JP2000132516A - 計算装置及び記憶媒体 - Google Patents

計算装置及び記憶媒体

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JP2000132516A
JP2000132516A JP10307571A JP30757198A JP2000132516A JP 2000132516 A JP2000132516 A JP 2000132516A JP 10307571 A JP10307571 A JP 10307571A JP 30757198 A JP30757198 A JP 30757198A JP 2000132516 A JP2000132516 A JP 2000132516A
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JP10307571A
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Tomohiro Sudo
智浩 須藤
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は分数関数の極限値を求める演
算において、ロピタルの定理と数式処理微分を用いるこ
とにより、極限値を求める演算の過程を明確に表示し、
極限値を求めて表示することが可能な計算装置及び記憶
媒体を提供することである。 【解決手段】 分数関数と、この分数関数の変数の収束
値を記憶している記憶手段に記憶されている分数関数の
分母及び分子の関数について、CPU2は、数式処理に
よる微分演算を実行することにより導関数を算出し、こ
の算出された各導関数の変数に、前記記憶手段に記憶さ
れた収束値を代入することにより前記分数関数の極限値
を算出し、前記分数関数、前記分母及び分子の導関数、
及び前記分数関数の極限値を表示させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分数関数の極限値
を求める演算の実行及び演算結果の表示制御に係り、詳
細には、数式処理微分を実行することにより分数関数の
極限値を算出して表示する計算装置及び記憶媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンピュータによって実行さ
れるソフトウェアには、入力された関数式について関数
演算を行い、解を表示する機能を有するものが開発され
ている。
【0003】また、関数演算機能を備えた関数電卓が、
教育の現場や、エンジニアの技術計算用に利用されてい
る。関数電卓は様々な関数演算プログラムを内蔵してお
り、数式の関数演算が可能である。
【0004】更に、入力された数式の演算結果を表示す
る際に、元の数式の変数をそのまま変数として表示する
数式処理演算が可能な関数電卓やソフトウェアが開発さ
れている。このような関数電卓、ソフトウェアを使用す
ることにより、数式処理を用いて数式の展開、数式の簡
略化といった数式の変形に関する演算や、関数の微分演
算や積分演算をした際に、その結果を数値でなく数式で
表示することが可能であり、例えば教科書等の表記と同
じ演算結果を表示することができる。
【0005】一方、教育の現場において、分数関数等の
極限値を求めるといった内容を学習する場合、ロピタル
の定理を利用してその極限値を求めることを学習する。
【0006】このロピタルの定理の学習において重要な
事項として、分数関数の分母及び分子の導関数を求め、
各導関数の極限値を求めることにより、分数関数の極限
値を求めるということが挙げられる。即ち、極限値を求
める過程を学習する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
関数電卓やソフトウェアにおいて、分数関数の極限値を
求める過程において導かれる途中の数式を表示させるこ
とはできず、その結果、ユーザーはどのような式の操作
から極限値を導いたのか認識することができないため、
十分な学習効果をあげることができないという問題があ
った。
【0008】本発明の課題は、分数関数の極限値を求め
る演算において、ロピタルの定理と数式処理微分を用い
ることにより、極限値を求める演算の過程を明確に表示
し、極限値を求めて表示することが可能な計算装置及び
記憶媒体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
分数関数と、この分数関数の変数の収束値を記憶してい
る記憶手段(図1の7、9)と、前記記憶手段に記憶さ
れている分数関数の分母及び分子の関数についてそれぞ
れ数式処理による微分演算を実行することにより導関数
を算出する導関数算出手段(図1の2;図2のS9、S
13)と、この導関数算出手段により算出された各導関
数の変数に、前記記憶手段に記憶された収束値を代入す
ることにより前記分数関数の極限値を算出する極限値算
