JP2002145828A - エステル化合物およびそれを有効成分として含有する有害生物防除剤 - Google Patents

エステル化合物およびそれを有効成分として含有する有害生物防除剤

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JP2002145828A
JP2002145828A JP2000337154A JP2000337154A JP2002145828A JP 2002145828 A JP2002145828 A JP 2002145828A JP 2000337154 A JP2000337154 A JP 2000337154A JP 2000337154 A JP2000337154 A JP 2000337154A JP 2002145828 A JP2002145828 A JP 2002145828A
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Tatsuya Mori
達哉 森
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有害生物防除剤の有効成分として有用な化合物
を提供すること。 【解決手段】4−メトキシメチル−2,3,5,6−テ
トラフルオロベンジル 3−(3,3,3−トリフルオ
ロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパ
ンカルボキシレート及びそれを有効成分として含有する
ことを特徴とする有害生物防除剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエステル化合物及び
それを有効成分として含有することを特徴とする有害生
物防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】特開
昭57−123146号公報において4−メトキシメチ
ル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−
(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペ
ニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ
ートが殺虫剤の有効成分として記載されている。しか
し、該化合物は活性の点で有害生物防除剤の有効成分と
して必ずしも十分とは言えない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は有害生物防除
効力を有するエステル化合物を見出すべく鋭意検討を重
ねた結果、後記式(1)で示される4−メトキシメチル
−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−
(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,
2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが優れた
有害生物防除効力を有することを見出し、本発明に至っ
た。すなわち、本発明は式(1)
【化2】 で示される4−メトキシメチル−2,3,5,6−テト
ラフルオロベンジル 3−(3,3,3−トリフルオロ
−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン
カルボキシレート(以下、本発明化合物と記す。)及び
それを有効成分として含有することを特徴とする有害生
物防除剤を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明化合物には、シクロプロパ
ン環上の2個の不斉炭素に由来する異性体およびカルボ
ン酸部分に存在する炭素−炭素二重結合に由来する異性
体が存在するが、本発明にはその各々及びその混合物が
含まれる。本発明化合物中、有害生物防除効力の点から
はシクロプロパン環1位の絶対立体配置がR配置である
化合物またはシクロプロパン環1位の絶対立体配置がR
配置である化合物に富む異性体混合物が好ましく、特に
シクロプロパン環1位の絶対立体配置がR配置でありシ
クロプロパン環1位と3位の相対立体配置がトランスで
ある化合物{(1R)−トランス体}または(1R)−
トランス体に富む異性体混合物が好ましい。また、カル
ボン酸部分に存在する炭素−炭素二重結合の立体配置
は、E配置である化合物が好ましい。
【0005】本発明化合物は、例えば以下に示す(製造
法1)〜(製造法3)により製造することができる。
【0006】(製造法1) 式(2)
【化3】 で示される4−メトキシメチル−2,3,5,6−テト
ラフルオロベンジルアルコールと、式(3)
【化4】 で示される3−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロ
ペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸
とを反応させる方法 該反応は、通常、縮合剤の存在下または酸触媒の存在
下、通常、溶媒中で行なわれる。反応に用いられる、縮
合剤としては例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミドハイドロクロリド等があげられ、酸触媒とし
ては例えば硫酸等の無機酸及びパラトルエンスルホン
酸、メタンスルホン酸等の有機酸があげられる。本反応
には、反応に不活性な溶媒を用いることができ、具体的
には例えば、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジ
クロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化
炭化水素類及びこれらの混合溶媒があげられる。反応時
間の範囲は、通常瞬時〜72時間である。反応温度の範
囲は、通常−20〜100℃(溶媒の沸点が100℃以
下のときは反応に使用する溶媒の沸点)の範囲である。
反応に用いられる式(2)で示されるアルコール化合物
は、式(3)で示されるカルボン酸化合物1モルに対し
て1モルで目的を達し得るが、通常、0.5〜1.5モ
ルの範囲で変化することができる。本反応を縮合剤の存
在下に行う場合、反応に用いられる縮合剤の量は、通
常、式(3)で示されるカルボン酸化合物1モルに対し
て1モルであるが、反応の状況に応じて変化することが
できる。また本反応を酸触媒の存在下に行う場合、反応
に用いられる酸触媒は反応の状況に応じて任意の量を用
いることができる。反応後、反応混合物を有機溶媒抽出
した後濃縮する等の通常の後処理操作を行うことによっ
て、必要であれば更にクロマトグラフィー、蒸留等の精
製操作を行うことによって本発明化合物を得ることがで
きる。
【0007】(製造法2) 式(2)で示されるアルコール化合物と式(3)で示さ
れるカルボン酸化合物の反応性誘導体(酸ハロゲン化
物、酸無水物等)とを反応させる方法 該反応は、通常、塩基の存在下、溶媒中で行われる。反
応に用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミ
ン、ピリジン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチ
ルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等の有
機塩基があげられる。本反応には、反応に不活性な溶媒
を用いることができ、具体的には例えばトルエン、ヘキ
サン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合
溶媒をあげることができる。反応時間の範囲は、通常瞬
