JP2002156639A - 液晶表示板用接着性スペーサー及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示板用接着性スペーサー及びその製造方法

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JP2002156639A
JP2002156639A JP2000354672A JP2000354672A JP2002156639A JP 2002156639 A JP2002156639 A JP 2002156639A JP 2000354672 A JP2000354672 A JP 2000354672A JP 2000354672 A JP2000354672 A JP 2000354672A JP 2002156639 A JP2002156639 A JP 2002156639A
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Takeshi Yamashita
毅 山下
Kenji Miyata
賢二 宮田
Norikuni Sasaki
令晋 佐々木
Junko Yokoo
純子 横尾
Shigefumi Kuramoto
成史 倉本
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子本体となる原料粒子表面への熱可塑性樹
脂の高被覆効率の実現と、被覆後において、粒子本体表
面と熱可塑性樹脂との密着性について優れた保持能をも
つ、新規な液晶表示板用接着性スペーサーおよびその製
造方法を提供する。 【解決手段】 本発明にかかる液晶表示板用接着性スペ
ーサーは、粒子本体の表面の少なくとも一部が熱可塑性
樹脂からなる接着層で被覆された液晶表示板用の接着性
スペーサーにおいて、前記粒子本体は加水分解性シリル
基および/またはシロキサン骨格を有するとともに、前
記熱可塑性樹脂はオキサゾリン基を有することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着層を形成する
熱可塑性樹脂の、粒子本体表面上への被覆効率が高く、
しかも、被覆した熱可塑性樹脂の剥離が抑制され、良好
な分散性が得られる、液晶表示板用接着性スペーサーお
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、テレビ、パーソナルコンピュ
ーター、ワードプロセッサー、PHS(携帯情報端
末)、カーナビゲーションシステム等の画像表示素子と
して、液晶表示板(LCD)が広く用いられている。な
かでもTFT−LCDと呼ばれる液晶表示板は、高速応
答や視野角拡大への対応が可能なため、ブラウン管(C
RT)からの置き換えを目的に、15インチ以上の大画
面TFT−LCDとする開発が検討されてきた。しか
し、特に大画面TFT−LCDを製造する際には、液晶
パネルの製造工程時(基板搬送時、基板切断時など)お
よび液晶パネルの輸送時等に、振動や衝撃が加わって液
晶パネル内部のスペーサーが動き、1)配向膜の損傷に
起因した液晶の配向乱れによる光抜けの増加、2)ギャ
ップムラおよび色ムラの発生等の、液晶パネルの品質低
下を生じさせる問題があった。そこで、スペーサーの移
動防止を目的として、スペーサー粒子表面を熱可塑性樹
脂粉体による接着層でコートした接着性スペーサーの開
発や検討がなされてきた。
【0003】なかでも、接着性スペーサーにおける接着
層の被覆工程では、簡便に実施できるという観点から、
衝撃(摩擦)力(例えば、奈良機械製作所(株)製ハイ
ブリダイゼーションシステムを用いた高速気流中衝撃法
など)を用いることによって粒子本体表面に熱可塑性樹
脂を溶融させて被覆するという方法(特開昭63−94
224号公報、特開平1−154028号公報、特開平
8−328022号公報および特開平9−235527
号公報)が、また、粒子本体表面と熱可塑性樹脂との化
学結合によって被覆するという方法では、粒子本体の表
面に存在する官能基と、これら官能基と化学反応し得る
反応性基を有する熱可塑性樹脂と反応させる方法や、粒
子本体の表面に、開始剤基、ビニル基およびメルカプト
基等を導入し、ビニル系モノマーを重合させながら、得
られるポリマーを粒子本体表面へ共有結合させる方法
(特開平5−188384号公報、特開平5−2324
80号公報)等が知られている。
【0004】しかしながら、前者の衝撃力を加える方法
では、熱可塑性樹脂の被覆効率が悪いうえに、粒子本体
を熱可塑性樹脂で被覆してもその密着性が低いため、被
覆後の熱可塑性樹脂の剥離が多く、それらが液晶表示板
中に存在した場合、加熱時に溶融して配向膜を覆ってし
まうため、液晶の配向不良が発生し、光漏れが増えると
いう問題があり、後者の化学結合を用いた方法では、現
状では、その反応効率の低さに起因して被覆効率が低い
ため、スペーサーとして十分な接着性を有するように被
覆されたものを得ることができないという問題があるこ
とから、まだ十分なレベルではなく、さらなる向上が望
まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の解決
しようとする課題は、粒子本体となる原料粒子表面への
熱可塑性樹脂の高被覆効率の実現と、被覆後において、
粒子本体表面と熱可塑性樹脂との密着性について優れた
保持能をもつ、新規な液晶表示板用接着性スペーサーお
よびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、鋭意検討を行った。その結果、粒子本
体となる原料粒子と、接着層を形成するための熱可塑性
樹脂との親和性に着目した。そして、原料粒子には加水
分解性シリル基および/またはシロキサン骨格を有する
ことを必須とし、さらに、熱可塑性樹脂にはオキサゾリ
ン基を含有することを必須とした。この加水分解性シリ
ル基および/またはシロキサン骨格とオキサゾリン基の
静電的な高親和性や反応、さらにはオキサゾリン基と原
料粒子表面に存在する反応性基(オキサゾリン基との反
応性のある官能基)との化学結合の利用によって、接
着層の厚みの増加、被覆にあずからない熱可塑性樹脂
の凝集物の低減、被覆後における熱可塑性樹脂の剥離
とその剥離した樹脂単独の凝集物の低減などを達成で
き、粒子本体となる原料粒子に熱可塑性樹脂を被覆をし
た、新規な液晶表示板用接着性スペーサーおよびその製
造方法が、上記課題を一挙に解決できることを見いだ
し、ここに本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明にかかる液晶表示板用接
着性スペーサーは、粒子本体の表面の少なくとも一部が
熱可塑性樹脂からなる接着層で被覆された液晶表示板用
の接着性スペーサーにおいて、前記粒子本体は加水分解
性シリル基および/またはシロキサン骨格を有するとと
もに、前記熱可塑性樹脂はオキサゾリン基を有すること
を特徴とする。また、本発明にかかる液晶表示板用接着
性スペーサーの製造方法は、粒子本体となる原料粒子の
表面の少なくとも一部が熱可塑性樹脂からなる接着層で
被覆された液晶表示板用の接着性スペーサーを得る方法
であって、加水分解性シリル基および/またはシロキサ
ン骨格を有する前記粒子本体とオキサゾリン基を有する
前記熱可塑性樹脂とを付着させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶表示板用接着
性スペーサーおよびその製造方法を具体的に説明する。 〔液晶表示板用接着性スペーサー〕本発明にかかる液晶
表示板用接着性スペーサーについては、その粒子構造
は、スペーサー粒子本体となる原料粒子と熱可塑性樹脂
とを含み、原料粒子の表面の少なくとも一部が熱可塑性
樹脂により形成される接着層で被覆されているものであ
って、前記粒子本体は加水分解性シリル基および/また
はシロキサン骨格を有し、且つ、前記熱可塑性樹脂はオ
キサゾリン基を有するものである。
【0009】なお、ここでいう「被覆」とは、原料粒子
表面に熱可塑性樹脂が単に付着や吸着しているだけで
も、化学結合により原料粒子表面に熱可塑性樹脂がグラ
フトしていてもよい。また、加水分解性シリル基および
/またはシロキサン骨格とオキサゾリン基との静電気的
な親和性や反応により吸着および/または結合がある場
合、粒子本体表面と熱可塑性樹脂との密着性に優れてい
るため好ましい。以下、粒子本体となる原料粒子、熱可
塑性樹脂およびスペーサーに分けて詳しく説明する。
【0010】(粒子本体(原料粒子))本発明にかかる
液晶表示板用接着性スペーサーの粒子本体となる原料粒
子は、液晶表示板の隙間距離を決める主なものであっ
て、液晶層の厚みを均一かつ一定に保持する。原料粒子
の平均粒子径は、1〜30μmであることが好ましく、
より好ましくは1〜20μm、最も好ましくは1〜15
μmである。前記平均粒子径が上記範囲を外れると、接
着性スペーサーとして用いられないおそれがあるので好
ましくない。
【0011】原料粒子の粒子径の変動係数(CV)は、
10%以下であることが好ましく、より好ましくは8%
以下、さらに好ましくは6%以下である。前記粒子径の
変動係数が10%を超えると、液晶層の厚みを均一かつ
一定に保持することが困難となり、画像ムラを起こしや
すくなるおそれがあるので好ましくない。なお、前記平
均粒子径および前記粒子径の変動係数の定義や測定方法
は、後述の実施例に記載のものを採用することが好まし
い。原料粒子の形状は、特に限定されるものではなく、
具体的には、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状、俵
状、まゆ状、金平糖状等の任意の粒子形状を好ましく挙
げることができるが、なかでも液晶表示板の隙間距離を
均一に一定とする上では球状が好ましい。すなわち、粒
子が球状である場合、すべてまたはほぼすべての方向に
ついて一定またはほぼ一定の粒径を有することができる
からである。
【0012】本発明にかかる液晶表示板用接着性スペー
サーにおいては、その粒子本体となる原料粒子は、その
構造中に加水分解性シリル基および/またはシロキサン
骨格を有する。これは、後述する熱可塑性樹脂中に含ま
れるオキサゾリン基との静電的親和性を利用して、原料
粒子にこの熱可塑性樹脂(オキサゾリン基含有ポリマ
ー)を効率的に付着させ、剥離の防止を達成するためで
ある。本発明でいう加水分解性シリル基とは、シラノー
ル基もしくは加水分解することによりシラノール基が生
成する基であり、一般式で「Si−X」で示されるもの
である。このXとしては、特に限定されるわけではない
が、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシロキン基お
よびハロゲン等を好ましく挙げることができる。なかで
も、オキサゾリン基との親和性の点で、シラノール基お
よびアルコキシ基が好ましく、シラノール基が最も好ま
しい。
