JP3141910B2 - 液晶・高分子複合材料よりなる電気光学素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶・高分子複合材料よりなる電気光学素子およびその製造方法

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JP3141910B2 JP05165971A JP16597193A JP3141910B2 JP 3141910 B2 JP3141910 B2 JP 3141910B2 JP 05165971 A JP05165971 A JP 05165971A JP 16597193 A JP16597193 A JP 16597193A JP 3141910 B2 JP3141910 B2 JP 3141910B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上に液晶・高分子
複合材料を形成した電気光学素子に関する。更に詳しく
は、ディスプレイ等の表示素子、調光素子、光変調素
子、光シャッターおよびメモリ素子等として広く応用可
能な液晶・高分子複合材料を有する電気光学素子および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】低分子液晶材料は、フラットパネルディ
スプレイ等の用途に広く使用され、例えば、時計の文字
盤等のTN型液晶素子、携帯型コンピュータや携帯型ワ
ードプロセッサー用のSTN型液晶表示素子等に広く応
用されている。これらは、液晶層を透過する光の偏光面
が印加電圧によって変化する性質を利用して光の透過/
不透過(ON/OFF)を制御しているため、液晶層の
両側に合計2枚の偏光板が必要である。また、液晶層が
特定の配向状態をとるための配向膜処理も不可欠であ
る。近年、低分子液晶化合物を高分子バインダー中に分
散あるいはマイクロカプセル化して保持した液晶表示素
子が提案されている。例えば、特表昭58−50163
1号公報には、ポリビニルアルコール中にマイクロカプ
セル化されたネマチック液晶滴が分散されたフィルムが
開示されている。このフィルムは、電圧が印加されてい
ない状態では、液晶滴中のネマチック液晶がカプセル壁
面に沿って配向した状態にあるためにフィルムに入射す
る光を散乱し、一方、電圧が印加されている状態では、
ネマチック液晶が電界方向に配向するため入射光を透過
するという散乱/透過の二つの状態をとると考えられて
いる。
【0003】また、特表昭61−502128号公報や
特開昭62−2231号公報には、エポキシ等の重合性
組成物と低分子液晶材料との混合物に紫外線や熱を加え
て重合性組成物を重合させることにより相分離を生じさ
せ、液晶滴がバインダー中に分散保持された構成を有す
る液晶素子を作製することが開示されている。さらに、
特開平2−55787号公報には、上記の紫外線重合に
よる相分離法において、使用する低分子液晶材料の比率
を上げることにより、駆動電圧を低下させることができ
る液晶素子が示されている。上記各公報に開示された液
晶・高分子複合材料は液晶表示素子には不可欠であった
偏光板が不要であるため、明るい表示が可能である上
に、配向膜やラビング処理が不要である。したがって、
素子の大面積化が容易であり、なおかつ製造コストの面
からも有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低分子
液晶材料を高分子バインダー中に保持した従来の液晶・
高分子複合材料からなる素子を表示素子として使用する
場合、駆動電圧が数十〜100Vrms と高く、表示コン
トラストも表示素子に適用するには不十分であるという
問題があった。さらには、使用過程における表示特性の
劣化や熱による特性劣化が問題となっている。したがっ
て、本発明の目的は、電圧特性、表示特性、耐久性およ
び耐熱性に優れた、表示素子、光変調素子および光シャ
ッターに適用可能な液晶・高分子複合材料よりなる電気
光学素子およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の電気光学
素子は、2枚の基板間に低分子液晶化合物と高分子化合
物が相分離状態で存在している液晶・高分子複合材料を
設けたものであって、前記2枚の基板は、その表面に予
め水酸基を有する層の形成処理が施され、その上に該水
酸基と結合可能な官能基および前記高分子化合物と結合
