JP4135215B2 - ピレスロイド化合物及びそれを有効成分とする害虫防除剤 - Google Patents

ピレスロイド化合物及びそれを有効成分とする害虫防除剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピレスロイド化合物及びそれを有効成分とする害虫防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、4−アリル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコ−ルや4−メトキシ−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコ−ルをそのアルコ−ル成分とする第一菊酸エステルが殺虫活性を有することが知られているが(特開昭56−97251)、これらのエステル化合物は、その害虫防除効力の点で害虫防除剤の有効成分として、充分とは言えない。
また、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−シス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが土壌害虫に対し殺虫活性を有することが知られているが(J.Agric.Food.Chem.(1992),40(8),1432)、該化合物は、哺乳動物に対する毒性が高く、特に主として生活環境内の限られた空間で使用される家庭防疫用害虫防除剤としては安全性の点で問題があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、優れた害虫防除効力を有し、安全性の高い第一菊酸エステルを見出すべく鋭意検討を重ねた結果、下記式 化2で示されるピレスロイド化合物が優れた害虫防除活性を有し、且つ安全性にも優れることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、式 化2
【化2】
Figure 0004135215
で示される4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(以下、本発明化合物と記す。)及びそれを有効成分とする害虫防除剤を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明化合物は、例えば、式 化3
【化3】
Figure 0004135215
で示されるアルコ−ル化合物と式 化4
【化4】
Figure 0004135215
で示される(1R)−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸またはその反応性誘導体(例えば、酸ハロゲン化物または酸無水物等)とを反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常、縮合剤または塩基の存在下、溶媒中で行なわれる。
縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロリド(WSC)等があげられる。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基があげられる。
溶媒としては、ベンゼン、トルエンまたはヘキサン等の炭化水素類もしくはジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ−テル類、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等があげられる。
反応時間の範囲は、通常5分間〜72時間である。
反応温度の範囲は、通常−20℃から反応に使用する溶媒の沸点または100℃の範囲であり、−5℃から反応に使用する溶媒の沸点または100℃の範囲が好ましい。
式 化3で示されるアルコ−ル化合物と式 化4で示されるカルボン酸またはその反応性誘導体のモル比は任意に設定できるが、等モルまたはそれに近い比で行なうことが好ましい。
縮合剤または塩基は式 化3で示されるアルコ−ル化合物1モルに対して、等モルから過剰量の割合を用いることができ、等モル〜5モルの割合を用いることが好ましい。
反応終了後の反応液は、有機溶媒抽出、濃縮等の通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物を得ることができる。本発明化合物は、クロマトグラフィ−、蒸留等の通常の操作によってさらに精製することもできる。
【0005】
式 化3で示されるアルコール化合物及び式 化4で示されるカルボン酸は、例えば特開昭56−97251等に記載の方法に準じて製造することができる。
【0006】
本発明化合物が防除効果を発揮する有害害虫としては、例えば、以下のものがあげられる。
鱗翅目害虫
ニカメイガ、コブノメイガ、ノシメコクガ等のメイガ類、ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ等のヨトウ類、モンシロチョウ等のシロチョウ類、コカクモンハマキ等のハマキガ類、シンクイガ類、ハモグリガ類、ドクガ類、ウワバ類、カブラヤガ、タマナヤガ等のアグロティス属害虫 (Agrotis spp.)、ヘリコベルパ属害虫 (Helicoverpa spp.)、ヘリオティス属害虫 (Heliothis spp.)、コナガ、イチモンジセセリ、イガ、コイガ等
双翅目害虫
アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ、ヒメイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類、ヌカカ類等
網翅目害虫
チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等
