JP3106071B2 - 液晶表示板用スペーサー、その製造方法および液晶表示板 - Google Patents
液晶表示板用スペーサー、その製造方法および液晶表示板Info
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Description
ー、その製造方法及び液晶表示板に関する。
る電極基板と、前記電極基板間に介在するスペーサー及
び液晶物質とで構成されている。スペーサーは、液晶層
の厚みを均一かつ一定に保つために使用される。液晶表
示板の実用に際して要求される表示性能として、一般
に、高速応答性、高コントラスト性、広視野角性等が挙
げられる。これら諸性能の実現のためには、液晶層の厚
み、つまり、2枚の電極基板の隙間距離を厳密に一定に
保持する必要があり、各種の液晶表示板用スペーサーが
実用に供せられている。
い、ワードプロッセサー、パーソナルコンピューター、
テレビ、プロジェクター等、大型表示部や大型投影部を
有する高級機器の表示装置として飛躍的に普及され始め
ている。しかしながら、従来のスペーサーを用いた液晶
表示板では、液晶分子がそのスペーサーとの界面近傍で
異常配向を起こす。異常配向を起こした領域は表示を行
わないため、その領域が大きいほど表示品位が著しく低
下する。
さなシリカスペーサー(特開平3−293327号公
報)、長鎖アルキルシラン化合物でジビニルベンゼンの
架橋体粒子の表面を処理したスペーサー(特開平6−1
1719号公報)が提案されている。上記公報に開示さ
れたスペーサーを上記高級機器の大型表示部や大型投影
部の液晶表示板に使用すると、表示面積が大きいため、
散布されるスペーサーの個数が多くなり、異常配向領域
が必然的に増えてしまったり異常配向領域が拡大された
りするため、表示品位が悪いという問題は解決されな
い。
とスペーサーとの界面における液晶分子の異常配向がよ
り起こりにくい液晶表示板用スペーサーを提供すること
である。本発明の別の目的は、液晶とスペーサーとの界
面における液晶分子の異常配向がより起こりにくい液晶
表示板用スペーサーを容易に製造する方法を提供するこ
とである。
表示品位を向上させることである。
ペーサーは、有機質部分と無機質部分とを含み、前記無
機質部分の割合が無機酸化物換算量で10〜90wt%
の範囲である有機質無機質複合体粒子の表面を一般式
(1):
り、4個のXは同じでもよいし異なっていてもよい)お
よび一般式(2):
基およびエポキシ基からなる群から選ばれる基を1個以
上有する炭素数1〜20の1価の有機基であり;R
2 は、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル
基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール
基、および、置換されていてもよい炭素数7〜20のア
ラルキル基からなる群から選ばれる1価の基であり;X
は1価の加水分解性基であり;mは1〜3の整数であ
り;nは0〜2の整数であり;m+nは1〜3の整数で
あり;mが2または3であるときには、2または3個の
R1 は同じでもよいし異なっていてもよい;nが2であ
るときには、2個のR2 は同じでもよいし異なっていて
もよい;4−m−nが2または3であるときには、2ま
たは3個のXは同じでもよいし異なっていてもよい)で
示されるシラン化合物からなる群から選ばれる少なくと
も1つで処理してなる、スペーサーである。
法は、準備工程と表面処理工程とを含む。準備工程は、
有機質部分と無機質部分とを含み、前記無機質部分の割
合が無機酸化物換算量で10〜90wt%の範囲である
有機質無機質複合体粒子を準備する工程である。表面処
理工程は、有機質無機質複合体粒子の表面を一般式
(1):
り、4個のXは同じでもよいし異なっていてもよい)お
よび一般式(2):
基およびエポキシ基からなる群から選ばれる基を1個以
上有する炭素数1〜20の1価の有機基であり;R
2 は、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル
基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール
基、および、置換されていてもよい炭素数7〜20のア
ラルキル基からなる群から選ばれる1価の基であり;X
は1価の加水分解性基であり;mは1〜3の整数であ
り;nは0〜2の整数であり;m+nは1〜3の整数で
あり;mが2または3であるときには、2または3個の
R1 は同じでもよいし異なっていてもよい;nが2であ
るときには、2個のR2 は同じでもよいし異なっていて
もよい;4−m−nが2または3であるときには、2ま
たは3個のXは同じでもよいし異なっていてもよい)で
