JP4129919B2 - 複合調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単独で鍋として使用可能な鍋状調理器と、単独でフライパンとして使用可能な蓋状調理器とからなる複合調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、蒸気の漏出を防止することにより、水がない状態で野菜を茹でたり、焼いたり、蒸したり、オーブン調理等が可能な水無し調理が可能な鍋(所謂、「無水(登録商標)鍋」、以下、「水無し調理鍋」と記載)が市販されている(例えば、特許文献1参照)。これは熱伝導製の良い肉厚のアルミニウムで鍋本体と蓋とが形成され、蓋自体が適度に重く、鍋本体と蓋との係合が蒸気の漏出を防止するように蓋の口縁部に段部が付されているため、鍋の内部に自然な圧力がかかり、蓋と鍋本体の間に水の膜ができ、内部を密閉状態にして、全体で包み込むように加熱するためである。
【0003】
【特許文献1】
実公昭34−14266号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、所謂「水無し調理鍋様効果」が得られるだけでなく、別の調理容器又は調理用具と組み合わせることにより、従来の水無し調理鍋ではできなかった別の加熱調理が可能となる新規な複合調理器を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
単独で鍋として使用可能な鍋状調理器と、単独でフライパンとして使用可能な蓋状調理器とからなり、これら調理器のみ又はこれら調理器とその内部に収納される別の調理容器又は調理用具と共に内部で食品を加熱調理する複合調理器であって、
鍋状調理器と蓋状調理器とは、互いに係合する開口端形状を備え、一方の開口内周縁部に連続又は不連続的に段差部が設けられ、該段差部から開口端部に至る開口内周面に係合される係合片が他方の開口周縁部に連続又は不連続的に突設され、
前記段差部には、複合調理器内部に前記別の調理容器又は調理用具の周縁部を保持するための間隙が形成され、
前記鍋状調理器及び蓋状調理器の平面形状が円形であり、
前記蓋状調理器の内面がフッ素樹脂被膜によって被覆されており、
前記複合調理器の内部に収納される調理容器は、
略矩形状の四隅の各々が前記段差部に周方向で不連続的に係合するフランジ部を形成した平面形状を有し、略矩形状の四辺部と前記調理器の内壁とで調理容器の外周部に鍋状調理器から蓋状調理器への蒸気の通路が形成され、且つ、調理容器の底面が鍋状調理器の底面から離されてなり、
周縁部の軸心対称位置に固定された複数の取手を備え、
前記取手が、前記蓋状調理器を被せた際に蓋状調理器の内部頂面に接触しない高さ寸法を有することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明においては、単独で鍋として使用可能な鍋状調理器と、単独でフライパンとして使用可能な蓋状調理器とからなり、これら調理器のみ又はこれら調理器とその内部に収納される別の調理容器又は調理用具と共に内部で食品を加熱調理する複合調理器であって、鍋状調理器と蓋状調理器とは、互いに係合する開口端形状を備え、一方の開口内周縁部に連続又は不連続的に段差部が設けられ、該段差部から開口端部に至る開口内周面に係合される係合片が他方の開口周縁部に連続又は不連続的に突設され、前記段差部は、複合調理器内部に前記別の調理容器又は調理用具の周縁部を保持するための間隙が形成されているものであるため、種々の調理法を行うことのできる調理器を得ることができる。
【0014】
即ち、鍋状調理器と蓋状調理器とは、各々単独で鍋及びフライパンとして使用可能であり、これら調理器を合わせることにより、蓋状調理器の適度な重さと、互いに係合する開口端形状によるウォータシール効果とにより、食材の持つ水分のみでの調理が可能、短い時間で調理が可能、天火料理も可能等の水無し調理鍋様効果が得られるだけでなく、収納される別の調理容器又は調理用具と組み合わせることにより、従来の水無し調理鍋ではできなかった別の加熱調理が可能となる。
【0015】
