JP4134279B1 - Cu合金材 - Google Patents

Cu合金材

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    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/08Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of copper or alloys based thereon

Abstract

質量%で、Ti:0.01〜2.5%、Cr:0.01〜0.5%およびFe:0.01%以上かつ1%未満を含有し、残部がCuおよび不純物からなり、合金材中に存在する析出物および介在物のうち粒径が1μm以上のものの合計個数Nと粒径Xが次の(1)式を満足し、且つ引張強度TSと導電率IACSの関係が次の(2)式を満足するCu合金材であって、Cu合金材が引張強度TSが600MPa以下の板材のときは90゜曲げ試験における曲げ加工性B90が次の(3)式を満足し、Cu合金材が引張強度TSが600MPaを超える板材のときはTSとB90と板厚tが次の(4)式を満足し、そして、Cu合金材が板材以外のときは延性ELとTSが次の(5)式を満足することを特徴とするCu合金材。環境に問題のある有害元素を用いることなく、強度、導電性および加工性に優れる。
logN≦0.4742+17.629×exp(−0.1133×X) ・・・(1)
TS≧648.06+985.48×exp(−0.0513×IACS) ・・・(2)
90≦2.0 ・・・(3)
90≦25.093−54.82×exp[−{(TS+583.61)/1254}]+1.25×t ・・・(4)
El≧24.138−24.6076×exp[−{(TS−1816.36)/2213.52}] ・・・(5)
【選択図】図1

Description

本発明は、Pb、Cd、Be等の環境に悪影響を及ぼす元素を用いないCu合金材に関する。
このCu合金材の用途として、電気電子部品や安全工具などが挙げられる。
Cu合金材が用いられる電気電子部品としては下記のものが挙げられる。エレクトロニクス分野ではパソコン用コネクタ、半導体ソケット、光ピックアップ、同軸コネクタ、ICチェッカーピンなどが挙げられる。コミュニケーション分野では携帯電話部品(コネクタ、バッテリー端子、アンテナ部品)、海底中継器筐体、交換機用コネクタなどが挙げられる。自動車分野ではリレー、各種スイッチ、マイクロモータ、ダイヤフラム、各種端子類などの種々の電装部品が挙げられる。医療・分析機器分野では医療用コネクタ、産業用コネクタなどが挙げられる。家電分野ではエアコン等家電用リレー、ゲーム機用光ピックアップ、カードメディアコネクタなどが挙げられる。これらは、厚さが0.1〜0.2mm程度の薄帯から成形加工して部品が作られることが多い。
これらは、薄帯の他に線材やバルク形状のものが用いられることが多い。Cu合金材が用いられる電気・電子部品としては、航空・宇宙分野では航空機用ランディングギアやプラスティックの射出成形用金型などが挙げられる。
線材からの加工品としては、溶接用電極材料が挙げられる。レーザービーム溶接用電極や、スポット溶接電極として、例えば自動車ボディーの組み立て工程で多用されている。
安全工具としては、例えば、弾薬庫や炭坑等、火花から引火して爆発する危険性がある場所で用いられる掘削棒やスパナ、チェーンブロック、ハンマー、ドライバー、ペンチ、ニッパなどの工具がある。
従来、上記のような部品に用いられるCu合金材としては、Beの時効析出による強化を狙ったCu−Be合金が広く知られている。この合金は、引張強度と導電率の双方が優れるので、ばね用材料などとして広く使用されている。しかしながら、Cu−Be合金の製造工程およびこの合金を各種部品へ加工する工程においてBe酸化物が生成する。
BeはPb、Cdに次いで環境に有害な物質である。このため、Cu合金材の製造、加工においては、Be酸化物の処理工程を設ける必要があり、製造コストが上昇し、電気電子部品のリサイクル過程で問題となる。また、溶接用電極材料では溶接工程で相当量の人の心肺機能に有害なBe酸化物が発生するので、環境管理に多大のコストも発生する。このように、Cu−Be合金は、環境問題に照らして問題のある材料である。このため、Pb、Cd、Be等の環境に有害な元素を用いず、引張強度と導電率の双方が優れる材料の出現が待望されている。
元来、引張強度TS(MPa)および導電率IACS(%)〔純銅多結晶材の導電率に対する相対値〕とを同時に高めることは困難であった。このため、ユーザーの要求はいずれかの特性を重視するものが多い。このことは、例えば、実際に製造されている伸銅品の各種特性が記載された非特許文献1にも示されるところである。
図1は、非特許文献1に記載されたBe等の有害元素を含まないCu合金材の引張強度TS(MPa)と導電率IACS(%)との関係を整理したものである。図1に示すように、従来のBe等の有害元素を含まないCu合金材は、例えば、導電率が60%以上の領域では、その引張強度が250〜650MPa程度と低く、引張強度が700MPa以上の領域では、その導電率が20%未満と低い。このように、従来のCu合金材は、引張強度(MPa)および導電率(%)のいずれか一方のみの性能が高いものがほとんどである。しかも、引張強度が1GPa以上という高強度のものは皆無である。
