JPH10176007A - 光硬化性樹脂被覆粒子、その製造方法及び該粒子からなるスペーサー - Google Patents

光硬化性樹脂被覆粒子、その製造方法及び該粒子からなるスペーサー

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JPH10176007A
JPH10176007A JP9282275A JP28227597A JPH10176007A JP H10176007 A JPH10176007 A JP H10176007A JP 9282275 A JP9282275 A JP 9282275A JP 28227597 A JP28227597 A JP 28227597A JP H10176007 A JPH10176007 A JP H10176007A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示装置用面内スペーサーとして用いた
場合、分散性がよく、かつ高い移動防止能を有するとと
もに、低温で硬化することができ、基板フィルムに影響
を及ぼすことが少ない光硬化性樹脂被覆粒子およびその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 球状コア粒子と、その表面を均一な厚さ
で被覆する光硬化性樹脂層を有しており、コア粒子と光
硬化性樹脂層とがシランカップリング剤を介して結合さ
れ、さらに場合により、該光硬化性樹脂層の表面に、シ
ランカップリング剤に由来するシロキサン結合を有する
光硬化性樹脂被覆粒子、およびこの被覆粒子を、3段階
あるいは場合により4段階で製造する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化性樹脂被覆
粒子、その製造方法および該粒子からなるスペーサーに
関し、さらに詳しくは液晶表示装置用面内スペーサーと
して用いた場合、高い移動防止能を有するとともに、低
温で硬化しうるので基板フィルムに悪影響を及ぼすこと
が少なく、かつ硬化時の収縮が少ないので、所定の間隙
を精密に保持しうる光硬化性樹脂被覆粒子、このものを
効率よく製造する方法、および該光硬化性樹脂被覆粒子
からなる液晶表示装置用面内スペーサーに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置の発展は目ざまし
く、時計、電卓、ノート型パソコンなどの小型の表示部
をもつものだけではなく、ワードプロセッサー、デスク
トップパソコン、テレビなどの大型の表示部をもつ機器
の表示装置などとして利用されている。
【0003】この液晶表示装置は、一般に配向層を形成
した2枚の透明電極基板を、スペーサー粒子を介して所
定の間隙になるように配向配置し、周辺をシールして液
晶セルを形成し、その電極基板の間隙に液晶材料を挾持
した構造を有している。該スペーサー粒子は電極基板間
の間隙、すなわち液晶層の厚みを均一に保つための機能
を有しており、液晶セルの周辺シール部および液晶セル
内部(面内、表示部分)に使用される。
【0004】このような液晶表示装置の液晶層の厚さを
一定に保つための面内スペーサーのうち、移動防止能を
有するいわゆる固着型スペーサーとしては、熱可塑性樹
脂や熱硬化性樹脂を被覆した球状粒子が一般的である。
しかしながら、熱可塑性樹脂を被覆した粒子は、使用時
の温度耐久性の点から、軟化点が100℃以上の熱可塑
性樹脂しか使用できない上、液晶材料に対する耐久性に
劣るなどの欠点を有している。一方、熱硬化性樹脂(一
般的にはエポキシ樹脂)を被覆した粒子においては、低
温での硬化特性に優れるアミン系硬化剤が液晶材料に対
して悪影響を及ぼすために使用できず、硬化剤の種類が
限定され、150℃程度の高温での硬化を行わなければ
ならないなどの問題がある。
【0005】ところで、高分子フィルムを基板とした液
晶表示装置では、柔軟性を有し、割れることがなく、か
つ軽量であるなどの利点を有することから、近年、その
需要が順調に伸びている。この液晶表示装置において
は、基板が柔軟であるため、ガラス基板に比べ、外力に
よってスペーサー粒子が移動しやすいので、固着型スペ
ーサーの使用が必須である。しかしながら、これまでの
固着型スペーサーは、液晶表示装置の製造工程で100
℃以上の高温加熱を必要とし、このような高温加熱は、
基板フィルムの熱膨張、熱収縮、耐熱性などの点から、
好ましいものではない。
【0006】100℃未満の比較的低温で固着するスペ
ーサーとしては、例えば架橋剤および光重合開始剤を含
む熱可塑性樹脂で被覆された粒子からなる液晶表示素子
用スペーサーが提案されている(特開平6−28940
2号公報)。しかしながら、このスペーサーは分散性が
悪く、均一散布が困難である上、凝集しやすく、長期保
存安定性に劣るなどの欠点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、特に、液晶表示装置用固着型面内スペーサー
として用いた場合、高い移動防止能を有するとともに、
100℃未満の低温で硬化し、基板フィルムに悪影響を
及ぼすことが少なく、かつ硬化時の収縮が小さくて所定
の間隙を精密に保持しうる上、良好な分散性及び長期保
存安定性を有する粒子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の好ま
しい性質を有する粒子を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、球状粒子からなるコア粒子の表面に、光硬化性樹脂
層がシランカップリング剤を介しての結合により均一な
厚さで被覆されてなる光硬化性樹脂被覆粒子及びその表
面にシロキサン結合を有する被覆粒子がその目的に適合
しうること、そしてこれらの被覆粒子は、特定の工程を
順次施すことにより、効率よく製造しうることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、球状粒子からなるコ
ア粒子と、その表面を被覆する光重合性プレポリマーと
光重合開始剤とを含む光硬化性樹脂層とを有しており、
コア粒子と、光硬化性樹脂層を構成する光重合性プレポ
リマーとがシランカップリング剤を介して結合されてい
ることを特徴とする光硬化性樹脂被覆粒子(以下、単に
「被覆粒子I」ということがある)を第一の要旨とし、
上記被覆粒子Iの光硬化性樹脂層の表面に光重合性プレ
ポリマーに結合しているシランカップリング剤に由来す
るシロキサン結合をさらに有することを特徴とする光硬
化性樹脂被覆粒子(以下、単に「被覆粒子II」というこ
とがある)を第二の要旨とする。
【0010】また、本発明は、(工程A)球状粒子から
なるコア粒子を疎水性基を有するシランカップリング剤
で表面処理して、コア粒子の表面に疎水性基を導入する
工程、(工程B)工程Aで表面処理されたコア粒子を、
光重合性プレポリマーおよび光重合開始剤を含有する有
