以下、本発明を詳細に説明する。
(有機無機ハイブリッド粒子の製造方法)
本発明に係る有機無機ハイブリッド粒子の製造方法は、下記式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)と記載することがある)を加水分解及び縮合反応させて、重合性不飽和基を有する縮合体粒子を得る加水分解及び縮合工程と、得られた縮合体粒子における重合性不飽和基を反応させて、重縮合体粒子を得る重合工程とを備える。本発明に係る有機無機ハイブリッド粒子の製造方法では、上記加水分解及び縮合工程と上記重合工程とが別々に行われる。本発明に係る有機無機ハイブリッド粒子の製造方法では、上記重縮合体粒子を有する有機無機ハイブリッド粒子を得る。本発明に係る有機無機ハイブリッド粒子の製造方法では、上記加水分解及び縮合工程の後に、上記重合工程が行われる。
上記式(1)中、Raは(メタ)アクリロイル基を表し、Rbは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表し、R1及びR2はそれぞれ、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜5のアシル基を表し、Zは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアシル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。
本発明に係る有機無機ハイブリッド粒子の製造方法では、上述した構成が備えられているので、圧縮時の破壊荷重が高く、かつ圧縮後の圧縮回復率が高い有機無機ハイブリッド粒子を得ることができる。上記有機無機ハイブリッド粒子の圧縮時の破壊荷重が高くかつ圧縮後の圧縮回復率が高いので、上記有機無機ハイブリッド粒子は良好な圧縮変形特性を有する。
上記加水分解及び縮合工程の後に、上記重合工程が行われると、上記加水分解及び縮合工程と上記重合工程とが同時に行われた場合と比べて、破壊荷重及び圧縮回復率がより一層好適な値を示し、より一層良好な圧縮特性を有する有機無機ハイブリッド粒子が得られる。上記加水分解及び縮合工程では、その後の焼成段階で開始剤を用いなくても縮合が起こるため、重合開始剤は、用いなくてもよいが、必要に応じて用いてもよい。
より一層良好な圧縮変形特性が得られることから、本発明に係る有機無機ハイブリッド粒子の製造方法では、上記式(1)で表される化合物(化合物(1))と、下記式(2)で表される化合物(以下、化合物(2)と記載することがある)及び下記式(3)で表される化合物(以下、化合物(3)と記載することがある)の内の少なくとも1種とを加水分解及び縮合反応させることが好ましい。本発明に係る有機無機ハイブリッド粒子の製造方法では、上記化合物(2)を用いることが好ましく、上記化合物(3)を用いることが好ましい。より一層良好な圧縮変形特性が得られることから、本発明に係る有機無機ハイブリッド粒子の製造方法では、上記化合物(1)と上記化合物(2)と上記化合物(3)とを加水分解及び縮合反応させることが好ましい。
上記式(2)中、R1、R2及びR3はそれぞれ、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜5のアシル基を表す。
上記式(3)中、Raは、メチル基又はエチル基を表し、R1、R2及びR3はそれぞれ、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜5のアシル基を表す。
上記化合物(1)では、Ra中の重合性不飽和基と珪素原子との間にフレキシブルな骨格があることから、上記有機無機ハイブリッド粒子にフレキシブルな骨格を導入できる。上記化合物(1)を用いることで、重合性不飽和基を有する化合物として重合性不飽和基と珪素原子とが直接結合している化合物(例えば、化合物(2))のみを用いた場合と比べて、上記重合性不飽和基のフレキシブル性が高くなる。この結果、有機無機ハイブリッド粒子の破壊荷重が高くなり、かつ圧縮回復率が高くなると考えられる。また、上記化合物(1)が重合性不飽和基を有することによって、重合後に架橋点間距離が適度に長くなる結果、弾性が付与されて脆性が抑制されるため、破壊荷重が高くなると考えられる。
上記式(1)中、Zは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアシル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。反応基点が多くなることから、上記式(1)におけるZは、炭素数1〜5のアルコキシ基又は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基であってもよく、炭素数1〜3のアルキル基であってもよい。上記式(1)におけるZがアルコキシ基である場合に、Zは、炭素数1又は2のアルコキシ基であることがより好ましい。上記式(1)におけるZがアルキル基である場合に、Zは、炭素数1又は2のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
上記化合物(1)としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。上記記化合物(1)は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化合物(2)としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、及びビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。上記化合物(2)は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化合物(3)としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、及びエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。上記化合物(3)は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
さらに、上記化合物(2)を用いる場合には、上記化合物(2)が重合性不飽和基を有することによって、重合後に架橋密度がより一層適度に高くなる結果、破壊荷重がより一層高くなる。また、上記化合物(3)を用いる場合には、重合後に架橋密度が過度に高くなるのをより一層抑制できる結果、圧縮回復率が高くなると考えられる。
また、上記有機無機ハイブリッド粒子が、複数の上記重縮合体粒子と上記有機化合物とを有する場合には、圧縮時に有機化合物に由来して、複数の重縮合体粒子内で荷重が分散される結果、破壊荷重及び20%K値を効果的に高くすることができる。
上記加水分解及び縮合工程では、化合物(1)又は化合物(1)〜(3)と水との接触界面にて、加水分解及び縮合反応が起こり、ポリシロキサン骨格が形成され、縮合体粒子が得られる。上記重縮合体粒子は、ポリシロキサン骨格を形成するための加水分解及び縮合反応と、有機ポリマー骨格を形成するための重合性不飽和基の重合反応とが進行した粒子である。上記縮合体粒子は、ポリシロキサン骨格を形成するための加水分解及び縮合反応が進行した粒子である。上記縮合体粒子では、主反応として、重合性不飽和基の重合反応は進行していない。
上記加水分解及び縮合工程では、一般に触媒が用いられる。触媒の存在下で、化合物(1)〜(3)が反応される。上記加水分解及び縮合工程では、具体的には、例えば、水と酸性触媒又は塩基性触媒とが用いられる。上記触媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記酸性触媒としては、例えば、無機酸、有機酸、無機酸の酸無水物及びその誘導体、並びに有機酸の酸無水物及びその誘導体が挙げられる。
上記無機酸としては、例えば、塩酸、リン酸、ホウ酸及び炭酸が挙げられる。上記有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸及びオレイン酸が挙げられる。
上記塩基性触媒としては、例えば、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラアンメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド及びアルカリ金属のシラノール化合物が挙げられる。