膜翅目害虫
アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ等のハバチ類等
隠翅目害虫
イヌノミ、ネコノミ、ヒトノミ等
シラミ目害虫
ヒトジラミ、ケジラミ、アタマジラミ、コロモジラミ等
等翅目害虫
ヤマトシロアリ、イエシロアリ等
ダニ類
コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、チリニクダニ、イエニクダニ、サナアシニクダニ等のニクダニ類、クワガタツメダニ、フトツメダニ等のツメダニ類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等のハダニ類、フタトゲチマダニ等のマダニ類。
半翅目害虫
ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等
鞘翅目害虫
ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、ウエスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ等のコガネムシ類、コクゾウムシ、イネミズゾウムシ、ワタミゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキ等のゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ、キスジノミハムシ、ウリハムシ等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ属 (Epilachna spp.)、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ等
総翅目害虫
ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ハナアザミウマ等
直翅目害虫
ケラ、バッタ等
【0007】
本発明において害虫防除剤は、殺虫及び害虫の忌避を目的とするものである。本発明化合物を害虫防除剤の有効成分として用いる場合は、通常、固体担体、液体担体、ガス状担体、餌と混合するか、あるいは蚊取線香やマット等の基材に含浸し、必要あれば界面活性剤、その他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、水和剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、粒剤、粉剤、エアゾ−ル、蚊取線香・電気蚊取マット・液体電気蚊取り等の加熱蒸散剤、自己燃焼型燻煙剤・化学反応型燻煙剤、多孔セラミック板燻煙剤等の加熱燻煙剤、樹脂蒸散剤・含浸紙蒸散剤等の非加熱蒸散剤、フォッギング等の煙霧剤、ULV剤、毒餌等に製剤して使用する。
これらの製剤には、有効成分として本発明化合物を、通常、重量比で0.001〜95%含有する。
かかる製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、粘土類(カオリンクレ−、珪藻土、合成含水酸化珪素、ベントナイト、フバサミクレ−、酸性白土等)、タルク類、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)等の微粉末あるいは粒状物などがあげられ、液体担体としては、例えば、水、アルコ−ル類(メタノ−ル、エタノ−ル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エ−テル類(ジイソプロピルエ−テル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド、大豆油、綿実油等の植物油等があげられ、ガス状担体、すなわち噴射剤としては、例えば、フロンガス、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチルエ−テル、炭酸ガス等があげられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリ−ルスルホン酸塩、アルキルアリ−ルエ−テル類及びそのポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコ−ルエ−テル類、多価アルコ−ルエステル類、糖アルコ−ル誘導体等があげられる。
固着剤や分散剤等の製剤用補助剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、多糖類(でんぷん粉、アラビアガム、セルロ−ス誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)があげられ、安定剤としては、例えば、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ−ル)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノ−ルと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノ−ルとの混合物)、植物油、鉱物油、界面活性剤、脂肪酸またはそのエステル等があげられる。
【0008】
蚊取線香の基材としては、例えば、木粉、粕粉等の植物生粉末とタブ粉、スタ−チ、グルテイン等の結合剤との混合物等があげられる。
電気蚊取マットの基材としては、例えば、コットンリンタ−またはコットンリンタ−とパルプとの混合物のフィブリルを板状に固めたもの等があげられる。