機溶媒溶液中に分散させ、光重合性プレポリマーと光重
合開始剤とを含む光硬化性樹脂をコア粒子表面に析出さ
せるための処理を行ったのち、溶媒を除去して、コア粒
子表面に上記光硬化性樹脂が析出した乾燥粉体を得る工
程、および(工程C)工程Bで得られた乾燥粉体を衝撃
力または剪断力付与処理に付し、光重合性プレポリマー
と光重合開始剤とを含む光硬化性樹脂層をコア粒子表面
に被覆させる工程を順次施すことを特徴とする上記光硬
化性樹脂被覆粒子(被覆粒子I)の製造方法を第三の要
旨とし、上記製造方法と同様にして、工程A、工程Bお
よび工程Cを順次施したのち、さらに(工程D)工程C
で得られた光硬化性樹脂層が被覆された粒子を、疎水性
基を有するシランカップリング剤含有水性エマルジョン
により処理して、シランカップリング剤を光硬化性樹脂
層に吸収させたのち、このシランカップリング剤を加水
分解してシロキサン結合を形成させる工程を施すことを
特徴とする上記光硬化性樹脂被覆粒子(被覆粒子II)の
製造方法を第四の要旨とする。
【0011】さらに、本発明は、上記光硬化性樹脂被覆
粒子(被覆粒子I、II)からなる液晶表示装置用面内ス
ペーサーを第五の要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の被覆粒子Iは、球状粒子
からなるコア粒子と、その表面を被覆する光硬化性樹脂
層からなるものである。
【0013】本発明においてコア粒子として用いること
ができる球状粒子の材質としては、実質的に真球状の粒
子であって、シランカップリング剤の親水性官能基と反
応して、化学結合を形成できる無機材料または有機・無
機複合材料が挙げられる。その材質の具体例としてはシ
リカ;WO3、SnO2、TiO2、ZrO2、Al23
の金属酸化物;ケイ酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、ホウ
ケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、リン酸
塩ガラス、ゲルマン酸塩ガラス、タングステン酸塩ガラ
ス、モリブデン酸塩ガラス、テルル酸塩ガラス等のガラ
ス;WO96/15986号公報に開示されている発明
の黒色粒子および絶縁膜付き黒色粒子;ポリオルガノシ
ルセスキオキサン等の有機無機複合物等が挙げられ、目
的とする光硬化性樹脂被覆粒子の用途等に応じて適宜選
択可能である。
【0014】上記の球状粒子からなるコア粒子の粒径
は、目的とする光硬化性樹脂被覆粒子の用途等に応じて
適宜選択可能である。例えば、本発明の光硬化性樹脂被
覆粒子を液晶表示パネル(液晶セル)用のスペーサーと
して用いる場合、前記のコア粒子は粒径が0.4〜29
μmのシリカ粒子またはポリオルガノシルセスキオキサ
ン粒子であることが特に好ましい。また、その粒度分布
の変動係数(以下、CV値という)は、5%以下、特に
2%以下であるのが有利である。
【0015】なお、CV値は、式 CV値(%)=(粒径の標準偏差/平均粒径)×100 により求められる。
【0016】上記のコア粒子表面を被覆する光硬化性樹
脂層は、光重合性プレポリマー、光重合開始剤および所
望により用いられる光重合性モノマーからなるものであ
る。上記光重合性プレポリマーとしては、常温で固体で
あって、軟化点が100℃以下のものが好ましく、例え
ばエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、
ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレー
ト、オリゴアクリレート、アルキドアクリレート、ポリ
オールアクリレートなどが挙げられる。これらは単独で
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0017】また、光重合開始剤としては、紫外線など
の活性光線によりラジカルを発生する公知の化合物、例
えばビアセチル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ
アセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチロフェノン、
ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンジル
メチルケタール、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタ
ール、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソ
ブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジーtert−
ブチルパーオキシド、1−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピ
ルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−
1−オン、2−クロロチオキサントン、メチルベンゾイ
ルフォーメートなどが挙げられる。これらは単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】一方、所望により用いられる光重合性モノ
マーとしては、アクリル酸、アクリルアミド、アクリロ
ニトリル、スチレン、アクリル酸エステルなどに含まれ
る二重結合を1分子中に1個以上有する公知のモノマ
ー、例えばラウリルアクリレート、2−ヘキシルアクリ
レート、2−ヒドロキシアクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールモノアクリレート、ジシクロペンタジエンア
クリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどが挙げ
られる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0019】光硬化性樹脂層における上記各成分の含有
割合については、光重合性モノマーは、光重合性プレポ
リマーに対して、通常0〜500重量%、好ましくは0
〜200重量%の割合で含有させるのがよい。また、光
重合開始剤は、光重合性プレポリマーと光重合性モノマ
ーとの合計量に対し、通常0〜20重量%、好ましくは
0.001〜10重量%の割合で含有させるのが有利で
ある。
【0020】本発明の被覆粒子Iにおける光硬化性樹脂
層は、次のような構造を有している。すなわち、光重合
性プレポリマー、光重合開始剤および所望により用いら
れる光重合性モノマーが、実質的に均一に混在した形態
で、コア粒子の表面を被覆しているか、または後述する
衝撃力または剪断力付与処理によって、上記各成分の少
なくとも一部が融解し、たがいに溶融・混合して一層と
なって存在し、コア粒子の表面を被覆している。
【0021】このような光硬化性樹脂被覆粒子は、例え