可能な重合性基を有する低分子化合物よりなる層が形成
されたものであって、前記低分子化合物の官能基が基板
表面に形成された水酸基と結合しており、かつ、前記重
合性基が化学反応により液晶・高分子複合材料中の高分
子化合物と結合していることを特徴とする。本発明の製
造方法は、2枚の基板表面に予め水酸基の形成処理を施
し、その上に該水酸基と結合可能な官能基および高分子
化合物と結合可能な重合性基を有する低分子化合物より
なる層を設けて低分子化合物の官能基を前記水酸基と結
合させ、前記重合性基を有する低分子化合物の層より形
成された表面を内側面とする2枚の基板間に、低分子液
晶化合物および1種以上の重合性化合物を含有する重合
性組成物を封入し、該重合性化合物を重合させて高分子
化合物を形成させると共に、該重合性化合物と基板表面
に存在する重合性基との反応を行って、形成された高分
子化合物と該重合性基とを結合させることを特徴とす
る。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電気光学素子に適用される液晶・高分子複合材料は、低
分子液晶化合物と高分子化合物が互いに相分離した状態
でその機能を発現する。相分離の形態は、それぞれの液
晶滴が分散保持されたものでもよいし、複数の液晶滴が
凝集したものでもよい。液晶滴の形状は、球形でもよい
し、高分子化合物が薄膜状の壁を形成する場合のように
多面体形状でもよい。また、液晶が連続相を形成してい
てもよい。
【0007】液晶・高分子複合材料のミクロ構造(相分
離構造)は、使用する低分子液晶化合物と高分子化合物
の性質(熱力学的性質や化学的性質)や混合比等によっ
て種々変えることが可能である。その一例を図1の模式
図によって例示すると、次のような形態がある。図1
(A)は、低分子液晶化合物1より高分子化合物2を過
剰に用いた例であって、高分子化合物2中に低分子液晶
化合物1がマイクロドロップレット状に分散した液晶・
高分子複合材料3を図示している。図1(B)は、低分
子液晶化合物1と高分子化合物2とをほぼ等量用いた例
であって、スポンジ状に相分離した液晶・高分子複合材
料3を図示している。図1(C)は、低分子液晶化合物
1を高分子化合物2より過剰に用いた例であって、低分
子液晶化合物1中に高分子化合物2が繊維状に相分離し
た液晶・高分子複合材料3を図示している。これらの説
明においては、低分子液晶化合物と高分子化合物の混合
量をもとに説明したが、前述した如く、混合量の他に低
分子液晶化合物と高分子化合物の性質(熱力学的性質や
化学的性質)が、そのミクロ構造に影響を与えることは
いうまでもない。
【0008】本発明の液晶・高分子複合材料を保持する
基板は、電極付きのものであって、表面が予め水酸基
有する層の形成処理が施され、その上に該水酸基と結合
可能な官能基および前記高分子化合物と結合可能な重合
性基を有する低分子化合物よりなる層が形成されている
ものであって、重合性基を有する材料より形成された表
面を有している。なお、以下、特記しない限り、電極付
き基板を「基板」と称する。 基板表面に重合性基を形成する方法としては、基板表面
の表面処理や基板表面への水酸基を有する高分子化合物
の塗布により、基板表面に水酸基を有する層を形成させ
た後、重合性基を有する低分子化合物を該水酸基と結合
させる方法が採用される。
【0009】次に、基板表面の表面処理や基板表面への
水酸基を有する高分子化合物の塗布により、基板表面に
水酸基を有する層を形成させた後、重合性基を有する低
分子化合物を該水酸基と反応させて、重合性基を基板表
面に形成する方法について説明する。 この方法では、あらかじめ基板表面に適当な処理を加え
て水酸基を有する層を形成させる必要がある。水酸基を
有する層を基板表面に形成する方法として、基板表面の
表面処理による場合は、活性酸素や水蒸気雰囲気中で基
板を高温に加熱したり、プラズマ処理したり、アルカリ
または酸に基板を浸積することにより、基板表面に水酸
基を有する層を形成させることができる。また、水酸基
を有する高分子化合物を塗布することにより、水酸基を
有する層を基板表面へ形成することができる。 本発明において、水酸基を有する高分子化合物として
は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アク
リル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸アルキル
−(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体等があ
げられる。
【0010】次に、上記のような表面処理や水酸基を有
する高分子化合物の塗布によって基板表面に形成された
水酸基に、それと結合可能な官能基および重合性基を一
分子中に有する低分子化合物を反応させることにより、
重合性基を有する低分子化合物を基板最表面に形成する
ことができる。この場合、重合性基を有する低分子化合
物を蒸着法、塗布法、吸着法、LB膜法や自己組織化法
等を用いることにより水酸基を有する基板表面に設けた
後に、加熱等の適当な処理を施すことにより結合させる
ことができる。 この場合に使用される重合性基を有する低分子化合物と
しては、含ビニル基シランカップリング剤、含(メタ)
アクリロイル基シランカップリング剤、および含(メ
タ)アクリロイル基イソシアネート化合物等が使用可能
であり、その具体例としてはトリエトキシビニルシラ
ン、ジビニルジクロロシラン、アリルメチルジクロロシ
ラン、ジメチルビニルクロロシラン、アリルジメチルク
ロロシラン、メトキシジメチルビニルシラン、トリメト
キシビニルシラン、ジアリルジクロロシラン、エトキシ
ジメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラ
ン、ジエトキシジビニルシラン、3−(ビニルベンジル
アミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(ビニルベ
ンジルアミノプロピル)トリエトキシシラン、N−(3
−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メ
タ)アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3
−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン
および3−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシ
ラン等があげられる。 上記の重合性基を有する低分子化合物を用いて形成され
た層の厚みは、1分子層〜10μmの範囲が好ましい。
【0011】次に本発明の電気光学素子に適用される液
晶・高分子複合材料を構成する低分子液晶化合物および
高分子化合物について説明する。低分子液晶化合物は、
ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液
晶および強誘電性液晶等、一般的な表示材料として、あ
るいは電界駆動型表示材料として使用されている種々の
液晶材料が使用可能である。具体的には、ビフェニル
系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゼン
系、アゾキシベンゼン系、アゾベンゼン系、アゾメチン
系、ターフェニル系、ビフェニルベンゾエート系、シク
ロヘキシルビフェニル系、フェニルピリミジン系、シク
ロヘキシルピリミジン系およびコレステロール系等の各
種液晶化合物があげられる。これらの低分子液晶化合物
は、一般的に使用されている液晶材料と同様に単一組成
である必要はなく、複数の成分から構成される混合物で
あってもよい。また、電界による表示を目的とする場合
は、上記の低分子液晶化合物の中でも正の誘電異方性を
示す液晶化合物を使用することが好ましい。液晶によっ
ては、印加電圧の周波数がある値(クロスオーバー周波
数)より大きくなると、誘電異方性が正から負に変化す
るものがあるが、上記の液晶を用いて2周波駆動に適用
可能なことはいうまでもない。
【0012】本発明の液晶・高分子複合材料は、低分子
液晶化合物と重合性単量体化合物(以下モノマーと呼
ぶ)との混合物の状態でモノマーを重合し、モノマーを
高分子化することにより作製することができるが、ここ
で使用可能なモノマーとしては、高分子化したときに光
学的に透明なものであれば如何なるものでもよい。この
ようなモノマーを例示すると、(メタ)アクリル酸アル
キルおよびその誘導体、(メタ)アクリル酸、スチレン
およびその誘導体、(メタ)アクリルアミド、アクリロ
ニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、ブ
タジエン、イソプレン、ビニルピリジン、ビニルピロリ
ドン等の単官能性化合物や2つ以上の重合基をもった化