出手段(図1の2;図3のS17、S21、S22)
と、前記分数関数、前記導関数算出手段により算出され
た分母及び分子の導関数、及び前記極限値算出手段によ
り算出された前記分数関数の極限値を表示制御する表示
制御手段(図1の2;図3のS24、S25)と、を備
えたことを特徴としている。
【0010】この請求項1記載の発明の計算装置によれ
ば、分数関数と、この分数関数の変数の収束値を記憶し
ている記憶手段に記憶されている分数関数の分母及び分
子の関数についてそれぞれ数式処理による微分演算を実
行することにより導関数を算出し、この算出された各導
関数の変数に、前記記憶手段に記憶された収束値を代入
することにより前記分数関数の極限値を算出し、前記分
数関数、前記分母及び分子の導関数、及び前記分数関数
の極限値を表示制御する。
【0011】したがって、分数関数の極限値を求める際
に、ロピタルの定理に基づいて分母及び分子の導関数の
極限値を算出することが可能であり、また、その導関数
は数式処理微分演算により求められるので、教科書等の
表記と同様に計算の途中経過の式を表示することがで
き、分数関数の極限値を算出する過程の式の操作を認識
することができる。その結果、ロピタルの定理を学習す
る者の理解を助け、学習効果を向上させることができ
る。
【0012】また、請求項2記載の発明のように、請求
項1記載の計算装置において、前記分数関数と前記収束
値とを入力する入力手段(図1の3;図2のS2、S
3、S4)を更に備え、前記導関数算出手段は、この入
力手段により入力された分数関数の分母及び分子の関数
の各導関数を算出し、前記極限値算出手段は、前記導関
数算出手段により算出された各導関数の変数に、前記入
力手段により入力された収束値を代入することにより前
記分数関数の極限値を算出することが有効である。
【0013】この請求項2記載の発明によれば、請求項
1記載の発明の効果に加え、ユーザーにより入力される
任意の関数についても極限値の算出を行うことが可能と
なるので、自発的な学習等に利用しやすい計算装置を提
供することができる。
【0014】また、請求項3記載の発明のように、請求
項1又は2に記載の計算装置において、前記導関数算出
手段により算出された分母の関数の導関数、又はその極
限値を判定する第1の判定手段(図1の2;図2のS1
0、図3のS18)と、前記導関数算出手段により算出
された分子の関数の導関数を判定する第2の判定手段
(図1の2;図3のS14)とを更に備え、前記表示制
御手段は、前記第1の判定手段により分母の導関数、又
はその極限値が0であると判定された場合は、数学的に
誤りがある旨を表示制御し、前記第2の判定手段により
分子の導関数が0であると判定された場合は、極限値が
見つからない旨を表示制御することが有効である。
【0015】この請求項3記載の発明によれば、請求項
1又は2に記載の発明の効果に加え、例えば、処理の過
程で分母が0となってしまうなどの極限値が算出できな
い関数については、算出できないことを数学的エラー等
の理由を表示してユーザーに認識させることができるの
で、ロピタルの定理を利用して極限値を算出できる関数
と算出できない関数とを容易に識別することが可能とな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して本発
明に係る計算装置1の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】まず構成を説明する。図1は、本発明を適
用した計算装置1の構成を示すブロック図である。この
図1において、計算装置1は、CPU(Central Proce
ssing Unit)2、入力部3、表示部4、表示駆動回路
5、RAM(Random Access Memory)6、ROM(Re
ad Only Memory)7、記憶装置8及び記憶媒体9によ
って構成されている。
【0018】CPU2は、入力部3を介して入力される
指示に基づいて、ROM7または記憶媒体9から所定の
プログラムを読み出してRAM6に一時格納し、当該プ
ログラムに基づく各種処理を実行して計算装置1の各部
を集中制御する。すなわち、CPU2は、前記読み出し
た所定プログラムに基づいて各種処理を実行し、その処
理結果をRAM6に格納するともに、表示駆動回路5を
介して表示部4に表示させる。また、入力部3を介して
入力される指示に基づいて、前記処理結果を記憶装置8
を介して記憶媒体9に保存させる。
【0019】また、CPU2は、後述する極限値算出処
理(図2、図3参照)において、ロピタルの定理に基づ
いて分数関数の極限値を求める。
【0020】ここでロピタルの定理とは、関数f(x)、
g(x)がx=aを含む区間で微分可能でg'(x)≠0の
とき、数式(1)に示す条件を満たすならば、
【0021】
【数1】
【0022】数式(2)が成り立つことを示す定理であ
る。ここで、f'(x)、g'(x)はそれぞれ関数f(x)、
