JP5593611B2 - 珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法 - Google Patents

珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5593611B2
JP5593611B2 JP2008503877A JP2008503877A JP5593611B2 JP 5593611 B2 JP5593611 B2 JP 5593611B2 JP 2008503877 A JP2008503877 A JP 2008503877A JP 2008503877 A JP2008503877 A JP 2008503877A JP 5593611 B2 JP5593611 B2 JP 5593611B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polysiloxane
liquid crystal
solution
formula
alkoxysilane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008503877A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007102513A1 (ja
Inventor
ゆみえ 中島
賢一 元山
和輝 江口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Priority to JP2008503877A priority Critical patent/JP5593611B2/ja
Publication of JPWO2007102513A1 publication Critical patent/JPWO2007102513A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5593611B2 publication Critical patent/JP5593611B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1337Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers
    • G02F1/133711Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers by organic films, e.g. polymeric films
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1337Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/52Liquid crystal materials characterised by components which are not liquid crystals, e.g. additives with special physical aspect: solvents, solid particles
    • C09K19/54Additives having no specific mesophase characterised by their chemical composition
    • C09K19/56Aligning agents

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、アルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンの混合物を主として含有する液晶配向剤及びその製造方法、前記液晶配向剤から得られる液晶配向膜、並びにその液晶配向膜を有する液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、透明電極上にポリアミック酸やポリイミドを主成分とする液晶配向膜が設けられている2枚の基板を対向配置し、その間隙内に液晶物質を充填させた構造であることが一般に知られている。最もよく知られている方式としては、TN(Twisted Nematic)型液晶表示素子であるが、これよりも高いコンストラスト比が実現できるSTN(Super Twisted Nematic)型や、視野角依存性が少ないIPS(In−Plane Switching)型や垂直配向(VA:Vertical Alignment)型の開発がなされている。
中でも、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)で駆動する垂直配向型液晶表示素子は、応答速度が速く、超広視野角、高コントラストという特徴を有しており、更なる高品質化を求めたMVA(Multi−domain Vertical Alignment)やASV(Advanced Super View)、PVA(Patterned Vertical Alignment)といった新しい垂直配向型の液晶表示素子が提案されてきている。
これらの液晶表示素子に設けられている液晶配向膜は、液晶を配向させると共に、液晶表示素子の電気特性などの各種特性に大きな影響を与えることが知られている。そのため、このような新しい垂直配向型表示素子に対しても、それに好適な液晶配向膜の開発がなされてきた。
例えば、良好な垂直配向性を得る液晶配向膜として、ポリアミック酸やポリイミドに長鎖アルキル鎖を導入する手法(例えば特許文献1参照。)や、環状置換基を導入する手法が提案されている。(例えば特許文献2参照。)
また、良好な垂直配向性と共に、高い電圧保持率や低い残留DCという電気特性を素子に付与する目的で、ポリアミック酸やポリイミドに特定の環状置換基を導入する方法が提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
最近では、ビジネス用途及びホームシアター用の液晶プロジェクタ用の光源として、照射強度の強いメタルハライドランプが用いられており、熱だけではなく光に対する耐性の高い液晶配向膜材料が必要とされてきている。その解決策の一つとして、これまでのポリアミック酸やポリイミド系液晶配向膜とは異なる物質を液晶配向膜に適用することが提案されている。
例えば、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及び水との反応生成物と、グリコールエーテル系溶媒とを、含有する液晶配向剤組成物が提案され、表示不良を防止し、長時間駆動後も残存特性の良好な、液晶を配向させる能力を低下させることなく、且つ光及び熱に対する電圧保持率の低下が少ない液晶配向膜を形成することができる液晶配向剤の開発がなされている。(例えば、特許文献4参照。)
このように、液晶表示素子が高機能化する一方で、素子の信頼性向上がこれまで以上に大きな課題となってきている。
従来、TFT型液晶表示素子の信頼性、特に電気的な信頼性は、液晶表示素子の30ヘルツ動作に対応した電圧保持率やその温度特性によって確認されていたが、このような特性では微小な差を検出することが困難であった。そこで、更に高い信頼性を確認する方法として、液晶表示素子に印加するパルス電圧の間隔を広げるように、低周波で素子を駆動して電圧保持率を測定する方法が提案されている。(例えば、特許文献5参照。)
液晶表示素子の信頼性は、モニターやテレビなどの表示特性に対する信頼性だけではなく、製造工程における歩留まり向上に直接影響するため、非常に重要となっている。
更に、近年、液晶表示素子が大型化する状況において、製造工程での歩留まりが、液晶表示素子の生産性に従来よりも大きく影響すると言われており、液晶表示素子の電気的な信頼性が大変重要視されてきている。即ち、大型液晶表示素子の生産性向上には、液晶表示素子の信頼性向上が不可欠となっているのである。とりわけ、テレビ用やプロジェクタ用途に多く用いられる垂直配向型の液晶表示素子においては、電気特性における信頼性に対する重要度が大きく、そのため、液晶配向性が良好で、且つ、高温下での低周波数による素子駆動において電圧保持率が高いという素子特性が得られる液晶配向膜の要望が非常に高まっている。
特開平06−3678号公報 特開平09−278724号公報 特開2001−311080号公報 特開2005−250244号公報 特開2001−264805号公報
本発明は、液晶配向性が良好で、且つ高温下での低周波数による素子駆動において、電圧保持率が高い液晶配向膜を得ることができる珪素系液晶配向剤及びその製造方法、珪素系液晶配向剤から得られる液晶配向膜、及び前記液晶配向膜を有する液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の状況に鑑み鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の要旨を有するものである。