合物、例えば、多官能(メタ)アクリル酸アルキル、ジ
ビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル等が好ましく使用
できる。ここに例示したもの以外にも、比較的分子量の
高い重合性化合物であるマクロマーやオリゴマーも使用
可能なことは言うまでもない。
【0013】本発明の液晶・高分子複合材料における低
分子液晶化合物の含有量は、目的とする性能によって種
々変更できるが、低分子液晶化合物と高分子化合物との
配合割合は、重量比で1:10〜50:1の範囲が好ま
しい。低分子液晶化合物が、この範囲より多いと、良好
な電気光学特性、自己保持性や機械強度を有した複合材
料の作製が困難であり、逆に少ない場合は、目的とする
電気光学特性が得られなくなる。さらに好ましい配合割
合の範囲は1:5〜20:1であり、特に好ましくは
1:1〜9:1である。
【0014】本発明の電気光学素子の形態としては、二
枚の基板間に該液晶・高分子複合材料が狭持された構成
が好ましい。そのデバイスの形態としては、図2に示す
ように、通常の液晶素子と同様、2つの電極付き基板
4、5に挟まれた構造が好ましい。図2においては、電
源6から電極付き基板4、5に電圧が印加され、複合材
料3中の低分子液晶化合物1が電界方向に配向した状態
(1a)を図示している。この電圧を印加した状態で
は、複合材料3に入射する光は散乱されずに透過する。
上記電極付き基板の電極材料としては、例えばガラス基
材にITO(インジウム−錫酸化物)膜や酸化錫膜を設
けた、いわゆる透明導電性ガラスや、ポリエステルフィ
ルムにITO膜を設けた導電性PETフィルム等が使用
される。また、電極付き基板の一方として、アルミニウ
ム蒸着フィルム、金蒸着フィルム、銀蒸着フィルムやア
ルミニウム板、銅板等も使用される。
【0015】電気光学素子の作製は、所定量の低分子液
晶化合物、モノマーおよび重合開始剤を溶解した混合溶
液を調製した後、その対向する内面に重合性基を形成し
た電極基板間に封入し、熱、光、または電子線によって
重合することにより実施することができる。この場合、
複合材料層の膜厚を調整するために、従来技術において
も使用されているように、ガラス粒子、樹脂粒子、アル
ミナ粒子、ガラスファイバー、フィルム等の適当なスペ
ーサー材料を使用するのが好ましい。重合開始剤として
は、アゾ化合物や過酸化物等の熱重合開始剤、またはフ
ェニルケトン系化合物に代表される光重合開始剤等が使
用される。重合開始剤の量は、モノマーに対して重量比
で1/1000〜1/10の範囲が好ましい。
【0016】本発明の電気光学素子における液晶・高分
子複合材料は、低分子液晶化合物と高分子化合物との2
成分のみからなるものでも、表示素子や光変調素子とし
て適用可能であるが、更に、コントラストや安定性の向
上を目的として、種々の化合物を添加することも可能で
ある。例えば、コントラストの向上を目的として、アン
トラキノン系、スチリル系、アゾメチン系、アゾ系等の
各種二色性色素が使用可能である。その場合、二色性色
素は、基本的に複合材料中の低分子液晶化合物と相溶
し、高分子化合物には不相溶であることが好ましい。こ
の他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種可塑剤等も、
安定性や耐久性向上の点から好ましく使用される。
【0017】本発明の特徴は、予め水酸基を有する層
形成処理が施された基板表面に重合性基が形成されてい
るために、液晶・高分子複合材料を重合して作製する過
程において基板表面と液晶・高分子複合材料中の高分子
化合物とが、水酸基と結合可能な官能基および高分子化
合物と結合可能な重合性基を有する低分子化合物を介し
結合し、優れた表示特性、耐久性、熱安定性を示すこ
とである。したがって、表示素子、調光素子、光変調素
子や光シャッター等として広く応用可能な優れたもので
ある。
【0018】
【実施例】次に実施例を例示するが、本発明はこれに限
定されるものではない。 [評価方法]作製したサンプルの電気光学特性は以下の
方法で評価した。50Wハロゲンランプからの白色光を
レンズを通し平行光にしてサンプルに垂直入射させなが
ら、サンプルに100Hz、矩形波の交流電圧を印加
し、印加する電圧を変えながらサンプルを透過してくる
最大見開き角約±10°の透過光強度を測定した。得ら
れた、印加電圧−透過光強度曲線(図3)から、以下の
パラメータを求めた。 駆動電圧: V90=透過光強度が全変化量の90%変