自己燃焼型燻煙剤の基材としては、例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、グアニジン塩、塩素酸カリウム、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、木粉などの燃焼発熱剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重クロム酸塩、クロム酸塩などの熱分解刺激剤、硝酸カリウムなどの酸素供給剤、メラミン、小麦デンプンなどの支燃剤、硅藻土などの増量剤、合成糊料などの結合剤等があげられる。
化学反応型燻煙剤の基材としては、例えば、アルカリ金属の硫化物、多硫化物、水硫化物、含水塩、酸化カルシウム等の発熱剤、炭素質物質、炭化鉄、活性白土などの触媒剤、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ポリスチレン、ポリウレタン等の有機発泡剤、天然繊維片、合成繊維片等の充填剤等があげられる。
非加熱蒸散剤の基材としては、例えば、熱可塑性樹脂、濾紙、和紙等があげられる。
毒餌の基材としては、例えば、穀物粉、植物油、糖、結晶セルロ−ス等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアセレチック酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ末などの誤食防止剤、チ−ズ香料、タマネギ香料、ピ−ナッツオイルなどの誘引剤等があげられる。
フロアブル剤(水中懸濁剤または水中乳濁剤)の製剤は、一般に1〜75%の本発明化合物を0.5〜15%の分散剤、0.1〜10%の懸濁助剤(例えば、保護コロイドやチクソトロピ−性を付与する化合物)、0〜10%の適当な補助剤(例えば、消泡剤、防錆剤、安定化剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防菌剤、防黴剤等)を含む水中で微小に分散させることによって得られる。水の代わりに本発明化合物がほとんど溶解しない油を用いて油中懸濁剤とすることも可能である。
保護コロイドとしては、例えば、ゼラチン、カゼイン、ガム類、セルロ−スエ−テル、ポリビニルアルコ−ル等が用いられる。
チクソトロピ−性を付与する化合物としては、例えば、ベントナイト、アルミニウムマグネシウムシリケ−ト、キサンタンガム、ポリアクリル酸等があげられる。
【0009】
このようにして得られる製剤は、そのままであるいは水等で希釈して用いる。また、他の殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤、共力剤等と混用または併用することもできる。
かかる殺虫剤、殺ダニ剤としては、例えば、フェニトロチオン〔O,O−ジメチル O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエ−ト〕、フェンチオン〔O,O−ジメチル O−(3−メチル−4−(メチルチオ)フェニル)ホスホロチオエ−ト〕、ダイアジノン〔O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロチオエ−ト〕、クロルピリホス〔O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエ−ト〕、アセフェ−ト〔O,S−ジメチルアセチルホスホラミドチオエ−ト〕、メチダチオン〔S−2,3−ジヒドロ−5−メトキシ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾ−ル−3−イルメチル O,O−ジメチルホスホロジチオエ−ト〕、ジスルホトン〔O,O−ジエチル S−2−エチルチオエチルホスホロジチオエ−ト〕、DDVP〔2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェ−ト〕、スルプロホス〔O−エチル O−4−(メチルチオ)フェニル S−プロピルホスホロジチオエ−ト〕、シアノホス〔O−4−シアノフェニル O,O−ジメチルホスホロチオエ−ト〕、ジオキサベンゾホス〔2−メトキシ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−2−スルフィド〕、ジメトエ−ト〔O,O−ジメチル−S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェ−ト〕、フェントエ−ト〔エチル 2−ジメトキシホスフィノチオイルチオ(フェニル)アセテ−ト〕、マラチオン〔ジエチル(ジメトキシホスフィノチオイルチオ)サクシネ−ト〕、トリクロルホン〔ジメチル 2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネ−ト〕、アジンホスメチル〔S−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イルメチル O,O−ジメチルホスホロジチオエ−ト〕、モノクロトホス〔ジメチル(E)−1−メチル−2−(メチルカルバモイル)ビニルホスフェ−ト〕、エチオン〔O,O,O′,O′−テトラエチルS,S′−メチレンビス(ホスホロジチオエ−ト)〕等の有機リン系化合物、BPMC(2−sec−ブチルフェニルメチルカ−バメ−ト〕、ベンフラカルブ〔エチル N−〔2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ〕−N−イソプロピル−β−アラニネ−ト〕、プロポキスル〔2−イソプロポキシフェニル N−メチルカ−バメ−ト〕、カルボスルファン〔2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ〔b〕フラニル N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカ−バメ−ト〕、カルバリル〔1−ナフチル−N−メチルカ−バメ−ト〕、メソミル〔S−メチル−N−〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオアセトイミデ−ト〕、エチオフェンカルブ〔2−(エチルチオメチル)フェニルメチルカ−バメ−ト〕、アルジカルブ〔2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド O−メチルカルバモイルオキシム〕、オキサミル〔N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセタミド〕、フェノチオカルブ〔S−4−フェノキシブチル)−N,N−ジメチルチオカ−バメ−ト等のカ−バメ−ト系化合物、