1.下記のポリシロキサン(A)と、ポリシロキサン(B)と、これらのポリシロキサンを溶解する有機溶媒と、を含有することを特徴とする液晶配向剤。
ポリシロキサン(A):式(1)で表されるアルコキシシランを含有するアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサン、
Figure 0005593611
(Rは炭素数8〜30の有機基であり、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
ポリシロキサン(B):式(2)で表されるテトラアルコキシシランを含有するアルコキシシランを、上記ポリシロキサン(A)の単量体である式(1)で表されるアルコキシシランを共重縮合することなく重縮合して得られるポリシロキサン。
Figure 0005593611
(Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
2.下記のポリシロキサン(A)の溶液及びポリシロキサン(B)の溶液を含有することを特徴とする液晶配向剤。
ポリシロキサン(A)の溶液:式(1)で表されるアルコキシシランを含有するアルコキシシランを有機溶媒中で重縮合して得られるポリシロキサンの溶液、
Figure 0005593611
(Rは炭素数8〜30の有機基であり、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
ポリシロキサン(B)の溶液:式(2)で表されるテトラアルコキシシランを含有するアルコキシシランを、上記ポリシロキサン(A)の単量体である式(1)で表されるアルコキシシランを共重縮合することなく重縮合して得られるポリシロキサンの溶液。
Figure 0005593611
(Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
3.ポリシロキサン(A)が、式(3)で表されるアルコキシシランのうちの少なくとも1種を併用し重縮合して得られるポリシロキサンである、上記1又は2に記載の液晶配向剤。
Figure 0005593611
(Rはそれぞれ炭素数1〜5の炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜5の有機基であり、nは0〜3の整数を表す。)
4.ポリシロキサン(B)が、更に、式(4)で表されるアルコキシシランの少なくとも1種を併用し重縮合して得られるポリシロキサンである、上記1乃至3に記載の液晶配向剤。
Figure 0005593611
(Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜6の有機基を表し、mは1又は2の整数を表す。)
5.ポリシロキサン(A)が、式(1)で表されるアルコキシシラン及びテトラエトキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンであり、ポリシロキサン(B)がテトラエトキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンである、上記1又は2に記載の液晶配向剤。
6.ポリシロキサン(A)が、式(1)で表されるアルコキシシランを2〜30モル%の割合で含有するアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンである、上記1乃至5に記載の液晶配向剤。
7.ポリシロキサン(A)の珪素原子の量が、ポリシロキサン(A)とポリシロキサン(B)の珪素原子の合計量に対して、3〜80モル%である、上記1乃至6に記載の液晶配向剤。
8.上記1乃至7に記載の液晶配向剤を用いて得られる液晶配向膜。
9.上記8に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
10.下記のポリシロキサン(A)の溶液とポリシロキサン(B)の溶液とを混合する工程を含むことを特徴とする液晶配向剤の製造方法。
ポリシロキサン(A)の溶液:式(1)で表されるアルコキシシランを含有するアルコキシシランを有機溶媒中で重縮合して得られるポリシロキサンの溶液、
Figure 0005593611
(Rは炭素数8〜30の有機基であり、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
ポリシロキサン(B)の溶液:式(2)で表されるテトラアルコキシシランを含有するアルコキシシランを、上記ポリシロキサン(A)の単量体である式(1)で表されるアルコキシシランを共重縮合することなく重縮合して得られるポリシロキサンの溶液
Figure 0005593611
(R炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
11.ポリシロキサン(A)の溶液が、式(1)で表されるアルコキシシランを含有するアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンである、上記10に記載の液晶配向剤の製造方法。
12.ポリシロキサン(B)の溶液が、式(2)で表されるテトラアルコキシシランを含有するアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンである、上記10又は11に記載の液晶配向剤の製造方法。
本発明の液晶配向剤によれば、液晶配向性が良好で、且つ、高温下での低周波数による素子駆動において高い電圧保持率を有する液晶配向膜を得ることができる。そのため、信頼性の高い液晶表示素子を提供することができる。
本発明により何故に上記の如き効果が達成されるかについては必ずしも明らかではない。しかし、本発明の液晶配向剤による液晶配向膜の場合、図1から明らかなように、表層付近に炭素濃度の高い層が存在し、ポリシロキサン(A)が液晶配向膜の表面層付近に偏在した構造を有する。この構造が上記本発明の液晶配向膜の特性に関係しているものと思われる。
本発明の液晶配向剤(L5)から得られた液晶配向膜について、膜の表面から基板方向における、元素の分布を分析した結果である。 比較例1のポリシロキサンの溶液(P2)から得られた塗膜について、膜の表面から基板方向における、元素の分布を分析した結果である。
以下に本発明について詳細に説明する。
<ポリシロキサン(A)>
本発明に用いるポリシロキサン(A)は、式(1)で表されるアルコキシシランを含有するアルコキシシランを重縮合して得られる。
Figure 0005593611
式(1)のRは、炭素数8〜30の有機基であるが、脂肪族炭化水素、脂肪族環、芳香族環及びヘテロ環のような環構造、不飽和結合及び、酸素原子、窒素原子や硫黄原子などのヘテロ原子などを含んでいてもよく、分岐構造を有していてもよい。加えて、この有機基は、ハロゲン原子、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基、ウレイド基、メタクリロキシ基、イソシアネート基、アクリロキシ基などで置換されていてもよい。
このような有機基Rの具体例を挙げると、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アルケニル基、アリロキシアルキル基、フェネチル基、パーフルオロフェニルアルキル基、フェニルアミノアルキル基、スチリルアルキル基、ナフチル基、ベンゾイルオキシアルキル基、アルコキシフェノキシアルキル基、シクロアルキルアミノアルキル基、エポキシシクロアルキル基、N―(アミノアルキル)アミノアルキル基、N―(アミノアルキル)アミノアルキルフェネチル基、ブロモアルキル基、ジフェニルホスフィノ基、N−(メタクリロキシヒドロキシアルキル)アミノアルキル基、N−(アクリロキシヒドロキシアルキル)アミノアルキル基などが挙げられる。
なかでも、有機基Rとしては、炭素数8〜30のアルキル基が好ましく、炭素数8〜20のアルキル基がより好ましい。
式(1)のRは、炭化水素基を表すが、炭素数が少ない方が、反応性が高いので、炭素数1〜5の飽和炭化水素基が好ましい。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
本発明においては、式(1)で表されるアルコキシシランのうちの少なくとも1種を用いればよいが、必要に応じて複数種を用いてもよい。
