JP4126157B2 - 有機電解質電池 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、高容量、高電圧を有し、充放電特性に優れ、かつ安全性に優れた有機電解質電池に関するものである。
【0002】
【背景技術】
近年、導電性高分子、遷移金属酸化物等を正極とし、負極にリチウム金属あるいはリチウム合金を用いた二次電池が、そのエネルギー密度が高いことから、Ni−Cd電池、鉛電池に代わる電池として提案されている。
しかしながら、これらの二次電池は、繰り返し充放電を行うと、正極あるいは負極の劣化による容量低下が大きく、実用には問題が残されている。特に、負極の劣化は、デントライトと呼ばれるこけ状のリチウム結晶の生成を伴い、充放電の繰り返しにより終局的にはデントライトがセパレーターを貫通し、電池内部でショートを引き起こし、場合によっては電池が破裂する等、安全面においても問題が生じることがあった。
【0003】
そこで、上記の問題点を解決すべく、グラファイト等の炭素材料を負極に用い、正極にLiCoO2等のリチウム含有金属酸化物を用いた電池が提案されている。この電池は、電池組立後、充電することにより正極のリチウム含有金属酸化物から負極にリチウムを供給し、更に放電では負極リチウムを正極に戻すという、いわゆるロッキングチェア型電池である。この電池は、高電圧及び高容量を有することを特長とするものではあるが、リチウム電池の長所である高エネルギー密度を得るには到っていない。
【0004】
また、近時、リチウムを可逆的に担持可能な負極材料の研究が飛躍的に進み、炭素材料の理論容量であるC6Liを超えるリチウムを担持可能な材料や、錫系の酸化物等が、高容量リチウム系二次電池の負極材料として提案されている。その中でも、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体は、C2Liまでリチウムをドープすることが可能である(Synthetic Metal,73(1995)P273)。しかしながら、この不溶不融性基体を負極とし、正極にリチウム含有金属酸化物を用いた上記ロッキングチェア型電池は、これを組み立てた場合、炭素材料に比べ高容量が得られるものの、その容量には未だ不満足な点が残されていた。
【0005】
上記の問題点を解決するために、本願出願人の出願に係る国際公開特許第95−8852号には、正極、負極並びに電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であって、正極が金属酸化物を含み、負極が芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体であり、この負極不溶不融性基体に対し、電池内に含まれる総リチウム量が500mAh/g以上であり、かつ負極由来のリチウムが100mAh/g以上であることを特徴とする有機電解質電池が提案されている。この電池は、高容量が得られるものの、円筒型電池等の実用電池を組む場合において実用的かつ簡便に負極由来のリチウムを担持する方法が求められている。この具体的方法については、特開平8−162159号、特開平8−162160号、特開平8−162161号及び特開平8−255633号等において種々提案されているが、これらいずれの方法も、均一性及び操作性において問題を有しており、完全な問題の解決には到っていないのが実情である。すなわち、この具体的方法における最も簡便な方法としては、負極上にリチウム金属をはり合わせ、正極、セパレーターとともに電池容器に挿入し、電解液を注液し放置することにより、負極にリチウムを担持させる方法が挙げられる。しかしながら、この場合、はり合わせるリチウム金属箔の厚みの量産下限が約30μmであることから、負極の厚みが増大して電池設計に制約を加えることとなり、特に充放電特性に影響を与えることが問題となっていた。
【0006】
本発明者らは、上記の問題点に鑑み鋭意研究を続けた結果、本発明を完成したものであって、本発明の目的は、製造が容易で高容量かつ高電圧を有する有機電解質電池を提供することにある。
本発明の他の目的は充放電特性に優れた二次電池を提供するにある。
本発明の更に他の目的は長期に亘って充放電が可能で、安全性に優れた二次電池を提供するにある。
本発明の更に他の目的は内部抵抗が低い二次電池を提供するにある。
本発明の更に他の目的は製造が容易な二次電池を提供するにある。
本発明の更に他の目的は以下の説明から明らかにされよう。
【0007】
【発明の開示】
上記の目的を達成するために、本発明の有機電解質電池は、以下の構成をとる。すなわち、正極、負極並びに電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であって、正極集電体及び負極集電体が、それぞれ表裏面を貫通する孔を備えるとともにその気孔率が1%以上30%以下であり、負極活物質がリチウムを可逆的に担持可能であり、負極由来のリチウムが負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムと負極との電気化学的接触によって、該リチウムの全部あるいはその一部を、該リチウムに隣接する負極には直接に、その他の負極には少なくとも1層以上の正極を透過することにより担持されることを特徴とするものである。
【0008】
この時、有機電解質電池の正極集電体及び負極集電体が、それぞれ表裏面を貫通する孔を備えるとともにその気孔率が1%以上30%以下であることが望ましく、負極活物質がリチウムを可逆的に担持可能であり、負極由来のリチウムが負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムと負極との電気化学的接触により担持され、かつ該リチウムの対向面積が負極面積の40%以下であることを特徴とするものである。
【0009】
また、正極、負極並びに電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であって、正極集電体及び負極集電体が、それぞれに表裏面を貫通する孔を備えるものであり、正極活物質及び負極活物質がリチウムを可逆的に担持可能であり、正極由来のリチウムが負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムと正極との電気化学的接触により、該リチウムの全部あるいはその一部を、該リチウムに隣接する正極には直接に、その他の正極には少なくとも1層以上の正極を透過させて担持させることを特徴とするものである。
【0010】
また、上記負極活物質は、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体であることが好ましい。
【0011】
更に、本発明に係る有機電解質電池においては、上記負極活物質に対し、電池内に含まれる総リチウム量が500mAh/g以上であり、かつ負極由来のリチウムが100mAh/g以上である事が好適である。
【0012】
また、正極、負極並びに電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であって、正極集電体及び負極集電体が、それぞれに表裏面を貫通する孔を備えるとともにその気孔率が1%以上30%以下が望ましく、正極活物質及び負極活物質がリチウムを可逆的に担持可能であり、正極由来のリチウムの少なくとも一部が負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムと正極との電気化学的接触により担持され、かつ該リチウムの対向面積が正極面積の40%以下であることを特徴とするものである。