示されるシラン化合物からなる群から選ばれる少なくと
も1つで処理する工程である。
び、本発明の製造方法では、表面処理に用いるシラン化
合物は、たとえば、テトラアルコキシシラン、グリシド
キシプロピルトリアルコキシシラン、グリシドキシプロ
ピルアルキルジアルコキシシラン、(エポキシシクロア
ルキル)アルキルトリアルコキシシラン、アミノプロピ
ルトリアルコキシシラン、アミノプロピルアルキルジア
ルコキシシラン、N置換−アミノプロピルトリアルコキ
シシラン、N置換−アミノプロピルアルキルジアルコキ
シシラン、ヒドロキシプロピルアルキルジアルコキシシ
ラン、及びヒドロキシプロピルトリアルコキシシランか
らなる群から選ばれる少なくとも1つである。
び、本発明の製造方法では、シラン化合物が上記例示の
化合物であるか否かにかかわらず、有機質無機質複合体
粒子は、たとえば、有機ポリマー骨格とポリシロキサン
骨格とを含む。ここで、ポリシロキサン骨格の割合は、
有機質無機質複合体粒子の重量に対して、SiO2 換算
量で25〜85wt%の範囲であり、ポリシロキサン骨
格は、有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子
にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に
有する。
び、本発明の製造方法では、シラン化合物が前記例示の
化合物であるか否かにかかわらず、しかも、有機質無機
質複合体粒子が前記有機ポリマー骨格と前記ポリシロキ
サン骨格とを含むか否かにかかわらず、有機質無機質複
合体粒子が、一般式(3):
を示し;R4 は、置換基を有していても良い炭素数1〜
10のアルキレン基を示し;R5 は、水素原子と、炭素
数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)
で表される化合物およびその誘導体からなる群から選ば
れる少なくとも1つの加水分解・縮合可能なラジカル重
合性基含有シリコン化合物を加水分解・重縮合する縮合
工程と、前記縮合工程中および/または前記縮合工程後
に前記ラジカル重合性基をラジカル重合反応させる重合
工程と、を含む方法により作られるものであってもよ
い。
させるスペーサーとして、本発明の液晶表示板用スペー
サーが用いられてなる。
晶表示板用スペーサーを構成する粒子は、有機質部分と
無機質部分とを含む有機質無機質複合体粒子であり、無
機質部分の割合が、前記複合体粒子の重量に対して、無
機酸化物換算量で10〜90wt%、好ましくは25〜
85wt%、さらに好ましくは30〜80wt%の範囲
である。無機質部分の割合を示す無機酸化物換算量は、
有機質無機質複合体粒子を空気中などの酸化雰囲気中で
高温(たとえば1000℃)で焼成した前後の重量を測
定することにより求めた重量百分率である。このような
複合体粒子は、たとえば特開平2−97504号公報2
頁左下2行〜6頁右下13行に記載されているシロキサ
ン架橋重合体粒子、特願平6−160019号の明細書
7頁13行〜8頁4行、10頁16行〜14頁下から3
行、15頁3行〜18頁3行に記載されている有機質無
機質複合体粒子、特願平6−160019号の明細書8
頁5行〜10頁6行、18頁4行〜31頁8行、38頁
22行〜47頁13行に記載されている有機質無機質複
合体粒子の製造方法により作られた有機質無機質複合体
粒子等が挙げられる。
換算量が前記範囲を下回ると、前記シラン化合物で表面
処理されにくくなって異常配向を抑制しにくくなること
があり、また、前記範囲を上回ると、異常配向を防止で
きにくくなると共に硬すぎて配向膜の損傷やTFTの断
線が生じやすくなることがある。本発明に用いられる最
も好ましい有機質無機質複合体粒子は、有機ポリマー骨
格と、有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子
にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に
有するポリシロキサン骨格とを含み、ポリシロキサン骨
格の割合が、複合体粒子の重量に対して、SiO2 換算
量で25〜85wt%の範囲であるものである。この理
由は、該複合体粒子を上述のシラン化合物で表面処理し
た粒子は、配向膜の損傷やTFTの断線を起こしにく
く、かつ、異常配向が最も抑制されるからである。ポリ
シロキサン骨格の割合を示すSiO2換算量は、有機質
無機質複合体粒子を空気などの酸化性雰囲気中で100
0℃以上の温度で焼成した前後の重量を測定することに
より求めた重量百分率である。
を製造する方法の例は、たとえば次のとおりである。一
般式(3):
を示し;R4 は、置換基を有していても良い炭素数1〜
10のアルキレン基を示し;R5 は、水素原子と、炭素