【0010】
エトフェンプロックス〔2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエ−テル〕、フェンバレレ−ト〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレ−ト〕、エスフェンバレレ−ト〔(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (S)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレ−ト〕、フェンプロパトリン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、シペルメトリン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、ペルメトリン〔3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、シハロトリン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(Z)−(1RS)−cis−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、デルタメトリン〔(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、シクロプロトリン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシレ−ト〕、フルバリネ−ト(α−シアノ−3−フェノキシベンジル N−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バリネ−ト)、ビフェンスリン(2−メチルビフェニル−3−イルメチル) (Z)−(1RS)−cis−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト、2−メチル−2−(4−ブロモジフルオロメトキシフェニル)プロピル(3−フェノキシベンジル)エ−テル、トラロメトリン〔(1R−シス)3−{(1RS)(1,2,2,2−テトラブロモエチル)}−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジルエステル〕、シラフルオフェン〔4−エトキシフェニル{3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル}ジメチルシラン〕、d−フェノトリン〔3−フェノキシベンジル (1R−シス,トランス)−クリサンテマ−ト〕、シフェノトリン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R−シス,トランス)−クリサンテマ−ト〕、d−レスメトリン〔5−ベンジル−3−フリルメチル(1R−シス,トランス)−クリサンテマ−ト〕、アクリナスリン〔(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R−シス(Z))−(2,2−ジメチル−3−{3−オキソ−3−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルオキシ)プロペニル}シクロプロパンカルボキシレ−ト〕、シフルトリン〔(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、テフルトリン〔2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1RS−シス(Z))−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、トランスフルスリン〔2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R−トランス)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、テトラメトリン〔3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル (1RS)−シス,トランス−クリサンテマ−ト〕、アレスリン〔(RS)−3−アリル−2−メチル−4−オキソシクロペント−2−エニル(1RS)−シス,トランス−クリサンテマ−ト〕、プラレトリン〔(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)シクロペント−2−エニル(1R)−シス,トランス−クリサンテマ−ト〕、エンペントリン〔(RS)−1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル (1R)−シス,トランス−クリサンテマ−ト〕、イミプロトリン〔2,5−ジオキソ−3−(プロプ−2−イニル)イミダゾリジン−1−イルメチル(1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロプ−1−エニル)シクロプロパンカルボキシレ−ト〕、d−フラメトリン〔5−(2−プロピニル)フルフリル(1R)−シス,トランス−クリサンテマ−ト〕、5−(2−プロピニル)フルフリル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト等のピレスロイド化合物、
