JP4136171B2 - 電子写真用トナー、その製造方法、及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真用トナー、その製造方法、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられる電子写真用トナー、その製造方法、及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真用トナー(以下、単に、「トナー」と称することがある。)は、結着樹脂、着色剤、更に必要に応じ、離型剤、帯電制御剤等を混合、溶融混練し、冷却固化後、粉砕分級してトナー母体を調製し、更に、流動性付与剤、帯電制御剤、クリーニング助剤等をトナー母体の表面に付着・固着させる外添混合を行い、該外添混合等で発生した粗大物を篩分し除去することにより得られる。
【0003】
トナーは、潜像担持体上に形成された静電荷像を現像し、形成されたトナー像が中間転写体に転写され、その後、普通紙、プラスチックフィルム等の被転写材に再転写され、該被転写材上のトナー像が、加熱定着ロール又はベルトをもつ定着装置によって加熱及び/又は加圧定着され、画像が形成される。
よって、電子写真法の画像形成方法に用いられるトナー粒子は、熱及び/又は圧力に対し塑性変形する特性を有する。近年のトナーに対するニーズとしては、複写速度の高速化、低消費電力化、及びインスタントオンの観点から、従来トナーに比べて低い温度で溶融し得るものが要求されはじめている。この様なトナーを製造する場合、トナーの製造装置内にトナーが融着するという問題が発生する。
【0004】
特に近年、高画質の要求によりトナーの小粒径化、粒度分布の狭分布化が必要となりつつあり、小粒径かつ狭粒度分布を達成するために、設備的には融着を助長する方向(条件)に動かさざるを得ない。即ち、分級工程においては、従来から使用されてきている遠心式分級機では、高回転・高風量分級が必要となる。高回転・高風量分級は、小粒径かつ狭粒度分布のトナーを製造する上において設備上限界があると伴に、ローター等への融着は助長されることになる。
【0005】
近年、この遠心式分級機に代わって、慣性力を使った慣性式分級機が上市され、広く使われ始めている。この慣性式分級機は、粒径の大きい粒子は慣性力により遠くに飛ばされ、小さな粒子はコアンダブロックと呼ばれる湾曲上のブロック沿いに流れるという性質を利用した分級機であって、分級を行うエッジの数を増やすことにより、多分割分級が可能となり、かつ小粒径になっても、エッジの位置を動かすだけで分級効率の犠牲なくして分級できるという分級機である。本分級機を利用することにより、小粒径かつ狭粒度分布のトナーを生産することができるため、今まで遠心式分級機で行っていた複数回分級をたった1台の分級機で可能にすることができ、設備コストやスペース上のメリット、更には小粒径でも分級効率の犠牲がないため、近年使われつつある。
【0006】
しかし、本分級機においても分級点を決めるエッジ上のトナーの融着及びエジェクター部の融着は激しく、融着が発生すると分級点が変更され、同品質(粒度分布)のトナーを安定的に製造することが困難になり、その融着の度合いに合わせた製造条件を再設定するか、融着を除去しなければならず、検査費用の増大、装置稼動率が分解・清掃等により大幅に低下してしまう等の問題がある。
【0007】
また、粉砕工程においても、近年の小粒径・狭粒度分布化に伴い、粉砕効率の向上を目的とした施策(ジェットミル型粉砕機では高風量方向、機械式粉砕機においては高回転方向)への設備条件変更を余儀なくされ、更に、狭粒度分布化の要求により、粗粉分級機が内蔵、もしくは外部に閉回路を組んだ粉砕システムが利用されているが、該粗粉分級機のローターに融着が発生し、分級点のずれが生じ、得られるトナーの粉砕粒径が目的からずれてしまうという問題がある。
【0008】
小粒径化の対策として、粉砕能力を上げるために結着樹脂の構成モノマーを変更したり、軟化点やガラス転移点を低下させる等の方法が使われるが、これらの方法はトナーの粉砕性を向上させるが、前述した粉砕機あるいは分級機の内部やそれらを接続する配管内の融着がより激しくなり、短時間で製造条件に影響を与えるまでになる。更に、融着が多いプロセスで得られるトナーは、粗粉(16〜45μm程度の粒子)の量が増大されることが解っている。この粗粉は、コピー上にグリッドや白抜けという画質欠陥を生じさせてしまう。また、トナーとしての帯電特性や定着特性にも少なからず影響があり、粉砕性を獲得した分、犠牲にするものも多い。
【0009】
別の方法として、粉砕性を改善する材料の添加が考えられ、例えば特開平4−257868号公報では、芳香族石油樹脂を使用して粉砕性と定着性能とを両立する技術、特開平8−278658号公報では、水素添加石油樹脂を使用して粉砕性と熱保存性とを両立する技術の提案があるが、これらの技術では粉砕性の改良はできるが、トナーの帯電性を悪化させるという問題がある。
【0010】
これら低温溶融性及び小粒径・狭粒度分布化の要求を満たすため、製造設備内融着や粗粉発生問題の解決方法の1つとして、製造装置本体及び配管やサイクロンのような付帯設備の内部表面にカーボンを分散させたフッ素樹脂をコーティングすることが検討されてきた。しかし、トナーは、装置内や配管・サイクロン等の表面を15〜100m/secの速度、高速の場所では100〜200m/secという非常に高い速度の粉体混入空気が絶えず壁面に衝突/摩擦するため、フッ素樹脂のような柔らかい樹脂では耐摩耗性が劣るために、コーティングを施しても瞬く間にコーティングが剥がれ、使用するには至らなかった。フッ素樹脂そのものも絶縁性であるため、防爆上の観点より、使用は困難である。
【0011】
この製造設備内融着を、設備的及び設備部材的又はトナー材料として解決する方法は、未だ見出されていないのが現状である。
更に近年のフルカラー化、高画質化の要求により、着色剤の分散は、より一次粒子に近い状態で存在することが望まれ、かつ、より小粒径で、かつ難分散型(表面積の大きな)の着色剤が使用され始めている。それらの原材料を使用した場合、高分散が比較的得られる高シェア型混練機でさえも、一次粒子までの分散はできないというのが現状である。着色剤が結着樹脂中に偏在している分散不良あるいは均一に分散しているが分散単位が大きい状態等が生じると、溶融混練後の工程、つまり粉砕工程で、着色剤が偏在したまま、あるいは分散単位が大きいままトナーが粉砕されるため、成分構成の不均一なトナーが製造され、また、分散が顕著に悪い場合には、単一成分のみ、あるいは組成偏在の粒子が混在し、帯電量分布のブロード化、更には逆極化を招いてしまう。また、表面への露出あるいは遊離を起こした状態で微粉化されるため、トナーの粉体流動性の著しい低下、又は感材へのフィルミング等を引き起こすことになる。