【0013】
また、上記負極活物質は、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体であることが好ましい。
【0014】
本発明の有機電解質電池における負極活物質は、リチウムを可逆的に担持できるものであれば特に限定はされず、例えばグラファイト、種々の炭素材料、ポリアセン系物質、錫酸化物、珪素酸化物等を挙げることができる。そして、これらの中でも、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体を用いることが、高容量を得ることができて好ましい。
【0015】
上記芳香族系縮合ポリマーとは、芳香族炭化水素化合物とアルデヒド類との縮合物である。芳香族炭化水素化合物としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール等の如き、いわゆるフェノール類を好適に用いることができる。例えば、下記式
【0016】
【化1】
(ここで、x及びyはそれぞれ独立に、0、1または2である)
で表されるメチレン・ビスフェノール類であることができ、あるいはヒドロキシ・ビフェニル類、ヒドロキシナフタレン類であることもできる。これらの中でも、実用的にはフェノール類、特にフェノールが好適である。
【0017】
また、上記芳香族系縮合ポリマーとしては、上記のフェノール性水酸基を有する芳香族炭化水素化合物の1部をフェノール性水酸基を有さない芳香族炭化水素化合物、例えばキシレン、トルエン、アニリン等で置換した変成芳香族系縮合ポリマー、例えばフェノールとキシレンとホルムアルデヒドとの縮合物を用いることもできる。更に、メラミン、尿素で置換した変成芳香族系ポリマーを用いることもでき、フラン樹脂も好適である。
【0018】
上記アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒドを使用することができ、これらの中でもホルムアルデヒドが好適である。また、フェノールホルムアルデヒド縮合物としては、ノボラック型またはレゾール型あるいはこれらの混合物のいずれであってもよい。
【0019】
上記不溶不融性基体は、上記芳香族系ポリマーを熱処理することにより得られるものであり、特公平1−44212号公報、特公平3−24024号公報等に記載されているポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体は、すべて用いることができる。
【0020】
本発明に用いる不溶不融性基体は、例えば次のようにして製造することもできる。すなわち、上記芳香族系縮合ポリマーを、非酸化性雰囲気下(真空も含む)中で400〜800℃の適当な温度まで徐々に加熱することにより、水素原子/炭素原子の原子比(以下H/Cと記す)が0.5〜0.05、好ましくは0.35〜0.10の不溶不融性基体を得ることができる。
【0021】
また、特公平3−24024号公報等に記載されている方法で、600m2/g以上のBET法による比表面積を有する不溶不融性基体を得ることもできる。例えば、芳香族系縮合ポリマーの初期縮合物と無機塩、例えば塩化亜鉛を含む溶液を調製し、該溶液を加熱して型内で硬化する。かくして得られた硬化体を、非酸化性雰囲気下(真空も含む)中で、350〜800℃の温度まで、好ましくは400〜750℃の適当な温度まで徐々に加熱した後、水あるいは希塩酸等によって充分に洗浄することにより、上記H/Cを有し、かつ例えば600m2/g以上のBET法による比表面積を有する不溶不融性基体を得ることもできる。
【0022】
本発明に用いる不溶不融性基体は、X線回折(CuKα)によれば、メイン・ピークの位置は2θで表して24°以下に存在し、また該メイン・ピークの他に41〜46°の間にブロードな他のピークが存在するものである。すなわち、上記不溶不融性基体は、芳香族系多環構造が適度に発達したポリアセン系骨格構造を有し、かつアモルファス構造をとると示唆され、リチウムを安定にドーピングすることができることから、電池用活物質として有用である。
【0023】
この不溶不融性基体は、そのH/Cが0.5〜0.05の範囲内であることが好ましい。すなわち、H/Cが0.5を超える場合は、芳香族系多環構造が充分に発達していないため、リチウムのドーピング、脱ドーピングがスムーズに行われず、電池を組んだ際に充放電効率が低下するという問題が生じうるし、また逆に、H/Cが0.05未満の場合には、本発明の電池の容量が低下するおそれがあるからである。
【0024】
本発明の有機電解質電池における負極は、上記の不溶不融性基体(以下PASという)等の負極活物質からなり、粉末状、粒状、短繊維状等の成形しやすい形状にある負極活物質をバインダーで成形したものとすることが好ましい。このバインダーとしては、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができ、これらの中でもフッ素系バインダーを用いることが好ましい。特に、フッ素原子/炭素原子の原子比(以下、F/Cと記す)が1.5未満0.75以上であるフッ素系バインダーを用いることが好ましく、1.3未満0.75以上のフッ素系バインダーを用いることが更に好ましい。
【0025】
上記フッ素系バインダーとしては、例えばポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、プロピレン−4フッ化エチレン共重合体等が挙げられ、更に主鎖の水素をアルキル基で置換した含フッ素系ポリマーも用いることができる。上記ポリフッ化ビニリデンの場合、F/Cは1であり、フッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重合体の場合、フッ化ビニリデンのモル分率が50%のとき、80%のとき、それぞれF/Cは1.25、1.1となる。更に、プロピレン−4フッ化エチレン共重合体の場合、プロピレンのモル分率が50%のとき、F/Cは0.75となる。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンのモル分率が50%以上のフッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重合体が好ましく、実用的にはポリフッ化ビニリデンが好ましく用いられる。
これらのバインダーを用いた場合、PASの有するリチウムのドープ能(容量)を充分に利用することができる。
【0026】
また、本発明の有機電解質電池における負極には、負極活物質としてPAS、酸化物を用いる場合、必要に応じてアセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電材を適宜加えてもよい。
【0027】
本発明に係る有機電解質電池における正極としては、特に限定はされないが、例えば、LiXCoOZ、LiXNiOZ、LiXMnOZ、LiXFeOZ等のLiXMYOZ(Mは金属、二種以上の金属でもよい)の一般式で表されうる、リチウムを電気化学的にドープ、脱ドープ可能なリチウム含有金属酸化物、あるいはコバルト、マンガン、ニッケル等の遷移金属酸化物を用いることができる。また、上記PAS等の導電性高分子も好適に用いることができる。特に、高電圧、高容量を求める場合は、リチウム金属に対し4V以上の電圧を有するリチウム含有酸化物を用いることが好ましい。中でも、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、あるいはリチウム含有コバルト−ニッケル複合酸化物が特に好ましい。
