾリン基、アジリンジン基、イソシアナート基、ハロアルキル基、加水分解性シリル基等)を有するものが好ましく選ばれる。その好適例が加水分解性シリル基を含有する粒子である。加水分解性シリル基としては、特に限定はないが、たとえば、アルコキシシリル基、シラノール基、アシロキシシリル基等を挙げることができ、これらが1種のみ存在するほか、2種以上共存することもできる。
【0015】
本発明で用いられる粒子本体としては、たとえば、加水分解可能なシリコン化合物を加水分解・縮合して得られる粒子本体Aや、有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含む有機質無機質複合体粒子(粒子本体B)等を挙げることができる。
【0016】
粒子本体A
粒子本体Aは、加水分解可能なシリコン化合物を、水を含む溶媒中で加水分解・縮合することにより得られる粒子である。
粒子本体Aの製造に用いれる加水分解可能なシリコン化合物としては、特に限定はないが、たとえば、下記一般式1:
R’m SiX4-m ・・・(1)
(ここで、R’は、置換基を有していてもよく、アルキル基、アリール基および不飽和脂肪族残基からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の基を表し;Xは、水酸基、アルコキシ基およびアシロキシ基からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の基を表し;mは0〜3の整数である)
で表されるシラン化合物およびその誘導体等が挙げられる。
【0017】
一般式1で表されるシラン化合物としては、特に限定はないが、たとえば、m=0のものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シラン;m=1のものとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の3官能性シラン;m=2のものとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジフェニルシランジオール等の2官能性シラン;m=3のものとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルシラノール等の1官能性シラン等を挙げることができる。
【0018】
これらのうちでも、一般式中、R’が、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ビニル基、3−グリシドキシプロピル基、3−(メタ)アクリロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種で、Xがメトキシ基またはエトキシ基で、mが0または1の構造を有するアルコキシ基を含有したシラン化合物は、入手しやすく、着色粒子を容易に製造することができるため好ましい。このようなシラン化合物としては、たとえば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0019】
加水分解可能なシリコン化合物は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。前記一般式1においてm=2または3であるシラン化合物およびその誘導体のみを原料として使用する場合は、粒子本体Aは得られない。
粒子本体Aの製造に用いられる溶媒は、水を必須成分として含むものであれば、特に限定はなく、有機溶剤をさらに含むものでもよい。有機溶剤としては、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;イソオクタン、シクロヘキサン等の(シクロ)パラフィン類;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0020】
加水分解・縮合させるにあたって、反応を促進させるために触媒を用いてもよい。触媒としては、たとえば、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸等の有機酸等の酸触媒;アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等のアルカリ触媒等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0021】
加水分解・縮合は、たとえば、加水分解可能なシリコン化合物を、溶媒に添加し、好ましくは0〜100℃、さらに好ましくは0〜70℃の範囲で、30分間〜100時間攪拌することによって行われる。
加水分解・縮合は、一括、分割、連続等、任意の反応方法を採ることができる。また、上記のような方法により得られた粒子を、種粒子として予め加水分解・縮合の反応系に仕込んでおき、加水分解可能なシリコン化合物を添加してこの種粒子を成長させて、粒子本体Aを製造してもよい。
【0022】
加水分解可能なシリコン化合物を、溶媒中、適切な条件の下で加水分解・縮合させることにより、粒子本体Aが析出したスラリーが生成する。
粒子本体Aは、濾過、遠心分離、減圧濃縮等の従来公知の方法を用いて上記スラリー中から単離される。さらに、単離後に後述の粒子本体Bで記載したのと同様の熱処理を行って、粒子本体Aとしてもよい。
【0023】
粒子本体B
粒子本体Bは、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを含む有機質無機質複合体粒子であり、ポリシロキサン骨格は、有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有している。