【0012】
例えば、その粒子成分がフルカラーで使用される着色剤である場合には、透明性が低下し、重ね合わされた下地の色が出ないため、所望の色が得られなかったり、単色においても色再現域が狭くなったり、彩度の低下、着色力の低下、濃度の低下、更には粒状性の低下を引き起こす。また、Yellow,Magenta,Cyanの色間帯電差も大きくなり、また、バインダーの強度が低下するため、定着性にも悪影響を及ぼすばかりか、粉砕工程での粒度分布がブロードになり易い等の障害も生じてしまう。また、帯電的にも分布が非常にブロードになるため、背景部カブリ、機内汚れが生じ易くなり、ショートライフとなってしまう。
また、粒子成分が2成分黒トナーである場合には、十分な帯電が得られず、かつ、帯電分布の非常にブロードなものとなるばかりか、アドミックス不良となり、カブリ、機内汚れ等を引き起こす。
【0013】
更に、着色剤が磁性粉である場合には、磁性粉の凝集体及び磁性粉偏在部分からいわゆる遊離磁性粉が生じ、複写機内において感光体表面へ傷を与えたり、現像剤担持体上に保持されたまま蓄積され、徐々に濃度ムラを起こす等の欠陥を招く恐れがある。これらの原材料を使用して、目的の一次分散に近づけるために、例えばフラッシング色材を使用したり、マスターバッチ混練をしたり、分散剤を原材料とともに添加しているが、混練分散補助剤を使用してもその分散は、一次粒子まで分散させるというところまで至っていないし、また、フラッシング色材を使用するケース、マスターバッチ混練、数次混練するというケースにおいては、原材料コストの高騰、生産コストの高騰を招いてしまう。
【0014】
また、分散助剤としては、過去種々のものが提案されてきているが、今まで提案されてきた分散剤は、いずれも帯電特性において悪影響を及ぼしたり、フルカラーにおいては色特性を損ねたりする。例えば、特開平4−186370号公報に明示されるフタロシアニン誘導体を分散助剤として添加すると、顔料分散の向上効果は見られるが、使用する着色剤の発色性を阻害し、色再現域が狭く、かつ、彩度の低下を引き起こす。更に、カーボンブラックを使用した2成分用トナー、及び磁性粉を使用した1成分用トナーにおいては、著しい帯電量分布の拡大を生じさせ、コピー上では背景部カブリが生じ、また、機内汚れも激しくなる。
【0015】
以上のように、易溶融性かつ小粒径・狭粒度分布のトナーの着色剤を均一・高分散にし、かつ製造設備において融着を発生させず、トナー中の粗粉量が少ないトナーは、未だ得られていないのが現状であり、小粒径トナーを効率よく、かつ、トナー特性、特に帯電特性と色特性に影響を与えることなく生産することは、依然として難しい状況にある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、設備融着による製造性の低下を回避し、帯電特性や色特性等のトナー特性に優れ、かつ、粗粉量が少なく生産性に優れた電子写真用トナー及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記の電子写真用トナーを用いることにより、帯電劣化が少なく、かぶりのない画像形成方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも、着色剤及び結着樹脂を含有するトナー粒子を含み、該トナー粒子が、その内部と表面とに、少なくとも芯材が同一の金属元素を含む無機酸化物を有し、かつ、20μm以上の粗粉が100ppm以下であることを特徴とする電子写真用トナーである。
<2> 潜像担持体上に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程と、該転写画像を定着する定着工程とを含む画像形成方法において、前記トナーが前記<1>に記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成方法である。
<3> 少なくとも、トナー形成材料を混練し、混練物を調製する混練工程と、少なくとも、該混練物を粉砕及び分級し、トナー粒子を調製する粉砕分級工程と、少なくとも、該トナー粒子に外添剤を混合する外添混合工程とを含む電子写真用トナーの製造方法であって、少なくとも芯材が同一の金属元素を含む無機酸化物を、前記混練工程、粉砕分級工程、及び外添混合工程の総ての工程において添加することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法である。
【0018】
更に、前記課題を解決するための手段は、以下の態様が好ましい。
<4> 前記無機酸化物の平均一次粒子径が5〜50nm以下である前記<1>に記載の電子写真用トナーが好ましい。
<5> 前記無機酸化物が、湿式法で作製されるTiO(OH)2の一部又は全部をシラン化合物により処理したチタン化合物である前記<1>に記載の電子写真用トナーが好ましい。
<6> 前記粉砕分級工程において、分級機により分級する直前に、前記無機酸化物を添加する前記<3>に記載の電子写真用トナーの製造方法が好ましい。
<7> 前記粉砕分級工程において、粉砕機本体のインジェクション又は粉砕機供給口に、前記無機酸化物を添加する前記<3>に記載の電子写真用トナーの製造方法が好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の電子写真用トナーの製造方法について、詳細に説明する。
[電子写真用トナーの製造方法]
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも、トナー形成材料を混練し、混練物を調製する混練工程(以下、「(A)工程」と呼ぶことがある。)と、少なくとも、該混練物を粉砕及び分級し、トナー粒子を調製する粉砕分級工程(以下、「(B)工程」と呼ぶことがある。)と、少なくとも、該トナー粒子に外添剤を混合する外添混合工程(以下、「(C)工程」と呼ぶことがある。)とを含み、少なくとも芯材が同一の金属元素を含む無機酸化物を、前記混練工程、粉砕分級工程、及び外添混合工程の総ての工程において添加することを特徴とする。
