JP3542866B2 - 液晶表示板用接着性スペーサー、その製造方法および液晶表示板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示板用接着性スペーサー、その製造方法および液晶表示板に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示板(LCD)は、一般に、2枚の対向する電極基板と、前記電極基板間に介在するスペーサーおよび液晶物質とで構成されている。スペーサーは、液晶層の厚みを均一かつ一定に保持する目的で使用されている。
近年、液晶表示板は、軽量・薄型という特徴を生かし、携帯電話、ポケベルなどの携帯情報端末や移動体通信、カーナビゲーションなど車載用途にも使用されている。
【0003】
しかしながら、これらの用途は、デスクトップタイプのパソコン、ワープロ、TVなどの用途に比べて、移動に伴う振動・衝撃などの負荷を受け、スペーサーの移動、脱落が生じやすく、液晶層の厚みを均一かつ一定に保持できなくなるという問題がある。
近年、上記パソコンなどでは、画面が著しく大型化される一方であり、画面が著しく大型化された場合には、電極基板のたわみが生じやすく、その結果、スペーサーの移動が生じ、液晶層の厚みを均一かつ一定に保持できなくなる問題も発生している。
【0004】
上記のようなスペーサーの移動・脱落の防止を目的として、スペーサー粒子表面に接着剤がコートされた接着性スペーサーが開発されている。
このような接着性スペーサーとしては、たとえば、アミノ樹脂の硬化球状微粒子の表面に、熱変形温度が25〜180℃の範囲にある樹脂微粉末を静電気力で吸着させ、これを、高速で流動する気流中に分散させた後、硬化球状微粒子に衝撃を加える方法(高速気流中衝撃法)により、樹脂微粉末が硬化球状微粒子の表面に固定化された接着性スペーサー(特開平1−150428号公報参照);ホットメルト型樹脂あるいはエポキシ樹脂溶液中に、ジビニルベンゼン架橋体粒子やケイ酸ガラスなどの球状微粒子を分散させた後、その分散液の温度を徐々に低下させるか、あるいは、これらの樹脂の貧溶媒を滴下する方法(コアセルベーション法)により、球状微粒子の表面に上記樹脂を析出させた接着性スペーサー(特開平1−247154号、特開平2−261537号、特開平4−36723号、特開平4−36724号の各公報等参照);球状微粒子表面に接着性を有する重合体鎖をグラフトさせ、粒子表面に、接着層を設けた接着性スペーサー(特開平7−300586号、特開平7−300587号、特開平7−333623号の各公報等参照)などが知られている。これらの接着性スペーサーは、いずれにおいても、球状微粒子の表面が、接着性を示す樹脂を含む接着層で被覆されている。
【0005】
上記のような接着性スペーサーは、基板上に散布された後、加熱だけ、または加熱と加圧とによって基板上に接着、固定化される。これによってスペーサーの移動・脱落が防止されるようになっている。
一方、スペーサーの散布方法としては、従来、湿式または乾式散布が知られているが、基板上に、凝集が少なく、均一に散布できる点で、湿式散布が使用される場合が多い。湿式散布は、スペーサーをアルコール等の溶媒中に単分散させ、得られた分散液をスプレーで散布しながら溶媒を揮発除去する方法である。しかしながら、接着性スペーサーを湿式散布する場合、接着性スペーサーの接着層に含まれる樹脂が溶媒中で膨潤してスペーサー同士が凝集したり、接着層が溶解してしまい接着層がなくなったりするため、基板上に散布しても、スペーサーの凝集がひどかったり、スペーサーが基板上に固定化されなかったり、溶解した接着層が基板上に析出して基板や配向膜やカラーフィルターを傷付けたり覆ってしまったりする等の悪影響を与えるので、接着性スペーサーを湿式散布することは非常に困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、基板に対する接着性に優れるだけでなく、基板に湿式散布した時に、凝集や散布ムラが少なく、均一に散布可能であるといった湿式散布性に優れた、液晶表示板用接着性スペーサーと、このスペーサーを備えた液晶表示板とを提供することにある。
【0007】
本発明の別の課題は、基板に対する接着性に優れるだけでなく、基板に湿式散布した時に、凝集や散布ムラが少なく、均一に散布可能であるといった湿式散布性に優れた液晶表示板用接着性スペーサーを容易に効率良く製造することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる液晶表示板用接着性スペーサーは、
粒子本体とその表面を覆う接着層とを有する接着性粒子と、前記接着層に付着させた微粒子とを含み、前記微粒子が、下記▲1▼の状態であるもの、および、下記▲2▼の状態であるもののうち何れか一方または両方を含む。