g(x)の導関数を示す。
【0023】
【数2】
【0024】そして、数式(2)の右辺が不定形であれ
ば、更に、数式(3)が成り立つ。
【0025】
【数3】
【0026】ここで、f''(x)、g''(x)は、それぞれ
関数f(x)、g(x)の第2階導関数を示し、f
(n)(x)、g(n)(x)は、それぞれ関数f(x)、g(x)の
第n階導関数を示す。また、不定形とは、関数の積、
商、差、べき乗で関数の変数がある値をとるとき、その
値が定義できないものをいう。例えば、分数関数につい
ていえば、f(a)/g(a)が、∞/∞や0/0等の形に
なる極限を不定形の極限という。
【0027】ロピタルの定理は、数式(1)に示す条件
の代わりに、数式(4)の場合、及び数式(5a)又は
数式(5b)の場合にも成り立つ。
【0028】
【数4】
【0029】
【数5】
【0030】
【数6】
【0031】CPU2は、入力部3から入力された分数
関数の分子の関数f(x)、分母の関数g(x)、及びその
変数の収束値a、又は記憶媒体9若しくはROM7に記
憶された分数関数の分子の関数f(x)、分母の関数g
(x)、及びその変数の収束値aを読み出してRAM6に
格納し、さらにこの関数の極限値の演算を実行する際、
数式処理を実行して、入力又は読み出された関数に含ま
れる変数xを残したまま微分演算を実行して分母及び分
子の関数の各導関数f'(x)、g'(x)を算出し、その導
関数f'(x)、g'(x)をRAM6に格納するとともに表
示駆動回路5を介して表示部4に表示させる。
【0032】そして、CPU2は、算出した各導関数の
変数に、入力或いは読み出された収束値aを代入して各
導関数の極限値を求め、更にこの分母及び分子の極限値
から分数関数の極限値を算出してRAM6に格納すると
ともに表示駆動回路5を介して表示部4に表示させる。
【0033】この極限値算出処理において、CPU2
は、導関数を算出して極限値を算出する際に、分母の関
数の導関数g'(x)や分母の導関数の極限値g'(a)が、
0になるか否かを判定し、0になる場合は数学的に誤り
がある旨を表示部4に表示させ、また分子の関数の導関
数f'(x)が0になるか否かを判定し、0になる場合は
極限値が求まらず、解が見つからない旨を表示部4に表
示させる。
【0034】また、ロピタルの定理によれば、数式
(3)に示すように、f'(a)/g'(a)が不定形となる
場合は、更に第2階導関数f''(x)、g''(x)を求め
て、この第2階導関数に収束値aを代入して極限値を求
め、分数関数の極限値を算出することができる。同様に
分数関数の導関数が不定形になるようであれば、第n階
導関数f(n)(x)、g(n)(x)を求め、この第n階導関数
から分数関数の極限値f(n)(a)/g(n)(a)を求め、分
数関数の極限値を得ることが可能である。
【0035】入力部3は、文字入力キー、数字入力キ
ー、上下左右移動キー、及び各種機能キー等によって構
成されるキーボードを備え、押下されたキーの押下信号
をCPU2に出力する。
【0036】表示部4は、LCD(Liquid Crystal D
isplay)等により構成され、表示駆動回路5から入力さ
れる駆動信号に基づく各種表示を行う。表示駆動回路5
は、CPU2から入力される表示データに基づく駆動信
号を生成して、表示部4の表示制御を行う。
【0037】RAM6は、指定されたアプリケーション
プログラム、入力指示、入力データ及び処理結果等を一
時格納する。
【0038】ROM7は、計算装置1に対応する基本プ
ログラムを格納している。すなわち、計算装置1の電源
がON状態にされた際に実行する初期表示メニュープロ
グラム、各種関数演算プログラム等の書き換え不要な基
本プログラムを記憶し、更に極限値算出処理プログラ
ム、分数関数、変数の収束値を記憶している。
【0039】なお、この分数関数、変数の収束値は、記
憶媒体9に予め記憶される構成にしてもよい。
【0040】記憶装置8は、プログラムやデータ等を記
憶する記憶媒体9を有しており、この記憶媒体9は磁気
的、光学的記憶媒体、若しくは半導体メモリで構成され
ている。この記憶媒体9は記憶装置8に固定的に設けた
もの、若しくは着脱自在に装着するものであり、この記
憶媒体9には当該計算装置1に対応する各種処理プログ
ラム及び各処理プログラムで処理されたデータ等を記憶
する。
【0041】また、この記憶媒体9に記憶するプログラ
ム、データ等は、通信回線等を介して接続された他の機
器から受信して記憶する構成にしてもよく、更に、通信
回線等を介して接続された他の機器側に前記記憶媒体9
を備えた記憶装置を設け、この記憶媒体9に記憶されて
いるプログラム、データ等を通信回線を介して使用する
構成にしてもよい。
【0042】次に動作を説明する。図2、図3は本実施
の形態の計算装置1により実行される極限値算出処理の
流れを示すフローチャートである。
【0043】計算装置1は、入力部3を介して各種メニ
