JP4135257B2 - 計算装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、計算装置に係り、詳細には、複数の単位の数値について演算を実行し、演算結果を複数の単位で表示する計算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、通常の四則演算機能の他に、換算計算機能を備えた電子計算装置が実用されている。
このような換算計算機能を備えた電子計算装置では、例えば通貨単位「円」で入力した数値を、所定の換算レートに基いて、他の通貨単位、例えば「ドル」や「ユーロ」等へ換算し、換算の結果を表示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の換算計算機能を備えた電子計算装置では、通常換算計算の実行指示を入力した後に換算計算を行う。従って、複数の単位の数値について四則演算を行い、その演算結果を複数の単位で確認したい場合は、演算数と被演算数との単位を揃えるために、まず換算計算の実行指示を入力し、その後、さらに演算結果の数値を他の単位の数値に換算する指示を入力しなければならなかった。例えば、円とドルを加算する場合、円の数値を入力し、換算キーを押してドルの単位に換算する。次に「+」キーを押し、ドルの数値を入力する。「=」キーを押すと、ドルの単位で結果表示され、換算キーを押すと円の単位で結果表示される。
【0004】
このような操作は使用者にとって非常に煩雑なものであり、演算途中において操作を誤りやすく、操作ミスにより正しい演算結果を得ることができない場合があった。
【0005】
また、演算の途中において表示される途中結果の数値は、通常一つの単位の数値であり、複数の単位の数値を同時に表示しないので、演算の途中結果を他の単位で確認したい場合も、算出されている数値に対して換算計算の実行指示を入力して結果を表示させなければならなかった。
【0006】
本発明の課題は、上述の問題点に鑑み、複数の単位の数値についての演算を容易な操作で実現するとともに、その演算の結果を複数の単位で容易に確認することが可能な計算装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る計算装置は、複数の単位の間で数値の換算を行う計算装置であって、数値入力キー及び加減乗除の四則演算キーを有するキー入力手段と、複数の単位に対応する数値を各単位を示す記号とともに複数行に表示する表示手段と、前記複数の単位の中から1つ単位を指定する単位指定手段と、前記キー入力手段の数値入力キーの操作により数値の入力があったときに、初期状態か、加減算キーの操作後か、乗除算キーの操作後かを判断する状態判断手段と、前記状態判断手段が初期状態あるいは加減算キー操作後を判断した場合、前記キー入力手段の数値入力キーの操作に応じて入力された数値を前記単位指定手段が指定する指定単位に対応する行に表示するとともに当該入力された数値を他の単位に換算して他の単位に対応する行に表示する第1の表示制御手段と、前記状態判断手段が乗除算キー操作後を判断した場合、前記キー入力手段の数値入力キーの操作に応じて入力された数値を各単位に対応する行にそのまま表示する第2の表示制御手段と、前記第1、第2の表示制御手段で表示された各行の数値について各行の単位による四則演算の結果を求める演算手段と、前記演算手段の演算結果を各行に表示する演算結果表示制御手段と、を備え、前記単位指定手段により指定単位を変更しながら数値を入力することで、複数の単位が混在した四則演算を実行し、各単位での演算結果を同時に表示するようにしたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を参照して本発明に係る計算装置1の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
まず構成を説明する。
図1は、本実施の形態における計算装置1の内部の構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように計算装置1は、CPU(Central Processing Unit)2、入力部3、表示部4、RAM(Random Access Memory)5、ROM(Read Only Memory)6、記憶装置7及び記憶媒体8によって構成されており、記憶媒体8を除く各部はバス9により接続されている。
【0020】
CPU2は、入力部3から入力される入力データに応じて、ROM6または記憶装置7から所定のプログラムを読み出してRAM5のワークメモリ5wに一時格納し、当該プログラムに基づく各種処理を実行して計算装置1の各部を集中制御する。すなわち、CPU2は、前記読み出した所定プログラムに基づいて各種処理を実行し、その処理結果をRAM5内のワークメモリ5wに格納するともに、表示部4に表示させる。
【0021】
また、CPU2は、ROM6に格納された換算計算ソフトに含まれる演算計算処理プログラムしたがって後述する演算計算処理(図3、図4参照)を実行するとともに、当該演算計算処理において、単位を換算して処理結果を表示させる際は換算計算ソフトに含まれる即時換算表示処理プログラムしたがって後述する即時換算表示処理(図5参照)を実行する。本実施の形態においては換算計算に関わる単位として、円、ドル、ユーロの3種類の通貨単位の数値について四則演算を実行する例を説明する。
【0022】
後述する演算計算処理(図3、図4参照)において、CPU2は、入力部3の置数キー3bの操作による数値の入力や、演算キー3cの操作による演算の種類の指定があると、入力されたキー操作に応じた処理を実行する。即ち、CPU2は、キー入力時の演算状態を確認し、この確認された演算状態に応じて所定の演算を実行し、また演算状態の変更等の所定の処理を実行する。
【0023】
ここで、所定の演算とは、演算キー3cの操作により演算種の指定された各種演算である。演算種としては、加算、減算、乗算、除算の四則演算があり、指定された演算種は指定中の演算メモリ5hに格納される。CPU2は、指定された演算が加算または減算である場合は、その後に入力される数値を他の単位の数値に換算して対応する単位のレジスタにセットして演算数とし、また、指定された演算が乗算または除算である場合は、その後に入力される数値を換算せずにそのまま各単位のレジスタにセットして演算数として、指定された演算を実行する。
【0024】
演算状態とは、演算計算を開始してから終了するまでの過程の各段階における演算の状態を示すものであり、具体的には、ACキー3aの押下操作により設定される「初期」状態から、「=」キー3dの押下操作により「演算結果」状態となるまでの過程において、「置数」状態、「演算キー後」状態、「演算結果演算キー後」状態、「演算キー後置数」状態といった各状態がある。
【0025】
「初期」状態とは、演算開始の状態であって、入力部3のACキー3aが押下操作された際、もしくは、演算状態が「初期」、「演算結果」、又は「置数」状態である場合に入力部3の「=」キー3dが押下操作された際に設定される。ACキーが押下されると、「初期」状態においてCPU2は、RAM5の全てのレジスタ及びメモリ領域に記憶されているデータをクリアし、指定通貨メモリ5aには予め設定されているデフォルトの通貨単位、例えば円を設定し、指定通貨データメモリ5bには「0」を設定する。
【0026】
「置数」状態とは、演算状態が「初期」状態または「演算結果」状態である場合に入力部3の置数キー3bが押下操作された際に設定される状態である。「置数」状態において、入力部3の置数キー3bの押下操作により置数されると、CPU2はこの数値を指定通貨データメモリ5bに順次追加して記憶する。また演算キー3cの押下操作により演算種が指定された場合は、演算状態を「演算キー後」状態に設定し、「=」キー3dが押下操作された場合は、演算状態を「初期」状態に設定する。
【0027】
「演算キー後」状態とは、演算状態が「演算キー後置数」状態以外の状態である場合に入力部3の演算キー3cが押下操作された際に設定される状態である。「演算キー後」状態において置数キー3bが押下操作されるとCPU2は演算状態を「演算キー後置数」状態に設定し、「=」キー3dが押下操作されるとCPU2はXレジスタ5cに記憶されている数値を演算数及び被演算数としてRAM5の指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算(加算、減算、乗算、除算のいずれか)を実行し、演算結果を再度Xレジスタ5cに格納する。
【0028】
「演算キー後置数」状態とは、演算状態が「演算キー後」状態、または「演算結果演算キー後」状態である場合に入力部3の置数キー3bが押下操作された際に設定される状態である。「演算キー後置数」状態に設定されると、CPU2はXレジスタ5cに確保されている数値をYレジスタ5dに確保し、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値を一旦クリアした後に、置数キー3bの操作により置数される毎に入力された値を指定通貨データメモリ5bに記憶する。また、「演算キー後置数」状態において、入力部3の置数キー3bが押下操作されると、CPU2は置数される毎に入力された数値を指定通貨データメモリ5bに順次追加して記憶する。入力部3の演算キー3cまたは「=」キー3dが押下操作された場合は、CPU2はXレジスタ5cに確保した数値を演算数、Yレジスタ5dに確保した数値を被演算数として、RAM5の指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算(加算、減算、乗算、除算のいずれか)を実行し、演算結果を再度Xレジスタ5cに格納する。
【0029】
「演算結果演算キー後」状態とは、入力部3の演算キー3cが押下操作された際の演算状態が「演算キー後置数」状態である場合に、Xレジスタ5cに確保した数値を演算数、Yレジスタ5dに確保した数値を被演算数として、RAM5の指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算(加算、減算、乗算、除算のいずれか)が実行され、演算結果が再度Xレジスタ5cに格納された後に設定される状態である。「演算結果演算キー後」状態において置数キー3bが操作されるとCPU2は、演算状態を「演算キー後置数」状態に設定し、Xレジスタ5cにセットされている値をYレジスタに待避させ、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値を一旦クリアした後に入力された数値を記憶する。また、演算キー3cが操作された場合には、CPU2は演算状態を「演算キー後」状態に設定し、指定中の演算メモリ5hに入力された演算種を記憶する。「=」キー3dが操作された場合には、Xレジスタ5cにセットされている数値を演算数及び被演算数として指定中の演算を実行し、演算結果をXレジスタにセットした後に演算状態を「演算結果」状態に設定する。
【0030】
「演算結果」状態とは、入力部3の「=」キー3dが押下操作された際の演算状態が「初期」状態、「演算結果」状態、及び「置数」状態以外の状態である場合に、その演算状態に応じた所定の処理を行った後にセットされる状態である。所定の処理とは、入力部3の「=」キー3dが押下操作された際の演算状態が「演算キー後」状態または「演算結果演算キー後」状態である場合は、Xレジスタ5cに記憶されている数値を演算数及び被演算数としてRAM5の指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算(加算、減算、乗算、除算のいずれか)を実行し、演算結果を再度Xレジスタ5cに格納する処理であり、また、入力部3の「=」キー3dが押下操作された際の演算状態が「演算キー後置数」状態である場合は、Xレジスタ5cに確保した数値を演算数、Yレジスタ5dに確保した数値を被演算数として、RAM5の指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算(加算、減算、乗算、除算のいずれか)を実行し、演算結果を再度Xレジスタ5cに格納する処理である。「演算結果」状態において、CPU2はRAM5の指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算をクリアした後に、後述する即時換算表示処理を実行する。
