JP4029486B2 - エステル化合物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエステル化合物及びそれを有効成分とする有害生物防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、ハロアルケニルシクロプロパンカルボン酸のフッ素置換ベンジルエステル類が殺虫活性を有すること、及び該化合物のシクロプロパン環において、1位の置換基と3位の置換基の立体配置がシス配置である異性体がトランス配置である異性体よりも良好な殺虫活性を有することが知られており(特開昭56−97251号公報参照)、また、ある種のそのようなシス異性体化合物は、既に土壌害虫防除に実用化されている。
しかしながら、このような害虫防除剤は、その使用場面によっては、その防除効果のみならず、安全性の面でその使用の制限を余儀なくされることが少なくなく、殊に、防疫用害虫防除剤は、通常、主として生活環境内の限られた空間で使用されるため、必要とされる殺虫活性や忌避活性を具備することはもとより、人や家畜、あるいはペット等の哺乳動物に対して低毒性であることが求められる。
【0003】
【課題を解決するための手段】
かかる状況下に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 (2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシフェニル)メチルが優れた有害生物防除活性を示すのみならず、哺乳動物に対する安全性も高いことを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、式 化2
【化2】
で示されるトランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 (2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシフェニル)メチル(以下、本発明化合物と記す)及びそれを有効成分として含有する有害生物防除剤を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明化合物は例えば以下の方法により製造することができる。
式 化3
【化3】
で示されるトランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸またはその反応性誘導体と式 化4
【化4】
で示される(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシフェニル)メタノールまたはその反応性誘導体とを反応させることにより製造する方法。
該反応は、通常有機溶媒中で行われ、必要に応じて反応助剤の存在下、必要に応じて副生成物を反応系から除去することにより行われる。
反応時間の範囲は通常5分間〜72時間であり、反応温度の範囲は通常−80℃から反応に使用する溶媒の沸点または200℃までの範囲である。
式 化3で示されるカルボン酸化合物の反応性誘導体としては、酸ハロゲン化物、酸無水物あるいはC1〜C4アルキルエステル等があげられる。
式 化4で示されるアルコール化合物の反応性誘導体としては、ハロゲン化物、スルホン酸エステル、4級アンモニウム塩等があげられる。
式 化3で示されるカルボン酸化合物またはその反応性誘導体と式 化4で示されるアルコール化合物またはその反応性誘導体の使用モル比は任意に設定できるが、当モルまたはそれに近い比率で行うのが好ましい。
反応助剤としては、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等の3級アミン、ピリジン等の含窒素芳香族化合物、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等の有機塩基類、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基類、p−トルエンスルホン酸、硫酸等のプロトン酸類、チタン(IV)フェノキシド等のルイス酸類、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロリド、ジエチルアゾジカルボキシラートまたはジイソプロピルアゾジカルボキシラートとトリフェニルホスフィンとの試剤等があげられる。
これらの反応助剤は、反応に供される式 化3で示されるカルボン酸化合物若しくはその反応性誘導体または式 化4で示されるアルコール化合物若しくはその反応性誘導体の種類により適宜選択され、また、その使用量は反応の形態に応じて適宜選択される。
溶媒としては、ベンゼン、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄類等及びこれらの混合物があげられる。
反応終了後の反応液は有機溶媒抽出、濃縮等の通常の後処理操作を行うことにより本発明化合物を得ることができる。該化合物はクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の操作により精製することもできる。
尚、式 化3で示されるカルボン酸化合物は、Pestic.Sci.5,791(1974)に記載の方法に準じて製造することができ、式 化4で示されるアルコール化合物は、特開平4−6694号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
【0005】
本発明化合物には、シクロプロパン環の1位と3位の不斉炭素に基く二つの光学異性体((1R、3S)体及び(1S、3R)体)が存在するが、本発明にはそれらの光学異性体及びその混合物を含む。
【0006】
式 化3で示されるカルボン酸化合物またはその反応性誘導体としては、例えば下記の化合物があげられる。
トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸
トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸塩化物
【0007】
式 化4で示されるアルコール化合物またはその反応性誘導体としては、例えば下記の化合物があげられる。