ュー選択を行うことができるプログラムをROM7内に
格納しており、入力部3のキー操作により極限値算出モ
ードが選択されると、CPU2は、ROM7から所定の
プログラムを読み出して、このモードが選択されたこと
を示すシンボルを表示部4に表示させる(ステップS
1)とともに、演算対象となる分数関数の分子、分母の
関数を入力するための入力画面を表示駆動回路5を介し
て表示部4に表示させる(図4(a)参照)。そして、
入力部3を介して、入力画面へ分子の関数f(x)の入力
がなされると、当該分子の関数f(x)をRAM6に格納
し(ステップS2)、続いて入力画面へ分母の関数g
(x)の入力がなされると当該分母の関数g(x)をRAM
6に格納する(ステップS3)。その後、CPU2は、
変数の収束値aを入力するための入力画面を表示駆動回
路5を介して表示部4に表示する(図4(b)参照)。
この入力画面へ変数の収束値aが入力部3を介して入力
されると、当該変数の収束値aをRAM6に格納する
(ステップS4)。
【0044】なお、ステップS2〜ステップS4におい
て、関数f(x)、g(x)、変数の収束値aの入力は、R
OM7或いは記憶媒体9に予め格納された関数f(x)、
g(x)、変数の収束値aを読み出す構成にしてもよい。
以下、これらの関数等の入力といった場合には、入力部
3からの入力の他に、ROM7又は記憶媒体9からの読
み出しを含むこととする。
【0045】変数の収束値aが入力されると、CPU2
は、入力部3からの実行指示の有無を監視し、入力部3
のキー操作により実行指示が入力されると(ステップS
5;Yes)、次にCPU2は、RAM6に格納された
分子の関数f(x)と分母の関数g(x)、変数の収束値a
を取得して、分子の関数f(x)と分母の関数g(x)とに
変数の収束値aを代入した値f(a)及びg(a)を求め、
更に除算f(a)/g(a)を実行し(ステップS6)、そ
の後、f(a)/g(a)が不定形であるか否かを判断する
(ステップS7)。
【0046】ステップS7の判断において、f(a)/g
(a)が不定形でないと判断した場合は(ステップS7;
No)、そのf(a)/g(a)を極限値として表示駆動回
路5を介して表示部4に表示させ(ステップS25)、
極限値算出処理を終了する。
【0047】f(a)/g(a)が不定形である場合は(ス
テップS7;Yes)、次に上述のロピタルの定理に基
づいた極限値算出を行う。
【0048】このロピタルの定理による極限値の算出は
分数関数の分母、分子の関数をまず微分してそれぞれの
導関数を求め、求められた導関数に収束値を代入するこ
とにより分子、分母の導関数の極限値を求め、この導関
数の極限値により分数を生成してその値を求めることに
より、分数関数の極限値を算出するものである。
【0049】CPU2は、入力された分子の関数f
(x)、分母の関数g(x)、変数の収束値aをRAM6に
格納し(ステップS8)、まず、分母の関数g(x)に対
して数学的な条件に基づいて数式処理微分を実行し、導
関数g'(x)を求める(ステップS9)。
【0050】CPU2は、この分母の導関数g'(x)が
0であるか否かを判定し、0である場合は(ステップS
10;Yes)、分母が0となるので、数学的エラーで
ある旨を表示駆動回路5を介して表示部4に表示させ
(ステップS11)、その後、処理を終了する。
【0051】また、分母の導関数g'(x)が0でない場
合は(ステップS10;No)、この分母の導関数g'
(x)をRAM6に格納する(ステップS12)。
【0052】次に、分子の関数f(x)についても同様に
数式処理微分により導関数f'(x)を求め(ステップS
13)、この分子の導関数f'(x)が0であるか否かを
判定し、f'(x)が0である場合は(ステップS14;
Yes)、解が見つからない旨を表示駆動回路5を介し
て表示部4に表示し(ステップS15)、処理を終了す
る。また、分子の導関数f'(x)が0でない場合は(ス
テップS14;No)、この分子の導関数f'(x)を
RAM6に格納する(ステップS16)。
【0053】その後、CPU2はRAM6に格納されて
いる分母の導関数g'(x)及び変数の収束値aを取得し
て、この分母の導関数g'(x)に収束値aを代入するこ
とにより値g'(a)を計算して分母の導関数の極限値と
し(ステップS17)、この極限値g'(a)が0である
か否かを判定する(ステップS18)。ここで極限値
g'(a)が0である場合は(ステップS18;Ye
s)、分母が0となるので数学的エラーである旨を表示
させ(ステップS19)、その後、処理を終了する。
【0054】また、極限値g'(a)が0でない場合は
(ステップS18;No)、この極限値g'(a)をRA
M6に格納して(ステップS20)、次にCPU2はR
AM6に格納されている分子の導関数f'(x)及び変数
の収束値aを取得して、この分子の導関数f'(x)に収
束値aを代入した値f'(a)を計算する(ステップS2