【0031】
また、演算途中において入力部3の単位指定キー3eの操作により単位が指定された場合は、CPU2は指定通貨メモリ5aに記憶された指定通貨をこの指定された単位に変更して記憶し、入力部3の置数キー3bに操作により入力された数値が指定された単位の数値であることを認識する。
【0032】
上述のようにCPU2は、キー入力の都度、演算状態に応じた所定の演算及び所定の処理を行った後、後述する即時換算表示処理(図5参照)を実行する。
【0033】
後述する即時換算表示処理(図5参照)において、CPU2は、入力部3の置数キー3bや演算数3cが操作されて、数値や演算種等が入力される毎に、入力部3の置数キー3bの操作により入力された数値、及び実行された演算の結果を他の単位に換算して、各単位に対応するレジスタにセットし、セットされた各レジスタの値を、表示部4の対応する表示欄に並列的に表示する。
【0034】
「初期」状態、「置数」状態、または「演算キー後」状態では、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートを読み出し、各換算レートに応じて指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値を他の単位に換算して対応するレジスタに記憶するとともに、各単位の数値を表示部4の対応する表示欄に並列的に表示する。
【0035】
「演算キー後置数」状態において、CPU2は指定中の演算が乗算または除算であるか否かを判断し、乗算または除算である場合は、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値をそのままXレジスタ5c、ドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットして、表示部4の各単位の表示欄に表示させる。指定中の演算が加算または減算である場合は、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートを読み出し、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値を指定通貨に対応する単位のレジスタにセットするとともに、各換算レートに応じて指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値を指定通貨以外の単位に換算し、換算結果を対応する単位のレジスタにセットし、各単位の数値を表示部4に並列的に表示させる。
【0036】
「演算結果」状態または「演算結果演算キー後」状態において、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートを読み出し、各換算レートに応じてXレジスタ5cに確保されている数値を他の単位(ドル、ユーロ)に換算し、換算結果を対応する単位のレジスタにセットし、各単位の数値を表示部4に並列的に表示させる。
【0037】
入力部3には、演算状態を「初期」状態に設定する際に操作されるACキー3aの他、演算に関する情報を示すキーとして、1〜9までの数値及び小数点の各キーから構成される置数キー3b、「+」、「−」、「×」、「÷」の各種演算種を示すキーから構成される演算キー3c、演算の最終的な結果を表示させる際に操作される「=」キー3d、単位を指定する際に操作される単位指定キー3e、換算レートを登録、或いは表示させる際に操作されるレートキー3f等が備えられ、押下されたキーの押下信号をCPU2に出力する。
【0038】
図2は、計算装置1の外観の上面図の一例である。
この図2に示すように、入力部3に備えられた各種キー3a〜3fは、例えば表示部4の下部に備えられている。
【0039】
表示部4は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU2から入力される表示データに基づく各種表示を行う。
【0040】
図2に示すように、表示部4は、ユーロ、ドル、円などの複数の単位の数値が並列に表示される。即ち、数値の入力時、演算の途中、或いは演算終了時には、ユーロ表示欄4a、ドル表示欄4c、及び円表示欄4eに対して各単位の数値に換算された数値が表示されるとともに、各通貨単位のシンボルとして「ユーロ」シンボル4b、「ドル」シンボル4d、「円」シンボル4fが表示される。
【0041】
また表示部4には、入力される数値の単位を強調表示させるためのカーソルKが入力部3の単位指定キー3eの操作により移動されて指定された単位の通貨単位シンボル4b、4d、4fのいずれかに表示される。図2に示す例のように、「ドル」シンボル4dにカーソルKが表示されている場合は入力される数値の通貨単位として「ドル」が指定されていることを示し、入力部3から入力される数値はドル表示欄4cに表示される。さらにこの場合は、指定されている単位「ドル」から「ユーロ」へ換算された数値がユーロ表示欄4aに表示され、「ドル」から「円」へ換算された数値が円表示欄4eに表示される。
【0042】
さらに表示部4には、入力部3の演算キー3cが操作されることにより演算種が指定されると指定中の演算の演算シンボルSが表示される。図2の例では演算シンボルSとして「+」が表示され、演算種には加算が指定されていることを示す。
【0043】
RAM5は、指定通貨メモリ5a、指定通貨データメモリ5b、Xレジスタ5c、Yレジスタ5d、演算状態メモリ5e、ドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5g、指定中の演算メモリ5h、円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5j、及びワークメモリ5w等から構成される。
【0044】
指定通貨メモリ5aには、入力部3の単位指定キー3eの操作により指定されている通貨単位が記憶される。
【0045】
指定通貨データメモリ5bには、入力部3の置数キー3bの操作により入力された数値が順次追加記憶される。この指定通貨データメモリ5bに記憶された数値は指定されている単位に対して入力された数値と認識され、CPU2は当該指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値を指定通貨メモリ5aに記憶されている通貨単位から他の通貨単位へ換算する。
【0046】
Xレジスタ5cには、通貨単位が円の数値がセットされる。
【0047】
Yレジスタ5dには、演算状態が「演算キー後置数」状態であるときにXレジスタ5cにセットされている値が一時確保される。
【0048】
演算状態メモリ5eには、「初期」、「置数」、「演算キー後」、「演算キー後置数」、「演算結果演算キー後」、「演算結果」といった演算の開始から終了までの各種演算の状態が記憶される。CPU2は、この演算状態メモリ5eに記憶されている演算状態に応じた演算処理を実行する。
【0049】
ドルレジスタ5fには、通貨単位がドルの数値がセットされる。
【0050】
ユーロレジスタ5gには、通貨単位がユーロの数値がセットされる。
【0051】
指定中の演算メモリ5hには、入力部3の演算キー3cの押下操作により、加算、減算、乗算、除算の演算種が入力された際に、入力された演算種が指定中の演算として記憶される。
【0052】
円→ドルレートメモリ5iには、円からドルへの換算レートが記憶される。
【0053】
円→ユーロレートメモリ5jには、円からユーロへの換算レートが記憶される。
【0054】
円→ドルレートメモリ5i及び円→ユーロレートメモリ5jに記憶される各換算レートは、入力部3のレートキー3f及び置数キー3bの押下操作により、所望の値を登録することが可能である。
【0055】
ワークメモリ5wには、各種動作モードの制御処理に伴いCPU2により入出力されるデータや、指定されたアプリケーションプログラム、入力指示、入力データ及び処理結果等が一時格納される。
【0056】
ROM6は、計算装置1に対応する基本プログラムを格納するとともに、換算計算ソフトを格納している。
【0057】
換算計算ソフトには、四則演算等の各種演算を実行するための演算計算処理プログラムと、一の単位の数値を異なる単位の数値に換算して表示させるための即時換算表示処理プログラムとが含まれる。
【0058】
記憶装置7は、プログラムやデータ等を記憶する記憶媒体8を有しており、この記憶媒体8は磁気的、光学的記憶媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。この記憶媒体8は記憶装置7に固定的に設けたもの、若しくは着脱自在に装着するものであり、この記憶媒体8には当該計算装置1に対応する各種処理プログラム及び各処理プログラムで処理されたデータ等を記憶する。
【0059】
また、この記憶媒体8に記憶するプログラム、データ等は、通信回線等を介して接続された他の機器から受信して記憶する構成にしてもよく、更に、通信回線等を介して接続された他の機器側に前記記憶媒体8を備えた記憶装置を設け、この記憶媒体8に記憶されているプログラム、データ等を通信回線を介して使用する構成にしてもよい。
【0060】
次に動作を説明する。
図3、図4は、演算計算処理の流れを示すフローチャートであり、図5は、即時換算表示処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、複数の単位の数値について四則演算を行う場合の演算計算処理、即時換算表示処理について詳述する。
【0061】
まず、図3、図4を参照して、演算計算処理の流れを説明する。
計算装置1は、電源がONに設定されており、電源がONに設定された状態において起動する初期プログラムに従って、ROM6に格納されている演算計算ソフトに含まれる演算計算処理プログラム、及び即時換算表示処理プログラムがRAM5のワークメモリ5wに展開された状態となっている。また、RAM5の円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jには、それぞれ円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートが格納されており、CPU2は、入力部3のいずれかのキーの押下信号の入力待機状態を維持している。
【0062】
まずCPU2は、入力部3のいずれかのキーの押下操作の有無を判断する(ステップS101)。CPU2はいずれかのキーの押下信号を検出すると(ステップS101;Yes)、次いで、どのキーが押下操作されたのかを判断する(ステップS102)。キーの押下信号を検出しない場合は(ステップS101;No)、さらに、入力部3のいずれかのキーの押下信号の入力待機状態を維持する。
【0063】
押下操作されたキーがACキー3aである場合は(ステップS102;Yes)、CPU2はRAM5のXレジスタ5c、Yレジスタ5d、ドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gに記憶されているデータを消去し(ステップS103)、指定通貨メモリ5aにデフォルトの指定通貨として「円」をセットし(ステップS104)、指定通貨データメモリ5bに数値「0」をセットし(ステップS105)、さらに演算状態メモリ5eの演算状態を「初期」状態に設定して(ステップS106)、後述する即時換算表示処理(図5参照)を実行し(ステップS107)、その後、入力部3のいずれかのキーの押下信号の入力を待機する。
【0064】
入力部3のいずれかのキーが押下操作され(ステップS101;Yes)、押下操作されたキーが置数キー3bである場合は(ステップS102;No→ステップS110;Yes)、CPU2は、まずRAM5の演算状態メモリ5eに設定されている演算状態を確認する(ステップS111)。演算状態メモリ5eに設定されている演算状態が、「置数」状態または「演算キー後置数」状態である場合は(ステップS111;Yes)、CPU2はRAM5の指定通貨データメモリ5bに置数された数値を追加して記憶し(ステップS112)、後述する即時換算表示処理(図5参照)を実行する(ステップS113)。
【0065】