【0024】
粒子本体Bは、ポリシロキサン骨格の特徴である大きな硬度と、有機ポリマー骨格の特徴である高い強度と機械的復元性とを有している。粒子本体Bを用いて得られる着色粒子からなる着色スペーサーは、液晶表示板において、正確な間隔で配置されるべき1対の部材間の隙間距離を一定に保持するために必要な強度と機械的復元性と少ない個数で前記隙間距離を一定に保持するために必要な硬度とを有するとともに、それらの部材に対して物理的損傷を与えにくい。
【0025】
ここでいう有機ポリマー骨格とは、モノマーの繰り返し単位を有するものであり、たとえば、後述の有機ポリマー骨格等がある。
有機ポリマー骨格は高い機械的復元性および破壊強度とを有する。有機ポリマー骨格は、有機ポリマーに由来する主鎖・側鎖・分岐鎖・架橋鎖のうちの少なくとも主鎖を含む。有機ポリマーの分子量、組成、構造、官能基の有無などに特に限定されない。
【0026】
有機ポリマーは、たとえば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィン、およびポリエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである。好ましい有機ポリマーは、機械的復元性に特に優れた粒子を形成するという理由で、繰り返し単位−C−C−から構成される主鎖を有するもの(以下では、「ビニル系ポリマー」と言うことがある)である。
【0027】
ビニル系ポリマーは、たとえば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、およびポリオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つである。好ましいビニル系ポリマーは、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂およびポリスチレンからなる群から選ばれる少なくとも1つである。より好ましいビニル系ポリマーは、(メタ)アクリル樹脂および(メタ)アクリル−スチレン系樹脂である。
【0028】
ポリシロキサン骨格は、後述の式5で表されるシロキサン単位が連続的に化学結合した三次元のネットワークと定義される。有機骨格を構成する炭素原子の少なくとも1個には、ポリシロキサン中のケイ素原子が直接化学結合している。
ポリシロキサン骨格を構成するSiO2 の量は特に限定されないが、粒子本体Bの重量に対して、好ましくは10wt%以上、さらに好ましくは15〜90wt%、最も好ましくは25〜85wt%である。前記範囲であると、効果的な、硬度と機械的復元性とを有する粒子となる。10wt%を下回ると無機質の特徴である硬度が発現しにくくなる。また、前記範囲を上回ると、その機械的復元性が損なわれ、残留変位が大きくなったりする場合がある。
【0029】
ポリシロキサン骨格を構成するSiO2 の量は、粒子を空気などの酸化性雰囲気中で1000℃以上の温度で焼成した前後の重量を測定することにより求めた重量百分率である。
粒子本体Bの製造方法については、特に限定はないが、好ましいものとして、以下の縮合工程と重合工程とを含む製造方法を挙げることができる。
【0030】
縮合工程は、加水分解可能なラジカル重合性基含有シリコン化合物を加水分解・縮合する工程である。重合工程は、前記ラジカル重合性基をラジカル重合反応させる工程であり、縮合工程前、縮合工程中、縮合工程後のいずれかで行われる工程である。
以下、縮合工程および重合工程を説明する。
【0031】
縮合工程で用いられるラジカル重合性基含有シリコン化合物は、ラジカル重合性基を含有し、加水分解可能なシリコン化合物である。ラジカル重合性基含有シリコン化合物は特に限定されないが、たとえば、
次の一般式2:
【0032】
【化1】
【0033】
(ここで、R1 は水素原子またはメチル基を示し;R2 は、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価の有機基を示し;R3 は、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)
と、次の一般式3:
【0034】
【化2】
【0035】
(ここで、R4 は水素原子またはメチル基を示し;R5 は、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)
と、次の一般式4:
【0036】
【化3】
【0037】
(ここで、R6 は水素原子またはメチル基を示し;R7 は、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価の有機基を示し;R8 は、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)
とからなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表される化合物およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性基含有シリコン化合物を好ましいものとして挙げることができる。
【0038】