上記アルカリ金属の水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウムが挙げられる。上記アルカリ金属のアルコキシドとしては、例えば、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド及びセシウム−t−ブトキシドが挙げられる。
上記アルカリ金属のシラノール化合物としては、例えば、ナトリウムシラノレート化合物、カリウムシラノレート化合物及びセシウムシラノレート化合物が挙げられる。
上記加水分解及び縮合工程では、水のほかに、適宜の有機溶剤を用いてもよい。該有機溶剤の具体例としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、(シクロ)パラフィン類、エーテル類及び芳香族炭化水素等が挙げられる。上記有機溶剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及び1,4−ブタンジオール等が挙げられる。上記ケトン類としては、アセトン及びメチルエチルケトン等が挙げられる。上記エステル類としては、酢酸エチル等が挙げられる。上記(シクロ)パラフィン類としては、イソオクタン及びシクロヘキサン等が挙げられる。上記エーテル類としては、ジオキサン及びジエチルエーテル等が挙げられる。上記芳香族炭化水素としては、ベンゼン及びトルエン等が挙げられる。
上記加水分解及び縮合工程における反応温度は特に限定されないが、好ましくは0℃以上、好ましくは100℃以下、より好ましくは70℃以下である。上記加水分解及び縮合工程における反応時間は特に限定されないが、好ましくは30分以上、好ましくは100時間以下である。
上記重合工程では重合性不飽和基を反応させて、重合体粒子又は重縮合体粒子を得る。上記加水分解及び縮合工程により、縮合体粒子を得て、上記重合工程で、得られた縮合体粒子における重合性不飽和基を反応させて、重縮合体粒子を得ることが好ましい。
上記重合工程において、重合開始剤を用いて、重合性不飽和基を反応させてもよい。上記重合開始剤としては、特に限定されず、有機過酸化物及びアゾ化合物等が挙げられる。上記重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記有機過酸化物としては、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類及びパーオキシエステル類等が挙げられる。
上記ハイドロパーオキサイド類としては、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、tert−ヘキシルハイドロパーオキサイド及びtert−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。上記ジアルキルパーオキサイド類としては、α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド及び2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
上記アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が挙げられる。
上記重合開始剤を用いて上記重合反応を行う場合には、上記重合工程における反応温度は特に限定されないが、好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以上、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下である。上記重合開始剤を用いて上記重合反応を行う場合には、上記重合工程における反応時間は特に限定されないが、好ましくは30分以上、好ましくは24時間以下である。
上記重合工程において、上記縮合体粒子を焼成することで、上記縮合体粒子における重合性不飽和基を反応させて、重縮合体粒子を得ることが好ましい。この場合に、焼成温度は、好ましくは100℃以上である。焼成温度の上限は特に限定されず、焼成温度は、得られる重縮合体粒子の分解温度未満である。焼成時間は特に限定されないが、好ましくは1時間以上、好ましくは24時間以下である。
また、焼成における酸素分圧は特に限定されないが、好ましくは10−2atm以下、より好ましくは10−10atm以下である。
上記有機化合物を有する有機無機ハイブリッド粒子を得るために、上記有機無機ハイブリッド粒子の製造方法は、重縮合体粒子の内部又は表面上に配置された有機化合物を配置する配置工程を備えることが好ましい。
上記配置工程において、複数の上記重縮合体粒子間に上記有機化合物を存在させることが好ましい。また、複数の上記重縮合体粒子を、上記有機化合物を介して一体化させることが好ましい。上記配置工程は、上記加水分解及び縮合工程後に行われることが好ましい。上記配置工程は、上記重合工程の前に行われてもよく、上記重合工程と同時に行われてもよく、上記重合工程の後に行われてもよい。
上記有機化合物を構成する材料として、重合性不飽和基を有する化合物を用いる場合には、上記配置工程において、上記化合物(1)における重合性不飽和基と、上記有機化合物を構成する材料における重合性不飽和基とを重合反応させることが好ましい。上記配置工程において、上記化合物(2)における重合性不飽和基と、上記有機化合物を構成する材料における重合性不飽和基とを重合反応させることが好ましい。この重合反応により、複数の重縮合体粒子がより強固に一体化され、有機無機ハイブリッド粒子がより一層破壊し難くなる。
また、上記配置工程は、具体的には、上記重縮合体粒子に有機化合物を含浸させて直接重合又は析出する方法、又は、水系から有機化合物重合体を析出させて表面及び内部に被覆及び充填する方法により行われることが好ましい。
上記有機無機ハイブリッド粒子の製造方法は、上記加水分解及び縮合工程の後に、加水分解及び縮合液から縮合体粒子を単離する単離工程をさらに備え、単離された縮合体粒子を用いて、上記重合工程が行われることが好ましい。上記配置工程が行われる場合には、単離された縮合体粒子を用いて、上記配置工程が行われることが好ましい。上記単離工程が備えられる場合には、より一層良好な圧縮変形特性を有する有機無機ハイブリッド粒子が得られる。
(有機無機ハイブリッド粒子の詳細)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る有機無機ハイブリッド粒子の製造方法により得られる有機無機ハイブリッド粒子を模式的に示す断面図である。
図1に示す有機無機ハイブリッド粒子1は、複数の重縮合体粒子11と、有機化合物12とを有する。有機無機ハイブリッド粒子1では、重縮合体粒子11の内部(図示せず)と表面上とに有機化合物12が配置されている。このため、複数の重縮合体粒子11間に有機化合物12が存在している。有機化合物12により、複数の重縮合体粒子11の間の隙間が埋められている。複数の重縮合体粒子11が有機化合物12により一体化されている。
上記有機化合物は、上記重縮合体粒子の内部又は表面上に配置されていればよい。上記有機化合物は、上記重縮合体粒子の表面上に配置されていることが好ましく、上記重縮合体粒子の内部及び表面上に配置されていることが好ましい。複数の上記重縮合体粒子間に上記有機化合物が存在していることが好ましい。複数の上記重縮合体粒子が、上記有機化合物を介して一体化していることが好ましい。上記有機化合物は、上記重縮合体粒子を結着させる結着剤として作用可能である。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る有機無機ハイブリッド粒子の製造方法により得られる有機無機ハイブリッド粒子を模式的に示す断面図である。
図2に示す有機無機ハイブリッド粒子2は、複数の重縮合体粒子11を備える。有機無機ハイブリッド粒子2は、複数の重縮合体粒子11の集合体である。有機無機ハイブリッド粒子2は、複数の重縮合体粒子11とは別に、有機化合物を有さない。このため、有機無機ハイブリッド粒子2では、複数の重縮合体粒子11間に隙間が形成されている。
上記有機無機ハイブリッド粒子は、複数の重縮合体粒子を有することが好ましく、複数の重縮合体粒子の集合体であることが好ましい。上記有機無機ハイブリッド粒子において、集合体における重縮合体粒子の数は、2以上であり、好ましくは5以上、より好ましくは10以上である。なお、後述する実施例では、集合体における重縮合体粒子の数は10以上である。集合体における重縮合体粒子の数の上限は特に限定されない。