このような式(1)で表されるアルコキシシランの具体例として、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘプタデシルトリメトキシシラン、ヘプタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、ノナデシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、21−ドコセニルトリエトキシシラン、アリロキシウンデシルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル)ダンシリアミド、スチリルエチルトリエトキシシラン、(R)−N−1−フェニルエチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、(1−ナフチル)トリエトキシシラン、(1−ナフチル)トリメトキシシラン、m−スチリルエチルトリメトキシシラン、p−スチリルエチルトリメトキシシラン、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミック酸、1−トリメトキシシリル−2−(p−アミノメチル)フェニルエタン、1−トリメトキシシリル−2−(m−アミノメチル)フェニルエタン、ベンゾイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(4−メトキシフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルキニンウレタン、3−(N−シクロヘキシルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、1−[(2−トリエトキシシリル)エチル]シクロヘキサン−3,4−エポキシド、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノメチルフェネチルトリメトキシシラン、11―ブロモウンデシルトリメトキシシラン、2−(ジフェニルフォスフィノ)エチルトリエトキシシラン、N−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノ−プロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
本発明に用いるポリシロキサン(A)は、式(1)を含有するアルコキシシランを重縮合して得られるが、溶媒中で均質な溶液状態であればよい。
本発明に用いるポリシロキサン(A)は、なかでも、式(1)で表されるアルコキシシランと下式(3)で表されるアルコキシシランとを重縮合させたものが好ましい。
Figure 0005593611
式(3)のRは炭素数1〜5の炭化水素基を表し、好ましくは、炭素数1〜5の飽和炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
そして、式(3)のRは水素原子又は炭素数1〜5の有機基である。この有機基は、炭素数が1〜5であれば特に限定されない。そして、この有機基は酸素原子、窒素原子及び硫黄原子などのヘテロ原子を含有してもよいし、不飽和結合や環構造を有していてもよい。更には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基などの飽和炭化水素基、ビニル基のような不飽和炭化水素基、アミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基、ウレイド基、イソシアネート基などで置換されていてもよい。
式(3)のnは0〜3の整数を表す。特にnが0の場合は、テトラアルコキシシランを表す。
このような式(3)で表されるアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、ブロモプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
本発明に用いる式(3)で表されるアルコキシシランは、1種でも複数種でも適宜必要に応じて用いることができる。
本発明においては、これら式(3)で表されるアルコキシシランの中で、nが0であるテトラアルコキシシランを用いることが、式(1)で表されるアルコキシシランと重縮合し易いので、ポリシロキサン(A)を得るために好ましい。
式(1)で表されるアルコキシシランの使用比率は、ポリシロキサン(A)を得るために用いる全アルコキシシラン中において、2モル%未満の場合には、良好な液晶配向性が得られない場合があるため、2モル%以上が好ましい。より好ましくは3モル%以上である。また、30モル%を超える場合は、形成される液晶配向膜が充分に硬化しない場合があるため、30モル%以下が好ましい。より好ましくは22モル%以下である。
本発明においては、上記したポリシロキサン(A)を1種又は複数種用いることもできる。
<ポリシロキサン(A)の溶液>
本発明において、上記したポリシロキサン(A)の溶液は、式(1)で表されるアルコキシシランを含有するアルコキシシランを有機溶媒中で重縮合させた、均一に溶解した溶液が好ましい。中でも、ポリシロキサン(A)の溶液は、式(1)で表されるアルコキシシランと式(3)で表されるアルコキシシランとを併用して重縮合し、有機溶媒に均一に溶解した溶液が好ましい。
本発明に用いるポリシロキサン(A)を重縮合する方法は特に限定されないが、例えば、アルコキシシランをアルコールやグリコール溶媒中で加水分解・重縮合する方法が挙げられる。その際、加水分解・重縮合反応は、部分加水分解及び完全加水分解のいずれであってもよい。完全加水分解の場合は、理論上、アルコキシシラン中の全アルコキシ基の0.5倍モルの水を加えれば良いが、通常は0.5倍モルより過剰量の水を加えるのが好ましい。
本発明においては、上記反応に用いる水の量は、所望により適宜選択することができるが、通常、アルコキシシラン中の全アルコキシ基の0.5〜2.5倍モルであるのが好ましい。
また、通常、加水分解・重縮合反応を促進する目的で、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、蟻酸、蓚酸、マレイン酸などの酸、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、トリエチルアミンなどのアルカリ、塩酸、硫酸、硝酸などの金属塩などの触媒が用いられる。
加えて、アルコキシシランが溶解した溶液を加熱することで、更に、加水分解・重縮合反応を促進させることも一般的である。その際、加熱温度及び加熱時間は所望により適宜選択でき、例えば、50℃で24時間加熱・撹拌したり、還流下で1時間加熱・撹拌するなどの方法が挙げられる。
また、別法として、例えば、アルコキシシラン、溶媒及び蓚酸の混合物を加熱して重縮合する方法が挙げられる。具体的には、予めアルコールに蓚酸を加えて蓚酸のアルコール溶液とした後、当該溶液を加熱した状態で、アルコキシシランを混合する方法である。その際、用いる蓚酸の量は、アルコキシシランが有する全アルコキシ基の1モルに対して0.2〜2モルとすることが一般的である。この方法における加熱は、液温50〜180℃で行うことができ、好ましくは、液の蒸発、揮散などが起こらないように、例えば、密閉式容器中で又は還流下で数十分から十数時間行われる。
ポリシロキサン(A)を得る際に、アルコキシシランを複数種用いる場合は、アルコキシシランを予め混合して混合物としてもよいし、複数種のアルコキシシランを順次混合してもよい。
アルコキシシランを重縮合する際に用いられる溶媒は、アルコキシシランを溶解するものであれば特に限定されない。一般的には、アルコキシシランの重縮合反応によりアルコールが生成するため、アルコール類、グリコール類、又はアルコール類と相溶性の良好な有機溶媒が用いられる。
このような有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホトリアミド、m−クレゾールなどが挙げられる。
本発明においては、上記の有機溶媒を複数種混合して用いてもよい。
このような方法により得られるポリシロキサン(A)の溶液は、原料として仕込んだ全アルコキシシランの珪素原子をSiOに換算した濃度(以下、SiO換算濃度と称す。)を20質量%以下とすることが一般的である。この濃度範囲において任意の濃度を選択することにより、ゲルの生成を抑え、均質な溶液を得ることができる。
本発明においては、上記した方法で得られた溶液をそのままポリシロキサン(A)の溶液としてもよいし、必要に応じて、上記した方法で得られた溶液を、濃縮したり、溶媒を加えて希釈したり又は他の溶媒に置換して、ポリシロキサン(A)の溶液としてもよい。
その際、用いる溶媒は、重縮合に用いたと同じ溶媒でもよいし、別の溶媒でもよい。この溶媒は、ポリシロキサン(A)が均一に溶解している限りにおいて特に限定されず、一種でも複数種でも任意に選択して用いることができる。
このような溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコールなどのグリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、乳酸エチルエステルなどのエステル類;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホトリアミド、m−クレゾールなどが挙げられる。