【0011】
イミダクロプリド(1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン〕等のニトロイミダゾリジン誘導体、N−シアノ−N′−メチル−N′−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)アセトアミジン等のN−シアノアミジン誘導体、エンドスルファン〔6,7,8,9,10,10−ヘキサクロロ−1,5,5a,6,9,9a−ヘキサヒドロ−6,9−メタノ−2,4,3−ベンゾジオキサチエピンオキサイド〕、γ−BHC(1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン〕、1,1−ビス(クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノ−ル等の塩素化炭化水素化合物、クロルフルアズロン〔1−(3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア〕、テフルベンズロン〔1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア〕、フルフェノクスロン〔1−(4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−フルオロフェニル〕−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア〕等のベンゾイルフェニルウレア系化合物、ジアフェンチウロン〔N−(2,6−ジイソプロピル−4−フェノキシフェニル)−N′−tert−ブチルカルボジイミド〕等のチオ尿素誘導体、フェニルピラゾ−ル系化合物、メトキサジアゾン〔5−メトキシ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル−2−(3H)−オン〕、ブロモプロピレ−ト〔イソプロピル 4,4′−ジブロモベンジレ−ト〕、テトラジホン〔4−クロロフェニル 2,4,5−トリクロロフェニルスルホン〕、キノメチオネ−ト〔S,S−6−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジチオカルボネ−ト〕、ピリダベン〔2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン〕、フェンピロキシメ−ト〔tert−ブチル(E)−4−〔(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾ−ル−4−イル)メチレンアミノオキシメチル〕ベンゾエ−ト〕、デブフェンピラド〔N−4−tert−ブチルベンジル)−4−クロロ−3−エチル−1−メチル−5−ピラゾ−ルカルボキサミド〕、ポリナクチンコンプレックス〔テトラナクチン、ジナクチン、トリナクチン〕、ピリミジフェン〔5−クロロ−N−〔2−{4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ}エチル〕−6−エチルピリミジン−4−アミン、ミルベメクチン、アバメクチン、イバ−メクチン、アザジラクチン〔AZAD〕等があげられ、
忌避剤としては、例えば、3,4−カランジオール、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−メチルプロピル 2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシラート、p−メンタン−3,8−ジオール、ヒソップ油などの植物精油等があげられ、
共力剤としては、例えば、ビスー(2,3,3,3ーテトラクロロプロピル)エーテル(S−421)、N−(2ーエチルヘキシル)ビシクロ[2,2,1]ヘプトー5ーエンー2,3ージカルボキシイミド、(MGK−264)、αー[2ー(2ーブトキシエトキシ)エトキシ]ー4,5ーメチレンジオキシー2ープロピルトルエン(ピペロニルブトキシド)等があげられる。
【0012】
本発明化合物を家庭防疫用または動物用害虫防除剤の有効成分として用いる場合、乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常水で0.1〜10000ppmに希釈して施用し、油剤、エアゾ−ル、燻蒸剤、燻煙剤、蒸散剤、煙霧剤、ULV剤、毒餌、樹脂製剤等についてはそのまま施用する。
これらの施用濃度は、いずれも、製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、害虫の種類、被害程度等の状況によって異なり、上記の範囲にかかわることなく増減させることができる。
本発明化合物は、これを加熱または非加熱条件下で揮散させることにより高い害虫防除効力(殺虫及び忌避効力)を発揮することから、特に家庭防疫用害虫防除剤の有効成分として有用である。
【0013】
【実施例】
以下、製造例、製剤例および試験例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
まず本発明化合物の製造例を示す。
製造例1
4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール1.78g、ピリジン0.87gおよびテトラヒドロフラン20mlの混合溶液に、氷冷下、(1R)−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸クロリド2.06gを加えた後、室温で8時間攪拌を続けた。反応液を氷水約100ml中に注加し、これを酢酸エチル100mlで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、粗油状物を得た。得られた粗油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(本発明化合物)2.75g(収率87%)を得た。