上記有機無機ハイブリッド粒子において、集合体における各重縮合体粒子(重縮合体粒子1個当たり)の粒子径は、好ましくは0.1nm以上、より好ましくは1nm以上、更に好ましくは3nm以上、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下、更に好ましくは200nm以下、特に好ましくは100nm以下である。上記集合体における重縮合体粒子の粒子径が上記下限以上であると、粒界が少なく存在することで脆くなり難く、上記上限以下であると、有機無機ハイブリッド粒子に空隙が少なく存在することで脆くなりにくくなる傾向がある。
有機無機ハイブリッド粒子の破壊をより一層抑制する観点からは、上記有機無機ハイブリッド粒子の破壊荷重は、好ましくは5mN以上、より好ましくは5.5mN以上、更に好ましくは6.5mN以上、特に好ましくは10mN以上である。上記破壊荷重が上記下限以上であると、圧縮時に上記有機無機ハイブリッド粒子が割れたり、損傷したりし難くなる。
上記破壊荷重は、例えば、以下のようにして測定できる。微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、圧縮速度0.3mN/秒、及び最大試験荷重20mNの条件下で有機無機ハイブリッド粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
上記破壊荷重は、荷重値と圧縮変位との測定曲線において、屈曲点が確認された時点の荷重値を表す。
上記有機無機ハイブリッド粒子の圧縮回復率は、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上である。上記圧縮回復率が上記下限以上であると、上記有機無機ハイブリッド粒子が損傷しにくく、基板間又は電極間の間隔の変動に対応して、上記有機無機ハイブリッド粒子が十分に追従して変形しやすい。このため、基板間又は電極間の接続不良が生じ難くなる。
上記圧縮回復率は、以下のようにして測定できる。
試料台上に有機無機ハイブリッド粒子を散布する。散布された有機無機ハイブリッド粒子1個について、微小圧縮試験機を用いて、有機無機ハイブリッド粒子の中心方向に、有機無機ハイブリッド粒子が30%圧縮変形するまで負荷(反転荷重値)を与える。その後、原点用荷重値(0.40mN)まで除荷を行う。この間の荷重−圧縮変位を測定し、下記式から圧縮回復率を求めることができる。なお、負荷速度は0.33mN/秒とする。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
圧縮回復率(%)=[(L1−L2)/L1]×100
L1:負荷を与えるときの原点用荷重値から反転荷重値に至るまでのまでの圧縮変位
L2:負荷を解放するときの反転荷重値から原点用荷重値に至るまでの除荷変位
上記有機無機ハイブリッド粒子を20%圧縮変形したときの圧縮弾性率(20%K値)は、好ましくは1000N/mm2以上、より好ましくは7000N/mm2以上、好ましくは15000N/mm2以下、より好ましくは13000N/mm2以下である。上記20%K値が上記下限以上であると、基板間又は電極間の間隔を良好に保持できる。上記20%K値が上記上限以下であると、基板間又は電極間の間隔の変動に対応して、液晶表示素子用スペーサ又は導電性粒子がより一層良好に変形する。
上記有機無機ハイブリッド粒子における上記圧縮弾性率(20%K値)は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、圧縮速度0.3mN/秒、及び最大試験荷重20mNの条件下で有機無機ハイブリッド粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
K値(N/mm2)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:有機無機ハイブリッド粒子が20%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:有機無機ハイブリッド粒子が20%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:有機無機ハイブリッド粒子の半径(mm)
上記圧縮弾性率は、有機無機ハイブリッド粒子の硬さを普遍的かつ定量的に表す。上記圧縮弾性率の使用により、有機無機ハイブリッド粒子の硬さを定量的かつ一義的に表すことができる。
上記有機無機ハイブリッド粒子の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは2μm以上、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より一層好ましくは300μm以下、更に好ましくは50μm以下、特に好ましくは30μm以下、最も好ましくは5μm以下である。上記有機無機ハイブリッド粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記有機無機ハイブリッド粒子を電子部品用途に好適に用いることができる。上記有機無機ハイブリッド粒子の粒子径は最大径を示す。
上記有機無機ハイブリッド粒子の粒子径を測定するために、例えば、レーザー光散乱、電気抵抗値変化、撮像後の画像解析などの原理を用いた粒度分布測定機が利用できる。
上記有機無機ハイブリッド粒子は、有機ポリマー骨格と、無機ポリマー骨格であるポリシロキサン骨格とを有する。上記化合物(1)を加水分解及び縮合させることで、ポリシロキサン骨格が形成される。また、上記化合物(1),(2),(3)を加水分解及び縮合させることで、ポリシロキサン骨格が形成される。
上記化合物(1)は、4官能性シラン化合物ではなく、重合性不飽和基を含む基(Ra−O−Rb−基)と、3つの加水分解性基等とを有する3官能性シラン化合物である。このような化合物(1)を用いれば、ポリシロキサン骨格による強固な3次元ネットワークが過度に形成されず、かつ有機ポリマー骨格を導入できるため、破壊荷重が高くかつ圧縮回復率が高い有機無機ハイブリッド粒子が得られる。
上記化合物(1)は、Ra−O−Rb−基を有する。この基は、重合性不飽和基を含む基として、Ra基を有する。化合物(1)における重合性不飽和基をラジカル重合反応させることで、フレキシブル性が高い上記有機ポリマー骨格が形成される。一方で、化合物(1)を用いずに、例えば化合物(2)のみを用いると、フレキシブル性が十分に高い上記有機ポリマー骨格は形成されない。
上記式(1)におけるRaは、(メタ)アクリロイル基を表す。
上記式(1)におけるRbは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。このような有機基の存在により、フレキシブル性が高い有機ポリマー骨格が形成される。
上記Rbにおける炭素数1〜20の2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基などのアルキレン基及び該アルキレン基に置換基が結合された基や、フェニレン基及び該フェニレン基に置換基が結合された基や、アルキレン基がエーテル結合を介して結合した基や、フェニレン基がエーテル結合を介して結合した基等が挙げられる。なかでも、プロピレン基又はフェニレン基が好ましく、プロピレン基がより好ましい。
上記式(1)で表される化合物(化合物(1))は、下記式(1A)で表される化合物であってもよい。
上記式(1A)中、Raは(メタ)アクリロイル基を表し、Rcは炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表し、R1及びR2はそれぞれ、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜5のアシル基を表し、Zは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアシル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表し、nは1〜5の整数を表す。但し、複数のRcがある場合には、複数のRcの合計の炭素数は20以下である。