本発明においては、上記のようにして得られるポリシロキサン(A)の溶液を、1種用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
<ポリシロキサン(B)>
本発明で用いられるポリシロキサン(B)は、式(2)で表されるテトラアルコキシシランを含有するアルコキシシランを、上記ポリシロキサン(A)の単量体である式(1)で表されるアルコキシシランを共重縮合することなく重縮合して得られるポリシロキサンである。
Figure 0005593611
上記式(2)のRは炭素数1〜5の炭化水素基であるが、炭素数が少ない方が、反応性が高いので、炭素数1〜5の飽和炭化水素基が好ましい。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
上記の式(2)で表されるテトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどが挙げられ、市販品として容易に入手可能である。
本発明において、ポリシロキサン(B)は、式(2)で表されるテトラアルコキシシランと、下記式(4)で表されるアルコキシシランの内の少なくとも1種を併用することもできる。
Figure 0005593611
上記式(4)で表されるアルコキシシランは、アルコキシ基を好ましくは2個又は3個有する、所謂、2官能又は3官能のアルコキシシランである。
式(4)のRは、Rと同様に、炭素数1〜5の炭化水素基であるが、炭素数の少ない方が、反応性が高いので、炭素数1〜5の飽和炭化水素基が好ましい。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
上記、式(4)のRは、水素原子又は炭素数1〜6、好ましくは1〜5の有機基を表す。このような有機基としては、芳香族基、脂肪族基、脂環構造を有する基などが挙げられる。より好ましい有機基である炭素数1〜5の有機基のなかでも、炭素数1〜5の脂肪族基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜5の飽和炭化水素基である。この具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
このような式(4)で表されるアルコキシシランの具体例を挙げると、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、ブロモプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジブトキシジメチルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジエトキシジビニルシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、メトキシトリフェニルシラン、エトキシトリフェニルシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
本発明においては、式(2)で表されるテトラアルコキシシランのうちの少なくとも1種を用いればよいが、必要に応じて複数種を用いてもよい。更に、式(4)で表されるアルコキシシランを併用することもでき、その際、式(4)で表されるアルコキシシランを複数種用いてもよい。
また、市販品のポリシロキサンであるコルコート社製メチルシリケート51、エチルシリケート40なども併用することができる。
本発明に用いるポリシロキサン(B)は、式(2)を含有するテトラアルコキシシランを重縮合して得られるが、溶媒中で均質な溶液状態であればよい。
本発明においては、上記したポリシロキサン(B)を1種又は複数種用いることもできる。
<ポリシロキサン(B)の溶液>
本発明において、上記したポリシロキサン(B)の溶液は、式(2)で表されるテトラアルコキシシランを含有するアルコキシシランを、上記ポリシロキサン(A)の単量体である式(1)で表されるアルコキシシランを共重縮合することなく有機溶媒中で重縮合させた、均一に溶解した溶液が好ましいその際、式(2)で表されるテトラアルコキシシラン単独、或いは式(2)と式(4)で表されるアルコキシシランとを重縮合させた、均一に溶解した溶液が好ましい。ポリシロキサン(B)の溶液は、有機溶媒に均一に溶解した溶液として得られる。
本発明に用いるポリシロキサン(B)を得る方法は特に限定されないが、例えば、アルコキシシランをアルコールやグリコール溶媒中で加水分解・重縮合する方法で得ることができる。その際、加水分解・重縮合反応は、部分加水分解及び完全加水分解のいずれであってもよい。完全加水分解の場合は、理論上、アルコキシシラン中の全アルコキシ基の0.5倍モルの水を加えれば良いが、通常は0.5倍モルより過剰量の水を加える。
本発明においては、上記反応に用いる水の量は、所望により適宜選択することができるが、通常、アルコキシシラン中の全アルコキシ基の0.5〜2.5倍モルである。
また、通常、加水分解・重縮合反応を促進する目的で、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、蟻酸、蓚酸、マレイン酸などの酸、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、トリエチルアミンなどのアルカリ、塩酸、硫酸、硝酸などの金属塩などの触媒が用いられる。
加えて、アルコキシシランが溶解した溶液を加熱することで、更に、加水分解・重縮合反応を促進させることも一般的である。その際、加熱温度及び加熱時間は所望により適宜選択でき、例えば、50℃で24時間加熱・撹拌したり、還流下で1時間加熱・撹拌するなどの方法が挙げられる。
また、別法として、例えば、アルコキシシラン、溶媒及び蓚酸の混合物を加熱して重縮合する方法が挙げられる。具体的には、あらかじめアルコールに蓚酸を加えて蓚酸のアルコール溶液とした後、当該溶液を加熱した状態で、アルコキシシランを混合する方法である。その際、蓚酸の量は、アルコキシシランが有する全アルコキシ基の1モルに対して0.2〜2モルとすることが一般的である。この方法における加熱は、液温50〜180℃で行うことができ、好ましくは、液の蒸発、揮散などが起こらないように、例えば、密閉式容器中で又は還流下で数十分から十数時間行われる。
ポリシロキサン(B)を得る際に、アルコキシシランを複数種用いる場合は、アルコキシシランをあらかじめ混合した混合物として混合してもよいし、複数種のアルコキシシランを順次混合してもよい。
アルコキシシランを重縮合する際に用いられる溶媒は、アルコキシシランを溶解するものであれば特に限定されない。一般的には、テトラアルコキシシランの重縮合反応によりアルコールが生成するため、アルコール類、グリコール類やアルコール類と相溶性の良好な有機溶媒が用いられる。
このような有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホトリアミド、m−クレゾールなどが挙げられる。
本発明においては、上記の有機溶媒を複数種混合して用いてもよい。
このような方法により得られるポリシロキサン(B)の溶液は、SiO換算濃度を20質量%以下とすることが一般的である。この濃度範囲において任意の濃度を選択することにより、ゲルの生成を抑え、均質な溶液を得ることができる。
本発明においては、上記した方法で得られた溶液をそのままポリシロキサン(B)の溶液としてもよいし、必要に応じて、上記した方法で得られた溶液を、濃縮したり、溶媒を加えて希釈したり又は他の溶媒に置換して、ポリシロキサン(B)の溶液としてもよい。
その際、用いる溶媒は、重縮合に用いたと同じ溶媒でもよいし、別の溶媒でもよい。この溶媒は、ポリシロキサン(B)が均一に溶解している限りにおいて特に限定されず、一種でも複数種でも任意に選択して用いることができる。
このような溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコールなどのグリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、乳酸エチルエステルなどのエステル類;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホトリアミド、m−クレゾールなどが挙げられる。
本発明においては、上記のようにして得られるポリシロキサン(B)の溶液を、1種用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
<その他の成分>