数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)
で表される化合物およびその誘導体からなる群から選ば
れる少なくとも1つの加水分解・縮合可能なラジカル重
合性基含有シリコン化合物を用いて加水分解・重縮合し
ながら(縮合工程中)、および/または、加水分解・重
縮合した後(縮合工程後)にラジカル重合性基をラジカ
ル重合反応させ(重合工程)、場合により、残存するシ
ラノール基を重縮合する(再縮合工程)ことにより、上
記最も好ましい有機質無機質複合体粒子が得られる。
しては、たとえば、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン等であ
り、これらのうちのいずれか1つが単独で使用された
り、2以上が併用されたりする。一般式(3)で表され
る化合物の誘導体としては、たとえば、一般式(3)で
表される化合物の有する一部のR5 O基がβ−ジカルボ
ニル基および/または他のキレート化合物を形成し得る
基で置換された化合物と、一般式(3)で表される化合
物および/またはそのキレート化合物を部分的に加水分
解・重縮合して得られた低縮合物とからなる群から選ば
れる少なくとも1つである。
有シリコン化合物を加水分解・重縮合する際に、他の加
水分解・縮合可能な金属化合物やシリカゾル等を併用し
てもよい。加水分解・縮合可能な金属化合物の具体例と
しては、たとえば、テトラメトキシシラン・テトラエト
キシシラン・テトラプロポキシシラン・テトラブトキシ
シラン等のテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン・メチルトリエトキシシラン・エチルトリメト
キシシラン等のトリアルコキシシラン、および、これら
のテトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキ
シシランの低縮合物等の有機ケイ素化合物と、これらの
有機ケイ素化合物のSiがTi、Zr、Al等の金属に
置換された有機金属化合物とからなる群から選ばれる少
なくとも1つが挙げられる。また、シリカゾルとして
は、たとえば平均粒子径30nm以下のシリカ微粒子が
水および/またはアルコール等有機溶媒に分散したスラ
リーが挙げられる。
る際に、ラジカル重合性基とラジカル重合可能な有機基
を有する有機モノマーを共存させても良い。再縮合工程
とは、上記した加水分解・重縮合反応及びラジカル重合
反応の終了後、残存するシラノール基の縮合を促進させ
る工程であり、複合体粒子の硬度等が向上し、電極基板
上への散布個数が低減され、液晶表示板の表示品位が向
上する。該再縮合工程では、たとえば有機溶媒中で加熱
すれば良く、縮合を促進させるために、触媒として、ジ
ブチル錫ジアセテート、ジブチル錫シラウレート、ジブ
チル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジマレエー
ト等の有機錫化合物等や酸性リン酸エステル等を使用し
ても良い。
ン化合物を次に説明する。一般式(1)および(2)に
おいて、Xは1価の加水分解性基であれば特に限定され
ないが、たとえば、アルコキシ基とアシロキシ基とハロ
ゲン原子とからなる群から選ばれる少なくとも1つの基
が挙げられる。ここで挙げた1価の基の中で好ましいX
は、加水分解副生成物が容易に除去できるという点か
ら、炭素数1〜5のアルコキシ基と炭素数2〜5のアシ
ロキシ基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの基
である。1分子中にXが2個以上ある場合には、全部同
じであってもよいし少なくとも1個が異なっていてもよ
い。
基、ヒドロキシ基およびエポキシ基からなる群から選ば
れる基を1個以上有する炭素数1〜20の1価の有機基
であれば特に限定されない。R1 の具体例としては、た
とえば、γ−アミノプロピル基、γ−ジメチルアミノプ
ロピル基、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル
基、N−フェニル−γ−アミノプロピル基、2−アミノ
エチルアミノメチル基、2−(2−アミノエチルチオエ
チル)基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チル基、γ−グリシドキシプロピル基、3−ヒドロキシ
プロピル基等が挙げられる。
ていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換されて
いてもよい炭素数6〜20のアリール基、および、置換
されていてもよい炭素数7〜20のアラルキル基からな
る群から選ばれる1価の基であれば特に限定されない。
R2 の具体例としては、たとえば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ド
デシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜20のアルキ
ル基;これら炭素数1〜20のアルキル基の水素原子の
1個以上がハロゲン原子に置換された基;それら炭素数
1〜20のアルキル基の水素原子の1個以上がアルコキ
シ基に置換された基;フェニル基、トリル基等の炭素数
6〜20のアリール基;これら炭素数6〜20のアリー
ル基の水素原子の1個以上がハロゲン原子に置換された
基;ベンジル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;こ
れら炭素数7〜20のアラルキル基の水素原子の1個以
上がハロゲン原子に置換された基などが挙げられる。
ン化合物は、たとえば、テトラアルコキシシラン、グリ
シドキシプロピルトリアルコキシシラン、グリシドキシ
プロピルアルキルジアルコキシシラン、(エポキシシク
ロアルキル)アルキルトリアルコキシシラン、アミノプ
ロピルトリアルコキシシラン、アミノプロピルアルキル
ジアルコキシシラン、N置換−アミノプロピルトリアル
コキシシラン、N置換−アミノプロピルアルキルジアル
コキシシラン、ヒドロキシプロピルアルキルジアルコキ
シシラン、及びヒドロキシプロピルトリアルコキシシラ
ンからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
ン化合物のうち、異常配向を特に抑制できる点で、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−ジメチルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フ
ェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランからな
る群から選ばれる少なくとも1つが特に好ましい。
子の表面を上述のシラン化合物で処理する方法は従来公
知の方法が採用され、特に限定されるものではないが、
たとえば以下に示す方法がある。 シラン化合物を含む処理液中に複合体粒子を浸漬し
た後、そのまままたは濾過した後乾燥する。 シラン化合物を含む処理液を複合体粒子に噴霧また
は塗布し乾燥する。 シラン化合物を気化させ、そのガスを複合体粒子と
接触させる。
れないが、複合体粒子の重量に対して、たとえば0.1
〜500wt%、好ましくは0.5〜100wt%、よ
り好ましくは1〜50wt%の範囲である。前記範囲内
であると表面処理効果が高いが、前記範囲を外れると表
面処理効果が低くなるおそれがある。乾燥温度及び時間
は特に限定されない。温度は40〜250℃が好まし
く、60〜200℃がさらに好ましい。時間は10分〜
12時間が好ましく、30分〜5時間がさらに好まし
い。乾燥のための温度または時間が前記範囲を外れると
表面処理効果が低くなるおそれがある。
ン化合物で処理して得られる表面処理粒子からなるスペ
ーサーは、液晶分子の異常配向が抑制される粒子とな
る。本発明の液晶表示板用スペーサーは、スペーサーを
構成する粒子が、たとえば0.5μm以上、好ましくは
0.5〜50μm、より好ましくは1〜25μm、もっ
と好ましくは1.5〜20μmの平均粒子径を有する。
前記範囲を下回ると、電極基板間に隙間形成するのが困
難であり、前記範囲を上回ると、液晶表示板用スペーサ
ーとして用いられない領域である。また、本発明の液晶
表示板用スペーサーは、光抜けを防止して液晶表示板の
表示品位を更に高めるために、たとえば、顔料および/
または染料で着色された粒子であっても良い。また、本
発明の液晶表示板用スペーサーは、電極基板間の移動を
防止し、配向膜の損傷防止や隙間距離の均一性を保持し
て液晶表示板の表示品位を更に高めるために、たとえ
ば、加熱すると接着性を示す熱可塑性樹脂からなるかま
たは該熱可塑性樹脂を含む接着剤層で被覆された粒子で
あってもよい。 〔液晶表示板〕本発明の液晶表示板は、従来の液晶表示
板において、従来のスペーサーの代わりに、上述したよ
うな本発明の液晶表示板用スペーサーおよび/または本
発明の製造方法により得られた液晶表示板用スペーサー
を電極基板間に介在させたものである。
極基板と第2電極基板と液晶表示板用スペーサーとシー
ル材と液晶とを備えている。第1電極基板は、第1基板
と、第1基板の表面に形成された第1電極とを有する。
第2電極基板は、第2基板と、第2基板の表面に形成さ
れた第2電極とを有し、第1電極基板と対向している。
液晶表示板用スペーサーは、第1電極基板と第2電極基
板との間に介在しており、本発明の液晶表示板用スペー
サーおよび/または本発明の製造方法により得られた液
晶表示板用スペーサーである。シール材は、第1電極基