一般式2〜4において、ラジカル重合性基は、CH2 =C(−R1 )−COOR2 −、CH2 =C(−R4 )−、または、CH2 =C(−R6 )−R7 −である。ラジカル重合性基をラジカル重合反応させることにより、ビニル系ポリマーに由来する有機ポリマー骨格を生成する。ラジカル重合性基は、アクリロキシ基(一般式2においてR1 が水素原子である場合)、メタクリロキシ基(一般式2においてR1 がメチル基である場合)、ビニル基(一般式3においてR4 が水素原子である場合)、イソプロペニル基(一般式3においてR4 がメチル基である場合)、1−アルケニル基もしくはビニルフェニル基(一般式4においてR6 が水素原子である場合)、または、イソアルケニル基もしくはイソプロペニルフェニル基(一般式4においてR6 がメチル基である場合)である。
【0039】
一般式2〜4において、加水分解性基はR3 O、R5 OおよびR8 Oである。R3 O基、R5 O基およびR8 O基は、水酸基と炭素数1〜5のアルコキシ基と炭素数2〜5個のアシロキシ基とからなる群から選ばれる1価基である。一般式2〜4において、3個のR3 O基、3個のR5 O基およびR8 O基は、それぞれ、互いに異なっていても良いし、2個以上が同じであっても良い。好ましいR3 O基・R5 O基・R8 O基は、加水分解・縮合速度が大きい点で、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびアセトキシ基からなる群から選ばれるものであり、メトキシ基およびエトキシ基がより好ましい。ラジカル重合性基含有シリコン化合物は、R3 O基・R5 O基・R8 O基が水により加水分解し、更に縮合することにより、前述の一般式5で示されるポリシロキサン骨格を形成する。
【0040】
一般式2〜4において、R2 基およびR7 基は、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価の有機基である。この2価の有機基としては、特に限定されないが、たとえば、置換基を有していてもよい、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基などのアルキレン基、置換基を有していてもよいフェニレン基、あるいは、これらの置換基を有していてもよいアルキレン基やフェニレン基がエーテル結合を介して結合した基等を挙げることができる。容易に入手可能である点で、R2 およびR7 がプロピレン基やフェニレン基であるものが好ましい。
【0041】
一般式2と3と4とからなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表される化合物は、1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合した3個の加水分解性基と、ケイ素原子に結合した1個のラジカル重合性基とを有する。
一般式2で表される化合物としては、たとえば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン(または、γ−トリメトキシシリルプロピル−β−メタクリロキシエチルエーテルともいう)等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0042】
一般式3で表される化合物としては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
一般式4で表される化合物としては、たとえば、1−ヘキセニルトリメトキシシラン、1−オクテニルトリメトキシシラン、1−デセニルトリメトキシシラン、γ−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、ω−トリメトキシシリルウンデカン酸ビニルエステル、p−トリメトキシシリルスチレン等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0043】
ラジカル重合性基含有シリコン化合物としては、粒子径分布がシャープである粒子本体Bを形成しやすいという点から、一般式2または3で示される化合物が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランおよびビニルトリエトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
【0044】
縮合工程では、ラジカル重合性基含有シリコン化合物を、必要に応じて使用される加水分解・縮合可能な他の金属化合物ともに(以下では、これらを「原料」と言うことがある)、水を含む溶媒中で加水分解・縮合させる。加水分解・縮合する方法については、特に限定はないが、前述の粒子本体Aで説明した加水分解・縮合の方法を挙げることができる。
【0045】
次に、重合工程は、縮合工程前、縮合工程中、縮合工程後のいずれかに、ラジカル重合性基をラジカル重合反応させる工程である。重合工程は、すなわち、縮合工程前にラジカル重合性基含有シリコン化合物をラジカル重合してもよく、また、ラジカル重合性基含有シリコン化合物を加水分解・縮合で得られた中間生成物・粒子を、ラジカル重合してもよい。このラジカル重合性基がラジカル重合反応することによって有機ポリマー骨格が形成される。
【0046】
ラジカル重合する方法としては、有機溶媒中でラジカル重合性基含有シリコン化合物にラジカル重合開始剤を溶解させて重合してもよく、ラジカル重合性基含有シリコン化合物を加水分解・縮合して得られた中間生成物や粒子の水を含む溶媒スラリーに水溶性又は油溶性のラジカル重合開始剤を添加溶解して、そのまま重合しても良いし、また、加水分解・縮合して得られた中間生成物や粒子を、濾過、遠心分離、減圧濃縮等の従来公知の方法を用いてスラリーから単離した後、ラジカル重合開始剤を含有する水又は有機溶媒等の溶液に分散させて重合しても良く、これらに限定されるものではない。特に、重合工程を前記縮合工程中および/または縮合工程後に行うと、得られる粒子が凝集しにくくなるため好ましい。中でも、上記原料を加水分解・縮合しながらラジカル重合開始剤を共存させてラジカル重合を同時に行う方法が好ましい。この理由としては、下式5で表されるシロキサン単位が連続的に化学結合したポリシロキサンの生成と重合による有機ポリマーの生成が並行して生じるため、無機質の特徴である硬度と有機ポリマーの特徴である機械的復元性とを有する粒子本体Bが得られやすくなるからである。