例えば、特許文献1には、コルソン系と呼ばれるNi2Siを析出させたCu合金材が提案されている。このコルソン系合金は、その引張強度が750〜820MPaで導電率が40%程度であり、Be等の環境に有害な元素を含まない合金の中では、比較的、引張強度と導電率とのバランスがよいものである。
しかしながら、この合金は、その高強度化および高導電率化のいずれにも限界があり、以下に示すように製品バリエーションの点で問題が残る。この合金は、NiSiの析出による時効硬化性を持つものである。そして、NiおよびSiの含有量を低減して導電率を高めると、引張強度が著しく低下する。一方、NiSiの析出量を増すためにNiおよびSiを増量しても、引張強度の上昇に限界があり、しかも導電率が著しく低下する。このため、コルソン系合金は、引張強度が高い領域および導電率が高い領域での引張強度と導電率のバランスが悪くなり、ひいては製品バリエーションが狭くなる。これは、下記の理由による。
合金の電気抵抗(または、その逆数である導電率)は、電子散乱によって決定されるものであり、合金中に固溶した元素の種類によって大きく変動する。合金中に固溶したNiは、電気抵抗値を著しく上昇させる(導電率を著しく低下させる)ので、上記のコルソン系合金では、Niを増量すると導電率が低下する。一方、Cu合金材の引張強度は、時効硬化作用により得られるものである。引張強度は、析出物の量が多いほど、また、析出物が微細に分散するほど、向上する。コルソン系合金の場合、析出粒子はNiSiのみであるため、析出量の面でも、分散状況の面でも、高強度化に限界がある。
特許文献2には、このような点を改善した材料であって、強度と導電性のバランスの優れた材料が開示されている。電気電子部品は厚さ100〜200μm程度の薄帯を曲げ加工して製造されることが多い。したがって、上記の強度と導電性のバランスに加えて曲げ加工性も重要な因子である。一般に圧延加工され、時効処理された薄帯の曲げ加工性は、圧延方向に対して直角方向(good
way)は良好であるが、圧延方向に対して平行方向(bad way)は劣ることが多い。このような曲げ加工性および延性の異方性は、圧延によって結晶粒組織が圧延方向に展伸し、曲げ加工時に粒界割れを起点とする割れが発生しやすいことに起因している。
その他のバルクの材料あるいは線材は、例えばプラスティック成形金型、溶接用電極材あるいは安全工具としても利用されるが、強度と導電性のバランスに加えて、これらの加工工程での加工性が求められることが多い。また、これらの使用中には割れや欠け防止のために延性が求められる。
さらに、発明者らは、特許文献3において、強度および導電性に優れた銅合金を提案している。しかし、ここで提案した銅合金は900℃前後で圧延を行うと、析出物が粗大化するという問題があるため、大量生産に不向きである。
特開昭61−250134号公報 特開平2−170932号公報 特開2005−281850号公報 伸銅品データブック、平成9年8月1日、日本伸銅協会発行、328〜355頁
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、環境に問題のある有害元素を用いないで、強度と導電性、さらには加工性に優れたCu合金材を提供することにある。特に、CuにBeを添加してなる上記のCu−Be系合金と同程度又はそれ以上に高い導電率および引張強度のバランスを有するCu合金材を提供することにある。更に、溶体化処理や高温での圧延が可能な銅合金を提供することにある。
なお、「導電率および引張強度のバランスがCu−Be系合金と同程度またはそれ以上の高いレベルである」とは、具体的には、図1で「バランス良好」と示された領域に引張強度TSと導電率IACSの物性値を有するCu合金材を指しており、これは、次の(2)式を満足するような状態を意味する。以下、この状態を「引張強度と導電率のバランスが極めて良好な状態」という。
TS≧648.06+985.48×exp(−0.0513×IACS) ・・・(2)
但し、TSは引張強度(MPa)を意味し、IACSは導電率(%)を意味する。
Cu合金材には、上記のような引張強度および導電率の特性のほか、所定の高温強度も要求される。これは、例えば、自動車やコンピュータに用いられるコネクタ材料は、200℃以上の環境に曝されることがあるからである。純Cuは、200℃以上に加熱されると室温強度が大幅に低下し、もはや所望のばね特性を維持できないが、上記のCu−Be系合金やコルソン系合金では、400℃まで加熱された後でも室温強度はほとんど低下しない。
したがって、高温強度としては、Cu−Be系合金と同等のレベルであることを目標とする。具体的には、加熱試験前後での硬度の低下率が50%となる加熱温度を耐熱温度と定義し、耐熱温度が400℃以上であることを高温強度が優れるとする。より好ましい耐熱温度は500℃以上である。
曲げ加工性についても、Cu−Be系合金と同等のレベル以上であることを目標とする。
具体的には、Cu合金材が薄帯等の板材であるときの曲げ加工性に関しては、圧延方向に対して直角方向(bad way)が試験片の長辺になるように切り出した試験片に様々な曲率半径で90゜曲げ試験を実施し、割れが発生しない最小の曲率半径R(mm)を測定し、これと板厚t(mm)との比(=R/t)を算出することによって得られる、90゜曲げ試験における曲げ加工性B90でもって、板材の曲げ加工性を評価することができる。
