JP3088069B2 - 有機質無機質複合体粒子の製造方法 - Google Patents

有機質無機質複合体粒子の製造方法

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JP3088069B2
JP3088069B2 JP07176333A JP17633395A JP3088069B2 JP 3088069 B2 JP3088069 B2 JP 3088069B2 JP 07176333 A JP07176333 A JP 07176333A JP 17633395 A JP17633395 A JP 17633395A JP 3088069 B2 JP3088069 B2 JP 3088069B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機質無機質複合体粒
子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示板(LCD)は、2枚の対向す
る電極基板と、前記電極基板間に介在するスペーサーお
よび液晶物質とで構成されている。スペーサーは、液晶
層の厚みを均一かつ一定に保つために使用される。液晶
表示板の実用に際して要求される表示性能として、一般
に、高速応答性、高コントラスト性、広視野角性等が挙
げられる。これら諸性能の実現のためには、液晶層の厚
み、つまり、2枚の電極基板の隙間距離を厳密に一定に
保持しなければならない。
【0003】このような要望に応じた液晶表示板用スペ
ーサーとしては、ゾル−ゲル法で製造したシリカ粒子
(特開昭62−269933号公報)、前記シリカ粒子
を焼成したもの(特開平1−234826号公報)、ス
チレン系単量体やジビニルベンゼン系単量体等を懸濁重
合させて得られるスチレン系やジビニルベンゼン系ポリ
マー粒子(特開昭61−95016号公報)等がある。
これらは、いずれも、粒子径分布が狭く、粒子径が良く
揃った球状粒子である。しかし、上記従来技術では、次
のような問題点がある。 (A) ゾル−ゲル法で製造されたシリカ粒子を焼成したも
のは、変形性が乏しく、非常に硬いため、液晶表示板を
作製するためにプレスを行うと、基板上の電極等の蒸着
層、配向膜、カラーフィルター等のコート層に物理的損
傷を与え、画像ムラやTFTの断線による画素欠陥を生
じさせる。また、このシリカ焼成物粒子と液晶との熱膨
張係数の差が大きいため、そのシリカ焼成物粒子を用い
た液晶表示板がたとえばマイナス40℃の低温環境に曝
された場合、液晶が収縮するほどには粒子が収縮せず、
液晶層と電極基板との間に空隙が生じて表示機能が全く
作動しないという、いわゆる低温発泡の問題を生じる。 (B) ゾル−ゲル法で製造されたシリカ粒子は、シリカ焼
成物粒子と比べて柔らかい。しかし、この未焼成のシリ
カ粒子は、機械的復元性に劣るため、隙間距離が不均一
になり画像ムラを発生させやすい。しかも、未焼成のシ
リカ粒子は、シリカ焼成物粒子と同様に低温発泡の問題
を起こす。 (C) スチレン系やジビニルベンゼン系のポリマー粒子
は、有機粒子であり、非常に柔らかいので、散布個数を
多くせざるを得ない。このため、製造コストの上昇を招
くばかりでなく、画像を形成しない部分の面積が結果と
して増加する。さらに、イオンや分子等の不純物がスペ
ーサー内部から液晶層中へ溶出する量が増加することに
より、コントラストの低下、ざらつきの増加等の諸表示
品位を低下させる原因となる。
【0004】そこで、ジビニルベンゼンなどの架橋性単
量体を多く用いたり、重合開始剤を多く用いて懸濁重合
を行うことにより変形しにくくしたポリマー粒子が提案
されている(特開平4−313727号公報)。また、
テトラメチロールメタンテトラアクリレートまたはテト
ラメチロールメタンテトラアクリレートとジビニルベン
ゼンとを懸濁重合した後、分級により平均粒子径と標準
偏差とを調節したポリマー粒子が提案されている(特表
平6−503180号公報)。これらのポリマー粒子
は、液晶の異常配向が生じ易いという問題がある。液晶
表示板において、液晶の異常配向が生じた箇所は表示を
行うことができない。
【0005】本発明者らは、10%圧縮弾性率と10%
変形後の残留変位とが特定範囲にあり、かつ特定の有機
質−無機質複合体粒子からなる液晶表示板用スペーサー
を提案している(特願平5−288536号)。この液
晶表示板用スペーサーは、従来のポリマー粒子よりも大
きい硬度を有するため、散布個数を低減できる。しか
し、散布個数の低減は、粒子1個あたりにかかる荷重を
増大させるため、破壊強度が不足することがある。従来
の導電性粒子は、シリカ粒子などの無機化合物粒子また
はポリマー粒子と当該粒子の表面に形成された導体層と
を備えている。一般に、導電性粒子は、エレクトロニク
ス実装分野において、1対の電極間を接続するために使
用される。すなわち、導電性粒子を介在させた1対の電
極をプレスして、導電性粒子を介し両電極を電気的に接
続させる。
【0006】導電性粒子がポリマー粒子を含む場合には
柔らかすぎるため、加圧時に導体層が粒子の変形に追従
できず、導体層が粒子表面から剥がれ落ちたり、電極同
士が引っつきすぎてショートしたりする。他方、導電性
粒子が無機化合物粒子を含む場合には硬すぎるため、電
極との接触面積が広がらず、接触抵抗値を低くすること
ができなかったり、変形時に無理な圧力をかけて導電体
層が剥がれ落ちたりする。また、導電性粒子の機械的復
元性が悪いと、隙間距離を一定に保持しにくくなり接触
不良を起こすという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、正確
な間隔で配置されるべき1対の部材間の隙間距離を一定
に保持するために必要な機械的復元性と少ない個数で前
記隙間距離を一定に保持するために必要な硬度・破壊強
度とを有するとともに、前記部材に対して物理的ダメー
ジを与えにくい有機質無機質複合体粒子を容易に製造す
ることができる製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の有機質無機質複
合体粒子の製造方法は、一般式1と、一般式2と、一般
式3とからなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式
で表される化合物およびその誘導体からなる群から選ば
れる少なくとも1つの、ラジカル重合性基含有第1シリ
コン化合物を用いて加水分解・縮合する縮合工程と、前
記縮合工程中および/または前記縮合工程後に、ラジカ
ル重合性基をラジカル重合反応させる重合工程と、前記
重合工程で生成した重合体粒子を800℃以下の温度
で、10容量%以下の酸素濃度を有する雰囲気中で熱処
理する熱処理工程と、を含む。
【0009】また、本発明の別の有機質無機質複合体粒
子の製造方法は、一般式1と、一般式2と、一般式3と
からなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表さ
れる化合物およびその誘導体からなる群から選ばれる少
なくとも1つの、ラジカル重合性基含有第1シリコン化
合物を用いて加水分解・縮合する縮合工程と、前記縮合
工程中および/または前記縮合工程後に、ラジカル重合
性基をラジカル重合反応させる重合工程と、前記重合工
程で生成した重合体粒子を800℃以下の温度で熱処理
する熱処理工程と、を含み、前記縮合工程、前記重合工
程および前記熱処理工程から選ばれる少なくとも1つの
工程中および/または後に、生成した粒子を着色する着
色工程をさらに含む。
【0010】
【発明の実施の形態】〔有機質無機質複合体粒子〕 本発明の製造方法によって製造される有機質無機質複合
体粒子は、たとえば、有機ポリマー骨格と有機ポリマー
骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接
化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサ
ン骨格とを含み、ポリシロキサン骨格を構成するSiO
2の量が25wt%以上であるので、ポリシロキサン骨
格の特徴である大きな硬度と、有機ポリマー骨格の特徴
である高い機械的復元性および破壊強度とを有する。こ
のため、前記有機質無機質複合体粒子は、正確な間隔で
配置されるべき1対の部材間の隙間距離を一定に保持す
るために必要な機械的復元性と少ない個数で前記隙間距
離を一定に保持するために必要な硬度および破壊強度と
を有するとともに、それらの部材に対して物理的ダメー
ジを与えにくい。しかも、前記有機質無機質複合体粒子
は、0.5μm以上の平均粒子径を有するので、1対の
部材間に隙間を形成するのに有用である。
【0011】有機ポリマー骨格は、有機ポリマーに由来
する主鎖・側鎖・分岐鎖・架橋鎖のうちの少なくとも主
鎖を含む。有機ポリマーの分子量、組成、構造、官能基
の有無などに特に限定されない。有機ポリマーは、たと
えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィン、およびポリ
エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つであ
る。好ましい有機ポリマー骨格は、機械的復元性に特に
優れた粒子を形成するという理由で、繰り返し単位−C
−C−から構成される主鎖を有するもの(以下では、
「ビニル系ポリマー」と言うことがある)である。
【0012】ビニル系ポリマーは、たとえば、(メタ)
アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢
酸ビニル、およびポリオレフィンからなる群から選ばれ
る少なくとも1つである。好ましいビニル系ポリマー
は、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル−スチレ
ン系樹脂およびポリスチレンからなる群から選ばれる少
なくとも1つである。より好ましいビニル系ポリマー
は、(メタ)アクリル樹脂および(メタ)アクリル−ス
チレン系樹脂である。ポリシロキサンは、次式4:
【0013】
【化7】
【0014】で表されるシロキサン単位が連続的に化学
結合して、三次元のネットワークを構成した化合物と定
義される。有機ポリマー骨格を構成する炭素原子の少な
くとも1個には、ポリシロキサン中のケイ素原子が直接
化学結合している。ポリシロキサン骨格を構成するSi
2の量は、前記有機質無機質複合体粒子の重量に対し
て、25wt%以上、好ましくは30〜80wt%、よ
り好ましくは33〜70wt%、最も好ましくは37〜
60wt%である。前記範囲であると、効果的な、硬度
と機械的復元性と破壊強度とを有する粒子となる。25
wt%を下回ると無機質の特徴である硬度が発現せず、
後述する10%圧縮弾性率が小さいという問題がある。
前記範囲を上回ると有機ポリマー骨格の有する機械的復
元性または破壊強度が損なわれ、残留変位が大きくなっ
たり粒子が割れたりする場合がある。
【0015】ポリシロキサン骨格を構成するSiO2
量は、粒子を空気などの酸化性雰囲気中で1000℃以
上の温度で焼成した前後の重量を測定することにより求
めた重量百分率である。前記有機質無機質複合体粒子
は、ポリシロキサン以外の無機質成分を含むことができ
る。ポリシロキサン以外の無機質成分は、たとえば、ホ
ウ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム等の酸化物
である。ポリシロキサン以外の無機質成分の量は、0〜
20wt%が好ましく、0〜10wt%がより好まし
い。前記範囲を外れると、硬度、機械的復元性または破
壊強度が効果的に発現しないおそれがある。
【0016】前記有機質無機質複合体粒子は、0.5μ
m以上の平均粒子径を有し、好ましくは0.5〜50μ
m、より好ましくは1〜25μm、もっと好ましくは
1.5〜20μmの平均粒子径を有する。0.5μmを
下回ると、1対の部材間に隙間を形成するのが困難であ
る。前記範囲を外れると、液晶表示板用スペーサーおよ
び導電性粒子としては用いられない領域である。前記有
機質無機質複合体粒子は、スペーサーとして用いる場合
