JP2000230053A - 有機質無機質複合体粒子、その製造方法およびその用途 - Google Patents

有機質無機質複合体粒子、その製造方法およびその用途

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JP2000230053A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1対の部材間の隙間距離を一定に保持するた
めに必要な機械的復元性と少ない個数で前記隙間距離を
一定に保持するために必要な硬度および破壊強度とを有
するとともに、前記部材に対して物理的ダメージを与え
にくい粒子を提供する。 【解決手段】 有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー
骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接
化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサ
ン骨格とを含み、前記ポリシロキサン骨格を構成するS
iO2の量が25wt%以上であり、0.5μm以上の
平均粒子径を有し、粒子径の変動係数が20%以下であ
る、有機質無機質複合体粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機質無機質複合体粒
子および導電性粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示板(LCD)は、2枚の対向す
る電極基板と、前記電極基板間に介在するスペーサーお
よび液晶物質とで構成されている。スペーサーは、液晶
層の厚みを均一かつ一定に保つために使用される。液晶
表示板の実用に際して要求される表示性能として、一般
に、高速応答性、高コントラスト性、広視野角性等が挙
げられる。これら諸性能の実現のためには、液晶層の厚
み、つまり、2枚の電極基板の隙間距離を厳密に一定に
保持しなければならない。
【0003】このような要望に応じた液晶表示板用スペ
ーサーとしては、ゾル−ゲル法で製造したシリカ粒子
(特開昭62−269933号公報)、前記シリカ粒子
を焼成したもの(特開平1−234826号公報)、ス
チレン系単量体やジビニルベンゼン系単量体等を懸濁重
合させて得られるスチレン系やジビニルベンゼン系ポリ
マー粒子(特開昭61−95016号公報)等がある。
これらは、いずれも、粒子径分布が狭く、粒子径が良く
揃った球状粒子である。しかし、上記従来技術では、次
のような問題点がある。 (A) ゾル−ゲル法で製造されたシリカ粒子を焼成したも
のは、変形性が乏しく、非常に硬いため、液晶表示板を
作製するためにプレスを行うと、基板上の電極等の蒸着
層、配向膜、カラーフィルター等のコート層に物理的損
傷を与え、画像ムラやTFTの断線による画素欠陥を生
じさせる。また、このシリカ焼成物粒子と液晶との熱膨
張係数の差が大きいため、そのシリカ焼成物粒子を用い
た液晶表示板がたとえばマイナス40℃の低温環境に曝
された場合、液晶が収縮するほどには粒子が収縮せず、
液晶層と電極基板との間に空隙が生じて表示機能が全く
作動しないという、いわゆる低温発泡の問題を生じる。 (B) ゾル−ゲル法で製造されたシリカ粒子は、シリカ焼
成物粒子と比べて柔らかい。しかし、この未焼成のシリ
カ粒子は、機械的復元性に劣るため、隙間距離が不均一
になり画像ムラを発生させやすい。しかも、未焼成のシ
リカ粒子は、シリカ焼成物粒子と同様に低温発泡の問題
を起こす。 (C) スチレン系やジビニルベンゼン系のポリマー粒子
は、有機粒子であり、非常に柔らかいので、散布個数を
多くせざるを得ない。このため、製造コストの上昇を招
くばかりでなく、画像を形成しない部分の面積が結果と
して増加する。さらに、イオンや分子等の不純物がスペ
ーサー内部から液晶層中へ溶出する量が増加することに
より、コントラストの低下、ざらつきの増加等の諸表示
品位を低下させる原因となる。
【0004】そこで、ジビニルベンゼンなどの架橋性単
量体を多く用いたり、重合開始剤を多く用いて懸濁重合
を行うことにより変形しにくくしたポリマー粒子が提案
されている(特開平4−313727号公報)。また、
テトラメチロールメタンテトラアクリレートまたはテト
ラメチロールメタンテトラアクリレートとジビニルベン
ゼンとを懸濁重合した後、分級により平均粒子径と標準
偏差とを調節したポリマー粒子が提案されている(特表
平6−503180号公報)。これらのポリマー粒子
は、液晶の異常配向が生じ易いという問題がある。液晶
表示板において、液晶の異常配向が生じた箇所は表示を
行うことができない。
【0005】本発明者らは、10%圧縮弾性率と10%
変形後の残留変位とが特定範囲にあり、かつ特定の有機
質−無機質複合体粒子からなる液晶表示板用スペーサー
を提案している(特願平5−288536号)。この液
晶表示板用スペーサーは、従来のポリマー粒子よりも大
きい硬度を有するため、散布個数を低減できる。しか
し、散布個数の低減は、粒子1個あたりにかかる荷重を
増大させるため、破壊強度が不足することがある。従来
の導電性粒子は、シリカ粒子などの無機化合物粒子また
はポリマー粒子と当該粒子の表面に形成された導体層と
を備えている。一般に、導電性粒子は、エレクトロニク
ス実装分野において、1対の電極間を接続するために使
用される。すなわち、導電性粒子を介在させた1対の電
極をプレスして、導電性粒子を介し両電極を電気的に接
続させる。
【0006】導電性粒子がポリマー粒子を含む場合には
柔らかすぎるため、加圧時に導体層が粒子の変形に追従
できず、導体層が粒子表面から剥がれ落ちたり、電極同
士が引っつきすぎてショートしたりする。他方、導電性
粒子が無機化合物粒子を含む場合には硬すぎるため、電
極との接触面積が広がらず、接触抵抗値を低くすること
ができなかったり、変形時に無理な圧力をかけて導電体
層が剥がれ落ちたりする。また、導電性粒子の機械的復
元性が悪いと、隙間距離を一定に保持しにくくなり接触
不良を起こすという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、正確
な間隔で配置されるべき1対の部材間の隙間距離を一定
に保持するために必要な機械的復元性と少ない個数で前
記隙間距離を一定に保持するために必要な硬度・破壊強
度とを有するとともに、前記部材に対して物理的ダメー
ジを与えにくい有機質無機質複合体粒子を提供すること
である。本発明の別の目的は、電気的に接続される1対
の電極間の隙間距離を一定に保持しやすく、かつ接触不
良を起こしにくい導電性粒子を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の有機質無
機質複合体粒子は、有機ポリマー骨格とポリシロキサン
骨格とを含む。ポリシロキサン骨格は、有機ポリマー骨
格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化
学結合した有機ケイ素を分子内に有する。ポリシロキサ
ン骨格を構成するSiO2の量は、粒子の全重量に対し
て25wt%以上である。平均粒子径は0.5μm以上
であり、粒子径の変動係数が20%以下である。本発明
の導電性粒子は、有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマ
ー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直
接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキ
サン骨格とを含み、0.5μm以上の平均粒子径を有す
る有機質無機質複合体粒子と、前記有機質無機質複合体
粒子表面に形成された導体層とを有する。
【0009】本発明の第2の有機質無機質複合体粒子
は、有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー骨格中の少
なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合し
た有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを
含み、0.5μm以上の平均粒子径を有する有機質無機
質複合体粒子であり、前記粒子表面に接着剤層が形成さ
れてなる。
【0010】
【手段の説明】〔有機質無機質複合体粒子〕本発明の第
1の有機質無機質複合体粒子は、有機ポリマー骨格と有
機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素
原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポ
リシロキサン骨格とを含み、ポリシロキサン骨格を構成
するSiO2の量が好ましくは25wt%以上であるの
で、ポリシロキサン骨格の特徴である大きな硬度と、有
機ポリマー骨格の特徴である高い機械的復元性および破
壊強度とを有する。このため、本発明の第1の有機質無
機質複合体粒子は、正確な間隔で配置されるべき1対の
部材間の隙間距離を一定に保持するために必要な機械的
復元性と少ない個数で前記隙間距離を一定に保持するた
めに必要な硬度および破壊強度とを有するとともに、そ
れらの部材に対して物理的ダメージを与えにくい。しか
も、本発明の第1の有機質無機質複合体粒子は、0.5
μm以上の平均粒子径を有するので、1対の部材間に隙
間を形成するのに有用である。
【0011】有機ポリマー骨格は、有機ポリマーに由来
する主鎖・側鎖・分岐鎖・架橋鎖のうちの少なくとも主
鎖を含む。有機ポリマーの分子量、組成、構造、官能基
の有無などに特に限定されない。有機ポリマーは、たと
えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィン、およびポリ
エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つであ
る。好ましい有機ポリマー骨格は、機械的復元性に特に
優れた粒子を形成するという理由で、繰り返し単位−C
−C−から構成される主鎖を有するもの(以下では、
「ビニル系ポリマー」と言うことがある)である。
【0012】ビニル系ポリマーは、たとえば、(メタ)
アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢
酸ビニル、およびポリオレフィンからなる群から選ばれ
る少なくとも1つである。好ましいビニル系ポリマー
は、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル−スチレ
ン系樹脂およびポリスチレンからなる群から選ばれる少
なくとも1つである。より好ましいビニル系ポリマー
は、(メタ)アクリル樹脂および(メタ)アクリル−ス
チレン系樹脂である。ポリシロキサンは、次式4:
【0013】
【化1】
【0014】で表されるシロキサン単位が連続的に化学
結合して、三次元のネットワークを構成した化合物と定
義される。有機ポリマー骨格を構成する炭素原子の少な
くとも1個には、ポリシロキサン中のケイ素原子が直接
化学結合している。ポリシロキサン骨格を構成するSi
2の量は、本発明の第1の有機質無機質複合体粒子の
重量に対して、好ましくは25wt%以上、より好まし
くは30〜80wt%、さらに好ましくは33〜70w
t%、最も好ましくは37〜60wt%である。前記範
囲であると、効果的な、硬度と機械的復元性と破壊強度
とを有する粒子となる。25wt%を下回ると無機質の
特徴である硬度が発現しにくく、後述する10%圧縮弾
性率が小さいという問題がある。前記範囲を上回ると有
機ポリマー骨格の有する機械的復元性または破壊強度が
損なわれ、残留変位が大きくなったり粒子が割れたりす
る場合がある。
【0015】ポリシロキサン骨格を構成するSiO2
量は、粒子を空気などの酸化性雰囲気中で1000℃以
上の温度で焼成した前後の重量を測定することにより求
めた重量百分率である。本発明の第1の有機質無機質複
合体粒子は、ポリシロキサン以外の無機質成分を含むこ
とができる。ポリシロキサン以外の無機質成分は、たと
えば、ホウ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム等
の酸化物である。ポリシロキサン以外の無機質成分の量