【0047】
【化4】
【0048】
ここで、ラジカル重合開始剤としては従来公知のものを使用することができ、特に限定されないが、好ましくはアゾ化合物、過酸化物等から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
上記したラジカル重合開始剤の量は、特に限定されないが、多量に使用すると発熱量が多くなって反応の制御が困難となり、一方、少量使用の場合にはラジカル重合が進行しない場合があるので、ラジカル重合性基含有シリコン化合物の重量に対して、好ましくは0.1〜5wt%、さらに好ましくは0.3〜2wt%の範囲である。
【0049】
ラジカル重合させる際の温度は、使用するラジカル重合開始剤によって適宜選択可能であるが、反応の制御のし易さから、好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは50〜80℃の範囲である。
また、ラジカル重合する際に、ラジカル重合性基とラジカル重合可能な基を有するモノマー等を共存させて、ラジカル重合しても良い。モノマーとしては、たとえば、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボン酸類;アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、イタコン酸エステル類、マレイン酸エステル類、フマール酸エステル類等の不飽和カルボン酸エステル類;アクリルアミド類;メタクリルアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物等のビニル化合物類等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0050】
しかし、モノマーを多量に使用して粒子本体B中に含まれる後述のポリシロキサン骨格の含有量が10wt%未満になると、硬度が不充分になる場合がある。このため、モノマーの量は、ラジカル重合性基含有シリコン化合物の重量に対して好ましくは0〜200wt%、さらに好ましくは0〜100wt%である。
粒子本体Bは、濾過、遠心分離、減圧濃縮等の従来公知の方法を用いて、反応混合物(スラリー)より単離され、必要に応じて、その後、好ましくは500℃以下の温度、さらに好ましくは100〜400℃の温度、最も好ましくは100〜300℃の温度で乾燥および焼成のための熱処理をさらに施してもよい。
【0051】
上記熱処理を低い温度で行うと、式5で示されるシロキサン単位中に存在する、下式6:
【0052】
【化5】
【0053】
で表されるシラノール基同士の脱水縮合反応が充分に起こらないため、必要な硬度が得られない場合がある。また、500℃より高い温度での熱処理では粒子本体中の有機ポリマー骨格の分解が顕著となるため、粒子本体Bが得られない。更に、熱処理する際の雰囲気については、特に限定はないが、有機ポリマー骨格の分解を抑制するためには、雰囲気中の酸素濃度が10容量%以下である場合がより好ましい。熱処理温度が200℃〜500℃の範囲の場合は、好ましい物性の粒子本体Bを得るためには、熱処理する際の雰囲気中の酸素濃度が10容量%以下であることが好ましい。熱処理温度が200℃以下の場合は、空気中でも、好ましい物性の粒子本体Bが生成する。
着色剤
着色剤は、後述のように、被覆ポリマーと化学結合することが必要なので、被覆ポリマーの官能基と反応する官能基X(エポキシ基、アミノ基、イソシアナート基、水酸基、カルボキシル基、加水分解性シリル基、メルカプト基、ハロアルキル基、ビニル基、オキサゾリン基、アジリンジン基等,加水分解性シリル基は粒子本体で挙げた基と同じ)を有する。着色剤の好適例としては、染料や顔料があり、その構造中に上記官能基Xを含有するものである。
【0054】
このような染料としては、構造中に上記官能基Xを含有するものであれば、特に限定はないが、たとえば、ピラゾロンアゾ染料、スチルベンアゾ染料、チアゾールアゾ染料等のアゾ系染料;アントラキノン誘導体、アントロン誘導体等のアントラキノン系染料;インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体等のインジゴイド系染料;フタロシアニン系染料;ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料等のフェニルメタン系染料;キサンテン系染料;アクリジン系染料;ニトロ系染料;ニトロソ系染料;アジン系染料;オキサジン系染料;チアジン系染料;キノリン系染料;シアニン(ポリメチン)系染料、アゾメチン系染料等のメチン系染料;ベンゾキノン系染料;ナフトキノン系染料;ナフタルイミド系染料;ペリフン系染料;アゾール系染料等を挙げることができる。これらのうちでも、染料が、アントラキノン系染料、ベンゾキノン系染料およびナフトキノン系染料から選ばれる少なくとも1種であると、褪色性が優れる。
【0055】
顔料としては、上記官能基を含有するものであれば、特に限定されないが、酸化鉄、カーボンブラック等があり、黒色にできる点でカーボンブラックが好ましい。