押下操作されたキーが置数キー3bであり、RAM5の演算状態メモリ5eに設定されている演算状態が「置数」状態または「演算キー後置数」状態でなく(ステップS111;No)、「初期」状態または「演算結果」状態である場合は(ステップS114;Yes)、CPU2は、この演算状態メモリ5eに設定される演算状態を「置数」状態に設定し(ステップS115)、指定通貨データメモリ5bに記憶されている指定通貨データを一旦消去した後に(ステップS116)、置数キー3bの押下操作により入力された数値を指定通貨データメモリ5bに追加して記憶し(ステップS112)、後述する即時換算表示処理(図5参照)を実行して(ステップS113)、その後、入力部3のいずれかのキーの押下信号の入力を待機する。
【0066】
押下操作されたキーが置数キー3bであり、RAM5の演算状態メモリ5eに設定されている演算状態が「置数」状態、「演算キー後置数」状態、「初期」状態または「演算結果」状態の何れでもない場合は(ステップS111;No、ステップS114;No)、CPU2は、この演算状態メモリ5eに設定される演算状態を「演算キー後置数」状態に設定し(ステップS117)、Xレジスタ5cにセットされている数値をYレジスタ5dに待避させ(ステップS118)、指定通貨データメモリ5bに記憶されている指定通貨データを一旦消去した後に(ステップS116)、置数キー3bの押下操作により入力された数値を指定通貨データメモリ5bに追加して記憶し(ステップS112)、後述する即時換算表示処理(図5参照)を実行して(ステップS113)、その後、入力部3のいずれかのキーの押下信号の入力を待機する。
【0067】
入力部3のいずれかのキーが押下操作され(ステップS101;Yes)、押下操作されたキーが演算キー3cである場合は(ステップS102;No→ステップS110;No→ステップS120;Yes)、CPU2は、まずRAM5の演算状態メモリ5eに設定されている演算状態を確認する(ステップS121)。演算状態メモリ5eに設定されている演算状態が、「演算キー後置数」状態である場合は(ステップS121;Yes)、CPU2は、RAM5の指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を参照して、Yレジスタ5dにセットされている数値を被演算数、Xレジスタ5cにセットされている数値を演算数として、当該演算数及び被演算数について当該指定中の演算を実行する(ステップS122)。そしてCPU2は、演算状態メモリ5eに設定される演算状態を「演算結果演算キー後」状態に設定する(ステップS123)。
【0068】
そして、CPU2は指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を入力部3の演算キー3cの押下操作により入力された演算に設定し(ステップS124)、後述する即時換算表示処理(ステップS125)を実行する。その後、入力部3のいずれかのキーの押下信号の入力を待機する。
【0069】
押下操作されたキーが演算キー3cであり、RAM5の演算状態メモリ5eに設定されている演算状態が「演算キー後置数」状態でない場合は(ステップS121;No)、CPU2は、この演算状態メモリ5eに設定される演算状態を「演算キー後」状態に設定し(ステップS126)、その後、CPU2は指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を入力部3の演算キー3cの押下操作により入力された演算に設定し(ステップS124)、後述する即時換算表示処理(ステップS125)を実行する。その後、入力部3のいずれかのキーの押下信号の入力を待機する。
【0070】
入力部3のいずれかのキーが押下操作され(ステップS101;Yes)、押下操作されたキーが「=」キー3dである場合は(ステップS102;No→ステップS110;No→ステップS120;No→ステップS130;Yes)、CPU2は、まずRAM5の演算状態メモリ5eに設定されている演算状態を確認する(ステップS131)。演算状態メモリ5eに設定されている演算状態が、「初期」状態または「演算結果」状態または「置数」状態である場合は(ステップS131;Yes)、CPU2は、演算状態メモリ5eに設定されている演算状態を、「初期」状態に設定し直し(ステップS132)、RAM5の指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を消去して(ステップS133)、後述する即時換算表示処理(図5参照)を実行し(ステップS134)、その後、入力部3のいずれかのキーの押下信号の入力を待機する。
【0071】
押下操作されたキーが「=」キー3dであり、RAM5の演算状態メモリ5eに設定されている演算状態が「初期」状態、「演算結果」状態、または「置数」状態でなく(ステップS131;No)、「演算キー後」状態または「演算結果演算キー後」状態である場合は(ステップS135;Yes)、CPU2は、RAM5の指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を参照して、Xレジスタ5cにセットされている数値を演算数及び被演算数として、当該指定中の演算に基づく演算を実行する(ステップS136)。そして演算状態メモリ5eに設定される演算状態を「演算結果」状態に設定し(ステップS137)、RAM5の指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を消去して(ステップS133)、後述する即時換算表示処理(図5参照)を実行し(ステップS134)、その後、入力部3のいずれかのキーの押下信号の入力を待機する。
【0072】
押下操作されたキーが「=」キー3dであり、RAM5の演算状態メモリ5eに設定されている演算状態が「初期」状態、「演算結果」状態、「置数」状態、「演算キー後」状態または「演算結果演算キー後」状態の何れでもなく(ステップS131;No、ステップS135;No)、「演算キー後置数」状態である場合は、CPU2は、RAM5の指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を参照して、Xレジスタ5cにセットされている数値を演算数、Yレジスタ5dにセットされている数値を被演算数として、当該指定中の演算に基づく演算を実行する(ステップS138)。そして演算状態メモリ5eに設定される演算状態を「演算結果」状態に設定し(ステップS137)、RAM5の指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を消去して(ステップS133)、後述する即時換算表示処理(図5参照)を実行し(ステップS134)、その後、入力部3のいずれかのキーの押下信号の入力を待機する。
【0073】
入力部3のいずれかのキーが押下操作され(ステップS101;Yes)、押下操作されたキーが、単位指定キー3eである場合は(ステップS102;No→ステップS110;No→ステップS120;No→ステップS130;No→ステップS140;Yes)、CPU2は、単位指定キー3eの操作に対応してRAM5の指定通貨メモリ5aに設定される指定通貨を変更する(ステップS141)。即ち、表示部4に表示されるカーソルKの位置が、例えば円表示位置4fからドル表示位置4dに移動された場合は、指定通貨メモリ5aに設定される指定通貨を「ドル」に変更して設定する。
【0074】
また例えば、単位指定キー3eが、カーソルKの移動により単位を指定するものでなく、直接「円」、「ドル」、「ユーロ」等の単位を表すものである場合は、その直接指示された通貨を指定通貨メモリ5aに設定する。
【0075】
そして、CPU2は、RAM5の指定通貨データメモリ5bに記憶されている指定通貨データを、指定通貨に対応するレジスタの値に更新して記憶する(ステップS142)。即ち、例えば、指定通貨をドルに変更した場合は、指定通貨データメモリ5bにはドルレジスタ5fにセットされている数値が記憶される。その後、CPU2は後述する即時換算表示処理(図5参照)を実行し(ステップS143)、入力部3のいずれかのキーの押下信号の入力を待機する。
【0076】
入力部3のいずれかのキーが押下操作され(ステップS101;Yes)、押下操作されたキーが、ACキー3a、置数キー3b、演算キー3c、「=」キー3d、単位指定キー3eの何れでもない場合は(ステップS102;No→ステップS110;No→ステップS120;No→ステップS130;No→ステップS140;No)、CPU2は、押下操作されたキーに応じてその他の処理を行う。その他の処理としては、例えば、入力部3のレートキー3fが押下操作された場合に、各通貨単位間の換算レートを登録する処理などが挙げられる。
【0077】
次に、図5を参照して即時換算表示処理を説明する。
即時換算表示処理において、CPU2はまず、RAM5の演算状態メモリ5eに設定されている演算状態を確認する(ステップS201)。演算状態が「演算結果」状態、または「演算結果演算キー後」状態である場合は(ステップS201;Yes)、CPU2はRAM5の円→ドルレートメモリ5iに記憶されている円からドルへの換算レートを読み出し、円→ユーロレートメモリ5jに記憶されている円からユーロへの換算レートを読み出す(ステップS202)。
【0078】
そしてXレジスタ5cにセットされている数値を読み出して、円からドルへの換算レートに基いて当該数値をドルを単位とする数値に換算しドルレジスタ5fにセットする。同様に、Xレジスタ5cにセットされている数値を円からユーロへの換算レートに基いて、ユーロを単位とする数値に換算しユーロレジスタ5gにセットする(ステップS203)。
【0079】
ステップS201の演算状態の判断において、演算状態メモリ5eに設定されている演算状態が、「演算結果」状態または「演算結果演算キー後」状態でない場合は(ステップS201;No)、CPU2は、次いで、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されているか否かを判断する(ステップS204)。演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されていない場合、即ち演算状態が「初期」状態、「置数」状態、「演算キー後」状態である場合は(ステップS204;No)、CPU2はRAM5の円→ドルレートメモリ5iに記憶されている円からドルへの換算レートを読み出し、円→ユーロレートメモリ5jに記憶されている円からユーロへの換算レートを読み出す(ステップS205)。
【0080】
そして指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値を読み出して、この数値を指定通貨に対応するレジスタにセットするとともに、換算レートに基いて他の通貨単位の数値に換算して、対応する通貨単位のレジスタに換算結果をセットする(ステップS206)。即ち、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨が「円」である場合は、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値は、「円」を単位とする数値であるので、この数値をXレジスタ5cにセットし、また、この数値を「円」以外の通貨、即ち「ドル」及び「ユーロ」にそれぞれ換算し、換算により求めた数値をそれぞれドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする。
【0081】
また、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨が「ドル」である場合は、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値は、「ドル」を単位とする数値であるので、この数値をドルレジスタ5fにセットし、また、この数値を「ドル」以外の通貨、即ち「円」及び「ユーロ」にそれぞれ換算し、換算により求めた数値をそれぞれXレジスタ5c、ユーロレジスタ5gにセットする。
【0082】