ここで、板材の曲げ加工性の良好な範囲とは、引張強度TSが600MPa以下の板材では次の(3)式を満足することを意味し、そして、その引張強度TSが600MPaを超える板材では次の(4)式を満足することを意味する。
90≦2.0 ・・・(3)
90≦25.093−54.82×exp[−{(TS+583.61)/1254}]+1.25×t ・・・(4)
但し、B90は90゜曲げ試験における曲げ加工性を、TSは引張強度(MPa)を、そして、tは板厚(mm)を、それぞれ、意味する。
なお、その引張強度TSが600MPaを超える板材においては、次の(4')式を満足するのが好ましい。
90≦24.238−43.087×exp[−{(TS+383.46)/1199.4}]+1.25×t ・・・(4')
また、その引張強度TSが600MPaを超える板材においては、次の(4'')式を満足するのがさらに好ましい。
90≦-33.0949−55.0551×exp[−{(TS+1898.3)/1949.91}]+1.25×t・・(4'')
そして、Cu合金材が板材以外、例えば、線材であるときの加工性に関しては、延性El(%)と引張強度TS(MPa)の関係によって評価することができる。ここで、線材に関して加工性の良好な範囲とは、次の(5)式を満足することを意味する。
El≧24.138−24.6076×exp[−{(TS−1816.36)/2213.52}] ・・・(5)
但し、Elは延性(%)を意味し、そして、TSは引張強度(MPa)を意味する。
なお、板材以外においては、次の(5')式を満足するのが好ましい。
El≧59.0438−61.9662×exp[−{(TS−2359.36)/4047.4}] ・・・(5')
また、板材以外においては、延性El(%)が次の(5'')式を満足するのがさらに好ましい。
El≧89.6632−168.32×exp[−{(TS−10630.2)/11614.9}] ・・・(5'')
安全工具としてのCu合金材には、上記のような引張強度TS、導電率IACS及び加工性の特性のほか、耐摩耗性も要求される。従って、耐摩耗性においても、工具鋼と同等のレベルであることを目標とする。具体的には、室温における硬さがビッカース硬さで250以上である場合に耐摩耗性が優れる。
なお、本発明に係るCu合金材は、図2に示すTi−Cr二元系状態図からも分かるように、凝固後の冷却過程のある高温域で、Ti−Cr化合物や金属Ti等が生成する。すなわち、本発明において、析出物とは例えばCuTi、金属Cr、金属Ag等であり、そして、介在物とは例えばCr−Ti化合物、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物等である。
本発明にかかるCu合金材の要旨は、次の(1)から(4)までのいずれかである。
(1)質量%で、Ti:0.01〜2.5%、Cr:0.01〜0.5%およびFe:0.01%以上かつ1%未満を含有し、残部がCuおよび不純物からなり、合金材中に存在する析出物および介在物のうち粒径が1μm以上のものの合計個数Nが次の(1)式を満足し、且つ引張強度TSと導電率IACSの関係が次の(2)式を満足するCu合金材であって、Cu合金材が引張強度TSが600MPa以下の板材のときは次の(3)式を満足し、Cu合金材が引張強度TSが600MPaを超える板材のときは次の(4)式を満足し、そして、Cu合金材が板材以外のときは次の(5)式を満足することを特徴とするCu合金材。
logN≦0.4742+17.629×exp(−0.1133×X) ・・・(1)
TS≧648.06+985.48×exp(−0.0513×IACS) ・・・(2)
90≦2.0 ・・・(3)
90≦25.093−54.82×exp[−{(TS+583.61)/1254}]+1.25×t ・・・(4)
El≧24.138−24.6076×exp[−{(TS−1816.36)/2213.52}] ・・・(5)
但し、式中の記号の意味は、それぞれ、次のとおりである。
N:粒径が1μm以上の析出物および介在物の単位面積当たりの合計個数(mm−2)、
X:粒径が1μm以上の析出物および介在物の粒径(μm)、
TS:引張強度(MPa)、
IACS:導電率(%)、
90:90゜曲げ試験における曲げ加工性、
t:板厚(mm)、
El:延性(%)。
なお、B90、TSおよびElは、いずれも板の圧延方向に対して試験片の長辺が直角になるように採取した試験片における値を意味する。
(2)質量%で、さらにAg:0.005〜1%を含有することを特徴とする、上記(1)のCu合金材。
(3)質量%で、さらにSn、Mn、Co、Al、Si、Nb、Ta、Mo、V、W、Au、Zn、Ni、Te、SeおよびGeの中から選ばれた元素の1種以上を、それぞれ0.01〜1%かつ合計で1.0%以下含有することを特徴とする、上記(1)又は(2)のCu合金材。
(4)質量%で、さらにZr、Mg、Li、Caおよび希土類元素の中から選ばれた元素の1種以上を合計で0.001〜0.1%含有することを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかのCu合金材。