本発明においては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ポリシロキサン(A)及びポリシロキサン(B)以外のその他の成分、例えば、無機微粒子、レベリング剤、更に界面活性剤などの成分が含まれていてもよい。
無機微粒子としては、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子及びフッ化マグネシウム微粒子などの微粒子が好ましく、コロイド溶液のものが特に好ましい。このコロイド溶液は、無機微粒子粉を分散媒に分散したものでもよいし、市販品のコロイド溶液であってもよい。本発明においては、無機微粒子を含有させることにより、形成される硬化被膜の表面形状やその他の機能を付与することが可能となる。無機微粒子としては、その平均粒子径が0.001〜0.2μmであることが好ましく、更に好ましくは0.001〜0.1μmである。無機微粒子の平均粒子径が0.2μmを超える場合には、調製される塗布液を用いて形成される硬化被膜の透明性が低下する場合がある。
無機微粒子の分散媒としては、水、有機溶剤を挙げることができる。コロイド溶液としては、被膜形成用塗布液の安定性の観点から、pH又はpKaが2〜10に調整されていることが好ましい。より好ましくは3〜7である。
コロイド溶液の分散媒に用いる有機溶剤としては、メタノール、プロパノール、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテルなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエ−テル類を挙げることができる。これらの中で、アルコール類及びケトン類が好ましい。これら有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して分散媒として使用することができる。
また、レベリング剤及び界面活性剤などは、公知のものを用いることができ、特に市販品は入手が容易なので好ましい。
<液晶配向剤の調製>
本発明の液晶配向剤を調製する方法は特に限定されない。ポリシロキサン(A)及びポリシロキサン(B)、さらに必要に応じてその他の成分が均一に混合した状態であればよい。通常、ポリシロキサン(A)及びポリシロキサン(B)は、溶媒中で重縮合されるので、それぞれ溶液の状態で得られるため、既に上記で述べたポリシロキサン(A)の溶液及びポリシロキサン(B)の溶液を混合する方法が簡便である。また、必要に応じて、ポリシロキサン(A)の溶液及びポリシロキサン(B)の溶液を混合した後に、溶媒を加えることもできる。
その際、液晶配向剤中のSiO換算濃度が、0.5〜15質量%が好ましい。このようなSiO換算濃度範囲であれば、一回の塗布で所望の膜厚を得易く、充分な溶液のポットライフが得られ易い。
なお、ポリシロキサン(A)の溶液及びポリシロキサン(B)の溶液を混合した後に加える溶媒は、ポリシロキサン(A)の溶液及びポリシロキサン(B)の溶液で記載したと同じ溶媒を用いることができる。
また、上記した、その他の成分を混合する方法は、ポリシロキサン(A)の溶液及びポリシロキサン(B)の溶液と同時でも、それらの混合後であってもよく、特に限定されない。
本発明において、ポリシロキサン(A)の使用割合は、ポリシロキサン(A)とポリシロキサン(B)の合計珪素原子量に対して、ポリシロキサン(A)の珪素原子の合計量が3モル%〜80モル%が好ましい。より好ましくは5モル%〜75モル%である。ポリシロキサン(A)の珪素原子の合計量が3モル%未満の場合、良好な液晶配向性が得られない場合があり、80モル%を超える場合には、高温下での低周波数による素子駆動において高い電圧保持率が得られにくい場合がある。
本発明において、液晶配向剤の具体例を以下に挙げる。
[1]:ポリシロキサン(A)及びポリシロキサン(B)を含有する液晶配向剤。
[2]:ポリシロキサン(A)の溶液及びポリシロキサン(B)の溶液を含有する液晶配向剤。
[3]:ポリシロキサン(A)が、式(1)及び式(3)で表されるアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンである、上記[1]又は[2]に記載の液晶配向剤。
[4]:ポリシロキサン(B)が、式(2)で表されるアルコキシシラン又は、式(2)及び式(4)で表されるアルコキシシランを重縮合させて得られるポリシロキサンである、上記[1]から[3]のいずれかに記載の液晶配向剤。
[5]:上記[1]から[4]のいずれかに記載の液晶配向剤と無機微粒子とを含有する液晶配向剤。
[6]:上記[1]から[5]のいずれかに記載の液晶配向剤と、レベリング剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも一種を含有する液晶配向剤。
<液晶配向膜の形成>
本発明の液晶配向剤は、基板に塗布した後、乾燥・焼成を行うことで液晶配向膜とすることができる。
液晶配向剤の塗布方法としては、スピンコート法、印刷法、インクジェット法、スプレー法、ロールコート法などが挙げられるが、生産性の面から工業的には転写印刷法が広く用いられており、本発明の液晶配向剤でも好適に用いられる。
液晶配向剤を塗布した後の乾燥の工程は、必ずしも必要とされないが、塗布後から焼成までの時間が基板ごとに一定していない場合や、塗布後ただちに焼成されない場合には、乾燥工程を含める方が好ましい。この乾燥は、基板の搬送などにより塗膜形状が変形しない程度に溶媒が蒸発していればよく、その乾燥手段については特に限定されない。例えば、温度50〜150℃、好ましくは80〜120℃のホットプレート上で、0.5〜30分、好ましくは1〜5分乾燥させる方法が挙げられる。
上記の方法で液晶配向剤を塗布して形成される塗膜は、焼成して液晶配向膜とすることができる。その際、焼成温度は、100〜350℃の任意の温度で行うことができるが、好ましくは150〜300℃であり、より好ましくは150〜220℃、特に好ましくは150〜200℃である。
液晶配向膜中のポリシロキサン(A)及びポリシロキサン(B)は、焼成工程において、重縮合が進行する。しかし、本発明においては、本発明の効果を損なわない限り、完全に重縮合させる必要はない。但し、液晶セルの製造工程で必要とされる、シール剤硬化などの熱処理温度より、好ましくは10℃以上高い温度で焼成することが好ましい。
液晶配向膜の厚みは必要に応じて選択することができる。液晶配向膜の厚みが5nm以上の場合、液晶表示素子の信頼性が得られやすいので好ましい。より好ましくは10nm以上である。また、300nm以下の場合は、液晶表示素子の消費電力が大きくならないので好ましい。より好ましくは150nm以下である。
<液晶配向膜>
上記の如き方法で形成された本発明の液晶配向膜は、ポリシロキサン(A)が液晶配向膜の表面層付近に偏在した構造である。このことは、本発明の液晶配向膜をX線光電子分光法の如き方法で、膜の表面から基板方向における、元素の分布を分析することで確認することができる。
このような分析により、液晶を一方向に、とりわけ垂直方向に配向させることに効果を有するポリシロキサン(A)が、液晶配向膜の表面層付近に偏在し易いという作用を奏していると考えられる。
そのため、本発明の液晶配向膜は、良好な液晶配向性を有し、そして、本発明の液晶配向膜を有する液晶表示素子は、高温下での低周波数による素子駆動において電圧保持率が高いという特性を有する。
更に、本発明の液晶配向膜は、本発明の液晶配向剤に含有するポリシロキサン(A)の構成成分である式(1)で表されるアルコキシシランの量が少ない場合でも、良好な液晶配向性を示すと共に、高温下での低周波数による素子駆動における電圧保持率が非常に高いという特徴を有する。具体的には、ポリシロキサン(A)中の式(1)で表されるアルコキシシランの量が、2〜12モル%であっても、良好な液晶配向性を示すと共に、高温下での低周波数による素子駆動における電圧保持率が非常に高いという特徴を有する。
本発明の液晶配向膜は、ポリシロキサン(A)とポリシロキサン(B)を含有する液晶配向剤から得られ、そのため、ポリシロキサン(A)単独の液晶配向剤から得られる液晶配向膜と比べて、特に、高温下での低周波数による素子駆動における電圧保持率が高い値を示すのである。
本発明の液晶配向剤は、一液で、図1に示すとおりポリシロキサン(A)が膜表面に偏在した構造の液晶配向膜を形成するが、形成された液晶配向膜は、ポリシロキサン(A)単独の液晶配向剤から得られない液晶配向膜としての上記の如き特徴を有する。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、上記した方法により、基板に液晶配向膜を形成した後、公知の方法で液晶セルを作成して得ることができる。液晶セル作成の一例を挙げると、液晶配向膜が形成された1対の基板を、スペーサーを挟んで、シール剤で固定し、液晶を注入して封止する方法が一般的である。その際、用いるスペーサーの大きさは1〜30μmであるが、好ましくは2〜10μmである。