【0020】
以下、前記(A)〜(C)の各工程について、図を用いて詳しく説明する。
図1は、本発明のトナーの製造工程を示す概略図の一例である。本発明は、図1に示す製造工程に何ら限定されるものではない。
(A)工程では、後述する結着樹脂や着色剤等を含むトナー形成材料を計量機によって計量し、原料混合機により混合する。得られた混合物を、定量供給機により混練機へ供給し、熱及び/又は高シェアを与えて混練し、混練物を調製する。
(B)工程では、得られた混練物を圧延・冷却し、粗砕・破砕を通して微粉砕し、体積平均径4〜12μm程度に微粒化する。その後、分級機により微粉部分、必要に応じて粗粉部分を分級し、所定の粒度分布を有するトナー粒子を調製する。
(C)工程では、得られたトナー粒子に対し、流動性、帯電性、必要に応じてクリーニング性を付与することを目的に、無機酸化物に代表される種々の外添剤を外添混合機に添加・混合し、その後、必要に応じて、篩分・充填を行い、目的のトナーを製造する。
【0021】
本発明のトナーの製造方法は、上記(A)工程、(B)工程、及び(C)工程の総ての工程において、少なくとも芯材が同一の金属元素を含む無機酸化物が添加されるが、前記各工程の添加位置は、特に制限されず、目的に応じて任意に選択することができる。また、少なくとも前記各工程の1箇所に添加すればよいが、各工程における2箇所以上に添加してもよい。
【0022】
<(A)混練工程>
(A)工程で添加する無機酸化物を、(C)外添混合工程で添加する無機酸化物と同種(同種とは、少なくとも芯材が同一の金属元素を含むことを意味する。)にすると、帯電性に全く影響を与えることなく着色剤の分散性を向上させることができる。帯電性に対して悪影響を及ぼさない理由は明確ではないが、無機酸化物を添加すると、微粉砕する際に、結着樹脂と無機酸化物との界面から割れやすくなっているため、トナー粒子表面には、無機酸化物の顔出し割合が多くなるためと考えられる。また、(A)工程において無機酸化物を添加すると、設備内融着の防止にも効果があり、また、粉体の流動性がよくなり、原料混合機からの粉体排出性、更に、混練工程のフィードネック(混練詰まり)等に効果がある。
【0023】
近年、トナーの小粒径・狭粒度分布化が求められ、粉砕分級工程の微粉・粗粉を混練工程に戻して再利用することが行われているが、これらを実施した時に、よりその効果がある。よって、(A)工程において、(C)外添混合工程と同種の無機酸化物を添加することにより、着色剤の分散や、トナー化した時の帯電性を向上させ、設備内融着を防ぎ、粉体の排出性や、混練能力を上げることができる。粉砕微粉・分級微粉・分級粗粉等を添加した場合においても、設備能力を犠牲にすることなく生産を可能にし、生産コスト上好ましく、更に添加できる微粉・粗粉の上限を上げることができるため、廃却される微粉・粗粉の量をなくすことができるため、環境上も好ましい。
【0024】
(A)工程における前記無機酸化物の添加位置は、例えば、原材料と同様に計量を行い原料を混合する際に添加してもよく、混練機手前の原料混合品の定量供給機から該原料混合品とともに定量添加してもよい。前記添加位置は、1箇所に限定されず、複数個所で添加してもよい。
前記無機酸化物を添加する形態は、(C)外添混合工程で添加される無機酸化物と同種のものをそのまま添加する形態、他の材料と混ぜてから添加する形態、例えば、(B)粉砕分級工程で得られる粉砕微粉(サイクロン捕集できなかったもの)・分級微粉・分級粗粉等と混ぜて添加する形態等が挙げられる。
【0025】
特に、粉砕微粉・分級微粉・分級粗粉等と混ぜて添加すると、着色剤の分散向上を目的として添加する無機酸化物自体の分散がよくなり、大量の無機酸化物を添加してもトナーの色特性を損なうことがない。また、粉体の流動性がよくなり、原料混合機からの粉体排出性が向上し、更に混練工程のフィードネック(混練詰まり)等の生産コスト上の効果がある。
【0026】
(A)工程において添加される無機酸化物の添加量は、該無機酸化物を除くトナー形成材料100重量部に対して、0.05〜5.0重量部が好ましく、0.1〜2.0重量部がより好ましい。該添加量が5.0重量部を超えると、着色剤の分散性はより向上するが、フルカラーで使用する時に透明性が低下することがある。一方、該添加量が0.05重量部未満では、着色剤の分散機能が発揮されないことがある。
【0027】
<(B)粉砕分級工程>
(B)工程において前記無機酸化物を添加すると、製造設備内のトナー融着は、著しく改善される。トナー融着は、トナー粒子の運動エネルギーが熱エネルギーに変換されることから生じるとされており、(B)工程において添加することにより、トナー母体と製造設備との接触が少なくなる(トナーが設備壁に衝突しない)か、もしくは、融着が生じても前記無機酸化物の有するかきとり効果によって、融着成長がないため、トナー融着が改善されると考えられる。
【0028】
(B)工程における前記無機酸化物の添加は、(B)工程のいかなる箇所からも行うことができ、1プロセス追加になってしまうが、破砕品又は粉砕品を一旦計量して定量の無機酸化物と混合してもよい。前記無機酸化物の添加位置としては、例えば、破砕機の供給口、粉砕機の供給口、粉砕機本体、粉砕機出口の配管部、分級機入口部(定量供給機部分)等が挙げられる。前記添加位置は、1箇所に限定されず、複数個所で添加してもよい。
【0029】
前記無機酸化物を添加するには、添加位置が定量供給部や配管部等の場合には、直接開口部を設けて定量供給する方法、粉砕機の内部に供給する場合には、インジェクションノズルを使って添加する方法が挙げられる。また、粗粉分級機のローター部には、粉体が入り込むのを防ぐためにシールエアが使用されるが、該シールエアから添加してもよく、粉砕機・分級機の2次エアを取り入れる口から添加してもよい。
前記無機酸化物の添加位置は、融着が激しいプロセスの手前部分で添加すると融着防止の効果がより顕著に現れる。添加位置の後工程でも、例えば、粉砕機供給部から添加する場合においては、分級プロセスに至るまで融着防止の効果は持続するが、分級プロセスの直前部分で添加するのと比較すると効果は小さい。
【0030】