は、0〜20wt%が好ましく、0〜10wt%がより
好ましい。前記範囲を外れると、硬度、機械的復元性ま
たは破壊強度が効果的に発現しないおそれがある。
【0016】本発明の第1の有機質無機質複合体粒子
は、0.5μm以上の平均粒子径を有し、好ましくは
0.5〜50μm、より好ましくは1〜25μm、もっ
と好ましくは1.5〜20μmの平均粒子径を有する。
0.5μmを下回ると、1対の部材間に隙間を形成する
のが困難である。前記範囲を外れると、液晶表示板用ス
ペーサーおよび導電性粒子としては用いられない領域で
ある。本発明の第1の有機質無機質複合体粒子は、スペ
ーサーとして用いる場合に電極基板の隙間距離の均一性
の面から、20%以下、好ましくは10%以下、より好
ましくは8%以下の粒子径の変動係数を有する。前記上
限値を上回ると隙間距離の均一性が低下して画像ムラを
起こしやすくなる。粒子径の変動係数は、次式:
【0017】
【数1】
【0018】で定義される。本発明では、平均粒子径と
粒子径の標準偏差は、電子顕微鏡撮影像の任意の粒子2
00個の粒子径を実測して次式より求めた。
【0019】
【数2】
【0020】本発明の第1の有機質無機質複合体粒子
は、上記式4で表される無機質構成単位と有機ポリマー
骨格との両方を含有し、かつ、無機質構成単位と有機ポ
リマー骨格とが化学結合した複合体粒子である。従っ
て、本発明の第1の有機質無機質複合体粒子は、無機質
の特徴である大きな硬度と有機ポリマーの特徴である高
い機械的復元性および破壊強度とを兼ね備えている。硬
度を示す尺度は10%圧縮弾性率であり、機械的復元性
を示す尺度は、10%変形後の残留変位である。ここで
10%圧縮弾性率とは、下記測定方法により測定した値
である。島津微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製M
CTM−200)により、室温(25℃)において、試
料台(材質:SKS平板)上に散布した試料粒子1個に
ついて、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモ
ンド)を用いて、粒子の中心方向へ一定の負荷速度で荷
重をかけ、圧縮変位が粒子径の10%となるまで粒子を
変形させ、10%変形時の荷重と圧縮変位のミリメート
ル数を求める。求められた圧縮荷重、粒子の圧縮変位、
粒子の半径を次式:
【0021】
【数3】
【0022】〔ここで、E:圧縮弾性率(kg/mm2) F:圧縮荷重(kg) K:粒子のポアソン比(定数、0.38) S:圧縮変位(mm) R:粒子の半径(mm)である。〕 に代入して計算された圧縮弾性率が10%圧縮弾性率で
ある。その後、すぐに、負荷時と同じ速度で負荷を除
き、荷重が0.1gとなるまで除荷を行い、最終的に荷
重が0gとなるように荷重−変位曲線を接線に沿って外
挿し、粒子になお残留する変位を求める。これを粒子径
に対する百分率として残留変位を算出する。この操作を
異なる3個の粒子について行い、その平均値を粒子の1
0%圧縮弾性率、残留変位とし、それぞれ、粒子の硬
度、機械的復元性の尺度とする。
【0023】また、破壊強度は、前述した微小圧縮試験
機を使用して調べることができる。前述したように試料
台上に散布した試料粒子1個について、円形平板圧子を
用いて、粒子の中心方向へ一定速度で荷重をかけ、粒子
が破壊する圧縮荷重を求めることができる。従来のスペ
ーサーとして使用されている粒子の10%圧縮弾性率を
上記測定方法により測定した場合、シリカ焼成物粒子は
4400kg/mm2、スチレン系ポリマー粒子は300kg
/mm2であった。これに対し、本発明の第1の有機質無
機質複合体粒子は、10%圧縮弾性率が、好ましくは3
50〜3000kg/mm2の範囲、更に好ましくは400
〜2500kg/mm2の範囲、より一層好ましくは500
〜2000kg/mm2の範囲で任意の硬度に調整されてい
る。10%圧縮弾性率が前記範囲を下回ると、前述のよ
うに、液晶表示板用スペーサーとして使用した場合に粒
子の散布個数の増加による製造コストの上昇、コントラ
ストの低下、ざらつきの増加のおそれがあり、上回る
と、前述のように、基板上の蒸着層、コート層への物理
的損傷や低温発泡のおそれがある。
【0024】10%変形後の残留変位については、未焼
成のシリカ粒子は残留変位が8%であったが、本発明の
第1の有機質無機質複合体粒子は、好ましくは0〜5%
の範囲、更に好ましくは0〜4%、一層好ましくは0〜
3%の範囲の残留変位を有する機械的復元性に優れた複
合体粒子である。10%変形後の残留変位が前記範囲を
上回ると液晶表示板用スペーサーとして使用した場合に
画像ムラが起こりやすい。また、破壊強度については、
本発明の第1の有機質無機質複合体粒子は、好ましくは
次式:
【0025】
【数4】
【0026】(ここで、GとYとは上述したものを示
す)を、より好ましくは次式:
【0027】
【数5】
【0028】(ここで、GとYとは上述したものを示
す)を満足する複合体粒子である。破壊強度が前記式を
満足しないと、破壊強度が小さいため液晶表示板を作製
する際に粒子が破壊する場合があり、電極基板の隙間距
離を一定に保つことができなくなる。上記範囲における
10%圧縮弾性率および残留変位の程度は、粒子中に占
めるポリシロキサン骨格または有機ポリマー骨格の量を
調節することにより達成される。たとえば、ポリシロキ
サン骨格の量を低くすると、10%圧縮弾性率と残留変
位が小さくなり、ポリシロキサン骨格の量を高めると、
10%圧縮弾性率と残留変位が大きくなる。
【0029】本発明の第1の有機質無機質複合体粒子
は、染料および顔料からなる群から選ばれる少なくとも
1つを含むことで着色されていてもよい。粒子の色は、
光が透過しない色が好ましい。光が透過しない色は、光
抜けを防止でき画質のコントラストを向上できるので、
液晶表示板用スペーサーの色には好ましい。光が透過し
ない色としては、黒、濃青、紺、紫、青、濃緑、緑、
茶、赤などの色が挙げられるが、特に好ましくは、黒、
濃青、または紺である。染料は、着色しようとする色に
応じて適宜選択して使用され、たとえば、染色方法によ
って分類された、分散染料、酸性染料、塩基性染料、反
応染料、硫化染料等が挙げられる。これらの染料の具体
例は、「化学便覧応用化学編 日本化学会編」(198
6年丸善株式会社発行)の1399頁〜1427頁、
「日本化薬染料便覧」(1973年日本化薬株式会社発
行)に記載されている。
【0030】本発明の第1の有機質無機質複合体粒子を
染色する方法は従来公知の方法がとられる。たとえば、
上記の「化学便覧応用化学編 日本化学会編」や「日本
化薬染料便覧」に記載されている方法で行うことができ
る。染色された本発明の第1の有機質無機質複合体粒子
は、上述した硬度と機械的復元性とを兼ね備えているの
で、液晶表示板の画質向上に特に有用である。本発明の
第1の有機質無機質複合体粒子は、液晶表示板用スペー
サーとして使用される場合の好ましい態様は次のとおり
である。 破壊強度Gが、上記数式4を、より好ましくは上記
数式5を満足する。
【0031】 ポリシロキサン骨格の量25wt%以
上、10%圧縮弾性率350〜3000kg/mm2、10
%変形後の残留変位0〜5%、平均粒子径0.5〜50
μm、および、粒子径の変動係数20%以下である。 ポリシロキサン骨格の量30〜80wt%、10%
圧縮弾性率400〜2900kg/mm2、10%変形後の
残留変位0〜4%、平均粒子径1〜25μm、および、
粒子径の変動係数10%以下である。 ポリシロキサン骨格の量33〜70wt%、10%
圧縮弾性率500〜2800kg/mm2、10%変形後の
残留変位0〜3%、平均粒子径1.5〜20μm、およ
び、粒子径の変動係数8%以下である。
【0032】 ポリシロキサン骨格の量37〜60w
t%、10%圧縮弾性率550〜2700kg/mm2、1
0%変形後の残留変位0〜2%、平均粒子径2〜15μ
m、および、粒子径の変動係数6%以下である。 上記〜において、破壊強度G、上記数式4を、
より好ましくは上記数式5を満足する。 上記〜において、染料および顔料からなる群か
ら選ばれる少なくとも1つを含むことで着色されてい
る。 本発明の第1の有機質無機質複合体粒子の形状は、球
状、針状、板状、鱗片状、破砕状、俵状、まゆ状、金平
糖状等の任意の粒子形状で良く、特に限定されないが、
液晶表示板用スペーサーとして用いる場合には隙間距離
を均一に一定とする上で球状が好ましい。これは、粒子
が球状であると、すべてまたはほぼすべての方向につい
て一定またはほぼ一定の粒径を有するからである。
【0033】本発明の第2の有機質無機質複合体粒子
は、有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー骨格中の少
なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合し
た有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを
含み、0.5μm以上の平均粒子径を有する有機質無機
質複合体粒子であり、前記粒子表面に接着剤層が形成さ
れてなる。ポリシロキサン骨格を構成するSiO2の量
が25wt%以上であることが好ましい。粒子径の変動
係数は20%以下であることが好ましい。その他の実施
態様については、本発明の第1の有機質無機質複合体粒
子と同様である。また、接着剤層については、後述の液
晶表示板用スペーサーの項の「第2の液晶表示板用スペ
ーサー」において詳述する。
【0034】本発明の第1および第2の有機質無機質複
合体粒子(以下、単に本発明の有機質無機質複合体粒子
という場合がある)は、たとえば、以下に述べる製造方
法によって作ることができるが、他の製造方法によって
作られてもよい。 〔有機質無機質複合体粒子の製造方法〕本発明の有機質
無機質複合体粒子は、縮合工程と重合工程と熱処理工程
とを含む製造方法によって作ることができる。縮合工程
は、第1シリコン化合物を用いて加水分解・縮合する工
程である。 第1シリコン化合物は、次の一般式1:
【0035】
【化2】
【0036】(ここで、R1は水素原子またはメチル基
を示し;R2は、置換基を有していても良い炭素数1〜
20の2価の有機基を示し;R3は、水素原子と、炭素
数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)
と、次の一般式2:
【0037】
【化3】
【0038】(ここで、R4は水素原子またはメチル基
を示し;R5は、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル
基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれ
る少なくとも1つの1価基を示す)と、次の一般式3:
【0039】
【化4】
【0040】(ここで、R6は水素原子またはメチル基
を示し;R7は、置換基を有していても良い炭素数1〜
20の2価の有機基を示し;R8は、水素原子と、炭素
数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)
とからなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表
される化合物およびその誘導体からなる群から選ばれる
少なくとも1つである。縮合工程では、第1シリコン化
合物と下記第2シリコン化合物との両方を用いることが
できる。第2シリコン化合物は、次の一般式5:
【0041】
【化5】
【0042】(ここで、Xは、CH2=C(−R1)−C
OOR2−、CH2=C(−R4)−またはCH2=C(−
6)−R7−で示される1価ラジカル重合性官能基を示
し;R1とR4とR6とは水素原子またはメチル基を示
し;R2とR7とは、置換基を有していても良い炭素数1
〜20の2価の有機基を示し;R9は、水素原子と、炭
素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基と
からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示
し;R10は、置換基を有していても良い炭素数1〜10
のアルキル基と、炭素数6〜10のアリール基とからな
る群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示し;mは
2〜3の整数を示し;nは0〜2の整数を示し;m+n