液晶を注入する方法は特に制限されず、作製した液晶セル内を減圧にした後、液晶を注入する真空法や、液晶を滴下した後に封止を行う滴下法などが例示できる。
液晶表示素子に用いる基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されないが、通常は、基板上に液晶を駆動するための透明電極が形成された基板である。
具体例を挙げると、ガラス板、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、トリメチルペンテン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、(メタ)アクリロニトリル、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロースなどのプラスチック板などに透明電極が形成された基板を挙げることができる。
また、薄膜トランジスタ(TFT)型の素子のような高機能素子においては、液晶駆動のための電極と基板の間にトランジスタの如き素子が形成されたものが用いられる。
透過型の液晶素子の場合は、上記の如き基板を用いることが一般的であるが、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウエハーなどの不透明な基板も用いることが可能である。その際、基板に形成された電極には、光を反射するアルミニウムの如き材料を用いることもできる。
これまで述べたように、本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶配向膜は、液晶配向性が良好で、且つ、高温下での低周波数による素子駆動において電圧保持率が高いという特性を有する液晶表示素子を提供することが可能である。
以下、合成例、及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
本実施例における略語の説明は、以下のとおりである。
TEOS:テトラエトキシシラン
C10:デシルトリメトキシシラン
C12:ドデシルトリエトキシシラン
C18:オクタデシルトリエトキシシラン
HG:ヘキシレングリコール
BCS:ブチルセロソルブ
NMP:N−メチルピロリドン
<合成例1>
還流管を備えつけた500ml4つ口反応フラスコにHG51.3g、BCS15.6g及びTEOS69.4g投入し、撹拌して、アルコキシシランモノマーの溶液を調製した。この溶液に、あらかじめHG25.6g、BCS7.8g、水30.0g及び触媒として蓚酸0.3gを混合した蓚酸溶液を、室温下で滴下し、滴下終了後30分攪拌した。その後、溶液温度70℃で1時間加熱してから放冷して、溶液(Z1)を得た。この溶液(Z1)に、HG、BCS及びNMPを加えて、溶媒の質量比がHG:BCS:NMP=30:50:20であり、且つ、SiO2換算濃度が3.5質量%となるように調整し、ポリシロキサンの溶液(P1)を得た。
<合成例2>
還流管を備えつけた500ml4つ口反応フラスコにHG47.8g、BCS14.5g、TEOS55.6g及びアルコキシシランモノマー(X)として、C12を22.2g投入し、撹拌して、アルコキシシランモノマーの混合溶液を調製した。この溶液に、あらかじめHG23.9g、BCS7.3g、水28.5g及び触媒として蓚酸0.3gを混合した蓚酸溶液を、室温下で滴下し、滴下終了後30分攪拌した。その後、溶液温度70℃で1時間加熱してから放冷して、溶液(Z2)を得た。この溶液(Z2)に、HG、BCS及びNMPを加えて、溶媒の質量比がHG:BCS:NMP=30:50:20であり、且つ、SiO2換算濃度が3.5質量%となるように調整し、ポリシロキサンの溶液(P2)を得た。
<合成例3〜10>
表1に示す組成で、合成例2と同様な方法により溶液(Z3〜Z10)を得た。その後、この溶液に、HG、BCS及びNMPを加えて、溶媒の質量比がHG:BCS:NMP=30:50:20であり、且つ、SiO2換算濃度が3.5質量%となるように調整し、ポリシロキサンの溶液(P3〜P10)を得た。
Figure 0005593611
なお、表中の括弧内のモル数は、各アルコキシシランのモル数を示す。
<合成例11>
エタノール661.75g、TEOS208gを混合し、40℃で水126g、アンモニア水(濃度28質量%)4.25gを加え、40℃で4日間攪拌して、粒子含有溶液を作製した。作製したシリカ粒子含有溶液500gにHGを435g加え、300gに濃縮することでシリカ粒子含有溶液(Y1)を調製した。粒子径の測定は動的光散乱法により行った。この粒子径の測定方法は、ジャーナル・オブ・ケミカル・フィジックス(Journal of Chemical Physics)57巻11号(1972年12月)4814頁に説明されており、本発明では、大塚電子株式会社製DLS−7000を用いて測定した。その結果、シリカ粒子含有溶液(Y1)の粒子径は20nmであった。
この溶液(Y1)に、HG、BCS及びNMPを加えて、溶媒の質量比がHG:BCS:NMP=30:50:20、且つ、SiO換算濃度が3.5質量%となるように調整し、シリカ粒子含有の溶液(Q1)を得た。
<実施例1〜8>
表2に示す組成で、ポリシロキサンの溶液(P2、P5及びP8)とポリシロキサンの溶液(P1)を室温下で混合して液晶配向剤(L1〜L8)を得た。
更に、ポリシロキサンの溶液(P2)、ポリシロキサンの溶液(P1)及びシリカ粒子含有溶液(Q1)を室温下で混合して液晶配向剤(L9)を得た。この液晶配向剤(L1〜L9)を用いて液晶セル(素子)を作成し、液晶配向性及び電圧保持率を測定した。結果は表3に示す。
なお、液晶セル(素子)の作成方法、液晶配向性及び電圧保持率の測定方法は、下記に示す。
<比較例1〜8>
表2に示すように、上記した液晶配向剤(L1〜L8)の代わりに、P1〜P4、P6、P7、P9及びP10(M1〜M8)をそのまま用いて、実施例と同様に液晶セルを作製し、液晶配向性及び電圧保持率を測定した。
結果は表3に示す。
Figure 0005593611
[液晶セルの作成]
孔径0.5μmのメンブランフィルターで加圧濾過した液晶配向剤を用いて、透明電極付きガラス基板にスピンコート法により成膜した。この基板を80℃のホットプレート上で5分間乾燥した後、180℃の熱風循環式オーブンで60分焼成し、膜厚100nmの液晶配向膜を形成した。
前記のようにして得られた液晶配向膜付き基板を2枚用意し、片方の基板の液晶配向膜面に6μmのスペーサーを散布した後、液晶配向膜が向き合うように張り合わせて、空のセルを作成した。この空セルに液晶を注入して液晶セルを得た。
その際、液晶は、メルク社製MLC―6608(商品名)及びメルク社製MLC―7021−100(商品名)の2種類を用いた。
[液晶配向性]
液晶として、メルク社製MLC―7021−100を用いて、[液晶セルの作成]と同様の方法で得られた液晶セルを偏光顕微鏡で観察し、液晶の配向状態を目視で確認した。
欠陥のない均一な垂直配向をしている場合には○、配向欠陥が見られる場合及び垂直配向しない場合は×とした。
[電圧保持率]
上記した[液晶セルの作成]と同様の方法で、液晶としてメルク社製MLC―6608を用いて得られた液晶セルを、東陽テクニカ社製VHR−1を使用し、4V電圧を印加してから1667ms後の電圧保持率(Voltage Holding Ratio:VHR)を80℃恒温槽中にて測定した。
Figure 0005593611
実施例1〜9に示すとおり、ポリシロキサン(A)の溶液(P2,P5、P8)とポリシロキサン(B)の溶液(P1)の混合物は、ポリシロキサン(A)の溶液単独の比較例1〜7及びポリシロキサン(B)の溶液単独の比較例8に比べて高い電圧保持率を示し、非常に良好な垂直配向性が観察され液晶配向性にも優れている。
[X線光電子分光法]
液晶配向剤L5及びP2を、孔径0.5μmのメンブランフィルターで加圧濾過した後、シリコン基板[(100)面]にスピンコートし、80℃のホットプレートにのせて5分間乾燥した。その後、180℃の熱風循環式オーブンで60分焼成して、膜厚100nmの塗膜を得た。この塗膜について、島津製作所社製ESCA−3200を用い、膜の表面から基板方向における、元素の分布を分析した。その結果を図1及び図2に示す。
この分析結果から、P2を用いて得られた塗膜は、膜内の炭素濃度が均一であるのに対して、本発明の液晶配向剤(L5)から得られる液晶配向膜は、表層付近に炭素濃度の高い層が存在していることが確認された。
本発明の液晶配向剤は、配向性が良好で且つ高温下での低周波数による素子駆動において電圧保持率が高いという特性を有する液晶配向膜を提供でき、更に、信頼性の高い液晶表示素子を提供することが可能である。