▲1▼ 微粒子が接着層表面にめり込まずに単に付着して、接着層表面から大部分が露出している状態。
▲2▼ 微粒子が接着層に一部めり込み、微粒子の一部が表面に露出している状態。
【0009】
本発明にかかる液晶表示板は、
対向する2枚の電極基板と、
前記電極基板間に介在して前記電極基板の間隔を保持する、本発明にかかる上記接着性スペーサーと、
前記電極基板間に封入された液晶と、
を備えている。
【0010】
本発明にかかる液晶表示板用接着性スペーサーの製造方法は、
粒子本体の表面を接着層で被覆して、接着性粒子を得る被覆工程と、
前記接着性粒子に対して0.001〜10重量%の微粒子を準備し、前記接着層の表面に前記微粒子を付着させる付着工程と、
を含む。
【0011】
本発明にかかる別の液晶表示板用接着性スペーサーの製造方法は、
粒子本体の表面を熱可塑性樹脂と微粒子とを含む混合物で被覆する工程を含み、前記熱可塑性樹脂および微粒子の配合割合は、前記粒子本体100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂0.1〜50重量部、前記微粒子0.01〜20重量部である。
【0012】
【発明の実施の形態】
液晶表示板用接着性スペーサー
まず、本発明の液晶表示板用接着性スペーサーについて説明する。液晶表示板用接着性スペーサーは、接着性粒子と微粒子とを含んでいる。接着性粒子は粒子本体とその表面を覆う接着層とを有している。微粒子は接着層に付着させたものである。
〔接着性粒子〕
本発明の接着性スペーサーに含まれる接着性粒子は、粒子本体とその表面を覆う接着層とを有する。なお、接着層は粒子本体表面の一部または全部を覆うものであり、いずれであってもよい。また、接着層の一部または全部が粒子本体表面と化学結合していても良い。
【0013】
接着性粒子の粒子本体は、たとえば、液晶表示板に使用する場合に液晶層の厚みを均一かつ一定に保持するために必要であり、その平均粒子径は、好ましくは1〜30μm、より好ましくは1〜20μm、最も好ましくは1〜15μmである。平均粒子径が上記範囲を外れると、液晶表示板用接着性スペーサーとしては用いられないことがある。
【0014】
接着性粒子の粒子本体の粒子径の変動係数(CV)は、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは6%以下である。粒子径変動係数が10%を超えると、液晶表示板に使用した場合、液晶層の厚みを均一かつ一定に保持することが困難となり、画像ムラを起こしやすくなる。
なお、ここで言う平均粒子径および粒子径変動係数とは、後述の実施例の中で説明する方法に従って定義されている。
【0015】
接着性粒子の粒子本体としては、種々のものがあり、特に限定はされないが、たとえば、有機架橋重合体粒子、無機系粒子、有機質無機質複合体粒子等が挙げられる。これらの中でも、有機架橋重合体粒子および有機質無機質複合体粒子が、電極基板、配向膜またはカラーフィルターの損傷防止やギャップの均一性を得やすい点で好ましい。
【0016】
接着性粒子の粒子本体の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状、俵状、まゆ状、金平糖状等の任意の粒子形状で良く、特に限定されないが、液晶表示板用スペーサーとして用いる場合には隙間距離を均一に一定とする上で球状が好ましい。これは、粒子が球状であると、すべてまたはほぼすべての方向について一定またはほぼ一定の粒径を有するからである。
【0017】
前記有機架橋重合体粒子としては、特に限定はされないが、たとえば、ベンゾグアナミン、メラミンおよび尿素からなる群の中から選ばれた少なくとも1種のアミノ化合物、または、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとから縮合反応により得られるアミノ樹脂の硬化粒子(特開昭62−068811号公報参照);ジビニルベンゼンを単独で重合あるいは他のビニル単量体と共重合させて得られるジビニルベンゼン架橋樹脂粒子(特開平1−144429号公報参照)等が挙げられる。これらの中でも、前記アミノ樹脂の硬化粒子および前記ジビニルベンゼン架橋樹脂粒子が、電極基板、配向膜またはカラーフィルターの損傷防止やギャップの均一性を得やすい点で好ましい。
【0018】
前記無機系粒子としては、特に限定はされないが、たとえば、ガラス、シリカ、アルミナ等の球状微粒子等が挙げられる。
前記有機質無機質複合体粒子としては、たとえば、有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含み、前記ポリシロキサン骨格を構成するSiO2 の量が25wt%以上である粒子(特願平6−160019号、特願平7−176333号参照)が挙げられるが、これに限定されない。
【0019】