板と第2電極基板とを周辺部で接着する。液晶は、第1
電極基板と第2電極基板とシール材とで囲まれた空間に
充填されている。
ル材、液晶など、スペーサー以外のものは従来と同様の
ものが同様のやり方で使用することができる。電極基板
は、ガラス基板、フィルム基板などの基板と、基板の表
面に形成された電極とを有しており、必要に応じて、基
板の表面に電極を覆うように形成された配向膜をさらに
有する。シール材としては、エポキシ樹脂接着シール材
などが使用される。液晶としては、従来より用いられて
いるものでよく、たとえば、ビフェニル系、フェニルシ
クロヘキサン系、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、
安息香酸エステル系、ターフェニル系、シクロヘキシル
カルボン酸エステル系、ビフェニルシクロヘキサン系、
ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘ
キサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘ
キサン系などの液晶が使用できる。
は、たとえば、本発明の液晶表示板用スペーサーおよび
/または本発明の製造方法により得られた液晶表示板用
スペーサーを面内スペーサーとして2枚の電極基板のう
ちの一方の電極基板に乾式法または湿式法により均一に
散布したものに、本発明の液晶表示板用スペーサーおよ
び/または本発明の製造方法により得られた液晶表示板
用スペーサーをシール部スペーサーとしてエポキシ樹脂
等の接着シール材に分散させた後、もう一方の電極基板
の接着シール部分にスクリーン印刷などの手段により塗
布したものを載せ、適度の圧力を加え、100〜180
℃の温度で1〜60分間の加熱、または、照射量40〜
300mJ/cm2 の紫外線照射により、接着シール材を
加熱硬化させた後、液晶を注入し、注入部を封止して、
液晶表示板を得る方法を挙げることができる。
び/または本発明の製造方法により得られた液晶表示板
用スペーサーは、液晶の異常配向が抑制され液晶分子と
スペーサーの界面近傍で生じる異常配向領域が減少する
ためコントラストが高くなって表示品位の向上が図れ
る。本発明の液晶表示板は、従来の液晶表示板と同じ用
途に使用され、特に、テレビ、パーソナルコンピュータ
ー、ワードプロセッサー、プロジェクターなどの高級機
器の画像表示素子として有用である。
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。 (合成例1)冷却管、温度計、滴下口のついた四つ口フ
ラスコ中に25%アンモニア水溶液2.9g、メタノー
ル10.1g、水141.1gを混合した溶液(A液)
を入れ、25±2℃に保持し、攪拌しながら該溶液中
に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3
2g、メタノール54g、ラジカル重合開始剤として
2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)0.17gを混合した溶液(B液)を滴下口から添
加して、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンの加水分解・重縮合を行った。攪拌を継続しながら2
0分後、N2 雰囲気中で70±5℃に加熱し、ラジカル
重合を行った。
重合体粒子の懸濁体を得た。この懸濁体を濾過により固
液分離し、得られたケーキをメタノールによるデカンテ
ーションで3回洗浄し、真空乾燥機中で200℃で2時
間真空乾燥して複合体粒子(1)を得た。得られた複合
体粒子(1)は、平均粒子径5.95μm、変動係数
4.2%、ポリシロキサン骨格の割合が、複合体粒子
(1)の重量に対して、SiO2 換算量で24.5wt
%であった。複合体粒子(1)について、FT−IR分
析により、有機ポリマー骨格の−CH2 −CH2 −に帰
属されるスペクトル(650〜800cm-1)と−Si−
CH2 −に帰属されるスペクトル(1150〜1300
cm-1)とを確認した。
有機ポリマー骨格と、有機ポリマー骨格中の少なくとも
1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケ
イ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含む有機
質無機質複合体粒子であることがわかる。 (実施例1)合成例1で得られた複合体粒子(1)5g
を、シラン化合物としてγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン25gに分散させ攪拌しながら100±
2℃で2時間加熱した。室温まで冷却後、濾過し、得ら
れたケーキを200℃で真空乾燥して、表面処理粒子