【0013】本発明にかかる液晶表示板用接着性スペー
サーにおいて、その粒子本体となる原料粒子としては、
例えば、ガラスやシリカ等のシラノール基やシロキサン
骨格を含んだ無機系粒子、シラノール基やシロキサン骨
格を含んだ有機質無機質複合体粒子を好ましく挙げるこ
とができるが、特にこれらに限定されるわけではない。
これらの中でも、有機質無機質複合体粒子は、電極基
板、配向膜およびカラーフィルターの損傷防止や、両電
極基板間の隙間距離の均一性を得やすいという点で好ま
しい。有機質無機質複合体粒子としては、有機質部分
と、少なくともシロキサンからなる無機質部分とを含む
複合粒子であることが好ましい。この有機質無機質複合
体粒子において、前記無機質部分の割合は、特に限定さ
れるわけではないが、例えば、前記有機質無機質複合体
粒子の重量に対して、無機酸化物換算で、10〜90w
t%の範囲であることが好ましく、より好ましくは25
〜85wt%、さらに好ましくは30〜80wt%であ
る。前記無機酸化物換算とは、好ましくは、有機質無機
質複合体粒子を空気中などの酸化雰囲気中で高温(例え
ば1000℃)で焼成した前後の重量を測定することに
より求めた重量百分率で示される。前記有機質無機質複
合体粒子の前記無機質部分の割合が、無機酸化物換算で
10wt%を下回ると、前記有機質無機質複合体粒子は
軟らかくなって、電極基板への散布個数が増えることに
なったり、シラノール基やシロキサンが少なくなって、
オキサゾリン基含有ポリマーの付着性の悪化、基板への
接着力の低下、原料粒子表面からの熱可塑性樹脂の剥離
などが生じるおそれがあるので好ましくない。一方、上
記割合が90wt%を上回ると、硬すぎて配向膜の損傷
やTFTの断線が生じやすくなるおそれがあるので好ま
しくない。
【0014】本発明における有機質無機質複合体粒子と
しては、特に限定されるわけではないが、具体的には、
有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー骨格中の少なく
とも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有
機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含
み、前記ポリシロキサン骨格を構成するSiO2の量が
10wt%以上である、有機質無機質複合体粒子A等を
好ましく挙げることができる。ここで、前記有機質無機
質複合体粒子Aが、G≧14・Y1.75(ここで、Gは破
壊強度〔kg〕を示し;Yは粒子径〔mm〕を示す)を
満足する破壊強度であると好ましく、10%圧縮弾性率
が300〜2000kg/mm2、10%変形後の残留
変位が0〜5%であるとさらに好ましい。前記有機質無
機質複合体粒子Aは、染料および/または顔料を含むこ
とで好ましく着色されていてもよい。
【0015】有機質無機質複合体粒子Aの製造方法につ
いては、特に限定されるわけではないが、例えば、下記
に示す縮合工程と重合工程と熱処理工程とを含む製造方
法を好ましく挙げることができる。前記縮合工程とは、
ラジカル重合性基含有第1シリコン化合物を用いて加水
分解・縮合する工程であることが好ましく、この縮合工
程では、触媒としてアンモニア等の塩基性触媒を好まし
く用いても良い。ラジカル重合性基含有第1シリコン化
合物は、次の一般式(1):
【0016】
【化1】
【0017】(ここで、Raは水素原子またはメチル基
を示し;Rbは、置換基を有していても良い炭素数1〜
20の2価の有機基を示し;Rcは、水素原子と、炭素
数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す。
1は、炭素数1〜5のアルキル基とフェニル基とから
なる群から選ばれた少なくとも1種の1価の基を示す。
lは1または2であり、pは0または1である。)と、
次の一般式(2):
【0018】
【化2】
【0019】(ここで、Rdは水素原子またはメチル基
を示し;Reは、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル
基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれ
る少なくとも1つの1価基を示す。R2は、炭素数1〜
5のアルキル基とフェニル基戸からなる群から選ばれた
少なくとも1種の1価の基を示す。mは1または2であ
り、qは0または1である。)と、次の一般式(3):
【0020】
【化3】
【0021】(ここで、Rfは水素原子またはメチル基
を示し;Rgは、置換基を有していても良い炭素数1〜
20の2価の有機基を示し;Rhは、水素原子と、炭素
数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す。
3は、炭素数1〜5のアルキル基とフェニル基とから
なる群から選ばれた少なくとも1種の1価の基を示す。
nは1または2であり、rは0または1である。)とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表され
る化合物またはその誘導体であることが好ましい。
【0022】前記重合工程は、前記縮合工程中および/
または前記縮合工程後に、ラジカル重合性基をラジカル
重合反応させて粒子を得る工程であることが好ましい。
前記熱処理工程は、前記重合工程で生成した重合体粒子
を800℃以下、より好ましくは100〜600℃の温