同様に、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨が「ユーロ」である場合は、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値は、「ユーロ」を単位とする数値であるので、この数値をユーロレジスタ5gにセットし、また、この数値を「ユーロ」以外の通貨、即ち「円」及び「ドル」にそれぞれ換算し、換算により求めた数値をそれぞれXレジスタ5c、ドルレジスタ5fにセットする。
【0083】
ステップS204の演算状態の判断において、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されている場合は(ステップS204;Yes)、CPU2はRAM5の指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を確認する(ステップS207)。指定中の演算が乗算、または除算である場合は(ステップS207;Yes)、CPU2は指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値をXレジスタ5c、ドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする(ステップS208)。
【0084】
指定中の演算が乗算、または除算でない場合、即ち加算、或いは減算である場合は(ステップS207;No)、CPU2はRAM5の円→ドルレートメモリ5iに記憶されている円からドルへの換算レートを読み出し、円→ユーロレートメモリ5jに記憶されている円からユーロへの換算レートを読み出す(ステップS205)。
【0085】
そして指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値を読み出して、この数値を指定通貨に対応するレジスタにセットするとともに、換算レートに基いて他の通貨単位の数値に換算して、対応する通貨単位のレジスタに換算結果をセットする(ステップS206)。
【0086】
各演算状態に応じて、それぞれ処理を実行し、ステップS203、ステップS206、ステップS208において各レジスタに数値がセットされると、CPU2は、次に、Xレジスタ5c、ドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットされた数値を表示部4の所定の表示欄に表示させる(ステップS209)。
【0087】
即ち、Xレジスタ5cにセットされた数値は表示部4の円表示欄4eに表示され、ドルレジスタ5fにセットされた数値はドル表示欄4cに表示され、ユーロレジスタ5gにセットされた数値はユーロ表示欄4aに表示される。
【0088】
また、CPU2はRAM5の指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照し、当該指定通貨に対応する通貨単位シンボルにカーソルKを移動して強調させるように表示させる(ステップS210)。
【0089】
即ち、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨が「円」である場合は、表示部4の「円」シンボル4fにカーソルKを移動して強調表示する。同様に、指定通貨が「ドル」に設定されている場合は、表示部4の「ドル」シンボル4dにカーソルKを移動して強調表示し、また、指定通貨が「ユーロ」に設定されている場合は、表示部4の「ユーロ」シンボル4bにカーソルKを移動して強調表示する。
【0090】
なお、通貨単位シンボルを強調表示させる方法として、カーソルKを指定通貨の通貨単位シンボルに移動させて表示する方法の他、指定通貨の通貨単位シンボルの色を他の通貨単位シンボルの色と異なるように表示させる、或いは、指定通貨の通貨単位シンボルを他の通貨単位シンボルと異なる字体で表示させてもよい。
【0091】
そしてCPU2は、RAM5の指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を参照して、指定中の演算に対応する演算シンボルSを表示部4に表示する(ステップS211)。指定中の演算が「加算」である場合は、演算シンボルSは「+」により表され、指定中の演算が「減算」である場合は、演算シンボルSは「−」により表され、指定中の演算が「乗算」である場合は、演算シンボルSは「×」により表され、指定中の演算が「除算」である場合は、演算シンボルSは「÷」により表される。
【0092】
以上のように、CPU2は表示部4に複数の通貨単位により表される数値を並列的に表示し、指定通貨に対応する通貨単位シンボルを強調表示し、指定中の演算シンボルSを表示させると、本即時換算表示処理を終了し、入力部3の各種キーに対する押下操作を待機する。
【0093】
次に、本計算装置1の動作と表示例を、図6〜図8を参照して、具体例を示して説明する。
具体例として、次に示す式(1)の演算結果を、計算装置1を用いて算出する。
【0094】
{1500(円)×3+25(ドル)−35(ユーロ)}÷4・・・(1)
【0095】
図6〜図8は、上述の式の演算結果を算出する過程における各段階毎の表示例を示す図である。
【0096】
まず、計算装置1の電源がONにセットされており、さらに入力部3のACキー3aの操作等により、RAM5の演算状態メモリ5eには「初期」状態が設定されているものとする。即ち、Xレジスタ5c、Yレジスタ5d、ドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gは、クリアされており、また指定通貨メモリ5aには、デフォルトの通貨単位である「円」が設定され、指定通貨データメモリ5bには「0」が記憶されている状態となる。この状態において、表示部4には何も表示されていない(図示せず)。また、円からドルへの換算レートとして、1(ドル)=115(円)が円→ドルレートメモリ5iに記憶され、円からユーロへの換算レートとして、1(ユーロ)=132.5(円)が円→ユーロレートメモリ5jに記憶されているものとする。
【0097】
この「初期」状態において、入力部3の置数キー3bの押下操作により、数値「1」が入力されると(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;Yes→ステップS111;No→ステップS114;Yes)、CPU2は、演算状態メモリ5eを「置数」状態に設定し(ステップS115)、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値を一旦クリアして(ステップS116)、入力された数値「1」を指定通貨データメモリ5bに記憶する(ステップS112)。
【0098】
次いで、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「置数」状態に設定されているので(ステップS113→ステップS201;No→ステップS204;No)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS205)、指定通貨メモリ5aに記憶されている指定通貨が「円」であるので、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値「1」をXレジスタ5cにセットするとともに、この数値「1」をドル及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする(ステップS206)。この際、ドルレジスタ5fには「0.0086956」、ユーロレジスタ5gには「0.0075471」がセットされる。
【0099】
その後CPU2は、図6(a)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「1」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「0.0086956」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「0.0075471」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「円」シンボル4fにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。指定中の演算メモリ5hには指定中の演算が記憶されていないので、演算シンボルSは表示しない。
【0100】
次いで、入力部3の置数キー3bの押下操作により、数値「5」が入力され(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;Yes)、演算状態が「置数」状態に設定されていることを確認すると(ステップS111;Yes)、CPU2は入力された数値「5」を指定通貨データメモリ5bに追加記憶する(ステップS112)。即ち、指定通貨データメモリ5bには数値「15」が記憶された状態となる。
【0101】
その後CPU2は、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「置数」状態に設定されているので(ステップS113→ステップS201;No→ステップS204;No)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS205)、指定通貨メモリ5aに記憶されている指定通貨が「円」であるので、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値「15」をXレジスタ5cにセットするとともに、この数値「15」をドル及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする(ステップS206)。この際、ドルレジスタ5fには「0.1304347」、ユーロレジスタ5gには「0.1132075」がセットされる。
【0102】
CPU2は、図6(b)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「15」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「0.1304347」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「0.1132075」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「円」シンボル4fにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS211)。指定中の演算メモリ5hには指定中の演算が記憶されていないので、演算シンボルSは表示しない。
【0103】
また、入力部3の置数キー3bの押下操作により、数値「0」が入力され(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;Yes)、演算状態が「置数」状態に設定されていることを確認すると(ステップS111;Yes)、CPU2は入力された数値「0」を指定通貨データメモリ5bに追加記憶する(ステップS112)。即ち、指定通貨データメモリ5bには数値「150」が記憶された状態となる。
【0104】
次いでCPU2は、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「置数」状態に設定されているので(ステップS113→ステップS201;No→ステップS204;No)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS205)、指定通貨メモリ5aに記憶されている指定通貨が「円」であるので、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値「150」をXレジスタ5cにセットするとともに、この数値「150」をドル及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする(ステップS206)。この際、ドルレジスタ5fには「1.3043478」、ユーロレジスタ5gには「1.1320754」がセットされる。
【0105】