ば液晶セル膜上に散布し、紫外線などの活性光線を照射
することにより、光硬化性樹脂層が硬化するとともに、
液晶セル膜と強固に接着する。
【0022】本発明の被覆粒子Iは、コア粒子と光硬化
性樹脂層を構成する光重合性プレポリマー及び所望によ
り用いられる光重合性モノマーとがシランカップリング
剤を介して結合されていることを特徴とする。
【0023】シランカップリング剤は親水性置換基と疎
水性基とを有しており、その一方の親水性置換基が、コ
ア粒子を構成する材質との間で化学結合を形成し、他方
の疎水性基が光重合性プレポリマーや光重合性モノマー
と化学的又は物理的結合を形成している。このように、
コア粒子と光重合性プレポリマーや光重合性モノマーと
がシランカップリング剤を介して結合されていることに
よって、コア粒子と光硬化性樹脂層とが強固に接合され
ているため、超音波処理等による光硬化性樹脂層の剥が
れが無く、高い接着力が得られる。これにより、例えば
液晶表示装置用固着型面内スペーサーとして用いた場
合、液晶セル膜との強固な接着が達成できる。
【0024】上記シランカップリング剤は、置換基とし
て疎水性基を1つまたは2つ有し、かつ親水性置換基が
アルコキシ基であるものであればよく、特に制限はな
い。このようなものとしては、例えばフェニルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,
4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、さらにはアルキル
トリエトキシシラン類、アルキルトリメトキシシラン
類、ジアルキルジエトキシシラン類、ジアルキルジメト
キシシラン類などが挙げられる。これらの中で、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランなどが好ましい。これらのシラン
カップリング剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0025】なお、コア粒子の材質が無機材料である場
合、上記の疎水性基を有するシランカップリング剤と共
に、テトラアルコキシシラン(例えばテトラエトキシシ
ラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン等)を反応させてもよい。加
水分解速度の速いシリコンアルコキシドをシランカップ
リング剤と同時に反応させることにより、コア粒子表面
がより疎水化され、光硬化性樹脂による被覆およびコア
粒子と光硬化性樹脂層との結合性がより良好となる。
【0026】本発明の被覆粒子Iにおける光硬化性樹脂
層の厚さは、目的とする用途によって適宜選択すること
ができるが、通常0.001〜5.0μm、好ましくは
0.005〜3.0μm、特に好ましくは0.01〜
1.0μmの範囲である。
【0027】光硬化性樹脂被覆粒子を固着型スペーサー
として用いる場合、散布方式としては、乾式法及び湿式
法があるが、上記構成の本発明の被覆粒子Iは、乾式散
布方式の固着型スペーサーとして好適である。
【0028】一方、本発明の被覆粒子IIは、湿式及び乾
式のいずれの散布方式の固着型スペーサーとして好適に
用いることができる。この被覆粒子IIは、上記構成の被
覆粒子Iにおける光硬化性樹脂層の表面、すなわち粒子
の表面に、光重合性プレポリマーや光重合性モノマーと
結合しているシランカップリング剤の親水性官能基に由
来するシロキサン結合(−Si−O−)が存在するもの
である。
【0029】このシランカップリング剤としては、疎水
性基、好ましくは重合性基と親水性置換基とを有するも
のであればよく、特に制限されず、例えば前記例示のシ
ランカップリング剤の中から適宜選択して用いてもよ
い。また、コア粒子と光重合性プレポリマーや光重合性
モノマーとの結合に用いた化合物と同一のものでもよい
し、異なる化合物でもよい。
【0030】ここで用いるシランカップリング剤の一方
の疎水性基は、光硬化性樹脂層を構成する光重合性プレ
ポリマーや光重合性モノマーと化学的または物理的結合
を形成しており、他方の親水性置換基(アルコキシ基)
は加水分解されて、シランカップリング剤の親水性置換
基同士が結合してシロキサン結合を形成する。従って、
光硬化性樹脂層の表面がシロキサン結合の網によって覆
われているような状態になっているものと考えられる。
【0031】このように粒子表面にシロキサン結合が存
在することにより、長期の保存によっても個々の粒子間
の合着・凝集が起こらない。また、固着型スペーサーと
して、湿式法で散布する場合でも、粒子間の合着・凝集
が起こらない。粒子の表面に親水性のシロキサン結合が
存在すると、粒子同士が反発しあい、粒子同士の合着・
凝集が起こらず、粒子の分散性が高くなる。これに対
し、粒子表面にシロキサン結合が存在しない被覆粒子I
では、湿式法で散布する場合、粒子同士の合着・凝集が
起こりやすく、湿式法による散布方式を採用しにくい。
【0032】本発明の被覆粒子IおよびIIは、光を照射
する前は接着性を示さず、光重合性プレポリマーの溶融
する温度以上で加熱しながら紫外線などの活性光線を照
射することにより、初めて接着性を示すものであり、光
を照射する前は、個々の粒子は合着・凝集していない状
態にある。また、例えば、活性光線を照射して液晶セル
膜との接着後も接着性を示さなくなる。
【0033】本発明の被覆粒子IおよびIIの全体の粒径
は、目的とする用途によって適宜選択することができる
が、例えば液晶表示装置用固着型面内スペーサーを目的
とする場合には、通常0.5〜30μm、好ましくは
0.7〜25μm、特に好ましくは1.0〜15μmの
範囲である。精密接着剤を目的とする場合には、通常
0.5〜100μm、好ましくは0.7〜80μm、特
に好ましくは1.0〜60μmの範囲である。
【0034】本発明の被覆粒子I、IIは、極めて高い光
照射接着性を示し、光照射接着後の引っ張り力が1.0
×10-8kgf/個以上である。
【0035】また、本発明の被覆粒子I、IIは、少なく
とも30日間という長期間の保存によっても粒子間の合
着・凝集が起こりにくく、長期保存安定性に優れてい
る。
【0036】上記特性を有する本発明の被覆粒子I、II
は、液晶表示装置用固着型面内スペーサーとして用いた
場合、高い移動防止能を有し、超音波照射、液晶材料注
入、押出し時に移動を生じることがなく、面内散布密度
が変化しないため、セルギャップを一定に保つことが可
能である。また、本発明の被覆粒子I、IIは、コア粒子
の単分散性を維持しているため、極めて高い精度で液晶
セル膜厚を規定することができる。
【0037】本発明の被覆粒子I、IIは、精密接着剤と
して用いた場合、硬化時の収縮が小さく、極めて高い精
度で特定の間隔をもって接着が可能である。従って、例
えば各種マイクロ光学部材の固定、導波路/光ファイバ
ー間の接続に好適に用いることができる。
【0038】さらに、本発明の被覆粒子I、IIを均一に
一層に並べて硬化させることにより、極めて微細かつ精