【0028】
また、本発明に係る有機電解質電池における正極の活物質としては、リチウムを電気化学的に可逆的に担持可能であれば、特に限定はされないが、例えば、LiXCoO2、LiXNiO2、LiXMnO2、LiXFeO2等のLiXMYOZ(Mは金属、二種以上の金属でもよい)の一般式で表されうるリチウム含有金属酸化物(これらリチウム含有金属酸化物は電気化学的酸化、すなわち充電によりリチウムを放出可能であり本発明においては、タイプ1の正極活物質と呼ぶ)、あるいはコバルト、マンガン、バナジウム、チタン、ニッケル等の遷移金属酸化物、あるいは硫化物を用いることができる。また、上記PAS等の導電性高分子も好適に用いることができる。これら正極の活物質は大別し2つに別れる。すなわち電気化学的酸化により、換言すれば充電によりリチウムを放出可能である、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有コバルト−ニッケル複合酸化物等の正極の活物質(本発明においては、タイプ1の正極活物質と呼ぶ)とそれ以外の正極の活物質(本発明においては、タイプ2の正極活物質と呼ぶ)である。特に、高電圧を求める場合は、リチウム金属に対し4V以上の電圧を有するリチウム含有酸化物を用いることが好ましい。中でも、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、あるいはリチウム含有コバルト−ニッケル複合酸化物が特に好ましい。
【0029】
本発明の有機電解質電池における正極は、上記各種活物質に、必要に応じて導電材、バインダー等を加え成形したものであり、導電材、バインダーの種類、組成等は、適宜設定することができる。
【0030】
上記導電材としては、金属ニッケル等の金属粉末を用いることができ、例えば活性炭、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素系のものを好適に用いることができる。この導電材の混合比は、上記活物質の電気伝導度、電極形状等により異なるが、活物質に対して2〜40%の割合で加えることが適当である。
【0031】
また、上記バインダーは、本発明の有機電解質電池において用いる後述の電解液に不溶のものであればよく、例えばSBR等のゴム系バインダー、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を好ましく用いることができる。そして、その混合比は、上記活物質に対して20%以下とすることが好ましい。
【0032】
本発明の有機電解質電池における正極集電体及び負極集電体は、それぞれに表裏面を貫通する孔を備えているものであり、例えば不織布、エキスパンドメタル、パンチングメタル、網、発泡体等を挙げることができる。この貫通孔の形態、数等は特に限定されず、後述する電解液中のリチウムイオンが電極集電体に途断されることなく電極の表裏間を移動できるように、電極集電体の気孔率を調節することにより、貫通孔の割合を適宜設定することができる。この電極集電体の気孔率とは、{1−(集電体重量/集電体真比重)/(集電体見かけ体積)}の比を百分率に換算して得られるものである。
【0033】
また、電極集電体の材質としては、一般にリチウム系電池に提案されている種々の材質を用いることができ、正極集電体にはアルミニウム、ステンレス等、負極集電体にはステンレス、銅、ニッケル等をそれぞれ用いることができる。また、正極集電体については、後述するようにリチウムを直接はりつける場合、ステンレス等のリチウムと合金化せず、かつ電気化学的酸化に耐性のある材料を用いることが好ましい。
【0034】
本発明に係る有機電解質電池においては、負極活物質に対し、電池内に含まれる総リチウム量が500mAh/g以上であり、かつ負極由来のリチウムが100mAh/g以上であることが好ましい。電池内に含まれる総リチウム量とは、正極由来のリチウム、電解液由来のリチウム、負極由来のリチウムの量の総計である。正極由来のリチウムとは、電池組立時、正極に含まれるリチウムであり、該リチウムの一部もしくは全部は、外部回路から電流を通ずる操作(充電等)により、負極に供給される。また、電解液由来のリチウムとは、セパレーター、正極、負極等に含まれる電解液中のリチウムであり、負極由来のリチウムとは、負極活物質に担持されているリチウムであり、上記正極由来のリチウム及び電解液由来のリチウム以外のリチウムである。
【0035】
本発明に係る有機電解質電池において、負極由来のリチウムは、負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムとの電気化学的接触により、その全部あるいはその一部が、少なくとも1層以上の正極を透過して負極に担持される。ここでリチウムとは、リチウム金属あるいはリチウム−アルミニウム合金のように、少なくともリチウムを含有し、リチウムイオンを供給することのできる物質をいう。
【0036】
本発明に係る有機電解質電池において、配置されたリチウムの隣接する電極が負極である場合、該隣接負極には直接リチウムが担持されるが、それ以外の隣接していない負極には少なくとも1層以上の正極を貫通したリチウムが担持される。また、配置されたリチウムの隣接する電極が正極である場合、すべてのリチウムは少なくとも1層以上の正極を貫通して後、負極に担持される。
【0037】
本発明に係る有機電解質電池において、正極由来のリチウムとは、正極に含まれるリチウムであり、全部、あるいは一部が、負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムとの電気化学的接触により、正極に担持される。例えば、LiCoO2を正極活物質とする場合、LiCoO2はすでに電池組立時、リチウムを含有しているが、更にリチウムとの電気化学的接触により担持されたリチウムを加えて正極由来のリチウムとなる。一方、V2O5を正極活物質とする場合には、これがリチウムを含有していないため、正極由来のリチウムの全部がリチウムとの電気化学的接触により担持されることとなるのである。正極由来のリチウムの一部もしくは全部は、外部回路から電流を通ずる操作(充電等)により、負極に供給される。また、電解液由来のリチウムとは、セパレーター、正極、負極等に含まれる電解液中のリチウムであり、負極由来のリチウムとは、負極活物質に担持されているリチウムであり、上記正極由来のリチウム及び電解液由来のリチウム以外のリチウムである。
【0038】
本発明に係る有機電解質電池においては、正極由来のリチウムの全部あるいは一部が、負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムと正極との電気化学的接触により、少なくとも1層以上の正極を透過して後、正極に担持される。
【0039】
リチウムと正極の電気化学的接触は電解液が電池系に注液された時に開始されるが、上記タイプ1の正極活物質を用いる場合は、すでに放出可能なリチウムを含有しているため、電解液が電池系に注液後直ちに、該電池系を充電することが可能である。また、タイプ2の正極活物質も、電解液が電池系に注液後、全てのリチウムが正極活物質に完全に担持される前に該電池系を充電することが可能である。この充電操作は、担持時間を早めると共に、正極が過放電状態におかれる事を防止し、リチウムの担持操作により正極の劣化を防ぐ上で有効である。