接着性粒子の粒子本体は、染料および顔料からなる群から選ばれる少なくとも1つ等を含むことで着色されていてもよい。その色は、光が透過しにくいか、または、透過しない色が、光抜けを防止でき画質のコントラストを向上できる点で好ましい。光が透過しにくいか、または、透過しない色としては、たとえば、黒、濃青、紺、紫、青、濃緑、緑、茶、赤等の色が挙げられるが、特に好ましくは、黒、濃青、紺色である。
【0020】
染料は、着色しようとする色に応じて適宜選択して使用され、たとえば、染色方法によって分類された、分散染料、酸性染料、塩基性染料、反応染料、硫化染料等が挙げられる。これらの染料の具体例は、「化学便覧応用化学編 日本化学会編」(1986年丸善株式会社発行)の1399頁〜1427頁、「日本化薬染料便覧」(1973年日本化薬株式会社発行)に記載されている。
【0021】
接着性粒子の粒子本体を染色する方法は、従来公知の方法がとられる。たとえば、上記の「化学便覧応用化学編 日本化学会編」や「日本化薬染料便覧」に記載されている方法等で行うことができる。
顔料としては、特に限定はされないが、たとえば、カーボンブラック、鉄黒、クロムバーミリオン、モリブデン赤、べんがら、黄鉛、クロム緑、コバルト緑、群青、紺青などの無機顔料;フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系などの有機顔料が挙げられる。なお、顔料は、その平均粒子径が0.4μm以下でないと、接着性粒子の粒子本体中に導入されない場合があるので、染料を使用する方が好ましい。
【0022】
接着性粒子においては、粒子本体の表面の少なくとも一部、すなわち、一部または全体が、接着層で覆われている。また、接着層の一部または全部が粒子本体表面と化学結合していても良い。接着層としては特に限定はないが、熱可塑性樹脂を含む層が好ましい。
前記接着層の厚みは、特に限定はされないが、通常、0.01〜2μmの範囲、好ましくは0.05〜1μmの範囲である。厚みが上記範囲より小さいと、接着性が低下するおそれがあり、また、厚みが上記範囲より大きいと、配向膜やカラーフィルター等を覆う面積が広くなって、液晶表示板の表示品位が低下するおそれがある。
【0023】
接着性粒子の平均粒子径は特に限定はされず、この平均粒子径は前記粒子本体に前記接着層の厚みが付与されたものであり、好ましくは1μmを超え32μm以下、より好ましくは1μmを超え22μm以下、さらに好ましくは1.2μmを超え17μm以下である。
前記接着層に含まれる熱可塑性樹脂としては、電極基板などに対して接着剤として作用するものであれば、特に限定されることはないが、その具体例は、エチレン性不飽和単量体の単独重合体または共重合体等が挙げられる。エチレン性不飽和単量体としては、特に限定はされないが、たとえば、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル(たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等)等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレンが、接着性が高いため好ましい。
【0024】
前記熱可塑性樹脂としては、接着性をより向上させる観点から、(メタ)アクリル系樹脂および(メタ)アクリル−スチレン系樹脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1種が最も好ましい。
熱可塑性樹脂は、上記のものに限定されない。たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;各種ポリアミド;各種ポリカーボネート;各種エポキシ樹脂等も熱可塑性樹脂として使用できる。
【0025】
熱可塑性樹脂は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、好ましくは40〜100℃、より好ましくは45〜90℃、さらに好ましくは50〜80℃である。ガラス転移温度が40℃未満では、接着性粒子が貯蔵中に融着等を起こしたり、電極基板上に散布する際の分散性が悪くなる場合がある。一方、ガラス転移温度が100℃を超えると、液晶表示板を組み立てる際の加熱加圧時に、接着層に含まれる熱可塑性樹脂が溶融しにくく、そのため、電極基板との接着性が不充分となる場合がある。
【0026】
熱可塑性樹脂の融解開始温度は、好ましくは50〜160℃、より好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは70〜140℃である。融解開始温度が50℃未満では、接着性粒子が貯蔵中に融着等を起こしたり、電極基板上に散布する際の分散性が悪くなる場合がある。一方、融解開始温度が160℃を超えると、液晶表示板を組み立てる際の加熱加圧時に、接着層に含まれる熱可塑性樹脂が溶融しにくく、そのため、電極基板との接着性が不充分となる場合がある。