密なサイズの濾過孔を有する精密濾過フィルターとする
ことができる。
【0039】次に本発明の被覆粒子Iの製造方法につい
て説明する。
【0040】この被覆粒子Iの製造方法は、 工程A:シランカップリング剤によるコア粒子の表面処
理、 工程B:光重合性プレポリマーと光重合開始剤のコア粒
子表面への析出処理、および 工程C:衝撃力または剪断力付与処理 からなるものであり、以下、工程毎に詳述する。
【0041】工程A:シランカップリング剤によるコア
粒子の表面処理 工程Aはシランカップリング剤の親水性置換基(アルコ
キシ基)とコア粒子を構成する物質との間に結合を形成
し、次の工程Bでコア粒子と光重合性プレポリマーや光
重合性モノマーとの間で化学的又は物理的結合を形成す
るための疎水性基をコア粒子の表面に導入する工程であ
る。
【0042】工程Aでは、球状粒子からなるコア粒子を
疎水性基を有するシランカップリング剤で表面処理して
コア粒子の表面に疎水性基を導入する。
【0043】コア粒子にシランカップリング剤の疎水性
基を導入するには、まず、超音波振動等を利用して、コ
ア粒子をアルコール系溶媒などの溶媒中に分散させる。
この分散液に、好ましくはアンモニア水を添加し、次い
で疎水性基を有するシランカップリング剤を添加して撹
拌することにより、シランカップリング剤の親水性置換
基(アルコキシ基)が加水分解されて、コア粒子を構成
する物質との間で結合が形成され、かつコア粒子表面に
疎水性基が導入される。
【0044】本工程で用いられるアルコール系溶媒とし
ては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール等が挙げられる。このときに用い
る溶媒は1種類のアルコールでもよいし、複数種のアル
コールからなる混合物であってもよい。アルコール系溶
媒の使用量は、コア粒子の重量の5〜30倍が好適であ
る。
【0045】疎水性基を有するシランカップリング剤の
使用量は、コア粒子に対し、通常0.1〜500重量
%、好ましくは0.5〜200重量%、特に好ましくは
1〜100重量%の範囲である。シランカップリング剤
の使用量が0.1重量%未満の場合、充分な光重合性プ
レポリマーや光重合性モノマーとの結合を提供できるだ
けの疎水性基を導入することができない。また、500
重量%を超えるとシランカップリング剤の加水分解物が
凝集し、これが粒子表面に付着して粒子の単分散性が損
なわれ、不都合である。
【0046】シランカップリング剤の親水性置換基を加
水分解するためのアンモニア水の添加量は、シランカッ
プリング剤のモル数に対して2〜300倍が好適であ
る。
【0047】加水分解時の反応温度は、通常20〜80
℃であり、反応時間は、通常1〜24時間である。
【0048】前述したように、コア粒子の材質が無機材
料である場合には、疎水性基を有するシランカップリン
グ剤でのコア粒子の表面処理時に、必要に応じて加水分
解速度の速いシリコンアルコキシドを共存させることに
より、コア粒子表面により均一な光硬化性樹脂層を形成
するのに十分な量の疎水性基を導入することができる。
【0049】工程B:光重合性プレポリマーと光重合開
始剤のコア粒子表面への析出処理 工程Bは上記工程Aで得た表面処理されたコア粒子に、
光重合性プレポリマー、光重合開始剤および所望により
用いられる光重合性モノマーからなる光硬化性樹脂を均
一に析出させた乾燥粉体を得る工程であり、次の工程C
における衝撃力または剪断力付与処理を行うための前処
理工程である。
【0050】具体的には、光重合性プレポリマー、光重
合開始剤および所望により光重合性モノマーを有機溶媒
に均一に溶解した溶液中に、上記工程Aでシランカップ
リング剤によって表面処理されたコア粒子を加え、超音
波振動などを利用して均一に分散させる。得られた分散
液に、光重合性プレポリマー、光重合開始剤および所望
により用いられる光重合性モノマーに対する貧溶媒を大
量に加えて、光重合性プレポリマー、光重合開始剤およ
び所望により用いられる光重合性モノマーからなる光硬
化性樹脂をコア粒子の表面に均一に混在した状態で析出
させ、次いで溶媒を減圧留去する等の手段で除去するこ
とにより、乾燥粉体とする。
【0051】ここで用いる、光硬化性樹脂を構成する各
成分を溶解するための有機溶媒としては、例えばアセト
ン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、ジエチルケトン等が挙げられる。有
機溶媒の使用量は、該各成分を完全に溶解できる量以上
であればよい。
【0052】光硬化性樹脂を構成する各成分に対する貧
溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール等が
挙げられる。貧溶媒の添加量は、使用する有機溶媒の2
倍以上が好ましい。
【0053】本工程で得られる乾燥粉体は、コア粒子に
対して遥かに粒径の小さい光重合性プレポリマー、光重
合開始剤および所望により用いられる光重合性モノマー
からなる光硬化性樹脂が、コア粒子の表面に実質的に均
一に混在し、かつ均一な厚さで付着している。この段階
では、光重合性プレポリマー、光重合開始剤および所望
により用いられる光重合性モノマーからなる光硬化性樹
脂は、コア粒子表面に付着しているか、弱い力でコア粒
子表面に吸着しているにすぎない。
【0054】光重合性プレポリマー、光重合開始剤およ
び所望により用いられる光重合性モノマーをコア粒子表
面に均一に混在した状態で析出させる方法としては、上
述の貧溶媒を添加する方法以外に、ヘンシェルミキサー
等の加熱撹拌装置により、撹拌状態下に有機溶媒を除去
する方法を用いることも可能である。
【0055】工程C:衝撃力または剪断力付与処理 工程Cは、上記工程Bで得られた光硬化性樹脂がコア粒
子表面に析出した乾燥粉体を衝撃力または剪断力付与処
理に付し、コア粒子表面に弱い力で吸着している光硬化
性樹脂をコア粒子表面に熱融着させると同時にコア粒子
表面に導入されている疎水性基と光重合性プレポリマー
や光重合性モノマーとの間に化学的または物理的結合を
形成させ、光硬化性樹脂層がコア粒子表面に融着された
被覆粒子を得る工程である。
【0056】ここで、本発明において用いることができ
る衝撃力または剪断力付与処理の好ましい具体例とし
て、ハイブリダイゼーション法が挙げられる。ハイブリ
ダイゼーション法とは、微粒子の表面改質を行うのに用
いられ、コア粒子とこれよりもさらに小さな改質用の微
粒子を、一般には高速気流中で混合し、表面に改質層を
形成させる方法である。より詳細には、コアとなる球状
粒子と、この球状粒子の表面に形成しようとする改質層
の材料となる粒子(コア粒子よりも小粒径のもの)とを
秒速数十メートル以上という高速気流中で分散・移動さ
せながら互いに衝突させ、このときに生じる衝突力、圧
縮力、摩擦力、剪断力等の機械的作用に伴う発熱・温度
上昇を利用して、コア粒子の表面に熱融着によって所望