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシフェニル)メタノール
1−クロロメチル−2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンゼン
1−ブロモメチル−2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンゼン
【0008】
本発明化合物が防除効力を発揮する有害生物において、害虫類(有害昆虫類や有害ダニ類)としては、例えば、下記のものがあげられる。
半翅目害虫:ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等
鱗翅目害虫:ニカメイガ、コブノメイガ、ノシメコクガ等のメイガ類、ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ等のヨトウ類、モンシロチョウ等のシロチョウ類、コカクモンハマキ等のハマキガ類、シンクイガ類、ハモグリガ類、ドクガ類、ウワバ類、カブラヤガ、タマナヤガ等のアグロティス属害虫 (Agrotis spp.)、ヘリコベルパ属害虫 (Helicoverpa spp.)、ヘリオティス属害虫 (Heliothis spp.)、コナガ、イチモンジセセリ、イガ、コイガ等
双翅目害虫:アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ、ヒメイエバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類、ノミバエ類等
鞘翅目害虫:ウエスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ等のコガネムシ類、コクゾウムシ、イネミズゾウムシ、ワタミゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキ等のゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ、キスジノミハムシ、ウリハムシ等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ属 (Epilachna spp.)、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ等
網翅目害虫:チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等
総翅目害虫:ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ハナアザミウマ等
膜翅目害虫:アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ等のハバチ類等
直翅目害虫:ケラ、バッタ等
隠翅目害虫:ヒトノミ、ネコノミ等
シラミ目害虫:ヒトジラミ、ケジラミ等
等翅目害虫:ヤマトシロアリ、イエシロアリ等
ダニ類:コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、チリニクダニ、イエニクダニ、サナアシニクダニ等のニクダニ類、クワガタツメダニ、フトツメダニ等のツメダニ類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等のハダニ類、フタトゲチマダニ等のマダニ類。
また本発明化合物は既存の殺虫、殺ダニ剤に対し抵抗性を有する害虫にも有効である。
【0009】
本発明の有害生物防除剤は、有害生物の致死及び有害生物の忌避等を目的とするものである。
本発明化合物を有害生物防除剤の有効成分として用いる場合は、通常、固体担体、液体担体、ガス状担体、餌と混合するか、あるいは蚊取り線香やマット等の基材に含浸し、必要あれば界面活性剤、その他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、水和剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、粒剤、粉剤、エアゾール、蚊取り線香・電気蚊取りマット・ノーマット等の加熱蒸散剤、自己燃焼型燻煙剤・化学反応型燻煙剤、多孔セラミック板燻煙剤等の加熱燻煙剤、樹脂蒸散剤・含浸紙蒸散剤等の非加熱蒸散剤、フォッギング等の煙霧剤、ULV剤、毒餌等に製剤して使用する。
これらの製剤には、有効成分として本発明化合物を、通常、重量比で0.001〜95%含有する。
【0010】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、粘土類(カオリンクレー、珪藻土、合成含水酸化珪素、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、タルク類、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末あるいは粒状物等があげられ、液体担体としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド、大豆油、綿実油等の植物油等があげられ、ガス状担体、すなわち噴射剤としては、例えば、フロンガス、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチルエーテル、炭酸ガス等があげられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体等があげられる。
固着剤や分散剤等の製剤用補助剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、多糖類(でんぷん粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)等があげられ、安定剤としては、例えば、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、界面活性剤、脂肪酸またはそのエステル等があげられる。
蚊取り線香の基材としては、例えば、木粉、粕粉等の植物生粉末と、タブ粉、スタ−チ、グルテイン等の結合剤との混合物等があげられる。
電気蚊取マットの基材としては、例えば、コットンリンタ−またはコットンリンタ−とパルプとの混合物のフィブリルを板状に固めたもの等があげられる。