【0040】
本発明の有機電解質電池において、負極由来あるいは正極由来のリチウムは、負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムと正極或は負極との電気化学的接触により、該リチウムの全部あるいは一部が、少なくとも1層以上の正極を透過して担持される。なお、ここでいうリチウムとは、リチウム金属あるいはリチウム−アルミニウム合金のように、少なくともリチウムを含有し、リチウムイオンを供給することのできる物質のすべてを指している。
【0041】
本発明に係る有機電解質電池において、負極由来のリチウムは、負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムとの電気化学的接触により担持され、かつ該リチウムの対向面積は負極面積の40%以下である。また、本発明に係る有機電解質電池において、正極由来のリチウムの少なくとも一部は、負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムと正極との電気化学的接触により担持され、かつ該リチウムの対向面積は正極面積の40%以下である。なお、ここでいうリチウムとは、リチウム金属あるいはリチウム−アルミニウム合金のように、少なくともリチウムを含有し、リチウムイオンを供給することのできる物質をいう。
【0042】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図6は、本発明の有機電解質電池において複数組の正極板、セパレーター、負極板を順次積層してなるタイプの電池の実施形態をそれぞれ示している。
【0043】
図1は、上記タイプの電池のケース内における電極配置の一例を示している。この図に示すように、負極集電体(2’)の両面に成形された負極(2)と、ステンレスメッシュ、銅エキスパンドメタル等のリチウム金属集電体(4’)に圧着されたリチウム金属(4)とが導線(5)により接続されており、リチウム金属(4)は、積層ユニットの下部に配置されている。負極集電体(2’)とリチウム金属集電体(4’)は直接溶接することもできる。また、正極集電体(1’)の両面に成形された正極(1)と上記負極(2)とは、セパレーター(3)を介し積層されている。このセパレーター(3)は、電解液あるいは電極活物質等に対して耐久性のある連通気孔を有する電子伝導性のない多孔体等からなり、通常はガラス繊維、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等からなる布、不織布あるいは多孔体が用いられる。セパレーター(3)の厚みは、電池の内部抵抗を小さくするために薄い方が好ましいが、電解液の保持量、流通性、強度等を勘案して適宜設定することができる。そして、セパレーター(3)には電解液が含浸されており、該電解液には、ドーピングされうるイオンを生成しうる前述の化合物が非プロトン性有機溶媒に溶解されている。電解液は、通常液状であってセパレーター(3)に含浸されるが、セパレーター(3)を用いない場合等には、漏液を防止するためゲル状または固体状にして用いることもできる。上記負極集電体(2’)及び正極集電体(1’)は、それぞれが表裏面を貫通する孔(図示せず)を備えており、それぞれに電池の負極端子及び正極端子に接続されている。
【0044】
図2は、上記電極配置の他の例を示している。この電池においては、リチウム金属集電体(4’)に圧着されたリチウム金属(4)を、積層ユニットの上部及び下部にそれぞれ配置している。
【0045】
また、図3に示す他の例では、リチウム金属(4)を積層ユニットの真中に配置している。
【0046】
図4は、上記タイプの電極配置の他の例を示している。この例では、正極集電体(1’)の両面に成形された正極(1)と、ステンレスメッシュ、銅エキスパンドメタル等のリチウム金属集電体(4’)に圧着されたリチウム金属(4)とが導線(5)により接続されており、リチウム金属(4)は、積層ユニットの下部に配置されている。なお、上記正極集電体(1’)とリチウム金属集電体(4’)とは、直接溶接することもできる。また、負極集電体(2’)の両面に成形された負極(2)と上記正極(1)とは、セパレーター(3)を介し積層されている。
【0047】
図5は、上記図4に示した電極配置の他の例を示している。この電池においては、リチウム金属集電体(4’)に圧着されたリチウム金属(4)を、積層ユニットの上部及び下部にそれぞれ配置している。
【0048】
また、図6に示す他の変形例は、リチウム金属(4)を積層ユニットの真中に配置している。このように、積層タイプの電池の電極配置においては、リチウム金属(4)の配置位置を上記の例のように適宜変更することができる。
【0049】
図7から図9は、本発明の実施形態として、円筒電池等に用いる巻き込み型構造をとる電池を示している。図7は、最外周の負極集電体(2)上にリチウム金属(4)をはり付けた例であり、図8は、最外周の正極集電体(1)上にリチウム金属(4)をはり付けた(図においては、はり付けた部分にリチウム金属(4)のみをあらわしている)例であり、図9は、巻き込み型構造の中心に円柱状のリチウム金属(4)を配置した例である。
【0050】
図10は気孔率80%のエキスパンドメタルと、気孔率7%のパンチングメタルを用いた電極を示している。エキスパンドメタルは特にエッジ部に活物質の脱落が見られる。この活物質の脱落が電池の容量低下、短絡の原因となる。
【0051】
これらの例においては、負極あるいは正極とリチウムとを、ニッケル、銅、ステンレス等の導電物質を介するか、負極集電体あるいは正極集電体上にリチウムをはり付けることにより接触させているが、本発明の有機電解質電池は、特にこの構造に限定されるものではなく、例えばリチウムを直接負極あるいは正極上にはり付けることにより接触させてもよく、また負極ケースあるいは正極ケースにリチウムを直接はり付けるようにしてもよい。すなわち、ここで必要なことは、電池組立て時、電解液を注入した際に、すべての負極あるいは正極とリチウムが電気化学的接触し、電解液を介してリチウムが負極活物質あるいは正極活物質に担持されるように配置することである。
【0052】
リチウム金属集電体としてステンレスメッシュ等の導電性多孔体を用い、この導電性多孔体の気孔部にリチウム金属の80%以上を充填して配置することにより、リチウムがドーピングされても、リチウムの消失による電極間に生じる隙間を少なくし、リチウムが負極活物質にスムーズに担持されることとなる。
【0053】
一方、リチウム金属を負極板の断面方向あるいは正極板の断面方向に配置し、電池内にて負極あるいは正極とリチウム金属とを電気化学的接触させて負極活物質あるいは正極活物質にリチウムを担持させる方法も提案されているが、この場合電極内でのドープむらが大きくなり、充放電により部分的に負極上にリチウムが電析し、担持時間が長くなる等の問題が生じることとなる。従って、これを量産に用いることは容易ではない。
【0054】
本発明に係る有機電解質電池においては、負極由来あるいは正極由来のリチウムを特定位置に局所的に配置することにより、リチウムの対向面積を、負極面積あるいは正極面積の40%以下とし、電池設計上の自由度及び量産性の向上を可能とするとともに、優れた充放電特性を有するものとしている。すなわち、上記の例のように負極あるいは正極の大半にリチウム金属をはり付けることは、非常に煩雑で工業生産に向かず量産が困難になり、また、リチウム金属の面積が負極面積あるいは正極面積の40%を超える場合には、リチウム金属の厚み等によって電極の厚みが決定されてしまい、それが原因で目的とする充放電特性が得られないという問題が生じることになるからである。