染料や顔料の色は、得ようとする着色粒子の色に応じて適宜選択されるが、光を通過しにくい点で、黒色、濃青色、紺色等が好ましい。また、染料や顔料は、1種のみ使用してもよいし、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
被覆ポリマー
被覆ポリマーは、着色剤を含んで粒子本体表面を被覆する。このポリマーは架橋して硬化しておれば、セルギャップコントロールが容易となって好ましい。被覆ポリマーは、粒子本体表面に化学結合しておれば、ポリマーや着色剤由来の不純物の液晶への溶出が抑制され、信頼性が高くなるため好ましい。
【0056】
被覆ポリマーは、着色剤の官能基Xと反応する反応性基Yを必須として含有し、好ましくは、粒子本体表面の官能基Uと反応したり、被覆ポリマーの架橋にあずかる反応性基Vも含有する。反応性基YやVは官能基XやUに示した基が挙げられる。被覆ポリマーとしては、たとえば、エチレン性不飽和単量体の単独重合体または共重合体を含む樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂が、単量体単位として(メタ)アクリレートを必須成分とする(メタ)アクリル系重合体を含む樹脂((メタ)アクリル系樹脂)、単量体単位としてスチレン化合物を必須成分とするスチレン系重合体を含む樹脂(スチレン系樹脂)、および、単量体単位としてスチレン化合物および(メタ)アクリレートを必須成分とする(メタ)アクリル−スチレン系重合体を含む樹脂((メタ)アクリル−スチレン系樹脂)からなる群の中から選ばれた少なくとも1種であると、粒子本体との密着性が大きいため好ましい。粒子本体との密着性を大きくできる点で、単量体単位として炭素数6以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートまたはスチレンを45wt%以上(好ましくは50wt%以上、さらに好ましくは60wt%以上)含有する(メタ)アクリル−スチレン系重合体を含む(メタ)アクリル−スチレン系樹脂が好ましい。
【0057】
上記エチレン性不飽和単量体としては、特に限定はされないが、たとえば、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル(たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート等)等を挙げることができる。
【0058】
被覆ポリマーとしては、上記のものに限定されない。たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;各種ポリアミド;各種ポリカーボネート;各種エポキシ樹脂等も使用できる。被覆ポリマーとしては、上記に挙げたものが1種または2種以上使用される。
着色剤とポリマーの化学結合
着色剤と被覆ポリマーの化学結合の典型的な例について図1に示す。図1において、Yは被覆ポリマーが備える官能基であって着色剤(顔料)表面に存在する官能基Xと反応する官能基である。両官能基が図の矢印に示すように反応して、着色剤と被覆ポリマーの化学結合が完成する。基Yの好ましい例としては、加水分解性シリル基(シラノール基、アルコキシシリル基)、エポキシ基、オキサゾリン基、アジリジン基、NCO基、不飽和二重結合基などが挙げられ、基Xの好ましい例としては、加水分解性シリル基(シラノール基、アルコキシシリル基)、NH2 基、COOH基、OH基、SH基などが挙げられる。基Xと基Yは逆に設けられていてもよい。
【0059】
上記着色剤と被覆ポリマーとの結合は、一種のグラフト結合であり(以下では、これを着色剤グラフトポリマーと言うことがある)、モノマーから被覆ポリマーが合成されるときに同時になされる場合もある。
粒子本体表面と被覆ポリマーの化学結合
粒子本体表面と被覆ポリマーの化学結合の典型例について図2に示す。図2において、U、VはX、Yと同様の反応性基を示す。反応性基であるU、Vとしては、加水分解性シリル基(シラノール基、アルコキシシリル基)どうし、およびエポキシ基とアミノ基の組み合わせが好ましい。なお、被覆ポリマーが架橋をしているときは、この架橋工程と粒子本体−被覆ポリマー化学結合工程は同時であってもよい。
被覆ポリマーの架橋
被覆ポリマーの架橋は、反応性基Vどうしの反応によって行われる。反応性基Vは、加水分解性シリル基(シラノール基、アルコキシシリル基)が好ましい。
官能基X、Yの反応と反応性基U、Vの反応
官能基XとYおよび反応性基UとVおよび反応性基Vどうしの反応は、各々の基が反応する条件で行えば良く、好ましくは、室温〜200℃の範囲で着色剤と被覆ポリマー、粒子本体と被覆ポリマー等を接触させればよい。粒子本体の凝集を防げる点で、有機溶媒を用いることが好ましい。
〔液晶表示板用着色スペーサー、液晶表示板〕
本発明の液晶表示板用着色スペーサーは、着色剤が結合した被覆ポリマーで粒子本体表面が被覆されていることにより粒子本体の機械的特性が維持されるため、1対の電極基板間の隙間距離を一定に保持するために必要な強度と硬度とを有しており、このため、1対の電極基板間の隙間距離を一定に保持しやすい。しかも、着色剤や被覆ポリマーに由来する不純物の液晶中への溶出が抑制され、信頼性の高いスペーサーとなる。
【0060】
液晶表示板において、電極基板間に電圧を印加することにより、液晶は光学的変化を生じて画像を形成する。これに対しスペーサーは、電圧印加によって光学的変化を示さない。従って、本発明のスペーサーは着色されているため、画像を表示させた時の暗部において、光抜けが生じ、輝点として確認される場合はなく、画質のコントラストは低下しない。
【0061】
本発明の液晶表示板は、本発明の着色スペーサーを電極基板間に介在させたものであり、同スペーサーの粒子径と同じかまたはほぼ同じ隙間距離を有する。