自己燃焼型燻煙剤の基材としては、例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、グアニジン塩、塩素酸カリウム、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、木粉などの燃焼発熱剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重クロム酸塩、クロム酸塩などの熱分解刺激剤、硝酸カリウムなどの酸素供給剤、メラミン、小麦デンプンなどの支燃剤、硅藻土などの増量剤、合成糊料などの結合剤等があげられる。
化学反応型燻煙剤の基材としては、例えば、アルカリ金属の硫化物、多硫化物、水硫化物、含水塩、酸化カルシウム等の発熱剤、炭素質物質、炭化鉄、活性白土などの触媒剤、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ポリスチレン、ポリウレタン等の有機発泡剤、天然繊維片、合成繊維片等の充填剤等があげられる。
非加熱蒸散剤の基材としては、例えば、熱可塑性樹脂、濾紙、和紙等があげられる。
毒餌の基材としては、例えば、穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアセレチック酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ末等の誤食防止剤、チーズ香料、タマネギ香料、ピーナッツオイル等の誘引剤等があげられる。
フロアブル剤(水中懸濁剤または水中乳濁剤)の製剤は、一般に1〜75%の化合物を0.5〜15%の分散剤、0.1〜10%の懸濁助剤(例えば、保護コロイドやチクソトロピー性を付与する化合物)、0〜10%の適当な補助剤(例えば、消泡剤、防錆剤、安定化剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防菌剤、防黴剤等)を含む水中で微小に分散させることによって得られる。水の代わりに化合物がほとんど溶解しない油を用いて油中懸濁剤とすることも可能である。
保護コロイドとしては、例えば、ゼラチン、カゼイン、ガム類、セルロースエーテル、ポリビニルアルコール等が用いられる。
チクソトロピー性を付与する化合物としては、例えば、ベントナイト、アルミニウムマグネシウムシリケート、キサンタンガム、ポリアクリル酸等があげられる。
【0011】
このようにして得られる製剤は、そのままであるいは水等で希釈して用いる。また、他の殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、土壌害虫防除剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤、忌避剤、共力剤、肥料、土壌改良剤と混用または併用することもできる。
かかる殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、土壌害虫防除剤としては、例えば、フェニトロチオン[O,O−ジメチルO−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート]、フェンチオン[O,O−ジメチルO−(3−メチル−4−(メチルチオ)フェニル)ホスホロチオエート]、ダイアジノン[O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロチオエート]、クロルピリホス[O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエート]、アセフェート[O,S−ジメチルアセチルホスホラミドチオエート]、メチダチオン[S−2,3−ジヒドロ−5−メトキシ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオエート]、ジスルホトン[O,O−ジエチルS−2−エチルチオエチルホスホロジチオエート]、DDVP[2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェート]、スルプロホス[O−エチルO−4−(メチルチオ)フェニルS−プロピルホスホロジチオエート]、シアノホス[O−4−シアノフェニルO,O−ジメチルホスホロチオエート]、ジオキサベンゾホス[2−メトキシ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−2−スルフィド]、ジメトエート[O,O−ジメチル−S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート]、フェントエート[エチル2−ジメトキシホスフィノチオイルチオ(フェニル)アセテート]、マラチオン[ジエチル(ジメトキシホスフィノチオイルチオ)サクシネート]、トリクロルホン[ジメチル2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネート]、アジンホスメチル[S−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオエート]、モノクロトホス[ジメチル−{(E)−1−メチル−2−(メチルカルバモイル)ビニル)ホスフェート]、エチオン[O,O,O’,O’−テトラエチル−S,S’−メチレンビス(ホスホロジチオエート)]等の有機リン系化合物、BPMC(2−sec−ブチルフェニルメチルカーバメート]、ベンフラカルブ[エチル N−{2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ}−N−イソプロピル−β−アラニネート]、プロポキスル[2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカーバメート]、カルボスルファン[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ[b]フラニル