1)。
【0055】そして、CPU2はRAM6に格納した分
母の導関数の極限値g'(a)を取得して、分数f'(a)/
g'(a)を生成し、この分数の値を計算して解をzとす
る(ステップS22)。
【0056】そしてCPU2は、f'(a)/g'(a)が不
定形であるか否かを判定し(ステップS23)、不定形
である場合は(ステップS23;Yes)、ステップS
9に戻り、分母及び分子の導関数について更に数式処理
微分を実行し、各導関数について第2階導関数f''
(x)、g''(x)を求め、これらの第2階導関数が0であ
るか否かを判定し、更に各第2階導関数に収束値aを代
入して各第2階導関数の極限値を求め、その極限値が0
であるか否かを判定することにより、数学的に誤りがあ
るか否かを判定して、その判定の結果を表示させ、さら
に求めた分母及び分子の第2階導関数の極限値により分
数f''(a)/g''(a)を生成して計算し、解zを算出し
てこの解zが不定形であるか否かを判定する。
【0057】このように、導関数の極限値により生成さ
れる分数が不定形でなくなるまでステップS9からステ
ップS25の処理を繰り返し、第n階導関数の極限値に
より生成される分数f(n)(a)/g(n)(a)が不定形でな
い場合は(ステップS23;No)、分子及び分母の導
関数f(n)(x)、g(n)(x)により分数関数f(n)(x)/
(n)(x)を生成して表示する(ステップS24)。
【0058】その後、CPU2は、ステップS22によ
り算出した解zを表示し(ステップS25)、本極限値
算出処理を終了する。
【0059】図4は、本極限値算出処理を実行した際の
表示の例を示す図である。
【0060】入力部3のキー操作により、極限値算出モ
ードが選択されると、図4(a)に示すように本モード
のシンボル10が表示される。そして関数等の入力画面
として、同図中段、下段に示すように分子の関数f(x)
の表示欄11、分母の関数g(x)の表示欄12、入力欄
13が表示された画面が表示部4に表示される。
【0061】その後、分子の関数f(x)、分母の関数g
(x)についての入力が終了すると、図4(b)最下段に
示すように変数の収束値aの入力欄14が表示される。
【0062】この収束値aの入力欄14についても、値
が入力され、更に実行キーが入力部3を介して入力され
ると、図4(c)に示すように、これらの入力された関
数、収束値によって表される分数関数の極限を求める式
15が表示される。さらにこの分数関数の極限値がロピ
タルの定理に基づいて算出されると、まず、分子及び分
母の関数について求められた各導関数f'(x)、g'(x)
により表された分数関数の極限値を求める式16が表示
される。更に、算出された極限値が解表示欄17に表示
される。
【0063】以上説明したように、本実施の形態におけ
る計算装置1は、ロピタルの定理に基づく極限値算出処
理を実行して、分数関数の分母及び分子の関数について
それぞれ数式処理微分により導関数を算出し、算出され
た各導関数の変数に、収束値を代入することにより前記
分数関数の極限値を算出し、分数関数と算出された分母
及び分子の導関数と算出された極限値を表示駆動回路5
を介して表示部4に表示させる。
【0064】また、CPU2は、分母の関数の導関数の
極限値が0となるか否かを判定して、0となる場合は数
学的に誤りがある旨を表示し、分子の関数の導関数が0
となるか否かを判定して、0となる場合は極限値が定ま
らない旨を表示する。
【0065】したがって、分数関数の極限値を求める際
に、ロピタルの定理に基づいて分母及び分子の導関数の
極限値を算出することが可能であり、また、その導関数
は数式処理微分演算により求められるので、教科書等の
表記と同様に計算の途中経過の式を表示することがで
き、分数関数の極限値を算出する過程の式の操作を認識
することができる。その結果、ロピタルの定理を学習す
る者の理解を助け、学習効果を向上させることができ
る。
【0066】また、処理の過程で分母が0となってしま
うなどの極限値が算出できない関数については、算出で
きないことを数学的エラー等の理由を表示してユーザー
に認識させることができるので、ロピタルの定理を利用
して極限値を算出できる関数と算出できない関数とを容
易に識別することが可能となる。
【0067】
【発明の効果】請求項1及び4記載の発明によれば、分
数関数の極限値を求める際に、ロピタルの定理に基づい
て分母及び分子の導関数の極限値を算出することが可能
であり、また、その導関数は数式処理微分演算により求
められるので、教科書等の表記と同様に計算の途中経過
の式を表示することができ、分数関数の極限値を算出す
る過程の式の操作を認識することができる。その結果、
ロピタルの定理を学習する者の理解を助け、学習効果を
向上させることができる。
【0068】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加え、ユーザーにより入力される任意