本発明の液晶表示板は、たとえば、第1電極基板と第2電極基板と液晶表示板用着色スペーサーとシール材と液晶とを備えている。第1電極基板は、第1基板と、第1基板の表面に形成された第1電極とを有する。第2電極基板は、第2基板と、第2基板の表面に形成された第2電極とを有し、第1電極基板と対向している。液晶表示板用着色スペーサーは、第1電極基板と第2電極基板との間に介在しており、本発明の液晶表示板用着色スペーサーである。シール材は、第1電極基板と第2電極基板とを周辺部で接着する。液晶は、第1電極基板と第2電極基板とシール材とで囲まれた空間に充填されている。
【0062】
本発明の液晶表示板には、電極基板、シール材、液晶等の、スペーサー以外のものは従来と同様のものが用いられる。電極基板は、ガラス基板、フィルム基板などの基板と、基板の表面に形成された電極とを有しており、必要に応じて、電極基板の表面に電極を覆うように形成された配向膜をさらに有する。シール材としては、エポキシ樹脂接着シール材などが使用される。液晶としては、従来より用いられているものでよく、たとえば、ビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキセン系、フッ素系などの液晶が使用できる。
【0063】
本発明の液晶表示板を作製する方法としては、たとえば、本発明の着色スペーサーを面内スペーサーとして2枚の電極基板のうちの一方の電極基板に湿式法または乾式法により均一に散布したものに、シリカスペーサーをシール部スペーサーとしてエポキシ樹脂等の接着シール材に分散させた後、もう一方の電極基板の接着シール部分にスクリーン印刷などの手段により塗布したものを載せ、適度の圧力を加え、100〜180℃の温度で1〜60分間の加熱、または、照射量40〜300mJ/cm2 の紫外線照射により、接着シール材を加熱硬化させた後、液晶を注入し、注入部を封止して、液晶表示板を得る方法を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
【0064】
本発明の液晶表示板は、着色スペーサーを介在させているため、従来の液晶表示板と同じ用途、たとえば、テレビ、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサーなどの画像表示素子として好適に使用される。
【0065】
【実施例】
以下に、本発明の具体的な実施例および比較例を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。なお「%」および「部」は各々指定しない限り「wt%」または「重量部」を示す。
〔着色剤がグラフトした被覆ポリマーの合成例〕
〔合成例1〕
冷却管、温度計の付いた四つ口フラスコ中に、式7の構造式で示される、酸性のアントラキノン系染料である日本化薬(株)製「カヤシルスカイブルーR」(商品名)(ベンゼン環に直接結合したアミノ基を1分子中に2個含有)42.2gを入れ、これを攪拌しながら、メタクリルイソシアナートを徐々に添加した。50℃で10時間加熱することにより、濃青色の、二重結合基を有する染料(1)を得た。
【0066】
【化6】
【0067】
次いで、二重結合基を有する染料(1)40g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン30g、2−エチルヘキシルアクリレート10g、スチレン20g、ラジカル重合開始剤として、2,2’−アゾビスイソブチロントリル2gを混合して、イソプロピルアルコール200g中で、N2 雰囲気80℃で5時間加熱して溶液重合を行い、染料(1)がグラフトした被覆ポリマー(1)のイソプロピルアルコール溶液(固形分30%)を得た。
【0068】
〔合成例2〕
スチレン20g、イソプロペニルオキサゾリン10g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン30g、メチルメタクリレート15g、ラウリルメタクリレート25g、ラジカル重合開始剤として、2,2’−アゾビスイソブチロントリル3gを混合して、エチルセロソルブアセテート200g中で、80℃で5時間加熱して溶液重合し、固形分30%の重合体溶液を得た。
【0069】
次に、温度計、攪拌羽根、冷却管を備えたセパラブルフラスコ上に、上記重合体溶液25部、カーボンブラックMA−100R 20部、エチルセロソルブアセテート57部を仕込んで分散させ、更にステンレス製ビーズ1000部を仕込んだ。攪拌(300rpm)しながら、160℃で2時間グラフト化を行った。さらに、エチルセロソルブアセテート100部を加えて均一に分散させた。その後、ステンレス製ビーズを分離し、更に溶媒を除去して、カーボンブラックがグラフトした被覆ポリマー(2)のエチルセロソルブアセテート溶液(固形分30%)を得た。
【0070】
〔着色剤がグラフトしていないポリマーの合成例3〕
合成例1において、二重結合基を有する染料(1)を用いない以外は合成例1と同様にして溶液重合を行い、ポリマー(3)のイソプロピルアルコール溶液(固形分30%)を得た。
〔着色剤がグラフトしていないポリマーの合成例4〕
合成例2において、固形分30%の重合体溶液をポリマー(4)とした。
【0071】
〔粒子本体の合成例5〕
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン及びビニルトリメトキシシラン(45/55重量比)を使用して、アルコキシシリル基の共加水分解・重縮合と二重結合のラジカル重合を行うことにより、白色の有機質無機質複合体粒子を得た。
【0072】