上記Rcにおける炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基などのアルキレン基や、フェニレン基等が挙げられる。なかでも、プロピレン基又はフェニレン基が好ましく、プロピレン基がより好ましい。
上記式(1A)におけるnは1以上である。nの数が大きいほど、より一層フレキシブル性が高い骨格が、有機無機ハイブリッド粒子に導入される。但し、nが5を超えると、フレキシブル性の向上効果が飽和することなどから、nは5以下である。
上記式(3)中、Raは、メチル基又はエチル基を表す。上記式(3)中のRaは、メチル基であることが好ましい。
上記式(1),(1A),(2),(3)中、R1、R2及びR3はそれぞれ、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜5のアシル基を表す。これらの基は、加水分解性基である。加水分解速度が適度に速くなるので、上記式(1),(1A),(2),(3)におけるR1、R2及びR3はそれぞれ、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2のアシル基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1又は2のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
より一層良好な圧縮変形特性が得られることから、上記化合物(1)は、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン又は3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランであることが好ましい。すなわち、上記式(1)中、Raが(メタ)アクリロイル基を表し、Rbがプロピレン基を表し、R1及びR2がそれぞれ、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Zがメチル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表すことが好ましい。上記化合物(1)が3−(メタ)アクリロキシプロピルトリアルコキシシランである場合に、Zは炭素数1〜5のアルコキシ基である。上記化合物(1)が3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジアルコキシシランである場合に、Zはメチル基である。
より一層良好な圧縮変形特性が得られることから、上記化合物(3)は、メチルトリアルコキシシランであることが好ましい。すなわち、上記式(3)中、Raがメチル基を表し、R1、R2及びR3がそれぞれ、炭素数1〜5のアルキル基を表すことが好ましい。
上記化合物(2)及び上記化合物(3)の内の少なくとも1種を用いる場合には、上記化合物(1)100重量部に対して、上記化合物(2)と上記化合物(3)との合計の使用量は好ましくは500重量部以上、より好ましくは900重量部以上、好ましくは29900重量部以下、より好ましくは14900重量部以下である。上記化合物(2)と上記化合物(3)との合計の使用量が上記下限以上及び上記上限以下であると、より一層良好な圧縮変形特性を有する有機無機ハイブリッド粒子が得られる。
上記化合物(2)を用いる場合には、上記化合物(1)100重量部に対して、上記化合物(2)の使用量は好ましくは90重量部以上、より好ましくは180重量部以上、好ましくは27000重量部以下、より好ましくは24000重量部以下である。上記化合物(2)の使用量が上記下限以上及び上記上限以下であると、より一層良好な圧縮変形特性を有する有機無機ハイブリッド粒子が得られる。
上記化合物(3)を用いる場合には、上記化合物(1)100重量部に対して、上記化合物(3)の使用量は好ましくは90重量部以上、より好ましくは180重量部以上、好ましくは27000重量部以下、より好ましくは24000重量部以下である。上記化合物(2)の使用量が上記下限以上及び上記上限以下であると、より一層良好な圧縮変形特性を有する有機無機ハイブリッド粒子が得られる。
重縮合に用いられる上記化合物(1)の比重は1以下であることが好ましい。上記化合物(2)及び上記化合物(3)の内の少なくとも1種を用いる場合には、重縮合に用いられる上記化合物(1)と上記化合物(2)及び上記化合物(3)の内の少なくとも1種との混合物の比重が1以下であることが好ましい。上記比重が1以下であると、粒子径がより一層揃った均一な有機無機ハイブリッド粒子が得られる。
上記有機無機ハイブリッド粒子の加熱前の粒子径に対する、上記有機無機ハイブリッド粒子を200℃で2時間加熱した後の加熱後の粒子径の比(加熱後の粒子径/加熱前の粒子径)は、好ましくは0.95以上、好ましくは1.00以下である。このように加熱前後の粒子径の変化率が−5%以内であると、有機無機ハイブリッド粒子を電子部品用途に好適に用いることができる。
上記有機化合物を構成する材料としては、ジビニルベンゼン、スチレン及び(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの有機化合物を構成する材料の反応物を、上記有機化合物として用いることができる。より一層良好な圧縮変形特性が得られることから、上記有機化合物を構成する材料は、芳香族骨格を有することが好ましい。
より一層良好な圧縮変形特性が得られることから、上記有機化合物は、芳香族骨格を有することが好ましく、ジビニルベンゼンの反応物であることが好ましい。また、芳香族骨格を有する有機化合物及びジビニルベンゼンの反応物は、耐熱性が高い。このため、上記有機化合物が、芳香族骨格を有する有機化合物又はジビニルベンゼンの反応物であることで、有機無機ハイブリッド粒子の耐熱性を高めることができる。
上記有機化合物を構成する材料は、重合性不飽和基を有することが好ましい。この場合には、上記化合物(1)又は上記化合物(2)における重合性不飽和基と、上記有機化合物を構成する材料における重合性不飽和基とを重合反応させることができる。この重合反応により、複数の重縮合体粒子がより一層強固に一体化され、有機無機ハイブリッド粒子がより一層損傷し難くなる。
(有機無機ハイブリッド粒子の用途)
上記有機無機ハイブリッド粒子の用途は特に限定されない。上記有機無機ハイブリッド粒子は、破壊荷重が高く、かつ圧縮回復率が高いことが求められる様々な用途に好適に用いられる。上記有機無機ハイブリッド粒子は、電子部品に用いられることが好ましい。上記有機無機ハイブリッド粒子は、電子部品用有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
上記有機無機ハイブリッド粒子は、表面上に導電層が形成され、上記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられるか、又は液晶表示素子用スペーサとして用いられることが好ましい。上記有機無機ハイブリッド粒子は、表面上に導電層が形成され、上記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられることが好ましい。上記有機無機ハイブリッド粒子は、液晶表示素子用スペーサとして用いられることが好ましい。上記有機無機ハイブリッド粒子の破壊荷重が高くかつ圧縮回復率が高いので、上記有機無機ハイブリッド粒子を液晶表示素子用スペーサとして用いて基板間に配置したり、表面に導電層を形成して導電性粒子として用いて電極間を電気的に接続したりした場合に、液晶表示素子用スペーサ又は導電性粒子が、割れにくく、基板又は電極に十分に接触しやすい。さらに、上記液晶表示素子用スペーサを用いた液晶表示素子及び上記導電性粒子を用いた接続構造体に衝撃が加わったときに、液晶表示素子用スペーサ及び導電性粒子が損傷しにくく、かつ、基板間又は電極間の間隔の変動に対応して、液晶表示素子用スペーサ又は導電性粒子が十分に追従して変形しやすい。
さらに、上記有機無機ハイブリッド粒子は、衝撃吸収剤又は振動吸収剤としても好適に用いられる。例えば、ゴム又はバネ等の代替品として、上記有機無機ハイブリッド粒子を用いることができる。
図3に、図1に示す有機無機ハイブリッド粒子を用いた導電性粒子を模式的に断面図で示す。
図3に示す導電性粒子21は、有機無機ハイブリッド粒子1と、有機無機ハイブリッド粒子1の表面上に配置された導電層31Aとを有する。有機無機ハイブリッド粒子1にかえて、有機無機ハイブリッド粒子2を用いてもよい。