に電極基板の隙間距離の均一性の面から、たとえば20
%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以
下の粒子径の変動係数を有する。前記上限値を上回ると
隙間距離の均一性が低下して画像ムラを起こしやすくな
る。粒子径の変動係数は、次式:
【0017】
【数1】
【0018】で定義される。本発明では、平均粒子径と
粒子径の標準偏差は、電子顕微鏡撮影像の任意の粒子2
00個の粒子径を実測して次式より求めた。
【0019】
【数2】
【0020】本発明により得られる有機質無機質複合体
粒子は、上記式4で表される無機質構成単位と有機ポリ
マー骨格との両方を含有し、かつ、無機質構成単位と有
機ポリマー骨格とが化学結合した複合体粒子である。従
って、本発明により得られる有機質無機質複合体粒子
は、無機質の特徴である大きな硬度と有機ポリマーの特
徴である高い機械的復元性および破壊強度とを兼ね備え
ている。硬度を示す尺度は10%圧縮弾性率であり、機
械的復元性を示す尺度は、10%変形後の残留変位であ
る。ここで10%圧縮弾性率とは、下記測定方法により
測定した値である。島津微小圧縮試験機(株式会社島津
製作所製MCTM−200)により、室温(25℃)に
おいて、試料台(材質:SKS平板)上に散布した試料
粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材
質:ダイヤモンド)を用いて、粒子の中心方向へ一定の
負荷速度で荷重をかけ、圧縮変位が粒子径の10%とな
るまで粒子を変形させ、10%変形時の荷重と圧縮変位
のミリメートル数を求める。求められた圧縮荷重、粒子
の圧縮変位、粒子の半径を次式:
【0021】
【数3】
【0022】〔ここで、E:圧縮弾性率(kg/mm2) F:圧縮荷重(kg) K:粒子のポアソン比(定数、0.38) S:圧縮変位(mm) R:粒子の半径(mm)である。〕 に代入して計算された圧縮弾性率が10%圧縮弾性率で
ある。その後、すぐに、負荷時と同じ速度で負荷を除
き、荷重が0.1gとなるまで除荷を行い、最終的に荷
重が0gとなるように荷重−変位曲線を接線に沿って外
挿し、粒子になお残留する変位を求める。これを粒子径
に対する百分率として残留変位を算出する。この操作を
異なる3個の粒子について行い、その平均値を粒子の1
0%圧縮弾性率、残留変位とし、それぞれ、粒子の硬
度、機械的復元性の尺度とする。
【0023】また、破壊強度は、前述した微小圧縮試験
機を使用して調べることができる。前述したように試料
台上に散布した試料粒子1個について、円形平板圧子を
用いて、粒子の中心方向へ一定速度で荷重をかけ、粒子
が破壊する圧縮荷重を求めることができる。従来のスペ
ーサーとして使用されている粒子の10%圧縮弾性率を
上記測定方法により測定した場合、シリカ焼成物粒子は
4400kg/mm2、スチレン系ポリマー粒子は300kg
/mm2であった。これに対し、本発明により得られる有
機質無機質複合体粒子は、10%圧縮弾性率が、好まし
くは350〜3000kg/mm2の範囲、更に好ましくは
400〜2500kg/mm2の範囲、より一層好ましくは
500〜2000kg/mm2の範囲で任意の硬度に調整さ
れている。10%圧縮弾性率が前記範囲を下回ると、前
述のように、液晶表示板用スペーサーとして使用した場
合に粒子の散布個数の増加による製造コストの上昇、コ
ントラストの低下、ざらつきの増加のおそれがあり、上
回ると、前述のように、基板上の蒸着層、コート層への
物理的損傷や低温発泡のおそれがある。
【0024】10%変形後の残留変位については、未焼
成のシリカ粒子は残留変位が8%であったが、本発明に
より得られる有機質無機質複合体粒子は、好ましくは0
〜5%の範囲、更に好ましくは0〜4%、一層好ましく
は0〜3%の範囲の残留変位を有する機械的復元性に優
れた複合体粒子である。10%変形後の残留変位が前記
範囲を上回ると液晶表示板用スペーサーとして使用した
場合に画像ムラが起こりやすい。また、破壊強度につい
ては、本発明により得られる有機質無機質複合体粒子
は、好ましくは次式:
【0025】
【数4】
【0026】(ここで、GとYとは上述したものを示
す)を、より好ましくは次式:
【0027】
【数5】
【0028】(ここで、GとYとは上述したものを示
す)を満足する複合体粒子である。破壊強度が前記式を
満足しないと、破壊強度が小さいため液晶表示板を作製
する際に粒子が破壊する場合があり、電極基板の隙間距
離を一定に保つことができなくなる。上記範囲における
10%圧縮弾性率および残留変位の程度は、粒子中に占
めるポリシロキサン骨格または有機ポリマー骨格の量を
調節することにより達成される。たとえば、ポリシロキ
サン骨格の量を低くすると、10%圧縮弾性率と残留変
位が小さくなり、ポリシロキサン骨格の量を高めると、
10%圧縮弾性率と残留変位が大きくなる。
【0029】本発明により得られる有機質無機質複合体
粒子は、染料および顔料からなる群から選ばれる少なく
とも1つを含むことで着色されていてもよい。粒子の色
は、光が透過しない色が好ましい。光が透過しない色
は、光抜けを防止でき画質のコントラストを向上できる
ので、液晶表示板用スペーサーの色には好ましい。光が
透過しない色としては、黒、濃青、紺、紫、青、濃緑、
緑、茶、赤などの色が挙げられるが、特に好ましくは、
黒、濃青、または紺である。染料は、着色しようとする
色に応じて適宜選択して使用され、たとえば、染色方法
によって分類された、分散染料、酸性染料、塩基性染
料、反応染料、硫化染料等が挙げられる。これらの染料
の具体例は、「化学便覧応用化学編 日本化学会編」
(1986年丸善株式会社発行)の1399頁〜142
7頁、「日本化薬染料便覧」(1973年日本化薬株式
会社発行)に記載されている。
【0030】有機質無機質複合体粒子を染色する方法は
従来公知の方法がとられる。たとえば、上記の「化学便
覧応用化学編 日本化学会編」や「日本化薬染料便覧」
に記載されている方法で行うことができる。染色され
た、本発明により得られる有機質無機質複合体粒子は、
上述した硬度と機械的復元性とを兼ね備えているので、
液晶表示板の画質向上に特に有用である。本発明により
得られる有機質無機質複合体粒子は、液晶表示板用スペ
ーサーとして使用される場合の好ましい態様は次のとお
りである。 破壊強度Gが、上記数式4を、より好ま
しくは上記数式5を満足する。
【0031】 ポリシロキサン骨格の量25wt%以
上、10%圧縮弾性率350〜3000kg/mm2、10
%変形後の残留変位0〜5%、平均粒子径0.5〜50
μm、および、粒子径の変動係数20%以下である。 ポリシロキサン骨格の量30〜80wt%、10%
圧縮弾性率400〜2900kg/mm2、10%変形後の
残留変位0〜4%、平均粒子径1〜25μm、および、
粒子径の変動係数10%以下である。 ポリシロキサン骨格の量33〜70wt%、10%
圧縮弾性率500〜2800kg/mm2、10%変形後の
残留変位0〜3%、平均粒子径1.5〜20μm、およ
び、粒子径の変動係数8%以下である。
【0032】 ポリシロキサン骨格の量37〜60w
t%、10%圧縮弾性率550〜2700kg/mm2、1
0%変形後の残留変位0〜2%、平均粒子径2〜15μ
m、および、粒子径の変動係数6%以下である。 上記〜において、破壊強度G、上記数式4を、
より好ましくは上記数式5を満足する。 上記〜において、染料および顔料からなる群か
ら選ばれる少なくとも1つを含むことで着色されてい
る。 本発明の有機質無機質複合体粒子の形状は、球状、針
状、板状、鱗片状、破砕状、俵状、まゆ状、金平糖状等
の任意の粒子形状で良く、特に限定されないが、液晶表
示板用スペーサーとして用いる場合には隙間距離を均一
に一定とする上で球状が好ましい。これは、粒子が球状
であると、すべてまたはほぼすべての方向について一定
またはほぼ一定の粒径を有するからである。 〔有機質無機質複合体粒子の製造方法〕 本発明の有機質無機質複合体粒子の製造方法は、縮合工
程と重合工程と熱処理工程とを含む。
【0033】縮合工程は、前記第1シリコン化合物を用
いて加水分解・縮合する工程である。第1シリコン化合
物は、上述の一般式1と2と3とからなる群から選ばれ
る少なくとも1つの一般式で表される化合物およびその
誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1つである。
縮合工程では、第1シリコン化合物と下記第2シリコン
化合物との両方を用いることができる。第2シリコン化
合物は、次の一般式5:
【0034】
【化8】
【0035】(ここで、Xは、CH2=C(−R1)−C
OOR2−、CH2=C(−R4)−またはCH2=C(−
6)−R7−で示される1価ラジカル重合性官能基を示
し;R1とR4とR6とは水素原子またはメチル基を示
し;R2とR7とは、置換基を有していても良い炭素数1
〜20の2価の有機基を示し;R9は、水素原子と、炭
素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基と
からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示
し;R10は、置換基を有していても良い炭素数1〜10
のアルキル基と、炭素数6〜10のアリール基とからな
る群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示し;mは
2〜3の整数を示し;nは0〜2の整数を示し;m+n
は2〜3の整数を示す。複数のXは互いに異なっていて
も良いし、2個以上が同じであっても良い。nが2の場
合、2個のR10は互いに異なっていても良いし、同じで
あっても良い。4−m−nが2の場合、2個のR9は互
いに異なっていても良いし、同じであっても良い)で表
される化合物およびその誘導体からなる群から選ばれる
少なくとも1つである。
【0036】一般式1〜3および5において、ラジカル
重合性基は、CH2=C(−R1)−COOR2−、CH2
=C(−R4)−、または、CH2=C(−R6)−R7
である。一般式5において、ラジカル重合性基が2個以
上ある場合には、互いに異なっていても良いし、2個以
上が同じであっても良い。ラジカル重合性基をラジカル
重合反応させることにより、上述したビニル系ポリマー
に由来する有機ポリマー骨格を生成する。ラジカル重合
性基は、アクリロキシ基(一般式1および5においてR
1が水素原子である場合)、メタクリロキシ基(一般式
1および5においてR1がメチル基である場合)、ビニ
ル基(一般式2および5においてR4が水素原子である
場合)、イソプロペニル基(一般式2および5において
4がメチル基である場合)、1−アルケニル基もしく
はビニルフェニル基(一般式3および5においてR6
水素原子である場合)、または、イソアルケニル基もし
くはイソプロペニルフェニル基(一般式3および5にお
いてR6がメチル基である場合)である。
【0037】一般式1〜3および5において、加水分解
性基はR3O、R5O、R8OおよびR9Oである。R3
基、R5O基、R8O基およびR9O基は、水酸基と炭素
数1〜5のアルコキシ基と炭素数2〜5個のアシロキシ
基とからなる群から選ばれる1価基である。一般式1〜
3において、3個のR3O基、3個のR5O基およびR8
O基は、それぞれ、互いに異なっていても良いし、2個
以上が同じであっても良い。一般式5において、R9
基が2個ある場合には、互いに異なっていても良いし、
同じであっても良い。好ましいR3O基・R5O基・R8
O基・R9O基は、加水分解・縮合速度が大きい点で、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびアセトキ
シ基からなる群から選ばれるものであり、メトキシ基お
よびエトキシ基がより好ましい。第1シリコン化合物お
よび第2シリコン化合物は、R3O基・R5O基・R8
基・R9O基が水により加水分解し、更に縮合すること
により、前記一般式4で示されるポリシロキサン骨格を
形成する。
【0038】一般式1〜3および5において、R2基お
よびR7基は、置換基を有していても良い炭素数1〜2