(1)を得た。
て用いて以下の方法により液晶表示板を作製した。図1
にみるように、まず、300mm×345mm×1.1mmの
下側のガラス基板111上に、電極(たとえば、透明電
極)5及びポリイミド配向膜4を形成した後、ラビング
を行って下側電極基板110を得た。その下側電極基板
110に、本発明の液晶表示板用スペーサー(この場
合、面内スペーサー)8を静電気分散方式による乾式法
により散布した。
側ガラス基板12上に、電極(たとえば、透明電極)5
及びポリイミド配向膜4を形成した後、ラビングを行っ
て上側電極基板120を得た。そして、エポキシ樹脂接
着シール材112中に本発明の液晶表示板用スペーサー
(この場合、シール部スペーサー)113が30容量%
となるように分散させたものを、上側電極基板120の
接着シール部分にスクリーン印刷した。
を、電極5及び配向膜4がそれぞれ対向するように、本
発明のスペーサー8を介して貼り合わせ、4kg/cm2 の
圧力を加え、150℃の温度で30分間加熱し、接着シ
ール材112を加熱硬化させた。その後、2枚の電極基
板120,110の隙間を真空とし、さらに、大気圧に
戻すことにより、STN型液晶7を注入し、注入部を封
止した。そして、上下ガラス基板12,111の外側に
PVA(ポリビニルアルコール)系偏光膜6を貼り付け
て液晶表示板とした。
て表面処理粒子(1)を使用した液晶表示板は、表面処
理粒子(1)の周辺部に粒径の4%程度の厚みの液晶の
異常配向領域が見られた以外は、隙間距離が均一化さ
れ、画像を形成しない面積が少なく、均一な表示品位で
あった。 (実施例2)シラン化合物を3−ヒドロキシプロピルト
リメトキシシランに代えたこと以外は実施例1と同様に
して表面処理粒子(2)を得た。
同様にしてSTN型液晶表示板を作製したところ、表面
処理粒子(2)の周辺部に粒径の3%程度の厚みの液晶
の異常配向領域が見られた以外は、実施例1と同様に均
質な表示品位が得られた。 (実施例3)シラン化合物をγ−アミノプロピルトリメ
トキシシランに代えたこと以外は実施例1と同様にして
表面処理粒子(3)を得た。
同様にしてSTN型液晶表示板を作製したところ、表面
処理粒子(3)の周辺部に粒径の4%程度の厚みの液晶
の異常配向領域が見られた以外は、実施例1と同様に均
質な表示品位が得られた。 (実施例4)シラン化合物をテトラメトキシシランに代
えたこと以外は実施例1と同様にして表面処理粒子
(4)を得た。
同様にしてSTN型液晶表示板を作製したところ、表面
処理粒子(4)の周辺部に粒径の5%程度の厚みの液晶
の異常配向領域が見られた以外は、実施例1と同様に均
質な表示品位が得られた。 (比較例1)市販の液晶表示板用スペーサーである積水
ファインケミカル(株)製ミクロパールSP(平均粒子
径6.0μmでジビニルベンゼンを主成分とする架橋共
重合体粒子)について、実施例1と同様にしてSTN型
液晶表示板を作製したところ、スペーサー粒子の周辺部
に粒径の12%程度の厚みの液晶の異常配向領域が見ら
れた。
ーである触媒化成(株)製真絲球H(平均粒子径6.0
μmのシリカ球状微粒子)について、実施例1と同様に
してSTN型液晶表示板を作製したところ、スペーサー
粒子の周辺部に粒径の15%程度の厚みの液晶の異常配
向領域が見られた。
ーである積水ファインケミカル(株)製ミクロパールS
P(平均粒子径6.0μmでジビニルベンゼンを主成分
とする架橋共重合体粒子、1000℃の酸化雰囲気中で
加熱した際の無機酸化物の含有率0%)5gをγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン25g中に分散さ
せ攪拌しながら100±2℃で2時間加熱した。室温ま
で冷却後、濾過し、得られたケーキを200℃で真空乾
燥して、比較用表面処理粒子(1)を得た。比較用表面
処理粒子(1)について、実施例1と同様にしてSTN
型液晶表示板を作製したところ、比較用表面処理粒子
(1)の周辺部に粒径の14%程度の厚みの液晶の異常
配向領域が見られた。
ーである触媒化成(株)製真絲球H(平均粒子径6.0
μmのシリカ球状微粒子、1000℃の酸化雰囲気中で
加熱した際の無機酸化物の含有率100%)5gをγ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン25g中に分
散させ攪拌しながら100±2℃で2時間加熱した。室
温まで冷却後、濾過し、得られたケーキを200℃で真
空乾燥して、比較用表面処理粒子(2)を得た。比較用
表面処理粒子(2)について、実施例1と同様にしてS
TN型液晶表示板を作製したところ、比較用表面処理粒
子(1)の周辺部に粒径の16%程度の厚みの液晶の異
常配向領域が見られた。
4のスペーサーの異常配向領域は、比較例のスペーサー