導電層31Aは、有機無機ハイブリッド粒子1の表面を被覆している。導電性粒子21は、有機無機ハイブリッド粒子1の表面が導電層31Aにより被覆された被覆粒子である。
図4に、図1に示す有機無機ハイブリッド粒子を用いた導電性粒子の変形例を模式的に断面図で示す。
図4に示す導電性粒子22は、有機無機ハイブリッド粒子1と、導電層31Bと、複数の芯物質32と、複数の絶縁性物質33とを有する。有機無機ハイブリッド粒子1にかえて、有機無機ハイブリッド粒子2を用いてもよい。
導電層31Bは、有機無機ハイブリッド粒子1の表面上に配置されている。導電層31Bは、内層である第1の導電層31Baと外層である第2の導電層31Bbとを有する。有機無機ハイブリッド粒子1の表面上に、第1の導電層31Baが配置されている。第1の導電層31Baの表面上に、第2の導電層31Bbが配置されている。
導電性粒子22は導電性の表面に、複数の突起を有する。導電層31B及び第2の導電層31Bbは外表面に、複数の突起を有する。このように、上記導電性粒子は、導電性粒子の導電性の表面に突起を有していてもよく、導電層及び第2の導電層の外表面に突起を有していてもよい。複数の芯物質32が、有機無機ハイブリッド粒子1の表面上に配置されている。複数の芯物質32は導電層31B内に埋め込まれている。芯物質32は、導電性粒子22及び導電層31Bにおける突起の内側に配置されている。導電層31Bは、複数の芯物質32を被覆している。複数の芯物質32により導電層31Bの外表面が隆起されており、突起が形成されている。
導電性粒子22は、導電層31Bの外表面上に配置された絶縁性物質33を有する。導電層31Bの外表面の少なくとも一部の領域が、絶縁性物質33により被覆されている。絶縁性物質33は絶縁性を有する材料により形成されており、絶縁性粒子である。このように、上記導電性粒子は、導電層の外表面上に配置された絶縁性物質を有していてもよい。
上記導電層を形成するための金属は特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、パラジウム、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びはんだ等が挙げられる。なかでも、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができるので、錫を含む合金、ニッケル、パラジウム、銅又は金が好ましく、ニッケル又はパラジウムが好ましい。
導電性粒子21のように、上記導電層は、1つの層により形成されていてもよい。導電性粒子22のように、導電層は、複数の層により形成されていてもよい。すなわち、導電層は、2層以上の積層構造を有していてもよい。導電層が複数の層により形成されている場合には、最外層は、金層、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は錫と銀とを含む合金層であることが好ましく、金層であることがより好ましい。最外層がこれらの好ましい導電層である場合には、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、最外層が金層である場合には、耐腐食性がより一層高くなる。
上記有機無機ハイブリッド粒子の表面に導電層を形成する方法は特に限定されない。導電層を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを有機無機ハイブリッド粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。なかでも、導電層の形成が簡便であるので、無電解めっきによる方法が好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。
上記導電性粒子の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上、好ましくは520μm以下、より好ましくは500μm以下、より一層好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、特に好ましくは20μm以下である。導電性粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積が十分に大きくなり、かつ導電層を形成する際に凝集した導電性粒子が形成されにくくなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電層が有機無機ハイブリッド粒子の表面から剥離し難くなる。また、導電性粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を導電材料の用途に好適に使用可能である。
上記導電性粒子の粒子径は、導電性粒子が真球状である場合には直径を意味し、導電性粒子が真球状以外の形状である場合には最大径を意味する。
上記導電層の厚み(導電層が多層である場合には導電層全体の厚み)は、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.3μm以下である。導電層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、十分な導電性が得られ、かつ導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子が十分に変形する。
上記導電層が複数の層により形成されている場合に、最外層の導電層の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。上記最外層の導電層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、最外層の導電層による被覆が均一になり、耐腐食性が十分に高くなり、かつ電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、上記最外層が金層である場合の金層の厚みが薄いほど、コストが低くなる。
上記導電層の厚みは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、導電性粒子の断面を観察することにより測定できる。
上記導電性粒子は、上記導電層の外表面に突起を有していてもよい。該突起は複数であることが好ましい。導電性粒子により接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。突起を有する導電性粒子を用いた場合には、電極間に導電性粒子を配置して圧着させることにより、突起により上記酸化被膜が効果的に排除される。このため、電極と導電性粒子の導電層とをより一層確実に接触させることができ、電極間の接続抵抗を低くすることができる。さらに、導電性粒子が表面に絶縁性物質を備える場合に、又は導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されて導電材料として用いられる場合に、導電性粒子の突起によって、導電性粒子と電極との間の絶縁性物質又はバインダー樹脂を効果的に排除できる。このため、電極間の導通信頼性を高めることができる。
上記導電性粒子の導電性の表面に突起を形成する方法としては、有機無機ハイブリッド粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電層を形成する方法、有機無機ハイブリッド粒子の表面に無電解めっきにより導電層を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより導電層を形成する方法、並びに有機無機ハイブリッド粒子の表面に無電解めっきにより導電層を形成する途中段階で、芯物質を添加する方法等が挙げられる。また、突起を形成するために、上記芯物質を用いなくてもよい。
上記導電性粒子は、上記導電層の外表面上に配置された絶縁性物質を備えていてもよい。この場合には、導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の導電性粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁性物質が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で導電性粒子を加圧することにより、導電性粒子の導電層と電極との間の絶縁性物質を容易に排除できる。導電性粒子が上記導電層の表面に突起を有する場合には、導電性粒子の導電層と電極との間の絶縁性物質をより一層容易に排除できる。上記絶縁性物質は、絶縁性樹脂層又は絶縁性粒子であることが好ましく、絶縁性粒子であることがより好ましい。上記絶縁性粒子は、絶縁性樹脂粒子であることが好ましい。