時〜72時間である。反応温度の範囲は、通常−20〜
100℃(溶媒の沸点が100℃以下のときは反応に使
用する溶媒の沸点)の範囲である。反応に用いられる式
(2)で示されるアルコール化合物は、式(3)で示さ
れるカルボン酸化合物の反応性誘導体1モルに対して1
モルで目的を達することができるが、反応の状況に応じ
て変化することができる。また、反応に用いられる塩基
は、式(3)で示されるカルボン酸の反応性誘導体1モ
ルに対して1モルで目的を達することができるが、反応
の状況に応じて変化することができる。反応後、反応混
合物を水に注加して有機溶媒抽出した後濃縮する等の通
常の後処理を行い、必要であれば、更にクロマトグラフ
ィー、蒸留等の精製操作を行うことによって本発明化合
物を得ることができる。
【0008】(製造法3) フッ化セシウムの存在下、式(5)
【化5】 で示されるアルデヒド化合物と式(6) (C653+−CH2CF3 -OTf (6) で示される(2,2,2−トリフルオロエチル)トリフ
ェニルホスホニウムトリフルオロメタンスルホネートと
を反応させることにより製造する方法 該反応はBull.Chem.Soc.Jpn.,64,2008-2010(1991)に記
載の条件下で反応させることにより行うことができる。
反応後、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出した後
濃縮する等の通常の後処理を行い、必要であれば、更に
クロマトグラフィー、蒸留等の精製操作を行うことによ
って本発明化合物を得ることができる。
【0009】式(5)で示されるアルデヒド化合物は,
例えば式(7)
【化6】 で示される化合物をオゾン分解するか、または四酸化オ
スミウム−メタ過ヨウ素酸ナトリウムと反応させること
により製造することができる。
【0010】式(2)で示されるアルコール化合物は、
特開昭57−123146号公報に記載された化合物で
あり、該公報に記載の方法により製造することができ
る。また、式(3)で示されるカルボン酸化合物および
その反応性誘導体は、例えば特開昭54−130537
号公報に記載された方法により製造することができる。
さらに、式(7)で示されるエステル化合物は、例えば
EP1004569公報に記載された化合物であり、該公報に記
載の方法により製造することができる。
【0011】本発明化合物が対象とする害虫としては、
例えば以下の害虫があげられる。 鱗翅目害虫 ニカメイガ、コブノメイガ、ノシメコクガ等のメイガ
類、ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ等のヨトウ
類、モンシロチョウ等のシロチョウ類、コカクモンハマ
キ等のハマキガ類、シンクイガ類、ハモグリガ類、ドク
ガ類、ウワバ類、カブラヤガ、タマナヤガ等のアグロテ
ィス属害虫 (Agrotis spp.)、ヘリコベルパ属害虫 (Hel
icoverpa spp.)、ヘリオティス属害虫 (Heliothis sp
p.)、コナガ、イチモンジセセリ、イガ、コイガ等 双翅目害虫 アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイ
シマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ
等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバ
エ、ヒメイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバ
エ類、タネバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ミバエ
類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ノミバエ類、
アブ類、ブユ類、サシバエ類、ヌカカ類等 網翅目害虫 チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、ト
ビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等 膜翅目害虫 アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ
等のハバチ類等 隠翅目害虫 イヌノミ、ネコノミ、ヒトノミ等 シラミ目害虫 ヒトジラミ、ケジラミ、アタマジラミ、コロモジラミ等 等翅目害虫 ヤマトシロアリ、イエシロアリ等 半翅目害虫 ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウ
ンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ
等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラ
ミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等 鞘翅目害虫 ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、ウエス
タンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等
のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコガ
ネ等のコガネムシ類、コクゾウムシ、イネミズゾウム
シ、ワタミゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類、
チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキ等の
ゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ、キスジノミハム
シ、ウリハムシ等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウ
ヤホシテントウ等のエピラクナ属 (Epilachna spp.)、
ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリム
シ類、アオバアリガタハネカクシ等 総翅目害虫 ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ハ
ナアザミウマ等 直翅目害虫 ケラ、バッタ等 ダニ類 コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ
類、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、チ
リニクダニ、イエニクダニ、サナアシニクダニ等のニク
ダニ類、クワガタツメダニ、フトツメダニ等のツメダニ
類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ
類、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リン
ゴハダニ等のハダニ類、フタトゲチマダニ等のマダニ類
【0012】本発明化合物を有害生物防除剤の有効成分
として用いる場合には、本発明化合物をそのまま用いて
もよいが、通常は本発明化合物を製剤化して使用する。
その製剤としては、例えば油剤、乳剤、水和剤、フロア
ブル剤(水中懸濁剤、水中乳濁剤等)、粉剤、粒剤、エ
アゾール剤、加熱蒸散剤(殺虫線香、電気殺虫マット、
吸液芯型加熱蒸散殺虫剤等)、加熱燻煙剤(自己燃焼型
燻煙剤、化学反応型燻煙剤、多孔セラミック板燻煙剤
等)、非加熱蒸散剤(樹脂蒸散剤、含浸紙蒸散剤等)、
煙霧剤(フォッキング等)、ULV剤及び毒餌があげら
れる。製剤化の方法としては、例えば以下の方法をあげ