本発明によれば、環境に問題のある有害元素を用いないで、強度と導電性、さらには加工性に優れたCu合金材を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、各元素の含有量についての「%」は「質量%」を意味する。
(A)本発明にかかるCu合金材の化学組成について
本発明のCu合金材の1つは、Ti:0.01〜2.5%、Cr:0.01〜0.5%およびFe:0.01%以上かつ1%未満を含有し、残部がCuおよび不純物からなる化学組成を有する。
Ti:0.01〜2.5%
Tiは材料の強度を確保するのに必須の元素である。すなわち、Tiは時効処理の際に、CuTiとして析出し、その析出硬化によって強度を上昇させることができる。Tiの含有量が0.01%未満の場合には十分な強度が得られない。そして、その含有量が2.5%を超えると、強度は上昇するものの導電性が劣化し、さらに曲げ加工性が劣化する。従って、Tiの含有量を0.01〜2.5%とした。また、好ましい範囲は、0.01〜2.0%である。なお、強度確保のための好ましい含有量は0.1%以上である。
Cr:0.01〜0.5%
上述のとおり、Tiは強度上昇には有効であるが、析出しないでCuマトリックス中に残存した場合には、固溶Tiとなり、その導電性を著しく損なうことになる。これに対して、Crは固溶状態で導電性を損なう程度が低く、固溶Tiとの強い相互作用によって、固溶TiをCr−Tiの形で固定する。その結果として、マトリックスの固溶Tiが減じ、導電性が向上する。この効果は、Cr含有量が0.01%以上で得られる。しかし、0.5%を超えて含有させると曲げ加工性等の延性を損なう。従って、Cr含有量を0.01〜0.5%とした。
Fe:0.01%以上かつ1%未満
Feは強度と導電性のバランスを殆ど損ねることなく、加工性を向上させることができる元素である。さらに、上記のTiおよびCrと同時に含有させても、凝固中および冷却中に余分な金属間化合物等を生成しない元素である。含有量が0.01%未満では加工性の向上効果が見込めない。一方、1%以上含有させるとその効果が飽和するばかりか、導電性を劣化させる。したがって、Feの含有量を0.01%以上かつ1%未満とした。好ましいFeの含有量は0.05〜0.5%であり、さらに好ましいのは0.05〜0.3%である。
本発明に係るCu合金材には、上記の化学成分に加えて、さらにAgを0.005〜1%含有させてもよい。
Ag:0.005〜1%
Agは必要に応じて含有させることができる。AgはCuマトリックスに固溶した状態でも導電性を劣化させにくい元素であり、また、金属Agは、微細析出によって強度を上昇させることができる。したがって、このような効果を特に発現させたい場合には、Agを0.005〜1%含有させることができる。このような効果は0.005%以上で顕著となるが、1%を超えると飽和するので、それ以上含有させても、合金のコスト上昇を招くだけである。好ましいAgの含有量は、0.1〜1%である。
また、本発明に係るCu合金材には、耐食性および耐熱性を向上させる目的で、Sn、Mn、Co、Al、Si、Nb、Ta、Mo、V、W、Au、Zn、Ni、Te、SeおよびGeの中から選ばれた元素の1種以上を、それぞれ0.01〜1.0%かつ合計で1.0%以下含有させてもよい。
Sn、Mn、Co、Al、Si、Nb、Ta、Mo、V、W、Au、Zn、Ni、Te、SeおよびGe:それぞれ0.01〜1.0%、
これらの元素は、いずれも強度と導電率のバランスを維持しつつ、耐食性および耐熱性を向上させる効果を有する元素であるので、必要に応じて含有させることができる。
この効果は、それぞれ0.01%以上の含有により発揮される。しかしながら、これらの含有量が過剰な場合には、導電率が低下する。従って、Sn、Mn、Co、Al、Si、Nb、Ta、Mo、V、W、Au、Zn、Ni、Te、SeおよびGeを含有させる場合の含有量の上限は1.0%とする。
なお、これらの元素の含有量が上記の範囲内であっても、その合計量が1.0%を超えると、導電性が劣化する。従って、これらの元素を含有させる場合には、その合計量の上限を1.0%以下に制限する必要がある。好ましい合計含有量の範囲は、0.1〜0.5%である。
さらに、本発明に係るCu合金材には、高温強度を上げる目的で、さらに、Zr、Mg、Li、Caおよび希土類元素(REM)の中から選ばれた1種以上を合計で0.001〜0.5%含有させてもよい。
Zr、Mg、Li、Caおよび希土類元素:それぞれ、0.001〜0.1%
これらの元素は、Cuマトリックス中の酸素原子と結びついて微細な酸化物を生成して高温強度を上げる元素であるので、必要に応じて含有させることができる。この効果は、これらの元素の合計含有量が0.001%以上のときに顕著となる。しかし、その含有量が0.1%を超えると、上記の効果が飽和するだけでなく、曲げ加工性を劣化させる等の問題がある。従って、Zr、Mg、Li、Caおよび希土類元素の中から選ばれた1種以上を含有させる場合の合計含有量は0.001〜0.1%が望ましい。好ましい含有量は0.005〜0.05%である。なお、希土類元素は、Sc、Yおよびランタノイドを意味し、それぞれの元素の単体を含有させてもよく、また、ミッシュメタルを含有させてもよい。
(B)本発明にかかるCu合金材中に存在する析出物および介在物の合計個数について