のものに比べて、面積で1/4〜1/25程度に減少し
ている。このため、本発明のスペーサーを用いた液晶表
示板、および、本発明の液晶表示板は、大型表示部また
は大型投影部の液晶表示板であっても表示品位の低下を
従来のものよりも小さくすることができる。
機質部分と無機質部分とを含み無機質部分の割合が無機
酸化物換算量で10〜90wt%の範囲である有機質無
機質複合体粒子が、上記一般式(1)および(2)で示
されるシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも
1つで表面を処理されているので、液晶とスペーサーの
界面における液晶の異常配向を防止することが可能とな
り高表示品位の液晶表示板が得られる。
部分とを含み、前記無機質部分の割合が無機酸化物換算
量で10〜90wt%の範囲である有機質無機質複合体
粒子を準備する準備工程と、有機質無機質複合体粒子の
表面を前記一般式(1)および前記一般式(2)で示さ
れるシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1
つで処理する表面処理工程とを含むので、液晶とスペー
サーの界面における液晶の異常配向を防止することが可
能となり高表示品位の液晶表示板が得られる液晶表示板
用スペーサーを容易に作ることができる。
び、本発明の製造方法により得られる液晶表示板用スペ
ーサーは、有機質無機質複合体粒子が、有機ポリマー骨
格と、有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子
にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に
有するポリシロキサン骨格とを含み、ポリシロキサン骨
格の割合が、この複合体粒子の重量に対して、SiO2
換算量で25〜85wt%の範囲であるときには、散布
個数を減少させることが可能となるという利点をさらに
有する。
させるスペーサーとして、本発明の液晶表示板用スペー
サーおよび/または本発明の製造方法により得られる液
晶表示板用スペーサーを用いてなるので、液晶の異常配
向が少なく、電極基板間の隙間距離を均一に設定しやす
く、表示面積の低下が少ない。このため、本発明の液晶
表示板は、高表示品位を達成することができる。
ある。
Claims (8)
- 【請求項1】有機質部分と無機質部分とを含み、前記無
機質部分の割合が無機酸化物換算量で10〜90wt%
の範囲である有機質無機質複合体粒子の表面を一般式
(1): 【化1】 (ここで、Xは1価の加水分解性基であり、4個のXは
同じでもよいし異なっていてもよい)および一般式
(2): 【化2】 (ここで、R1 は、アミノ基、ヒドロキシ基およびエポ
キシ基からなる群から選ばれる基を1個以上有する炭素
数1〜20の1価の有機基であり;R2 は、置換されて
いてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換されてい
てもよい炭素数6〜20のアリール基、および、置換さ
れていてもよい炭素数7〜20のアラルキル基からなる
群から選ばれる1価の基であり;Xは1価の加水分解性
基であり;mは1〜3の整数であり;nは0〜2の整数
であり;m+nは1〜3の整数であり;mが2または3
であるときには、2または3個のR1 は同じでもよいし
異なっていてもよい;nが2であるときには、2個のR
2 は同じでもよいし異なっていてもよい;4−m−nが
2または3であるときには、2または3個のXは同じで
もよいし異なっていてもよい)で示されるシラン化合物
からなる群から選ばれる少なくとも1つで処理してな
る、液晶表示板用スペーサー。 - 【請求項2】 前記有機質無機質複合体粒子が、有機ポリ
マー骨格と、前記有機ポリマー骨格中の少なくとも1個
の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素
を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含み、 前記ポリシロキサン骨格の割合が、前記複合体粒子の重
量に対して、SiO2換算量で25〜85wt%の範囲
である、 請求項1に記載の液晶表示板用スペーサー。 - 【請求項3】 前記有機質無機質複合体粒子が、 一般式(3):【化3】 (ここで、R3 は水素原子またはメチル基を示し;R4
は、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキ
レン基を示し;R5 は、水素原子と、炭素数1〜5のア
ルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から
選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)で表される化