ることができる。 (1)本発明化合物を固体担体、液体担体、ガス状担
体、餌等と混合し、必要があれば界面活性剤その他の製
剤用補助剤を添加・加工する方法。 (2)本発明化合物を有効成分を含有していない基材に
含浸する方法。 (3)本発明化合物と基材を混合した後に成形加工する
方法。 これらの製剤には、本発明化合物を、製剤形態にもよる
が、通常、重量比で0.001〜95%含有する。
【0013】製剤化の際に用いられる担体としては、例
えば固体担体{粘土類(カオリンクレー、珪藻土、合成
含水酸化珪素、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白
土等)、タルク類、セラミック、その他の無機鉱物(セ
リサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和
シリカ、モンモリロナイト等)、化学肥料(硫安、燐
安、硝安、尿素、塩安等)等}、液体担体{水、アルコ
ール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセ
トン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチル
ナフタレン、フェニルキシリルエタン等)、脂肪族炭化
水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、
エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類
(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル
類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミ
ド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロ
メタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチル
スルホキシド、植物油(大豆油、綿実油等)等}、ガス
状担体{フロンガス、ブタンガス、LPG(液化石油ガ
ス)、ジメチルエーテル、炭酸ガス等}があげられる。
【0014】界面活性剤としては、例えば、アルキル硫
酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリー
ルスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、アルキ
ルアリールエーテル類のポリオキシエチレン化物、ポリ
エチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステ
ル類、及び糖アルコール誘導体があげられる。
【0015】その他の製剤用補助剤としては、固着剤、
分散剤及び安定剤等、例えばカゼイン、ゼラチン、多糖
類(デンプン、アラビアガム、セルロース誘導体、アル
ギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、合成水溶
性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン)、ポリアクリル酸等、BHT(2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノール)、BHA(2−t−ブチ
ル−4−メトキシフェノールと3−t−ブチル−4−メ
トキシフェノールとの混合物)があげられる。
【0016】殺虫線香の基材としては、例えば木粉、粕
粉等の植物性粉末とタブ粉、スターチ、グルテイン等の
結合剤との混合物があげられる。
【0017】電気殺虫マットの基材としては、例えばコ
ットンリンターを板状に固めたもの、コットンリンター
とパルプとの混合物のフィリブルを板状に固めたものが
あげられる。
【0018】自己燃焼型燻煙剤の基材としては、例え
ば、硝酸塩、亜硝酸塩、グアニジン塩、塩素酸カリウ
ム、ニトロセルロース、エチルセルロース、木粉等の燃
焼発熱剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重ク
ロム酸塩、クロム酸塩等の熱分解刺激剤、硝酸カリウム
等の酸素供給剤、メラミン、小麦デンプン等の支燃剤、
珪藻土等の増量剤及び合成糊料等の結合剤があげられ
る。
【0019】化学反応型燻煙剤の基材としては、例え
ば、アルカリ金属の硫化物、多硫化物、水硫化物、含水
塩、酸化カルシウム等の発熱剤、炭素質物質、炭化鉄、
活性白土などの触媒剤、アゾジカルボンアミド、ベンゼ
ンスルホニルヒドラジド、ジニトロペンタメチレンテト
ラミン、ポリスチレン、ポリウレタン等の有機発泡剤、
天然繊維片、合成繊維片等の充填剤があげられる。
【0020】非加熱蒸散剤の基材としては、例えば、熱
可塑性樹脂、紙(濾紙、和紙等)があげられる。
【0021】毒餌の基材としては、例えば、穀物粉、植
物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロ
キシトルエン、ノルジヒドログアセチック酸等の酸化防
止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ末等の子ど
もやペットによる誤食防止剤、及びチーズ香料、タマネ
ギ香料、ピーナッツオイル等の害虫誘引性香料があげら
れる。
【0022】本発明化合物の製剤の使用方法としては、
例えば、以下の方法が挙げられ、製剤の剤型、使用場所
等に応じて適宜選択できる。 (1)製剤をそのまま害虫の生息場所に処理する方法。 (2)製造を水等の溶媒で希釈した後に、害虫の生息場
所に処理する方法。 この場合には、通常、乳剤、水和剤、フロアブル剤、マ
イクロカプセル製剤等を本発明化合物の濃度が0.1〜
10000ppmとなるように希釈する。 (3)製剤を害虫の生息場所で加熱する方法。 この場合、本発明化合物の施用量、施用濃度はいずれも
製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、有害生物
の種類、被害状況等に応じて適宜定めることができる。
【0023】本発明化合物を含有する有害生物防除剤
は、加熱蒸散剤、非加熱蒸散剤等の蒸散剤としても有用
である。また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤
は、他の殺虫剤、殺線虫剤、土壌害虫防除剤、殺菌剤、
除草剤、植物成長調節剤、忌避剤、共力剤、肥料、土壌
改良材と混用または併用することもできる。
【0024】かかる殺虫剤、殺ダニ剤の有効成分として
は、例えば、フェニトロチオン〔O,O−ジメチル O
−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエ
−ト〕、フェンチオン〔O,O−ジメチル O−(3−
メチル−4−(メチルチオ)フェニル)ホスホロチオエ
−ト〕、ダイアジノン〔O,O−ジエチル−O−2−イ
ソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロ
チオエ−ト〕、クロルピリホス〔O,O−ジエチル−O
−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオ
エ−ト〕、アセフェ−ト〔O,S−ジメチルアセチルホ
スホラミドチオエ−ト〕、メチダチオン〔S−2,3−
ジヒドロ−5−メトキシ−2−オキソ−1,3,4−チ
アジアゾ−ル−3−イルメチル O,O−ジメチルホス
ホロジチオエ−ト〕、ジスルホトン〔O,O−ジエチル
S−2−エチルチオエチルホスホロジチオエ−ト〕、
DDVP〔2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェ−