本発明に係るCu合金材においては、合金中に存在する析出物および介在物のうち粒径が1μm以上のものの合計個数Nが次の(1)式を満足することが必要である。
logN≦0.4742+17.629×exp(−0.1133×X) ・・・(1)
但し、Nは粒径が1μm以上の析出物および介在物の単位面積当たりの合計個数(mm−2)、そして、Xは粒径が1μm以上の析出物および介在物の粒径(μm)を意味する。
なお、析出物および介在物の合計個数は、好ましくは次の(1')式を満たす場合である。
logN≦0.4742+7.9749×exp(−0.1133×X) ・・・(1')
但し、Nは粒径が1μm以上の析出物および介在物の単位面積当たりの合計個数(mm−2)、そして、Xは粒径が1μm以上の析出物および介在物の粒径(μm)を意味する。
そして、析出物および介在物の合計個数は、さらに好ましくは次の(1'')式を満たす場合である。
logN≦0.4742+6.3579×exp(−0.1133×X) ・・・(1'')
但し、Nは粒径が1μm以上の析出物および介在物の単位面積当たりの合計個数(mm−2)、そして、Xは粒径が1μm以上の析出物および介在物の粒径(μm)を意味する。
本発明のCu合金材では、CuTi、金属Crや金属Agを微細に析出させることによって、導電率を低下させることなく強度を向上させることができる。これらは、析出硬化により強度を高める。固溶したCrとTiは結合してマトリックスの純度を高めるので、導電性は純Cuのそれに近づく。
しかし、CuTi、金属Cr、金属AgやCr−Ti化合物の粒径が10μm以上と粗大となって析出すると、延性が低下して、例えばコネクタへの加工時の曲げ加工や打ち抜き時に割れや欠けが発生し易くなる。また、使用時に疲労特性や耐衝撃特性に悪影響を及ぼすことがある。特に、凝固後の冷却時に粗大なTi−Cr化合物が生成すると、その後の加工工程で割れや欠けが生じやすくなる。また、時効処理工程で硬さが増加しすぎるので、CuTi、金属Crや金属Agの微細析出を阻害し、Cu合金材の高強度化ができなくなる。このような問題は、合金中に存在する析出物および介在物のうち粒径が1μm以上のものの、粒径と合計個数が次の(1)式を満足しない場合に顕著となる。
このため、本発明では、合金中に存在する析出物および介在物のうち粒径が1μm以上のものの合計個数Nが上記の(1)式を満足することを必須要件として規定した。好ましくは上記の(1')式を満足する場合であり、さらに好ましくは上記の(1'')式を満足する場合である。
なお、Cu合金材中に存在する粒径が1μm以上の析出物および介在物の単位面積当たりの合計個数(mm−2)の測定方法は、次のとおりである。
<析出物および介在物の合計個数>
Cu合金材の圧延面に垂直で、且つ圧延方向と平行な断面を鏡面研磨し、アンモニアおよび過酸化水素水を体積比9:1で混合した腐食液でエッチングした後、光学顕微鏡により100倍または500倍の倍率で1mm×1mmの視野を観察する。その後、析出物および介在物の長径(途中で粒界に接しない条件で粒内に最も長く引ける直線の長さ)のうち、1μm以上のものを測定して得た値を粒径と定義する。
更に、このようにして得られた粒径(μm)の小数点以下を四捨五入し、1μm、2μm、・・・・・、αμm(αは自然数)の粒径毎に、1mm×1mm視野の枠線を交差するものを1/2個、枠線内にあるものを1個として合計個数nを算出し、任意に選んだ10視野における個数N(=n+n+・・・+n10)の平均値(N/10)をその試料のそれぞれの粒径についての析出物および介在物の合計個数と定義する。
したがって、1μm、2μm、・・・・・、αμm(αは自然数)の粒径毎に、上記の(1)式、(1')式および(1'')式の右辺の数値を算出するためには、析出物および介在物の粒径の測定値が1.0μm以上かつ1.5μm未満の場合、X=1を代入し、(α−0.5)μm以上かつ(α+0.5)μm未満の場合、X=α(この場合は、αは2以上の自然数)を代入すればよい。
このようにして、1μm、2μm、・・・・・、αμm(αは自然数)の粒径毎に右辺の数値が算出され、どの粒径の場合にも上記の(1)式、(1')式又は(1'')式を満足する場合に限って、Cu合金材合金中に存在する析出物および介在物のうち粒径が1μm以上のものの合計個数Nが上記の(1)式、(1')式又は(1'')式を満足すると定義する。
(C)本発明にかかるCu合金材の製造について
次に本発明の製造方法について説明する。
溶解は、真空溶解が好ましいが、フラックス等を用いることによって非酸化性または還元性の雰囲気であれば大気溶解でも構わない。これは、溶銅中の固溶酸素が多くなると後工程で、水蒸気が生成してブリスターが発生する、いわゆる水素病などが起こるからである。また、酸化しやすい固溶元素、例えば、Ti、Cr等の粗大酸化物が生成し、これが最終製品まで残存すると、延性や疲労特性を著しく低下させるからである。