の改質層を形成する方法である。
【0057】その他の本発明において用いることができ
る衝撃力または剪断力付与処理の具体例としては、メカ
ノフュージョン法が挙げられる。
【0058】本発明の方法においては、上記工程Bにお
いて、衝撃力または剪断力付与処理前に予め表面改質用
の粒子である光重合性プレポリマー、光重合開始剤およ
び所望により用いられる光重合性モノマーからなる光硬
化性樹脂を、コア粒子の表面に均一に混在した状態で析
出・付着させており、より確実に2種または3種の表面
改質用の粒子を均一に混在した状態で、かつ均一な厚さ
で熱融着させることができるため、均一な厚さでコア粒
子表面に光硬化性樹脂層を形成することができる。ま
た、この処理のときに、衝撃力または剪断力によって、
コア粒子表面に導入されたシランカップリング剤の疎水
性基と光重合性プレポリマーや光重合性モノマーとの間
に化学的または物理的結合が形成される。
【0059】シランカップリング剤の疎水性基が導入さ
れていないコア粒子と、光硬化性樹脂を、単に衝撃力ま
たは剪断力付与処理することによって得られた表面改質
粒子では、コア粒子と改質層との界面に化学的または物
理的結合がなく、また、改質層が微粒子の集合体で形成
されるので超音波耐久性、機械的特性は良好ではない。
従って、光硬化性樹脂を、単に例えばハイブリダイゼー
ション法によって疎水性基を有するシランカップリング
剤で表面処理されていないコア粒子に融着させても、コ
ア粒子と融着された光硬化性樹脂層との結合力は弱く、
光硬化性樹脂層が超音波処理、その他の機械的外力によ
って容易に剥がれてしまう。
【0060】しかしながら、本発明の被覆粒子Iにおい
ては、コア粒子と光重合性プレポリマーや光重合性モノ
マーとの間に疎水性基を有するシランカップリング剤に
よる化学的または物理的結合が形成されているため、衝
撃力または剪断力付与処理のみによる場合とは異なり、
コア粒子と光硬化性樹脂層との間には極めて高い結合力
が存在する。
【0061】本工程で用いるハイブリダイゼーション法
は、例えば奈良機械製作所社製のハイブリダイゼーショ
ンシステムO型(NHS−O型)を用いて行うことがで
きる。このハイブリダイザーを用いる場合のハイブリダ
イゼーションの好ましい条件は、以下の通りである。
【0062】ローター回転数:3000〜16000r
pm 処理時間:3〜30分 このようにして、本発明の被覆粒子Iが効率よく得られ
る。
【0063】次に、本発明の被覆粒子IIの製造方法につ
いて説明する。
【0064】この被覆処理IIの製造方法においては、上
記の工程A、工程Bおよび工程Cを順次施すことにより
得られた被覆粒子Iに対し、さらに以下に示す工程Dが
施される。
【0065】工程D:シロキサン結合形成処理 工程Dは、上記工程Cで得られた被覆粒子Iの光硬化性
樹脂層、すなわち粒子表面にシランカップリング剤の親
水性置換基に由来するシロキサン結合を形成する工程で
ある。
【0066】本工程においては、まず工程Cで得られた
被覆粒子Iを、シランカップリング剤含有水性エマルジ
ョンにより処理して、シランカップリング剤を光硬化性
樹脂層に吸収させるが、この際工程Cで得られた被覆粒
子Iを分散安定剤を含む水性溶媒溶液中に分散させ、こ
こにシランカップリング剤含有エマルジョンを添加し
て、シランカップリング剤を光硬化性樹脂層に吸収させ
るのが有利である。
【0067】本工程で用いる、工程Cで得られた被覆粒
子Iを分散させる水性溶媒としては、水、水−アルコー
ル溶液等が挙げられる。水−アルコール溶液の場合のア
ルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノールが挙げられる。
【0068】本工程で用いる分散安定剤は、工程Cで得
られた被覆粒子Iを安定に分散できるものであれば、特
に制限されないが、例えば部分ケン化したポリビニール
アルコール類、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロ
ピルセルロース等が挙げられる。分散安定剤の濃度は、
通常0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜25
重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の範囲であ
る。
【0069】また、本工程で用いるシランカップリング
剤含有水性エマルジョンには、所望により光重合性プレ
ポリマーや光重合性モノマーを含有させてもよい。シラ
ンカップリング剤としては、前記したように、疎水性
基、好ましくは重合性基と親水性置換基とを有するもの
が用いられ、またこのシランカップリング剤の使用量は
前記被覆粒子Iの光重合性プレポリマーと光重合性モノ
マーの合計に対して、通常5〜500重量%、好ましく
は10〜400重量%、特に好ましくは20〜300重
量%の範囲である。
【0070】シランカップリング剤のエマルジョンを調
製するために用いる溶媒としては、水が好ましい。エマ
ルジョンを調製するための乳化剤としては、例えばエー
テル型非イオン性界面活性剤、具体的にはポリオキシエ
チレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキレン
アルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンブロックポリマーなど、あるいは多価アルコー
ルの脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコールの脂肪
酸エステル類、ラウリル酸ナトリウム、ラウリルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル硫酸ナトリウム、部分ケン化ポリビニルアルコ
ールなどが挙げられる。
【0071】本工程では、まず光硬化性樹脂層にシラン
カップリング剤を吸収させて、シランカップリング剤の
疎水性基と光硬化性樹脂層を構成する光重合性プレポリ
マーや光重合性モノマーとを反応させて、化学的または
物理的結合を形成させる。
【0072】次いで、このようにして、光硬化性樹脂層
に吸収されたシランカップリング剤を加水分解処理す
る。この加水分解処理により、シランカップリング剤の
親水性置換基(アルコキシ基)が加水分解され、さらに
脱水・縮合反応により、粒子表面にシロキサン結合が形
成される。ここで、光硬化性樹脂層に吸収されたシラン
カップリング剤の親水性置換基の全てが加水分解されて
シロキサン結合を形成する必要はなく、その一部のみが
加水分解されてシロキサン結合を形成してもよい。
【0073】シランカップリング剤の親水性置換基の加
水分解は、通常アンモニア水を用いるが、塩酸、硫酸、
硝酸等の希薄水溶液で加水分解を行い、その後アンモニ
ア水を用いて縮合反応を促進させ、シロキサン結合を形
成してもよい。加水分解に用いるアンモニアの使用量は
光硬化性樹脂層に吸収されたシランカップリング剤に対