(B)工程において添加される無機酸化物の添加量は、(A)混練工程において調製され、プロセスを流れている前記混練物100重量部に対して、0.05〜5.0重量部が好ましく、0.1〜1.5重量部がより好ましい。該添加量が0.05重量部より少ないと、設備融着の低減効果が小さいことがある。該添加量が5.0重量部より多いと、設備融着の低減効果が飽和するため、融着低減以外の目的での添加(トナーが本来必要とする外添量にするための調整等)となる。
【0031】
<(C)外添混合工程>
(C)工程における無機酸化物の添加は、帯電性付与、流動性付与等の目的ために添加される。
(C)工程における無機酸化物の添加は、帯電性付与・流動性付与・クリーニング性付与を目的とした外添混合プロセスで添加する方法、風力篩分機を使用する場合には、網目詰まり防止の目的である逆洗エアノズルのエア配管から添加する方法等が挙げられる。
【0032】
前記無機酸化物の添加量は、トナーの設計外添量から(B)工程において添加した量を差し引いた量となる。即ち、(C)工程における無機酸化物の添加は、外添量の調整を第1の目的とし、外添剤の付着強度を目的の構造にすることを第2の目的とする。(C)工程においては、(A)工程、及び(B)工程で添加される無機酸化物と同種の無機酸化物を添加するが、他の帯電制御、流動性制御、クリニーング性制御、転写性制御等を目的とした異種の無機酸化物(異種とは、芯材が同一の金属元素を含まない無機化合物)等を同時に添加してもよい。前記異種の無機酸化物の添加は、(C)工程のみに限定されるものではなく、(A)工程や(B)工程においても、添加することができる。
【0033】
(A)工程、(B)工程、及び(C)工程において添加される無機酸化物は、少なくとも芯材が同一の金属元素を含んでいればよいが、全く同じ無機酸化物が各工程で添加されることが好ましい。各工程に添加される前記無機酸化物は、1種に限定されず、2種以上を添加してもよい。
【0034】
(各工程で添加される無機酸化物)
前記無機酸化物は、少なくとも芯材からなり、該芯材の表面を適当な処理剤で処理することによりコート層を設けていてもよい。本発明における、少なくとも芯材が同一の金属元素を含む無機酸化物とは、前記芯材の表面を覆うコート層が異なっていてもよいことを意味する。
前記芯材としては、例えば、チタニア、チタン化合物、シリカ、アルミナ、酸化錫等が挙げられる。特に、カラートナーに用いる際には、着色剤の色を妨げない、無色又は淡色の無機酸化物が好ましい。
前記処理剤は、帯電性付与、環境差低減、アドミックス性付与を目的として用いられ、例えば、シランカップリング剤等のシラン化合物が挙げられる。該シラン化合物としては、例えば、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することもできる。
【0035】
前記シラン化合物の具体的としては、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリプロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシクロロヘキシル)、エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプリピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプリピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、本発明における処理剤は、これら前述の化合物に限定されるものではない。
【0036】
前記無機酸化物の平均一次粒子径は、5〜50nmが好ましく、10〜40nmがより好ましい。該粒子径が50nmを超えると、製造設備内の融着低減効果が小さくなるとともに、前記無機酸化物の添加量が増えた場合、特に、トナー100重量部に対して2.0重量部以上になると、透明性が低下することがある。
一方、該粒子径が5nm未満であると、融着低減効果が薄れる場合がある。
【0037】
前記無機酸化物のうち、特に湿式法で作製されるTiO(OH)2の一部又は全部をシラン化合物で処理したチタン化合物を使用した時に、着色剤の分散とトナーの帯電性(帯電分布幅、及びアドミックス性)とを向上させることができる。
原因は定かでないが、前記チタン化合物の形状に起因するものと推定される。前記チタン化合物は、直径が30〜70μm、高さが5〜20μmの平たい円柱状であり、単位重量当たりの表面積が大きく、トナー内部に分散させた時に、着色剤との付着性が強く、着色剤同士の強い凝集を防ぐ作用があると考えられる。トナーの帯電性に関しても、前記チタン化合物の形状により、トナー母体との付着力が強く、外添混合工程でのブレンド強度が、(A)工程で添加され、トナー表面に顔出ししている無機酸化物、更には(B)工程(特に粉砕プロセス以前)で添加された無機酸化物の付着強度により近く制御できる、即ち外添剤の付着強度の分布幅を狭くすることができるため、帯電分布幅を狭く、かつ、アドミックス性を向上させることができると考えられる。
【0038】
前記芯材であるTiO(OH)2の処理剤として用いられるシラン化合物は、上述したシラン化合物であれば、いずれをも用いることができる。その処理量は、TiO(OH)2の原体の平均一次粒子径により異なるが、一般的にはTiO(OH)2の原体100重量部に対して、シラン化合物は5〜80重量部が好ましく、10〜50重量部がより好ましい。
該処理量が5重量部に満たない場合には、処理するシラン化合物の機能が発揮されないことがあり、また、該処理量が80重量部を超える場合には、余剰シラン化合物により、オイル化し、トナー流動性を悪化させることがある。但し、前記シラン化合物による処理は、トナーの高帯電付与、環境依存性の改善、トナーの流動性向上、感材インタラクション低減等を目的とするものであって、該処理量は、使用されるトナー、現像剤担持体、TiO(OH)2原体の粒径等の兼ね合いから適宜調整する必要がある。
【0039】