N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカーバメート]、カルバリル[1−ナフチル−N−メチルカーバメート]、メソミル[S−メチル−N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミデート]、エチオフェンカルブ[2−(エチルチオメチル)フェニルメチルカーバメート]、アルジカルブ[2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド O−メチルカルバモイルオキシム]、オキサミル[N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセトアミド]、フェノチオカルブ[S−4−フェノキシブチル−N,N−ジメチルチオカーバメート]等のカーバメート系化合物、エトフェンプロックス[2−(4−エトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシプロパルギル)オキシプロパン]、フェンバレレート[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシプロパルギル (RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート]、エスフェンバレレート[(S)−α−シアノ−3−フェノキシプロパルギル (S)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート]、フェンプロパトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシプロパルギル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シペルメトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシプロパルギル(1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、ペルメトリン[3−フェノキシプロパルギル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シハロトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシプロパルギル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、デルタメトリン[(S)−α−シアノ−3−フェノキシプロパルギル (1R)−シス−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シクロプロトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシプロパルギル (RS)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシレート]、フルバリネート[α−シアノ−3−フェノキシプロパルギル N−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バリネート]、ビフェンスリン[2−メチル−3−フェニルプロパルギル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、ハルフェンプロックス[2−(4−ブロモジフルオロメトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシプロパルギル)メチルプロパン]、トラロメトリン[(S)−α−シアノ−3−フェノキシプロパルギル (1R)−シス−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シラフルオフェン[(4−エトキシフェニル)−{3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル}ジメチルシラン]、d−フェノトリン[3−フェノキシプロパルギル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]、シフェノトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシプロパルギル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]、d−レスメトリン[5−プロパルギル3−フリルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]、アクリナスリン[(S)−α−シアノ−3−フェノキシプロパルギル (1R,3Z)−シス−(2,2−ジメチル−3−{3−オキソ−3−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルオキシ)プロペニル}シクロプロパンカルボキシレート]、シフルトリン[(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシプロパルギル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、テフルトリン[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルプロパルギル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、トランスフルスリン[2,3,5,6−テトラフルオロプロパルギル (1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、テトラメトリン[3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、アレスリン[(RS)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、プラレトリン[(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、エンペントリン[(RS)−1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、イミプロトリン[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)イミダゾリジン−1−イルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、d−フラメトリン[5−(2−プロピニル)フルフリル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、5−(2−プロピニル)フルフリル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート等のピレスロイド化合物、ブプロフェジン[2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジン−4−オン]等のチアジアジン誘導体、ニトロイミダゾリジン誘導体、カルタップ[S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)ビス(チオカーバメート)]、チオシクラム[N,N−ジメチル−1,2,3−トリチアン−5−イルアミン]、ベンスルタップ[S,S’−2−ジメチルアミノトリメチレンジ(ベンゼンチオスルフォネート)]等のネライストキシン誘導体、N−シアノ−N’−メチル−N’−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)アセトアミジン等のN−シアノアミジン誘導体、エンドスルファン[6,7,8,9,10,10−ヘキサクロロ−1,5,5a,6,9,9a−ヘキサヒドロ−6,9−メタノ−2,4,3−ベンゾジオキサチエピンオキサイド]、γ−BHC[1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン]、ジコホル[1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノ−ル]等の塩素化炭化水素化合物、クロルフルアズロン[1−{3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア]、テフルベンズロン[1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア]、フルフェノクスロン[1−{4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−フルオロフェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア]等のベンゾイルフェニルウレア系化合物、アミトラズ[N−メチル−N’−2,4−キシリル−N−(N−2,4−キシリルホルムイミドイル)ホルムアミジン]、クロルジメホルム[N’−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−N,N−ジメチルメチニミダミド]等のホルムアミジン誘導体、ジアフェンチウロン[N−(2,6−ジイソプロピル−4−フェノキシフェニル)−N’−t−ブチルカルボジイミド]等のチオ尿素誘導体、N−フェニルピラゾール系化合物、メトキサジアゾン[5−メトキシ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−(3H)−オン]、ブロモプロピレート[イソプロピル4,4’−ジブロモベンジレート]、テトラジホン[4−クロロフェニル 2,4,5−トリクロロフェニルスルホン]、キノメチオネート[S,S−6−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジチオカルボネート]、プロパルギット[2−(4−tert−ブチルフェノキシ)シクロヘキシルプロピ−2−イルスルファイト]、フェンブタティンオキシド[ビス{トリス(2−メチル−2−フェニルプロピル)ティン}オキシド]、ヘキシチアゾクス[(4RS,5RS)−5−(4−クロロフェニル)−N−クロロヘキシル−4−メチル−2−オキソ−1,3−チアゾリジン−3−カルボキサミド]、クロフェンテジン[3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン]、ピリダベン[2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルプロパルギルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン]、フェンピロキシメート[tert−ブチル (E)−4−[(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イル)メチレンアミノオキシメチル]ベンゾエート]、デブフェンピラド[N−4−tert−ブチルプロパルギル)−4−クロロ−3−エチル−1−メチル−5−ピラゾールカルボキサミド]、ポリナクチンコンプレックス[テトラナクチン、ジナクチン、トリナクチン]、ピリミジフェン[5−クロロ−N−[2−{4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ}エチル]−6−エチルピリミジン−4−アミン]、ミルベメクチン、アバメクチン、イバーメクチン、アザジラクチン[AZAD]等があげられ、忌避剤としては、例えば3,4−カランジオール、N,N−ジエチル−m−トルアミド、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸1−メチルプロピル、p−メンタン−3,8−ジオール、ヒソップ油等の植物精油等があげられ、共力剤としては、例えばビス(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エーテル(S−421)、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(MGK−264)、α−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プロピルトルエン(ピペロニルブトキシド)等があげられる。
【0012】