鋳片を得る方法は、冷却速度および生産性の観点から連続鋳造が好ましい。少なくとも鋳造直後の鋳片温度から600℃までの温度域を、平均冷却速度で0.5℃/s以上で冷却することが好ましい。更に好ましいのは5℃/s以上である。鋳込み後の冷却速度が遅いと析出物が粗大化する。粗大な析出物を完全に再固溶させるためには、800〜900℃で数十時間以上の熱プロセスを経ることが必要となる。しかし、このような高温長時間の熱プロセスを行うと、表面酸化、形状不良の問題を生じさせる。一方、短時間の熱プロセスでは未固溶の析出物が残存するので、これを核として熱プロセス後に析出物が粗大化し、延性や曲げ加工性を損なうおそれがあり、また析出硬化に寄与する固溶元素が減じてしまうので十分な強度上昇が得られなくなる。本発明にかかる銅合金は完全再固溶可能な成分系ではあるが、一旦析出した粗大析出物の完全再固溶は前記のように困難であるために、鋳込直後から急冷を行うことが好ましい。
鋳込み方法は、0.5℃/s以上の冷却速度が得られれば、特に制限されるものではなく、例えばインゴット法でも構わない。大気中での鋳込では、酸化物等の巻き込みによって鋳片の品質上の問題が発生ことがあるので、ダービル鋳造を採用するのが好ましい。
得られた鋳片には、必要に応じて表面手入れや押し湯部の除去が行われる。鋳片形状が最終製品形状に近いために粗加工が必要でないときは、そのまま冷間加工又は200〜300℃の温度域での温間加工に進んでもよいが、寸法形状を整える意味で、熱間鍛造や熱間圧延を組み合わせてもいい。熱間加工時の加熱温度も特に規定しないが、700〜950℃が好ましい。必要に応じて、700〜950℃の温度域で溶体化処理を施した後、好ましくは20%以上の加工度で冷間もしくは温間加工を行い、時効工程に移る。時効条件も特に限定しないが、350〜450℃で2〜24時間の熱処理を、好ましくは非酸化性もしくは還元性雰囲気中で行うのがよい。冷間加工又は温間加工と時効処理の組み合わせは複数回行ってもよい。
加工方法は特に限定するものではない。例えば、最終製品形状が薄帯等の板状の場合は圧延を、そして、板状でない場合は、線材であれば線引きや押出を、また、バルク形状であれば鍛造やプレスを採用することができる。
(D)本発明にかかるCu合金材の物性について
本発明にかかるCu合金材については、引張強度TS(MPa)、延性El(%)、導電率IACS(%)および90゜曲げ試験における曲げ加工性B90を測定する。これらの測定方法とこれらの物性値の評価について、次に詳述する。
<引張強度TS(MPa)>
Cu合金材から引張方向と圧延方向が直角になるように、JIS Z 2201に規定される13B号試験片を採取し、JIS Z 2241に規定される方法に従い、室温(25℃)での引張強度TS(MPa)を求めた。
<導電率El(%)>
Cu合金材から長手方向と圧延方向と直角になるように幅10mm×長さ60mmの試験片を採取し、試験片の長手方向に電流を流して試験片の両端の電位差を測定し、4端子法により電気抵抗を求めた。続いてマイクロメータで計測した試験片の体積から、単位体積当たりの電気抵抗(抵抗率)を算出し、多結晶純銅を焼鈍した標準試料の抵抗率1.72μΩ・cmとの比から導電率IACS(%)を求めた。
本発明においては、強度と導電性においては、Cu−Be系合金と同程度又はそれ以上に高い導電率および引張強度のバランスを有することが求められている。
したがって、引張強度と導電率の関係(バランス)が次の(2)式を満たす場合を、「○」とし、満たさない場合を「×」とした。
TS≧648.06+985.48×exp(−0.0513×IACS) ・・・(2)
但し、TSは引張強度(MPa)を意味し、IACSは導電率(%)を意味する。
<曲げ加工性>
板材に関する曲げ加工性は、引張強度TSと板厚tと、90゜曲げ試験における曲げ加工性B90との関係(バランス)によって評価する。Cu合金材の薄帯から、圧延方向に対して直角方向(bad
way)が試験片の長辺になるように、幅10mm×長さ60mmの試験片を複数採取し、曲げ部の曲率半径(内径)を変えて、90°曲げ試験を実施した。光学顕微鏡を用いて、試験後の試験片の曲げ部を外径側から観察した。そして、割れが発生しない最小の曲率半径をRとし、試験片の厚さtとの比(=R/t)を算出することによって、90゜曲げ試験における曲げ加工性B90を求めた。一部については、圧延方向に対して平行方向(good way)が試験片の長辺になるように試験片を採取して曲げ試験を行ったが、何れも良好な値を示し、工業的に問題となるレベルではなかった。
曲げ加工性の欄の「評価」は、その引張強度TSが600MPa以下の板材のときは、bad wayにおける90゜曲げ試験における曲げ加工性B90が次の(3)式を満足する場合を「○」とし、そして引張強度TSが600MPaを超える板材のときは90゜曲げ試験における曲げ加工性B90が下記の(4)式を満たす場合を「○」とした。これに対して、これらを満たさない場合を「×」とした。
90≦2.0 ・・・(3)
90≦25.093−54.82×exp[−{(TS+583.61)/1254}]+1.25×t ・・・(4)
但し、B90は90゜曲げ試験における曲げ加工性を、TSは引張強度(MPa)を、そして、tは板厚(mm)を、それぞれ、意味する。
図3は、後述する本発明例にかかるCu合金板材に関して、板厚t=0.2mmのときの、引張強度TSと90゜曲げ試験における曲げ加工性B90との関係をプロットしたものである。いずれも、上記の(4)式を満足していることが示されている。
次に、Cu合金材が板材以外、例えば、線材であるときの加工性に関しては、延性El(%)と引張強度TS(MPa)の関係によって評価する。延性El(%)と引張強度TS(MPa)が次の(5)式を満たす場合を「○」とし、満たさない場合を「×」とした。