度で乾燥および焼成する工程であり、例えば、10容量
%以下の酸素濃度を有する雰囲気中や減圧下で行われる
ことが好ましい。上記の縮合工程、重合工程および熱処
理工程から選ばれる少なくとも1つの工程中および/ま
たは後に、生成した原料粒子を着色する着色工程をさら
に含んでいてもよい。
【0023】また、例えば、いわゆる有機架橋重合体粒
子のように、加水分解性シリル基および/またはシロキ
サン骨格を含んでいない粒子であっても、シラザン類、
および、下記一般式(4)〜(6)から選ばれるシラン
化合物の少なくとも1種を表面処理剤として用いて表面
処理し、加水分解性シリル基および/またはシロキサン
骨格を有するようにした粒子を、原料粒子として用いて
もよい。 SiX4 (4) R4SiX3 (5) R56SiX2 (6) (ここで、Xは塩素原子、水素原子、炭素数1〜5のア
ルコキシ基および炭素数2〜5のアシロキシ基から選ば
れた少なくとも1種;R4およびR5は、いずれも、炭素
数1〜22のアルキル基および炭素数6〜22のアリー
ル基から選ばれる少なくとも1種であり、その基の中の
1つ以上の水素原子が、アミノ基、メルカプト基、アル
キレンオキシド基、エポキシ基、シアノ基、塩素原子お
よびフッ素原子から選ばれる少なくとも1種で置換され
ていても良い;R6は、炭素数1〜5のアルキル基とフ
ェニル基とからなる群から選ばれる少なくとも1種の1
価の基である。)前記有機架橋重合体粒子としては、特
に限定されるわけではないが、例えば、ベンゾグアナミ
ン、メラミンおよび尿素からなる群の中から選ばれた少
なくとも1種のアミノ化合物とホルムアルデヒドとから
縮合反応により得られるアミノ樹脂の硬化粒子(特開昭
62−068811号公報参照);ジビニルベンゼンを
単独で重合あるいは他のビニル単量体と共重合させて得
られるジビニルベンゼン架橋樹脂粒子(特開平1−14
4429号公報参照)等を好ましく挙げることができ
る。
【0024】本発明における原料粒子は、上述のよう
に、その構造中に加水分解性シリル基および/またはシ
ロキサン骨格を含むことが好ましいが、さらに、その表
面に酸性基の中の少なくとも1種の官能基を有すること
が好ましく、メルカプト基(−SH)やカルボキシル基
(−COOH)からなる群の中から選ばれた少なくとも
1種の官能基を有することがさらに好ましい。これらの
官能基は、後述する熱可塑性樹脂に含有されるオキサゾ
リン基と反応して容易に化学結合を形成することができ
るため、被覆効率および電極基板への接着力向上と、被
覆後の密着力の保持(接着層の剥離の防止)などに有効
である。
【0025】本発明の液晶表示板用接着性スペーサー
は、必要に応じて、着色されていてもよく、例えば、粒
子本体となる原料粒子が染料および顔料からなる群から
選ばれる少なくとも1つ等を含むことで着色されていて
もよい。その色は、光が透過しにくいか、または、透過
しない色が、接着性スペーサー自身の光抜けを防止でき
画質のコントラストを向上できる点で好ましい。光が透
過しにくいか、または、透過しない色としては、例え
ば、黒、濃青、紺、紫、青、濃緑、緑、茶、赤等の色を
好ましく挙げることができるが、特に好ましくは、黒、
濃青、紺色である。なお、染料および/または顔料は、
単に原料粒子に含まれるものでもよく、あるいは、染料
および/または顔料と原料粒子を構成するマトリックス
とが化学結合によって結び付けられた構造を有するもの
でもよいが、特にこれらに限定されない。前記原料粒子
が着色されている場合、液晶表示板用スペーサーとして
用いると、バックライトの光抜けを防止でき、液晶表示
板の画質向上を達成することができる。
【0026】(熱可塑性樹脂)本発明の液晶表示板用接
着性スペーサーおいて、接着層を形成する熱可塑性樹脂
としては、オキサゾリン基を含有し、電極基板などに対
して粘着剤や接着剤として作用するものであれば、特に
限定されるわけではなく、具体例としては、エチレン性
不飽和単量体の単独重合体または共重合体を含む樹脂等
を好ましく挙げることができる。前記エチレン性不飽和
単量体としては、特に限定はされるわけではなく、なか
でも、オキサゾリン基を有する単量体としては、イソプ
ロペニルオキサゾリン等を好ましく挙げることができ、
他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、
塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル(例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソ
プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリ
レート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリ
レート、トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート等
を好ましく挙げることができる。これらの中でも、エチ
レン性不飽和単量体が、芳香族残基(例えば、フェニル
基等)、水素結合可能な残基(エステル基等)を含有し
ていると、配向膜との分子間力が大きくなり、前記電極
基盤基板等への接着性が高くなるため好ましく、(メ
タ)アクリル酸エステルおよび/またはスチレンを含む
ことがさらに好ましい。
【0027】熱可塑性樹脂としては、接着性をより向上