化する時の電圧 コントラスト:CR=Tmax /Tmin ここで、Tmax 、Tmin 、は透過率の最大、最小値を示
す。さらに熱安定性の評価として、サンプルを100
℃、5分間放置前後の電気光学特性の評価を行った。
【0019】基板処理1 透明導電層としてITO(酸化インジウム−錫)膜を設
けたガラス基板上に0.5%ポリビニルアルコール(P
VA)溶液を塗布、乾燥させて約0.3μmのPVA層
をITO表面に形成した。上記基板上に3−アクリロキ
シプロピルトリクロロシランの1%クロロホルム溶液を
塗布し乾燥した後、窒素置換下で温度60℃で2時間反
応させて、表面に重合可能な基としてアクリロイル基を
形成した。 基板処理2 透明導電層としてITO(酸化インジウム−錫)膜を設
けたガラス基板を1%NaOH水溶液で処理した後、1
%塩酸水溶液で処理する。この過程によってITO表面
に水酸基を形成した。上記基板上に3−アクリロキシプ
ロピルトリクロロシランの1%クロロホルム溶液を塗布
し乾燥した後、窒素置換下で温度60℃で2時間反応さ
せて、表面に重合可能な基としてアクリロイル基を形成
した。 基板処理3 基板処理2と同様な処理で表面に水酸基を形成した基板
を、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの1
0%クロロホルム溶液に1時間浸漬後、塩化メチレンで
洗浄して乾燥させ、さらに窒素置換下で温度60℃で2
時間反応させて、表面に重合可能な基としてアクリロイ
ル基を形成した。
【0020】重合性組成物1 液晶としてE7(MERCK社製)を使用した。ブチル
アクリレート1.5gおよびヘキサンジオールジアクリ
レート(HDDA、日本化薬社製)0.5gの混合物を
使用し、重合開始剤としてダロキュア1173(チバガ
イギー社製)0.04gを混合して重合性混合物を調製
した。さらに液晶8.5重量部と重合性混合物1.5重
量部を混合して液晶・モノマー組成物を調製した。 重合性組成物2 液晶としてE8(MERCK社製)を使用した。2−エ
チルヘキシルアクリレート1.5gおよびヘキサンジオ
ールジアクリレート(HDDA、日本化薬社製)0.5
gの混合物を使用し、重合開始剤として2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロ
キュア1173、チバガイギー社製)0.04gを混合
して重合性混合物を調製した。さらに液晶4重量部と重
合性混合物1重量部を混合して液晶・モノマー組成物を
調製した。
【0021】実施例1 基板処理1で作製した2枚の基板を10μmの樹脂スペ
ーサを用いて重ねて、一部開口部を除き周囲を接着剤で
封止したセルを作製した。このセルに重合性組成物1を
注入し、高圧水銀灯(15mW/cm2 、365nm)
を用いて光を1分間照射して重合した。得られた電気光
学素子は、目視上均一に白濁していた。また偏光顕微鏡
で観察したところ、低分子液晶はそれぞれに分離した細
かいドメインを形成していた。
【0022】実施例2 基板処理2で作製した基板を用いて、実施例1と同様な
方法でセルを作製し、重合性組成物1を注入した後、同
様に重合した。得られた電気光学素子は、目視上均一に
白濁していた。また偏光顕微鏡で観察したところ、低分
子液晶はそれぞれに分離した細かいドメインを形成して
いた。 実施例3 基板処理3で作製した基板を用いて、実施例1と同様な
方法でセルを作製し、重合性組成物1を注入した後、同
様に重合した。得られた電気光学素子は、目視上均一に
白濁していた。また偏光顕微鏡で観察したところ、低分
子液晶はそれぞれに分離した細かいドメインを形成して
いた。 実施例4 実施例3と同様のセルを作製し、重合性組成物2を注入
後、同様に重合した。得られた電気光学素子は、目視上
均一に白濁していた。また偏光顕微鏡で観察したとこ
ろ、低分子液晶はそれぞれに分離した細かいドメインを
形成していた。
【0023】比較例1 表面を何も処理しないITOガラス基板を用いて、実施
例1と同様な方法でセルを作製した。さらに実施例1と
同様の重合性組成物1を注入した後、同様に重合した。
得られた電気光学素子は、目視上均一に白濁していた。
また偏光顕微鏡で観察したところ、低分子液晶はそれぞ
れに分離した細かいドメインを形成していた。 比較例2 実施例4に記載した重合性組成物2を用いる以外は比較
例1と同様にして光学素子を作製した。得られた電気光