El≧24.138−24.6076×exp[−{(TS−1816.36)/2213.52}] ・・・(5)
但し、(5)式において、Elは延性(%)を意味し、そして、TSは引張強度(MPa)を意味する。
図4は、後述する本発明例にかかるCu合金線材に関して、延性El(%)と引張強度TSとの関係をプロットしたものである。いずれも、上記の(5)式を満足していることが示されている。
表1に示す化学組成を有するCu合金を高周波溶解炉にて真空溶製し、鋼製の鋳型に鋳込み、厚さ50mm、幅100mm、高さが200mmの鋳塊を得た。希土類元素は、各元素の単体またはミッシュメタルを添加した。一部については鋳型内壁に取り付けた熱電対によって、注湯後の冷却過程での温度変化を計測し、伝熱解析との併用によって鋳片中心部の冷却曲線を求めたところ、600℃までの平均値で2℃/sであった。また、比較例36では、砂型鋳型に鋳込んで冷却速度を減じる試験も行った。この場合の600℃までの平均冷却速度は0.2℃/sであった。
試験番号1〜35については、押し湯部分を切断して除去した後、900℃に加熱後、厚さが20mmになるまで熱間鍛造した。さらに、900℃に加熱後、厚さが5mmになるまで熱間圧延した。スケール除去のために表面を研削した後、厚さが1mmになるまで250℃に加熱しながら温間圧延した。さらに、850℃×10分の溶体化処理を施し、厚さが0.4mmになるまで冷間圧延した。そして、450℃×2hの時効処理を施し、さらに厚さが0.2mmになるまで50%冷間圧延し、400℃×8hの時効処理を施して、薄帯を得た。一部については最終時効前の冷間圧延率を揃えるために、0.6mm又は0.2mmまで冷間圧延した後、450℃×2hの熱処理を施し、それぞれ、0.3mm又は0.1mmまで冷間圧延し、同様に400℃×8hの時効処理を施して、薄帯を得た。
試験番号36についても同様の工程で試作を試みたが、厚さ0.4mmまでの圧延時に割れがひどく試験の継続は困難であった。各工程での析出物および介在物を調査したところ、冷間圧延時にも粗大なものが多数残存しており、凝固時に生成したものが溶体化処理を経ても消滅しなかったことが確認された。
Figure 0004134279
このように作製した薄帯について、前述した測定方法により、析出物および介在物の粒径および単位面積当たりの合計個数N(mm−2)、引張強度TS(MPa)、延性El(%)、導電率IACS(%)および90゜曲げ試験における曲げ加工性B90を求めた。さらに、これらから、引張強度TSと導電率IACSのバランス(TS/IACS)、引張強度TSと延性Elのバランス(TS/El)および曲げ加工性B90と引張強度TSのバランス(B90/TS)をそれぞれ求めた。これらの結果を表1に併せて示す。なお、合計個数の欄の記号の◎、○、△は、それぞれ、式(1'')、式(1')および式(1)を満たすことを意味する。
本発明例に係る試験番号1〜28では、いずれも析出物および介在物の粒径および単位面積当たりの合計個数Nは(1)式を満たしており、引張強度TSと導電率IACSのバランス(TS/IACS)および曲げ加工性B90と引張強度TSのバランス(B90/TS)の両方が優れている。
これに対して、比較例に係る試験番号29〜35では、引張強度TSと導電率IACSのバランス(TS/IACS)及び曲げ加工性B90と引張強度TSのバランス(B90/TS)のいずれかが劣っていた。なお、比較例に係る試験番号36については、厚さが0.2mmになるまで50%冷間圧延を試みた段階で、析出物および介在物の分散状況を調査したところ、Cu合金材中に粒径1μm以上の析出物および介在物が多数分散しており、上記の(1)式を満たしていなかった。
図3は、表1に示された曲げ加工性B90と引張強度TSのバランス(B90/TS)の結果をまとめたものである。本発明例を○、そして、比較例を■で示す。同図には併せて、試験片厚みがt=0.2mmの場合の式(4)、式(4'')および式(4'')でそれぞれ表される曲げ加工性B90と引張強度TSの関係を示した。
表2に示す化学組成(3種類)を有するCu合金を高周波溶解炉にて真空溶製し、保持炉に直結した黒鉛鋳型を用いた連続鋳造によって厚さ30mm、幅が100mmの鋳片を得た。
Figure 0004134279
その後、各Cu合金について、それぞれ、表3に示す3つの異なるプロセスA、BおよびCの加工熱処理を施して、試験番号41〜49の薄帯を得た。
Figure 0004134279
このように作製した薄帯について、前述した測定方法により、析出物および介在物の粒径および単位面積当たりの合計個数N(mm−2)、引張強度TS(MPa)、延性El(%)、導電率IACS(%)および90゜曲げ試験における曲げ加工性B90を求めた。さらに、これらから、引張強度TSと導電率IACSのバランス(TS/IACS)、引張強度TSと延性Elのバランス(TS/El)および曲げ加工性B90と引張強度TSのバランス(B90/TS)をそれぞれ求めた。これらの結果を表2に併せて示す。なお、合計個数の欄の記号の○は、式(1')を満たすことを意味する。
本発明例に係る試験番号41〜49の薄帯は、いずれも析出物および介在物の粒径および単位面積当たりの合計個数Nは(1)式を満たしており、引張強度TSと導電率IACSのバランス(TS/IACS)及び曲げ加工性B90と引張強度TSのバランス(B/TS)の両方が優れている。加工熱処理条件を変えても良好な結果が得られることを確認することができた。