【0055】
この電池において、負極由来あるいは正極由来のリチウム量は、目的とする電池、負極活物質あるいは正極活物質等により都度決定することができるが、負極活物質として上記PASを用い、下記の条件を満たすものとすることにより、特に高容量の電池を得ることができる。すなわち、負極活物質にPASを用いる場合、電池内の総リチウム量は、負極PASに対し500mAh/g以上であることが好ましく、600mAh/g以上であることが、充分な容量を得る上で更に好ましい。
【0056】
また、本発明に係る有機電解質電池において、負極由来のリチウムは、負極PASに対し100mAh/g以上であることが好ましく、150mAh/g以上であることが、更に好ましい。そして、たとえ上記総リチウム量が負極PASに対し500mAh/g以上であったとしても、負極由来のリチウムが100mAh/g未満である場合には、充分な容量を得られないという問題が生じる可能性がある。また、正極にリチウム含有酸化物を用いる場合には、負極由来のリチウムを、負極PASに対し600mAh/g以下にすることが実用的である。また、正極由来のリチウム及び電解液由来のリチウムの量については、適宜設定することができるが、正極としてリチウム含有酸化物を用いる場合には、正極由来のリチウムが負極PASに対し300mAh/g以上であることが好ましい。
【0057】
また、本発明に係る有機電解質電池において、上述のタイプ1の正極活物質を用いる場合は、本来正極が有するリチウム量に加え、正極由来のリチウムを、負極PASに対し100mAh/g以上担持させる事が好ましく、150mAh/g以上加える事が、更に好ましい。
【0058】
また、本発明の同様の方法等を用いて、負極由来のリチウムを負極活物質にPASに予め担持させておいても良く、特に上述のタイプ2の正極活物質の場合、担持させるリチウム量が多くなるため、負極、正極の両方に分けて必要リチウム量を担持させる事も、担持時間を早くするため有効である。
【0059】
本発明の有機電解質電池に用いる電解液を構成する溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が用いられる。この非プロトン性有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン等が挙げられる。更に、これら非プロトン性有機溶媒の二種以上を混合した混合液を用いることもできる。
【0060】
また、上記の単一あるいは混合の溶媒に溶解させる電解質は、リチウムイオンを生成しうる電解質であれば、あらゆるものを用いることができる。このような電解質としては、例えばLiI、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6、LiHF2等が挙げられる。
【0061】
上記の電解質及び溶媒は、充分に脱水された状態で混合され、電解液とするのであるが、電解液中の電解質の濃度は、電解液による内部抵抗を小さくするため少なくとも0.1モル/l以上とすることが好ましく、0.2〜1.5モル/lの範囲内とすることが更に好ましい。
【0062】
本発明に係る有機電解質電池の電池形状としては、円筒型、角形、箱型等が挙げられ、その形状は特に限定されない。
【0063】
【実施例】
〔実施例1〕
厚さ0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で500℃まで50℃/時間の速度で、更に10℃/時間の速度で650℃まで昇温し、熱処理し、PASを合成した。かくして得られたPAS板をディスクミルで粉砕することにより、平均粒径約7μmのPAS粉体を得た。このPAS粉体のH/C比は0.22であった。
【0064】
次に、上記PAS粉体100重量部と、アセチレンブラック10重量部を、ポリフッ化ビニリデン粉末10重量部をN−メチルピロリドン120重量部に溶解した溶液とを充分に混合することによりスラリーを得た。該スラリーを厚さ25μm(気孔率28%)の銅不織布両面に成形し、プレス200μmのPAS負極を得た。また、LiCoO2100重量部、グラファイト5重量部を、ポリフッ化ビニリデン粉末3.5重量部をN−メチルピロリドン50重量部に溶解した溶液と充分に混合することによりスラリーを得た。該スラリーを厚さ35μm(気孔率20%)のアルミニウム不織布両面に成形し、プレス後300μmのLiCoO2正極を得た。
【0065】
上記電極を所定のサイズにカットした正極(2.0×3.0cm2)及びPAS負極(2.2×3.2cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、図1に示した正極、セパレーター、負極を積層した(正極9枚)電池を10個組んだ。外側の2枚の負極は、両面に成形された上記負極の片側をはがすことにより得た厚さ113μmのものを用いた。リチウム金属としては、リチウム金属箔(200μm、2.0×3.0cm2)を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、負極と対向するように配置した。負極(片面2枚、両面8枚)とリチウムを圧着したステンレス網はそれぞれ溶接し、接触させた。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。
【0066】
電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1(重量比)混合液に、1モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を用いた。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1550mAh/gであった。4日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。分解した電池の負極(片面2枚、両面8枚)を取り出し、リチウムを対極に用いたビーカー型電池を組み、それぞれの負極の電位を調べたところ、いずれも0.25Vから0.26Vであり、リチウムのドープむらはみられなかった。
【0067】
【表1】
【0068】
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、580mAhであった(9個の平均値)。
【0069】
〔実施例2〕
負極集電体として厚さ20μm(気孔率7%)の銅パンチングメタルを用い、正極集電体に厚さ30μm(気孔率7%)のアルミパンチングメタルを用いる以外は実施例1と同様に電池を10個組んだ。
7日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。実施例1と同様にして負極9枚(片面2枚、両面8枚)の電位を調べたところ、0.25から0.26Vであり(表3)、リチウムのドープむらは見られなかった。
【0070】
【表2】
【0071】
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、580mAhであった(9個の平均値)。
【0072】
〔実施例3〕