学素子は、目視上均一に白濁していた。また偏光顕微鏡
で観察したところ、低分子液晶はそれぞれに分離した細
かいドメインを形成していた。
【0024】[評価結果]実施例1〜4、比較例1〜2
で作製した液晶・高分子複合材料よりなる光学素子の評
価結果を表1に示す。なお、測定は、試料温度として、
(1)30℃の場合、(2)試料を加熱し100℃に5
分間保った後、冷却して30℃にした場合、の2つの条
件について行った。
【0025】
【表1】 注 (1)試料温度30℃(加熱前)、(2)試料温度
30℃(加熱後)
【0026】表1の結果から、実施例のサンプルのコン
トラストは、いずれの比較例のものに比べても高いこと
が分かる。また実施例のサンプルでは加熱前後で電気光
学特性に変化はないが、比較例のサンプルでは明らかに
加熱によるコントラストの低下がみられ、熱安定性が低
いことが分かる。以上の評価結果から明らかなように本
発明の光学素子は、表示特性および熱安定性に優れた有
用なものである。
【0027】
【発明の効果】本発明の液晶・高分子複合材料は、予め
水酸基を有する層の形成処理が施された基板表面に重合
性基が形成されているために、液晶・高分子複合材料を
重合して作製する過程において基板表面と液晶・高分子
複合材料中の高分子化合物とが、水酸基と結合可能な官
能基および高分子化合物と結合可能な重合性基を有する
低分子化合物を介して結合し、優れた表示特性、耐久
性、熱安定性を示す。したがって、1)コントラストが
高く、かつ駆動電圧が低い、2)熱安定性が高い、3)
基板との接着性が高い、という特徴を有している。ま
た、偏光板が不溶であるため、明るい表示が可能である
という利点もあり、また大画面表示素子としても利用で
きる。さらにまた、調光素子、光変調素子や光シャッタ
ー等としても広く応用可能な優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における液晶・高分子複合膜の模式図
である。
【図2】 本発明における液晶・高分子複合膜を用いた
電気光学素子の概略構成図である。
【図3】 液晶・高分子複合膜の印加電圧と透過率との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…低分子液晶化合物、2…高分子化合物、3…複合材
料、4、5…電極付き基板、6…電源。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の基板間に低分子液晶化合物と高分
    子化合物が相分離状態で存在している液晶・高分子複合
    材料を設けた電気光学素子において、前記2枚の基板
    は、その表面に予め水酸基を有する層の形成処理が施さ
    れ、その上に該水酸基と結合可能な官能基および前記高
    分子化合物と結合可能な重合性基を有する低分子化合物
    よりなる層が形成されたものであって、前記低分子化合
    物の官能基が基板表面に形成された水酸基と結合してお
    り、かつ、前記重合性基が化学反応により液晶・高分子
    複合材料中の高分子化合物と結合していることを特徴と
    する電気光学素子。
  2. 【請求項2】2枚の基板表面に予め水酸基の形成処理を
    施し、その上に該水酸基と結合可能な官能基および高
    子化合物と結合可能な重合性基を有する低分子化合物の
    層を設けて低分子化合物の官能基を前記水酸基と結合さ
    せ、前記重合性基を有する低分子化合物の層より形成さ
    れた表面を内側面とする2枚の基板間に、少なくとも低
    分子液晶化合物と重合性化合物とを含有する重合性組成
    物を封入し、該重合性化合物を重合させて高分子化合物
    を形成させると共に、該重合性化合物と基板表面に存在
    する重合性基との反応を行って、該高分子化合物と該重
    合性基とを結合させることを特徴とする低分子液晶化合
    物と高分子化合物が相分離状態で存在している液晶・高
    分子複合材料を設けた電気光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板表面に設けた低分子化合物の層に存
    在する重合性基がビニル基または(メタ)アクリロイル
    基であることを特徴とする請求項1記載の液晶・高分子
    複合材料よりなる電気光学素子。
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