0の2価の有機基である。この2価の有機基としては、
特に限定されないが、たとえば、置換基を有していても
よい、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシ
レン基、オクチレン基などのアルキレン基、置換基を有
していてもよいフェニレン基、あるいは、これらの置換
基を有していてもよいアルキレン基やフェニレン基がエ
ーテル結合を介して結合した基等が挙げられる。容易に
入手可能である点で、R2およびR7がプロピレン基やフ
ェニレン基であるラジカル重合性基を有するものが好ま
しい。
【0039】一般式5において、R10基は、ケイ素原子
に結合した、アルキル基またはアリール基である。この
アルキル基は、置換基を有していても良い炭素数1〜1
0のアルキル基であり、たとえば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等である。この
アリール基は、炭素数6〜10のアリール基であり、た
とえば、フェニル基、トリル基等である。一般式5にお
いて、R10基が2個ある場合には、互いに異なっていて
も良いし、同じであっても良い。一般式1と2と3とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表され
る化合物は、1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合し
た3個の加水分解性基と、ケイ素原子に結合した1個の
ラジカル重合性基とを有する。
【0040】一般式1で表される化合物の具体例は、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシエトキ
シプロピルトリメトキシシラン(または、γ−トリメト
キシシリルプロピル−β−メタクリロキシエチルエーテ
ルともいう)等であり、これらのうちのいずれか1つが
単独で使用されたり、2以上が併用されたりする。一般
式2で表される化合物の具体例は、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセト
キシシラン等であり、これらのうちのいずれか1つが単
独で使用されたり、2以上が併用されたりする。
【0041】一般式3で表される化合物の具体例は、1
−ヘキセニルトリメトキシシラン、1−オクテニルトリ
メトキシシラン、1−デセニルトリメトキシシラン、γ
−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、ω−ト
リメトキシシリルウンデカン酸ビニルエステル、p−ト
リメトキシシリルスチレン等であり、これらのうちのい
ずれか1つが単独で使用されたり、2以上が併用された
りする。一般式1〜3で表される化合物の誘導体は、た
とえば、一般式1〜3で表される化合物の有する一部の
3O基がβ−ジカルボニル基および/または他のキレ
ート化合物を形成し得る基で置換された化合物と、一般
式1〜3で表される化合物および/またはそのキレート
化合物を部分的に加水分解・縮合して得られた低縮合物
とからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
【0042】第1シリコン化合物としては、粒子径分布
がシャープである有機質無機質複合体粒子を形成しやす
いという点から、一般式1で示される化合物が好まし
く、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリ
ロキシプロピルトリエトキシシランからなる群から選ば
れる少なくとも1つが特に好ましい。一般式5で表され
る化合物は、次の5つである。 (1) 1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合した1個の
ラジカル重合性基と、ケイ素原子に結合した1個のアル
キル基またはアリール基と、ケイ素原子に結合した2個
の加水分解性基とを有する(m=1、n=1)。この化
合物の具体例は、γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエト
キシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメ
チルジエトキシシラン等であり、いずれか1つが単独で
使用されたり、あるいは、2以上が併用されたりする。 (2) 1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合した1個の
ラジカル重合性基と、ケイ素原子に結合した2個の、ア
ルキル基および/またはアリール基と、ケイ素原子に結
合した1個の加水分解性基とを有する(m=1、n=
2)。この化合物の具体例は、γ−メタクリロキシプロ
ピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルジメチルエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピ
ルジメチルメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピル
ジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラ
ン等であり、いずれか1つが単独で使用されたり、ある
いは、2以上が併用されたりする。 (3) 1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合した2個の
ラジカル重合性基と、ケイ素原子に結合した2個の加水
分解性基とを有する(m=2、n=0)。この化合物の
具体例は、ビス(γ−アクリロキシプロピル)ジメトキ
シシラン、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)ジメト
キシシラン等であり、いずれか1つが単独で使用された
り、あるいは、2以上が併用されたりする。 (4) 1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合した2個の
ラジカル重合性基と、ケイ素原子に結合した1個のアル
キル基またはアリール基と、ケイ素原子に結合した1個
の加水分解性基とを有する(m=2、n=1)。この化
合物の具体例は、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)
メチルメトキシシラン、ビス(γ−アクリロキシプロピ
ル)メチルメトキシシラン等であり、いずれか1つが単
独で使用されたり、あるいは、2以上が併用されたりす
る。 (5) 1個のケイ素原子と、ケイ素原子に結合した3個の
ラジカル重合性基と、ケイ素原子に結合した1個の加水
分解性基とを有する(m=3、n=0)。この化合物の
具体例は、トリス(γ−メタクリロキシプロピル)メト
キシシラン、トリス(γ−アクリロキシプロピル)メト
キシシラン等であり、いずれか1つが単独で使用された
り、あるいは、2以上が併用されたりする。
【0043】第2シリコン化合物としては、粒子径分布
がシャープである有機質無機質複合体粒子を形成しやす
いという点から、一般式5で表される化合物の中でも、
ラジカル重合性基がCH2=C(−R1)−COOR2
基である化合物が好ましい。一般式5で表される化合物
の誘導体は、たとえば、一般式5で表される化合物の有
する一部のR9O基がβ−ジカルボニル基および/また
は他のキレート化合物を形成し得る基で置換された化合
物と、一般式5で表される化合物および/またはそのキ
レート化合物を部分的に加水分解・縮合して得られた低
縮合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つであ
る。
【0044】第1シリコン化合物を用いずに第2シリコ
ン化合物を用いて加水分解・縮合したときには得られる
粒子の硬度が低下する傾向にあるので、本発明では第1
シリコン化合物を必ず用いるのである。本発明では、上
述した第1および第2シリコン化合物以外に、下記一般
式6と7で表されるシラン化合物;その誘導体;ホウ
素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、リン、チタ
ン、ジルコニウム等の有機金属化合物および無機金属化
合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの加水分解
・縮合可能な金属化合物も併用して良い。
【0045】
【化9】
【0046】(ここで、R11、R13、R17は、R3と同
じであり;R12、R14、R16は、R10と同じであり;R
15はR7と同じであり;p、q、rは、0又は1であ
る)一般式6、7で表されるシラン化合物の有する
11、R13、R17基としては、加水分解縮合速度が速い
点でメチル基又はエチル基が好ましい。p、q、rは、
0又は1であるが、得られる有機質無機質複合体粒子の
硬度を高めることができる点でp、q、r=0が好まし
い。一般式7で表されるシラン化合物の例としては、
1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−
ビス(トリエトキシシリル)エタン、1−トリメトキシ
シリル−2−トリエトキシシリルエタン等が挙げられ
る。
【0047】一般式6、7で表されるシラン化合物の誘
導体は、一般式6、7で表される化合物の有する一部の
11O、R13O、R17O基がβ−ジカルボニル基および
/または他のキレート化合物を形成し得る基で置換され
た化合物と、一般式6、7で表される化合物および/ま
たはそのキレート化合物を部分的に加水分解・縮合して
得られた低縮合物とからなる群から選ばれる少なくとも
1つである。第1および第2シリコン化合物以外の加水
分解・縮合可能な金属化合物の量は、特に限定されない
が、多量に使用すると得られる有機質無機質複合体粒子
の形状が球状にならなかったり、粒子径の制御が困難に
なったり、粒度分布が広がったりするので液晶表示板用
スペーサーには不適な場合がある。このため、この加水
分解・縮合可能な金属化合物の量は、第1および第2シ
リコン化合物の合計重量に対して、200wt%以下が
好ましく、100wt%以下が更に好ましく、50wt
%以下がより一層好ましい。
【0048】第1シリコン化合物と、必要に応じて使用
される第2シリコン化合物および/または加水分解・縮
合可能な金属化合物と(以下では、「原料」と言うこと
がある)は、水を含む溶媒中で加水分解され、縮合す
る。加水分解と縮合は、一括、分割、連続等、任意の方
法を採ることができる。加水分解や縮合させるにあた
り、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸
化物、アルカリ土類金属水酸化物等の触媒を用いてもよ
い。また、溶媒中には、水や触媒以外の有機溶剤が存在
していてもよい。有機溶剤の具体例としては、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノー
ル、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチ
ル等のエステル類;イソオクタン、シクロヘキサン等の
(シクロ)パラフィン類;ジオキサン、ジエチルエーテ
ル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素類等が単独で、または、混合して用いられる。
【0049】加水分解と縮合は、たとえば、上記した原
料またはその有機溶剤溶液を水を含む溶媒に添加し、0
〜100℃、好ましくは0〜70℃の範囲で30分〜1
00時間攪拌することによって行われる。また、上記の
ような方法により得られた粒子を、種粒子として予め合
成系に仕込んでおき、上記原料を添加して該種粒子を成
長させていっても良い。このようにして原料を、水を含
む溶媒中で適切な条件の下で加水分解、縮合させること
により、粒子が析出しスラリーが生成する。析出した粒
子は、上述のラジカル重合性基を有するシリコン化合物
を加水分解・縮合したので、平均粒子径が0.5μm以
上の任意の粒子径で、しかも、粒度分布のシャープな粒