合物およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくと
も1つの加水分解・縮合可能なラジカル重合性基含有シ
リコン化合物を加水分解・重縮合する縮合工程と、 前記縮合工程中および/または前記縮合工程後に前記ラ
ジカル重合性基をラジカル重合反応させる重合工程と、
を含む方法により作られている、請求項1または2に記
載の液晶表示板用スペーサー。 - 【請求項4】 有機質部分と無機質部分とを含み、前記無
機質部分の割合が無機酸化物換算量で10〜90wt%
の範囲である有機質無機質複合体粒子を準備する準備工
程と、前記有機質無機質複合体粒子の表面を一般式
(1):【化4】 (ここで、Xは1価の加水分解性基であり、4個のXは
同じでもよいし異なっていてもよい)および一般式
(2):【化5】 (ここで、R1 は、アミノ基、ヒドロキシ基およびエポ
キシ基からなる群から選ばれる基を1個以上有する炭素
数1〜20の1価の有機基であり;R2 は、置換されて
いてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換されてい
てもよい炭素数6〜20のアリール基、および、置換さ
れていてもよい炭素数7〜20のアラルキル基からなる
群から選ばれる1価の基であり;Xは1価の加水分解性
基であり;mは1〜3の整数であり;nは0〜2の整数
であり;m+nは1〜3の整数であり;mが2または3
であるときには、2または3個のR1 は同じでもよいし
異なっていてもよい;nが2であるときには、2個のR
2 は同じでもよいし異なっていてもよい;4−m−nが
2または3であるときには、2または3個のXは同じで
もよいし異なっていてもよい)で示されるシラン化合物
からなる群から選ばれる少なくとも1つで処理する表面
処理工程と、 を含む液晶表示板用スペーサーの製造方法。 - 【請求項5】 前記有機質無機質複合体粒子が、有機ポリ
マー骨格と、前記有機ポリマー骨格中の少なくとも1個
の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素
を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含み、 前記ポリシロキサン骨格の割合が、前記複合体粒子の重
量に対して、SiO 2 換算量で25〜85wt%の範囲
である、 請求項4に記載の液晶表示板用スペーサーの製造方法。 - 【請求項6】 前記有機質無機質複合体粒子が、 一般式(3): 【化6】 (ここで、R 3 は水素原子またはメチル基を示し;R 4
は、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキ
レン基を示し;R 5 は、水素原子と、炭素数1〜5のア
ルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から
選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)で表される化
合物およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくと
も1つの加水分解・縮合可能なラジカル重合性基含有シ
リコン化合物を加水分解・重縮合する縮合工程と、 前記縮合工程中および/または前記縮合工程後に前記ラ
ジカル重合性基をラジカル重合反応させる重合工程と、 を含む方法により作られる、請求項4または5に記載の
液晶表示板用スペーサーの製造方法。 - 【請求項7】 前記シラン化合物が、テトラアルコキシシ
ラン、グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、グ
リシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、(エ
ポキシシクロアルキル)アルキルトリアルコキシシラ
ン、アミノプロピルトリアルコキシシラン、アミノプロ
ピルアルキルジアルコキシシラン、N置換−アミノプロ
ピルトリアルコキシシラン、N置換−アミノプロピルア
ルキルジアルコキシシラン、ヒドロキシプロピルアルキ
ルジアルコキシシラン、及びヒドロキシプロピルトリア
ルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1つ
である、請求項4から6までのいずれかに記載の液晶表
示板用スペーサーの製造方法。 - 【請求項8】 電極基板間に介在させるスペーサーとし
て、請求項1から3までのいずれかに記載の液晶表示板
用スペーサーが用いられてなる液晶表示板。
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