ト〕、スルプロホス〔O−エチル O−4−(メチルチ
オ)フェニル S−プロピルホスホロジチオエ−ト〕、
シアノホス〔O−4−シアノフェニル O,O−ジメチ
ルホスホロチオエ−ト〕、ジオキサベンゾホス〔2−メ
トキシ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン
−2−スルフィド〕、ジメトエ−ト〔O,O−ジメチル
−S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフ
ェ−ト〕、フェントエ−ト〔エチル 2−ジメトキシホ
スフィノチオイルチオ(フェニル)アセテ−ト〕、マラ
チオン〔ジエチル(ジメトキシホスフィノチオイルチ
オ)サクシネ−ト〕、トリクロルホン〔ジメチル 2,
2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネ−
ト〕、アジンホスメチル〔S−3,4−ジヒドロ−4−
オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イルメチ
ル O,O−ジメチルホスホロジチオエ−ト〕、モノク
ロトホス〔ジメチル(E)−1−メチル−2−(メチル
カルバモイル)ビニルホスフェ−ト〕、エチオン〔O,
O,O′,O′−テトラエチル S,S′−メチレンビ
ス(ホスホロジチオエ−ト)〕等の有機リン化合物、
【0025】BPMC(2−sec−ブチルフェニルメチ
ルカ−バメ−ト〕、ベンフラカルブ〔エチル N−
〔2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−
7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ〕−N
−イソプロピル−β−アラニネ−ト〕、プロポキスル
〔2−イソプロポキシフェニル N−メチルカ−バメ−
ト〕、カルボスルファン〔2,3−ジヒドロ−2,2−
ジメチル−7−ベンゾ〔b〕フラニル N−ジブチルア
ミノチオ−N−メチルカ−バメ−ト〕、カルバリル〔1
−ナフチル−N−メチルカ−バメ−ト〕、メソミル〔S
−メチル−N−〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオ
アセトイミデ−ト〕、エチオフェンカルブ〔2−(エチ
ルチオメチル)フェニルメチルカ−バメ−ト〕、アルジ
カルブ〔2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンア
ルデヒド O−メチルカルバモイルオキシム〕、オキサ
ミル〔N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキ
シイミノ−2−(メチルチオ)アセタミド〕、フェノチ
オカルブ〔S−4−フェノキシブチル)−N,N−ジメ
チルチオカ−バメ−ト〕等のカ−バメ−ト化合物、
【0026】エトフェンプロックス〔2−(4−エトキ
シフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベ
ンジルエ−テル〕、フェンバレレ−ト〔(RS)−α−
シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2−(4
−クロロフェニル)−3−メチルブチレ−ト〕、エスフ
ェンバレレ−ト〔(S)−α−シアノ−3−フェノキシ
ベンジル (S)−2−(4−クロロフェニル)−3−
メチルブチレ−ト〕、フェンプロパトリン〔(RS)−
α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2,2,3,3
−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、シ
ペルメトリン〔(RS)−α−シアノ−3−フェノキシ
ベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2
−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン
カルボキシレ−ト〕、ペルメトリン〔3−フェノキシベ
ンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−
ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカ
ルボキシレ−ト〕、シハロトリン〔(RS)−α−シア
ノ−3−フェノキシベンジル(Z)−(1RS)−cis
−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ
−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカル
ボキシレ−ト〕、デルタメトリン〔(S)−α−シアノ
−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3(2,
2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパ
ンカルボキシレ−ト〕、シクロプロトリン〔(RS)−
α−シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)−2,2
−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロ
パンカルボキシレ−ト〕、フルバリネ−ト(α−シアノ
−3−フェノキシベンジル N−(2−クロロ−α,
α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バリネ−
ト)、ビフェンスリン(2−メチルビフェニル−3−イ
ルメチル)(Z)−(1RS)−cis−3−(2−クロ
ロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、
2−メチル−2−(4−ブロモジフルオロメトキシフェ
ニル)プロピル(3−フェノキシベンジル)エ−テル、
トラロメトリン〔(1R−シス)3{(1RS)(1,
2,2,2−テトラブロモエチル)}−2,2−ジメチ
ルシクロプロパンカルボン酸(S)−α−シアノ−3−
フェノキシベンジルエステル〕、シラフルオフェン〔4
−エトキシフェニル{3−(4−フルオロ−3−フェノ
キシフェニル)プロピル}ジメチルシラン〕、d−フェ
ノトリン〔3−フェノキシベンジル (1R−シス,ト
ランス)−クリサンテマ−ト〕、シフェノトリン〔(R
S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R−
シス,トランス)−クリサンテマ−ト〕、d−レスメト
リン〔5−ベンジル−3−フリルメチル(1R−シス,
トランス)−クリサンテマ−ト〕、アクリナスリン
〔(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R
−シス(Z))−(2,2−ジメチル−3−{3−オキ
ソ−3−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプ
ロピルオキシ)プロペニル}シクロプロパンカルボキシ
レ−ト〕、シフルトリン〔(RS)−α−シアノ−4−
フルオロ−3−フェノキシベンジル 3−(2,2−ジ
クロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカル
ボキシレ−ト〕、テフルトリン〔2,3,5,6−テト
ラフルオロ−4−メチルベンジル (1RS−シス
(Z))−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオ
ロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロ
パンカルボキシレ−ト〕、トランスフルスリン〔2,
3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R−トラン
ス)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメ
チルシクロプロパンカルボキシレ−ト〕、テトラメトリ
ン〔3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル
(1RS)−シス,トランス−クリサンテマ−ト〕、
アレスリン〔(RS)−3−アリル−2−メチル−4−
オキソシクロペント−2−エニル(1RS)−シス,ト
ランス−クリサンテマ−ト〕、プラレトリン〔(S)−
2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)シク
ロペント−2−エニル(1R)−シス,トランス−クリ
サンテマ−ト〕、エンペントリン〔(RS)−1−エチ
ニル−2−メチル−2−ペンテニル (1R)−シス,
トランス−クリサンテマ−ト〕、イミプロトリン〔2,
5−ジオキソ−3−(プロプ−2−イニル)イミダゾリ
ジン−1−イルメチル(1R)−シス,トランス−2,
2−ジメチル−3−(2−メチルプロプ−1−エニル)
シクロプロパンカルボキシレ−ト〕、d−フラメトリン
〔5−(2−プロピニル)フルフリル(1R)−シス,
トランス−クリサンテマ−ト〕、5−(2−プロピニ
ル)フルフリル 2,2,3,3−テトラメチルシクロ
プロパンカルボキシレ−ト等のピレスロイド化合物、
【0027】ニトロイミダゾリジン誘導体、N−シアノ
−N′−メチル−N′−(6−クロロ−3−ピリジルメ
チル)アセトアミジン等のN−シアノアミジン誘導体、
エンドスルファン〔6,7,8,9,10,10−ヘキ
サクロロ−1,5,5a,6,9,9a−ヘキサヒドロ
−6,9−メタノ−2,4,3−ベンゾジオキサチエピ
ンオキサイド〕、γ−BHC〔1,2,3,4,5,6
−ヘキサクロロシクロヘキサン〕、1,1−ビス(クロ
ロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノ−ル等の
塩素化炭化水素化合物、クロルフルアズロン〔1−
(3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフル
オロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル)−3
−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア〕、テフル
ベンズロン〔1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフル
オロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイ
ル)ウレア〕、フルフェノクスロン〔1−(4−(2−
クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−フ
ルオロフェニル〕−3−(2,6−ジフルオロベンゾイ
ル)ウレア〕等のベンゾイルフェニルウレア化合物、フ
ェニルピラゾール化合物、メトキサジアゾン〔5−メト
キシ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3,4−オ
キサジアゾ−ル−2−(3H)−オン〕、ブロモプロピ
レ−ト〔イソプロピル 4,4′−ジブロモベンジレ−
ト〕、テトラジホン〔4−クロロフェニル 2,4,5
−トリクロロフェニルスルホン〕、キノメチオネ−ト
〔S,S−6−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジ
チオカルボネ−ト〕、ピリダベン〔2−tert−ブチ
ル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−
クロロピリダジン−3(2H)−オン〕、フェンピロキ
シメ−ト〔tert−ブチル(E)−4−〔(1,3−
ジメチル−5−フェノキシピラゾ−ル−4−イル)メチ
レンアミノオキシメチル〕ベンゾエ−ト〕、ジアフェン
チウロン〔N−(2,6−ジイソプロピル−4−フェノ
キシフェニル)−N′−tert−ブチルカルボジイミ
ド〕、デブフェンピラド〔N−4−tert−ブチルベ
ンジル)−4−クロロ−3−エチル−1−メチル−5−
ピラゾ−ルカルボキサミド〕、ポリナクチンコンプレッ
クス〔テトラナクチン、ジナクチン、トリナクチン〕、
ピリミジフェン〔5−クロロ−N−〔2−{4−(2−
エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ}エチ
ル〕−6−エチルピリミジン−4−アミン、ミルベメク
チン、アバメクチン、イバ−メクチン、アザジラクチン
等があげられ、
【0028】忌避剤としては、例えば、3、4−カラン
ジオール、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−メ
チルプロピル 2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピ
ペリジンカルボキシラート、p−メンタン−3,8−ジ
オール、ヒソップ油などの植物精油等があげられ、
【0029】共力剤としては、例えば、ビス−(2,
3,3,3−テトラクロロプロピル)エーテル(S−4
21)、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミ
ド(MGK−264)、α−[2−(2−ブトキシエト
キシ)エトキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プ
ロピルトルエン(ピペロニルブトキシド)等があげられ
る。
【0030】
【実施例】以下、製造例、製剤例及び試験例等により本
発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に
限定されるものではない。
【0031】まず、本発明化合物の製造例を示す。
【0032】製造例 N,N−ジメチルホルムアミド10mlに式(8)
【化7】 で示される4−メトキシメチル−2,3,5,6−テト
ラフルオロベンジル 3−ホルミル−2,2−ジメチル
シクロプロパンカルボキシレート1.0g及び(2,
2,2−トリフルオロエチル)トリフェニルホスホニウ
ムトリフルオロメタンスルホネート1.55gを溶解
し、氷冷下でフッ化セシウム2.18gを加え、さらに
室温で8時間攪拌した。その後、反応液を1%塩酸約2
0mlに注加し、酢酸エチル50mlで2回抽出した。
有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、減
圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付して、式(9)
【化8】 で示される4−メトキシメチル−2,3,5,6−テト
ラフルオロベンジル (Z)−3−(3,3,3−トリ
フルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロ
プロパンカルボキシレート(以下、本発明化合物1と記
す)0.29g及び式(10)
【化9】 で示される4−メトキシメチル−2,3,5,6−テト
ラフルオロベンジル (E)−3−(3,3,3−トリ
フルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロ
プロパンカルボキシレート(以下、本発明化合物2と記
す。)0.29gを得た。 本発明化合物1の物性値1 H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.