させる観点からは、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレー
トをモノマー成分に含む(メタ)アクリル系樹脂、スチ
レン化合物をモノマー成分に含むスチレン系樹脂、およ
び、スチレン化合物と(メタ)アクリレートとをモノマ
ー成分に含む(メタ)アクリル−スチレン系樹脂からな
る各種ポリマー群の中から選ばれた少なくとも1種を含
んでなることが特に好ましい。前記(メタ)アクリル酸
エステルおよび/またはスチレンを重合して熱可塑性樹
脂微粒子を製造する場合、ソープフリー重合(ソープフ
リー乳化重合)して得られるものが好ましく、理由とし
ては、前記ソープフリー重合(ソープフリー乳化重合)
では界面活性剤等の導電性不純物を使用しないため、液
晶表示板の信頼性が向上し易いからである。
【0028】熱可塑性樹脂としては、上記のものに限定
されるわけではなく、例えば、ポリエチレンテレフタラ
ート、ポリブチレンテレフタラート等のポリエステル;
各種ポリアミド;各種ポリカーボネート;各種エポキシ
樹脂等も熱可塑性樹脂として好ましく使用できる。さら
に本発明における熱可塑性樹脂としては、上述したよう
に、ポリマー合成の際にモノマー成分中にオキサゾリン
基含有モノマーを含み、合成後の樹脂中にオキサゾリン
基含有モノマー由来の構造単位を含んでいればよい。ま
た、熱可塑性樹脂に含有される官能基に対し、この官能
基と反応する反応基およびオキサゾリン基を含有する化
合物を反応させて、オキサゾリン基を熱可塑性樹脂に導
入してもよい。熱可塑性樹脂中にオキサゾリン基を含有
する場合、前記原料粒子が有する加水分解性シリル基お
よび/またはシロキサン骨格とオキサゾリン基との静電
的親和性や反応性、または、その原料粒子がその表面に
オキサゾリン基と反応可能な官能基を有する場合はその
官能基とオキサゾリン基との化学結合によって、原料粒
子への熱可塑性樹脂の被覆効率と、その後の密着性の保
持率を増加させることができる。
【0029】本発明においては、上述したように、熱可
塑性樹脂はオキサゾリン基を含有するポリマーを必須と
するが、熱可塑性樹脂にはこのオキサゾリン基を含有す
るポリマーのみを用いても、他の樹脂を含めた2種以上
を併用してもよい。また、熱可塑性樹脂により形成され
る接着層は1層であっても2層以上であってもよい。本
発明における熱可塑性樹脂は、オキサゾリン基含有モノ
マー由来の構造単位を0.1〜70wt%含むことが好
ましく、より好ましくは1〜50wt%、さらに好まし
くは2〜40wt%である。上記含有割合が0.1wt
%未満の場合は、原料粒子への熱可塑性樹脂の被覆効率
と、その後の密着性の保持率を増加させることができな
いため好ましくなく、70wt%を超える場合は、液晶
の比抵抗低下等の液晶表示板の信頼性が低下するおそれ
があるためため好ましくない。
【0030】熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg
(℃))が、40〜150℃であることが好ましく、よ
り好ましくは50〜130℃、特に好ましくは60〜1
20℃である。前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(T
g(℃))が、上記範囲である場合、液晶表示板を組み
立てる際には短時間の加熱・加圧であっても電極基板に
強く固着させることができるので好ましいが、150℃
を超える場合は、加熱・加圧時に、熱可塑性樹脂微粒子
が溶融しにくく、そのため電極基板との接着性が不十分
となるおそれがあるので好ましくなく、また、40℃未
満では、スペーサーに用いた場合に貯蔵中に粒子どうし
で融着を起こしたり、電極基板上へ散布時の分散性が悪
くなるおそれがあるので好ましくない。
【0031】熱可塑性樹脂の融解開始温度は、好ましく
は50〜160℃、より好ましくは60〜150℃、さ
らに好ましくは70〜140℃である。融解開始温度が
50℃未満では、接着性粒子が貯蔵中に融着等を起こし
たり、電極基板上に散布する際の分散性が悪くなるおそ
れがあるので好ましくない。一方、融解開始温度が16
0℃を超えると、液晶表示板を組み立てる際の加熱加圧
時に、接着層に含まれる熱可塑性樹脂が溶融しにくく、
そのため、電極基板との接着性が不充分となるおそれが
あるので好ましくない。熱可塑性樹脂は、染料および顔
料からなる群から選ばれる少なくとも1つ等を含むこと
で着色されていてもよい。
【0032】熱可塑性樹脂により形成される接着層の厚
みは、特に限定はされないが、通常、0.01〜2μm
の範囲、好ましくは0.05〜1μmの範囲である。厚
みが上記範囲より小さいと、接着性が低下するおそれが
ありので好ましくなく、また、厚みが上記範囲より大き
いと、配向膜やカラーフィルター等を覆う面積が広くな
って、液晶表示板の表示品位が低下するおそれがあるの
で好ましくない。 (スペーサー)本発明の液晶表示板用接着性スペーサー
における、原料粒子と熱可塑性樹脂の重さの割合〔(熱
可塑性樹脂微粒子/原料粒子)×100〕(wt%)に
ついては、特に限定されるわけではないが、0.1〜4
0wt%であることが好ましく、より好ましくは1〜3
0wt%、最も好ましくは2〜20wt%である。上記
熱可塑性樹脂の割合が40wt%を超える場合は、得ら
れる接着性スペーサーの接着層が厚くなりすぎて、溶融
した際に電極基板や配向膜やカラーフィルターを覆う面
積が大きくなり、液晶表示板の画質低下を招く恐れがあ
るので好ましくなく、他方、熱可塑性樹脂の割合が0.