は2〜3の整数を示す。複数のXは互いに異なっていて
も良いし、2個以上が同じであっても良い。nが2の場
合、2個のR10は互いに異なっていても良いし、同じで
あっても良い。4−m−nが2の場合、2個のR9は互
いに異なっていても良いし、同じであっても良い)で表
される化合物およびその誘導体からなる群から選ばれる
少なくとも1つである。一般式1〜3および5におい
て、ラジカル重合性基は、CH2=C(−R1)−COO
2−、CH2=C(−R4)−、または、CH2=C(−
6)−R7−である。一般式5において、ラジカル重合
性基が2個以上ある場合には、互いに異なっていても良
いし、2個以上が同じであっても良い。ラジカル重合性
基をラジカル重合反応させることにより、上述したビニ
ル系ポリマーに由来する有機ポリマー骨格を生成する。
ラジカル重合性基は、アクリロキシ基(一般式1および
5においてR1が水素原子である場合)、メタクリロキ
シ基(一般式1および5においてR1がメチル基である
場合)、ビニル基(一般式2および5においてR4が水
素原子である場合)、イソプロペニル基(一般式2およ
び5においてR4がメチル基である場合)、1−アルケ
ニル基もしくはビニルフェニル基(一般式3および5に
おいてR6が水素原子である場合)、または、イソアル
ケニル基もしくはイソプロペニルフェニル基(一般式3
および5においてR6がメチル基である場合)である。
【0043】一般式1〜3および5において、加水分解
性基はR3O、R5O、R8OおよびR9Oである。R3
基、R5O基、R8O基およびR9O基は、水酸基と炭素
数1〜5のアルコキシ基と炭素数2〜5個のアシロキシ
基とからなる群から選ばれる1価基である。一般式1〜
3において、3個のR3O基、3個のR5O基およびR 8
O基は、それぞれ、互いに異なっていても良いし、2個
以上が同じであっても良い。一般式5において、R9
基が2個ある場合には、互いに異なっていても良いし、
同じであっても良い。好ましいR3O基・R5O基・R8
O基・R9O基は、加水分解・縮合速度が大きい点で、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびアセトキ
シ基からなる群から選ばれるものであり、メトキシ基お
よびエトキシ基がより好ましい。第1シリコン化合物お
よび第2シリコン化合物は、R3O基・R5O基・R8
基・R9O基が水により加水分解し、更に縮合すること
により、前記一般式4で示されるポリシロキサン骨格を
形成する。
【0044】一般式1〜3および5において、R2基お
よびR7基は、置換基を有していても良い炭素数1〜2
0の2価の有機基である。この2価の有機基としては、
特に限定されないが、たとえば、置換基を有していても
よい、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシ
レン基、オクチレン基などのアルキレン基、置換基を有
していてもよいフェニレン基、あるいは、これらの置換
基を有していてもよいアルキレン基やフェニレン基がエ
ーテル結合を介して結合した基等が挙げられる。容易に
入手可能である点で、R2およびR7がプロピレン基やフ
ェニレン基であるラジカル重合性基を有するものが好ま
しい。
【0045】一般式5において、R10基は、ケイ素原子
に結合した、アルキル基またはアリール基である。この
アルキル基は、置換基を有していても良い炭素数1〜1
0のアルキル基であり、たとえば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等である。この
アリール基は、炭素数6〜10のアリール基であり、た
とえば、フェニル基、トリル基等である。一般式5にお
いて、R10基が2個ある場合には、互いに異なっていて
も良いし、同じであっても良い。一般式1と2と3とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表され
る化合物は、1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合し
た3個の加水分解性基と、ケイ素原子に結合した1個の
ラジカル重合性基とを有する。
【0046】一般式1で表される化合物の具体例は、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシエトキ
シプロピルトリメトキシシラン(または、γ−トリメト
キシシリルプロピル−β−メタクリロキシエチルエーテ
ルともいう)等であり、これらのうちのいずれか1つが
単独で使用されたり、2以上が併用されたりする。一般
式2で表される化合物の具体例は、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセト
キシシラン等であり、これらのうちのいずれか1つが単
独で使用されたり、2以上が併用されたりする。
【0047】一般式3で表される化合物の具体例は、1
−ヘキセニルトリメトキシシラン、1−オクテニルトリ
メトキシシラン、1−デセニルトリメトキシシラン、γ
−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、ω−ト
リメトキシシリルウンデカン酸ビニルエステル、p−ト
リメトキシシリルスチレン等であり、これらのうちのい
ずれか1つが単独で使用されたり、2以上が併用された
りする。一般式1〜3で表される化合物の誘導体は、た
とえば、一般式1〜3で表される化合物の有する一部の
3O基がβ−ジカルボニル基および/または他のキレ
ート化合物を形成し得る基で置換された化合物と、一般
式1〜3で表される化合物および/またはそのキレート
化合物を部分的に加水分解・縮合して得られた低縮合物
とからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
【0048】第1シリコン化合物としては、粒子径分布
がシャープである有機質無機質複合体粒子を形成しやす
いという点から、一般式1で示される化合物が好まし
く、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリ
ロキシプロピルトリエトキシシランからなる群から選ば
れる少なくとも1つが特に好ましい。一般式5で表され
る化合物は、次の5つである。 (1) 1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合した1個の
ラジカル重合性基と、ケイ素原子に結合した1個のアル
キル基またはアリール基と、ケイ素原子に結合した2個
の加水分解性基とを有する(m=1、n=1)。この化
合物の具体例は、γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエト
キシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメ
チルジエトキシシラン等であり、いずれか1つが単独で
使用されたり、あるいは、2以上が併用されたりする。 (2) 1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合した1個の
ラジカル重合性基と、ケイ素原子に結合した2個の、ア
ルキル基および/またはアリール基と、ケイ素原子に結
合した1個の加水分解性基とを有する(m=1、n=
2)。この化合物の具体例は、γ−メタクリロキシプロ
ピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルジメチルエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピ
ルジメチルメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピル
ジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラ
ン等であり、いずれか1つが単独で使用されたり、ある
いは、2以上が併用されたりする。 (3) 1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合した2個の
ラジカル重合性基と、ケイ素原子に結合した2個の加水
分解性基とを有する(m=2、n=0)。この化合物の
具体例は、ビス(γ−アクリロキシプロピル)ジメトキ
シシラン、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)ジメト
キシシラン等であり、いずれか1つが単独で使用された
り、あるいは、2以上が併用されたりする。 (4) 1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合した2個の
ラジカル重合性基と、ケイ素原子に結合した1個のアル
キル基またはアリール基と、ケイ素原子に結合した1個
の加水分解性基とを有する(m=2、n=1)。この化
合物の具体例は、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)
メチルメトキシシラン、ビス(γ−アクリロキシプロピ
ル)メチルメトキシシラン等であり、いずれか1つが単
独で使用されたり、あるいは、2以上が併用されたりす
る。 (5) 1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合した3個の
ラジカル重合性基と、ケイ素原子に結合した1個の加水
分解性基とを有する(m=3、n=0)。この化合物の
具体例は、トリス(γ−メタクリロキシプロピル)メト
キシシラン、トリス(γ−アクリロキシプロピル)メト
キシシラン等であり、いずれか1つが単独で使用された
り、あるいは、2以上が併用されたりする。
【0049】第2シリコン化合物としては、粒子径分布
がシャープである有機質無機質複合体粒子を形成しやす
いという点から、一般式5で表される化合物の中でも、
ラジカル重合性基がCH2=C(−R1)−COOR2
基である化合物が好ましい。一般式5で表される化合物
の誘導体は、たとえば、一般式5で表される化合物の有
する一部のR9O基がβ−ジカルボニル基および/また
は他のキレート化合物を形成し得る基で置換された化合
物と、一般式5で表される化合物および/またはそのキ
レート化合物を部分的に加水分解・縮合して得られた低
縮合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つであ
る。
【0050】第1シリコン化合物を用いずに第2シリコ
ン化合物を用いて加水分解・縮合したときには得られる
粒子の硬度が低下する傾向にあるので、本発明では第1
シリコン化合物を必ず用いるのである。本発明の有機質
無機質複合体粒子を得るために、上述した第1および第
2シリコン化合物以外に、下記一般式6と7で表される
シラン化合物;その誘導体;ホウ素、アルミニウム、ガ
リウム、インジウム、リン、チタン、ジルコニウム等の
有機金属化合物および無機金属化合物からなる群から選
ばれる少なくとも1つの加水分解・縮合可能な金属化合
物も併用して良い。
【0051】
【化6】
【0052】(ここで、R11、R13、R17は、R3と同
じであり;R12、R14、R16は、R10と同じであり;R
15はR7と同じであり;p、q、rは、0又は1であ
る) 一般式6、7で表されるシラン化合物の有するR11、R
13、R17基としては、加水分解縮合速度が速い点でメチ
ル基又はエチル基が好ましい。p、q、rは、0又は1
であるが、得られる有機質無機質複合体粒子の硬度を高
めることができる点でp、q、r=0が好ましい。一般
式7で表されるシラン化合物の例としては、1,2−ビ
ス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ
エトキシシリル)エタン、1−トリメトキシシリル−2
−トリエトキシシリルエタン等が挙げられる。
【0053】一般式6、7で表されるシラン化合物の誘
導体は、一般式6、7で表される化合物の有する一部の
11O、R13O、R17O基がβ−ジカルボニル基および
/または他のキレート化合物を形成し得る基で置換され
た化合物と、一般式6、7で表される化合物および/ま
たはそのキレート化合物を部分的に加水分解・縮合して
得られた低縮合物とからなる群から選ばれる少なくとも
1つである。第1および第2シリコン化合物以外の加水
分解・縮合可能な金属化合物の量は、特に限定されない