本発明における鍋状調理器と蓋状調理器とは、水無し調理鍋様効果を期待するものであるため、その素材については、好ましくは熱伝導性のよい、厚手の素材で構成される。例えば、厚さが3mm以上、5mm以下のアルミニウム及びその合金、鉄、ステンレス及びその合金、異種の金属を積層させたもの等が選ばれる。尚、3mmより薄ければ鍋状調理器の底面を加熱した際の熱が調理器全体に行き渡らず、調理器全体で包み込むように加熱することから得られる水無し調理鍋様効果を期待できないからであり、5mmより厚ければ調理器全体の重さが重くなり過ぎ、取り扱いが容易でないからである。
【0016】
本発明における鍋状調理器及び蓋状調理器の形状は、所謂「鍋」「フライパン」の形状であれば、その平面形状が円形、楕円形、角丸四角形等の形状であっても何ら問題はない。しかしながら、加熱するためのコンロの多くは円形に炎が配されているため、好ましくは平面形状は円形である方が熱のムラが発生し難く、先の良好な水無し調理鍋様効果を期待できる。
【0017】
本発明における鍋状調理器及び蓋状調理器の内面は、金属素材のままであっても何ら問題はないが、好ましくは、フッ素樹脂被膜によって被覆されていると焦げ付きし難く、手入れ等が良好になる。また、内部に収納される別の調理容器又は調理用具と組み合わせた場合に、内面にフッ素樹脂被膜を被覆することにより、利点が生じるが、詳しくは後述する。
【0018】
本発明における複合調理器の内部に収納される別の調理容器又は調理用具は、鍋状調理器と蓋状調理器との何れか一方の開口内周縁部に連続又は不連続的に設けられた段差部と、鍋状調理器と蓋状調理器との何れか他方の開口周縁部に連続又は不連続的に突設された係合片の頂部との間に形成される間隙によって、別の調理容器又は調理用具の周縁部を保持される。これにより、周縁部が形成された別の調理容器又は調理用具は、複合調理器内で確実に保持される。
【0019】
本発明における調理容器としては、段差部に周方向で不連続的に係合するフランジ部を備え、フランジ部により調理容器の外周部に鍋状調理器から蓋状調理器への蒸気の通路が確保され、且つ、調理容器の底面が鍋状調理器の底面から離されて保持されるものである。より具体的には、略矩形状の四隅の各々が前記段差部と係合可能なフランジ部を形成した平面形状を有し、略矩形状の四辺部と前記調理器の内壁とで前記通路が形成される容器が挙げられる。
【0020】
即ち、四隅のフランジ部以外は鍋状調理器から蓋状調理器への蒸気の通路として確保されているため、鍋状調理器に調理容器の底面が浸らないように水を入れ、蓋状調理器で蓋をして鍋状調理器の底面をコンロ等で加熱すると、発生した蒸気は調理器の円形の壁面と調理容器の四辺との間の通路を通って調理器内を対流する。また、調理器全体は良好な熱伝導により蒸気の温度が下がり難く、高温の蒸気(所謂、ドライスチーム)が対流することとなり、冷凍食品の解凍・加熱であってもべとつかず美味しく仕上がる。
【0021】
更に、調理器内面、特に、蓋状調理器内面にフッ素樹脂被膜が被覆されていると、蒸気が凝結しても、小さい水滴が天井面に着いたまま落下しない。これはフッ素樹脂被膜の撥水性により、隣接する小さい水滴同士が互いに着かず水滴が成長しないためと思われる。また、加熱に応じて蓋部まで熱が伝わり、天井面の水滴は凝結と共に蒸発を行い、結果的に天井面の水滴が落下することがないためと思われる。また、側壁部に凝結した水滴はフッ素樹脂被膜の撥水性により、壁面に沿って流下する。流下する水滴や蓋状調理器と鍋状調理器とが係合する開口部をウォータシールする。内部で発生した蒸気は結果的にコトコトと押し上げて外方に逃げる。その際、係合開口部はウォータシール効果により、内部を均一の高温状態に保ち蒸し時間の短縮という効果も奏する。
【0022】
尚、本発明の調理容器は、好ましくは周縁部の軸心対称位置に固定された複数の取手を備え、この取手が蓋状調理器を被せた際に蓋状調理器の内部頂面に接触しない高さ寸法を有するため、調理器内部に収納されても蒸し調理が可能であり、調理が終わった際に食品の取り出しにも便利である。
【0023】
本発明における調理用具としては、段差部の周方向で連続又は不連続的に係合する周縁部を備え、この周縁部の内方には、鍋状調理器から蓋状調理器への蒸気又は燻煙の通路を確保すると共に、鍋状調理器の底面から離して被調理物を保持する有孔保持板部が設けられている。より具体的には、周縁部に段差部と係合する枠部材を備えた網からなる用具が挙げられる。