その後CPU2は、図6(c)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「150」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「1.3043478」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「1.1320754」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「円」シンボル4fにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。指定中の演算メモリ5hには指定中の演算が記憶されていないので、演算シンボルSは表示しない。
【0106】
さらに、入力部3の置数キー3bの押下操作により、数値「0」が入力され(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;Yes)、演算状態が「置数」状態に設定されていることを確認すると(ステップS111;Yes)、CPU2は入力された数値「0」を指定通貨データメモリ5bに追加記憶する(ステップS112)。即ち、指定通貨データメモリ5bには数値「1500」が記憶された状態となる。
【0107】
次いでCPU2は、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「置数」状態に設定されているので(ステップS113→ステップS201;No→ステップS204;No)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS205)、指定通貨メモリ5aに記憶されている指定通貨が「円」であるので、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値「1500」をXレジスタ5cにセットするとともに、この数値「1500」をドル及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする(ステップS206)。この際、ドルレジスタ5fには「13.043478」、ユーロレジスタ5gには「11.320754」がセットされる。
【0108】
その後CPU2は、図6(d)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「1500」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「13.043478」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「11.320754」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「円」シンボル4fにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。指定中の演算メモリ5hには指定中の演算が記憶されていないので、演算シンボルSは表示しない。
【0109】
次に、入力部3の演算キー3cの「×」キーが押下操作されることにより、演算種として「乗算」が指定され(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;No→ステップS120;Yes)、演算状態が「置数」状態に設定されていることを確認すると(ステップS121;No)、CPU2は演算状態メモリ5eの演算状態を「演算キー後」状態に設定する(ステップS126)。そして入力された演算である「乗算」を指定中の演算メモリ5hに記憶する(ステップS124)。
【0110】
その後、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算キー後」状態に設定されているので(ステップS125→ステップS201;No→ステップS204;No)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS205)、指定通貨メモリ5aに記憶されている指定通貨が「円」であるので、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値「1500」をXレジスタ5cにセットするとともに、この数値「1500」をドル及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする(ステップS206)。この際、ドルレジスタ5fには「13.043478」、ユーロレジスタ5gには「11.320754」がセットされる。
【0111】
CPU2は、図6(e)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「1500」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「13.043478」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「11.320754」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「円」シンボル4fにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。そして、指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算「乗算」を示す演算シンボルS「×」を表示する(ステップS211)。
【0112】
その後、入力部3の置数キー3bの押下操作により、数値「3」が入力された際に(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;Yes)、演算状態が「演算キー後」状態に設定されているので(ステップS111;No→ステップS114;No)、演算状態メモリ5eの演算状態を「演算キー後置数」状態に設定し(ステップS117)、Xレジスタ5cにセットされている数値をYレジスタ5dに待避させる(ステップS118)。この状態では、Xレジスタ5cには「1500」がセットされた状態であるので、Yレジスタ5dに「1500」をセットする(ステップS118)。
【0113】
そして、CPU2は指定通貨データメモリ5bを一旦クリアした後に(ステップS116)、入力された数値「3」を記憶する(ステップS112)。
【0114】
次いでCPU2は、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されているので(ステップS113→ステップS201;No→ステップS204;Yes)、CPU2は、指定中の演算メモリ5hに設定されている演算が「乗算」または「除算」であるか否かを判断する(ステップS207)。指定中の演算は「乗算」であるので(ステップS207;Yes)、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値をそのまま、Xレジスタ5c、ドルレジスタ5f、Yレジスタ5dにセットする(ステップS208)。即ち、Xレジスタ5c、ドルレジスタ5f、Yレジスタ5dにはそれぞれ「3」がセットされる。
【0115】
その後CPU2は、図7(a)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「3」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「3」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「3」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「円」シンボル4fにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。また、指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算は「乗算」であるので演算シンボルS「×」を表示する(ステップS211)。
【0116】
なお、ステップS207の判断において、指定中の演算が乗算または除算であると判断された場合に、Xレジスタ5c、ドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットされている数値を各表示欄に表示させる際には、入力された数値の換算を行わないので、「円」シンボル4f、「ドル」シンボル4d、「ユーロ」シンボル4b等を表示させないようにしてもよい。
【0117】
次いで、入力部3の演算キー3cの「+」キーが押下操作されることにより、「加算」が指定され(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;No→ステップS120;Yes)、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されていることを確認すると(ステップS121;Yes)、CPU2は、Yレジスタ5dにセットされた数値を被演算数、Xレジスタ5cにセットされた数値を演算数として、指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を行う。この場合は、Yレジスタ5dにセットされている数値が「1500」、Xレジスタ5cにセットされている数値が「3」、指定中の演算が「乗算」であるので、「1500×3」を演算する。CPU2は演算結果「4500」をXレジスタ5cにセットする(ステップS122)。
【0118】
さらにCPU2は、演算状態メモリ5eの演算状態を「演算結果演算キー後」状態に設定し(ステップS123)、さらに入力された演算である「加算」を指定中の演算メモリ5hに記憶する(ステップS124)。
【0119】
そしてCPU2は、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算結果演算キー後」状態に設定されているので(ステップS125→ステップS201;Yes)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS202)、Xレジスタ5cにセットされている数値「4500」を、ドル及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする。この際、ドルレジスタ5fには「39.130434」、ユーロレジスタ5gには「33.962264」がセットされる(ステップS203)。
【0120】
その後CPU2は、図7(b)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「4500」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「39.130434」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「33.962264」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「円」シンボル4fにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。そして、指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算「加算」を示す演算シンボルS「+」を表示する(ステップS211)。
【0121】
次いで、入力部3の単位指定キー3eの押下操作により、「↑」が入力された際に(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;No→ステップS120;No→ステップS130;No→ステップS140;Yes)、CPU2は単位指定キー3e「↑」の操作に応じて、指定通貨を変更する。即ち、単位指定キー3e「↑」の1回の押下操作により「円」から「ドル」へ単位を変更し、さらにこの状態から単位指定キー3e「↑」を押下操作すると「ドル」から「ユーロ」へ単位を変更し、さらに単位指定キー3e「↑」を押下操作すると「ユーロ」から「円」へ単位を変更する。単位指定キー3e「↓」が操作された場合は、その逆の順序で単位を変更する。