19(s,3H)、1.56(s,3H)、1.67
(d,1H)、2.45(m,1H)、3.41(s,
3H)、4.59(s,2H)、5.25(s,2
H)、5.66(m,2H) 本発明化合物2の物性値1 H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.
19(s,3H)、1.28(s,3H)、1.72
(d,1H)、2.12(m,1H)、3.41(s,
3H)、4.58(s,2H)、5.79(m,2H)
【0033】次に、式(8)で示される化合物の製造法
を参考製造例1として示す。 参考製造例1 テトラヒドロフラン10mlに4−メトキシメチル−
2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール
1.0g及びピリジン0.42gを溶解し、氷冷下で3
−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチル
シクロプロパンカルボン酸塩化物{立体異性体比率
(1R)−トランス体:(1R)−シス体:(1S)−
トランス体:(1S)−シス体=93.9:2.5:
3.5:0.1}0.9gを加え、さらに室温で8時間
攪拌した。その後、反応液を氷水約50ml中に注加
し、酢酸エチル80mlで2回抽出した。有機層を合わ
せて飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、4−メトキシメチル−2,
3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2−メチ
ル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパ
ンカルボキシレート1.4gを得た。1 H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.
13(s,3H)、1.26(s,3H)、1.38
(d,1H)、1.69(brs,6H)、2.10
(dd,1H)、3.40(s,3H)、4.59
(s,2H)、4.87(d,1H)、5.24(d
d,2H)
【0034】テトラヒドロフラン25mlと1,4−ジ
オキサン150mlとの混合溶媒に4−メトキシメチル
−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2
−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロ
プロパンカルボキシレート15.4gを溶解し、室温で
四酸化オスミウム1.0gを加え、さらにメタ過ヨウ素
酸ナトリウム24.0gを水50mlに溶解した溶液を
加えた後、2時間加熱還流した。その後反応液を水約2
00mlに注加し、酢酸エチル200mlで2回抽出し
た。有機層を合わせて1%チオ硫酸ナトリウム水溶液、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付して、式(8)で示される4−メトキシメチル−
2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−ホルミ
ル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート
10.4gを得た。1 H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.
30(s,3H)、1.36(s,3H)、2.47
(m,2H)、3.41(s,3H)、4.59(s,
2H)、5.26(s,2H)、9.59(s,1H)
【0035】さらに、後記試験例で用いた比較対照化合
物の製造法を参考製造例2に示す。 参考製造例2 メタノール430g、ピリジン265gの混合物中に、
氷冷下で3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2
−ジメチルシクロプロパンカルボン酸クロリド{立体異
性体比率 (1R)−トランス体:(1R)−シス体:
(1S)−トランス体:(1S)−シス体=93.9:
2.5:3.5:0.1}501.9gを約2.5時間
かけて加え、加え終わった後、さらに室温で4時間攪拌
した。その後、反応液を約半分まで減圧濃縮してから
3.5%塩酸500mlに滴下し、メチル−t−ブチル
エーテル200mlで抽出した。水層をさらにメチル−
t−ブチルエーテル200mlで2回抽出した。有機層
を合わせて、水300ml、飽和食塩水200mlで洗
浄した後、減圧下濃縮した。得られた残渣を減圧蒸留
(84〜89℃/7mmHg)して、3−(2−メチル
−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン
カルボン酸メチル426gを得た。
【0036】メタノール1000mlに3−(2−メチ
ル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパ
ンカルボン酸メチル150gを溶解し−60〜−50℃
でオゾンを吹き込んだ。ガスクロマトグラフィーで原料
の消失を確認した後、オゾンの吹き込みを停止し、ジメ
チルスルフィド170gを滴下した。その後、反応液を
室温まで昇温し、一晩静置した。反応液を濃縮し、得ら
れた残渣にメチル−t−ブチルエーテル500mlと1
0%塩酸1000mlを加え、攪拌し室温で2時間静置
した後、分液した。水層はさらにメチル−t−ブチルエ
ーテル500mlで抽出した。有機層を合わせて飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液500ml、飽和食塩水500
mlで順次洗浄した後、減圧下濃縮した。得られた残渣
を減圧蒸留(84〜103℃/7mmHg)することに
より、3−ホルミル−2,2−ジメチルシクロプロパン
カルボン酸メチル88.9gを得た。
【0037】N,N−ジメチルホルムアミド40mlに
3−ホルミル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
ン酸メチル5.4gを溶解し、室温で1,1,1−トリ
クロロ−2,2,2−トリフルオロエタン20.0g及
び金属亜鉛6.3gを加え、40℃で7時間攪拌した。
その後、反応液をセライト濾過し、濾液を1%塩酸10
0mlに注加した。これをジエチルエーテル100ml
で3回抽出した。有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後、減圧下濃縮して3−(1−ヒドロキ
シ−2,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロ
ピル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メ
チル11.6gを得た。
【0038】n−ヘキサン100mlに3−(1−ヒド
ロキシ−2,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロ
プロピル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン
酸メチル11.6gを溶解し、室温で無水酢酸16g、
ピリジン4.5g及び4−ジメチルアミノピリジン0.