1H−NMR(CDCl3,TMS内部標準)δ値(ppm):1.13(s,3H),1.30(s,3H),1.40(d,1H),1.71(brs,6H),2.08(dd,1H),2.28(brs,3H),4.88(m,1H),5.20(dd,2H)
【0014】
次に製剤例を示す。なお、部は重量部を表わす。
製剤例1 乳剤
本発明化合物20部をキシレン65部に溶解し、乳化剤ソルポ−ル3005X(東邦化学登録商標名)15部を加え、よく攪拌混合して、20%乳剤を得る。
製剤例2 水和剤
本発明化合物40部にソルポ−ル3005X(前記)5部を加え、よく混合して、カ−プレックス#80(塩野義製薬登録商標名、合成含水酸化ケイ素微粉末)32部、300メッシュ珪藻土23部を加え、ジュ−スミキサ−で攪拌混合して、40%水和剤を得る。
製剤例3 粒剤
本発明化合物1.5部およびAGSORBLVM−MS24/48(OIL DRI社製モンモリロナイトの焼成品、粒径24〜48メッシュの粒状担体)98.5部を加えてよく混合し、1.5%粒剤を得る。
【0015】
製剤例4 マイクロカプセル剤
本発明化合物10部、フェニルキシリルエタン10部およびスミジュ−ルL−75(住友バイエルウレタン社製トリレンジイソシアネ−ト)0.5部を混合した後、アラビアガムの10%水溶液20部中に加え、ホモミキサ−で攪拌して、平均粒径20μmのエマルションを得る。次に、これにエチレングリコ−ル2部を加え、さらに60℃の温浴中で24時間反応させてマイクロカプセルスリラ−を得る。一方、ザンサンガム0.2部、ビ−ガムR(三洋化成製アルミニウムマグネシウムシリケ−ト)1.0部をイオン交換水56.3部に分散させて増粘剤溶液を得る。
上記マイクロカプセルスリラ−42.5部および増粘剤溶液57.5部を混合して、10%マイクロカプセル剤を得る。
製剤例5 フロアブル剤
本発明化合物10部とフェニルキシリルエタン10部を混合した後、ポリエチレングリコ−ルの10%水溶液20部中に加え、ホモミキサ−で攪拌して、平均粒径3μmのエマルションを得る。一方、ザンサンガム 0.2部、ビ−ガムR(三洋化成製アルミニウムマグネシウムシリケ−ト) 1.0部をイオン交換水58.8部に分散させて増粘剤溶液を得る。
上記エマルション40部および増粘剤溶液60部を混合して、10%フロアブル剤を得る。
製剤例6 粉剤
本発明化合物5部をカ−プレックス#80(前記)3部、PAP0.3部および300メッシュタルク91.7部を加え、ジュ−スミキサ−で攪拌混合し、5%粉剤を得る。
【0016】
製剤例7 油剤
本発明化合物0.1部をジクロロメタン5部に溶解し、これを脱臭灯油94.9部に混合して、0.1%油剤を得る。
製剤例8 油性エアゾ−ル
本発明化合物1部、ジクロロメタン5部および脱臭灯油34部を混合溶解し、エアゾ−ル容器に充填し、バルブ部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)60部を加圧充填して、油性エアゾ−ルを得る。
製剤例9 水性エアゾ−ル
本発明化合物0.6部、キシレン5部、脱臭灯油3.4部および乳化剤{アトモス300(アトラスケミカル社登録商標名)}1部を混合溶解したものと、純水50部とをエアゾ−ル容器に充填し、バルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を加圧充填して、水性エアゾ−ルを得る。
【0017】
製剤例10 蚊取線香
本発明化合物0.3gをアセトン20mlに溶解し、蚊取線香用担体(タブ粉:粕粉:木粉を4:3:3の割合で混合)99.7gと均一に攪拌混合した後、水120mlを加え、充分練り合わせたものを成型乾燥して、蚊取線香を得る。
製剤例11 電気蚊取マット
本発明化合物0.8g、ピペロニルブトキサイド0.4gにアセトンを加えて溶解し、ト−タルで10mlとする。この溶液0.5mlを2.5cm×1.5cm、厚さ0.3cmの電気マット用基材(コットンリンタ−とパルプの混合物のフィブリルを板状に固めたもの)に均一に含浸させて、電気蚊取マット剤を得る。
製剤例12 液体電気蚊取り
本発明化合物3部を脱臭灯油97部に溶解して、塩化ビニル製容器に入れ、上部をヒ−タ−で加熱できるようにした吸液芯(無機粉体をバインダ−で固め、焼結したもの)を挿入することにより、液体電気蚊取を得る。
【0018】
製剤例13 加熱燻煙剤
本発明化合物100mgを適量のアセトンに溶解し、4.0cm×4.0cm、厚さ1.2cmの多孔セラミック板に含浸させて、加熱燻煙剤を得る。
製剤例14 常温揮散剤
本発明化合物100μgを適量のアセトンに溶解し、2cm×2cm、厚さ0.3mmの濾紙に均一に塗布した後、アセトンを風乾して、常温蒸散剤を得る。
製剤例15 防ダニシ−ト
本発明化合物を濾紙に1m2当り1gとなるように滴下含浸し、アセトンを風乾して、防ダニシ−トを得る。
【0019】
次に、本発明化合物が害虫防除剤の有効成分として有用であることを試験例で示す。
【0020】
試験例1 イエバエに対する殺虫試験
直径5.5cmのポリエチレンカップの底に同大の濾紙を敷き、製剤例1に準じて得られた本発明化合物の乳剤の水希釈液(500ppm)0.7mlを濾紙上に滴下し、餌としてショ糖約30mgを均一に入れた。該カップ中に、ピレスロイド低感受性イエバエ雌成虫10頭を放ち、蓋をして1日後にその生死を調査し、死虫率を求めた。その結果、本発明化合物を処理した区は死虫率100%を示した。それに対し、本発明化合物を含有しない乳剤を処理した区は死虫率0%を示した。
【0021】
試験例2 チャバネゴキブリに対する殺虫試験