本発明において、(B)工程における粉砕機本体、粉砕機供給口、又は粉砕機出口配管部から前記無機酸化物を添加すると、粉砕機内、粉砕機出口分配管等の融着を低減するばかりでなく、その後の分級において、分級効率を上げることができるとともに、トナー特性のうち、帯電性、特に帯電維持性を向上させることができる。その理由は、粉体の流動性がよくなるため、分級における粒子間の分散がよくなるためと考えられる。また、帯電維持性に関しては、粉砕機内又はそれに付随するプロセス内は、粉体が高速で移動しているため、トナーに付着する無機酸化物が強くなり、実機に入った時の現像剤劣化は、無機酸化物のインパクションが主要因であるが、そのインパクション量が少なくなるためであると考えられる。
また、分級機の供給口部分から添加すると、分級機内の融着において特に効果がある。特に慣性式分級機を用いた場合は、エジェクター部又は分級点を決定するエッジ部の融着低減効果が大きい。また、遠心式分級機においても、トナー吸い込み口部分の融着は、他のプロセスから添加した場合に比べて、その効果は大きい。
【0040】
(トナー形成材料)
以下に、(A)混練工程におけるトナー形成材料について説明する。
前記トナー形成材料は、少なくとも、結着樹脂及び着色剤を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。前記各工程で添加される無機酸化物は、前記トナー形成材料中に含有されることができ、この場合、内添剤として添加される。
【0041】
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、トナー用として従来から使われているもの(熱可塑性樹脂)ならばどのようなものでも使用できる。
具体的には、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドテシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、それら単独重合体あるいは共重合体が挙げられる。
【0042】
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリルニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
【0043】
以上のような結着樹脂のうち、溶融温度が80〜150℃の構造・分子量となるものが好ましい。特に、スチレン−アクリル系樹脂もしくはポリエステル系樹脂が好ましく、積極的に使用されている。
特に本発明においては、ポリエステル樹脂が、数平均分子量Mn=2500〜5500、重量平均分子量Mw=7000〜30000、軟化点が90〜120℃、ガラス転移点が60〜75℃を有し、クロロホルム不溶分を含有しない時、及び/又は粉砕助材としてスチレン系モノマーとインデン系モノマーとの共重合体を使用した時に、粉砕後の粒度分布が特にシャープになり、高画質を実現でき、かつ、定着・帯電等のトナー特性に全く影響を与えない等顕著な効果があるため好ましい。
【0044】
前記ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と多価カルボン酸とから製造されるものであるが、多価アルコール成分としては、例えば、2価のアルコール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。また、3価以上のアルコール成分としては、グリセリン、ソルビトール、1,4ソルビタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0045】
また、上記多価アルコール成分と縮合させる2価カルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸及びこれらの酸の低級アルキルエステルが挙げられる。
本発明において、結着樹脂は、2価のアルコール成分として、ポリオキシエチレン(2,2)−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,2)−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3価以上の多価アルコール成分及び2価のカルボン酸を構成成分とすることが好ましい。
【0046】
前記溶融温度は、温度−見かけ粘度曲線上で、溶融粘度が1×104Pa・sのときの温度を指す。溶融粘度は、フローテスターCFT−500F型(島津製作所製)により測定し、測定値から温度−見かけ粘度曲線を得た。測定条件は、昇温速度3.0℃/分、開始温度80.0℃、到達温度150.0℃、測定間隔3.0秒、予熱時間300.0秒、シリンダ圧力10.0kgf/cm2、ダイ穴径1.0mm、ダイ長さ1.0mmである。
【0047】
−着色剤−
前記着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
【0048】
また、顔料の水性ペースト及び結着樹脂を樹脂の軟化点以上の温度で常圧にて混練しフラッシング処理を施したフラッシング処理生成物、あるいは同じ着色剤の乾燥顔料と結着樹脂とを加熱溶融して、高剪断力を付与しながら、例えば、加熱型2本又は3本ロール等の手段により、混合することによって調製した高濃度顔料ペレットを用いてもよく、着色剤分散の観点からは、後者がより好ましい。
【0049】
前記着色剤の含有量は、前記結着樹脂100重量部に対し0.5〜15重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。該含有量が0.5重量部より少ないと、着色力が弱くなり充分な効果が発揮できないことがある。該含有量が15重量部より多いと、透明性が悪化することがある。
【0050】
−その他の成分−
−−磁性体−−
磁性トナーを製造する場合には、前記着色剤の一部又は全部を磁性体に置き換え、その添加量を結着樹脂100重量部に対して、50〜200重量部にすればよい。前記磁性体としては、従来から一般的に使われている公知の磁性体であれば、いかなるものでも使用することができる。例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属及びこれらの合金、Fe34、γ−Fe23、コバルト添加酸化鉄等の金属酸化物、MnZnフェライト、NiZnフェライト等の各種フェライトにより形成されるものが挙げられる。これらの磁性体の平均粒径は、一般に0.05〜0.5μmが適当である。また、帯電性、分散性を付与させるためにシランカップリング剤又はチタンカップリング剤等で表面処理を施したものも使用可能であるが、本発明では表面未処理の磁性粉の場合に効果が大きい。