(導電材料)
上記導電材料は、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散され、導電材料として用いられることが好ましい。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。上記導電材料は、回路接続用導電材料であることが好ましい。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電材料は、上記導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法は、従来公知の分散方法を用いることができ特に限定されない。上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法としては、例えば、上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を添加した後、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法、上記導電性粒子を水又は有機溶剤中にホモジナイザー等を用いて均一に分散させた後、上記バインダー樹脂中に添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法、並びに上記バインダー樹脂を水又は有機溶剤等で希釈した後、上記導電性粒子を添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法等が挙げられる。
上記導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。本発明に係る導電材料が、導電フィルムとして使用される場合には、該導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは異方性導電フィルムであることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
(接続構造体及び液晶表示素子)
上述した導電性粒子を用いて、又は上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、該接続部が上述した導電性粒子により形成されているか、又は上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されている接続構造体であることが好ましい。導電性粒子が単独で用いられた場合には、接続部自体が導電性粒子である。すなわち、第1,第2の接続対象部材が導電性粒子により接続される。上記接続構造体を得るために用いられる上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。
上記第1の接続対象部材は、第1の電極を表面に有することが好ましい。上記第2の接続対象部材は、第2の電極を表面に有することが好ましい。上記第1の電極と上記第2の電極とが、上記導電性粒子により電気的に接続されていることが好ましい。
図5は、図3に示す導電性粒子21を用いた接続構造体を模式的に示す断面図である。
図5に示す接続構造体51は、第1の接続対象部材52と、第2の接続対象部材53と、第1の接続対象部材52と第2の接続対象部材53とを接続している接続部54とを備える。接続部54は、導電性粒子21とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されている。図5では、図示の便宜上、導電性粒子21は略図的に示されている。導電性粒子21にかえて、導電性粒子22などの他の導電性粒子を用いてもよい。
第1の接続対象部材52は表面(上面)に、複数の第1の電極52aを有する。第2の接続対象部材53は表面(下面)に、複数の第2の電極53aを有する。第1の電極52aと第2の電極53aとが、1つ又は複数の導電性粒子1により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材52,53が導電性粒子21により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例として、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記加圧の圧力は9.8×104〜4.9×106Pa程度である。上記加熱の温度は、120〜220℃程度である。フレキシブルプリント基板の電極、樹脂フィルム上に配置された電極及びタッチパネルの電極を接続するための上記加圧の圧力は9.8×104〜1.0×106Pa程度である。
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板などの電子部品等が挙げられる。上記導電材料は、電子部品を接続するための導電材料であることが好ましい。上記導電ペーストはペースト状の導電材料であり、ペースト状の状態で接続対象部材上に塗工されることが好ましい。
上記導電性粒子及び上記導電材料は、タッチパネルにも好適に用いられる。従って、上記接続対象部材は、フレキシブルプリント基板であるか、又は樹脂フィルムの表面上に電極が配置された接続対象部材であることも好ましい。上記接続対象部材は、フレキシブルプリント基板であることが好ましく、樹脂フィルムの表面上に電極が配置された接続対象部材であることが好ましい。上記フレキシブルプリント基板は、一般に電極を表面に有する。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
また、上記有機無機ハイブリッド粒子は、液晶表示素子用スペーサとして好適に用いられる。すなわち、上記有機無機ハイブリッド粒子は、液晶セルを構成する一対の基板と、該一対の基板間に封入された液晶と、上記一対の基板間に配置された液晶表示素子用スペーサとを備える液晶表示素子を得るために好適に用いられる。
図6に、本発明の一実施形態に係る有機無機ハイブリッド粒子を液晶表示素子用スペーサとして用いた液晶表示素子を断面図で示す。
図6に示す液晶表示素子81は、一対の透明ガラス基板82を有する。透明ガラス基板82は、対向する面に絶縁膜(図示せず)を有する。絶縁膜の材料としては、例えば、SiO2等が挙げられる。透明ガラス基板82における絶縁膜上に透明電極83が形成されている。透明電極83の材料としては、ITO等が挙げられる。透明電極83は、例えば、フォトリソグラフィーによりパターニングして形成可能である。透明ガラス基板82の表面上の透明電極83上に、配向膜84が形成されている。配向膜84の材料としては、ポリイミド等が挙げられている。
一対の透明ガラス基板82間には、液晶85が封入されている。一対の透明ガラス基板82間には、複数の有機無機ハイブリッド粒子1が配置されている。有機無機ハイブリッド粒子1は、液晶表示素子用スペーサとして用いられている。複数の有機無機ハイブリッド粒子1により、一対の透明ガラス基板82の間隔が規制されている。一対の透明ガラス基板82の縁部間には、シール剤86が配置されている。シール剤86によって、液晶85の外部への流出が防がれている。図6では、図示の便宜上、有機無機ハイブリッド粒子1は略図的に示されている。有機無機ハイブリッド粒子1にかえて、有機無機ハイブリッド粒子2などの他の有機無機ハイブリッド粒子を用いてもよい。
上記液晶表示素子において1mm2あたりの液晶表示素子用スペーサの配置密度は、好ましくは10個/mm2以上、好ましくは1000個/mm2以下である。上記配置密度が10個/mm2以上であると、セルギャップがより一層均一になる。上記配置密度が1000個/mm2以下であると、液晶表示素子のコントラストがより一層良好になる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