子である。ここで、適切な条件とは、たとえば、得られ
るスラリーに対して、原料濃度については20重量%以
下、水濃度については50重量%以上、触媒濃度につい
ては10重量%以下が好ましく用いられる。
【0050】加水分解・縮合で生成する粒子の平均粒子
径は、水濃度、触媒濃度、有機溶剤濃度、原料濃度、原
料の添加時間、温度、種粒子の濃度を、たとえば、それ
ぞれ、50〜99.99重量%、0.01〜10重量
%、0〜90重量%、0.1〜30重量%、0.001
〜500時間、0〜100℃、0〜10重量%に設定す
ることにより、得られる有機質無機質複合体粒子が有す
る上述の平均粒子径の範囲内にすることができる。生成
する粒子の粒子径の変動係数は、水濃度、触媒濃度、有
機溶剤濃度を、それぞれ、上記範囲内に設定することに
より、得られる有機質無機質複合体粒子の有する、上述
の粒子径の変動係数の範囲内にすることができる。
【0051】更に、第1シリコン化合物と、必要に応じ
て使用される第2シリコン化合物および/または加水分
解・縮合可能な金属化合物とを加水分解・縮合する際
に、平均粒子径0.4μm以下の無機微粒子をさらに用
いることが好ましい。この理由は、得られる有機質無機
質複合体粒子が、ポリシロキサン骨格と化学結合した無
機微粒子を含むことにより、より高い硬度を持ち、向上
した破壊強度を有するからである。無機微粒子の具体例
としては、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニ
ウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等が挙げられる
が、原料を加水分解・縮合して得られる粒子中に導入さ
れ易い点でシリカが好ましい。
【0052】また、無機微粒子の平均粒径は0.4μm
を超えると原料を加水分解・縮合して得られる粒子中に
導入されにくくなるので好ましくない。従って、無機微
粒子の平均粒子径は、小さい程好ましく、好ましくは
0.1μm以下、さらに好ましくは30nm以下、より
一層好ましくは10nm以下である。無機微粒子として
は、好ましくは平均粒子径0.1μm以下、より好まし
くは平均粒子径30nm以下、または更により一層好ま
しくは平均粒子径10nm以下のシリカが挙げられる。
これら無機微粒子としては、微粒子の凝集等が少ない点
で水や有機溶媒に分散したゾルが好ましい。さらに好ま
しくは平均粒子径30nm以下、より一層好ましくは1
0nm以下の無機微粒子のゾルである。具体例として
は、例えば平均粒子径30nm以下のシリカ粒子のゾル
(シリカゾル)としては、日産化学株式会社製商品名
「スノーテックス20」、「スノーテックスO」、「ス
ノーテックス−C」、「スノーテックス−N」、「スノ
ーテックス−S」、「スノーテックス−20L」、「ス
ノーテックス−XS」、「スノーテックス−XL」、
「スノーテックス−YL」、「スノーテックス−Z
L」、「メタノールシリカゾル」、「IPA−ST」等
が挙げられ、アルミナゾルとしては日産化学株式会社製
商品名「アルミナゾル−100」、「アルミナゾル−2
00」、「アルミナゾル−520」等が挙げられる。
【0053】縮合工程中に、および/または、縮合工程
後に、ラジカル重合性基をラジカル重合反応させる。す
なわち、第1シリコン化合物、必要に応じて使用される
第2シリコン化合物を、加水分解・縮合で得られた中間
生成物・粒子をラジカル重合する。ラジカル重合性基が
ラジカル重合反応して有機ポリマー骨格を形成する。ラ
ジカル重合する方法としては、加水分解・縮合して得ら
れた粒子の水を含む溶媒スラリーに水溶性又は油溶性の
ラジカル重合開始剤を添加溶解して、そのまま重合して
も良いし、また加水分解・縮合して得られた粒子を、濾
過、遠心分離、減圧濃縮等の従来公知の方法を用いてス
ラリーから単離した後、ラジカル重合開始剤を含有する
水又は有機溶媒等の溶液に分散させて重合しても良く、
これらに限定されるものではない。特に、上記原料を加
水分解・縮合しながらラジカル重合開始剤を共存させて
ラジカル重合を同時に行う方法が好ましい。この理由と
しては、式4で示されるポリシロキサンの生成と重合に
よる有機ポリマーの生成が並行して生じるため、上述し
たような、無機質の特徴である硬度と、有機ポリマーの
特徴である機械的復元性および破壊強度とを含有する有
機質無機質複合体粒子が得られ易く、また硬度、機械的
復元性および破壊強度が効果的に発現する有機質無機質
複合体粒子となるためである。
【0054】ここで、ラジカル重合開始剤としては従来
公知の物を使用することができ、特に限定されないが、
好ましくはアゾ化合物、過酸化物等から選ばれる少なく
とも1つの化合物である。上記したラジカル重合開始剤
の量は、特に限定されないが、多量に使用すると発熱量
が多くなって反応の制御が困難となり、一方、少量使用
の場合にはラジカル重合が進行しない場合があるので、
第1および第2シリコン化合物の合計重量に対して、た
とえば0.1〜5wt%、好ましくは0.3〜2wt%
の範囲である。
【0055】ラジカル重合させる際の温度は、使用する
ラジカル重合開始剤によって適宜選択可能であるが、反
応の制御のし易さから30〜100℃、好ましくは、5
0〜80℃の範囲である。また、ラジカル重合する際
に、ラジカル重合性基とラジカル重合可能な基を有する
モノマーを共存させても良い。モノマーとしては、例え
ば、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボン酸
類;アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、
クロトン酸エステル類、イタコン酸エステル類、マレイ
ン酸エステル類、フマール酸エステル類等の不飽和カル
ボン酸エステル類;アクリルアミド類;メタクリルアミ
ド類;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル等のビニルエス
テル類;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物等のビ
ニル化合物類等が挙げられ、これらの一種以上を使用し
ても良い。中でも、ラジカル重合可能な基を2個以上含
有する、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト等のモノマーが好ましい。
【0056】しかし、モノマーを多量に使用して有機質
無機質複合体粒子中のポリシロキサン骨格の含有量が2
5wt%未満になると、硬度が不充分になるので好まし
くない。このため、モノマーの量は、第1および第2シ
リコン化合物の合計重量に対して、たとえば0〜50w
t%、好ましくは0〜30wt%である。ラジカル重合
後、さらに以下に示す再縮合工程を行う方が最終的に得
られる有機質無機質複合体粒子の硬度・機械的復元性・
破壊強度が向上するので好ましい。再縮合工程は、ラジ
カル重合により生成した重合体粒子を有機溶媒中で更に
縮合を進行させる工程である。縮合を進行させるにあた
り、前述した触媒を用いても良いが、縮合をより促進さ
せる点で好ましい触媒としては、チタンテトライソプロ
ポキシド、チタンテトラブトキシド、ジイソプロポキシ
−ビス(アセチルアセトネート)チタネート等の有機チ
タン化合物;アルミニウムトリイソプロポキシド、アル
ミニウムトリsec-ブトキシド、アルミニウムトリスアセ
チルアセトネート、アルミニウムイソプロポキシド−ビ
スアセチルアセトネート等の有機アルミニウム化合物;
ジルコニウムテトラブトキシド、テトラキス(アセチル
アセトネート)ジルコニウム等の有機ジルコニウム化合
物;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジ
マレエート等の有機錫化合物;(CH3O)2P(=O)
OH、(CH3O)P(=O)(OH)2、(C49O)
2P(=O)OH、(C817O)P(=O)(OH)2
等の酸性リン酸エステル等が挙げられ、いずれか1つが
単独で使用されたり、または、2以上が併用されたりす
る。中でも、有機錫化合物および酸性リン酸エステルか
らなる群から選ばれる少なくとも1つが好ましい。
【0057】再縮合工程では、重合体粒子が水を含有し
ないことが好ましい。この理由は、シラノール基の脱水
縮合がより進行し易いからである。従って、再縮合工程
では、重合工程で得られたスラリーが水を含有しない場
合は、スラリーをそのまま使用することができ、スラリ
ーが水を含有する場合には、重合体粒子を濾過、遠心分
離、減圧濃縮等の従来公知の方法を用いてスラリーから
分離した後、有機溶媒中に分散させて行うのが好まし
い。使用される有機溶媒は、たとえば、前述した、アル
コール類、ケトン類、エステル類、パラフィン類、エー
テル類、芳香族炭化水素類からなる群から選ばれる少な
くとも1つである。また、再縮合工程は、たとえば50
〜200℃、好ましくは60〜150℃の温度で30分
間〜100時間、重合体粒子を含む有機溶媒スラリーを
攪拌することによって行われる。また、圧力は、常圧、
減圧、加圧のいずれでも良い。
【0058】ついで、ラジカル重合により生成した重合
体粒子を濾過、遠心分離、減圧濃縮等の従来公知の方法
を用いて上記スラリーより単離した後、800℃以下の
温度、好ましくは100〜600℃の温度、更に好まし
くは150〜500℃の温度で乾燥および焼成のための
熱処理を施すことにより、適当な、硬さと機械的復元性
と破壊強度とを持つ、有機質無機質複合体粒子が得られ
る。この複合体粒子は、有機ポリマー骨格と、有機ポリ
マー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が
直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロ
キサン骨格とを主成分として含む。しかしながら、低い
温度での熱処理では、式5で示されるシロキサン単位中
に存在する、下式8:
【0059】
【化10】
【0060】で表されるシラノール基同士の脱水縮合反
応が充分に起こらないため、必要な硬度が得られない場
合がある。すなわち、粒子の10%圧縮弾性率が350
kg/mm2以上にならない場合がある。また、800℃よ
り高い温度での熱処理では有機ポリマーの分解が顕著と
なるため必要な機械的復元性および破壊強度が得られな
い、すなわち、粒子の10%変形後の残留変位が0〜5
%にならないし、しかも、硬すぎて粒子の10%圧縮弾
性率が3000kg/mm2を越えてしまう。更に、熱処理
する際の雰囲気は何ら制限なく用い得るが、有機ポリマ
ーの分解を抑制し、必要な機械的復元性を得るために
は、雰囲気中の酸素濃度が10容量%以下である場合が
より好ましい。熱処理温度が200℃〜800℃の範囲
だと、熱処理する際の雰囲気中の酸素濃度が10容量%
以下であることが好ましく、熱処理温度が200℃以下
だと、空気中でも目的の有機質無機質複合体粒子が生成
する。
【0061】有機質無機質複合体粒子を作る場合、上述
した原料、無機微粒子、加水分解縮合のための水・触
媒、モノマー、ラジカル重合開始剤の種類および/また
は量、熱処理温度・時間・雰囲気中の酸素濃度を適宜選
定することによって、ポリシロキサン骨格のSiO2
量を25wt%以上で任意に制御でき、かつ、平均粒子
径を0.5μm以上で任意に制御できる有機質無機質複
合体粒子が得られる。本発明の有機質無機質複合体粒子
の製造方法は、上述した縮合工程と重合工程と熱処理工
程とを含むので、ポリシロキサン骨格と有機ポリマー骨
格とがSi−C結合により化学結合した構造を有し、ポ
リシロキサン骨格の特徴である大きな硬度と、有機ポリ
マー骨格の特徴である高い機械的復元性および破壊強度
とを有する有機質無機質複合体粒子を生成することがで
きる。このため、生成した複合体粒子は、正確な間隔で
配置されるべき1対の部材間の隙間距離を一定に保持す
るために必要な機械的復元性と少ない個数で前記隙間距
離を一定に保持するために必要な硬度および破壊強度と
を有するとともに、それらの部材に対して物理的ダメー
ジを与えにくい。しかも、本発明の製造方法により得ら