1wt%未満の場合は、接着性が低下するおそれがある
ので好ましくない。
【0033】本発明にかかる液晶表示板用接着性スペー
サーの平均粒子径は、特に限定はされるわけではなく、
粒子本体となる原料粒子の粒子径に接着層の厚みが付与
されたものであり、好ましくは1μmを超え32μm以
下、より好ましくは1μmを超え22μm以下、さらに
好ましくは1.2μmを超え17μm以下である。平均
粒子径が上記範囲を外れると、液晶表示板用スペーサー
としては通常は用いられない領域である。本発明にかか
る液晶表示板用接着性スペーサーの粒子径の変動係数は
30%以下が好ましく、より好ましくは20%以下、さ
らに好ましくは10%以下、最も好ましくは6%以下で
ある。粒子径の変動係数が上記範囲を超えると、液晶表
示板に使用した場合、液晶層の厚みを均一かつ一定に保
持することが困難となり、画像ムラを起こしやすくなる
傾向があるので好ましくない。
【0034】本発明にかかる液晶表示板用接着性スペー
サーを、液晶表示板用の接着性スペーサーとして用いた
場合、熱可塑性樹脂による原料粒子表面の高効率的な被
覆とその剥離防止の達成により、熱可塑性樹脂単独の異
物が少ないので、電極基板上に効率的に接着・固定さ
れ、スペーサーの移動を防止でき、異物に起因した液晶
配向不良部分が低減され、液晶表示板のコントラストが
高くなる等の画質向上が達成することができる。 〔液晶表示板用接着性スペーサーの製造方法〕本発明の
液晶表示板用接着性スペーサーの製造方法としては、粒
子本体となる原料粒子の表面を、接着層を形成する熱可
塑性樹脂で被覆して、液晶表示板用接着性スペーサーを
得る方法であって、加水分解性シリル基および/または
シロキサン骨格を含む原料粒子とオキサゾリン基を含有
する熱可塑性樹脂とを用いて両者を付着させる方法であ
ればよく、他に何ら制限されるものではない。
【0035】一般的に、粒子本体となる原料粒子の表面
を、接着層を形成する熱可塑性樹脂で被覆して、液晶表
示板用接着性スペーサーを得る具体的な方法としては、
従来公知の、以下に示すような方法を挙げることがで
き、本発明の液晶表示板用接着性スペーサーの製造方法
にも好ましく採用することができる。例えば、熱可塑
性樹脂の溶液中に原料粒子を分散させ、常温または加熱
しながらの状態で充分撹拌混合した後、濾過または溶剤
の蒸発除去をし、得られた塊状物を粉砕分級する方法
や、 溶融させた熱可塑性樹脂中に、原料粒子を、混練して
充分に分散させ、冷却後に塊状物を粉砕分級する方法、 原料粒子の分散液に、熱可塑性樹脂溶液を添加した
後、必要に応じて濾過し、乾燥する方法などを好ましく
挙げることができる。
【0036】また、上記方法以外に、「表面の改質」
(日本化学会編化学総説No.44、第45〜52頁、
1987年発行)や「粉体の表面改質と高機能化技術」
(「表面」第25巻第1号第1〜19頁および表紙写
真、1987年発行)に詳細に記載されている、In
situ重合法、コアセルベーション法、界面重合法、
液中硬化被覆法、液中乾燥法、高速気流中衝撃法、気中
懸濁被覆法、スプレードライング法等の従来公知の樹脂
被覆方法によっても、原料粒子を熱可塑性樹脂によって
被覆することができる。なかでも、高速気流中衝撃法
は、原料粒子と熱可塑性樹脂の粉体(熱可塑性樹脂粉
体)とを混合し、この混合物を気相中に分散させ、衝撃
力を主体とする機械的熱的エネルギーを前記原料粒子と
前記熱可塑性樹脂粉体とに与えることで、前記原料粒子
の表面を前記熱可塑性樹脂で簡便に被覆することができ
るので好ましく、特に、本発明においては、加水分解性
シリル基および/またはシロキサン骨格を有する原料粒
子と、オキサゾリン基を含有する熱可塑性樹脂(粉体)
とを用いるので、上述した両者間の静電気的な親和性に
よる被覆効率の向上と、被覆後の剥離防止が付加的に達
成され、より好ましい被覆方法となる。
【0037】前記高速気流中衝撃法を採用する場合に用
いられる前記熱可塑性樹脂粉体の平均粒子径は、特に限
定はされないが、0.05〜1.5μmが好ましく、よ
り好ましくは0.08〜1μm、最も好ましくは0.1
〜0.6μmである。また、原料粒子に対する熱可塑性
樹脂粉体の配合の重さの割合〔(熱可塑性樹脂粉体)/
(原料粒子)×100〕(wt%)は、0.1〜40w
t%、より好ましくは1〜30wt%、さらに好ましく
は2〜20wt%である。前記高速気流中衝撃法を採用
する際に用いる装置としては、特に限定はされないが、
例えば、奈良機械製作所製「ハイブリダイゼーションシ