が、多量に使用すると得られる有機質無機質複合体粒子
の形状が球状にならなかったり、粒子径の制御が困難に
なったり、粒度分布が広がったりするので液晶表示板用
スペーサーには不適な場合がある。このため、この加水
分解・縮合可能な金属化合物の量は、第1および第2シ
リコン化合物の合計重量に対して、200wt%以下が
好ましく、100wt%以下が更に好ましく、50wt
%以下がより一層好ましい。
【0054】第1シリコン化合物と、必要に応じて使用
される第2シリコン化合物および/または加水分解・縮
合可能な金属化合物と(以下では、「原料」と言うこと
がある)は、水を含む溶媒中で加水分解され、縮合す
る。加水分解と縮合は、一括、分割、連続等、任意の方
法を採ることができる。加水分解や縮合させるにあた
り、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸
化物、アルカリ土類金属水酸化物等の触媒を用いてもよ
い。また、溶媒中には、水や触媒以外の有機溶剤が存在
していてもよい。有機溶剤の具体例としては、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノー
ル、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチ
ル等のエステル類;イソオクタン、シクロヘキサン等の
(シクロ)パラフィン類;ジオキサン、ジエチルエーテ
ル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素類等が単独で、または、混合して用いられる。
【0055】加水分解と縮合は、たとえば、上記した原
料またはその有機溶剤溶液を水を含む溶媒に添加し、0
〜100℃、好ましくは0〜70℃の範囲で30分〜1
00時間攪拌することによって行われる。また、上記の
ような方法により得られた粒子を、種粒子として予め合
成系に仕込んでおき、上記原料を添加して該種粒子を成
長させていっても良い。このようにして原料を、水を含
む溶媒中で適切な条件の下で加水分解、縮合させること
により、粒子が析出しスラリーが生成する。析出した粒
子は、上述のラジカル重合性基を有するシリコン化合物
を加水分解・縮合したので、平均粒子径が0.5μm以
上の任意の粒子径で、しかも、粒度分布のシャープな粒
子である。ここで、適切な条件とは、たとえば、得られ
るスラリーに対して、原料濃度については20重量%以
下、水濃度については50重量%以上、触媒濃度につい
ては10重量%以下が好ましく用いられる。
【0056】加水分解・縮合で生成する粒子の平均粒子
径は、水濃度、触媒濃度、有機溶剤濃度、原料濃度、原
料の添加時間、温度、種粒子の濃度を、たとえば、それ
ぞれ、50〜99.99重量%、0.01〜10重量
%、0〜90重量%、0.1〜30重量%、0.001
〜500時間、0〜100℃、0〜10重量%に設定す
ることにより、本発明の有機質無機質複合体粒子が有す
る上述の平均粒子径の範囲内にすることができる。生成
する粒子の粒子径の変動係数は、水濃度、触媒濃度、有
機溶剤濃度を、それぞれ、上記範囲内に設定することに
より、本発明の有機質無機質複合体粒子の有する、上述
の粒子径の変動係数の範囲内にすることができる。
【0057】更に、第1シリコン化合物と、必要に応じ
て使用される第2シリコン化合物および/または加水分
解・縮合可能な金属化合物とを加水分解・縮合する際
に、平均粒子径0.4μm以下の無機微粒子をさらに用
いることが好ましい。この理由は、得られる有機質無機
質複合体粒子が、ポリシロキサン骨格と化学結合した無
機微粒子を含むことにより、より高い硬度を持ち、向上
した破壊強度を有するからである。無機微粒子の具体例
としては、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニ
ウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等が挙げられる
が、原料を加水分解・縮合して得られる粒子中に導入さ
れ易い点でシリカが好ましい。
【0058】また、無機微粒子の平均粒径は0.4μm
を超えると原料を加水分解・縮合して得られる粒子中に
導入されにくくなるので好ましくない。従って、無機微
粒子の平均粒子径は、小さい程好ましく、好ましくは
0.1μm以下、さらに好ましくは30nm以下、より
一層好ましくは10nm以下である。無機微粒子として
は、好ましくは平均粒子径0.1μm以下、より好まし
くは平均粒子径30nm以下、または更により一層好ま
しくは平均粒子径10nm以下のシリカが挙げられる。
これら無機微粒子としては、微粒子の凝集等が少ない点
で水や有機溶媒に分散したゾルが好ましい。さらに好ま
しくは平均粒子径30nm以下、より一層好ましくは1
0nm以下の無機微粒子のゾルである。具体例として
は、例えば平均粒子径30nm以下のシリカ粒子のゾル
(シリカゾル)としては、日産化学株式会社製商品名
「スノーテックス20」、「スノーテックスO」、「ス
ノーテックス−C」、「スノーテックス−N」、「スノ
ーテックス−S」、「スノーテックス−20L」、「ス
ノーテックス−XS」、「スノーテックス−XL」、
「スノーテックス−YL」、「スノーテックス−Z
L」、「メタノールシリカゾル」、「IPA−ST」等
が挙げられ、アルミナゾルとしては日産化学株式会社製
商品名「アルミナゾル−100」、「アルミナゾル−2
00」、「アルミナゾル−520」等が挙げられる。
【0059】縮合工程中に、および/または、縮合工程
後に、ラジカル重合性基をラジカル重合反応させる。す
なわち、第1シリコン化合物、必要に応じて使用される
第2シリコン化合物を、加水分解・縮合で得られた中間
生成物・粒子をラジカル重合する。ラジカル重合性基が
ラジカル重合反応して有機ポリマー骨格を形成する。ラ
ジカル重合する方法としては、加水分解・縮合して得ら
れた粒子の水を含む溶媒スラリーに水溶性又は油溶性の
ラジカル重合開始剤を添加溶解して、そのまま重合して
も良いし、また加水分解・縮合して得られた粒子を、濾
過、遠心分離、減圧濃縮等の従来公知の方法を用いてス
ラリーから単離した後、ラジカル重合開始剤を含有する
水又は有機溶媒等の溶液に分散させて重合しても良く、
これらに限定されるものではない。特に、上記原料を加
水分解・縮合しながらラジカル重合開始剤を共存させて
ラジカル重合を同時に行う方法が好ましい。この理由と
しては、式4で示されるポリシロキサンの生成と重合に
よる有機ポリマーの生成が並行して生じるため、上述し
た本発明の有機質無機質複合体粒子が有する、無機質の
特徴である硬度と、有機ポリマーの特徴である機械的復
元性および破壊強度とを含有する有機質無機質複合体粒
子が得られ易く、また硬度、機械的復元性および破壊強
度が効果的に発現する有機質無機質複合体粒子となるた
めである。
【0060】ここで、ラジカル重合開始剤としては従来
公知の物を使用することができ、特に限定されないが、
好ましくはアゾ化合物、過酸化物等から選ばれる少なく
とも1つの化合物である。上記したラジカル重合開始剤
の量は、特に限定されないが、多量に使用すると発熱量
が多くなって反応の制御が困難となり、一方、少量使用
の場合にはラジカル重合が進行しない場合があるので、
第1および第2シリコン化合物の合計重量に対して、た
とえば0.1〜5wt%、好ましくは0.3〜2wt%
の範囲である。
【0061】ラジカル重合させる際の温度は、使用する
ラジカル重合開始剤によって適宜選択可能であるが、反
応の制御のし易さから30〜100℃、好ましくは、5
0〜80℃の範囲である。また、ラジカル重合する際
に、ラジカル重合性基とラジカル重合可能な基を有する
モノマーを共存させても良い。モノマーとしては、例え
ば、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボン酸
類;アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、
クロトン酸エステル類、イタコン酸エステル類、マレイ
ン酸エステル類、フマール酸エステル類等の不飽和カル
ボン酸エステル類;アクリルアミド類;メタクリルアミ
ド類;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル等のビニルエス
テル類;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物等のビ
ニル化合物類等が挙げられ、これらの一種以上を使用し
ても良い。中でも、ラジカル重合可能な基を2個以上含
有する、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト等のモノマーが好ましい。
【0062】しかし、モノマーを多量に使用して有機質
無機質複合体粒子中のポリシロキサン骨格の含有量が2
5wt%未満になると、硬度が不充分になるので好まし
くない。このため、モノマーの量は、第1および第2シ
リコン化合物の合計重量に対して、たとえば0〜50w
t%、好ましくは0〜30wt%である。ラジカル重合
後、さらに以下に示す再縮合工程を行う方が最終的に得
られる有機質無機質複合体粒子の硬度・機械的復元性・
破壊強度が向上するので好ましい。再縮合工程は、ラジ
カル重合により生成した重合体粒子を有機溶媒中で更に
縮合を進行させる工程である。縮合を進行させるにあた
り、前述した触媒を用いても良いが、縮合をより促進さ
せる点で好ましい触媒としては、チタンテトライソプロ
ポキシド、チタンテトラブトキシド、ジイソプロポキシ
−ビス(アセチルアセトネート)チタネート等の有機チ
タン化合物;アルミニウムトリイソプロポキシド、アル
ミニウムトリsec-ブトキシド、アルミニウムトリスアセ
チルアセトネート、アルミニウムイソプロポキシド−ビ
スアセチルアセトネート等の有機アルミニウム化合物;
ジルコニウムテトラブトキシド、テトラキス(アセチル
アセトネート)ジルコニウム等の有機ジルコニウム化合
物;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジ
マレエート等の有機錫化合物;(CH3O)2P(=O)
OH、(CH3O)P(=O)(OH)2、(C49O)
2P(=O)OH、(C817O)P(=O)(OH)2
等の酸性リン酸エステル等が挙げられ、いずれか1つが
単独で使用されたり、または、2以上が併用されたりす
る。中でも、有機錫化合物および酸性リン酸エステルか
らなる群から選ばれる少なくとも1つが好ましい。
【0063】再縮合工程では、重合体粒子が水を含有し
ないことが好ましい。この理由は、シラノール基の脱水
縮合がより進行し易いからである。従って、再縮合工程
では、重合工程で得られたスラリーが水を含有しない場
合は、スラリーをそのまま使用することができ、スラリ
ーが水を含有する場合には、重合体粒子を濾過、遠心分
離、減圧濃縮等の従来公知の方法を用いてスラリーから
分離した後、有機溶媒中に分散させて行うのが好まし
い。使用される有機溶媒は、たとえば、前述した、アル
コール類、ケトン類、エステル類、パラフィン類、エー
テル類、芳香族炭化水素類からなる群から選ばれる少な
くとも1つである。また、再縮合工程は、たとえば50
〜200℃、好ましくは60〜150℃の温度で30分
間〜100時間、重合体粒子を含む有機溶媒スラリーを
攪拌することによって行われる。また、圧力は、常圧、
減圧、加圧のいずれでも良い。
【0064】ついで、ラジカル重合により生成した重合
体粒子を濾過、遠心分離、減圧濃縮等の従来公知の方法
を用いて上記スラリーより単離した後、800℃以下の
温度、好ましくは100〜600℃の温度、更に好まし
くは150〜500℃の温度で乾燥および焼成のための
熱処理を施すことにより、適当な、硬さと機械的復元性
と破壊強度とを持つ、本発明の有機質無機質複合体粒子
が得られる。この複合体粒子は、有機ポリマー骨格と、
有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ
素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有する
ポリシロキサン骨格とを主成分として含む。しかしなが
ら、低い温度での熱処理では、式5で示されるシロキサ
ン単位中に存在する、下式8:
【0065】
【化7】
【0066】で表されるシラノール基同士の脱水縮合反
応が充分に起こらないため、必要な硬度が得られない場