実施例1と同じ正極、PAS負極およびセパレーターを用い、図4に示した正極、セパレーター、負極を積層した(負極9枚)電池を10個組んだ。外側の2枚の正極は、両面に成形された上記正極の片側をはがすことにより得た厚さ168μmのものを用いた。リチウム金属としては、リチウム金属箔(200μm、2.0×3.0cm2)を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、正極と対向するように配置した。正極(片面2枚、両面8枚)とリチウムを圧着したステンレス網はそれぞれ溶接し、接触させた。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1(重量比)混合液に、1モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を用いた。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1550mAh/gであった。電解液注液後直ちに150mAの定電流で4時間充電した後、5日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。分解した電池の正極(片面2枚、両面8枚)を取り出し、リチウムを対極に用いたビーカー型電池を組み、それぞれの正極の電位を調べたところ、いずれも3.89Vであり、リチウムのドープむらはみられなかった(表4)。
【0073】
【表3】
【0074】
上記残り電池9個を70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、580mAhであった(9個の平均値)。
【0075】
〔実施例4〕
負極集電体として厚さ20μm(気孔率7%)の銅パンチングメタルを用い、正極集電体に厚さ30μm(気孔率7%)のアルミパンチングメタルを用いる以外は実施例3と同様に電池を10個組んだ。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1550mAh/gであった。電解液注液後、直ちに150mAの定電流で4時間充電した後、7日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。分解した電池の正極(片面2枚、両面8枚)を取り出し、リチウムを対極に用いたビーカー型電池を組み、それぞれの正極の電位を調べたところ、いずれも3.88Vから3.89Vであり、リチウムのドープむらはみられなかった(表6)。
【0076】
【表4】
【0077】
上記残り電池9個に、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、580mAhであった(9個の平均値)。
【0078】
〔比較例1〕
正極集電体に厚さ30μmのアルミ箔を用いる以外は、実施例1と同様に電池を10個組んだ。20日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属が殆ど残っていた。実施例1と同様にして負極9枚(片面2枚、両面8枚)の電位を調べたところ、リチウムに隣接している負極の電位のみ0.08Vであり、それ以外については、2.30Vから2.52Vであった(表7)。
【0079】
【表5】
【0080】
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、390mAhであった(9個の平均値)。
【0081】
〔比較例2〕
負極集電体に厚さ18μmの銅箔を用いる以外は、実施例1と同様に電池を10個組んだ。20日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属が殆ど残っていた。実施例1と同様にして負極9枚(片面2枚、両面8枚)の電位を調べたところ、負極の電位は2.71Vから2.91Vであった(表8)。
【0082】
【表6】
【0083】
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、390mAhであった(9個の平均値)。
【0084】
〔比較例3〕
正極集電体に厚さ30μmのアルミ箔、負極集電体に厚さ18μmの銅箔を用いる以外は、実施例3と同様に電池を10個組んだ。電池組立後、直ちに150mAの定電流で4時間充電し、20日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は殆ど残っていた。
【0085】
上記残り電池9個に、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、390mAhであった(9個の平均値)。
【0086】
〔比較例4〕
正極集電体に厚さ30μmのアルミ箔を用いる以外は、実施例3と同様に電池を10個組んだ。20日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属が殆ど残っていた。電池組立後、直ちに150mAの定電流で4時間充電し、20日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は殆ど残っていた。
【0087】
上記残り電池9個に、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、390mAhであった(9個の平均値)。
【0088】
〔比較例5〕
実施例1と同様に、厚さ290μmのPAS負極と、厚さ440μmのLiCoO2正極を得た。この正極(2.0×3.0cm2)及びPAS負極(2.2×3.2cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、正極、セパレーター、負極を積層した(正極6枚)電池を10個組んだ。外側の2枚の負極は、両面に成形された上記負極の片側をはがすことにより得た厚さ158μmのものを用いた。リチウム金属としては、リチウム金属箔(33μm、2.0×3.0cm2、外側の2枚については1.5×2.0cm2)を負極板にはり合わせた。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電極、セパレーター、リチウム金属の総厚みは、実施例1とほぼ同じであり、電解液も実施例1と同様とした。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1550mAh/gであった。4日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。実施例1と同様にして負極枚(片面2枚、両面5枚)の電位を調べたところ、いずれの電位も0.26Vであり(表9)、リチウムのドープむらは見られなかった。
【0089】
【表7】
【0090】
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、520mAhであった(9個の平均値)。
【0091】
量産可能なリチウム金属の下限である33μmのリチウム箔を負極1枚ずつにはり付けることは、非常に煩雑であり、工業生産に向かない方法であると考えられる。また、負荷放電特性改良のためには、電極厚みを下げることが必要であるが、この場合、更に薄いリチウム箔が必要となり、量産することがより困難になる。
以下、円筒電池における実施例について説明する。
【0092】
〔実施例5〕