して、通常10〜5000重量%、好ましくは50〜2
000重量%の範囲である。
【0074】また、加水分解、脱水・縮合反応は、通常
0〜70℃、好ましくは5〜60℃、特に好ましくは1
0〜40℃の範囲で行い、反応時間は、通常0.1〜5
0時間、好ましくは1〜30時間の範囲である。
【0075】反応終了後、常法に従って粒子を回収し、
十分に水洗したのち、凍結乾燥法などで乾燥処理するこ
とにより、本発明の被覆粒子IIが得られる。
【0076】本発明の方法においては、衝撃力または剪
断力付与処理法を用い、コア粒子表面に均一な厚さの光
硬化性樹脂層を形成することができるため、得られた光
硬化性樹脂被覆粒子は、極めて高い単分散性(通常CV
値:2.0以下)を有し、かつコア粒子と光硬化性樹脂
層との間にシランカップリング剤を介しての結合が存在
するため、光硬化性樹脂層の剥がれがなく、極めて強固
な光照射接着性を示す。
【0077】本発明の液晶表示装置用固着型面内スペー
サーは、前記のようにして得られた本発明の光硬化性樹
脂被覆粒子(被覆粒子I、II)からなるものであって、
高い移動防止能を有し、超音波照射、液晶材料注入、押
出し時に移動を生じることがなく、面内散布密度が変化
しないため、セルギャップを一定に保つことが可能であ
る。また、コア粒子の単分散性を維持しているため、極
めて高い精度で液晶セル膜厚を規定することができる。
【0078】さらに、被覆粒子Iからなるスペーサーは
乾式散布用として、一方、被覆粒子IIからなるスペーサ
ーは湿式又は乾式散布用として好適である。
【0079】次に、本発明のスペーサーの使用方法の1
例について説明する。まず、被覆粒子IまたはIIからな
るスペーサーを、光透過性基板上に、例えば乾式法によ
りランダムに散布する。次いで、光透過性基板のスペー
サーを散布した面もしくは反対側の面から、紫外線など
の活性光線を照射する。この光照射によって、スペーサ
ーは、その粒子の光硬化性樹脂層が硬化して、光透過性
基板に固着する。
【0080】この際、使用する活性光線としては、スペ
ーサーの光硬化性樹脂層を硬化させうるものであればよ
く特に制限はないが、一般的には水銀ランプなどによる
紫外線が好ましく用いられる。また、光照射時の温度
は、通常60℃以上100℃未満の範囲で選ばれる。
【0081】このようにして、光透過性基板上に、スペ
ーサーを固着させることができる。
【0082】なお、上記光透過性基板としては、ガラス
基板を始め、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホ
ン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリ
レート、アクリル系樹脂などの高分子フィルムを用いる
ことができる。高分子フィルムを使用する場合は、耐溶
剤性の向上やガスバリアー性の向上などの目的で、所望
により、その表面にコーティング処理やラミネート処理
を施してもよい。
【0083】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。
【0084】実施例1 (1)被覆粒子Iの製造 工程A:シランカップリング剤によるコア粒子の表面処
内容量1リットルのフラスコに、粒径分布が単分散のシ
リカ粒子(平均粒径:6.18μm、CV値:0.9
%、個々の粒子は実質的に真球)50gを入れ、ここに
2−プロパノール315gを加え、超音波振動によりシ
リカ粒子を均一に分散させた。この分散液に、メタノー
ル315gを添加し、40℃で15分間撹拌した後、2
5wt%のアンモニア水125gを添加し、同温度で1
5分間撹拌した。得られた溶液にγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン21.5gとテトラエトキシ
シラン2.8gの混合液を10分間かけて滴下した。滴
下終了後、60℃に昇温し、同温度で10時間撹拌し
た。撹拌終了後、反応溶液を静置してシリカ粒子を沈降
させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。残
留シリカ粒子にメタノールを加えて撹拌し、静置してシ
リカ粒子を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液
を除去することを繰り返し、未反応のシランカップリン
グ剤を除去した。最後にメタノールを除去した後、得ら
れた表面処理シリカ粒子を150℃のオーブン中で1時
間乾燥した。
【0085】得られた表面処理シリカ粒子の平均粒径は
6.20μmであり、CV値は0.9%、個々の粒子は
実質的に真球であった。シリカ粒子表面にはγ−メタク
リロキシプロピル基が導入されており、撥水性を示し
た。また、赤外線吸収スペクトルにて、ビニル基および
エステル基の吸収が認められた。
【0086】工程B:光重合性プレポリマーと光重合性
開始剤のコア粒子表面への析出処理 光重合性プレポリマーであるエポキシアクリレート(商
品名:VR−60、昭和高分子社製)0.607gおよ
び光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、チバガ
イギー社製)0.030gをアセトン40mlに溶解さ
せた。この溶液に、上記工程Aで得られた表面処理シリ
カ微粒子15gを添加し、超音波により均一に分散させ
た。この分散液に、水200ミリリットルを一気に添加
して、シリカ微粒子表面に光重合性プレポリマーと光重
合開始剤とからなる光硬化性樹脂を析出させた。次い
で、アセトンを減圧留去し、凍結乾燥処理を行い、光重
合性プレポリマーと光重合開始剤とからなる光硬化性樹
脂がその表面に付着したシリカ粒子を得た。
【0087】工程C:衝撃力または剪断力付与処理(ハ
イブリダイゼーション法) 上記工程Bで得られた粒子を、ハイブリダイザー[奈良
機械製作所(株)製、NHS−O型]にて、回転数1
5,000rpmで10分間処理し、光重合性プレポリ
マーと光重合開始剤とからなる均一な光硬化性樹脂層を
シリカ表面に形成させ、目的の被覆粒子I 14gを得
た。
【0088】この被覆粒子Iは、走査型電子顕微鏡(S
EM)写真から、粒径を測定した結果、平均粒径が6.
29μm(CV値1.0%)で、粒子間の合着は認めら
れず、コア粒子の単分散性を維持していた。
【0089】(2)被覆粒子Iの評価 [1]固着試験 上記(1)で得られた被覆粒子Iを、乾式散布装置にて
アクリル系樹脂フィルム基板に散布し、80℃に加熱し
ながら、水銀ランプにて紫外線を30分間照射した。次
いで、高圧窒素ガス(5気圧)にて吹き飛ばし試験を行
ったところ、吹き飛ばし後の粒子の残存率は100%で
あり、高い固着性能を有していた。
【0090】また、アクリル系樹脂フィルム基板の代わ
りに、ポリカーボネートフィルムにポリイミドをコーテ
ィングした基板を用いた以外は、上記と同様に実施した
ところ、吹き飛ばし後の粒子の残存率は100%であ