【0122】
単位指定キー3eの操作により、通貨単位「ドル」が指定されると、CPU2は、指定通貨メモリ5aの指定通貨「ドル」に設定し(ステップS141)、この指定通貨ドルに対応するレジスタであるドルレジスタ5fにセットされている数値「39.130434」を指定通貨データメモリ5bに記憶する(ステップS142)。
【0123】
そして、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算結果演算キー後」状態に設定されているので(ステップS143→ステップS201;Yes)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS202)、Xレジスタ5cにセットされている数値「4500」を、ドル及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする。この際、ドルレジスタ5fには「39.130434」、ユーロレジスタ5gには「33.962264」がセットされる(ステップS203)。
【0124】
その後CPU2は、図7(c)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「4500」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「39.130434」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「33.962264」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「ドル」シンボル4dにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。そして、指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算「加算」を示す演算シンボルS「+」を表示する(ステップS211)。
【0125】
次に、入力部3の置数キー3bの押下操作により、数値「2」が入力された際に(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;Yes)、演算状態が「演算結果演算キー後」状態に設定されているので(ステップS111;No→ステップS114;No)、演算状態メモリ5eに「演算キー後置数」状態を設定し(ステップS117)、Xレジスタ5cにセットされている数値をYレジスタ5dに待避させる(ステップS118)。この状態では、Xレジスタ5cには「4500」がセットされた状態であるので、Yレジスタ5dに「4500」をセットする(ステップS118)。
【0126】
そして、CPU2は指定通貨データメモリ5bを一旦クリアした後に(ステップS116)、入力された数値「2」を記憶する(ステップS112)。
【0127】
次いで、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されているので(ステップS113→ステップS201;No→ステップS204;Yes)、CPU2は、指定中の演算メモリ5hに設定されている演算が「乗算」または「除算」であるか否かを判断する(ステップS207)。指定中の演算は「加算」であるので(ステップS207;No)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS205)、指定通貨メモリ5aに記憶されている指定通貨が「ドル」であるので、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値「2」をドルレジスタ5fにセットするとともに、この数値「2」を円及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれXレジスタ5c、ユーロレジスタ5gにセットする(ステップS206)。この際、Xレジスタ5cには「230」、ユーロレジスタ5gには「1.7358490」がセットされる。
【0128】
その後CPU2は、Xレジスタ5cにセットされている数値「230」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「2」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「1.7358490」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「ドル」シンボル4dにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。また、指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算は「加算」であるので演算シンボルS「+」を表示する(ステップS211)。
【0129】
次に、入力部3の置数キー3bの押下操作により、数値「5」が入力された際に(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;Yes)、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されているので(ステップS111;Yes)、CPU2は指定通貨データメモリ5bに、入力された数値「5」を追加記憶する(ステップS112)。即ち、指定通貨データメモリ5bには数値「25」が記憶された状態となる。
【0130】
次いで、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されているので(ステップS113→ステップS201;No→ステップS204;Yes)、CPU2は、指定中の演算メモリ5hに設定されている演算が「乗算」または「除算」であるか否かを判断する(ステップS207)。指定中の演算は「加算」であるので(ステップS207;No)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS205)、指定通貨メモリ5aに記憶されている指定通貨が「ドル」であるので、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値「25」をドルレジスタ5fにセットするとともに、この数値「25」を円及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれXレジスタ5c、ユーロレジスタ5gにセットする(ステップS206)。この際、Xレジスタ5cには「2875」、ユーロレジスタ5gには「21.698113」がセットされる。
【0131】
その後CPU2は、図7(d)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「2875」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「25」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「21.698113」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「ドル」シンボル4dにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。また、指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算は「加算」であるので演算シンボルS「+」を表示する(ステップS211)。
【0132】
次いで、入力部3の演算キー3cの「−」キーが押下操作されることにより、「減算」が指定され(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;No→ステップS120;Yes)、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されていることを確認すると(ステップS121;Yes)、CPU2は、Yレジスタ5dにセットされた数値を被演算数、Xレジスタ5cにセットされた数値を演算数として、指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を行う。この場合は、Yレジスタ5dにセットされている数値が「4500」、Xレジスタ5cにセットされている数値が「2875」、指定中の演算が「加算」であるので、「4500+2875」を演算する。CPU2は演算結果「7375」をXレジスタ5cにセットする(ステップS122)。
【0133】
さらにCPU2は、演算状態メモリ5eの演算状態を「演算結果演算キー後」状態に設定し(ステップS123)、さらに入力された演算である「減算」を指定中の演算メモリ5hに記憶する(ステップS124)。
【0134】
次いで、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算結果演算キー後」状態に設定されているので(ステップS125→ステップS201;Yes)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS202)、Xレジスタ5cにセットされている数値「7375」を、ドル及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする。この際、ドルレジスタ5fには「64.130434」、ユーロレジスタ5gには「55.660377」がセットされる(ステップS203)。
【0135】
その後CPU2は、図7(e)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「7375」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「64.130434」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「55.660377」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「ドル」シンボル4dにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。そして、指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算「減算」を示す演算シンボルS「−」を表示する(ステップS211)。
【0136】
次いで、入力部3の単位指定キー3eの押下操作により、「↑」が入力された際に(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;No→ステップS120;No→ステップS130;No→ステップS140;Yes)、CPU2は単位指定キー3e「↑」の操作に応じて、指定通貨を変更する。通貨単位「ユーロ」が指定されると、CPU2は、指定通貨メモリ5aの指定通貨「ユーロ」に設定し(ステップS141)、この指定通貨「ユーロ」に対応するレジスタであるユーロレジスタ5gにセットされている数値「55.660377」を指定通貨データメモリ5bに記憶する(ステップS142)。
【0137】
そしてCPU2は、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算結果演算キー後」状態に設定されているので(ステップS143→ステップS201;Yes)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS202)、Xレジスタ5cにセットされている数値「7375」を、ドル及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする。この際、ドルレジスタ5fには「64.130434」、ユーロレジスタ5gには「55.660377」がセットされる(ステップS203)。
【0138】