直径5.5cmのポリエチレンカップの底に同大の濾紙を敷き、製剤例1に準じて得られた本発明化合物の乳剤の水による希釈液(500ppm)0.7mlを濾紙上に滴下し、餌としてショ糖約30mgを均一に入れた。該カップ中に、ピレスロイド低感受性チャバネゴキブリ雄成虫2頭を放ち、蓋をして6日後にその生死を調査し、死虫率を求めた。その結果、本発明化合物を処理した区は死虫率100%を示した。それに対し、本発明化合物を含有しない乳剤を処理した区は死虫率0%を示した。
【0022】
試験例3 アカイエカに対する殺虫試験
製剤例1に準じて得られた本発明化合物の乳剤の水による希釈液0.7mlを100mlのイオン交換水に加えた(有効成分濃度3.5ppm)。該液中にアカイエカ終令幼虫約20頭を放ち、1日後にその生死を調査した。効果判定基準は、
a:死虫率90%以上
b:死虫率10%〜90%未満
c:死虫率10%未満
とした。その結果、本発明化合物を処理した区は効果判定aを示した。それに対し、本発明化合物を含有しない乳剤を処理した区は効果判定cを示した。
【0023】
試験例4 イエバエに対する殺虫試験
本発明化合物をアセトンで所定濃度に希釈し、その希釈液をイエバエ雌成虫の胸背部に有効成分量で5μg/頭となるように処理し、水と餌を与え、24時間後の生存、苦悶、死亡虫数を調査して苦死虫率を求めた(1群10頭2反復)。
その結果、本発明化合物を処理した区は苦死虫率100%を示した。それに対し、アセトンのみを処理した区は苦死虫率0%であった。
【0024】
試験例5 イエバエに対する常温揮散による殺虫試験
底部の直径7cmのアルミニウム皿に本発明化合物の0.05%(w/v)アセトン希釈液0.64mlを滴下し、アセトンを風乾した。ポリエチレンカップ(直径9cm、高さ4.5cm)内にイエバエ雌成虫10頭を放ち、その上部に虫が直接薬剤処理面に触れないように16メッシュナイロンネットをした。このカップをさかさまにして、上記アルミニウム皿上にのせ、温度25℃で120分間放置した後、カップをアルミニウム皿からはずして水と餌を与え、24時間後の生存、苦悶、死亡虫数を調査し、苦死虫率を求めた(1区10頭2反復)。
その結果、本発明化合物を処理した区は苦死虫率100%を示した。それに対し、アセトンのみを処理した区は苦死虫率0%であった。
【0025】
試験例6 コイガに対する殺虫試験
本発明化合物をアセトンで所定濃度に希釈し、その希釈液をコイガ中令幼虫の背側中央部に有効成分量で3μg/頭となるように処理した。ポリエチレンカップ中に該コイガ中令幼虫と2×2cmのウ−ルモスリン布を入れ、7日後の死虫率およびウ−ルモスリン布の食害度を調べた。食害度の判定基準は
+++:著しく食害あり
++:食害あり
+:やや食害あり
±:わずかに食害あり
−:食害なし
とした(1区10頭2反復)。
その結果、本発明化合物を処理した区は死虫率100%および食害度−を示した。それに対し、アセトンのみを処理した区は死虫率0%および食害度+++であった。
【0026】
試験例7 コイガに対する常温揮散による殺虫試験
ポリエチレンカップ(底部の直径10cm,開口部の直径12.5cm,高さ9.5cm,体積950cm3)の底部に2×2cmのウ−ルモスリン布とコイガ中令幼虫10頭を入れ、蓋から、製剤例14に準じて得られた常温揮散剤を吊るして密封した。温度25℃で1週間放置した後、開封し、生存、苦悶、死亡虫数を調べ苦死虫率を求めた。また、ウ−ルモスリン布の食害度を調べた。食害度の判定基準は
+++:著しく食害あり
++:食害あり
+:やや食害あり
±:わずかに食害あり
−:食害なし
とした(2反復)。
その結果、本発明化合物を処理した区は苦死虫率100%および食害度−を示した。それに対し、アセトンのみを処理した区は苦死虫率0%および食害度+++であった。
尚、本試験例において、本発明化合物処理直後および処理1週間後の観察時に、薬剤処理濾紙の変色および異臭は認められなかった。
【0027】
試験例8 アカイエカに対する常温揮散による殺虫試験
底部の直径7cmのアルミニウム皿に本発明化合物が所定濃度になるように調製したアセトン希釈液0.64mlを滴下処理し、アセトンを風乾した。ポリエチレンカップ(直径9cm、高さ4.5cm)内にアカイエカ成虫10頭を放ち、その上部に、虫が直接薬剤処理面に触れないように16メッシュナイロンネットをした。このカップをさかさまにして、上記アルミニウム皿上にのせ、温度25℃で120分間放置した後、カップをアルミニウム皿からはずして水と餌を与え、24時間後の生存、苦悶、死亡虫数を調査し、苦死虫率を求めた(1区10頭2反復)。
同様にして、4−アリル−2,3,5,6−テトラフルオロ (1R)−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(以下、化合物Aと記す)及び4−メトキシ−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(以下、化合物Bと記す)についても試験を行った。結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004135215
【0028】
【発明の効果】
本発明化合物は、害虫防除効果及び哺乳動物に対する安全性に優れ、害虫防除剤、特に家庭防疫用害虫防除剤の有効成分として極めて有用である。

Claims (3)

  1. 式 化1
    Figure 0004135215
    で示される4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート。
  2. 請求項1に記載の化合物を有効成分として含有することを特徴とする害虫防除剤。
  3. 請求項1に記載の化合物を有効成分として含有することを特徴とする家庭防疫用害虫防除剤。
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