【0027】
熱可塑性樹脂は、染料および顔料からなる群から選ばれる少なくとも1つ等を含むことで着色されていてもよい。その色は、光が透過しにくいか、または、透過しない色が、光抜けを防止でき画質のコントラストを向上できる点で好ましい。光が透過しにくいか、または、透過しない色としては、たとえば、黒、濃青、紺、紫、青、濃緑、緑、茶、赤等の色が挙げられるが、特に好ましくは、黒、濃青、紺色である。
【0028】
熱可塑性樹脂の着色に使用できる染料および顔料としては、特に限定はされないが、たとえば、接着性粒子の粒子本体の着色に使用できる染料および顔料として前述したもの等が挙げられる。
接着性粒子の粒子本体に対する接着層の熱可塑性樹脂の重量割合は、特に限定はされないが、0を超え、好ましくは30%以下、より好ましくは1〜25%、特に好ましくは2〜20%である。熱可塑性樹脂の重量割合が30%を超えると、接着層が多くなって、溶融した際に電極基板や配向膜やカラーフィルターを覆う面積が大きくなり、液晶表示板の画質低下を招く恐れがある。一方、熱可塑性樹脂の重量割合が少ないと、接着性が低下する。
〔微粒子〕
本発明の接着性スペーサーに含まれる微粒子は、前記接着層の表面の少なくとも一部、すなわち、前記接着層の一部、または前記接着層の全体に付着している。
【0029】
本発明において接着層に付着している微粒子の状態は、特定の1つの微粒子について考えると、▲1▼微粒子が接着層表面にめり込まずに単に付着して、接着層表面から大部分が露出している状態、▲2▼微粒子が接着層に一部めり込み、微粒子の一部が表面に露出している状態、▲3▼微粒子が接着層に完全にめり込み、微粒子が接着層表面に露出していない状態等のいずれであってもよい。また、接着層に付着しているそれぞれの微粒子の状態は上記▲1▼〜▲3▼のいずれであってもよい。接着性スペーサー全量中の微粒子の状態は、▲1▼〜▲3▼のいずれであってよく、▲1▼〜▲3▼のそれぞれの状態が混合したものでもよい。中でも、微粒子の状態が▲1▼および/または▲2▼であると、基板に対する接着性にさらに優れるだけでなく、基板に湿式散布した時に、凝集や散布ムラが少なく、均一に散布可能であるといった湿式散布性により優れるため好ましく、微粒子の状態が▲2▼であるとさらに好ましい。
【0030】
接着層に付着している微粒子の付着率は特に限定はされないが、たとえば、接着性粒子の粒子本体に対して、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。付着率が上記範囲より小さいと、湿式散布性が低下する。付着率が上記範囲より大きいと、基板への接着性が低下する。
【0031】
前記微粒子の平均粒子径は、特に限定はされないが、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下、最も好ましくは0.04μm以下である。平均粒子径が上記範囲より大きいと、液晶表示板のギャップ精度に著しく影響を及ぼすため、画質低下を引き起こすおそれがある。
【0032】
前記微粒子としては、特に限定はされないが、たとえば、無機系微粒子、有機系架橋微粒子等の1種または2種以上が用いられる。なお、有機系架橋微粒子は、湿式散布時に用いられる溶媒に浸される可能性があるので、無機系微粒子の使用が好ましい。
前記無機系微粒子としては、特に限定はされないが、たとえば、SiO2 、Al2 O3 、TiO2 、Fe2 O3 等の金属酸化物および/またはこれらの金属水酸化物であると、湿式散布性が向上するためこのましい。中でも、金属酸化物が、SiO2 、Al2 O3 およびTiO2 からなる群の中から選ばれた少なくとも1種であると、絶縁性が大きいためショートが発生せず、かつ湿式散布性もより向上するため好ましい。なお、市販品としては、たとえば、日本アエロジル(株)から入手可能な(商品名)アエロジル50/130/200/200V/200CF/200FAD/300/300CF/380/TT600/OX50/R972/R972V/R972CF/R974/MOX80/MOX170/COK84/R812/RX200/R202/RY200/R805、アルミニウムオキシドC 、チタニウムジオキシド T805 、チタニウムジオキシド P25等が挙げられる。
【0033】
無機系微粒子は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機系架橋微粒子としては、特に限定はされないが、たとえば、ポリメチルメタクリレートやポリスチレン等を架橋させた粒子等が挙げられる。有機系架橋微粒子は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶表示板用接着性スペーサーの製造方法