り、高い固着性能を有していた。
【0091】なお、被覆粒子Iを、乾式散布装置にてア
クリル系樹脂フィルム基板に散布し、紫外線を照射しな
いで80℃で30分間加熱処理した。次いで、高圧窒素
ガス(5気圧)にて吹き飛ばし試験を行ったところ、吹
き飛ばし後の粒子の残存率は約50%であり、固着性能
は不十分であった。
【0092】[2]接着力測定試験 上記(1)で得られた被覆粒子Iを、50mm角の石英
ガラス基板上に500個/mm2の密度で均一に乾式散
布し、この上に50mm角の石英ガラス基板を重ねて1
kgf/cm2の荷重を加えながら、80℃に加熱し、
水銀ランプにて紫外線を30分間照射した。これによ
り、2枚のガラス基板は、6.2μmの間隔にて貼り合
わされた。貼り合わされた上記2枚のガラス基板間の接
着力を測定するために、引っ張り力を徐々に上げていっ
たところ、10.0kgfの引っ張り力のときに、両ガ
ラス基板が剥がれた。この被覆粒子Iは、光照射によ
り、極めて高い接着力を示すことが分かった。
【0093】(3)液晶パネルの作製 ITO(インジウムチンオキシド)膜付きポリカーボネ
ートフィルムにポリイミドをコーティングし、ラビング
処理を施してなる基板に、上記(1)で得られた被覆粒
子Iからなるスペーサーを乾式散布したのち、80℃に
加熱しながら、水銀ランプにて紫外線を30分間照射し
て固着処理した。次いで、この上に、上記基板と同じ基
板を張り合わせ、TNモードの液晶パネルを作製した。
この液晶パネルについて、表示品位と湾曲させた際のス
ペーサーの移動の有無を調べた。結果を表1に示す。
【0094】実施例2 (1)被覆粒子IIの製造 工程D:シロキサン結合形成処理 ライトアクリレートNP−A(共栄社化学社製、商品
名)15g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン5gおよびポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル系乳化剤(第一工業製薬社製)2gをポリ容器
に入れ、撹拌して均一な溶液とした。この溶液を100
0rpmで撹拌しながら水30mlをゆっくり添加し、
粒径が1μm以下の均一なO/W型のエマルジョンを調
製した。
【0095】1000mlのポリ容器にメタノール60
mlと水240mlを入れ、これに平均分子量36万の
ポリビニルピロリドン6gを加えて溶解させたのち、こ
の溶液に実施例1で得られた被覆粒子I 12.0gを
添加して、均一に分散させた。次いで、この分散液に、
90rpmで撹拌しながら、上記で得られたエマルジョ
ン2.0gをゆっくり滴下したのち、5時間90rpm
で撹拌して膨潤を行った。その後、これに8wt%のア
ンモニア水300mlを添加して、さらに24時間90
rpmで撹拌したのち、放冷して粒子を沈降させ、上澄
み液をデカンテーションにより除去した。次に、残液に
水250mlを加え、沈降粒子が均一に分散されるまで
撹拌したのち、粒子を沈降させ、上澄み液をデカンテー
ションにより除去する分級操作を同様に5回くり返し
た。最後に、水に置換して凍結乾燥処理を行い、目的の
被覆粒子II 12gを得た。
【0096】この被覆粒子IIは、SEM写真から粒径を
測定した結果、平均粒径が6.35μm(CV値1.1
%)で、粒子間の合着は認められず、コア粒子の単分散
性を維持していた。
【0097】(2)被覆粒子IIの評価 [1]固着試験 上記(1)で得られた被覆粒子IIをメタノール水溶液中
に超音波分散させ、湿式散布装置にてアクリル系樹脂フ
ィルム基板上に散布し、80℃に加熱しながら、水銀ラ
ンプにて紫外線を30分間照射した。次いで、高圧窒素
ガス(5気圧)にて吹き飛ばし試験を行ったところ、吹
き飛ばし後の粒子の残存率は100%であり、高い固着
性能を有していた。
【0098】[2]接着力測定試験 上記(1)で得られた被覆粒子IIについて、実施例1と
同様にして接着力測定試験を行ったところ、12.0k
gfの引っ張り力のときに両ガラス基板が剥がれた。
【0099】(3)液晶パネルの作製 上記(1)で得られた被覆粒子IIを用い、実施例1と同
様にしてTNモードの液晶パネルを作製し、表示品位と
湾曲させた際のスペーサーの移動の有無を調べた。結果
を表1に示す。
【0100】実施例3 (1)被覆粒子Iの製造 (i)シランカップリング剤表面処理ポリメチルシルセ
スキオキサン粒子の調製 内容量2リットルのフラスコに粒径分布が単分散のポリ
メチルシルセスキオキサン粒子(平均粒径:6.19μ
m、CV値:2.0%、個々の粒子は実質的に真球)1
00gを入れ、ここに2−プロパノール630gを加
え、超音波振動によりポリメチルシルセスキオキサン粒
子を均一に分散させた。この分散液に、メタノール63
0gを添加し、40℃で15分間撹拌した後、25wt
%のアンモニア水375gを添加し、同温度で15分間
撹拌した。得られた溶液にγ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン43gとテトラエトキシシラン5.
6gの混合液を10分かけて滴下した。滴下終了後、6
0℃に昇温し、同温度で10時間撹拌した。撹拌終了
後、反応溶液を静置してポリメチルシルセスキオキサン
粒子を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を除
去した。残留ポリメチルシルセスキオキサン粒子にメタ
ノールを加えて撹拌し、静置してポリメチルシルセスキ
オキサン粒子を沈降させ、デカンテーションにより上澄
み液除去することを繰り返し、未反応のシランカップリ
ング剤を除去した。最後にメタノールを除去した後、得
られた表面処理ポリメチルシルセスキオキサン粒子を1
20℃のオーブン中で1時間乾燥した。得られた表面処
理ポリメチルシルセスキオキサン粒子の平均粒径は6.
20μmであり、CV値は2.0%で、個々の粒子は実
質的に真球であった。ポリメチルシルセスキオキサン粒
子の表面にはγ−メタクリロキシプロピル基が導入され
ており、赤外吸収スペクトルにて、ビニル基およびエス
テル基の吸収が認められた。
【0101】(ii)工程A アセトン100ミリリットルにエポキシアクリレート
(商品名:VR−60昭和高分子社製)2.42gを溶
解した後、上記(i)で得られた表面処理ポリメチルセ
スキオキサン粒子45g(粒径6.20μm、CV値
2.0%)加え、超音波にて均一に分散させた。次い
で、光重合開始剤「イルガキュア184」(チバガイギ
ー社製)0.073gを加え、10分間撹拌した。この
混合物に、水(400ミリリットル)を一気に加え光硬
化樹脂と光開始剤を粒子表面に析出させた。その後、ア
セトンを減圧留去し、凍結乾燥を行った。
【0102】(iii)工程B 凍結乾燥後得られた粉末を奈良機械製作所(株)のハイ
ブリダイザーにて15,000rpmで10分間処理
し、目的粒子40gを得た。この粒子は、SEM写真か
らの粒径測定の結果、粒径が6.28μm(CV値2.