合がある。すなわち、粒子の10%圧縮弾性率が350
kg/mm 2以上にならない場合がある。また、800℃よ
り高い温度での熱処理では有機ポリマーの分解が顕著と
なるため必要な機械的復元性および破壊強度が得られな
い、すなわち、粒子の10%変形後の残留変位が0〜5
%にならないし、しかも、硬すぎて粒子の10%圧縮弾
性率が3000kg/mm2を越えてしまう。更に、熱処理
する際の雰囲気は何ら制限なく用い得るが、有機ポリマ
ーの分解を抑制し、必要な機械的復元性を得るために
は、雰囲気中の酸素濃度が10容量%以下である場合も
しくは真空中である場合がより好ましい。熱処理温度が
200℃〜800℃の範囲だと、本発明の有機質無機質
複合体粒子を得るためには熱処理する際の雰囲気中の酸
素濃度が10容量%以下であることが好ましく、熱処理
温度が200℃以下だと、空気中でも本発明の有機質無
機質複合体粒子が生成する。
【0067】有機質無機質複合体粒子を作る場合、上述
した原料、無機微粒子、加水分解縮合のための水・触
媒、モノマー、ラジカル重合開始剤の種類および/また
は量、熱処理温度・時間・雰囲気中の酸素濃度を適宜選
定することによって、ポリシロキサン骨格のSiO2
量を25wt%以上で任意に制御でき、かつ、平均粒子
径を0.5μm以上で任意に制御できる有機質無機質複
合体粒子が得られる。上記した有機質無機質複合体粒子
の製造方法は、上述した縮合工程と重合工程と熱処理工
程とを含むので、ポリシロキサン骨格と有機ポリマー骨
格とがSi−C結合により化学結合した構造を有し、ポ
リシロキサン骨格の特徴である大きな硬度と、有機ポリ
マー骨格の特徴である高い機械的復元性および破壊強度
とを有する有機質無機質複合体粒子を生成することがで
きる。このため、生成した複合体粒子は、正確な間隔で
配置されるべき1対の部材間の隙間距離を一定に保持す
るために必要な機械的復元性と少ない個数で前記隙間距
離を一定に保持するために必要な硬度および破壊強度と
を有するとともに、それらの部材に対して物理的ダメー
ジを与えにくい。しかも、この製造方法により得られた
複合体粒子は、0.5μm以上の平均粒子径を有するの
で、1対の部材間に隙間を形成するのに有用である。
【0068】縮合工程、重合工程、再縮合工程および熱
処理工程から選ばれる少なくとも1つの工程中および/
または後に、生成した粒子を着色することにより着色さ
れた有機質無機質複合体粒子が得られる。上記製造方法
において、製造時の適宜の工程において染料および/ま
たは顔料を共存させて粒子中に染料および/または顔料
を導入することにより着色された有機質無機質複合体粒
子を生成することができる。好ましくは、上記製造方法
において縮合工程に染料及び/又は顔料を用いることに
よって着色される。染料および染色の色としては、上記
したものが挙げられる。中でも、塩基性染料が好まし
い。これは、ポリシロキサン中のシラノール基が酸性で
あるため、塩基性(カチオン性)染料が吸着されやす
く、染色されやすいからである。顔料は、たとえば、カ
ーボンブラック、鉄黒、クロムバーミリオン、モリブデ
ン赤、べんがら、黄鉛、クロム緑、コバルト緑、群青、
紺青などの無機顔料;フタロシアニン系、アゾ系、キナ
クリドン系などの有機顔料がある。しかしながら、顔料
は、その平均粒子径が0.4μm以下でないと、本発明
の複合体粒子中に導入されない場合があるので、染料を
使用する方が好ましい。このようにして着色された本発
明の有機質無機質複合体粒子は、上述した硬度と機械的
復元性と破壊強度とを兼ね備えているので、液晶表示板
の画質向上に特に有用である。 〔導電性粒子〕本発明の導電性粒子は、有機ポリマー骨
格と、前記有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素
原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子
内に有するポリシロキサン骨格とを含み、0.5μm以
上の平均粒子径を有する有機質無機質複合体粒子と、前
記有機質無機質複合体粒子表面に形成された導体層とを
有する。前記有機質無機質複合体粒子は、ポリシロキサ
ン骨格を構成するSiO 2の量が25wt%以上である
ことが好ましい。その他の実施態様については、本発明
の第1の有機質無機質複合体粒子と同様である。
【0069】本発明の導電性粒子は、有機ポリマー骨格
と、前記有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原
子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内
に有するポリシロキサン骨格とを含み、前記ポリシロキ
サン骨格を構成するSiO2の量が好ましくは25wt
%以上であり、0.5μm以上の平均粒子径を有する有
機質無機質複合体粒子を有するので、電気的に接続され
る1対の電極間の隙間距離を一定に保持するために必要
な機械的復元性と少ない個数で前記隙間距離を一定に保
持するために必要な硬度および破壊強度とを有するとと
もに、電極に対して物理的ダメージを与えにくい。この
ため、1対の電極間の隙間距離を一定に保持しやすく、
加圧による導体層の剥がれ落ち・電気的に接続されるべ
きではない電極間のショート・電気的に接続されるべき
電極間の接触不良が防がれる。
【0070】導体層に使用される金属は、従来公知のも
のが挙げられ、たとえば、ニッケル、金、銀、銅、イン
ジウムやこれらの合金等が挙げられるが、特に、ニッケ
ル、金、インジウムは導電性が高いので好ましい。導体
層の厚みは、充分な導通があれば特に限定されないが、
0.01〜5μmの範囲が好ましく、0.02〜2μm
の範囲が特に好ましい。厚みが前記範囲よりも薄いと導
電性が不充分となることがあり、前記範囲よりも厚いと
粒子と導体層の熱膨張率の差により導体層が剥がれ落ち
やすくなる。導体層は、1層でも2層以上でも良く、2
層以上の場合には異なる導体からなる層が上下に配され
てもよい。
【0071】本発明の有機質無機質複合体粒子表面に導
体層を形成する方法としては、従来公知の方法がとら
れ、特に限定されないが、たとえば、化学メッキ(無電
解メッキ)法、コーティング法、PVD(真空蒸着、ス
パッタリング、イオンプレーティングなど)法などが挙
げられ、中でも、化学メッキ方法が容易に本発明の導電
性粒子が得られるので好ましい。このようにして得られ
る本発明の導電性粒子は、上述した本発明の有機質無機
質複合体粒子の特徴である硬度と機械的復元性とを兼ね
備えている。このため、液晶表示板、LSI、プリント
配線基板等のエレクトロニクスの電気的接続材料として
特に有用である。 〔液晶表示板用スペーサー〕本発明の有機質無機質複合
体粒子は、液晶表示板用スペーサーとして使用すること
ができる。
【0072】本発明の有機質無機質複合体粒子からなる
液晶表示板用スペーサー(第1の液晶表示板用スペーサ
ー)は、正確な間隔で配置されるべき1対の電極基板間
の隙間距離を一定に保持するために必要な機械的復元性
と少ない個数で前記隙間距離を一定に保持するために必
要な硬度および破壊強度とを有するとともに、電極基板
に対して物理的ダメージを与えにくい。このため、1対
の電極基板間の隙間距離を一定に保持しやすく、加圧に
よる蒸着層・配向膜・コート層が損傷を受けにくくな
り、低温環境における収縮が液晶の収縮に近くなり、電
極基板間における散布個数が低減する。
【0073】上述したように、本発明の有機質無機質複
合体粒子は、ポリシロキサン骨格と有機ポリマー骨格と
の両方を含有し、かつ、ポリシロキサン骨格と有機ポリ
マー骨格とが化学結合した複合化した粒子であり、無機
質の特徴である大きな硬度と有機ポリマーの特徴である
高い機械的復元性および破壊強度とを兼ね備えた粒子で
あるため、液晶表示板用スペーサーとして好適に使用さ
れる。本発明の有機質無機質複合体粒子が染料および/
または顔料を含むことで着色されたものであるときに
は、前記第1の液晶表示板用スペーサーは着色スペーサ
ーとして有用である。
【0074】液晶表示板において、電極基板間に電圧を
印加することにより、液晶は光学的変化を生じて画像を
形成する。これに対しスペーサーは、電圧印加によって
光学的変化を示さない。従って、画像を表示させた時の
暗部において、着色されていないスペーサーは、光抜け
が生じ、輝点として確認される場合があり、画質のコン
トラストを低下することがある。第1の液晶表示板用ス
ペーサーは、染料および/または顔料を含むことで着色
された本発明の有機質無機質複合体粒子からなるときに
は、着色されているため光抜けを生じにくくして画質の
コントラスト低下を防ぎ、しかも、上述した本発明の複
合体粒子の特徴である硬度と機械的復元性と破壊強度と
を兼ね備えているので、液晶表示板の画質を向上するた
めに特に有用である。着色された液晶表示板用スペーサ
ーの好ましい色は、光が透過しにくいかまたは透過しな
い色である。たとえば、黒、濃青、紺、紫、青、濃緑、
緑、茶、赤等の色が挙げられるが、特に好ましくは、
黒、濃青、紺色である。
【0075】また、本発明の第1の有機質無機質複合体
粒子と、有機質無機質複合体粒子表面に形成された接着
剤層とを含んだ液晶表示板用スペーサー及び本発明の第
2の有機質無機質複合体粒子(第2の液晶表示板用スペ
ーサー)は接着性スペーサーとして有用である。接着剤
層は、たとえば、加熱すると接着性を示すものである。
第2の液晶表示板用スペーサーは、液晶表示板を構成す
る電極基板の間に介在して加熱加圧されることにより、
接着剤層が溶融して電極基板に付着し、接着剤層が冷却
固化することにより固着する。このため、第2の液晶表
示板用スペーサーは、電極基板の隙間において移動しに
くくなるので、配向膜の損傷防止や隙間距離の均一性を
維持でき、画質向上を図ることができる。接着剤層とし
ては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂のガラス
転移温度が150℃以下が好ましく、80℃以下がより
一層好ましい。これは、短時間の加熱加圧で基板と接着
するからである。ガラス転移温度が高すぎると、加熱し
ても基板と接着しない場合があり、逆に低すぎると、ス
ペーサー同士が融着し易くなるので、最も好ましくは4
0〜80℃の範囲である。また、熱可塑性樹脂の種類と
しては、特に限定されないが、好ましくは(メタ)アク
リル系樹脂である。接着剤層は、1層でも2層以上でも
良く、2層以上の場合には異なる熱可塑性樹脂からなる
層が上下に配されてもよい。
【0076】第2の液晶表示板用スペーサーは、たとえ
ば、有機質無機質複合体粒子を接着剤層で被覆すること
によって得られる。接着剤として熱可塑性樹脂を用いる
場合、具体的には、In situ重合法、コーアセル
ベーション法、界面重合法、液中硬化被覆法、液中乾燥
法、高速気流中衝撃法、気中懸濁被覆法、スプレードラ
イング法等の従来公知の樹脂被覆方法によって有機質無
機質複合体粒子表面が熱可塑性樹脂層で被覆される。高
速気流中衝撃法は、簡単に被覆することができるので好
ましい。高速気流中衝撃法は、たとえば、有機質無機質
複合体粒子と熱可塑性樹脂の粉体とを混合し、この混合
物を気相中に分散させ、衝撃力を主体とする機械的熱的
エネルギーを複合体粒子と熱可塑性樹脂粉体とに与える
ことで、有機質無機質複合体粒子表面を熱可塑性樹脂で
被覆する方法であり、簡便に被覆することができるので
好ましい。
【0077】このような高速気流中衝撃法を利用した装
置としては、奈良機械製作所(株)製ハイブリダイゼー
ションシステムや、ホソカワミクロン(株)製メカノフ
ュージョンシステム、川崎重工業(株)製クリプトロン
システム等がある。第2の液晶表示板用スペーサーは、
上述した本発明の有機質無機質複合体粒子の特徴である
硬度と機械的復元性と破壊強度とを兼ね備え、かつ接着
性を有しているので、液晶表示板の画質向上に特に有用
である。第2の液晶表示板用スペーサーは、有機質無機
質複合体粒子が染料および/または顔料を含むことで着
色されているときには、着色されているため光抜けを生
じにくく画質のコントラスト低下を防ぎ、接着性を有す
るため電極基板の隙間において移動しにくくなって配向
膜の損傷防止や隙間距離の均一性を維持でき、しかも、
上述した本発明の複合体粒子の特徴である硬度と機械的
復元性と破壊強度とを兼ね備えているので、着色スペー
サーとしても有用な接着性スペーサーであり、液晶表示