次に、本発明の液晶表示板用接着性スペーサーの製造方法について述べるが、上述の液晶表示板用接着性スペーサーは、以下の製造方法でのみ得られるものではない。
【0034】
接着性スペーサーの製造方法は、たとえば、
(1)粒子本体の表面を接着層で被覆して、接着性粒子を得る被覆工程と、
(2)被覆後の接着層の表面に微粒子を付着させる付着工程と、
を含む。
まず、上記(1)の被覆工程について説明する。
【0035】
粒子本体の表面を接着層で被覆する具体的な方法としては、特に限定はされないが、たとえば、熱可塑性樹脂の溶液中に、接着性粒子の粒子本体となるべき粒子を分散させ、充分攪拌混合した後、溶剤を蒸発除去し、得られた塊状物を粉砕する方法や、溶融させた熱可塑性樹脂中に、接着性粒子の粒子本体となるべき粒子を分散させ、混練して充分に分散させ、冷却後に塊状物を粉砕する方法;粒子本体表面に各種官能基(ビニル基、エポキシ基、水酸基等)を導入し、その官能基を起点としてモノマーを重合させたり、その官能基とポリマーとを反応させて、粒子表面にグラフトさせる方法等がある。
【0036】
また、上記方法以外に、「表面の改質」(日本化学会編化学総説No.44 、第45〜52頁、1987年発行)や「粉体の表面改質と高機能化技術」(「表面」第25巻第1号第1〜19頁および表紙写真、1987年発行)に詳細に記載されている、In situ重合法、コアセルベーション法、界面重合法、液中硬化被覆法、液中乾燥法、高速気流中衝撃法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等の従来公知の樹脂被覆方法によっても、被覆することができる。特に、高速気流中衝撃法は、たとえば、接着性粒子の粒子本体となるべき粒子(粒子本体)と、熱可塑性樹脂の粉体(熱可塑性樹脂粉体)とを混合し、この混合物を気相中に分散させ、衝撃力を主体とする機械的熱的エネルギーを前記粒子と前記熱可塑性樹脂粉体とに与えることで、前記粒子の表面を前記熱可塑性樹脂で被覆する方法であり、簡便に被覆することができるので、最も好ましい。この高速気流中衝撃法を行う際に用いられる前記熱可塑性樹脂粉体の平均粒子径は、特に限定はされないが、たとえば、好ましくは2μm以下、より好ましくは1.8μm以下、最も好ましくは1μm以下である。粒子本体に対する熱可塑性樹脂粉体の配合割合は、好ましくは0.1〜30wt%、より好ましくは1〜25wt%、最も好ましくは2〜20wt%である。
【0037】
上記高速気流中衝撃法を利用した装置としては、特に限定はされないが、たとえば、奈良機械製作所(株)製ハイブリダイゼーションシステムや、ホソカワミクロン(株)製メカノフュージョンシステム、川崎重工業(株)製クリプトロンシステム等がある。
被覆工程で使用される粒子本体の平均粒子径は、前述の粒子径であるものが好ましい。
【0038】
次に、上記(2)の付着工程について説明する。
上記被覆工程後の接着層の表面に微粒子を付着させる付着方法としては、特に限定はされないが、たとえば、接着性粒子と微粒子とを、ボールミル、らいかい機、ヘンシェルミキサー等の混合装置で混合する方法等が挙げられる。上記混合装置の中でもボールミルが、均一に付着を行うことができる点で好ましい。なお、前記高速気流中衝撃法のような強い衝撃を与える方法による混合でもよい。
【0039】
接着性粒子と微粒子との混合割合は、特に限定はされないが、たとえば、接着性粒子の粒子本体に対して、微粒子が、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%の割合である。微粒子の割合が上記範囲より小さいと、湿式散布性が低下する。微粒子の割合が上記範囲より大きいと、基板への接着性が低下する。
【0040】
次に、別の液晶表示板用接着性スペーサーの製造方法は、
粒子本体の表面を熱可塑性樹脂と微粒子とを含む混合物で被覆する工程を含み、前記熱可塑性樹脂および微粒子の配合割合は、前記粒子本体100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂0.1〜50重量部、前記微粒子0.01〜20重量部である。
【0041】
この別の製造方法では、たとえば、上述の各種方法を利用して、1工程で液晶表示板用接着性スペーサーを製造することができる。中でも、高速気流中衝撃法が、最も簡便に粒子本体の表面を混合物で被覆することができるため好ましい。高速気流中衝撃法において、前記熱可塑性樹脂および微粒子の配合割合は、粒子本体100重量部に対して、熱可塑性樹脂0.1〜50重量部(好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは2〜20重量部)、微粒子0.01〜20重量部(好ましくは0.01〜15重量部、より好ましくは0.05〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部)である。熱可塑性樹脂の配合割合が上記範囲よりも多いと、配向膜やカラーフィルターを覆う面積が大きくなって、液晶表示板の表示品位が低下する。また、熱可塑性樹脂の配合割合が上記範囲よりも少ないと基板への接着性が低下する。微粒子の配合割合が上記範囲よりも多いと基板への接着性が低下する。また、微粒子の配合割合が上記範囲よりも少ないと、湿式散布性が低下する。