その後CPU2は、図8(a)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「7375」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「64.130434」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「55.660377」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「ユーロ」シンボル4bにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。そして、指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算「減算」を示す演算シンボルS「−」を表示する(ステップS211)。
【0139】
次に、入力部3の置数キー3bの押下操作により、数値「3」が入力された際に(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;Yes)、演算状態が「演算結果演算キー後」状態に設定されているので(ステップS111;No→ステップS114;No)、演算状態メモリ5eに「演算キー後置数」状態を設定し(ステップS117)、Xレジスタ5cにセットされている数値をYレジスタ5dに待避させる(ステップS118)。この状態では、Xレジスタ5cには「7375」がセットされた状態であるので、Yレジスタ5dに「7375」をセットする(ステップS118)。
【0140】
そして、CPU2は指定通貨データメモリ5bを一旦クリアした後に(ステップS116)、入力された数値「3」を記憶する(ステップS112)。
【0141】
次いで、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されているので(ステップS113→ステップS201;No→ステップS204;Yes)、CPU2は、指定中の演算メモリ5hに設定されている演算が「乗算」または「除算」であるか否かを判断する(ステップS207)。指定中の演算は「減算」であるので(ステップS207;No)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS205)、指定通貨メモリ5aに記憶されている指定通貨が「ユーロ」であるので、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値「3」をユーロレジスタ5gにセットするとともに、この数値「3」を円及びドルに換算し、換算結果をそれぞれXレジスタ5c、ドルレジスタ5fにセットする(ステップS206)。この際、Xレジスタ5cには「397.5」、ドルレジスタ5fには「3.4565217」がセットされる。
【0142】
その後CPU2は、Xレジスタ5cにセットされている数値「397.5」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「3.4565217」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「3」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「ユーロ」シンボル4bにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。また、指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算は「減算」であるので演算シンボルS「−」を表示する(ステップS211)。
【0143】
次に、入力部3の置数キー3bの押下操作により、数値「5」が入力された際に(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;Yes)、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されているので(ステップS111;Yes)、CPU2は指定通貨データメモリ5bに、入力された数値「5」を追加記憶する(ステップS112)。即ち、指定通貨データメモリ5bには数値「35」が記憶された状態となる。
【0144】
次いで、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されているので(ステップS113→ステップS201;No→ステップS204;Yes)、CPU2は、指定中の演算メモリ5hに設定されている演算が「乗算」または「除算」であるか否かを判断する(ステップS207)。指定中の演算は「減算」であるので(ステップS207;No)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS205)、指定通貨メモリ5aに記憶されている指定通貨が「ユーロ」であるので、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値「35」をユーロレジスタ5fにセットするとともに、この数値「35」を円及びドルに換算し、換算結果をそれぞれXレジスタ5c、ドルレジスタ5fにセットする(ステップS206)。この際、Xレジスタ5cには「4637.5」、ドルレジスタ5fには「40.326086」がセットされる。
【0145】
その後CPU2は、図7(d)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「4637.5」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「40.326086」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「35」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「ユーロ」シンボル4dにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。また、指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算は「減算」であるので演算シンボルS「−」を表示する(ステップS211)。
【0146】
次に、入力部3の演算キー3cの「÷」キーが押下操作されることにより、「除算」が指定され(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;No→ステップS120;Yes)、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されていることを確認すると(ステップS121;Yes)、CPU2は、Yレジスタ5dにセットされた数値を被演算数、Xレジスタ5cにセットされた数値を演算数として、指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を行う。この場合は、Yレジスタ5dにセットされている数値が「7375」、Xレジスタ5cにセットされている数値が「4637.5」、指定中の演算が「減算」であるので、「7375−4637.5」を演算する。CPU2は演算結果「2737.5」をXレジスタ5cにセットする(ステップS122)。
【0147】
さらにCPU2は、演算状態メモリ5eの演算状態を「演算結果演算キー後」状態に設定し(ステップS123)、さらに入力された演算である「除算」を指定中の演算メモリ5hに記憶する(ステップS124)。
【0148】
そしてCPU2は、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算結果演算キー後」状態に設定されているので(ステップS125→ステップS201;Yes)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS202)、Xレジスタ5cにセットされている数値「2737.5」を、ドル及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする。この際、ドルレジスタ5fには「23.804347」、ユーロレジスタ5gには「30.660377」がセットされる(ステップS203)。
【0149】
CPU2は、図8(c)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「2737.5」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「23.804347」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「20.660377」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「ユーロ」シンボル4bにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。そして、指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算である「除算」を示す演算シンボルS「÷」を表示する(ステップS211)。
【0150】
その後、入力部3の置数キー3bの押下操作により、数値「4」が入力された際に(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;Yes)、演算状態が「演算結果演算キー後」状態に設定されているので(ステップS111;No→ステップS114;No)、演算状態メモリ5eに「演算キー後置数」状態を設定し(ステップS117)、Xレジスタ5cにセットされている数値をYレジスタ5dに待避させる(ステップS118)。この状態では、Xレジスタ5cには「2737.5」がセットされた状態であるので、Yレジスタ5dに「2737.5」をセットする(ステップS118)。
【0151】
そして、CPU2は指定通貨データメモリ5bを一旦クリアした後に(ステップS116)、入力された数値「4」を記憶する(ステップS112)。
【0152】
次いでCPU2は、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されているので(ステップS113→ステップS201;No→ステップS204;Yes)、CPU2は、指定中の演算メモリ5hに設定されている演算が「乗算」または「除算」であるか否かを判断する(ステップS207)。指定中の演算は「除算」であるので(ステップS207;Yes)、指定通貨データメモリ5bに記憶されている数値をそのまま、Xレジスタ5c、ドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする(ステップS208)。即ち、Xレジスタ5c、ドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにはそれぞれ「4」がセットされる。
【0153】
その後CPU2は、図8(d)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「4」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「4」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「4」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「ユーロ」シンボル4bにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。また、指定中の演算メモリ5hに記憶されている指定中の演算は「除算」であるので演算シンボルS「÷」を表示する(ステップS211)。
【0154】
なお、ステップS207の判断において、指定中の演算が乗算または除算であると判断された場合に、Xレジスタ5c、ドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットされている数値を各表示欄に表示させる際には、入力された数値の換算を行わないので、「円」シンボル4f、「ドル」シンボル4d、「ユーロ」シンボル4b等を表示させないようにしてもよい。