【0024】
即ち、網であるため、鍋状調理器から蓋状調理器への蒸気又は燻煙の通路として確保されている。従って、鍋状調理器又は蓋状調理器の何れか一方の底面に水を入れ、食品を載せた網を載せて他方を被せ、コンロ等で加熱すると、発生した蒸気は編み目を通って調理器内を対流する。また、調理器全体は良好な熱伝導により蒸気の温度が下がり難く、高温の蒸気(所謂、ドライスチーム)が伝導することとなり、冷凍食品の解凍・加熱であってもべとつかず美味しく仕上がる。
【0025】
また、簡単な薫製(熱燻)の場合には、鍋状調理器の底面に燻煙用のチップを置き、食品を載せた網を載せて蓋状調理器を被せ、コンロ等で極弱火で加熱して、チップを燻して煙を出させ、煙の調節をしながら10〜15分間熱燻を行う。更に、調理器内面、特に、蓋状調理器内面にフッ素樹脂被膜が被覆されていると、燻煙を終えた後の汚れ等を落とす際に便利である。
【0026】
本発明における蓋としては、鍋状調理器又は蓋状調理器の何れか一方の開口内周縁部に設けられた段差部から開口端縁に至る開口内周面に内挿される外形を備えると共に、鍋状調理器又は蓋状調理器の何れか他方の開口周縁部に連続又は不連続的に突設された係合片の内側に係合する突起片が周方向に連続又は不連続的に形成されている。
【0027】
このため、鍋状調理器及び蓋状調理器の各々を単独で使用する際には、何れの調理器の開口を覆うことができる。尚、本発明の蓋の段差部に載置される周縁部が、段差部と係合片の頂部との間に形成される間隙よりも薄く成形されていれば、鍋状調理器と蓋状調理器との間を覆う中蓋としても利用可能である。
【0028】
これら鍋状調理器と、蓋状調理器と、調理容器と、調理用具と、中蓋とは、1つの鍋セットとして購入してもよく、また、少なくとも鍋状調理器と蓋状調理器とをセットとして購入し、他の調理容器と、調理用具と、中蓋とをオプションとして別個に買い足しても良い。
【0029】
また、内部に収納される別の調理容器又は調理用具は、鍋状調理器と蓋状調理器との何れか一方の開口内周縁部に連続又は不連続的に設けられた段差部と、鍋状調理器と蓋状調理器との何れか他方の開口周縁部に連続又は不連続的に突設された係合片の頂部との間に形成される間隙によって、周縁部を保持される構成であればよく、まだまだ改良される余地のあるものである。そのため、間隙に保持される周縁部の構成である限り、今後改良された調理容器又は調理用具も収納可能となるため、これらを後から買い足すということも可能である。
【0030】
【実施例】
実施例1.蒸し調理器1
図1は本発明の複合調理器と調理容器とを組み合わせた一実施例の構成を示す斜視図である。図2は図1の蓋状調理器を取った状態を示す平面図である。図3は図1の要部の構成を示す断面図である。図4は図1の使用状態を示す断面図である。本実施例では、主に蒸し調理を行う組み合わせであり、単独で鍋として使用可能な鍋状調理器10と、単独でフライパンとして使用可能な蓋状調理器20とからなる複合調理器の開口部に、調理容器30の四隅のフランジ部32を保持して収納される。
【0031】
図1及び図2に示す通り、単独で鍋として使用可能な鍋状調理器本体11は3.5mm厚のアルミニウム合金製であり、平面円形で平底の本体外形を有し、鍋状調理器本体11外方には、長取手12とその対向位置に短取手13とが取付けられ、内部には水位線14が形成されている。また、鍋状調理器本体11の内部表面にはフッ素樹脂被膜が被覆されている。
【0032】
ひっくり返して通常のフライパンとして使用できる蓋状調理器本体21は同じく3.5mm厚のアルミニウム合金製であり、鍋状調理器本体11の開口端に係合する開口端形状を備え、平面円形で平底の本体21外形を有し、蓋状調理器本体21外方には長取手22が形成されている。また、蓋状調理器本体21の内部表面にもフッ素樹脂被膜が被覆されている。
【0033】
これら鍋状調理器10と蓋状調理器20とからなる調理器内部に収納される調理容器本体31は、平面が略矩形状の表裏を貫く貫通孔のない容器であり、四隅にはフランジ部32が形成されている。また、四辺部33の対向する2辺には、容器本体31を取り出すための取手34が上方に向かって形成されている。尚、この取手34は蓋状調理器本体21を被せた際に蓋状調理器本体21の内部頂面に接触しない高さ寸法を有する。容器本体31の深さは鍋状調理器に保持された際に、底面が水位線14よりも上部位置になる。また、この調理器本体31の上面及び下面ににもフッ素樹脂被膜が被覆されている。