ステム」、ホソカワミクロン株式会社製「メカノフージ
ョンシステム」、および、川崎重工株式会社製「クリプ
トロンシステム」等を好ましく挙げることができる。
【0038】
【実施例】以下に、実施例により、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定される
ものではない。なお、以下では、便宜上、「重量部」を
単に「部」と記すことがある。まず、以下の実施例およ
び比較例の記載中に示す、各種粒子の平均粒子径(およ
び粒子径の標準偏差、粒子径の変動係数)は下記の方法
により測定した。 〔平均粒子径と粒子径の変動係数〕試料を電子顕微鏡に
より観察して、その撮影像の任意の試料200個の粒子
径を実測し、次式に従って、平均粒子径、粒子径の標準
偏差および粒子径の変動係数を求めた。
【0039】
【数1】
【0040】
【数2】
【0041】
【数3】
【0042】−製造例1− 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランおよび
ビニルトリメトキシシラン(45/55重量比)を使用
して、アルコキシシリル基の共加水分解・重縮合と、二
重結合のラジカル重合を行うことにより、白色の有機質
無機質複合体粒子を得て、これを原料粒子(A)とし
た。この原料粒子(A)は、シラノール基とポリシロキ
サン骨格を有していた。原料粒子(A)の平均粒子径は
5.5μm、粒子径の変動係数は2.9%であり、ポリ
シロキサン骨格の割合は、原料粒子(A)の重量に対し
て、SiO2換算量で54wt%(空気中1000℃で
焼成した場合)であった。
【0043】−製造例2− 製造例1において、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシランおよびメルカ
プトプロピルトリメトキシシラン(40/50/10重
量比)を使用した以外は、製造例1と同様にして、白色
の有機質無機質複合体粒子を得て、これを原料粒子
(B)とした。この原料粒子(B)は、シラノール基と
メルカプト基とポリシロキサン骨格を有していた。原料
粒子(B)の平均粒子径は5.0μm、粒子径の変動係
数は3.5%であり、ポリシロキサン骨格の割合は、原
料粒子(B)の重量に対して、SiO2換算量で56w
t%(空気中1000℃で焼成した場合)であった。
【0044】−製造例3− アクリル酸ブチル、スチレンおよび2−イソプロペニル
−2−オキサゾリン(288/288/64重量比)を
ソープフリー乳化重合して、オキサゾリン基含有熱可塑
性樹脂微粒子(C)を得た。得られたオキサゾリン基含
有熱可塑性樹脂微粒子(C)の平均粒子径は0.25μ
mであった。また、ガラス転移温度(Tg(℃))は6
5℃であった。−製造例4− 製造例3において、アクリル酸ブチルおよびスチレン
(40/60重量比)を使用した以外は、製造例3と同
様にして、オキサゾリン基を含有しない熱可塑性樹脂微
粒子(D)を得た。得られた熱可塑性樹脂微粒子(D)
の平均粒子径は0.26μmであった。また、ガラス転
移温度(Tg(℃))は70℃であった。
【0045】−実施例1− 原料粒子(A)100部と、熱可塑性樹脂微粒子(C)
20部を、乾燥雰囲気下で混合した後、この混合物を、
高速気流中衝撃法を用いた装置(奈良機械製作所製:ハ
イブリダイゼーションシステムNHS−1型)に投入
し、10分間被覆処理を行い、実施例1の液晶表示板用
接着性スペーサー(以下、接着性スペーサー(1)と称
す)を得た。この接着性スペーサー(1)について、被
覆達成率と樹脂異物残存数を測定した後、固着力試験と
接着層剥離試験を行った。その結果を表1に示した。
【0046】被覆達成率:サンプル(接着性スペーサ
ー)を、電子顕微鏡にて、任意の10視野(倍率:30
00倍)を観察し、全粒子数と、原料粒子の少なくとも
一部が熱可塑性樹脂で被覆された粒子の数とを計測した
後、全粒子数(前者)に対する被覆された粒子の数(後
者)の割合(%)を測定した。樹脂異物残存数: サンプル(接着性スペーサー)を、電
子顕微鏡にて、任意の10視野(倍率:1000倍)を
観察し、熱可塑性樹脂微粒子単体等が凝集した接着性ス
ペーサー以外の樹脂異物の個数を計測した。
【0047】〔固着力試験〕サンプル(接着性スペーサ
ー)を、ガラス板上に分散させ、これを180℃で加熱
して固着させる。その後、粘着テープを用いて強制的に
剥離処理を行い、剥離処理前の固着粒子数に対する、剥
離処理後の残存固着粒子数の割合(%)を測定した。 〔接着層剥離試験〕サンプル(接着性スペーサー)0.