4gを加え、8時間攪拌した。その後、反応液を飽和塩
化アンモニウム水溶液50mlに注加し、ジエチルエー
テル100mlで3回抽出した。有機層を合わせて、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮し
て3−(1−アセトキシ−2,2−ジクロロ−3,3,
3−トリフルオロプロピル)−2,2−ジメチルシクロ
プロパンカルボン酸メチル12.1gを得た。
【0039】N,N−ジメチルホルムアミド45mlに
3−(1−アセトキシ−2,2−ジクロロ−3,3,3
−トリフルオロプロピル)−2,2−ジメチルシクロプ
ロパンカルボン酸メチル12.1gを溶解し、室温で金
属亜鉛2.8gを加え、50℃で3時間攪拌した。その
後反応液をセライト濾過し、濾液を1%塩酸100ml
に注加した。これをジエチルエーテル100mlで3回
抽出した。有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム、
飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付して、(Z)−3−(2−
クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニ
ル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチ
ル7.6gを得た。
【0040】エタノール10mlに(Z)−3−(2−
クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニ
ル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチ
ル2.5gを溶解し、水2mlに水酸化ナトリウム0.
43gを溶解した溶液を加え、1時間加熱還流した。そ
の後、反応液を氷水約30mlに注加し、ジエチルエー
テル50mlで抽出した。この水層に1%塩酸10ml
を加え、ジエチルエーテル50mlで3回抽出した。有
機層を合わせて、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮し、(Z)−3−
(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−
エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸
2.1gを得た。
【0041】ジクロロメタン40mlに(Z)−3−
(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−
エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸
2.1g及び4−メトキシメチル−2,3,5,6−テ
トラフルオロベンジルアルコール1.94gを溶解し、
ジシクロヘキシルカルボジイミド1.8g及び4−ジメ
チルアミノピリジン0.3gを加え、室温で2時間攪拌
した。その後、反応液をセライト濾過し、濾液を減圧濃
縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付して、式(12)
【化10】 で示される4−メトキシメチル−2,3,5,6−テト
ラフルオロベンジル(Z)−3−(2−クロロ−3,
3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボキシレート3.0gを得
た。
【0042】次に製剤例を示す。なお、部は重量部を示
す。 製剤例1 本発明化合物1または2 20部をキシレン65部に溶
解し、ソルポール3005X(東邦化学登録商標)15
部を加え、よく攪拌混合して、乳剤を得る。
【0043】製剤例2 本発明化合物1または2 40部にソルポール3005
X5部を加え、良く混合してカープレックス#80(合
成含水酸化珪素、塩野義製薬登録商標)32部、300
メッシュ珪藻土23部を加え、ジュースミキサーで攪拌
混合して、水和剤を得る。
【0044】製剤例3 本発明化合物1または2 10部、フェニルキシリルエ
タン10部およびスミジュールL−75(トリレンジイ
ソシアネート、住友バイエルウレタン社製)0.5部を
混合した後、アラビアガムの10%水溶液20部中に加
え、ホモミキサーで攪拌して、平均粒径20μmのエマ
ルジョンを得る。次にこれにエチレングリコール2部を
加え、さらに60℃の温浴中で24時間攪拌してマイク
ロカプセルスラリーを得る。一方、ザンサンガム0.2
部、ビーガムR(アルミニウムマグネシウムシリケー
ト、三洋化成製)1.0部をイオン交換水56.3部に
分散させて増粘剤溶液を得る。上記マイクロカプセルス
ラリー42.5部および増粘剤溶液57.5部を混合し
て、マイクロカプセル剤を得る。
【0045】製剤例4 本発明化合物1または2 10部とフェニルキシリルエ
タン10とを混合した後、ポリエチレングリコールの1
0%水溶液20部中に加え、ホモミキサーで攪拌して、
平均粒径3μmのエマルジョンを得る。一方、ザンサン
ガム0.2部ビーガムR(アルミニウムマグネシウムシ
リケート、三洋化成製)1.0部をイオン交換水58.