表4に示す化学組成を有するCu合金を高周波溶解炉にて真空溶製し、鋼製の鋳型に鋳込み、直径70mm、高さが170mmの鋳塊を得た。希土類元素は、各元素の単体またはミッシュメタルを添加した。
Figure 0004134279
押し湯部分を切断して除去した後、900℃に加熱後、直径が30mmになるまで熱間鍛造した。スケール除去のために表面を研削した後、250℃に加熱しながら温間圧延した。さらに、850℃×10分の溶体化処理を施し、直径が15mmになるまで冷間圧延した。そして、400℃×8hの時効処理を施して、線材を得た。
このように作製した線材について、前述した測定方法により、析出物および介在物の粒径および単位面積当たりの合計個数N(mm−2)、引張強度TS(MPa)、延性El(%)および導電率IACS(%)を求めた。これらの結果を表4に併せて示す。なお、合計個数の欄の記号の◎、○、△は、それぞれ、式(1'')、式(1')および式(1)を満たすことを意味する。
本発明例に係る試験番号61〜71では、いずれも析出物および介在物の粒径および単位面積当たりの合計個数Nは(1)式を満たしており、引張強度TSと導電率IACSのバランス(TS/IACS)及び引張強度TSと延性Elのバランス(TS/El)の両方が優れている。
これに対して、比較例に係る試験番号72〜78では、引張強度TSと導電率IACSのバランス(TS/IACS)及び引張強度TSと延性Elのバランス(TS/El)のいずれかが劣っていた。
図4は、表1および表4に示された延性Elと引張強度TSの関係をまとめたものである。○が表1に示した薄帯での本発明例であり、●が表4に示した線材での本発明例である。△が表1に示した薄帯での比較例であり、▲が表4での線材の比較例である。同図には併せて、式(5)、式(5'')および式(5'')でそれぞれ表される延性Elと引張強度TSの関係を示した。
本発明によれば、環境に問題のある有害元素を全く用いないで、強度と導電性、さらには加工性に優れたCu合金材を提供することができる。
非特許文献1に記載されたBe等の有害元素を含まないCu合金材の引張強度と導電率との関係を整理したものである。 Ti−Cr二元系状態図である。 本発明例にかかるCu合金板材に関して、種々の板厚に対して、引張強度TSと90゜曲げ試験における曲げ加工性B90との関係をプロットしたものである。 本発明例にかかるCu合金線材に関して、延性El(%)と引張強度TSとの関係をプロットしたものである。

Claims (4)

  1. 質量%で、Ti:0.01〜2.5%、Cr:0.01〜0.5%およびFe:0.01%以上かつ1%未満を含有し、残部がCuおよび不純物からなり、合金材中に存在する析出物および介在物のうち粒径が1μm以上のものの合計個数Nが次の(1)式を満足し、且つ引張強度TSと導電率IACSの関係が次の(2)式を満足するCu合金材であって、Cu合金材が引張強度TSが600MPa以下の板材のときは次の(3)式を満足し、Cu合金材が引張強度TSが600MPaを超える板材のときは次の(4)式を満足し、そして、Cu合金材が板材以外のときは次の(5)式を満足することを特徴とするCu合金材。
    logN≦0.4742+17.629×exp(−0.1133×X) ・・・(1)
    TS≧648.06+985.48×exp(−0.0513×IACS) ・・・(2)
    90≦2.0 ・・・(3)
    90≦25.093−54.82×exp[−{(TS+583.61)/1254}]+1.25×t ・・・(4)
    El≧24.138−24.6076×exp[−{(TS−1816.36)/2213.52}] ・・・(5)
    但し、式中の記号の意味は、それぞれ、次のとおりである。
    N:粒径が1μm以上の析出物および介在物の単位面積当たりの合計個数(mm−2)、
    X:粒径が1μm以上の析出物および介在物の粒径(μm)、
    TS:引張強度(MPa)、
    IACS:導電率(%)、
    90:90゜曲げ試験における曲げ加工性、
    t:板厚(mm)、
    El:延性(%)。
    なお、B90、TSおよびElは、いずれも板の圧延方向に対して試験片の長辺が直角になるように採取した試験片における値を意味する。
  2. 質量%で、さらにAg:0.005〜1%を含有することを特徴とする、請求項1に記載のCu合金材。
  3. 質量%で、さらにSn、Mn、Co、Al、Si、Nb、Ta、Mo、V、W、Au、Zn、Ni、Te、SeおよびGeの中から選ばれた元素の1種以上を、それぞれ0.01〜1.0%かつ合計で1.0%以下含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のCu合金材。
  4. 質量%で、さらにZr、Mg、Li、Caおよび希土類元素の中から選ばれた元素の1種以上を合計で0.001〜0.1%含有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載のCu合金材。
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