板の画質を向上するために特に有用である。 〔液晶表示板〕従来の液晶表示板において、従来のスペ
ーサーの代わりに、上述したような本発明の有機質無機
質複合体粒子からなる液晶表示板用スペーサーを電極基
板間に介在させた液晶表示板は、同スペーサーの粒子径
と同じかまたはほぼ同じ隙間距離を有する。使用される
スペーサーの量は、通常40〜100個/mm2、好まし
くは40〜80個/mm2と、従来の有機質粒子スペーサ
ーに比べると10〜50%程度少なくなっており、画像
を形成しない部分の面積が少なくなり、また、イオンや
分子等の不純物がスペーサー内部から液晶層中へ溶出す
る量も減少する。このため、コントラストが高くなり、
ざらつきが減り、表示品位の向上が期待される。
【0078】このような液晶表示板は、たとえば、第1
電極基板と第2電極基板と液晶表示板用スペーサーとシ
ール材と液晶とを備えている。第1電極基板は、第1基
板と、第1基板の表面に形成された第1電極とを有す
る。第2電極基板は、第2基板と、第2基板の表面に形
成された第2電極とを有し、第1電極基板と対向してい
る。液晶表示板用スペーサーは、第1電極基板と第2電
極基板との間に介在している。シール材は、第1電極基
板と第2電極基板とを周辺部で接着する。液晶は、第1
電極基板と第2電極基板とシール材とで囲まれた空間に
充填されている。このような液晶表示板には、電極基
板、シール材、液晶など、スペーサー以外のものは従来
と同様のものが同様のやり方で使用することができる。
電極基板は、ガラス基板、フィルム基板などの基板と、
基板の表面に形成された電極とを有しており、必要に応
じて、電極基板の表面に電極を覆うように形成された配
向膜をさらに有する。シール材としては、エポキシ樹脂
接着シール材などが使用される。液晶としては、従来よ
り用いられているものでよく、たとえば、ビフェニル
系、フェニルシクロヘキサン系、シッフ塩基系、アゾ
系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ターフェニル
系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、ビフェニル
シクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シク
ロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシル
エタン系、シクロヘキセン系、フッ素系などの液晶が使
用できる。
【0079】このような液晶表示板を作製する方法とし
ては、たとえば、本発明の有機質無機質複合体粒子から
なるスペーサーを面内スペーサーとして2枚の電極基板
のうちの一方の電極基板に湿式法または乾式法により均
一に散布したものに、本発明の有機質無機質複合体粒子
からなるスペーサーをシール部スペーサーとしてエポキ
シ樹脂等の接着シール材に分散させた後、もう一方の電
極基板の接着シール部分にスクリーン印刷などの手段に
より塗布したものを載せ、適度の圧力を加え、100〜
180℃の温度で1〜60分間の加熱、または、照射量
40〜300mJ/cm2の紫外線照射により、接着シー
ル材を加熱硬化させた後、液晶を注入し、注入部を封止
して、液晶表示板を得る方法を挙げることができるが、
液晶表示板の作製方法によって本発明が限定されるもの
ではない。面内スペーサーとしては、本発明の有機質無
機質複合体粒子からなる液晶表示板用スペーサーの中で
も、前記着色された第1の液晶表示板用スペーサーが光
抜けを生じにくいので好ましく、前記第2の液晶表示板
用スペーサーが基板に固着して移動しにくいのでより好
ましく、着色された第2の液晶表示板用スペーサーが光
抜けを生じにくく基板に固着して移動しにくいのでさら
に好ましい。
【0080】このような液晶表示板は、従来の液晶表示
板と同じ用途、たとえば、テレビ、パーソナルコンピュ
ーター、ワードプロセッサーなどの画像表示素子として
使用される。
【0081】
【実施例】以下に、本発明の実施例と、本発明の範囲を
外れた比較例とを示すが、本発明は下記実施例に限定さ
れない。下記実施例中の液晶表示板は、以下の方法によ
り作製した。図1にみるように、まず、300mm×34
5mm×1.1mmの下側ガラス基板11上に、電極(たと
えば、透明電極)5及びポリイミド配向膜4を形成した
後、ラビングを行って下側電極基板110を得た。その
下側電極基板110に、メタノール30容量部、イソプ
ロパノール20容量部、水50容量部の混合溶媒中に本
発明の有機質無機質複合体粒子からなる液晶表示板用ス
ペーサー(この場合、面内スペーサー)8が1重量%と
なるように均一に分散させたものを、1〜10秒間散布
した。
【0082】一方、300mm×345mm×1.1mmの上
側ガラス基板12上に、電極(たとえば、透明電極)5
及びポリイミド配向膜4を形成した後、ラビングを行っ
て上側電極基板120を得た。そして、エポキシ樹脂接
着シール材2中に本発明の有機質無機質複合体粒子から
なる液晶表示板用スペーサー(この場合、シール部スペ
ーサー)3が30容量%となるように分散させたもの
を、上側電極基板120の接着シール部分にスクリーン
印刷した。最後に、上下側電極基板120,110を、
電極5及び配向膜4がそれぞれ対向するように、本発明
の有機質無機質複合体粒子からなるスペーサー8を介し
て貼り合わせ、4kg/cm2の圧力を加え、150℃の温
度で30分間加熱し、接着シール材2を加熱硬化させ
た。その後、2枚の電極基板120,110の隙間を真
空とし、さらに、大気圧に戻すことにより、作製する液
晶表示板の種類に応じてビフェニル系及びフェニルシク
ロヘキサン系などの液晶物質を混合した液晶7を注入
し、注入部を封止した。そして、上下ガラス基板12,
11の外側にPVA(ポリビニルアルコール)系偏光膜
6を貼り付けて液晶表示板とした。
【0083】スペーサー8は、図2に示すように、着色
されていない本発明の有機質無機質複合体粒子31から
なるものであってもよい。このときには、製造時のプレ
スによる電極基板の物理的損傷が起こりにくいし、低温
発泡と画像ムラとが発生しにくい。しかも、従来のポリ
マー粒子からなるスペーサーに比べてスペーサーの個数
を減らすことができるので、画像を形成しない部分の面
積が減り、不純物の液晶への溶出量も減る。このため、
コントラストの向上など表示品位の向上ができる。スペ
ーサー8は、図3に示すように、着色されている本発明
の有機質無機質複合体粒子32からなるものであっても
よい。このときには、スペーサー8による光抜けが起こ
りにくくなるので、輝点が目立たなくなり、表示品位が
より向上するという利点がさらに得られる。
【0084】スペーサー8は、図4に示すように、着色
されていない本発明の有機質無機質複合体粒子31とこ
の粒子31表面に形成された接着剤層33とを含むもの
であってもよい。このときには、スペーサーが移動しに
くくなるため、配向膜の損傷が防がれ、表示品位の向上
をより高めるという利点がさらに得られる。スペーサー
8は、図5に示すように、着色された本発明の有機質無
機質複合体粒子32とこの粒子32表面に形成された接
着剤層33とを含むものであってもよい。このときに
は、スペーサー8による光抜けが起こりにくくなるの
で、輝点が目立たなくなり、表示品位がより向上すると
いう利点と、スペーサーが移動しにくくなるため、配向
膜の損傷が防がれ、表示品位の向上をより高めるという
利点とがさらに得られる。
【0085】本発明の導電性粒子は、図6に示すよう
に、有機質無機質複合体粒子34とこの粒子34表面に
形成された導体層35とを含む。導体層35は、たとえ
ば、無電解メッキにより形成された金属被膜であり、1
層でも2層以上でもよい。得られた液晶表示板の評価方
法に関して、低温発泡についてはマイナス45℃で10
00時間保持後の画像表示の有無を、画像ムラ及び画素
欠陥については室温(25℃)におけるそれらの有無を
それぞれ目視により観察して行った。 〔実施例1〕冷却管、温度計、滴下口のついた四つ口フ
ラスコ中に25%アンモニア水溶液2.9g、メタノー
ル10.1g、水141.1gを混合した溶液(A液)
を入れ、25±2℃に保持し、攪拌しながら該溶液中
に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2
7g、メタノール54g、ラジカル重合開始剤として
2,2′−アゾビス−(2.4−ジメチルバレロニトリ
ル)0.14gを混合した溶液(B液)を滴下口から添
加して、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンの加水分解・縮合を行った。攪拌を継続しながら20
分後、N2雰囲気中で70±5℃に加熱し、ラジカル重
合を行った。
【0086】2時間加熱を続けた後、室温まで冷却し、
重合体粒子の懸濁体を得た。この懸濁体を濾過により固
液分離し、得られたケーキをメタノールによる洗浄を3
回繰り返して行い、得られた重合体粒子を真空乾燥機中
で200℃で2時間真空乾燥して複合体粒子(1)を得
た。得られた複合体粒子(1)は、平均粒子径4.24
μm、変動係数3.8%、ポリシロキサン骨格を構成す
るSiO2の量34.7wt%、10%圧縮弾性率48
0kg/mm2、10%変形後の残留変位2.2%、破
壊強度2.4gであった。複合体粒子(1)について、
FT−IR分析により、有機ポリマー骨格の−CH2
CH2−に帰属されるスペクトル(650〜800c
m-1)と−Si−CH2−に帰属されるスペクトル(11
50〜1300cm-1)とを確認した。
【0087】これらの結果から、複合体粒子(1)は、
有機ポリマー骨格と、有機ポリマー骨格中の少なくとも
1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケ
イ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含む有機
質無機質複合体粒子であることがわかる。この複合体粒
子(1)を用いて公知の方法によりB版大のSTN型液
晶表示板を作製した。その結果、現存する有機質粒子ス
ペーサー(株式会社日本触媒製エポスターGP−H)に
対して散布個数を10%以上減少させることができ、ま
た、シリカ焼成物粒子やゾル−ゲル法による未焼成シリ
カ粒子を用いたときに生じる低温発泡も画像ムラも生じ
なかった。
【0088】〔実施例2〕実施例1において、B液の組
成をγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1
9.2g、メタノール51g、2,2′−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.10g、テト
ラエトキシシランの2〜5量体(多摩化学株式会社製
「シリケート40」SiO2として40wt%)4.2
gに変えたこと以外は実施例1の操作を繰り返して、複
合体粒子(2)を得た。得られた複合体粒子(2)は、
平均粒子径2.02μm、変動係数7.4%、ポリシロ
キサン骨格を構成するSiO2の量42.7wt%、1
0%圧縮弾性率720kg/mm2、10%変形後の残
留変位3.6%、破壊強度1.0gであった。複合体粒
子(2)について、実施例1と同様にして、−CH2
CH2−に帰属されるスペクトル(650〜800c
m-1)と−Si−CH2−に帰属されるスペクトル(11
50〜1300cm-1)とを確認した。
【0089】この複合体粒子(2)を用いて公知の方法
によりB5版大の強誘電性液晶表示板を作製したとこ
ろ、実施例1と同様の結果が得られた。 〔実施例3〕実施例1において、B液の組成をγ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン40.5g、メ
タノール50.6g、2,2′−アゾビス−(4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)0.20g、
ジビニルベンゼン4.5gに変え、A液を50±5℃に
保持してN2雰囲気中で攪拌しながらB液を20分間か
けて滴下し、加水分解・縮合しながらラジカル重合を行
ったこと以外は実施例1の操作を繰り返して、複合体粒
子(3)を得た。
【0090】得られた複合体粒子(3)は、平均粒子径
8.91μm、変動係数4.8%、ポリシロキサン骨格
を構成するSiO2の量29.5wt%、10%圧縮弾
性率370kg/mm2、10%変形後の残留変位2.