1%)で光硬化性樹脂層を0.04μmの均一層を有し
ており、粒子間の合着は認められず、シード粒子の単分
散性を維持していた。
【0103】(2)被覆粒子Iの評価 ITO(インジウムチンオキシド)膜付きポリカーボネ
ートフィルム基板にポリイミドを均一塗布した後ラビン
グ処理し、その上に上記得られた粒子を乾式散布装置に
て散布した。この基板を100℃に加熱しながら水銀ラ
ンプにて380〜450nmの光を透過するバンドバス
フィルターを介し光照射し接着した。別途作成したポリ
イミドを均一塗布したポリカーボネートフィルム基板を
ラビング処理したものを6.2μmのセルギャップにて
貼合わせた。このセルに、TNモードの液晶を注入し
て、液晶パネルを作製し、表示品位と湾曲させた際のス
ペーサの移動の有無を調べた。結果を表1に示す。
【0104】比較例1 (1)ポリメチルメタクリレート被覆粒子の製造 実施例1(1)において、エポキシアクリレートおよび
光重合開始剤の代わりに、ポリメチルメタクリレート
0.637gを用いた以外は、実施例1(1)と全く同
様にして、ポリメチルメタクリレート被覆粒子を得た。
【0105】このポリメチルメタクリレート被覆粒子
は、SEM写真から粒径を測定した結果、平均粒径が
6.3μm(CV値1.2%)で、粒子間の合着は認め
られず、コア粒子の単分散性を維持していた。
【0106】(2)液晶パネルの作製 ITO膜付きポリカーボネートフィルムにポリイミドを
コーティングし、ラビング処理を施してなる基板に、上
記(1)で得られたポリメチルメタクリレート被覆粒子
からなるスペーサーを乾式散布したのち、150℃で2
時間加熱して、固着処理した。次いで、この上に、上記
基板と同じ基板を張り合わせ、TNモードの液晶パネル
を作製した。この液晶パネルについて、表示品位と湾曲
させた際のスペーサーの移動の有無を調べた。結果を表
1に示す。
【0107】比較例2 ITO膜付きポリカーボネートフィルムにポリイミドを
コーティングし、ラビング処理を施してなる基板に、未
処理シリカ粒子(平均粒径6.2μm、CV値0.9
%)からなるスペーサーを乾式散布した。次いで、この
上に、上記基板と同じ基板を張り合わせ、TNモードの
液晶パネルを作製した。この液晶パネルについて、表示
品位と湾曲させた際のスペーサーの移動の有無を調べ
た。結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
【発明の効果】本発明の光硬化性樹脂被覆粒子は、紫外
線などの活性光線を照射することにより、その光硬化性
樹脂層が容易に硬化し、例えば液晶表示装置用面内スペ
ーサーとして用いた場合、分散性がよく、かつ高い移動
防止能を発揮することができ、しかも低温で硬化しうる
ので、基板フィルムに悪影響を及ぼすことが少ない。ま
た、精密接着剤として用いた場合、硬化時の収縮が小さ
く、高い精度で所定の間隔をもって接着が可能であり、
例えば各種マイクロ光学部材の固定、導波路/光ファイ
バー間の接続などに用いることができる。さらに、均一
に一層に並べて硬化させることにより、微細かつ精密な
サイズの濾過孔を有する精密濾過フィルターとすること
もできる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球状粒子からなるコア粒子と、その表面
    を被覆する、光重合性プレポリマーと光重合開始剤とを
    含む光硬化性樹脂層とを有しており、コア粒子と、光硬
    化性樹脂層を構成する光重合性プレポリマーとがシラン
    カップリング剤を介して結合されていることを特徴とす
    る光硬化性樹脂被覆粒子。
  2. 【請求項2】 球状粒子からなるコア粒子と、その表面
    を被覆する、光重合性プレポリマーと光重合開始剤とを
    含む光硬化性樹脂層とを有しており、コア粒子と、光硬
    化性樹脂層を構成する光重合性プレポリマーとがシラン
    カップリング剤を介して結合され、かつ光硬化性樹脂層
    の表面に光重合性プレポリマーに結合しているシランカ
    ップリング剤に由来するシロキサン結合を有することを
    特徴とする光硬化性樹脂被覆粒子。
  3. 【請求項3】 コア粒子がシリカ微粒子またはポリオル
    ガノシルセスキオキサン粒子である請求項1または2に
    記載の光硬化性樹脂被覆粒子。
  4. 【請求項4】 コア粒子がCV値5%以下のものである
    請求項1、2または3に記載の光硬化性樹脂被覆粒子。
  5. 【請求項5】 (工程A)球状粒子からなるコア粒子を
    疎水性基を有するシランカップリング剤で表面処理し
    て、コア粒子の表面に疎水性基を導入する工程、 (工程B)工程Aで表面処理されたコア粒子を、光重合
    性プレポリマーおよび光重合開始剤を含有する有機溶媒
    溶液中に分散させ、光重合性プレポリマーと光重合開始
    剤とを含む光硬化性樹脂をコア粒子表面に析出させるた
    めの処理を行ったのち、溶媒を除去して、コア粒子表面
    に上記光硬化性樹脂が析出した乾燥粉体を得る工程、お
    よび (工程C)工程Bで得られた乾燥粉体を衝撃力または剪
    断力付与処理に付し、光重合性プレポリマーと光重合開
    始剤とを含む光硬化性樹脂層をコア粒子表面に被覆させ
    る工程を順次施すことを特徴とする請求項1に記載の光
    硬化性樹脂被覆粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 (工程A)球状粒子からなるコア粒子を
    疎水性基を有するシランカップリング剤で表面処理し
    て、コア粒子の表面に疎水性基を導入する工程、 (工程B)工程Aで表面処理されたコア粒子を、光重合
    性プレポリマーおよび光重合開始剤を含有する有機溶媒
    溶液中に分散させ、光重合性プレポリマーと光重合開始
    剤とを含む光硬化性樹脂をコア粒子表面に析出させるた
    めの処理を行ったのち、溶媒を除去して、コア粒子表面
    に上記光硬化性樹脂が析出した乾燥粉体を得る工程、 (工程C)工程Bで得られた乾燥粉体を衝撃力または剪
    断力付与処理に付し、光重合性プレポリマーと光重合開
    始剤とを含む光硬化性樹脂層をコア粒子表面に被覆させ
    る工程、および (工程D)工程Cで得られた光硬化性樹脂層が被覆され
    た粒子を、疎水性基を有するシランカップリング剤含有
    水性エマルジョンにより処理して、シランカップリング
    剤を光硬化性樹脂層に吸収させたのち、このシランカッ
    プリング剤を加水分解してシロキサン結合を形成させる
    工程を順次施すことを特徴とする請求項2に記載の光硬
    化性樹脂被覆粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 工程Bにおいて、光重合性プレポリマー
    と光重合開始剤とを含む光硬化性樹脂をコア粒子表面に
    析出させるために、光重合性プレポリマーと光重合開始
    剤に対する貧溶媒を加える請求項5または6に記載の光
    硬化性樹脂被覆粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】 コア粒子がシリカ微粒子であり、工程A
    における疎水性基を有するシランカップリング剤での表
    面処理時にシリコンアルコキシドを添加する請求項5ま
    たは6に記載の光硬化性樹脂被覆粒子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし4のいずれかに記載の光
    硬化性樹脂被覆粒子からなる液晶表示装置用固着型面内
    スペーサー。
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