【0051】
−−離型剤−−
前記トナー形成材料には、前記その他の成分として、トナーの耐オフセット性を向上させるために離型剤を添加することができる。
前記離型剤としては、炭素数8以上のパラフィン、ポリオレフィン等が好ましく、例えば、パラフィンワックス、パラフィンラテックス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等が挙げられ、これらを単独あるいは併用して使用することができる。前記離型剤の軟化点は110〜150℃が好ましい。前記離型剤を2種以上使用する場合は、最も軟化点の低い離型剤に対して、温度の調整/設定を行うことが好ましい。
前記離型剤の添加量は、前記結着樹脂100重量部に対して、1〜15重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。該添加量が1重量部より少ないと、効果が発揮されないことがあり、一方、該添加量が15重量部より多いと、極端に流動性が悪化すると共に帯電分布が非常に広くなることがある。
前記離型剤の軟化点の測定は、JIS K−2207軟化点試験方法(環球法)に準じて行った。
【0052】
−−帯電制御剤−−
前記トナー形成材料には、前記その他の成分として、帯電制御剤を添加することができる。該帯電制御剤としては、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物のような含金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体の如き高分子酸、四級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン系染料等が挙げられる。
【0053】
(外添混合工程で添加される外添剤)
前記各工程で添加される無機酸化物は、外添混合工程においては外添剤として添加される。また、前記無機酸化物以外にも、外添混合工程では、トナー粒子表面に、ポリマー微粒子(ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等)等の流動化剤や助剤等を、外添剤として添加することができる。
【0054】
[電子写真用トナー]
本発明の電子写真用トナーは、少なくとも、着色剤及び結着樹脂を含有するトナー粒子を含み、該トナー粒子が、その内部と表面とに、少なくとも芯材が同一の金属元素を含む無機酸化物を有し、かつ、20μm以上の粗粉が100ppm以下であることを特徴とする。
本発明の電子写真用トナーは、前記本発明の電子写真用トナーの製造方法によって、好適に製造することができる。
【0055】
本発明の電子写真用トナーは、少なくとも、着色剤、結着樹脂、及び無機酸化物を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
該着色剤及び結着樹脂は、前記本発明の電子写真用トナーの製造方法における混練工程で使用されたトナー形成材料と同様のものを用いることができる。また、該その他の成分も、前記トナー形成材料に用いられるその他の成分や、前記外添混合工程で使用される外添剤と同様のものを用いることができ、更に、スチレン系モノマーとインデン系モノマーとの共重合樹脂や、脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂等を用いることができる。更に、本発明に含有される無機酸化物は、前記本発明の電子写真用トナーの製造方法の各工程で使用される無機酸化物と同様のものを用いることができる。
【0056】
本発明のトナーは、前記本発明の電子写真用トナーの製造方法により、好適に製造することができるため、トナー粒子の内部と表面とに、少なくとも芯材が同一の金属元素を含む無機酸化物を有する。即ち、本発明のトナー粒子の内部には、前記混練工程で、内添剤として添加された前記無機酸化物が存在し、該トナー粒子の表面には、前記粉砕分級工程及び外添混合工程で、外添剤として添加された前記無機酸化物が存在する。
【0057】
本発明のトナー粒子の内部に存在する前記無機酸化物の含有量は、該無機酸化物を除くトナー形成材料(着色剤及び結着樹脂)100重量部に対して、0.05〜5.0重量部が好ましく、0.1〜2.0重量部がより好ましい。該含有量が5.0重量部を超えると、着色剤の分散性はより向上するが、フルカラーで使用する時に透明性が低下することがある。一方、該含有量が0.05重量部未満では、着色剤の分散機能が発揮されないことがある。
【0058】
また、本発明のトナーは、20μm以上の粗粉が100ppm以下であるが、これは、前記本発明の電子写真用トナーの製造方法により、好適に達成することができる。即ち、前記混練工程、粉砕分級工程、及び外添混合工程の総ての工程において、前記無機酸化物を添加することにより、粗粉量を少なくすることができ、小粒径トナーを効率よく製造することができる。この際、外添混合工程において、45μm目開きの篩分を行い、本発明のトナーとすることが好ましいが、本発明のトナーを得るには、この篩分に限定されるものではない。
【0059】
本発明のトナーは、20μm以上の粗粉が100ppm以下であり、好ましくは、20μm以上の粗粉が50ppm以下である。20μm以上の粗粉が100ppm以下であると、転写不良による白抜けやトナーグリッド等のコピー上の欠陥が少なくなり好ましい。
本発明のトナーの体積平均粒径は、4〜12μmが好ましく、6〜9μmがより好ましい。
【0060】
本発明において、20μm以上の粗粉の測定方法は、前記45μm目開きの篩分後の本発明のトナー1000g対して、20μm目開き標準篩を使用し、吸引法により篩分を行い、前記標準篩上の粗粉の重量を精密天秤にて測定し、その重量をppmに換算したものである。
【0061】
本発明の電子写真用トナーは、一成分現像方式、二成分現像方式のどちらで用いてもよいが、樹脂被覆キャリアと組み合わせた二成分現像方式で用いるのが好ましい。キャリアとして樹脂被膜キャリアを使用することにより、トナーの小粒径化による帯電の立ち上がりや帯電分布の悪化、及び帯電量の低下からくる地汚れや濃度ムラを改善することができる。
【0062】
キャリアは、公知のキャリアであれば特に制限されるものでなく、鉄粉系キャリア、フェライト系キャリア、表面コートフェライトキャリア等が使用できる。また、それぞれの表面添加粉末は所望の表面処理を施して用いてもよい。