れた複合体粒子は、0.5μm以上の平均粒子径を有す
るので、1対の部材間に隙間を形成するのに有用であ
る。
【0062】縮合工程、重合工程、再縮合工程および熱
処理工程から選ばれる少なくとも1つの工程中および/
または後に、生成した粒子を着色することにより着色さ
れた有機質無機質複合体粒子が得られる。本発明の製造
方法は、製造時の適宜の工程において染料および/また
は顔料を共存させて粒子中に染料および/または顔料を
導入することにより着色された有機質無機質複合体粒子
を生成することができる。好ましくは、本発明の製造方
法において縮合工程に染料及び/又は顔料を用いること
によって着色される。染料および染色の色としては、上
記したものが挙げられる。中でも、塩基性染料が好まし
い。これは、ポリシロキサン中のシラノール基が酸性で
あるため、塩基性(カチオン性)染料が吸着されやす
く、染色されやすいからである。顔料は、たとえば、カ
ーボンブラック、鉄黒、クロムバーミリオン、モリブデ
ン赤、べんがら、黄鉛、クロム緑、コバルト緑、群青、
紺青などの無機顔料;フタロシアニン系、アゾ系、キナ
クリドン系などの有機顔料がある。しかしながら、顔料
は、その平均粒子径が0.4μm以下でないと、本発明
の複合体粒子中に導入されない場合があるので、染料を
使用する方が好ましい。このようにして着色された有機
質無機質複合体粒子は、上述した硬度と機械的復元性と
破壊強度とを兼ね備えているので、液晶表示板の画質向
上に特に有用である。 〔導電性粒子〕 本発明の製造方法により得られた有機質無機質複合体粒
子は、導電性粒子として用いることができる。
【0063】前記導電性粒子は、前記有機質無機質複合
体粒子と、有機質無機質複合体粒子表面に形成された導
体層とを有する。前記導電性粒子は、前記有機質無機質
複合体粒子を有するので、電気的に接続される1対の電
極間の隙間距離を一定に保持するために必要な機械的復
元性と少ない個数で前記隙間距離を一定に保持するため
に必要な硬度および破壊強度とを有するとともに、電極
に対して物理的ダメージを与えにくい。このため、1対
の電極間の隙間距離を一定に保持しやすく、加圧による
導体層の剥がれ落ち・電気的に接続されるべきではない
電極間のショート・電気的に接続されるべき電極間の接
触不良が防がれる。
【0064】導体層に使用される金属は、従来公知のも
のが挙げられ、たとえば、ニッケル、金、銀、銅、イン
ジウムやこれらの合金等が挙げられるが、特に、ニッケ
ル、金、インジウムは導電性が高いので好ましい。導体
層の厚みは、充分な導通があれば特に限定されないが、
0.01〜5μmの範囲が好ましく、0.02〜2μm
の範囲が特に好ましい。厚みが前記範囲よりも薄いと導
電性が不充分となることがあり、前記範囲よりも厚いと
粒子と導体層の熱膨張率の差により導体層が剥がれ落ち
やすくなる。導体層は、1層でも2層以上でも良く、2
層以上の場合には異なる導体からなる層が上下に配され
てもよい。
【0065】前記有機質無機質複合体粒子表面に導体層
を形成する方法としては、従来公知の方法がとられ、特
に限定されないが、たとえば、化学メッキ(無電解メッ
キ)法、コーティング法、PVD(真空蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーティングなど)法などが挙げら
れ、中でも、化学メッキ方法が容易に前記導電性粒子が
得られるので好ましい。このようにして得られる導電性
粒子は、上述した有機質無機質複合体粒子の特徴である
硬度と機械的復元性とを兼ね備えている。このため、液
晶表示板、LSI、プリント配線基板等のエレクトロニ
クスの電気的接続材料として特に有用である。 〔液晶表示板用スペーサー〕 本発明の製造方法により得られた有機質無機質複合体粒
子は、液晶表示板用スペーサーとして用いることができ
る。
【0066】本発明により得られた有機質無機質複合体
粒子からなる液晶表示板用スペーサー(第1の液晶表示
板用スペーサー)は、正確な間隔で配置されるべき1対
の電極基板間の隙間距離を一定に保持するために必要な
機械的復元性と少ない個数で前記隙間距離を一定に保持
するために必要な硬度および破壊強度とを有するととも
に、電極基板に対して物理的ダメージを与えにくい。こ
のため、1対の電極基板間の隙間距離を一定に保持しや
すく、加圧による蒸着層・配向膜・コート層が損傷を受
けにくくなり、低温環境における収縮が液晶の収縮に近
くなり、電極基板間における散布個数が低減する。
【0067】上述したように、本発明により得られる有
機質無機質複合体粒子は、ポリシロキサン骨格と有機ポ
リマー骨格との両方を含有し、かつ、ポリシロキサン骨
格と有機ポリマー骨格とが化学結合した複合化した粒子
であり、無機質の特徴である大きな硬度と有機ポリマー
の特徴である高い機械的復元性および破壊強度とを兼ね
備えた粒子であるため、液晶表示板用スペーサーとして
好適に使用される。前記有機質無機質複合体粒子が染料
および/または顔料を含むことで着色されたものである
ときには、前記第1の液晶表示板用スペーサーは着色ス
ペーサーとして有用である。
【0068】液晶表示板において、電極基板間に電圧を
印加することにより、液晶は光学的変化を生じて画像を
形成する。これに対しスペーサーは、電圧印加によって
光学的変化を示さない。従って、画像を表示させた時の
暗部において、着色されていないスペーサーは、光抜け
が生じ、輝点として確認される場合があり、画質のコン
トラストを低下することがある。第1の液晶表示板用ス
ペーサーは、染料および/または顔料を含むことで着色
された本発明の有機質無機質複合体粒子からなるときに
は、着色されているため光抜けを生じにくくして画質の
コントラスト低下を防ぎ、しかも、本発明により得られ
る複合体粒子の特徴である硬度と機械的復元性と破壊強
度とを兼ね備えているので、液晶表示板の画質を向上す
るために特に有用である。着色された液晶表示板用スペ
ーサーの好ましい色は、光が透過しにくいかまたは透過
しない色である。たとえば、黒、濃青、紺、紫、青、濃
緑、緑、茶、赤等の色が挙げられるが、特に好ましく
は、黒、濃青、紺色である。
【0069】また、本発明により得られた有機質無機質
複合体粒子と、有機質無機質複合体粒子表面に形成され
た接着剤層とを含んだ液晶表示板用スペーサー(第2の
液晶表示板用スペーサー)は接着性スペーサーとして有
用である。接着剤層は、たとえば、加熱すると接着性を
示すものである。第2の液晶表示板用スペーサーは、液
晶表示板を構成する電極基板の間に介在して加熱加圧さ
れることにより、接着剤層が溶融して電極基板に付着
し、接着剤層が冷却固化することにより固着する。この
ため、第2の液晶表示板用スペーサーは、電極基板の隙
間において移動しにくくなるので、配向膜の損傷防止や
隙間距離の均一性を維持でき、画質向上を図ることがで
きる。接着剤層としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱
可塑性樹脂のガラス転移温度が150℃以下が好まし
く、80℃以下がより一層好ましい。これは、短時間の
加熱加圧で基板と接着するからである。ガラス転移温度
が高すぎると、加熱しても基板と接着しない場合があ
り、逆に低すぎると、スペーサー同士が融着し易くなる
ので、最も好ましくは40〜80℃の範囲である。ま
た、熱可塑性樹脂の種類としては、特に限定されない
が、好ましくは(メタ)アクリル系樹脂である。接着剤
層は、1層でも2層以上でも良く、2層以上の場合には
異なる熱可塑性樹脂からなる層が上下に配されてもよ
い。
【0070】第2の液晶表示板用スペーサーは、たとえ
ば、本発明により得られた有機質無機質複合体粒子を接
着剤層で被覆することによって得られる。接着剤として
熱可塑性樹脂を用いる場合、具体的には、In sit
u重合法、コーアセルベーション法、界面重合法、液中
硬化被覆法、液中乾燥法、高速気流中衝撃法、気中懸濁
被覆法、スプレードライング法等の従来公知の樹脂被覆
方法によって本発明の有機質無機質複合体粒子表面が熱
可塑性樹脂層で被覆される。高速気流中衝撃法は、簡単
に被覆することができるので好ましい。高速気流中衝撃
法は、たとえば、本発明により得られた有機質無機質複
合体粒子と熱可塑性樹脂の粉体とを混合し、この混合物
を気相中に分散させ、衝撃力を主体とする機械的熱的エ
ネルギーを複合体粒子と熱可塑性樹脂粉体とに与えるこ
とで、有機質無機質複合体粒子表面を熱可塑性樹脂で被
覆する方法であり、簡便に被覆することができるので好
ましい。
【0071】このような高速気流中衝撃法を利用した装
置としては、奈良機械製作所(株)製ハイブリダイゼー
ションシステムや、ホソカワミクロン(株)製メカノフ
ュージョンシステム、川崎重工業(株)製クリプトロン
システム等がある。第2の液晶表示板用スペーサーは、
上述した本発明により得られた有機質無機質複合体粒子
の特徴である硬度と機械的復元性と破壊強度とを兼ね備
え、かつ接着性を有しているので、液晶表示板の画質向
上に特に有用である。第2の液晶表示板用スペーサー
は、有機質無機質複合体粒子が染料および/または顔料
を含むことで着色されているときには、着色されている
ため光抜けを生じにくく画質のコントラスト低下を防
ぎ、接着性を有するため電極基板の隙間において移動し
にくくなって配向膜の損傷防止や隙間距離の均一性を維
持でき、しかも、上述した本発明の複合体粒子の特徴で
ある硬度と機械的復元性と破壊強度とを兼ね備えている
ので、着色スペーサーとしても有用な接着性スペーサー
であり、液晶表示板の画質を向上するために特に有用で
ある。 〔液晶表示板〕 従来の液晶表示板において、従来のスペーサーの代わり
に、上述したような本発明により得られた有機質無機質
複合体粒子からなる液晶表示板用スペーサーを電極基板
間に介在させた液晶表示板は、同スペーサーの粒子径と
同じかまたはほぼ同じ隙間距離を有する。使用されるス
ペーサーの量は、通常40〜100個/mm2、好ましく
は40〜80個/mm2と、従来の有機質粒子スペーサー
に比べると10〜50%程度少なくなっており、画像を
形成しない部分の面積が少なくなり、また、イオンや分
子等の不純物がスペーサー内部から液晶層中へ溶出する
量も減少する。このため、コントラストが高くなり、ざ
らつきが減り、表示品位の向上が期待される。
【0072】このような液晶表示板は、たとえば、第1
電極基板と第2電極基板と液晶表示板用スペーサーとシ
ール材と液晶とを備えている。第1電極基板は、第1基
板と、第1基板の表面に形成された第1電極とを有す
る。第2電極基板は、第2基板と、第2基板の表面に形
成された第2電極とを有し、第1電極基板と対向してい
る。液晶表示板用スペーサーは、第1電極基板と第2電
極基板との間に介在している。シール材は、第1電極基
板と第2電極基板とを周辺部で接着する。液晶は、第1
電極基板と第2電極基板とシール材とで囲まれた空間に
充填されている。このような液晶表示板には、電極基
板、シール材、液晶など、スペーサー以外のものは従来
と同様のものが同様のやり方で使用することができる。
電極基板は、ガラス基板、フィルム基板などの基板と、
基板の表面に形成された電極とを有しており、必要に応
じて、電極基板の表面に電極を覆うように形成された配
向膜をさらに有する。シール材としては、エポキシ樹脂
接着シール材などが使用される。液晶としては、従来よ
り用いられているものでよく、たとえば、ビフェニル
系、フェニルシクロヘキサン系、シッフ塩基系、アゾ
系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ターフェニル
系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、ビフェニル
シクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シク
ロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシル
エタン系、シクロヘキセン系、フッ素系などの液晶が使
用できる。
【0073】このような液晶表示板を作製する方法とし
ては、たとえば、本発明により製造された有機質無機質