実施例1と同様に、厚さ210μmのPAS負極と、厚さ300μmのLiCoO2正極を得た。この正極(巾5.4×長さ34.0cm2)及びPAS負極(巾5.6×長さ36.0cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーターを用いて、円筒電池を10本組んだ。リチウム金属箔を圧着するため、負極の両側に長さ4.8cmの集電体を負極活物質を形成しない部分を作った(負極全長は36.0cm+4.8cm)。リチウム金属箔(180μm、5.4×4.8cm2)を負極集電体に圧着したものを用い、図7のように、負極、正極と対向するように配置して巻き取り円筒電池とした。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1(重量比)混合液に、1モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を用いた。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1500mAh/gであった。7日間室温にて放置後1本を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0093】
上記残り電池9本に、それぞれ400mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、200mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において電池容量を評価したところ、1900mAhであった(9本の平均値)。
【0094】
〔実施例6〕
実施例5と同じ正極、PAS負極およびセパレーターを用いて円筒電池(18650タイプ)を10本組んだ。リチウム金属箔を圧着するため、正極の両側に長さ5.2cmの正極活物質を形成しない集電体のみの部分を作った(正極全長は34.0cm+5.2cm)。リチウム金属箔(180μm、5.4×4.8cm2)を正極集電体に圧着したものを用い、図8のように、負極、正極と対向するように配置して巻き取り円筒電池とした。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1(重量比)混合液に、1モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を用いた。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1500mAh/gであった。電解液注液後直ちに500mAの定電流で4時間充電した後、7日間室温にて放置後1本を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0095】
上記残り電池9本に、それぞれ200mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、400mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、200mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において電池容量を評価したところ、1900mAhであった(9本の平均値)。
【0096】
〔比較例5〕
実施例5と同様に、厚さ210μmのPAS負極と、厚さ300μmの正極を得た。この正極(巾5.4×長さ34.5cm2)及びPAS負極(巾5.6×長さ36.5cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、円筒電池を10本組んだ。リチウムは電池内に配置しなかった。
電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1(重量比)混合液に、1モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を用いた。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1500mAh/gであった。
【0097】
上記電池に、400mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、200mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において電池容量を評価したところ、1300mAhであった(10本の平均値)。
【0098】
このように、負極由来のリチウム量が0mAh/gの場合、あるいは正極が本来有するリチウムに加え、予めリチウムを電気化学的に担持しない場合には、充分な容量が得られなかった。
【0099】
〔実施例7〕
実施例1と同様にし200μmのPAS負極を得た。また、V2O5(タイプ2の正極)100重量部、アチレンブラック10重量部を、ポリフッ化ビニリデン粉末3.5重量部をN−メチルピロリドン80重量部に溶解した溶液と充分に混合することによりスラリーを得た。該スラリーを厚さ30μm(気孔率7%)のアルミニウムパンチングメタル両面に成形し、580μmの正極を得た。
【0100】
この正極(2.0×3.0cm2)及びPAS負極(2.2×3.2cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、図1に示した正極、セパレーター、負極を積層した(負極9枚)電池を10個組んだ。外側の2枚の正極は、両面に成形された上記正極の片側をはがすことにより得た厚さ304μmのものを用いた。リチウム金属としては、リチウム金属箔(800μm、2.0×3.0cm2)を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、正極と対向するように配置した。正極(片面2枚、両面8枚)とリチウムを圧着したステンレス網はそれぞれ溶接し、接触させた。リチウムの対向面積(6 cm2)は、正極面積(6×18(両面8枚、片面2枚)=108cm2)の5.6%であった。リチウム金属は、負極PASに対し、1000mAh/g相当である。電解液は実施例1と同様とした。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1050mAh/gであった。7日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属はほぼ完全に無くなっていた。
【0101】
上記残り電池9個に、150mAhの定電流で電池電圧が3.3Vになるまで充電し、3.3Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電した。この3.3V−1.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、470mAhであった(9個の平均値)。
【0102】
〔実施例10〕
厚さ0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で500℃まで50℃/時間の速度で、更に10℃/時間の速度で650℃まで昇温し、熱処理し、PASを合成した。かくして得られたPAS板をディスクミルで粉砕することにより、平均粒径約7μmのPAS粉体を得た。このPAS粉体のH/C比は0.22であった。
【0103】
次に、上記PAS粉体100重量部と、アセチレンブラック10重量部を、ポリフッ化ビニリデン粉末10重量部をN−メチルピロリドン120重量部に溶解した溶液と充分に混合することによりスラリーを得た。該スラリーを厚さ20μm(気孔率7%)の銅パンチングメタル両面に成形し、プレス後520μmのPAS負極を得た。
【0104】