の関数についても極限値の算出を行うことが可能となる
ので、自発的な学習等に利用しやすい計算装置を提供す
ることができる。
【0069】請求項3記載の発明によれば、請求項1又
は2に記載の発明の効果に加え、例えば、処理の過程で
分母が0となってしまうなどの極限値が算出できない関
数については、算出できないことを数学的エラー等の理
由を表示してユーザーに認識させることができるので、
ロピタルの定理を利用して極限値を算出できる関数と算
出できない関数とを容易に識別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した計算装置1の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】計算装置1により実行される極限値算出処理の
流れを示すフローチャートである。
【図3】計算装置1により実行される極限値算出処理の
流れを示すフローチャートである。
【図4】極限値算出処理を実行した際の表示の例を示す
図である。
【符号の説明】
1 計算装置 2 CPU 3 入力部 4 表示部 5 表示駆動回路 6 RAM 7 ROM 8 記憶装置 9 記憶媒体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分数関数と、この分数関数の変数の収束値
    を記憶している記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されている分数関数の分母及び分子
    の関数についてそれぞれ数式処理による微分演算を実行
    することにより導関数を算出する導関数算出手段と、 この導関数算出手段により算出された各導関数の変数
    に、前記記憶手段に記憶された収束値を代入することに
    より前記分数関数の極限値を算出する極限値算出手段
    と、 前記分数関数、前記導関数算出手段により算出された分
    母及び分子の導関数、及び前記極限値算出手段により算
    出された前記分数関数の極限値を表示制御する表示制御
    手段と、 を備えたことを特徴とする計算装置。
  2. 【請求項2】前記分数関数と前記収束値とを入力する入
    力手段を更に備え、 前記導関数算出手段は、この入力手段により入力された
    分数関数の分母及び分子の関数の各導関数を算出し、 前記極限値算出手段は、前記導関数算出手段により算出
    された各導関数の変数に、前記入力手段により入力され
    た収束値を代入することにより前記分数関数の極限値を
    算出することを特徴とする請求項1記載の計算装置。
  3. 【請求項3】前記導関数算出手段により算出された分母
    の関数の導関数、又はその極限値を判定する第1の判定
    手段と、 前記導関数算出手段により算出された分子の関数の導関
    数を判定する第2の判定手段とを更に備え、 前記表示制御手段は、前記第1の判定手段により分母の
    導関数、又はその極限値が0であると判定された場合
    は、数学的に誤りがある旨を表示制御し、前記第2の判
    定手段により分子の導関数が0であると判定された場合
    は、極限値が見つからない旨を表示制御することを特徴
    とする請求項1又は2に記載の計算装置。
  4. 【請求項4】分数関数と、この分数関数の変数の収束値
    を記憶し、また、コンピュータが実行可能なプログラム
    を格納した記憶媒体であって、 前記記憶されている分数関数の分母及び分子の関数につ
    いてそれぞれ数式処理による微分演算を実行することに
    より導関数を算出するためのコンピュータが実行可能な
    プログラムコードと、 この算出された各導関数の変数に、前記記憶手段に記憶
    された収束値を代入することにより前記分数関数の極限
    値を算出するためのコンピュータが実行可能なプログラ
    ムコードと、 前記分数関数、前記分母及び分子の導関数、及び前記分
    数関数の極限値を表示制御するためのコンピュータが実
    行可能なプログラムコードと、 を備えたことを特徴とする記憶媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008537234A (ja) * 2005-04-15 2008-09-11 マイクロソフト コーポレーション 同時性の記号および数値の表現
JP2015184688A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 カシオ計算機株式会社 計算装置及びプログラム
JP2018165988A (ja) * 2018-06-07 2018-10-25 カシオ計算機株式会社 計算装置及びプログラム

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