複合体粒子からなるスペーサーを面内スペーサーとして
2枚の電極基板のうちの一方の電極基板に湿式法または
乾式法により均一に散布したものに、本発明により製造
された有機質無機質複合体粒子からなるスペーサーをシ
ール部スペーサーとしてエポキシ樹脂等の接着シール材
に分散させた後、もう一方の電極基板の接着シール部分
にスクリーン印刷などの手段により塗布したものを載
せ、適度の圧力を加え、100〜180℃の温度で1〜
60分間の加熱、または、照射量40〜300mJ/cm
2の紫外線照射により、接着シール材を加熱硬化させた
後、液晶を注入し、注入部を封止して、液晶表示板を得
る方法を挙げることができるが、液晶表示板の作製方法
によって本発明が限定されるものではない。面内スペー
サーとしては、本発明により製造された有機質無機質複
合体粒子からなる液晶表示板用スペーサーの中でも、前
記着色された第1の液晶表示板用スペーサーが光抜けを
生じにくいので好ましく、前記第2の液晶表示板用スペ
ーサーが基板に固着して移動しにくいのでより好まし
く、着色された第2の液晶表示板用スペーサーが光抜け
を生じにくく基板に固着して移動しにくいのでさらに好
ましい。
【0074】このような液晶表示板は、従来の液晶表示
板と同じ用途、たとえば、テレビ、パーソナルコンピュ
ーター、ワードプロセッサーなどの画像表示素子として
使用される。
【0075】
【実施例】以下に、本発明の実施例と、本発明の範囲を
外れた比較例とを示すが、本発明は下記実施例に限定さ
れない。下記実施例中の液晶表示板は、以下の方法によ
り作製した。図1にみるように、まず、300mm×34
5mm×1.1mmの下側ガラス基板11上に、電極(たと
えば、透明電極)5及びポリイミド配向膜4を形成した
後、ラビングを行って下側電極基板110を得た。その
下側電極基板110に、メタノール30容量部、イソプ
ロパノール20容量部、水50容量部の混合溶媒中に本
発明の製造方法により製造された有機質無機質複合体粒
子からなる液晶表示板用スペーサー(この場合、面内ス
ペーサー)8が1重量%となるように均一に分散させた
ものを、1〜10秒間散布した。
【0076】一方、300mm×345mm×1.1mmの上
側ガラス基板12上に、電極(たとえば、透明電極)5
及びポリイミド配向膜4を形成した後、ラビングを行っ
て上側電極基板120を得た。そして、エポキシ樹脂接
着シール材2中に本発明の製造方法により製造された有
機質無機質複合体粒子からなる液晶表示板用スペーサー
(この場合、シール部スペーサー)3が30容量%とな
るように分散させたものを、上側電極基板120の接着
シール部分にスクリーン印刷した。最後に、上下側電極
基板120,110を、電極5及び配向膜4がそれぞれ
対向するように、本発明の製造方法により製造された有
機質無機質複合体粒子からなるスペーサー8を介して貼
り合わせ、4kg/cm2の圧力を加え、150℃の温度で
30分間加熱し、接着シール材2を加熱硬化させた。そ
の後、2枚の電極基板120,110の隙間を真空と
し、さらに、大気圧に戻すことにより、作製する液晶表
示板の種類に応じてビフェニル系及びフェニルシクロヘ
キサン系などの液晶物質を混合した液晶7を注入し、注
入部を封止した。そして、上下ガラス基板12,11の
外側にPVA(ポリビニルアルコール)系偏光膜6を貼
り付けて液晶表示板とした。
【0077】スペーサー8は、図2に示すように、着色
されていない、本発明により製造された有機質無機質複
合体粒子31からなるものであってもよい。このときに
は、製造時のプレスによる電極基板の物理的損傷が起こ
りにくいし、低温発泡と画像ムラとが発生しにくい。し
かも、従来のポリマー粒子からなるスペーサーに比べて
スペーサーの個数を減らすことができるので、画像を形
成しない部分の面積が減り、不純物の液晶への溶出量も
減る。このため、コントラストの向上など表示品位の向
上ができる。スペーサー8は、図3に示すように、着色
されている、本発明により製造された有機質無機質複合
体粒子32からなるものであってもよい。このときに
は、スペーサー8による光抜けが起こりにくくなるの
で、輝点が目立たなくなり、表示品位がより向上すると
いう利点がさらに得られる。
【0078】スペーサー8は、図4に示すように、着色
されていない、本発明により製造された有機質無機質複
合体粒子31とこの粒子31表面に形成された接着剤層
33とを含むものであってもよい。このときには、スペ
ーサーが移動しにくくなるため、配向膜の損傷が防が
れ、表示品位の向上をより高めるという利点がさらに得
られる。スペーサー8は、図5に示すように、着色され
た、本発明により製造された有機質無機質複合体粒子3
2とこの粒子32表面に形成された接着剤層33とを含
むものであってもよい。このときには、スペーサー8に
よる光抜けが起こりにくくなるので、輝点が目立たなく
なり、表示品位がより向上するという利点と、スペーサ
ーが移動しにくくなるため、配向膜の損傷が防がれ、表
示品位の向上をより高めるという利点とがさらに得られ
る。
【0079】導電性粒子は、図6に示すように、本発明
により製造された有機質無機質複合体粒子34とこの粒
子34表面に形成された導体層35とを含む。導体層3
5は、たとえば、無電解メッキにより形成された金属被
膜であり、1層でも2層以上でもよい。得られた液晶表
示板の評価方法に関して、低温発泡についてはマイナス
45℃で1000時間保持後の画像表示の有無を、画像
ムラ及び画素欠陥については室温(25℃)におけるそ
れらの有無をそれぞれ目視により観察して行った。な
お、以下に示す実施例のうち、本発明の実施例に該当す
るのは、実施例10〜13および19〜20であり、そ
の他は参考例である。
【0080】〔実施例1〕 冷却管、温度計、滴下口のついた四つ口フラスコ中に2
5%アンモニア水溶液2.9g、メタノール10.1
g、水141.1gを混合した溶液(A液)を入れ、2
5±2℃に保持し、攪拌しながら該溶液中に、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン27g、メタノ
ール54g、ラジカル重合開始剤として2,2′−アゾ
ビス−(2.4−ジメチルバレロニトリル)0.14g
を混合した溶液(B液)を滴下口から添加して、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解・
縮合を行った。攪拌を継続しながら20分後、N2雰囲
気中で70±5℃に加熱し、ラジカル重合を行った。
【0081】2時間加熱を続けた後、室温まで冷却し、
重合体粒子の懸濁体を得た。この懸濁体を濾過により固
液分離し、得られたケーキをメタノールによる洗浄を3
回繰り返して行い、得られた重合体粒子を真空乾燥機中
で200℃で2時間真空乾燥して複合体粒子(1)を得
た。得られた複合体粒子(1)は、平均粒子径4.24
μm、変動係数3.8%、ポリシロキサン骨格を構成す
るSiO2の量34.7wt%、10%圧縮弾性率48
0kg/mm2、10%変形後の残留変位2.2%、破
壊強度2.4gであった。複合体粒子(1)について、
FT−IR分析により、有機ポリマー骨格の−CH2
CH2−に帰属されるスペクトル(650〜800c
m-1)と−Si−CH2−に帰属されるスペクトル(11
50〜1300cm-1)とを確認した。
【0082】これらの結果から、複合体粒子(1)は、
有機ポリマー骨格と、有機ポリマー骨格中の少なくとも
1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケ
イ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含む有機
質無機質複合体粒子であることがわかる。この複合体粒
子(1)を用いて公知の方法によりB版大のSTN型液
晶表示板を作製した。その結果、現存する有機質粒子ス
ペーサー(株式会社日本触媒製エポスターGP−H)に
対して散布個数を10%以上減少させることができ、ま
た、シリカ焼成物粒子やゾル−ゲル法による未焼成シリ
カ粒子を用いたときに生じる低温発泡も画像ムラも生じ
なかった。
【0083】〔実施例2〕 実施例1において、B液の組成をγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン19.2g、メタノール51
g、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)0.10g、テトラエトキシシランの2〜5量
体(多摩化学株式会社製「シリケート40」SiO2
して40wt%)4.2gに変えたこと以外は実施例1
の操作を繰り返して、複合体粒子(2)を得た。得られ
た複合体粒子(2)は、平均粒子径2.02μm、変動
係数7.4%、ポリシロキサン骨格を構成するSiO2
の量42.7wt%、10%圧縮弾性率720kg/m
2、10%変形後の残留変位3.6%、破壊強度1.
0gであった。複合体粒子(2)について、実施例1と
同様にして、−CH2−CH2−に帰属されるスペクトル
(650〜800cm-1)と−Si−CH2−に帰属され
るスペクトル(1150〜1300cm-1)とを確認し
た。
【0084】この複合体粒子(2)を用いて公知の方法
によりB5版大の強誘電性液晶表示板を作製したとこ
ろ、実施例1と同様の結果が得られた。 〔実施例3〕 実施例1において、B液の組成をγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン40.5g、メタノール5
0.6g、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)0.20g、ジビニルベ
ンゼン4.5gに変え、A液を50±5℃に保持してN
2雰囲気中で攪拌しながらB液を20分間かけて滴下
し、加水分解・縮合しながらラジカル重合を行ったこと
以外は実施例1の操作を繰り返して、複合体粒子(3)
を得た。
【0085】得られた複合体粒子(3)は、平均粒子径
8.91μm、変動係数4.8%、ポリシロキサン骨格
を構成するSiO2の量29.5wt%、10%圧縮弾
性率370kg/mm2、10%変形後の残留変位2.
8%、破壊強度9.7gであった。複合体粒子(3)に
ついて、実施例1と同様にして、−CH2−CH2−に帰
属されるスペクトル(650〜800cm-1)と−Si−
CH2−に帰属されるスペクトル(1150〜1300c
m-1)とを確認した。この複合体粒子(3)を用いて公
知の方法によりB5版大のTN型液晶表示板を作製した
ところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0086】〔実施例4〕 実施例1において、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランの代わりにビニルトリメトキシシランを用
い、200℃で2時間真空乾燥した後にN2雰囲気中で
600℃で2時間焼成したこと以外は実施例1の操作を
繰り返して、複合体粒子(4)を得た。得られた複合体
粒子(4)は、平均粒子径4.18μm、変動係数7.
2%、ポリシロキサン骨格を構成するSiO2の量4
0.9wt%、10%圧縮弾性率1050kg/m
2、10%変形後の残留変位3.2%、破壊強度1.
9gであった。複合体粒子(4)について、実施例1と
同様にして、−CH2−CH2−に帰属されるスペクトル
(650〜800cm-1)と−Si−CH2−に帰属され
るスペクトル(1150〜1300cm-1)とを確認し
た。
【0087】この複合体粒子(4)を用いて公知の方法
によりB5版大のSTN型液晶表示板を作製したとこ
ろ、実施例1と同様の結果が得られた。 〔実施例5〕 実施例1において、A液にシリカゾル(日産化学株式会
社製「スノーテックス−XS」SiO220wt%、粒
子径4〜6nm)15gを加えたこと以外は実施例1の
操作を繰り返して、複合体粒子(5)を得た。得られた
複合体粒子(5)は、平均粒子径4.77μm、変動係
数4.0%、ポリシロキサン骨格を構成するSiO2
量42.0wt%、10%圧縮弾性率1130kg/m
2、10%変形後の残留変位2.5%、破壊強度3.