液晶表示板
次に、本発明の液晶表示板について説明する。
【0042】
本発明の液晶表示板は、従来の液晶表示板において、従来のスペーサーの代わりに、上述したような本発明の接着性スペーサーを電極基板間に介在させ、電極基板の間隔を保持するものであり、同スペーサーの粒子径と同じかまたはほぼ同じ隙間距離を有する。この液晶表示板が備えている前記接着性スペーサーは、特に、湿式散布性に優れたものであり、湿式散布した時にムラ等もなく、基板全体に均一に散布可能であるため、本発明の液晶表示板は、コントラストが高くなり、ギヤップむらが減り、表示品位の向上が期待される。
【0043】
本発明の液晶表示板は、たとえば、第1電極基板と、第2電極基板と、液晶表示板用スペーサーと、シール材と液晶とを備えている。第1電極基板は、第1基板と、第1基板の表面に形成された第1電極とを有する。第2電極基板は、第2基板と、第2基板の表面に形成された第2電極とを有し、第1電極基板と対向している。液晶表示板用スペーサーとしては上述の本発明のものが使用され、第1電極基板と第2電極基板との間に介在し、その電極基板間の間隔を保持する。シール材は、第1電極基板と第2電極基板とを周辺部で接着する。液晶は、第1電極基板と第2電極基板との間に封入されており、第1電極基板と第2電極基板とシール材とで囲まれた空間に充填されている。
【0044】
本発明の液晶表示板には、電極基板、シール材、液晶など、スペーサー以外のものは従来と同様のものが同様のやり方で使用することができる。電極基板は、ガラス基板、フィルム基板などの基板と、基板の表面に形成された電極とを有しており、必要に応じて、電極基板の表面に電極を覆うように形成された配向膜をさらに有する。シール材としては、エポキシ樹脂接着シール材などが使用される。液晶としては、従来より用いられているものでよく、たとえば、ビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキセン系、フッ素系などの液晶が使用できる。
【0045】
本発明の液晶表示板を作製する方法としては、たとえば、本発明の接着性スペーサーを面内スペーサーとして2枚の電極基板のうちの一方の電極基板に湿式法により均一に散布したものに、本発明で用いられる粒子本体をシール部スペーサーとしてエポキシ樹脂等の接着シール材に分散させた後、もう一方の電極基板の接着シール部分にスクリーン印刷などの手段により塗布したものを載せ、適度の圧力を加え、100〜180℃の温度で1〜60分間の加熱、または、照射量40〜300mJ/cm2 の紫外線照射により、接着シール材を加熱硬化させた後、液晶を注入し、注入部を封止して、液晶表示板を得る方法を挙げることができるが、液晶表示板の作製方法によって本発明が限定されるものではない。面内スペーサーとしては、本発明の接着性スペーサーの中でも、前述のように着色されたものが光抜けを生じにくいので好ましい。
【0046】
本発明の液晶表示板は、従来の液晶表示板と同じ用途、たとえば、テレビ、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサー、カーナビゲーションシステム、PHS(携帯情報端末)などの画像表示素子として使用される。
【0047】
【実施例】
以下に、本発明の具体的な実施例と、比較例とを示すが、本発明は下記実施例に限定されない。
粒子本体の平均粒子径、粒子径変動係数、および、粒子本体と熱可塑性樹脂との重量割合:
接着性スペーサー5gを秤量し(この時の重量をP1 とする)、円筒型濾紙に入れ、熱可塑性樹脂が溶解する溶媒を選択し((メタ)アクリル系樹脂や(メタ)アクリル−スチレン系樹脂ではテトラヒドロフラン、トルエン等が好ましく、ポリオレフィンではトルエン、キシレンなどが好ましい)、ソックスレー抽出により、接着性粒子を覆っている熱可塑性樹脂を溶解させた後、粒子本体のみを取り出し、100℃で真空乾燥して粒子本体のみの重量を測定した(粒子本体の重量をP2 とする)。粒子本体と熱可塑性樹脂との重量割合を次式により求めた。粒子本体と熱可塑性樹脂との重量割合(P)=(P1 −P2 )/P2 ×100
また、得られた粒子本体をFT−IR分析により同定すると共に、電子顕微鏡により観察して、その撮影像の任意の粒子200個の粒子径を実測し、次式に従って、平均粒子径、粒子径の標準偏差および粒子径の変動係数を求めた。
【0048】
【数1】
【0049】
【数2】
【0050】
【数3】