【0034】
この調理容器30の調理器内への保持は、詳しくは図3に示す通り、鍋状調理器本体11の開口内周縁部に連続的に段差部15が設けられ、この鍋状調理器本体11の開口縁形状に係合する開口端形状を備えた蓋状調理器本体21には、段差部15から開口端部に至る開口内周面16に緩やかに嵌る係合片25が開口内周縁部の全周に亘って連続的に突設されている。尚、段差部15及び係合片25は全周に亘って連続的に設けられているが、一部を切り欠いて不連続的に設けてもよい。但し、鍋状調理器本体11と蓋状調理器本体21との密閉性を考慮するならば、好ましくは全周に亘って連続的に設けられる方がよい。
【0035】
さて、蓋状調理器本体21の係合片25の頂部までの突設高さは、鍋状調理器本体11の段差部15から開口端部に至る開口内周面16の高さに比べて短く形成されている。従って、段差部15と係合片25の頂部との間に1〜2mm程度の間隙17が全周に亘って形成される。一方、調理容器本体31の四隅に形成されたフランジ部32は、蓋状調理器本体21の開口内周面16に沿って内挿可能な外形形状であり、尚且つ、蓋状調理器本体21の段差部15に引っ掛かる外形形状を備える。また、フランジ部32の厚さは間隙17よりも薄いものである。このため、調理容器30は、鍋状調理器10と蓋状調理器20とからなる複合調理器内に確実に保持される。
【0036】
略矩形状の調理容器本体31の四辺部33と、円形の鍋状調理器10の内側面とは異形の平面形状を有するため、この四辺部33と鍋状調理器本体11の内側面とで形成された4つの隙間が形成される。この4つの隙間が鍋状調理器10から蓋状調理器20への蒸気の通路35として確保される。
【0037】
図4に示す通り、鍋状調理器10内に水を水位線14より下になるように入れ、茶碗蒸しや冷凍枝豆等の食品を載置した調理容器30をセットし、蓋状調理器20を被せ、コンロの火にかける。発生した蒸気は通路35を通って調理器内を対流する。また、鍋状調理器10と蓋状調理器20とからなる複合調理器全体は良好な熱伝導により蒸気の温度が下がり難く、高温の蒸気が対流することとなり、冷凍食品の解凍・加熱であってもべとつかず美味しく仕上がる。
【0038】
更に、鍋状調理器10と蓋状調理器20との各々の内面にはフッ素樹脂被膜が被覆されている。これにより、蒸気が凝結しても、小さい水滴が天井面に着いたまま落下しない。また、発生した蒸気は結果的に蓋状調理器20と鍋状調理器10とが係合する開口部をコトコトと押し上げて外方に逃げる。その際、係合開口部はウォータシール効果により、内部を均一の高温状態に保ち、蒸し時間を短縮する効果もある。尚、本実施例の構成で天火調理も可能であるが、フッ素樹脂被膜の耐熱性が260℃程度であるため、260℃を越えない温度の加熱であれば可能である。
【0039】
実施例2.簡易燻煙調理器、蒸し調理器2
図5は本発明の複合調理器と調理用具とを組み合わせた一実施例の要部の構成を示す断面図である。図6は図5の実施例での蓋状調理器を取った状態を示す平面図である。図7は図5の使用状態を示す断面図である。図8は図5の別の使用状態を示す断面図である。本実施例では簡易薫製調理及び蒸し調理を行う組み合わせのものであり、鍋状調理器10と蓋状調理器20とからなる複合調理器の開口部に調理用具として網50の周囲の枠部材52を保持して収納される。
【0040】
鍋状調理器10と蓋状調理器20とからなる複合調理器は実施例1に示したものと同じであり、説明を省略する。調理用具としての網50は、図5及び図6に示す通り、蓋状調理器本体21の開口内周面16に沿って内挿可能な円形の枠形状であり、尚且つ、蓋状調理器本体21の段差部15に引っ掛かる円形の枠形形状を備える。また、網50の本体51及び枠52の厚さは間隙17よりも薄いものである。このため、網50は、鍋状調理器10と蓋状調理器20とからなる複合調理器内に確実に保持される。また、網本体51の網目構造は、鍋状調理器10から蓋状調理器20への燻煙又は蒸気の通路55として確保される。