攪拌機及び温度計が取り付けられた500mLの反応容器内に、0.13重量%のアンモニア水溶液300gを入れた。次に、反応容器内のアンモニア水溶液中に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(化合物(1)に相当する)2.4gと、ビニルトリメトキシシラン(化合物(2)に相当する)18.2gと、メチルトリメトキシシラン(化合物(3)に相当する)2.4gとの混合物をゆっくりと添加した。30rpmで撹拌しながら、加水分解及び縮合反応を進行させた後、25重量%アンモニア水溶液2.4mL添加した後、アンモニア水溶液中から粒子を単離して、縮合体粒子を得た。
得られた縮合体粒子を酸素分圧10−17atm、400℃で2時間焼成して、有機無機ハイブリッド粒子(重縮合体粒子)を得た。得られた有機無機ハイブリッド粒子は、複数の重縮合体粒子の集合体であった。得られた有機無機ハイブリッド粒子の粒子径を下記の表1に示した。
(実施例2)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を2.4gから4.8gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(実施例3)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランに変更したこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(実施例4)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を2.4gから1.2gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(比較例1)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(比較例2)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを、p−スチリルトリメトキシシランに変更したこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(比較例3)
比較例3では、加水分解及び縮合工程と重合工程とを同時に行ったこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
すなわち、攪拌機及び温度計が取り付けられた500mLの反応器内に、0.13重量%のアンモニア水溶液300gを入れた。次に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.4gと、ビニルトリメトキシシラン18.2gと、メチルトリメトキシシラン2.4gとの混合物に過酸化ベンゾイル0.01gを添加した組成物を用意した。この組成物を、反応容器内のアンモニア水溶液中にゆっくりと添加した。30rpmで撹拌しながら75℃に昇温した。昇温後9時間攪拌しながら、加水分解、縮合及び重合を同時に進行させた後、25重量%アンモニア水溶液2.4mL添加した後、アンモニア水溶液中から粒子を単離して有機無機ハイブリッド粒子を得た。得られた有機無機ハイブリッド粒子を酸素分圧10−17atm、400℃で2時間焼成した。焼成後の得られた有機無機ハイブリッド粒子は、複数の重縮合体粒子の集合体であった。
(実施例5)
ビニルトリメトキシシランを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(実施例6)
メチルトリメトキシシランを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(実施例7)
攪拌機及び温度計が取り付けられた500mLの反応容器内に、0.13重量%のアンモニア水溶液300gを入れた。次に、反応容器内のアンモニア水溶液中に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(化合物(1)に相当する)2.4gと、ビニルトリメトキシシラン(化合物(2)に相当する)18.2gと、メチルトリメトキシシラン(化合物(3)に相当する)2.4gとの混合物をゆっくりと添加した。30rpmで撹拌しながら、加水分解及び縮合反応を進行させた後、25重量%アンモニア水溶液2.4mL添加して、縮合体粒子を得た。次に、反応容器内に、ジビニルベンゼン0.4gを添加して、24時間撹拌した。その後、過硫酸カリウム0.008gを添加し、75℃で7時間重合させて、アンモニア水溶液から粒子を単離して、150℃で乾燥を行うことで、有機無機ハイブリッド粒子を得た。得られた有機無機ハイブリッド粒子は、複数の重縮合体粒子と、重縮合体粒子の内部及び表面上に配置された有機化合物とを有していた。得られた有機無機ハイブリッド粒子では、複数の重縮合体粒子間に有機化合物が存在し、複数の重縮合体粒子が有機化合物を介して一体化していた。
(実施例8)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を2.4gから4.8gに変更したこと以外は実施例7と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(実施例9)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランに変更したこと以外は実施例7と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(実施例10)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を2.4gから1.2gに変更したこと以外は実施例7と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(比較例4)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いなかったこと以外は実施例7と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(比較例5)
比較例5では、加水分解及び縮合工程と重合工程とを同時に行ったこと以外は実施例7と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
すなわち、攪拌機及び温度計が取り付けられた500mLの反応器内に、0.13重量%のアンモニア水溶液300gを入れた。次に、反応容器内のアンモニア水溶液中に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.4gと、ビニルトリメトキシシラン18.2gと、メチルトリメトキシシラン2.4gとの混合物にジビニルベンゼン0.4g及び過酸化ベンゾイル0.01gを添加した組成物をゆっくりと添加した。30rpmで撹拌しながら75℃に昇温した。昇温後9時間攪拌しながら、加水分解、縮合及び重合を進行させた後、25重量%アンモニア水溶液2.4mL添加した。アンモニア水溶液中から粒子を単離して、150℃で乾燥を行うことで有機無機ハイブリッド粒子を得た。得られた有機無機ハイブリッド粒子は、複数の重縮合体粒子の集合体であった。
(実施例11)
ビニルトリメトキシシランを用いなかったこと以外は実施例7と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(実施例12)
メチルトリメトキシシランを用いなかったこと以外は実施例7と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(実施例13)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランに変更したこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(実施例14)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランに変更したこと以外は実施例7と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(実施例15)
(1)パラジウム付着工程
実施例1で得られた有機無機ハイブリッド粒子を用意した。有機無機ハイブリッド粒子をエッチングし、水洗した。次に、パラジウム触媒を8重量%含むパラジウム触媒化液100mL中に有機無機ハイブリッド粒子を添加し、攪拌した。その後、ろ過し、洗浄した。pH6の0.5重量%ジメチルアミンボラン液に有機無機ハイブリッド粒子を添加し、パラジウムが付着された有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(2)芯物質付着工程