【0051】
接着性スペーサーの平均粒子径:
粒子本体と同様にして上式より求めた。
熱可塑性樹脂のガラス転移温度:
上述したソックスレー抽出により得られた熱可塑性樹脂の溶液から溶媒をエバポレーターで留去し、さらに100℃で真空乾燥して熱可塑性樹脂を得た。得られた熱可塑性樹脂をFT−IR分析により同定した。ガラス転移温度(Tg)は、パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−7を用いて測定した。
微粒子の付着の有無:
接着性スペーサーの表面を電子顕微鏡で観察して、微粒子の付着の有無を確認した。また、X線マイクロアナライザーを用い、微粒子成分を同定した。
【0052】
〔実施例1〕
粒子本体としてベンゾグアナミン−メラミン−ホルマリン縮合架橋硬化球状微粒子(平均粒子径4.02μm、粒子径の変動係数5.2%)35gと、熱可塑性樹脂として2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン共重合体(平均粒子径0.4μm、ガラス転移温度60℃)7gとを混合した後、奈良機械製作所(株)製ハイブリダイゼーションシステムNHS−0型を使用し、高速気流中衝撃法により粒子本体表面を熱可塑性樹脂で被覆処理することにより(被覆工程)、接着性粒子(1)を得た。
【0053】
次に、得られた接着性粒子(1)と、微粒子として疎水性SiO2 微粒子(日本アエロジル(株)製アエロジルR972、平均粒子径約16nm)0.035gとをボールミルで混合することで接着性粒子(1)の表面に微粒子を付着させることにより(付着工程)、接着性スペーサー(1)を得た。
湿式散布溶媒として、メタノール30容量部、イソプロパノール20容量部および水50容量部からなる混合溶媒を使用し、この混合溶媒中に、接着性スペーサー(1)(この場合、面内スペーサー)8を1重量%となるように超音波分散させた。得られた湿式散布液中の接着性スペーサー(1)の分散状態を表2に示す。
【0054】
次に、図1にみるように、予め、300mm×345mm×0.7mmの下側ガラス基板11上に、電極(たとえば、透明電極)5及びポリイミド配向膜4を形成した後、ラビングを行っておいた下側電極基板110上に、上記湿式散布液を1〜10秒間散布した。この時の基板上の散布状態を表2に示す。
一方、300mm×345mm×0.7mmの上側ガラス基板12上に、電極(たとえば、透明電極)5及びポリイミド配向膜4を形成した後、ラビングを行って上側電極基板120を得た。そして、エポキシ樹脂接着シール材2中に、上記の粒子本体(この場合、シール部スペーサー)3が30容量%となるように分散させたものを、上側電極基板120の接着シール部分にスクリーン印刷した。
【0055】
最後に、上下側電極基板120,110を、電極5及び配向膜4がそれぞれ対向するように、接着性スペーサー(1)8を介して貼り合わせ、1kg/cm2 の圧力を加え、150℃の温度で30分間加熱し、接着シール材2を加熱硬化させた。その後、2枚の電極基板120,110の隙間を真空とし、さらに、大気圧に戻すことにより、STN用液晶7を注入し、注入部を封止した。そして、上下ガラス基板12,11の外側にPVA(ポリビニルアルコール)系偏光膜6を貼り付けてSTN用液晶表示板(1)とした。
【0056】
得られたSTN用液晶表示板(1)は、画像ムラや表示欠陥もなく、良好な表示品位を示した。
〔実施例2〜4〕
実施例1において、粒子本体の種類および量、熱可塑性樹脂の種類および量、微粒子の種類および量を表1に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にして、接着性スペーサー(2)〜(4)および液晶表示板(2)〜(4)を作製した。その結果を表2に示す。
【0057】
なお、実施例4の粒子本体は、以下の方法により得た有機質無機質複合体粒子を使用した。
冷却管、温度計、滴下口のついた四つ口フラスコ中に25%アンモニア水溶液2.9g、メタノール10.1g、水141.1gを混合した溶液(A液)を入れ、25±2℃に保持し、攪拌しながら該溶液中に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10g、ビニルトリメトキシシラン15g、テトラエトキシシラン5g、メタノール54g、ラジカル重合開始剤として2,2′−アゾビス−(2.4−ジメチルバレロニトリル)0.14gを混合した溶液(B液)を滴下口から添加して、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解・縮合を行った。攪拌を継続しながら20分後、N2 雰囲気中で70±5℃に加熱し、ラジカル重合を行った。
【0058】