【0041】
図7に示す通り、燻煙のためのチップ71を鍋状調理器10内に入れ、燻煙を行うチーズや肉片を等の食品を載置した網50をセットし、蓋状調理器20を被せ、極弱火のコンロにかける。発生した燻煙は編み目の通路55を通って調理器内を充満し、簡易燻煙が行える。
【0042】
また、図8に示す通り、複合調理容器の上下を逆さまにすることにより、蒸し料理にも使用可能である。蓋状調理器20内に水を入れ、茶碗蒸しや冷凍枝豆等の食品を載置した網50をセットし、鍋状調理器10を被せ、コンロの火にかける。発生した蒸気は編み目の通路55を通って調理器内を対流する。また、蓋状調理器20と鍋状調理器10とからなる複合調理器全体は良好な熱伝導により蒸気の温度が下がり難く、高温の蒸気が対流することとなり、冷凍食品の解凍・加熱であってもべとつかず美味しく仕上がる。
【0043】
更に、鍋状調理器10と蓋状調理器20との各々の内面にはフッ素樹脂被膜が被覆されている。これにより、燻煙後の洗浄がし易く、更に、蒸し調理では、蒸気が凝結しても、小さい水滴が天井面に着いたまま落下せず、食品表面に凝結水が落下し難いことは実施例1と同様である。また、蒸し料理でのウォータシール効果により、内部を均一の高温状態に保ち、蒸し時間を短縮する効果も実施例1と同様である。
【0044】
実施例3.中蓋を具備する加熱調理器
図9は本発明の複合調理器と中蓋とを組み合わせた一実施例の要部の構成を示す断面図である。図10は図9の使用状態を示す断面図である。本実施例では炊飯等を行う組み合わせのものであり、鍋状調理器10と蓋状調理器20とからなる複合調理器の開口部に中蓋90の周縁部材92を保持して収納される。
【0045】
鍋状調理器10と蓋状調理器20とからなる複合調理器は実施例1及び2に示したものと同じであり、説明を省略する。中蓋90は、図9及び図10に示す通り、鍋状調理器本体11の開口内周縁部に設けられた段差部15から開口端部に至る開口内周面16に緩やかに嵌る円形の外周形状91を備えると共に、蓋状調理器本体21の開口内周縁面28と、鍋状調理器本体11の側壁面から段差部15に至る段差部内周縁面18との何れにも係合する突起片93が周縁に沿って連続的に形成されている。また、中蓋90の突起片93から外周に至る周縁部材92の厚さは間隙17よりも薄い。このため、中蓋90は、鍋状調理器10と蓋状調理器20とからなる複合調理器内に確実に保持される。
【0046】
図10に示す通り、鍋状調理器10内に研いだ米と水とを規定の分量入れ、中蓋90をセットし、蓋状調理器20を被せ、コンロの火にかける。通常の炊飯と同様に火加減を調節しながら炊く。調理器全体から熱が加わり、蓋状調理器20と中蓋90との適度の重さにより、ふっくらとしたご飯が炊きあがる。
【0047】
実施例4.その他の加熱調理器
図11は本発明の複合調理器の使用状態を示す断面図である。図12は本発明の複合調理器を構成する調理器の使用状態を示す断面図である。図13は本発明の複合調理器を構成する別の調理器の使用状態を示す断面図である。各図に示す通り、本発明の複合調理器は、内部に調理容器又は調理用具を収納しなくても、鍋状調理器10と蓋状調理器20とを組み合わせて又は各々を単独で使用することができる。
【0048】
図11に示す通り、鍋状調理器10と蓋状調理器20とを組み合わせて、蓋状調理器20の適度な重さと、互いに係合する開口端形状によるウォータシール効果とにより、食材の持つ水分のみでの調理が可能、短い時間で調理が可能、天火料理も可能等の水無し調理鍋様効果を奏することができる。
【0049】
また、図12,図13に示す通り、鍋状調理器10は単独で鍋として使用でき、蓋状調理器20は単独でフライパンとして使用できる。その際、中蓋90は鍋状調理器本体11の開口内周縁部に設けられた段差部15から開口端部に至る開口内周面16に緩やかに嵌る円形の外周形状91を備えるため、また、蓋状調理器本体21の開口内周縁面28と、鍋状調理器本体11の側壁面から段差部15に至る段差部内周縁面18との何れにも係合する突起片93が周縁に沿って連続的に形成されているため、鍋状調理器10及び蓋状調理器20の蓋として使用できる。
【0050】
実施例5.蒸し調理での温度推移