【0063】
[画像形成方法]
以上の如き構成の本発明の電子写真用トナーは、従来公知の画像形成方法、即ち、潜像担持体上に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程と、該転写画像を定着する定着工程とを含む画像形成方法に、好適に用いることができる。
前記本発明の電子写真用トナーを用いた本発明の画像形成方法によれば、帯電劣化が少なく、かぶりのない良好な画像を提供することができる。
【0064】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。
【0065】
(実施例1)
結着樹脂:ポリエステル樹脂 ・・・・・・・・・・・・・・ 94.5部
(テレフタル酸/ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンギメタノール=50/25/25、Mw=16000、Mn=4400、Tg=67℃、溶融温度Tm=110℃)
着色剤:(C.I.Pigment Red 122) ・・・ 5.0部
無機酸化物A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.5部
(メタチタン酸100部に対して、イソブチルトリメトキシシラン50部を処理後、焼成して得られたチタン化合物:平均一次粒径30nm)
【0066】
上記トナー形成材料の混合を、図2に示すトナー製造プロセスの(A)工程における▲1▼原料混合で行った。これらの混合物を75Lヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合撹拌し、混練材料とし、定量供給機を介してスクリュー押出機で混練した。
得られた混練物を水冷タイプの冷却コンベアにより圧延冷却し、更にピンクラッシャーにより粗砕を行い、ハンマーミルで破砕(平均径300μm)した後、流動層型粉砕機AFG400(アルピネ社製)により粉砕し、慣性式分級機EJ30により分級して、体積平均粒径が約7μmのトナー粒子を調製した。この時、前記流動層型粉砕機の定量供給口から、新たに前記無機酸化物Aを、プロセスを流れている前記混練物と新たに添加する無機酸化物Aとの重量比が100:0.5となるように、連続で供給した((B)工程の添加位置▲3▼粉砕機供給口)。
【0067】
前記調製されたトナー粒子100部に対して、外添剤として、前記無機酸化物Aを0.7部、及び無機酸化物B(平均粒径40nmのヘキサメチルジシラザン処理したシリカ)を0.5部加え((C)工程の添加位置▲8▼)、75Lヘンシェルミキサーにより10分間混合し、その後、風力篩分機ハイボルター300(新東京機械社製)により篩分(45μm目開き)し、トナー1を製造した。
粒度分布の測定は、コールターエレクトロニクス社のコールターマルチサイザーIIにより行った。
【0068】
(実施例2)
実施例1において、(B)工程における無機酸化物Aの添加位置を▲3▼粉砕機供給口から▲4▼粉砕機本体及び▲6▼分級機供給口に代え、該無機酸化物Aの添加量を、プロセスを流れている前記混練物と該無機酸化物Aとの重量比が、それぞれ100:0.3、100:0.4となるように連続で供給し、(C)工程における無機酸化物Aの添加量を0.5部に代え、無機化合物Bを全く添加しなかった以外は、実施例1と同様の製造方法によりトナー2を製造した。
【0069】
参考例1
実施例1において、前記トナー形成材料の、結着樹脂をポリエステル樹脂(テレフタル酸/ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンギメタノール=50/25/25、Mw=21000、Mn=4900、Tg=69℃、溶融温度Tm=120℃)に代え、着色剤をフタロシアニン銅Pigment15:3に代え、無機酸化物Aを無機酸化物C(平均一次粒径20nmのシリコーンオイル処理したシリカ)に代え、(B)工程で添加される無機酸化物Aを無機酸化物Cに代え、その添加位置を丸数字3粉砕機供給口から丸数字4粉砕機本体に代え、(C)工程において、無機酸化物Aに代え無機酸化物Cを0.5部添加し、無機酸化物Bに代え平均粒径300nmのPMMA樹脂を添加した以外は、実施例1と同様の製造方法によりトナー3を製造した。(B)工程の丸数字4粉砕機本体における無機酸化物Aの添加は、インジェクションノズルにより行った(エア圧1.0kg/cm2)。
【0070】
参考例2
参考例1において、(A)工程で添加される無機酸化物Cを、トナーの分級微粉・分級粗粉・粉砕微粉の混合物と無機酸化物Cとを混合したものに代え、(B)工程における無機酸化物Cの添加位置を、丸数字4粉砕機本体から丸数字6分級機供給口に代えた以外は、参考例1と同様の製造方法によりトナー4を製造した。
分級微粉・分級粗粉・粉砕微粉の混合物と無機酸化物Cとの混合比は、98.5部:1.5部であり、前記トナー形成材料の組成は、結着樹脂63.4部、着色剤3.3部、分級微粉・分級粗粉・粉砕微粉の混合物と無機酸化物Cとの混合物33.3部(分級微粉・分級粗粉・粉砕微粉の混合物32.8部、無機酸化物C0.5部)であった。
【0071】
(比較例1)
実施例1において、(A)工程の▲1▼原料混合で無機酸化物Aを全く添加しなかった以外は、実施例1と同様の製造方法によりトナー5を製造した。
【0072】
(比較例2)
実施例1において、(A)工程の▲1▼原料混合で添加される無機酸化物Aを、無機酸化物Cに代えた以外は、実施例1と同様の製造方法によりトナー6を製造した。
【0073】
(比較例3)
実施例2において、(B)工程で無機酸化物Aを全く添加せず、(C)工程における無機酸化物Aの添加量を1.2部とした以外は、実施例2と同様の製造方法によりトナー7を製造した。
【0074】
参考例3
参考例1において、(A)工程と(B)工程で添加される無機酸化物Cを、平均粒径20nmのデシルトリメチルエトキシシラン処理された酸化チタンに代え、(C)工程における無機酸化物Cの添加量を1.2部にした以外は、参考例1と同様の製造方法によりトナー8を製造した。
【0075】
製造したトナー1〜8に対して、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<着色剤の平均分散径の評価>