【0155】
次いで、入力部3の演算キー3cの「=」キー3dが押下操作され(ステップS101;Yes→ステップS102;No→ステップS110;No→ステップS120;No→ステップS130;Yes)、演算状態が「演算キー後置数」状態に設定されていることを確認すると(ステップS131;No→ステップS135;No)、CPU2は、Yレジスタ5dにセットされた数値を被演算数、Xレジスタ5cにセットされた数値を演算数として、指定中の演算メモリ5hに設定されている指定中の演算を行う。この場合は、Yレジスタ5dにセットされている数値が「2737.5」、Xレジスタ5cにセットされている数値が「4」、指定中の演算が「除算」であるので、「2737.5÷4」を演算する。CPU2は演算結果「684.375」をXレジスタ5cにセットする(ステップS138)。
【0156】
さらにCPU2は、演算状態メモリ5eの演算状態を「演算結果」状態に設定し(ステップS137)、さらに指定中の演算メモリ5hをクリアする(ステップS133)。
【0157】
そしてCPU2は、即時換算表示処理を実行するが、演算状態が「演算結果」状態に設定されているので(ステップS134→ステップS201;Yes)、CPU2は円からドルへの換算レート、円からユーロへの換算レートをそれぞれ円→ドルレートメモリ5i、円→ユーロレートメモリ5jから読み出して(ステップS202)、Xレジスタ5cにセットされている数値「684.375」を、ドル及びユーロに換算し、換算結果をそれぞれドルレジスタ5f、ユーロレジスタ5gにセットする。この際、ドルレジスタ5fには「5.9510869」、ユーロレジスタ5gには「5.1650943」がセットされる(ステップS203)。
【0158】
その後CPU2は、図8(e)に示すように、Xレジスタ5cにセットされている数値「684.375」を円表示欄4eに、ドルレジスタ5fにセットされている数値「5.9510869」をドル表示欄4cに、ユーロレジスタ5gにセットされている数値「5.1650943」をユーロ表示欄4aに表示し(ステップS209)、指定通貨メモリ5aに設定されている指定通貨を参照して、「ユーロ」シンボル4bにカーソルKを表示することにより指定通貨を強調して表示する(ステップS210)。指定中の演算メモリ5hはクリアされているので演算シンボルSは表示されない。
【0159】
以上、式(1)「{1500(円)×3+25(ドル)−35(ユーロ)}÷4」の最終的な演算結果を複数の単位の数値で得ることができる。
【0160】
以上説明したように、本発明に係る計算装置1において、入力部3の各種キー操作により数値や演算種などの演算に関する情報が入力されると、CPU2は設定されている演算状態を判断し、演算状態に応じて、入力された数値や演算種等の演算に関する情報について所定の演算等の処理を実行し、入力された数値及び演算の途中結果または最終的な結果等の演算結果を他の単位に換算して複数の単位で並列的に表示させる。
【0161】
また、CPU2は置数される毎に、入力された数値を他の単位に換算し、また、入力された単位の数値と他の単位に換算された数値とを置数される毎に、並列的に表示させる。そして、入力する数値の単位が指定された際は、数値や演算結果を複数の単位で並列的に表示させるとともに、この指定された単位を明確に示す。
【0162】
更に、演算の途中において単位指定キー3eの操作により単位が指定されると、指定通貨メモリ5aに指定された単位を設定し、入力された数値を指定された単位であると認識し、この入力された数値を所定の単位(例えば、上述の説明では、Xレジスタ5c、Yレジスタ5dにセットされる「円」を単位とする数値)で演算を行い、入力された数値や演算結果を他の単位(「ドル」、「ユーロ」)に換算して、表示部4に並列的に表示させる。この際、指定された単位にはカーソルKが示され、強調して表示される。
【0163】
従って、入力された数値や、被演算数と演算数とが同一の単位の数値についての演算結果、または被演算数と演算数とが互いに異なる単位の数値についての演算結果が、それぞれ他の単位に換算されて複数の単位で並列的に表示されるので、入力された数値や演算結果を複数の単位で同時に確認することが可能となる。また、入力された数値や演算の結果を複数の単位に換算して表示させるために特別な操作をなんら要しないので、操作が容易となり、使用しやすい計算装置を提供することができる。
【0164】
また、置数する毎に、入力された数値が他の単位に換算されて複数の単位で並列的に表示され、また演算種を入力する毎に演算の途中結果が他の単位に換算されて複数の単位で並列的に表示されるので、数値の入力や演算の途中において、各数値を複数の単位で確認することが可能となり、演算途中における数値の入力ミスや演算の正誤を確認しながら換算計算を伴う演算を実行できるので、使用しやすい計算装置を提供することができる。
【0165】
更に、数値を入力する際に、この入力される数値の単位を変更する場合は、単位指定の操作により所望の単位へ変更して入力することができ、また指定された単位と換算された他の単位の数値とを並列的に表示するので、各項の単位が異なる数値を含む式について演算を行う際は、演算途中に単位を指定して数値を入力することが可能となる。また、指定されている単位を明確に示すので、入力しようとする数値の単位の確認が容易となる。その結果、入力する数値の単位を切り替えることによる演算の中断や、途中結果の数値の単位換算等を行う必要がなく、式どおりの演算の流れを妨げずに、数値を入力して演算させることが可能となり、使用しやすい計算装置を提供することができる。
【0166】
なお、上述の実施の形態は、複数の通貨の単位の演算、換算計算及び表示を例としたが、通貨単位に限ることなく、換算可能な単位間での換算計算に適用してもよい。通貨単位以外の適用例としては、長さの単位(メートル、尺、フィート等)、重さの単位(グラム、ポンド等)、時間の単位(時間、分、秒等)等がある。
【0167】
また、本実施の形態においては、四則演算等の演算を行う際は、入力された単位を一旦、固定の単位(単位「円」)に換算し、この固定の単位で演算を行った後に、他の単位(「ドル」、「ユーロ」等)へ換算して、これらの複数の単位で演算結果を並列的に表示させるものとしたが、本発明はこれに限ることなく、指定された単位で演算を行って、その演算結果を他の単位に換算して、複数の単位で演算結果を並列的に表示させるものとしてもよい。
【0168】
さらに、本計算装置1において、通常の四則演算以外の演算、例えば、面積計算、体積計算、密度計算、熱量計算、力学計算、電磁気学計算、その他の数学や物理の分野において行われる各種演算等に適用してもよい。
この場合、入力部3に実行する演算を指定する演算モードキー等を備え、通常の四則演算の他の、上述の数学、物理等の分野における各種演算を指定できるようにする。
【0169】
即ち、例として、長方形の面積を求める演算を指定して実行する場合は、面積を算出する公式「縦の長さ×横の長さ=長方形の面積」に基いて、入力部3のキー操作により「長方形の縦の長さ」の数値を示す置数キー3b、乗算を示す演算キー3c「×」、「長方形の横の長さ」の数値を示す置数キー3bを押下操作し、数値や演算種を入力する。この場合、「長方形の縦の長さ」の単位が「メートル」であり、「長方形の横の長さ」の単位が「センチメートル」である場合は、互いの単位を揃えるための換算を行う。即ち、入力された「長方形の横の長さ」の数値を「センチメートル」から「メートル」へ換算することにより、「長方形の縦の長さ」の数値と同一の単位とする。その後、乗算を実行する。
【0170】
更に算出した面積の単位は、「平方メートル」であるが、「平方メートル」以外の他の面積の単位、例えば「ヘクタール」や「坪」などの単位へ換算し、これらの複数の単位の数値を表示部4に並列的に表示させる。
【0171】
このように、実行する演算に応じて、入力された数値を被演算数と同一の単位に換算して演算数とし、または、入力された数値をそのまま被演算数として演算を実行するので、被演算数と演算数との単位が異なる数値について様々な演算を行う場合にも容易な操作で演算を実行することができ、より実用的な計算装置を提供することができる。
【0172】
【発明の効果】
本発明によれば、入力された数値や、被演算数と演算数との単位が同一の数値の演算、または被演算数と演算数との単位が互いに異なる数値の演算の途中結果や最終的な結果等の演算結果がそれぞれ換算されて複数の単位で並列的に表示されるので、入力された数値や演算結果を複数の単位で同時に確認することが可能となる。また、入力された数値や演算結果を複数の単位に換算して表示させるために特別な操作をなんら要しないので、複数の単位が混在した数値について演算を行う場合の操作が容易となり、使用しやすい計算装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】計算装置1の内部の構成を示すブロック図である。
【図2】計算装置1の外観の上面図である。
【図3】演算計算処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】演算計算処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】即時換算表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】式(1)の演算結果を算出する過程における各段階毎の表示例を示す図である。
【図7】式(1)の演算結果を算出する過程における各段階毎の表示例を示す図である。
【図8】式(1)の演算結果を算出する過程における各段階毎の表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 計算装置
2 CPU
3 入力部
3a ACキー
3b 置数キー
3c 演算キー
3d 「=」キー
3e 単位指定キー
3f レートキー
4 表示部
4a ユーロ表示欄
4b 「ユーロ」シンボル
4c ドル表示欄
4d 「ドル」シンボル
4e 円表示欄
4f 「円」シンボル
5 RAM
5a 指定通貨メモリ
5b 指定通貨データメモリ
5c Xレジスタ
5d Yレジスタ
5e 演算状態メモリ
5f ドルレジスタ
5g ユーロレジスタ
5h 指定中の演算メモリ
5i 円→ドルレートメモリ
5j 円→ユーロレートメモリ
5w ワークメモリ
6 ROM
7 記憶装置
8 記憶媒体
9 バス
K カーソル
S 演算シンボル

Claims (2)

  1. 複数の単位の間で数値の換算を行う計算装置であって、
    数値入力キー及び加減乗除の四則演算キーを有するキー入力手段と、
    複数の単位に対応する数値を各単位を示す記号とともに複数行に表示する表示手段と、
    前記複数の単位の中から1つ単位を指定する単位指定手段と、
    前記キー入力手段の数値入力キーの操作により数値の入力があったときに、初期状態か、加減算キーの操作後か、乗除算キーの操作後かを判断する状態判断手段と、
    前記状態判断手段が初期状態あるいは加減算キー操作後を判断した場合、前記キー入力手段の数値入力キーの操作に応じて入力された数値を前記単位指定手段が指定する指定単位に対応する行に表示するとともに当該入力された数値を他の単位に換算して他の単位に対応する行に表示する第1の表示制御手段と、
    前記状態判断手段が乗除算キー操作後を判断した場合、前記キー入力手段の数値入力キーの操作に応じて入力された数値を各単位に対応する行にそのまま表示する第2の表示制御手段と、
    前記第1、第2の表示制御手段で表示された各行の数値について各行の単位による四則演算の結果を求める演算手段と、
    前記演算手段の演算結果を各行に表示する演算結果表示制御手段と、
    を備え、前記単位指定手段により指定単位を変更しながら数値を入力することで、複数の単位が混在した四則演算を実行し、各単位での演算結果を同時に表示するようにしたことを特徴とする計算装置。
  2. 前記単位は、通貨の単位であることを特徴とする請求項1記載の計算装置。
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