実施例1で示した蒸し調理器を用いて、実際の調理器内の温度推移を計測した。温度の計測地点は、調理容器30の上面中央部分とした。使用コンロは2500kcal/hで、強火とした。鍋状調理器10の本体に熱湯を入れ、計測地点に温度センサを配した調理容器30を入れ、蓋状調理器20で蓋をし、コンロに着火してからの時間と、温度とを計測した。結果を次の表1及び図14に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0004129919
【0052】
表1及び図14に示す通り、2分程度で調理容器は100℃に達し、約101℃で安定に推移していることが示された。
【0053】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通り、水無し調理鍋様効果が得られるだけでなく、別の調理容器又は調理用具と組み合わせることにより、従来の水無し調理鍋ではできなかった別の加熱調理が可能となる新規な複合調理器を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合調理器と調理容器とを組み合わせた一実施例の構成を示す斜視図である。
【図2】図1の蓋状調理器を取った状態を示す平面図である。
【図3】図1の要部の構成を示す断面図である。
【図4】図1の使用状態を示す断面図である。
【図5】本発明の複合調理器と調理用具とを組み合わせた一実施例の要部の構成を示す断面図である。
【図6】図5の実施例での蓋状調理器を取った状態を示す平面図である。
【図7】図5の使用状態を示す断面図である。
【図8】図5の別の使用状態を示す断面図である。
【図9】本発明の複合調理器と中蓋とを組み合わせた一実施例の要部の構成を示す断面図である。
【図10】図9の使用状態を示す断面図である。
【図11】本発明の複合調理器の使用状態を示す断面図である。
【図12】本発明の複合調理器を構成する調理器の使用状態を示す断面図である。
【図13】本発明の複合調理器を構成する別の調理器の使用状態を示す断面図である。
【図14】本発明の複合調理器内部の温度の推移を示した線図である。
【符号の説明】
10…鍋状調理器、
11…鍋状調理器本体、
12…長取手、
13…短取手、
14…水位線、
15…段差部、
16…開口内周面、
17…間隙、
18…段差部内周縁面、
20…蓋状調理器、
21…蓋状調理器本体、
22…長取手、
25…係合片、
28…開口内周縁面、
30…調理容器、
31…調理容器本体、
32…フランジ部、
33…四辺部、
34…取手、
35…通路、
50…網、
51…網本体、
52…枠部材、
55…通路、
71…チップ、
90…中蓋、
91…外周形状、
92…周縁部材、
93…突起片、

Claims (1)

  1. 単独で鍋として使用可能な鍋状調理器と、単独でフライパンとして使用可能な蓋状調理器とからなり、これら調理器のみ又はこれら調理器とその内部に収納される別の調理容器又は調理用具と共に内部で食品を加熱調理する複合調理器であって、
    鍋状調理器と蓋状調理器とは、互いに係合する開口端形状を備え、一方の開口内周縁部に連続又は不連続的に段差部が設けられ、該段差部から開口端部に至る開口内周面に係合される係合片が他方の開口周縁部に連続又は不連続的に突設され、
    前記段差部には、複合調理器内部に前記別の調理容器又は調理用具の周縁部を保持するための間隙が形成され、
    前記鍋状調理器及び蓋状調理器の平面形状が円形であり、
    前記蓋状調理器の内面がフッ素樹脂被膜によって被覆されており、
    前記複合調理器の内部に収納される調理容器は、
    略矩形状の四隅の各々が前記段差部に周方向で不連続的に係合するフランジ部を形成した平面形状を有し、略矩形状の四辺部と前記調理器の内壁とで調理容器の外周部に鍋状調理器から蓋状調理器への蒸気の通路が形成され、且つ、調理容器の底面が鍋状調理器の底面から離されてなり、
    周縁部の軸心対称位置に固定された複数の取手を備え、
    前記取手が、前記蓋状調理器を被せた際に蓋状調理器の内部頂面に接触しない高さ寸法を有することを特徴とする複合調理器。
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