パラジウムが付着された有機無機ハイブリッド粒子をイオン交換水300mL中で3分間攪拌し、分散させ、分散液を得た。次に、金属ニッケル粒子スラリー(平均粒径100nm)1gを3分間かけて上記分散液に添加し、芯物質が付着された有機無機ハイブリッド粒子を得た。
(3)無電解ニッケルめっき工程
無電解めっき法により、芯物質が付着された有機無機ハイブリッド粒子の表面上に、ニッケル層を形成し、導電性粒子を作製した。なお、ニッケル層の厚さは0.1μmであった。
(実施例16)
(1)絶縁性粒子の作製
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管及び温度プローブが取り付けられた1000mLのセパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル100mmolと、N,N,N−トリメチル−N−2−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド1mmolと、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩1mmolとを含むモノマー組成物を固形分率が5重量%となるようにイオン交換水に秤取した後、200rpmで攪拌し、窒素雰囲気下70℃で24時間重合を行った。反応終了後、凍結乾燥して、表面にアンモニウム基を有し、平均粒径220nm及びCV値10%の絶縁性粒子を得た。
絶縁性粒子を超音波照射下でイオン交換水に分散させ、絶縁性粒子の10重量%水分散液を得た。
(2)絶縁性粒子付き導電性粒子の作製
実施例15で得られた導電性粒子10gをイオン交換水500mLに分散させ、絶縁性粒子の水分散液4gを添加し、室温で6時間攪拌した。3μmのメッシュフィルターでろ過した後、更にメタノールで洗浄し、乾燥し、絶縁性粒子が付着した導電性粒子を得た。
走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、導電性粒子の表面に絶縁性粒子による被覆層が1層のみ形成されていた。画像解析により導電性粒子の中心より2.5μmの面積に対する絶縁性粒子の被覆面積(即ち絶縁性粒子の粒径の投影面積)を算出したところ、被覆率は30%であった。
(評価)
(1)有機無機ハイブリッド粒子の粒子径
得られた有機無機ハイブリッド粒子の粒子径に関しては、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「Multisizer3」)を用いて、約10000個の有機無機ハイブリッド粒子の粒子径を測定した。測定された粒子径の平均値を求め、有機無機ハイブリッド粒子の粒子径とした。
(2)有機無機ハイブリッド粒子の上記破壊荷重
得られた有機無機ハイブリッド粒子の上記破壊荷重を、上述した方法により、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」を用いて測定した。
(3)有機無機ハイブリッド粒子の上記圧縮回復率
得られた有機無機ハイブリッド粒子の上記圧縮回復率を、上述した方法により、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。
(4)有機無機ハイブリッド粒子の上記圧縮弾性率(20%K値)
得られた有機無機ハイブリッド粒子の上記圧縮弾性率(20%K値)を、上述した方法により、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。
(5)加熱前後の粒子径変化
得られた有機無機ハイブリッド粒子を空気流量100mL/minの中で200℃で2時間加熱した。有機無機ハイブリッド粒子の加熱前の粒子径に対する、有機無機ハイブリッド粒子を200℃で2時間加熱した後の粒子径の比(加熱後の粒子径/加熱前の粒子径)を求めた。加熱前後の粒子径変化を下記の基準で判定した。
[加熱前後の粒子径変化の判定基準]
○:比(加熱後の粒子径/加熱前の粒子径)が0.95以上、1.00以下
×:比(加熱後の粒子径/加熱前の粒子径)が0.95未満又は1.00を超える
(6)接続抵抗
導電性粒子の作製:
得られた実施例1〜14及び比較例1〜5の各有機無機ハイブリッド粒子を洗浄し、乾燥した。その後、無電解めっき法により、得られた有機無機ハイブリッド粒子の表面上に、ニッケル層を形成し、導電性粒子を作製した。なお、ニッケル層の厚さは0.1μmであった。実施例15及び16では、得られた導電性粒子をそのまま使用した。
接続構造体の作製:
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート1009」)10重量部と、アクリルゴム(重量平均分子量約80万)40重量部と、メチルエチルケトン200重量部と、マイクロカプセル型硬化剤(旭化成イーマテリアルズ社製「HX3941HP」)50重量部と、シランカップリング剤(東レダウコーニングシリコーン社製「SH6040」)2重量部とを混合し、導電性粒子を含有量が3重量%となるように添加し、分散させ、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を、片面が離型処理された厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに塗布し、70℃の熱風で5分間乾燥し、異方性導電フィルムを作製した。得られた異方性導電フィルムの厚さは12μmであった。
得られた異方性導電フィルムを5mm×5mmの大きさに切断した。切断された異方性導電フィルムを、一方に抵抗測定用の引き回し線を有するITO(高さ0.1μm、L/S=20μm/20μm)が設けられたPET基板(幅3cm、長さ3cm)のITO電極側のほぼ中央に貼り付けた。次いで、同じ金電極が設けられた2層フレキシブルプリント基板(幅2cm、長さ1cm)を、電極同士が重なるように位置合わせをしてから貼り合わせた。このPET基板と2層フレキシブルプリント基板との積層体を、10N、180℃、及び20秒間の圧着条件で熱圧着し、接続構造体を得た。なお、ポリイミドフィルムに銅電極が形成され、銅電極表面がAuめっきされている、2層フレキシブルプリント基板を用いた。
得られた接続構造体の対向する電極間の接続抵抗を4端子法により測定した。接続抵抗を下記の基準で判定した。
[接続抵抗の評価基準]
○○:接続抵抗が3.0Ω以下
○:接続抵抗が3.0Ωを超え、4.0Ω以下
△:接続抵抗が4.0Ωを超え、5.0Ω以下
×:接続抵抗が5.0Ωを超える
結果を下記の表1に示す。なお、実施例1〜4,7〜10,13,14で重縮合に用いた化合物(1)と化合物(2)と化合物(3)との混合物の比重は1以下であった。実施例5,6,11,12で重縮合に用いた化合物(1)と化合物(2)又は化合物(3)との混合物の比重は1以下であった。
(7)液晶表示素子用スペーサとしての使用例
STN型液晶表示素子の作製:
イソプロピルアルコール70重量部と水30重量部とを含む分散媒に、得られるスペーサ分散液100重量%中で実施例1〜14の液晶表示素子用スペーサ(有機無機ハイブリッド粒子)を固形分濃度が2重量%となるように添加し、撹拌し、液晶表示素子用スペーサ分散液を得た。
一対の透明ガラス板(縦50mm、横50mm、厚さ0.4mm)の一面に、CVD法によりSiO2膜を蒸着した後、SiO2膜の表面全体にスパッタリングによりITO膜を形成した。得られたITO膜付きガラス基板に、スピンコート法によりポリイミド配向膜組成物(日産化学社製、SE3510)を塗工し、280℃で90分間焼成することによりポリイミド配向膜を形成した。配向膜にラビング処理を施した後、一方の基板の配向膜側に、液晶表示素子用スペーサを1mm2当たり100〜200個となるように湿式散布した。他方の基板の周辺にシール剤を形成した後、この基板とスペーサを散布した基板とをラビング方向が90°になるように対向配置させ、両者を貼り合わせた。その後、160℃で90分間処理してシール剤を硬化させて、空セル(液晶の入ってない画面)を得た。得られた空セルに、カイラル剤入りのSTN型液晶(DIC社製)を注入し、次に注入口を封止剤で塞いだ後、120℃で30分間熱処理してSTN型液晶表示素子を得た。
得られた液晶表示素子では、実施例1〜14の液晶表示素子用スペーサにより基板間の間隔が良好に規制されていた。また、液晶表示素子は、良好な表示品質を示した。