8gであった。複合体粒子(5)について、実施例1と
同様にして、−CH2−CH2−に帰属されるスペクトル
(650〜800cm-1)と−Si−CH2−に帰属され
るスペクトル(1150〜1300cm-1)とを確認し
た。
【0088】この複合体粒子(5)を用いて公知の方法
によりB5版大のTFT型液晶表示板を作製したとこ
ろ、実施例1と同様の結果が得られた。 〔実施例6〜9〕 実施例5において、シリカゾルの種類および量を表1に
示すように変えたこと以外は実施例5の操作を繰り返し
て、複合体粒子(6)〜(9)を得た。得られた複合体
粒子(6)〜(9)の、平均粒子径、変動係数、ポリシ
ロキサン骨格を構成するSiO2の量、10%圧縮弾性
率、10%変形後の残留変位、破壊強度を表1に示し
た。複合体粒子(6)〜(9)について、実施例1と同
様にして、−CH2−CH2−に帰属されるスペクトル
(650〜800cm-1)と−Si−CH2−に帰属され
るスペクトル(1150〜1300cm-1)とを確認し
た。
【0089】複合体粒子(6)〜(9)を用いて公知の
方法によりB5版大のSTN型液晶表示板を作製したと
ころ、いずれも実施例1と同様の結果が得られた。 〔実施例10〕 実施例8において得られた複合体粒子(8)を更に窒素
95容量%、酸素5容量%の混合気体中で400℃で2
時間熱処理し、複合体粒子(10)を得た。得られた複
合体粒子(10)の、平均粒子径、変動係数、ポリシロ
キサン骨格を構成するSiO2の量、10%圧縮弾性
率、10%変形後の残留変位、破壊強度を表1に示し
た。複合体粒子(10)について、実施例1と同様にし
て、−CH2−CH2−に帰属されるスペクトル(650
〜800cm-1)と−Si−CH2−に帰属されるスペク
トル(1150〜1300cm-1)とを確認した。
【0090】複合体粒子(10)を用いて公知の方法に
よりB5版大のSTN型液晶表示板を作製したところ、
いずれも実施例1と同様の結果が得られた。
【0091】
【表1】
【0092】〔実施例11〕 酸性染料であるKayacyl Sky Blue R
(日本化薬株式会社製)5gを水100gに溶解した溶
液と、実施例8で得られた複合体粒子(8)10gを水
500gに分散した分散液とを混合し、オートクレーブ
中で150℃で1時間加圧加熱処理した。処理後、濃青
色に着色された粒子を濾過で捕集し、更に水洗を3回繰
り返した後、200℃で真空乾燥して濃青色に着色され
た複合体粒子(11)を得た。得られた複合体粒子(1
1)は、平均粒子径4.26μm、変動係数6.3%、
ポリシロキサン骨格を構成するSiO2の量40.0w
t%、10%圧縮弾性率920kg/mm2、10%変
形後の残留変位3.0%、破壊強度3.0gであった。
複合体粒子(11)について、実施例1と同様にして、
−CH2−CH2−に帰属されるスペクトル(650〜8
00cm-1)と−Si−CH2−に帰属されるスペクトル
(1150〜1300cm-1)とを確認した。
【0093】この複合体粒子(11)を用いて公知の方
法によりB5版大のSTN型液晶表示板を作製したとこ
ろ、実施例8と同様の結果が得られると共に、輝点(光
抜け)が少なかった。 〔実施例12〕 塩基性染料であるKayacryl Black NP
200(日本化薬株式会社製)5gを水300gに溶解
し、酢酸を加えてpH4とした後、実施例8で得られた
複合体粒子(8)10gを加えて良く攪拌しながら95
℃で8時間加熱して黒色に着色された複合体粒子(1
2)を得た。
【0094】得られた複合体粒子(12)は、平均粒子
径4.41μm、変動係数5.7%、ポリシロキサン骨
格を構成するSiO2の量40.2wt%、10%圧縮
弾性率920kg/mm2、10%変形後の残留変位
2.8%、破壊強度3.4gであった。複合体粒子(1
2)について、実施例1と同様にして、−CH2−CH2
−に帰属されるスペクトル(650〜800cm-1)と−
Si−CH2−に帰属されるスペクトル(1150〜1
300cm-1)とを確認した。この複合体粒子(12)を
用いて公知の方法によりB5版大のSTN型液晶表示板
を作製したところ、実施例11と同様の結果が得られ
た。
【0095】〔実施例13〕 実施例8において、A液に塩基性染料であるKayac
ryl BlackNP200(日本化薬株式会社製)
1gを加えたこと以外は実施例8の操作を繰り返して黒
色に着色された複合体粒子(13)を得た。得られた複
合体粒子(13)は、平均粒子径4.53μm、変動係
数5.1%、ポリシロキサン骨格を構成するSiO2
量40.4wt%、10%圧縮弾性率970kg/mm
2、10%変形後の残留変位2.5%、破壊強度3.6
gであった。複合体粒子(13)について、実施例1と
同様にして、−CH2−CH2−に帰属されるスペクトル
(650〜800cm-1)と−Si−CH2−に帰属され
るスペクトル(1150〜1300cm-1)とを確認し
た。
【0096】この複合体粒子(13)を用いて公知の方
法によりB5版大のSTN型液晶表示板を作製したとこ
ろ、実施例11と同様の結果が得られた。 〔実施例14〕 実施例8で得られた複合体粒子(8)30gと熱可塑性
樹脂粒子(メチルメタクリレート84wt%とn−ブチ
ルアクリレート16wt%との共重合体、ガラス転移温
度70℃、平均粒子径0.3μm)2gとを混合し、更
に奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムN
HS−O型を使用して複合体粒子(8)の表面を熱可塑
性樹脂で被覆して表面に接着層を有する複合体粒子(1
4)を得た。得られた、接着層を有する複合体粒子(1
4)をSEMで観察したところ、複合体粒子(8)の表
面は完全に熱可塑性樹脂で被覆されており、その断面を
TEMで観察したところ、被覆層の厚みは0.2μmで
あった。
【0097】この接着層を有する複合体粒子(14)を
用いて公知の方法によりB5版大のSTN型液晶表示板
を作製したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
また、得られた液晶表示板を振動機を用いて振動する前
と振動した後とに同様に表示させたところ全く変化がな
かった。 〔実施例15〕 実施例14において、複合体粒子(8)の代わりに実施
例13で得られた黒色に着色された複合体粒子(13)
を使用したこと以外は実施例14の操作を繰り返して、
表面に接着層を有する黒色に着色された複合体粒子(1
5)を得た。得られた、接着層を有する黒色に着色され
た複合体粒子(15)をSEMで観察したところ、複合
体粒子(13)の表面は完全に熱可塑性樹脂で被覆され
ており、その断面をTEMで観察したところ、被覆層の
厚みは0.2μmであった。
【0098】この接着層を有する黒色に着色された複合
体粒子(15)を用いて公知の方法によりB5版大のS
TN型液晶表示板を作製したところ、実施例14と同様
の結果が得られた。 〔実施例16〕 実施例8で得られた複合体粒子(8)に無電解Niメッ
キを施して導電性粒子(16)を得た。得られた導電性
粒子(16)は、平均粒子径4.92μm、変動係数
5.4%であった。得られた導電性粒子(16)をSE
MとXMAで観察したところ、導電性粒子(16)の表
面は完全にNiでメッキ被覆されており、その断面をT
EMで観察したところ、被覆層の厚みは0.3μmであ
った。
【0099】〔実施例17〕 実施例8で得られた複合体粒子(8)に無電解Niメッ
キを施した後、更に無電解金メッキを施し、導電性粒子
(17)を得た。得られた導電性粒子(17)は、平均
粒子径5.05μm、変動係数5.5%であった。得ら
れた導電性粒子(17)をSEMとXMAで観察したと
ころ、導電性粒子(17)の表面は完全にNiでメッキ
被覆され、その上にAuでメッキ被覆されており、その
断面をTEMで観察したところ、被覆層の厚みは0.5
μmであった。 〔実施例18〕 実施例1で得られた重合体粒子(1)の懸濁体をデカン
テーションにより固液分離し、得られたケーキを室温下
で一晩乾燥した。この乾燥物から5g採取し、イソプロ
ピルアルコール200g中に超音波分散させた後、この
分散液にジブチル錫ジラウレート0.5gを添加して攪
拌しながら80℃で2時間加熱した。これにより、再縮
合粒子(18)の懸濁体を得、実施例1と同様にして固
液分離・洗浄・乾燥を行って、複合体粒子(18)を得
た。
【0100】得られた複合体粒子(18)は、平均粒子
径4.20μm、変動係数3.9%、ポリシロキサン骨
格を構成するSiO2の量35.1wt%、10%圧縮
弾性率950kg/mm2、10%変形後の残留変位
1.8%、破壊強度3.0gであった。複合体粒子(1
8)について、実施例1と同様にして、−CH2−CH2
−に帰属されるスペクトル(650〜800cm-1)と−
Si−CH2−に帰属されるスペクトル(1150〜1
300cm-1)とを確認した。この複合体粒子(18)を
用いて公知の方法によりB5版大のSTN型液晶表示板
を作製したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0101】〔実施例19〕 冷却管、温度計、滴下口のついた四つ口フラスコ中にN
2雰囲気中で25%アンモニア水溶液1.8g、水15
4.8gを混合した溶液を入れ、40±2℃に保持し、
攪拌しながら該溶液中に、p−トリメトキシシリルスチ
レン29g、メタノール70g、ラジカル重合開始剤と
して2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメ
チルバレロニトリル)0.12gを混合した溶液を滴下
口から添加して、p−トリメトキシシリルスチレンの加
水分解・縮合を行った。攪拌を継続しながら7分後、N
2雰囲気中で55±5℃に加熱し、ラジカル重合を行っ
た。
【0102】15分加熱を続けた後、室温まで冷却し、
重合体粒子の懸濁体を得た。この懸濁体を濾過により固
液分離し、得られたケーキをメタノールによる洗浄を3
回繰り返して行い、得られた重合体粒子をN2雰囲気中
で350℃で2時間加熱して複合体粒子(19)を得
た。得られた複合体粒子(19)は、平均粒子径2.6
0μm、変動係数6.9%、ポリシロキサン骨格を構成
するSiO2の量36.7wt%、10%圧縮弾性率7
45kg/mm2、10%変形後の残留変位1.8%、
破壊強度1.2gであった。複合体粒子(19)につい
て、実施例1と同様にして、有機ポリマー骨格の−CH
2−CH2−に帰属されるスペクトル(650〜800cm
-1)と−Si−C64−に帰属されるスペクトル(14
00〜1450cm-1、700〜710cm-1)とを確認し
た。
【0103】これらの結果から、複合体粒子(19)
は、有機ポリマー骨格と、有機ポリマー骨格中の少なく
とも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有
機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含む
有機質無機質複合体粒子であることがわかる。この複合
体粒子(19)を用いて公知の方法によりB5版大の強
誘電性液晶表示板を作製したところ、実施例1と同様の
結果が得られた。 〔実施例20〕 カーボンブラックであるラベン1255(コロンビヤン
・カーボン日本株式会社製)500gにγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン500gを加えて、熱ロ
ールにて80〜90℃で3回混練したもの13gを、実
施例1におけるB液中に分散させたものをB液として用
いた以外は実施例1の操作を繰り返して、黒色に着色さ
れた複合体粒子(20)を得た。
【0104】得られた複合体粒子(20)は、平均粒子
径3.92μm、変動係数3.2%、ポリシロキサン骨
格を構成するSiO2の量27.8wt%、10%圧縮
弾性率837kg/mm2、10%変形後の残留変位
2.3%、破壊強度2.5gであった。複合体粒子(2
0)について、実施例1と同様にして、有機ポリマー骨
格の−CH2−CH2−に帰属されるスペクトル(650
〜800cm-1)と−Si−CH2−に帰属されるスペク
トル(1150〜1300cm-1)とを確認した。これら
の結果から、複合体粒子(20)は、有機ポリマー骨格
と、有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子に
ケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有