従って、本発明の液晶配向膜は、各種液晶表示素子、とりわけ、垂直配向型(VA)において好適に用いることができる。その他偏光フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム用配向膜においても用いることができる。

なお、2006年3月7日に出願された日本特許出願2006−060807号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (12)

  1. 下記のポリシロキサン(A)と、ポリシロキサン(B)と、これらのポリシロキサンを溶解する有機溶媒と、を含有することを特徴とする液晶配向剤。
    ポリシロキサン(A):式(1)で表されるアルコキシシランを含有するアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサン、
    Figure 0005593611
    (Rは炭素数8〜30の有機基であり、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
    ポリシロキサン(B):式(2)で表されるテトラアルコキシシランを含有するアルコキシシランを、上記ポリシロキサン(A)の単量体である式(1)で表されるアルコキシシランを共重縮合することなく重縮合して得られるポリシロキサン。
    Figure 0005593611
    (Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
  2. 下記のポリシロキサン(A)の溶液及びポリシロキサン(B)の溶液を含有することを特徴とする液晶配向剤。
    ポリシロキサン(A)の溶液:式(1)で表されるアルコキシシランを含有するアルコキシシランを有機溶媒中で重縮合して得られるポリシロキサンの溶液、
    Figure 0005593611
    (Rは炭素数8〜30の有機基であり、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
    ポリシロキサン(B)の溶液:式(2)で表されるテトラアルコキシシランを含有するアルコキシシランを、上記ポリシロキサン(A)の単量体である式(1)で表されるアルコキシシランを共重縮合することなく有機溶媒中で重縮合して得られるポリシロキサンの溶液。
    Figure 0005593611
    (Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
  3. ポリシロキサン(A)が、式(3)で表されるアルコキシシランの少なくとも1種を併用し重縮合して得られるポリシロキサンである、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
    Figure 0005593611
    (Rはそれぞれ炭素数1〜5の炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜5の有機基であり、nは0〜3の整数を表す。)
  4. ポリシロキサン(B)が、式(4)で表されるアルコキシシランの少なくとも1種を併用し重縮合して得られるポリシロキサンである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    Figure 0005593611
    (Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜6の有機基を表し、mは1又は2の整数を表す。)
  5. ポリシロキサン(A)が、式(1)で表されるアルコキシシラン、及びテトラエトキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンであり、ポリシロキサン(B)がテトラエトキシシランから得られるポリシロキサンである、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
  6. ポリシロキサン(A)が、式(1)で表されるアルコキシシランを2〜30モル%の割合で含有するアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  7. ポリシロキサン(A)の珪素原子の量が、ポリシロキサン(A)とポリシロキサン(B)の珪素原子の合計量に対して、3〜80モル%である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて得られる液晶配向膜。
  9. 請求項8に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
  10. 下記のポリシロキサン(A)の溶液とポリシロキサン(B)の溶液とを混合する工程を含むことを特徴とする液晶配向剤の製造方法。
    ポリシロキサン(A)の溶液:式(1)で表されるアルコキシシランを含有するアルコキシシランを有機溶媒中で重縮合して得られるポリシロキサンの溶液、
    Figure 0005593611
    (Rは炭素数8〜30の有機基であり、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
    ポリシロキサン(B)の溶液:式(2)で表されるテトラアルコキシシランを含有するアルコキシシランを、上記ポリシロキサン(A)の単量体である式(1)で表されるアルコキシシランを共重縮合することなく有機溶媒中で重縮合して得られるポリシロキサンの溶液。
    Figure 0005593611
    (R炭素数1〜5の炭化水素基を表す。)
  11. ポリシロキサン(A)の溶液が、式(1)で表されるアルコキシシランを含有するアルコキシシランを加水分解・重縮合して得られるポリシロキサンである、請求項10に記載の液晶配向剤の製造方法。
  12. ポリシロキサン(B)の溶液が、式(2)で表されるテトラアルコキシシランを含有するアルコキシシランを加水分解・重縮合して得られるポリシロキサンである、請求項10又は11に記載の液晶配向剤の製造方法。
JP2008503877A 2006-03-07 2007-03-06 珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法 Active JP5593611B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008503877A JP5593611B2 (ja) 2006-03-07 2007-03-06 珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006060807 2006-03-07
JP2006060807 2006-03-07
JP2008503877A JP5593611B2 (ja) 2006-03-07 2007-03-06 珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法
PCT/JP2007/054349 WO2007102513A1 (ja) 2006-03-07 2007-03-06 珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007102513A1 JPWO2007102513A1 (ja) 2009-07-23
JP5593611B2 true JP5593611B2 (ja) 2014-09-24

Family

ID=38474940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008503877A Active JP5593611B2 (ja) 2006-03-07 2007-03-06 珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP5593611B2 (ja)
KR (1) KR101364921B1 (ja)
CN (1) CN101395527B (ja)
TW (1) TWI411854B (ja)
WO (1) WO2007102513A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014173068A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Nof Corp はっ水/はつ油フィルム
KR20170001620A (ko) 2015-06-25 2017-01-04 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막, 액정 소자, 액정 배향막의 제조 방법 및 화합물