本発明化合物を農業用有害生物防除剤の有効成分として用いる場合、その施用量は10アールあたり通常5〜500gであり、乳剤、水和剤、フロアブル剤等を水で希釈して施用する場合、その施用濃度は通常0.1〜1000ppmであり、粒剤、粉剤、樹脂製剤等は何ら希釈することなく、製剤のままで施用する。また、家庭・防疫用または動物用有害生物防除剤の有効成分として用いる場合、乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常水で0.1〜10000ppmに希釈して施用し、油剤、エアゾール、燻蒸剤、燻煙剤、蒸散剤、煙霧剤、ULV剤、毒餌、樹脂製剤等についてはそのまま施用する。
これらの施用量、施用濃度は、いずれも製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、害虫の種類、被害程度等の状況によって異なり、上記の範囲にかかわることなく増減させることができる。
本発明化合物は、これを加熱または非加熱条件下で揮散させることにより高い有害生物防除能力を発揮することから、特に防疫用殺虫剤の有効成分として有用である。
【0013】
【実施例】
以下、製造例、製剤例及び試験例をあげて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
まず、本発明化合物の製造例を示す。
製造例1
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシフェニル)メタノール0.78g、トルエン15ml、ピリジン0.5gの混合物に、氷冷下、(1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸塩化物0.71gのトルエン5ml溶液を加え、ついで、4−ジメチルアミノピリジン0.04gを加えた。1日後、反応液に水を注加し、これをtert−ブチルメチルエーテルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)に付し、(1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 (2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシフェニル)メチル(本発明化合物1)0.96g(80%)を得た。
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ1.18(3H,s),1.29(3H,s),1.60(1H,d,J=5.4Hz),2.26(1H,dd,J=8.3Hz,5.4Hz),4.10(3H,t,J=1.5Hz),5.19(1H,t,J=1.5Hz),5.20(1H,t,J=1.5Hz),5.59(1H,d,J=8.3Hz)
旋光度 [α]D 28=−20°(c=1.4,CHCl3)
【0014】
製造例2
(1RS)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸1.09g、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシフェニル)メタノール1.05g、トリフェニルホスフィン1.33gのテトラヒドロフラン40ml溶液に、氷冷下、ジイソプロピルアゾジカルボキシラートの40%トルエン溶液2.6gとテトラヒドロフラン10mlの混合物を加えた。1日後、反応液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)に付し、(1RS)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 (2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシフェニル)メチル(本発明化合物2)1.69g(84%)を得た。
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ1.18(3H,s),1.29(3H,s),1.60(1H,d,J=5.4Hz),2.26(1H,dd,J=8.3Hz,5.4Hz),4.10(3H,t,J=1.5Hz),5.19(1H,t,J=1.6Hz),5.20(1H,t,J=1.6Hz),5.59(1H,d,J=8.3Hz)
【0015】
製剤例1 乳剤
本発明化合物1〜2の各々10部を、キシレン35部及びジメチルホルムアミド35部に溶解し、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル14部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部を加え、よく攪拌混合して各々の10%乳剤を得る。
製剤例2 水和剤
本発明化合物1〜2の各々20部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪素土54部を混合した中に加え、ジュースミキサーで攪拌混合して各々の20%水和剤を得る。
製剤例3 粒剤
本発明化合物1〜2の各々5部に、合成含水酸化珪素微粉末5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ベントナイト30部及びクレー55部を加え充分攪拌混合する。次いで、これらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、造粒機で製粒し、通風乾燥して各々の5%粒剤を得る。
【0016】
製剤例4 粉剤
本発明化合物1〜2の各々1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP 0.3部及びクレー93.7部を加え、ジュースミキサーで攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の1%粉剤を得る。
製剤例5 フロアブル剤
本発明化合物1〜2の各々20部、ソルビタントリオレエート1.5部、ポリビニルアルコール2部を含む水溶液28.5部を混合し、サンドグラインダーで微粉砕(粒径3μ以下)した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコール10部を加えて攪拌混合して各々の20%フロアブル剤を得る。
製剤例6 油剤
本発明化合物1〜2の各々0.1部をジクロロメタン10部に溶解し、これを脱臭灯油89.9部に混合して各々の0.1%油剤を得る。