2時間加熱を続けた後、室温まで冷却し、重合体粒子の懸濁体を得た。この懸濁体を濾過により固液分離し、得られたケーキをメタノールによる洗浄を3回繰り返して行い、得られた重合体粒子を真空乾燥機中で300℃で2時間真空乾燥して有機質無機質複合体粒子を得た。
得られた複合体粒子は、平均粒子径3.85μm、粒子径の変動係数3.3%、ポリシロキサン骨格を構成するSiO2 の量60.0wt%、10%圧縮弾性率1080kg/mm2 、10%変形後の残留変位2.2%、破壊強度2.2gであった。
【0059】
〔実施例5〕
粒子本体として、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルマリン縮合架橋硬化球状微粒子(平均粒子径4.02μm、粒子径の変動係数5.2%)35gと、熱可塑性樹脂として2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン共重合体(平均粒子径0.4μm、ガラス転移温度60℃)7gと、微粒子として疎水性SiO2 微粒子(日本アエロジル(株)製アエロジルR972、平均粒子径約16nm)0.07gとを混合した後、実施例1と同様にして、高速気流中衝撃法により接着性スペーサー(5)を得た。得られた接着性スペーサー(5)を用いて液晶表示板(5)を作製した。その結果を表2に示す。
【0060】
〔比較例1〕
実施例1において、微粒子の付着工程を行わずに、接着性粒子(1)をそのまま比較用接着性スペーサー(1)として使用したこと以外は実施例1と同様にして、比較用液晶表示板(1)を作製した。その結果を表2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
*:日本アエロジル(株)製
アエロジルR972: CH3基で疎水化処理したSiO2超微粒子。
アエロジルMOX80 :AL2O3/SiO2混合酸化物の超微粒子。
チタニウムジオキシドP25 :高純度TiO2超微粒子。
アルミニウムオキシドC :高純度AL2O3 超微粒子。
【0063】
【表2】
【0064】
*1:顕微鏡観察結果:◎:凝集なし。
○:2個の凝集がわずかに認められるが、ほとんど凝
集なし。
×:凝集が多く、静置するとすぐに沈降する。
*2:◎:基板全体を9分割した時、各分割区分の散布密度が均一で、凝集も
認められない。
【0065】
○:上記各分割区分の散布密度が均一で、2個の凝集が全体の5%以下
で認められる。
×:上記各分割区分の散布密度が不均一、または、2個以上の凝集が全
体の5%以上認められる。
*3:◎:画像ムラや表示欠陥がなく、光抜けが少なく、表示品位良好。
【0066】
○:画像ムラや表示欠陥がなく、表示品位良好。
×:画像ムラや表示欠陥が発生し、表示品位不良。
【0067】
【発明の効果】
本発明の液晶表示板用接着性スペーサーは、基板に対する接着性に優れるだけでなく、基板に湿式散布した時に、凝集や散布ムラが少なく、均一に散布可能であるといった湿式散布性に優れている。
本発明の液晶表示板用接着性スペーサーの製造方法は、上述のような液晶表示板用接着性スペーサーを容易に効率よく製造する方法を提供することができる。
【0068】
本発明の液晶表示板は、電極基板間に介在するスペーサーとして上記接着性スペーサーを備えているため、スペーサーの移動、凝集、脱落が生じにくく、液晶層の厚みを均一かつ一定に保持できるので、画像ムラや表示欠陥が少なく、表示品位に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示板の一実施例を表す部分断面図。
【符号の説明】
2 接着シール材
3 シール部スペーサー
4 配向膜
5 電極
6 偏光膜
7 液晶
8 面内スペーサー
11 下側ガラス基板
12 上側ガラス基板
110 下側電極基板
120 上側電極基板
Claims (3)
- 粒子本体とその表面を覆う接着層とを有する接着性粒子と、
前記接着層に付着させた微粒子とを含み、
前記微粒子が、下記▲1▼の状態であるもの、および、下記▲2▼の状態であるもののうち何れか一方または両方を含む、
液晶表示板用接着性スペーサー。
▲1▼ 微粒子が接着層表面にめり込まずに単に付着して、接着層表面から大部分が露出している状態。
▲2▼ 微粒子が接着層に一部めり込み、微粒子の一部が表面に露出している状態。 - 対向する2枚の電極基板と、
前記電極基板間に介在して前記電極基板の間隔を保持する、請求項1に記載の接着性スペーサーと、
前記電極基板間に封入された液晶と、
を備えた液晶表示板。 - 粒子本体の表面を接着層で被覆して、接着性粒子を得る被覆工程と、
前記被覆工程のあとで、前記接着性粒子に対して0.001〜10重量%の微粒子を準備し、前記接着層の表面に前記微粒子を付着させる付着工程と、
を含む液晶表示板用接着性スペーサーの製造方法。
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