8%、破壊強度9.7gであった。複合体粒子(3)に
ついて、実施例1と同様にして、−CH2−CH2−に帰
属されるスペクトル(650〜800cm-1)と−Si−
CH2−に帰属されるスペクトル(1150〜1300c
m-1)とを確認した。この複合体粒子(3)を用いて公
知の方法によりB5版大のTN型液晶表示板を作製した
ところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0091】〔実施例4〕実施例1において、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシランの代わりにビニ
ルトリメトキシシランを用い、200℃で2時間真空乾
燥した後にN2雰囲気中で600℃で2時間焼成したこ
と以外は実施例1の操作を繰り返して、複合体粒子
(4)を得た。得られた複合体粒子(4)は、平均粒子
径4.18μm、変動係数7.2%、ポリシロキサン骨
格を構成するSiO2の量40.9wt%、10%圧縮
弾性率1050kg/mm2、10%変形後の残留変位
3.2%、破壊強度1.9gであった。複合体粒子
(4)について、実施例1と同様にして、−CH2−C
2−に帰属されるスペクトル(650〜800cm-1
と−Si−CH2−に帰属されるスペクトル(1150
〜1300cm-1)とを確認した。
【0092】この複合体粒子(4)を用いて公知の方法
によりB5版大のSTN型液晶表示板を作製したとこ
ろ、実施例1と同様の結果が得られた。 〔実施例5〕実施例1において、A液にシリカゾル(日
産化学株式会社製「スノーテックス−XS」SiO2
0wt%、粒子径4〜6nm)15gを加えたこと以外
は実施例1の操作を繰り返して、複合体粒子(5)を得
た。得られた複合体粒子(5)は、平均粒子径4.77
μm、変動係数4.0%、ポリシロキサン骨格を構成す
るSiO2の量42.0wt%、10%圧縮弾性率11
30kg/mm2、10%変形後の残留変位2.5%、
破壊強度3.8gであった。複合体粒子(5)につい
て、実施例1と同様にして、−CH2−CH2−に帰属さ
れるスペクトル(650〜800cm-1)と−Si−CH
2−に帰属されるスペクトル(1150〜1300c
m-1)とを確認した。
【0093】この複合体粒子(5)を用いて公知の方法
によりB5版大のTFT型液晶表示板を作製したとこ
ろ、実施例1と同様の結果が得られた。 〔実施例6〜9〕実施例5において、シリカゾルの種類
および量を表1に示すように変えたこと以外は実施例5
の操作を繰り返して、複合体粒子(6)〜(9)を得
た。得られた複合体粒子(6)〜(9)の、平均粒子
径、変動係数、ポリシロキサン骨格を構成するSiO2
の量、10%圧縮弾性率、10%変形後の残留変位、破
壊強度を表1に示した。複合体粒子(6)〜(9)につ
いて、実施例1と同様にして、−CH2−CH2−に帰属
されるスペクトル(650〜800cm-1)と−Si−C
2−に帰属されるスペクトル(1150〜1300cm
-1)とを確認した。
【0094】複合体粒子(6)〜(9)を用いて公知の
方法によりB5版大のSTN型液晶表示板を作製したと
ころ、いずれも実施例1と同様の結果が得られた。 〔実施例10〕実施例8において得られた複合体粒子
(8)を更に窒素95容量%、酸素5容量%の混合気体
中で400℃で2時間熱処理し、複合体粒子(10)を
得た。得られた複合体粒子(10)の、平均粒子径、変
動係数、ポリシロキサン骨格を構成するSiO2の量、
10%圧縮弾性率、10%変形後の残留変位、破壊強度
を表1に示した。複合体粒子(10)について、実施例
1と同様にして、−CH2−CH2−に帰属されるスペク
トル(650〜800cm-1)と−Si−CH2−に帰属
されるスペクトル(1150〜1300cm-1)とを確認
した。
【0095】複合体粒子(10)を用いて公知の方法に
よりB5版大のSTN型液晶表示板を作製したところ、
いずれも実施例1と同様の結果が得られた。
【0096】
【表1】
【0097】〔実施例11〕酸性染料であるKayac
yl Sky Blue R(日本化薬株式会社製)5
gを水100gに溶解した溶液と、実施例8で得られた
複合体粒子(8)10gを水500gに分散した分散液
とを混合し、オートクレーブ中で150℃で1時間加圧
加熱処理した。処理後、濃青色に着色された粒子を濾過
で捕集し、更に水洗を3回繰り返した後、200℃で真
空乾燥して濃青色に着色された複合体粒子(11)を得
た。得られた複合体粒子(11)は、平均粒子径4.2
6μm、変動係数6.3%、ポリシロキサン骨格を構成
するSiO2の量40.0wt%、10%圧縮弾性率9
20kg/mm2、10%変形後の残留変位3.0%、
破壊強度3.0gであった。複合体粒子(11)につい
て、実施例1と同様にして、−CH2−CH2−に帰属さ
れるスペクトル(650〜800cm-1)と−Si−CH
2−に帰属されるスペクトル(1150〜1300c
m-1)とを確認した。
【0098】この複合体粒子(11)を用いて公知の方
法によりB5版大のSTN型液晶表示板を作製したとこ
ろ、実施例8と同様の結果が得られると共に、輝点(光
抜け)が少なかった。 〔実施例12〕塩基性染料であるKayacryl B
lack NP200(日本化薬株式会社製)5gを水
300gに溶解し、酢酸を加えてpH4とした後、実施
例8で得られた複合体粒子(8)10gを加えて良く攪
拌しながら95℃で8時間加熱して黒色に着色された複
合体粒子(12)を得た。
【0099】得られた複合体粒子(12)は、平均粒子
径4.41μm、変動係数5.7%、ポリシロキサン骨
格を構成するSiO2の量40.2wt%、10%圧縮
弾性率920kg/mm2、10%変形後の残留変位
2.8%、破壊強度3.4gであった。複合体粒子(1
2)について、実施例1と同様にして、−CH2−CH2
−に帰属されるスペクトル(650〜800cm-1)と−
Si−CH2−に帰属されるスペクトル(1150〜1
300cm-1)とを確認した。この複合体粒子(12)を
用いて公知の方法によりB5版大のSTN型液晶表示板
を作製したところ、実施例11と同様の結果が得られ
た。
【0100】〔実施例13〕実施例8において、A液に
塩基性染料であるKayacryl BlackNP2
00(日本化薬株式会社製)1gを加えたこと以外は実
施例8の操作を繰り返して黒色に着色された複合体粒子
(13)を得た。得られた複合体粒子(13)は、平均
粒子径4.53μm、変動係数5.1%、ポリシロキサ
ン骨格を構成するSiO2の量40.4wt%、10%
圧縮弾性率970kg/mm2、10%変形後の残留変
位2.5%、破壊強度3.6gであった。複合体粒子
(13)について、実施例1と同様にして、−CH2
CH2−に帰属されるスペクトル(650〜800c
m-1)と−Si−CH2−に帰属されるスペクトル(11
50〜1300cm-1)とを確認した。
【0101】この複合体粒子(13)を用いて公知の方
法によりB5版大のSTN型液晶表示板を作製したとこ
ろ、実施例11と同様の結果が得られた。 〔実施例14〕実施例8で得られた複合体粒子(8)3
0gと熱可塑性樹脂粒子(メチルメタクリレート84w
t%とn−ブチルアクリレート16wt%との共重合
体、ガラス転移温度70℃、平均粒子径0.3μm)2
gとを混合し、更に奈良機械製作所製ハイブリダイゼー
ションシステムNHS−O型を使用して複合体粒子
(8)の表面を熱可塑性樹脂で被覆して表面に接着層を
有する複合体粒子(14)を得た。得られた、接着層を
有する複合体粒子(14)をSEMで観察したところ、
複合体粒子(8)の表面は完全に熱可塑性樹脂で被覆さ
れており、その断面をTEMで観察したところ、被覆層
の厚みは0.2μmであった。
【0102】この接着層を有する複合体粒子(14)を
用いて公知の方法によりB5版大のSTN型液晶表示板
を作製したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
また、得られた液晶表示板を振動機を用いて振動する前
と振動した後とに同様に表示させたところ全く変化がな
かった。 〔実施例15〕実施例14において、複合体粒子(8)
の代わりに実施例13で得られた黒色に着色された複合
体粒子(13)を使用したこと以外は実施例14の操作
を繰り返して、表面に接着層を有する黒色に着色された
複合体粒子(15)を得た。得られた、接着層を有する
黒色に着色された複合体粒子(15)をSEMで観察し
たところ、複合体粒子(13)の表面は完全に熱可塑性
樹脂で被覆されており、その断面をTEMで観察したと
ころ、被覆層の厚みは0.2μmであった。
【0103】この接着層を有する黒色に着色された複合
体粒子(15)を用いて公知の方法によりB5版大のS
TN型液晶表示板を作製したところ、実施例14と同様
の結果が得られた。 〔実施例16〕実施例8で得られた複合体粒子(8)に
無電解Niメッキを施して導電性粒子(16)を得た。
得られた導電性粒子(16)は、平均粒子径4.92μ
m、変動係数5.4%であった。得られた導電性粒子
(16)をSEMとXMAで観察したところ、導電性粒
子(16)の表面は完全にNiでメッキ被覆されてお
り、その断面をTEMで観察したところ、被覆層の厚み
は0.3μmであった。
【0104】〔実施例17〕実施例8で得られた複合体
粒子(8)に無電解Niメッキを施した後、更に無電解
金メッキを施し、導電性粒子(17)を得た。得られた
導電性粒子(17)は、平均粒子径5.05μm、変動
係数5.5%であった。得られた導電性粒子(17)を
SEMとXMAで観察したところ、導電性粒子(17)
の表面は完全にNiでメッキ被覆され、その上にAuで
メッキ被覆されており、その断面をTEMで観察したと
ころ、被覆層の厚みは0.5μmであった。 〔実施例18〕実施例1で得られた重合体粒子(1)の
懸濁体をデカンテーションにより固液分離し、得られた
ケーキを室温下で一晩乾燥した。この乾燥物から5g採
取し、イソプロピルアルコール200g中に超音波分散
させた後、この分散液にジブチル錫ジラウレート0.5
gを添加して攪拌しながら80℃で2時間加熱した。こ
れにより、再縮合粒子(18)の懸濁体を得、実施例1
と同様にして固液分離・洗浄・乾燥を行って、複合体粒
子(18)を得た。
【0105】得られた複合体粒子(18)は、平均粒子
径4.20μm、変動係数3.9%、ポリシロキサン骨
格を構成するSiO2の量35.1wt%、10%圧縮
弾性率950kg/mm2、10%変形後の残留変位
1.8%、破壊強度3.0gであった。複合体粒子(1
8)について、実施例1と同様にして、−CH2−CH2
−に帰属されるスペクトル(650〜800cm-1)と−
Si−CH2−に帰属されるスペクトル(1150〜1
300cm-1)とを確認した。この複合体粒子(18)を
用いて公知の方法によりB5版大のSTN型液晶表示板
を作製したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0106】〔実施例19〕冷却管、温度計、滴下口の
ついた四つ口フラスコ中にN2雰囲気中で25%アンモ
ニア水溶液1.8g、水154.8gを混合した溶液を
入れ、40±2℃に保持し、攪拌しながら該溶液中に、
p−トリメトキシシリルスチレン29g、メタノール7
0g、ラジカル重合開始剤として2,2′−アゾビス
(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)
0.12gを混合した溶液を滴下口から添加して、p−
トリメトキシシリルスチレンの加水分解・縮合を行っ
た。攪拌を継続しながら7分後、N2雰囲気中で55±
5℃に加熱し、ラジカル重合を行った。
【0107】15分加熱を続けた後、室温まで冷却し、
重合体粒子の懸濁体を得た。この懸濁体を濾過により固
液分離し、得られたケーキをメタノールによる洗浄を3
回繰り返して行い、得られた重合体粒子をN2雰囲気中
で350℃で2時間加熱して複合体粒子(19)を得
た。得られた複合体粒子(19)は、平均粒子径2.6
0μm、変動係数6.9%、ポリシロキサン骨格を構成
するSiO2の量36.7wt%、10%圧縮弾性率7