【0017】
製剤例7 油性エアゾール
本発明化合物1〜2の各々1部、ジクロロメタン5部及び脱臭灯油34部を混合溶解し、エアゾール容器に充填し、該容器にバルブ部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)60部を加圧充填して各々の油性エアゾールを得る。
製剤例8 水性エアゾール
本発明化合物1〜2の各々0.6部、キシレン5部、脱臭灯油3.4部及び乳化剤{アトモス300(アトラスケミカル社登録商標名)}1部を混合溶解したものと純水50部とをエアゾール容器に充填し、該容器にバルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を加圧充填して各々の水性エアゾールを得る。
製剤例9 線香
本発明化合物1〜2の各々0.5gのアセトン溶液を、線香の基材(タブ粉:粕粉:木粉を4:3:3の割合で混合し、均一に攪拌混合した線香担体99.5gに水120mlを加え、充分練り合わせたものを成型乾燥したもの)に処理し、該基材を風乾し、殺虫・殺ダニ用線香を得る。
【0018】
製剤例10 電気蚊取りマット
本発明化合物1〜2の各々0.8g、ピペロニルブトキサイド0.4gにアセトンを加えて溶解し、トータルで10mlとする。この溶液0.5mlを2.5cm×1.5cm、厚さ0.3cmの電気マット用基材(コットンリンターとパルプの混合物のフィブリルを板状に固めたもの)に均一に含浸させて各々の電気蚊取りマット剤を得る。
製剤例11 液体電気蚊取り
本発明化合物1〜2の各々3部を脱臭灯油97部に溶解して、塩化ビニル製容器に入れ、上部をヒーターで加熱できるようにした吸液芯(無機粉体をバインダーで固め、焼結したもの)を挿入することにより各々の液体電気蚊取りを得る。
製剤例12 加熱燻煙剤
本発明化合物1〜2の各々100mgを適量のアセトンに溶解し、4.0cm×4.0cm、厚さ1.2cmの多孔セラミック板に含浸させて各々の加熱燻煙剤を得る。
【0019】
製剤例13 毒餌
本発明化合物1〜2の各々10mgをアセトン0.5mlに溶解し、この溶液を動物用固形飼料粉末(飼育繁殖用固形飼料粉末CE−2、日本クレア株式会社商品名)5gに処理し均一に混合する。ついでアセトンを風乾し各々の0.2%毒餌を得る。
製剤例14 防ダニシート
本発明化合物1〜2の各々を適量のアセトンに溶解し、不織布に1m2当たり1gとなるように滴下含浸し、アセトンを風乾して各々の防ダニシートを得る。
製剤例15 マイクロカプセル剤
本発明化合物1〜2の各々10部、フェニルキシリルエタン10部及びスミジュールL−75(住友バイエルウレタン社製トリレンジイソシアネート)0.5部を混合した後、アラビアガムの10%水溶液20部中に加え、ホモミキサーで攪拌して、平均粒径20μmのエマルションを得る。次に、これにエチレングリコール2部を加え、さらに60℃の温浴中で24時間反応させてマイクロカプセルスリラーを得る。一方、ザンサンガム0.2部、ビーガムR(三洋化成製アルミニウムマグネシウムシリケート)1.0部をイオン交換水56.3部に分散させて増粘剤溶液を得る。
上記マイクロカプセルスリラー42.5部及び増粘剤溶液57.5部を混合して、10%マイクロカプセル剤を得る。
【0020】
次に、本発明化合物が有害生物防除剤の有効成分として有用であることを試験例で示す。
試験例1
本発明化合物1のアセトン溶液を、所定薬量になるように線香基材(粕粉:木粉を4:3:3の混合粉を攪拌混合した後、水を加え、充分練り合わせたものを成型乾燥して得る)に均一に処理し、該基材を風乾し、蚊取り線香を得た。
アカイエカ(Culex pipiens pallens)雌成虫10頭を1辺70cmの立方体のガラス製チャンバー(体積0.34m3)内に放った。上記に準じて作製した本発明化合物含有蚊取り線香0.3gを上記チャンバー床中央に線香立てに立てて設置し、片端から点火し、30秒間燃焼後にチャンバーから取り出した。線香設置3分後に、イエバエのノックダウン状況を観察した。試験は各2反復で行った。
対照化合物として特開昭56−97251号公報に記載の化合物[(1RS)−シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 (2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシフェニル)メチル(以下、対照化合物Aと記す)]を用い、各々、同様の試験を行った。
結果を表1に示す。表中のノックダウン活性は以下の基準で示す。
○:ノックダウンしていない虫が1頭以下(2反復合計)
△:ノックダウンしていない虫が2〜4頭(同)
×:ノックダウンしていない虫が5頭以上(同)
【表1】
【0021】
試験例2
<イエバエに対する殺虫活性>
本発明化合物1をアセトンで希釈し、80、40、20及び10ppmのアセトン希釈液を各々調製した。また、本発明化合物2及び対照化合物Aをそれぞれアセトンで希釈し、160、80、40及び20ppmのアセトン希釈液を各々調製した。該希釈液を0.5μlづつイエバエ雌成虫の胸部背板に処理し、該イエバエ雌成虫に水と餌を与え、24時間後の生存、死亡虫数を調査して、その死虫率からLD50(mg/kg)値を求めた。
<ラットに対する毒性>
本発明化合物1〜2及び対照化合物Aをコーンオイルで所定濃度に希釈し、該希釈液を雄ラットに10ml/kg投与し、該雄ラットに水と餌を与え、7日後の生存、死亡数を調査して、その死亡率からLD50(mg/kg)値を求めた。
<安全係数の算出>
イエバエに対する殺虫活性とラットに対する毒性から下記式 数1により安全係数を算出した。結果を表2に示す。
【数1】
安全係数=ラットに対する毒性(LD50値)/イエバエに対する殺虫活性(LD50値)
【表2】
【0022】
【発明の効果】
本発明化合物は、害虫防除効果および哺乳動物に対する安全性に優れ、害虫防除剤、特に防疫用害虫防除剤の有効成分として極めて有用である。
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JP2000026210A (ja) | スパチュレノールを有効成分とする殺虫剤 |
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