複合体粒子は、平均粒子径6.0μm、粒子径の変動係数3.3%、ポリシロキサン骨格の割合が複合体粒子の重量に対して、SiO2 換算量で55wt%(空気中1000℃で焼成した場合)であった。
〔粒子本体の合成例6〕
ジビニルベンゼン及びエチレングリコールジメタクリレート(70/30重量比)を使用して、懸濁重合を行い、洗浄と分級を繰り返すことにより、白色のビニル系架橋粒子を得た。
【0073】
架橋粒子は、平均粒子径6.0μm、粒子径の変動係数3.7%、粒子の硬度(10%圧縮弾性率)390kgf/mm2 であった。
〔実施例1〕
合成例5で得られた有機質無機質複合体粒子10gを粒子本体として用い、合成例1で得られた被覆ポリマー(1)のイソプロピルアルコール溶液1gとイソプロピルアルコール100gの混合溶液へ分散させた。次いで、エバポレータを用いて、加熱しながらイソプロピルアルコールを留去して、粒子本体表面を被覆ポリマー(1)で被覆した。
【0074】
さらに、160℃で2時間真空乾燥して、ポリマー(1)の架橋と粒子本体とポリマー(1)の結合を進めた。
得られた粒子をイソプロピルアルコールで80℃、5時間加熱して洗浄し、更に室温下でイソプロピルアルコールで洗浄と濾過をくり返した。得られた粒子を単粒子に解砕し、濃青色の着色スペーサー(1)を得た。着色スペーサー(1)は、平均粒子径が6.1μm、粒子径の変動係数が3.5%、粒子の破壊強度が4.0gf、粒子の硬度(10%圧縮弾性率790kgf/mm2 )であった。
【0075】
次に、着色スペーサー(1)を用いて、以下の方法により、液晶表示板を作製した。図3にみるように、最初に、下側のガラス基板111上に、電極(例えば、透明電極)5およびポリイミド配向膜4を形成した後、ラビングを行って下側電極基板110を得た。この下側電極基板110に、本発明の液晶表示板用の着色スペーサー(1)(この場合、面内スペーサー)8を湿式散布法により、100個/mm2 の散布密度で凝集塊もなく均一に散布した。なお、湿式散布液としては、溶媒に水/イソプロピルアルコール(IPA)(体積比:7/3)を用い、水/IPAが100部に対して着色スペーサー(1)2.5部の割合で混合し、超音波分散させて用いた。この際、湿式散布溶媒が着色することはなく透明であった(着色スペーサーからの色落ちはなかった)。
【0076】
一方、上側のガラス基板12上に、電極(例えば、透明電極)5およびポリイミド配向膜4を形成した後、ラビングを行って上側電極基板120を得た。次に、エポキシ樹脂接着シール材2中にシリカスペーサー(この場合、シール部スペーサー)3が30容量%となるように分散させたものを、上側電極基板120の接着シール部分にスクリーン印刷した。
【0077】
最後に、上下側電極基板110、120を、電極5や配向膜4がそれぞれ対向するように、本発明のスペーサー(1)8を介して貼り合わせ、1kg/cm2 の圧力を加え、150℃の温度で30分間加熱し、接着シール材2を加熱硬化させた。その後、2枚の電極基板110、120の隙間を真空とし、さらに大気圧に戻すことにより、STN型液晶7を注入し、注入部を封止した。そして、上下ガラス基板12、111の外側にPVA(ポリビニルアルコール)系偏光膜6を貼りつけて13インチの液晶表示板(1)とした。
【0078】
この様にして得られた液晶表示板(1)は、上下の基板の隙間距離が均一化されており、スペーサー自身の光抜けもなくなるとともに、スペーサー周囲の光抜けも抑制されており、良好な表示品位であった。
また、所定の電圧印加において、長時間駆動できた。
〔実施例2〕
実施例1において、ポリマー(1)の代わりにポリマー(2)を用い、イソプロピルアルコールの代わりにエチルセロソルブアセテートを用いた以外は、実施例1と同様にして、黒色の着色スペーサー(2)を得た。
【0079】
得られた着色スペーサー(2)の物性を表1に示す。
次に、実施例1において、着色スペーサー(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、13インチの液晶表示板(2)を作製した。
得られた液晶表示板(2)の物性を表2に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
表1中、着色スペーサーはその番号を示し、硬度は10%圧縮弾性率(kgf/mm2 )を示す。
【0082】
【表2】
【0083】
〔比較例1〕合成例5で得られた有機質無機質複合体粒子を比較用スペーサー(11)として用いた以外は実施例1と同様にして、比較用液晶表示板(11)を得た。その評価結果を表3、表4に示す。
〔比較例2〕実施例1において、ポリマー(1)の代わりに合成例3で得られたポリマー(3)とカヤシルスカイブルーRを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較用液晶表示板(12)を得た。
【0084】
その評価結果を表3、表4に示す。
〔比較例3〕
実施例2において、ポリマー(2)の代わりに合成例4で得られたポリマー(4)とカーボンブラックを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較用液晶表示板(13)を得た。
【0085】
その評価結果を表3、表4に示す。
〔比較例4〕
合成例6で得られた架橋粒子60gを水1リットル中に分散させ、染料として、「カヤシルスカイブルーR」120gを水1リットルに溶解させた溶液を混合し、オートクレーブ中170℃で染着して、濃青色のビニル系架橋粒子を比較用スペーサー(14)とした。また、比較用スペーサー(14)を用いて、実施例1と同様にして、比較用液晶表示板(14)を得た。