5gと、水/IPA(イソプロピルアルコール)(1/
1体積比)50gとを、スクリュー管に入れて混合し、
超音波分散を15分間行った。
【0048】次いで、マグネチックスターラーを入れ、
室温下で24時間撹拌した。撹拌終了後、光学顕微鏡で
スペーサーの分散性を観察した。また、電子顕微鏡に
て、任意の10視野(倍率:1000倍)を観察し、接
着層(熱可塑性樹脂層)の剥離度合いを観察し、以下の
ように評価した。 ○:剥離がほとんどなく、分散性良好。 ×:剥離があり、接着層の凝集物が見られる。 −実施例2− 実施例1において、原料粒子を原料粒子(B)にした以
外は、実施例1と同様の操作により、実施例2の液晶表
示板用接着性スペーサー(以下、接着性スペーサー
(2)と称す)を得た。
【0049】−比較例1− 実施例1において、熱可塑性樹脂微粒子を熱可塑性樹脂
微粒子(D)にした以外は、実施例1と同様の操作によ
り、比較例1の液晶表示板用接着性スペーサー(以下、
比較接着性スペーサー(1)と称す)を得た。 −比較例2− 実施例2において、熱可塑性樹脂微粒子を熱可塑性樹脂
微粒子(D)にした以外は、実施例2と同様の操作によ
り、比較例2の液晶表示板用接着性スペーサー(以下、
比較接着性スペーサー(2)と称す)を得た。ここで、
接着性スペーサー(2)および比較接着性スペーサー
(1)、(2)についても、実施例1と同様に、被覆達
成率と樹脂異物残存数を測定した後、固着力試験と接着
層剥離試験を行った。その結果を表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、粒子本体となる原料粒
子表面への熱可塑性樹脂の高被覆効率の実現と、被覆後
において、粒子本体表面と熱可塑性樹脂との密着性につ
いて優れた保持能をもち、液晶表示板用の接着性スペー
サーとして用いた場合に良好な分散性が得られる、新規
な液晶表示板用接着性スペーサーおよびその製造方法を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 令晋 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 横尾 純子 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 倉本 成史 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 2H089 LA03 LA07 MA04X MA05X NA09 NA17 NA24 NA60 PA06 PA09 QA14 4F006 AA11 AA42 AA58 AB12 AB16 AB24 AB32 BA01 CA05 DA02 DA05 5C094 AA43 AA55 BA43 EC03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子本体の表面の少なくとも一部が熱可塑
    性樹脂からなる接着層で被覆された液晶表示板用の接着
    性スペーサーにおいて、 前記粒子本体は加水分解性シリル基および/またはシロ
    キサン骨格を有するとともに、前記熱可塑性樹脂はオキ
    サゾリン基を有することを特徴とする、 液晶表示板用接着性スペーサー。
  2. 【請求項2】前記粒子本体が有機質無機質複合体粒子で
    ある、請求項1に記載の液晶表示板用接着性スペーサ
    ー。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性樹脂が、オキサゾリン基含有
    モノマー由来の構造単位を0.1〜70wt%含む、請
    求項1または2に記載の液晶表示板用接着性スペーサ
    ー。
  4. 【請求項4】粒子本体となる原料粒子の表面の少なくと
    も一部が熱可塑性樹脂からなる接着層で被覆された液晶
    表示板用の接着性スペーサーを得る方法であって、 加水分解性シリル基および/またはシロキサン骨格を有
    する前記粒子本体とオキサゾリン基を有する前記熱可塑
    性樹脂とを付着させることを特徴とする、 液晶表示板用接着性スペーサーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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