45kg/mm2、10%変形後の残留変位1.8%、
破壊強度1.2gであった。複合体粒子(19)につい
て、実施例1と同様にして、有機ポリマー骨格の−CH
2−CH2−に帰属されるスペクトル(650〜800cm
-1)と−Si−C64−に帰属されるスペクトル(14
00〜1450cm-1、700〜710cm-1)とを確認し
た。
【0108】これらの結果から、複合体粒子(19)
は、有機ポリマー骨格と、有機ポリマー骨格中の少なく
とも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有
機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含む
有機質無機質複合体粒子であることがわかる。この複合
体粒子(19)を用いて公知の方法によりB5版大の強
誘電性液晶表示板を作製したところ、実施例1と同様の
結果が得られた。 〔実施例20〕カーボンブラックであるラベン1255
(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製)500gに
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン500g
を加えて、熱ロールにて80〜90℃で3回混練したも
の13gを、実施例1におけるB液中に分散させたもの
をB液として用いた以外は実施例1の操作を繰り返し
て、黒色に着色された複合体粒子(20)を得た。
【0109】得られた複合体粒子(20)は、平均粒子
径3.92μm、変動係数3.2%、ポリシロキサン骨
格を構成するSiO2の量27.8wt%、10%圧縮
弾性率837kg/mm2、10%変形後の残留変位
2.3%、破壊強度2.5gであった。複合体粒子(2
0)について、実施例1と同様にして、有機ポリマー骨
格の−CH2−CH2−に帰属されるスペクトル(650
〜800cm-1)と−Si−CH2−に帰属されるスペク
トル(1150〜1300cm-1)とを確認した。これら
の結果から、複合体粒子(20)は、有機ポリマー骨格
と、有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子に
ケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有
するポリシロキサン骨格とを含む有機質無機質複合体粒
子であることがわかる。
【0110】この複合体粒子(20)を用いて公知の方
法によりB5版大のTFT型液晶表示板を作製したとこ
ろ、実施例1と同様の結果が得られた。 〔比較例1〕実施例1で得られた複合体粒子(1)を更
に950℃で2時間熱処理して粒子を得た。この粒子の
ポリシロキサン骨格を構成するSiO2の量は99.8
wt%であり、FT−IR分析結果からも有機ポリマー
骨格が分解・燃焼してしまったシリカ粒子であることが
わかった。得られた粒子の10%圧縮弾性率は3250
kg/mm2、10%変形後の残留変位は6.2%であっ
た。この粒子を用いて、公知の方法によりB5版大のT
FT型液晶表示板を作製したところ、電極基板上のTF
Tの断線による画素欠陥が生じ、かつ、粒子の機械的復
元性が充分でないため画像のムラが生じた。
【0111】上記実施例で得られた液晶表示板の面内に
散布された、本発明のスペーサー個数は、散布面を縦、
横それぞれ3等分して合計9つの区域のそれぞれにおい
て任意の1mm2内の本発明のスペーサーの個数を光学顕
微鏡により計数し、計9区域の個数の平均値をもって、
散布個数とした。結果は、以下のとおりであった。 実施例1…散布個数73個/mm2 実施例10…散布個数63個/mm2 実施例2…散布個数70個/mm2 実施例11…散布個数70個/mm2 実施例3…散布個数69個/mm2 実施例12…散布個数69個/mm2 実施例4…散布個数68個/mm2 実施例13…散布個数71個/mm2 実施例5…散布個数69個/mm2 実施例14…散布個数69個/mm2 実施例6…散布個数66個/mm2 実施例15…散布個数70個/mm2 実施例7…散布個数64個/mm2 実施例18…散布個数65個/mm2 実施例8…散布個数68個/mm2 実施例19…散布個数75個/mm2 実施例9…散布個数52個/mm2 実施例20…散布個数63個/mm2 〔比較例2〕実施例1記載の現存する有機質粒子スペー
サーを用いて、公知の方法によりB5版大のSTN型液
晶表示板を作製したところ、画像ムラが顕著に現れ、液
晶表示板として使用に耐えないものであった。このと
き、スペーサーの散布個数は、上記のような計数方法に
よれば66個/mm2であった。
【0112】(比較例3)攪拌機、滴下口および温度計
を備えた2リットルのガラス製反応器中で、メタノール
307重量部、25%アンモニア水6重量部、水122
5重量部を均一に混合した。この混合液を20±0.5
℃に調整して100rpm で均一に攪拌しながら、メチル
トリメトキシシラン60重量部を滴下口より6時間かけ
て滴下した。滴下後も1時間均一に攪拌を続け、加水分
解、縮合を行い、メチルトリメトキシシランの縮合体水
和物微粒子の懸濁体を得た。この懸濁体を濾過により固
液分離し、得られたケーキにメタノールによる洗浄を3
回繰り返して行い、得られた固形分粉体を真空乾燥器中
で200℃で3時間乾燥して、平均粒子径2.04μ
m、変動係数7.6%の有機−無機複合体粒子を得た。
得られた複合体粒子の10%圧縮弾性率は370kg/mm
2、10%変形後の残留変位は2.7%、破壊強度は
0.2gであった。この複合体粒子を液晶表示板用スペ
ーサーとして用いて、公知の方法によりB5版大の強誘
電性液晶表示板を作製したが、複合体粒子が破壊してし
まい、画像ムラが顕著に現れ、液晶表示板としては使用
に耐えないものであった。このときのスペーサーの散布
個数は上記のような計数方法によれば95個/mm2であ
った。
【0113】
【発明の効果】本発明の有機質無機質複合体粒子は、有
機ポリマー骨格と有機ポリマー骨格中の少なくとも1個
の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素
を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含み、ポリシ
ロキサン骨格を構成するSiO 2の量が25wt%以上
であり、0.5μm以上の平均粒子径を有し、粒子径の
変動係数が20%以下であるので、正確な間隔で配置さ
れるべき1対の部材間の隙間距離を一定に保持するため
に必要な機械的復元性と少ない個数で前記隙間距離を一
定に保持するために必要な硬度および破壊強度とを有す
るとともに、前記部材に対して物理的ダメージを与えに
くい。また、粒子径が非常にそろっており、高画質の液
晶表示板を作ることのできる液晶表示板用スペーサーと
して有用であるという利点をさらに有する。
【0114】本発明の導電性粒子は、有機ポリマー骨格
と有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケ
イ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有す
るポリシロキサン骨格とを含み、ポリシロキサン骨格を
構成するSiO2の量が25wt%以上であり、0.5
μm以上の平均粒子径を有する有機質無機質複合体粒子
と、有機質無機質複合体粒子表面に形成された導体層と
を有するので、電気的に接続される1対の電極間の隙間
距離を一定に保持しやすく、かつ接触不良を起こしにく
い。このため、電極基板間の隙間距離を一定に保持しな
がら、良好な電気的接続を行うことができ、エレクトロ
ニクスの実装材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機質無機質複合体粒子を用いた液晶
表示板の1実施例を表す部分断面図である。
【図2】本発明の有機質無機質複合体粒子からなる液晶
表示板用スペーサーの1実施例を表す断面図である。
【図3】本発明の有機質無機質複合体粒子からなる液晶
表示板用スペーサーの1実施例を表す断面図である。
【図4】本発明の有機質無機質複合体粒子からなる液晶
表示板用スペーサーの1実施例を表す断面図である。
【図5】本発明の有機質無機質複合体粒子からなる液晶
表示板用スペーサーの1実施例を表す断面図である。
【図6】本発明の導電性粒子の1実施例を表す断面図で
ある。
【符号の説明】
2 接着シール材 3 シール部スペーサー 4 配向膜 5 電極 6 偏光膜 7 液晶 8 面内スペーサー 11 下側ガラス基板 12 上側ガラス基板 31 有機質無機質複合体粒子 32 有機質無機質複合体粒子 33 接着剤層 34 有機質無機質複合体粒子 35 導体層 110 下側電極基板 120 上側電極基板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー骨
    格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化
    学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン
    骨格とを含み、前記ポリシロキサン骨格を構成するSi
    2の量が25wt%以上であり、0.5μm以上の平
    均粒子径を有し、粒子径の変動係数が20%以下であ
    る、有機質無機質複合体粒子。
  2. 【請求項2】有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー骨
    格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化
    学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン
    骨格とを含み、0.5μm以上の平均粒子径を有する有
    機質無機質複合体粒子と、前記有機質無機質複合体粒子
    表面に形成された導体層とを有する導電性粒子。
  3. 【請求項3】有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー骨
    格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化
    学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン
    骨格とを含み、前記ポリシロキサン骨格を構成するSi
    2の量が25wt%以上であり、0.5μm以上の平
    均粒子径を有する有機質無機質複合体粒子と、前記有機
    質無機質複合体粒子表面に形成された導体層とを有する
    導電性粒子。
  4. 【請求項4】有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー骨
    格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化
    学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン
    骨格とを含み、0.5μm以上の平均粒子径を有する有
    機質無機質複合体粒子であり、前記粒子表面に接着剤層
    が形成されてなる有機質無機質複合体粒子。
  5. 【請求項5】有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー骨
    格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化
    学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン
    骨格とを含み、前記ポリシロキサン骨格を構成するSi
    2の量が25wt%以上であり、0.5μm以上の平
    均粒子径を有する有機質無機質複合体粒子であり、前記
    粒子表面に接着剤層が形成されてなる有機質無機質複合
    体粒子。
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