【0086】
その評価結果を表3、表4に示す。
〔比較例5〕
合成例6において、カーボンブラックをモノマーに対して5%添加して懸濁重合を行った以外は同様にして、比較用スペーサー(15)、比較用液晶表示板(15)を得た。
【0087】
その評価結果を表3、表4に示す。
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、粒子本体表面が着色剤を含むポリマーで被覆されており、着色剤が被覆ポリマーと化学結合しているため、着色剤の溶出がなく、粒子本体の機械的特性を維持しているため、液晶表示板にしたときギャップムラが発生せず、ギャップコントロールがし易い強度と硬さを有し、信頼性に優れたスペーサーが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】着色剤と被覆ポリマーの化学結合の典型例を表す図である。
【図2】粒子本体表面と被覆ポリマーの化学結合の典型例を表す図である。
【図3】本発明にかかる液晶表示板の1実施例を表す部分断面図である。
【符号の説明】
3 スペーサー
7 液晶
8 スペーサー
11 ガラス基板
12 ガラス基板
Claims (10)
- 粒子本体表面を着色剤を含む被覆ポリマーで被覆した粒子であって、前記着色剤が前記被覆ポリマーと化学結合し、かつ前記被覆ポリマーが前記粒子本体表面と化学結合してなることを特徴とする、液晶表示板用の着色スペーサー。
- 前記着色剤が官能基Xを有し、前記被覆ポリマーが官能基Yを有する、液晶表示板用の着色スペーサーであって、前記官能基Xがシラノール基、アルコキシシリル基、NH 2 基、COOH基、OH基およびSH基からなる群から選択される少なくとも1つであり、前記官能基Yがシラノール基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキサゾリン基、アジリジン基、NCO基および不飽和二重結合基からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示板用の着色スペーサー。
- 前記着色剤が官能基Xを有し、前記被覆ポリマーが官能基Yを有する、液晶表示板用の着色スペーサーであって、前記官能基Xがシラノール基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキサゾリン基、アジリジン基、NCO基および不飽和二重結合基からなる群から選択される少なくとも1つであり、前記官能基Yがシラノール基、アルコキシシリル基、NH 2 基、COOH基、OH基およびSH基からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示板用の着色スペーサー。
- 前記粒子本体が官能基Uを有し、前記被覆ポリマーが官能基Vを有する、液晶表示板用の着色スペーサであって、前記官能基Uおよび前記官能基Vがシラノール基またはアルコキシシリル基である、請求項1から3のいずれかに記載の液晶表示板用の着色スペーサ。
- 前記粒子本体が官能基Uを有し、前記被覆ポリマーが官能基Vを有する、液晶表示板用の着色スペーサであって、前記官能基Uおよび前記官能基Vがエポキシ基またはアミノ基である、請求項1から3のいずれかに記載の液晶表示板用の着色スペーサ。
- シラノール基、アルコキシシリル基、NH 2 基、COOH基、OH基およびSH基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する着色剤が、シラノール基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキサゾリン基、アジリジン基、NCO基および不飽和二重結合基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する被覆ポリマーと化学結合してなる着色剤グラフトポリマーを粒子本体表面に化学結合させることにより粒子本体表面に被覆する工程を含む、液晶表示板用の着色スペーサーの製造方法。
- シラノール基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキサゾリン基、アジリジン基、NCO基および不飽和二重結合基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する着色剤が、シラノール基、アルコキシシリル基、NH 2 基、COOH基、OH基およびSH基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する被覆ポリマーと化学結合してなる着色剤グラフトポリマーを粒子本体表面に化学結合させることにより粒子本体表面に被覆する工程を含む、液晶表示板用の着色スペーサーの製造方法。
- 前記粒子本体として、シラノール基またはアルコキシシリル基を有する粒子本体を用い、前記被覆ポリマーとしてシラノール基またはアルコキシシリル基をさらに有する被覆ポリマーを用いる、請求項6および7に記載の液晶表示板用の着色スペーサーの製造方法。
- 前記粒子本体として、エポキシ基またはアミノ基を有する粒子本体を用い、前記被覆ポリマーとしてエポキシ基またはアミノ基をさらに有する被覆ポリマーを用いる、請求項6および7に記載の液晶表示板用の着色スペーサーの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の着色スペーサーを含む、液晶表示板。
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