するポリシロキサン骨格とを含む有機質無機質複合体粒
子であることがわかる。
【0105】この複合体粒子(20)を用いて公知の方
法によりB5版大のTFT型液晶表示板を作製したとこ
ろ、実施例1と同様の結果が得られた。 〔比較例1〕 実施例1で得られた複合体粒子(1)を更に950℃で
2時間熱処理して粒子を得た。この粒子のポリシロキサ
ン骨格を構成するSiO2の量は99.8wt%であ
り、FT−IR分析結果からも有機ポリマー骨格が分解
・燃焼してしまったシリカ粒子であることがわかった。
得られた粒子の10%圧縮弾性率は3250kg/mm2
10%変形後の残留変位は6.2%であった。この粒子
を用いて、公知の方法によりB5版大のTFT型液晶表
示板を作製したところ、電極基板上のTFTの断線によ
る画素欠陥が生じ、かつ、粒子の機械的復元性が充分で
ないため画像のムラが生じた。
【0106】上記実施例で得られた液晶表示板の面内に
散布された、本発明のスペーサー個数は、散布面を縦、
横それぞれ3等分して合計9つの区域のそれぞれにおい
て任意の1mm2内の本発明のスペーサーの個数を光学顕
微鏡により計数し、計9区域の個数の平均値をもって、
散布個数とした。結果は、以下のとおりであった。 実施例1…散布個数73個/mm2 実施例10…散布個数63個/mm2 実施例2…散布個数70個/mm2 実施例11…散布個数70個/mm2 実施例3…散布個数69個/mm2 実施例12…散布個数69個/mm2 実施例4…散布個数68個/mm2 実施例13…散布個数71個/mm2 実施例5…散布個数69個/mm2 実施例14…散布個数69個/mm2 実施例6…散布個数66個/mm2 実施例15…散布個数70個/mm2 実施例7…散布個数64個/mm2 実施例18…散布個数65個/mm2 実施例8…散布個数68個/mm2 実施例19…散布個数75個/mm2 実施例9…散布個数52個/mm2 実施例20…散布個数63個/mm2 〔比較例2〕 実施例1記載の現存する有機質粒子スペーサーを用い
て、公知の方法によりB5版大のSTN型液晶表示板を
作製したところ、画像ムラが顕著に現れ、液晶表示板と
して使用に耐えないものであった。このとき、スペーサ
ーの散布個数は、上記のような計数方法によれば66個
/mm2であった。
【0107】(比較例3) 攪拌機、滴下口および温度計を備えた2リットルのガラ
ス製反応器中で、メタノール307重量部、25%アン
モニア水6重量部、水1225重量部を均一に混合し
た。この混合液を20±0.5℃に調整して100rpm
で均一に攪拌しながら、メチルトリメトキシシラン60
重量部を滴下口より6時間かけて滴下した。滴下後も1
時間均一に攪拌を続け、加水分解、縮合を行い、メチル
トリメトキシシランの縮合体水和物微粒子の懸濁体を得
た。この懸濁体を濾過により固液分離し、得られたケー
キにメタノールによる洗浄を3回繰り返して行い、得ら
れた固形分粉体を真空乾燥器中で200℃で3時間乾燥
して、平均粒子径2.04μm、変動係数7.6%の有
機−無機複合体粒子を得た。得られた複合体粒子の10
%圧縮弾性率は370kg/mm2、10%変形後の残留変
位は2.7%、破壊強度は0.2gであった。この複合
体粒子を液晶表示板用スペーサーとして用いて、公知の
方法によりB5版大の強誘電性液晶表示板を作製した
が、複合体粒子が破壊してしまい、画像ムラが顕著に現
れ、液晶表示板としては使用に耐えないものであった。
このときのスペーサーの散布個数は上記のような計数方
法によれば95個/mm2であった。
【0108】
【発明の効果】本発明の有機質無機質複合体粒子の製造
方法は、加水分解・縮合可能なラジカル重合性基含有第
1シリコン化合物を用いて加水分解・縮合する縮合工程
と、縮合工程中および/または縮合工程後に、ラジカル
重合性基をラジカル重合反応させる重合工程と、重合工
程で生成した重合体粒子を800℃以下の温度で乾燥お
よび焼成する熱処理工程とを含むので、有機ポリマー骨
格とこれと化学的に結合したポリシロキサン骨格とが粒
子の内部と表面とに均一に分布しており、正確な間隔で
配置されるべき1対の部材間の隙間距離を一定に保持す
るために必要な機械的復元性と少ない個数で前記隙間距
離を一定に保持するために必要な硬度および破壊強度と
を有するとともに、前記部材に対して物理的ダメージを
与えにくい有機質無機質複合体粒子を容易に作ることが
できる。
【0109】しかも、本発明の製造方法は、10容量%
以下の酸素濃度を有する雰囲気中で熱処理工程を行うの
で、有機ポリマー骨格の分解が抑制されると共にシラノ
ール基の脱水縮合が促進されるため、必要な硬度と機械
的復元性と破壊強度とを有する複合体粒子がより生成し
易いという利点をさらに有する。また、本発明の製造方
法は、縮合工程、重合工程および熱処理工程から選ばれ
る少なくとも1つの工程中および/または後に、生成し
た粒子を着色する着色工程をさらに含むので、光抜けを
起こしにくいので輝点の少ない液晶表示板を作ることが
できる液晶表示板用スペーサーとして有用である着色さ
れた有機質無機質複合体粒子が生成するという利点をさ
らに有する。
【0110】本発明により製造された有機質無機質複合
体粒子と、有機質無機質複合体粒子表面に形成された導
体層とを有する導電性粒子は、電気的に接続される1対
の電極間の隙間距離を一定に保持しやすく、かつ接触不
良を起こしにくい。このため、電極基板間の隙間距離を
一定に保持しながら、良好な電気的接続を行うことがで
き、エレクトロニクスの実装材料として有用である。本
発明により製造された有機質無機質複合体粒子からなる
液晶表示板用スペーサーは、正確な間隔で配置されるべ
き1対の電極基板間の隙間距離を一定に保持するために
必要な機械的復元性と少ない個数で隙間距離を一定に保
持するために必要な硬度および破壊強度とを有するとと
もに、電極基板に対して物理的ダメージを与えにくい。
【0111】電極基板間に介在させるスペーサーとし
て、本発明により製造された有機質無機質複合体粒子か
らなる液晶表示板用スペーサーを、本発明の液晶表示板
用スペーサーが用いられてなる液晶表示板は、製造時の
プレスによる電極基板の物理的損傷が起こりにくく、画
質が向上している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造された有機質無機質複合体粒
子からなる液晶表示板用スペーサーを用いた液晶表示板
の1実施例を表す部分断面図である。
【図2】本発明により製造された有機質無機質複合体粒
子からなる液晶表示板用スペーサーの1実施例を表す断
面図である。
【図3】本発明により製造された有機質無機質複合体粒
子からなる液晶表示板用スペーサーの1実施例を表す断
面図である。
【図4】本発明により製造された有機質無機質複合体粒
子からなる液晶表示板用スペーサーの1実施例を表す断
面図である。
【図5】本発明により製造された有機質無機質複合体粒
子からなる液晶表示板用スペーサーの1実施例を表す断
面図である。
【図6】本発明により製造された有機質無機質複合体粒
子を用いた導電性粒子の1実施例を表す断面図である。
【符号の説明】
2 接着シール材 3 シール部スペーサー 4 配向膜 5 電極 6 偏光膜 7 液晶 8 面内スペーサー 11 下側ガラス基板 12 上側ガラス基板 31 有機質無機質複合体粒子 32 有機質無機質複合体粒子 33 接着剤層 34 有機質無機質複合体粒子 35 導体層 110 下側電極基板 120 上側電極基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−15209(JP,A) 特開 平4−313727(JP,A) 特開 平4−202325(JP,A) 特開 平1−234826(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/00 C08F 30/08 C08L 83/00 G02F 1/1339

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式1: 【化1】 (ここで、R1は水素原子またはメチル基を示し;R
    2は、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価
    の有機基を示し;R3は、水素原子と、炭素数1〜5の
    アルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)と、次の一
    般式2: 【化2】 (ここで、R4は水素原子またはメチル基を示し;R
    5は、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素
    数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくと
    も1つの1価基を示す)と、次の一般式3: 【化3】 (ここで、R6は水素原子またはメチル基を示し;R
    7は、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価
    の有機基を示し;R8は、水素原子と、炭素数1〜5の
    アルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)とからなる
    群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表される化合
    物およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも
    1つの、ラジカル重合性基含有第1シリコン化合物を用
    いて加水分解・縮合する縮合工程と、 前記縮合工程中および/または前記縮合工程後に、ラジ
    カル重合性基をラジカル重合反応させる重合工程と、 前記重合工程で生成した重合体粒子を800℃以下の温
    度で、10容量%以下の酸素濃度を有する雰囲気中で熱
    処理する熱処理工程と、 を含む、 有機質無機質複合体粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】次の一般式1: 【化4】 (ここで、R1は水素原子またはメチル基を示し;R
    2は、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価
    の有機基を示し;R3は、水素原子と、炭素数1〜5の
    アルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)と、次の一
    般式2: 【化5】 (ここで、R4は水素原子またはメチル基を示し;R
    5は、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素
    数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくと
    も1つの1価基を示す)と、次の一般式3: 【化6】 (ここで、R6は水素原子またはメチル基を示し;R
    7は、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価
    の有機基を示し;R8は、水素原子と、炭素数1〜5の
    アルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)とからなる
    群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表される化合
    物およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも
    1つの、ラジカル重合性基含有第1シリコン化合物を用
    いて加水分解・縮合する縮合工程と、 前記縮合工程中および/または前記縮合工程後に、ラジ
    カル重合性基をラジカル重合反応させる重合工程と、 前記重合工程で生成した重合体粒子を800℃以下の温
    度で熱処理する熱処理工程と、 を含み、 前記縮合工程、前記重合工程および前記熱処理工程から
    選ばれる少なくとも1つの工程中および/または後に、
    生成した粒子を着色する着色工程をさらに含む、有機質
    無機質複合体粒子の製造方法。
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