8部に分散させて増粘剤溶液を得る。上記エマルジョン
溶液40部及び増粘剤溶液60部を混合してフロアブル
剤を得る。
【0046】製剤例5 本発明化合物1または2 5部をカープレックス#80
(合成含水酸化珪素微粉末、塩野義製薬登録商標)3
部、PAP0.3部(モノイソプロピルホスフェートと
ジイソプロピルホスフェートの混合物)及びタルク(3
00メッシュ)91.7部を加え、ジュースミキサーで
攪拌混合し、粉剤を得る。
【0047】製剤例6 本発明化合物1または2 0.1部をジクロロメタン5
部に溶解し、これを脱臭灯油94.9部に混合して油剤
を得る。
【0048】製剤例7 本発明化合物1または2 1部、ジクロロメタン5部及
び脱臭灯油34部を混合溶解し、エアゾール容器に充填
し、バルブ部分を取付けた後、該バルブ部分を通じ手噴
射剤(液化石油ガス)60部を加圧充填して、油性エア
ゾールを得る。
【0049】製剤例8 本発明化合物1または2 0.6部、キシレン5部、脱
臭灯油3.4部及びアトモス300(乳化剤、アトラス
ケミカル社登録商標)1部を混合溶解したものと、水5
0部とをエアゾール容器に充填し、バルブ部分を通じて
噴射剤(液化石油ガス)40部を加圧充填して、水性エ
アゾールを得る。
【0050】製剤例9 本発明化合物1または2 0.3gをアセトン20ml
に溶解し、線香用基材(タブ粉:粕粉:木粉=4:3:
3の割合で混合したもの)99.7gと均一に攪拌混合
した後、水100mlを加え、十分練り合わせたものを
成型乾燥し、殺虫線香を得る。
【0051】製剤例10 本発明化合物1または2 0.8g、ピペロニルブトキ
サイド0.4gにアセトンを加えて溶解し、全部出10
mlとする。この溶液0.5mlを2.5cm×1.5
cm、厚さ0.3cmの電気殺虫マット用基材(コット
ンリンターとパルプの混合物のフィリブルを板状に固め
たもの)に均一に含浸させて、電気殺虫マット剤を得
る。
【0052】製剤例11 本発明化合物1または2 3部を脱臭灯油97部に溶解
して液剤を得、これを塩化ビニル製容器に入れ上部をヒ
ーターで加熱できるようにした吸液芯(無機粉体をバイ
ンダーで固め、焼結したもの)を挿入することにより、
吸液芯型加熱蒸散装置に用いるパーツを得る。
【0053】製剤例12 本発明化合物1または2 100mgを適量のアセトン
に溶解し、4.0cm×4.0cm、厚さ1.2cmの
多孔セラミック板に含浸させて、加熱燻煙剤を得る。
【0054】製剤例13 本発明化合物1または2 100μgを適量のアセトン
に溶解し、2cm×2cm、厚さ0.3mmの濾紙に均
一に塗布した後、アセトンを風乾して、常温揮散剤を得
る。
【0055】製剤例14 本発明化合物1または2のアセトン溶液を濾紙に本発明
化合物濃度が1m2当り1gとなるように含浸させ、ア
セトンを風乾して、防ダニシートを得る。
【0056】次に本発明化合物が有害生物防除剤の有効
成分として有効であることを試験例により示す。 試験例 本発明化合物をアセトンに希釈し、その希釈液0.64
mlを底部の直径が9cmのアルミニウム皿に滴下し、
アセトンを風乾した。ポリエチレンカップ(直径9c
m、高さ4.5cm)内にアカイエカ雌成虫10頭を放
ち、その上部に虫が直接に薬剤処理面に触れないように
ナイロンネットをした。このカップの天地を逆にし、上
記アルミニウム皿の上にのせた。25℃で60分経過
後、ノックダウンしたアカイエカを数え、ノックダウン
率(%)を求めた。比較対象化合物としては式(12)
で示される4−メトキシメチル−2,3,5,6−テト
ラフルオロベンジル (Z)−3−(2−クロロ−3,
3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボキシレートを用いた。結
果を表1に示す。
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明化合物は有害生物防除活性に優
れ、有害生物防除剤の有効成分として有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AB02 BJ20 BJ50 BM10 BM30 BM71 BP30 KA31 4H011 AC02 BA01 BB15 BC01 BC02 BC03 BC05 BC07 BC09 BC11 BC17 BC18 BC19 BC20 BC22 DA02 DA06 DA07 DA10 DA13 DA15 DA21 DB04 DB05 DC05 DC08 DE04 DE07 DH02 DH03 DH10 DH14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 で示される4−メトキシメチル−2,3,5,6−テト
    ラフルオロベンジル 3−(3,3,3−トリフルオロ
    −1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン
    カルボキシレート。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のエステル化合物を含有す
    ることを特徴とする有害生物防除剤。
JP2000337154A 2000-11-06 2000-11-06 エステル化合物およびそれを有効成分として含有する有害生物防除剤 Pending JP2002145828A (ja)

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