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5206413B2 (ja) * 2006-10-06 2013-06-12 日産化学工業株式会社 ケイ素系液晶配向剤及び液晶配向膜
JP5354161B2 (ja) * 2008-10-17 2013-11-27 Jsr株式会社 液晶配向剤および液晶表示素子
KR101708949B1 (ko) * 2008-12-25 2017-02-21 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 잉크젯 도포용 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR101730188B1 (ko) * 2008-12-26 2017-04-25 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 잉크젯 도포용 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
JP5311054B2 (ja) * 2009-02-19 2013-10-09 Jsr株式会社 液晶配向剤、液晶表示素子およびその製造方法
KR101647537B1 (ko) * 2009-05-01 2016-08-10 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 규소계 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
JP5626517B2 (ja) * 2009-11-05 2014-11-19 Jsr株式会社 液晶表示素子の製造方法
JP5790358B2 (ja) * 2010-10-27 2015-10-07 Jsr株式会社 液晶配向剤および液晶表示素子
JP5999084B2 (ja) * 2011-02-24 2016-09-28 日産化学工業株式会社 ケイ素系液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
CN107200818B (zh) * 2012-07-24 2019-11-29 日产化学工业株式会社 适用于液晶取向膜的制造方法的聚合物
KR102261699B1 (ko) * 2013-05-13 2021-06-04 닛산 가가쿠 가부시키가이샤 횡전계 구동형 액정 표시 소자용 액정 배향막을 갖는 기판의 제조 방법
JP6715530B2 (ja) * 2014-10-31 2020-07-01 住友化学株式会社 撥水撥油コーティング混合組成物
CN110109293A (zh) * 2019-04-04 2019-08-09 深圳市华星光电技术有限公司 液晶无机配向薄膜的制造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS589125A (ja) * 1981-07-10 1983-01-19 Hitachi Ltd 液晶配向膜印刷塗布組成物
JPH0673340A (ja) * 1992-08-26 1994-03-15 Catalysts & Chem Ind Co Ltd シリカ系被膜形成用塗布液および被膜付基材
JPH09281502A (ja) * 1996-02-16 1997-10-31 Nissan Chem Ind Ltd 液晶垂直配向膜の形成方法
JP2003031569A (ja) * 2001-04-24 2003-01-31 Nissan Chem Ind Ltd シリカ系厚膜の形成方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW397927B (en) * 1996-02-16 2000-07-11 Nissan Chemical Ind Ltd Process for forming a liquid crystal alignment film
JP4513950B2 (ja) * 2004-03-05 2010-07-28 Jsr株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS589125A (ja) * 1981-07-10 1983-01-19 Hitachi Ltd 液晶配向膜印刷塗布組成物
JPH0673340A (ja) * 1992-08-26 1994-03-15 Catalysts & Chem Ind Co Ltd シリカ系被膜形成用塗布液および被膜付基材
JPH09281502A (ja) * 1996-02-16 1997-10-31 Nissan Chem Ind Ltd 液晶垂直配向膜の形成方法
JP2003031569A (ja) * 2001-04-24 2003-01-31 Nissan Chem Ind Ltd シリカ系厚膜の形成方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014173068A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Nof Corp はっ水/はつ油フィルム
KR20170001620A (ko) 2015-06-25 2017-01-04 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막, 액정 소자, 액정 배향막의 제조 방법 및 화합물

Also Published As

Publication number Publication date
KR20080108239A (ko) 2008-12-12
TW200745698A (en) 2007-12-16
KR101364921B1 (ko) 2014-02-19
JPWO2007102513A1 (ja) 2009-07-23
CN101395527B (zh) 2012-05-30
CN101395527A (zh) 2009-03-25
TWI411854B (zh) 2013-10-11
WO2007102513A1 (ja) 2007-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5593611B2 (ja) 珪素系液晶配向剤、液晶配向膜並びにそれらの製造方法
JP5206413B2 (ja) ケイ素系液晶配向剤及び液晶配向膜
JP5578074B2 (ja) ケイ素系液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP5605359B2 (ja) ケイ素系液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP5459229B2 (ja) インクジェット塗布用液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JPWO2012165354A1 (ja) ケイ素系液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
WO2010074261A1 (ja) インクジェット塗布用液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP5716673B2 (ja) ケイ素系液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP5761180B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
WO2013073636A1 (ja) ケイ素系液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP5999084B2 (ja) ケイ素系液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
WO2014021174A1 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子及び液晶表示素子の製造方法
JP5459228B2 (ja) インクジェット塗布用液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140404

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140708

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140721

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5593611

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350