混練後の圧延・冷却スラブをミクロトームの如きカッターで0.15μm程度の厚さに切り、透過型電子顕微鏡で4500倍の写真を撮り、60μm×45μmの視野中の直径(円相当径)を画像解析装置により測定した。
着色剤の平均分散径が、0.1μm未満を◎、0.1μm以上0.2μm未満を○、0.2μm以上0.5μm未満を△、0.5μm以上を×、と評価した。
【0076】
<設備へのトナー融着程度の評価>
最も融着程度が激しいEJ30エッジ上の融着量(Fエッジ:100kg粉砕品供給後の重量)を測定した。その測定方法は、エッジ先端から5mmまでの融着物を剥がし、精密天秤でその重量を測定した。
100kgの粉砕品を供給した後のエッジ融着量が、20mg未満を◎、20mg以上100mg未満を○、100mg以上500mg未満を△、500mg以上を×、と評価した。
【0077】
<同じ粒径を得るための分級得率の評価>
同じ粒径を得るための分級得率を、(分級製品重量)/(供給粉砕品重量)によって求めた。尚、分級時に無機酸化物を添加する場合には、供給粉砕品に添加無機酸化物の重量をたして計算した。
前記分級得率が、85%以上を◎、80%以上85%未満を○、70%以上80%未満を△、70%未満を×、と評価した。
【0078】
<20μm以上のトナー重量の評価>
前記トナーの製造工程で風力篩分機ハイボルター300(新東京機械社製)により篩分(45μm目開き)されたトナー1000gに対し、更に20μm目開きの標準篩で吸引法により篩分を行い、前記標準篩上の粗粉の重量を精密天秤にて測定し、前記トナー1000g中に占める粗粉(20μm網上残量)の存在量をppmに換算した。
トナー1の粗粉存在量は、34ppm、トナー2の粗粉存在量は、16ppm、トナー3の粗粉存在量は、58ppm、トナー4の粗粉存在量は、19ppm、トナー5の粗粉存在量は、130ppm、トナー6の粗粉存在量は、71ppm、トナー7の粗粉存在量は、602ppm、トナー8の粗粉存在量は、27ppm、であった。
トナー1000g中の粗粉存在量は、20ppm未満を◎、20ppm以上100ppm未満を○、100ppm以上500ppm未満を△、500ppm以上を×、と評価した。
【0079】
更に、平均粒径50μmのフェライトコアに、0.05重量%にあたる弗化ビニリデンと、1.25重量%にあたるメチルメタアクリレートとトリフロロエチレンとの共重合体(重合比80:20)樹脂とをニーダー装置を用いコーティングし、キャリアを得た。該キャリアと前記各トナー1〜8とを100部:6部の割合で2リッターのVブレンダーで混合し、それぞれ現像剤1〜8を製造した。
【0080】
<帯電性(帯電分布幅)の評価>
得られた現像剤1〜8に対し、帯電分布測定器(チャージスペクトログラフ、Xerox Co.社製)により、帯電の中心値Aとその幅Bとの比B/Aが、0.4未満を◎、0.4以上0.5未満を○、0.5以上1.0未満を△、1.0以上を×、と評価した。
【0081】
<かぶり・維持性(帯電劣化)の評価>
得られた現像剤1〜8のそれぞれを使用して、A−Color635(富士ゼロックス社製)により35℃、85RH%の環境下で、10万枚の維持性テストを実施した。10万枚のテスト後のコピー質(バックグラウンドかぶり)及び現像剤の帯電劣化の程度を評価した。
バックグランドかぶりは、コピー上・感光体上かぶりなしを○、感光体上あるがコピー上なしを△、コピー上ありを×、と評価した。
帯電劣化の程度は、Initialの帯電量を1とした時の割合を示し、0.7以上を○、0.3以上0.7未満を△、0.3未満を×、と評価した。
【0082】
【表1】
Figure 0004136171
【0083】
表1の結果から、実施例1〜の本発明のトナー1〜は、設備へのトナー融着が少なく、着色剤の分散がよく、更に20μm以上の粗粉が少ない等の優れた性質を有していることがわかる。また、実施例1〜の本発明のトナー1〜を用いて画像形成を行うと、帯電劣化が少なく、バックグラウンドかぶりのない良好な画像が得られることがわかる。
一方、比較例1〜のトナー5〜は、本発明のトナーに比べ、上記いずれかの性質に劣っていた。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、設備融着による製造性の低下を回避し、帯電特性や色特性等のトナー特性に優れ、かつ、粗粉量が少なく生産性に優れた電子写真用トナー及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記の電子写真用トナーを用いることにより、帯電劣化が少なく、かぶりのない画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトナーの製造工程を示す概略図の一例である。
【図2】 実施例におけるトナーの製造工程を示す概略図である。

Claims (2)

  1. 少なくとも、着色剤及び結着樹脂を含有するトナー粒子を含み、該トナー粒子が、その内部と表面とに、湿式法で作製されるTiO(OH)2の一部又は全部をシラン化合物により処理したチタン化合物を有し、かつ、20μm以上の粗粉が100ppm以下である電子写真用トナーの製造方法であって、
    少なくとも、トナー形成材料を混練し、混練物を調製する混練工程と、少なくとも、該混練物を粉砕及び分級し、トナー粒子を調製する粉砕分級工程と、少なくとも、該トナー粒子に外添剤を混合する外添混合工程とを含み、湿式法で作製されるTiO(OH)2の一部又は全部をシラン化合物により処理したチタン化合物を、前記混練工程、慣性式分級機により分級する粉砕分級工程、及び外添混合工程の総ての工程において添加することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
  2. 潜像担持体上に形成された静電潜像を、トナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程と、該転写画像を定着する定着工程とを含む画像形成方法において、前記トナーが請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法により製造されたトナーであることを特徴とする画像形成方法。
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