また、LiCoO2100重量部、グラファイト5重量部を、ポリフッ化ビニリデン粉末3.5重量部をN−メチルピロリドン50重量部に溶解した溶液と充分に混合することによりスラリーを得た。該スラリーを厚さ30μm(気孔率7%)のアルミニウムパンチングメタル両面に成形し、プレス後780μmのLiCoO2正極を得た。
【0105】
この正極、負極それぞれ10枚(60cm×150cm)試作した際の伸び率及び脱落の有無は表10に示す通りであった。ここで、伸び率とは{(プレス後の電極長さ−プレス前の電極長さ)/プレス前の電極長さ}×100で得られる数値のことである。
正極および負極ともに伸び率も小さく、また、脱落もなく電極歩留としては100%であった。
【0106】
【表8】
【0107】
上記電極を所定のサイズにカットした正極(2.0×3.0cm2)及びPAS負極(2.2×3.2cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、図1に示した正極、セパレーター、負極を積層した(正極4枚)電池を10個組んだ。外側の2枚の負極は、両面に成形された上記負極の片側をはがすことにより得た厚さ270μmのものを用いた。
【0108】
リチウム金属としては、リチウム金属箔(240μm、2.0×3.0cm2)を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、負極と対向するように配置した。負極(片面2枚、両面3枚)とリチウムを圧着したステンレス網はそれぞれ溶接し、接触させた。リチウムの対向面積(6cm2)は、負極面積(7.04cm2×8(両面3枚、片面2枚)=56.32cm2)の10.7%であった。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1(重量比)混合液に、1モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を用いた。
電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1550mAh/gであった。7日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0109】
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、720mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0110】
〔実施例11〕
負極集電体として厚さ25μm(気孔率28%)の銅パンチングメタルを、正極集電体として厚さ35μm(気孔率20%)のアルミニウムパンチングメタルを用いる以外は実施例10と同様にして、厚さ200μmのPAS負極と、厚さ300μmのLiCoO2正極を得た。この正極、負極それぞれ10枚(60cm×150cm)試作した際の伸び率及び脱落の有無は表11に示す通りであった。
正極および負極ともに伸び率も小さく、また、脱落も少なく電極歩留としては正極、負極ともに80%であった。
【0111】
【表9】
【0112】
上記電極を所定のサイズにカットした正極(2.0×3.0cm2)及びPAS負極(2.2×3.2cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーターを用いて、図1に示した正極、セパレーター、負極を積層した(正極10枚)電池を10個組んだ。外側の2枚の負極は、両面に成形された上記負極の片側をはがすことにより得た厚さ113μmのものを用いた。リチウム金属としては、リチウム金属箔(200μm、2.0×3.0cm2)を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、負極と対向するように配置した。負極(片面2枚、両面9枚)とリチウムを圧着したステンレス網はそれぞれ溶接し、接触させた。リチウムの面積(6cm2)は、負極面積(7.04cm2×20(両面9枚、片面2枚)=140.82cm2)の4.3%であった。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電極、セパレーター、リチウム金属の総厚みは、実施例10とほぼ同じであり、電解液も実施例10と同様とした。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1550mAh/gであった。5日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0113】
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、650mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0114】
〔実施例12〕
実施例11と同様に、厚さ200μmのPAS負極と、厚さ300μmのLiCoO2正極を得た。この正極(2.0×3.0cm2)及びPAS負極(2.2×3.2cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、図2に示した正極、セパレーター、負極を積層した(正極10枚)電池を10個組んだ。外側の2枚の負極は、両面に成形された上記負極の片側をはがすことにより得た厚さ113μmのものを用いた。リチウム金属としては、リチウム金属箔(100μm、2.0×3.0cm2)を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、負極と対向するように電極積層ユニットの上下に2枚配置した。負極(片面2枚、両面9枚)とリチウムを圧着したステンレス網はそれぞれ溶接し、接触させた。リチウムの面積(6cm2×2(両面2枚)=12cm2)は、負極面積(7.04cm2×18(両面9枚、片面2枚)=140.82cm2)の8.5%であった。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電極、セパレーター、リチウム金属の総厚みは、実施例10とほぼ同じであり、電解液も実施例10と同様とした。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1550mAh/gであった。5日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0115】
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、650mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0116】
〔実施例13〕
実施例10と同じ正極(2.0×3.0cm2)及びPAS負極(2.2×3.2cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、図4に示した正極、セパレーター、負極を積層した(負極4枚)電池を10個組んだ。外側の2枚の正極は、両面に成形された上記正極の片側をはがすことにより得た厚さ412μmのものを用いた。リチウム金属としては、リチウム金属箔(240μm、2.0×3.0cm2)を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、正極と対向するように配置した。正極(片面2枚、両面3枚)とリチウムを圧着したステンレス網はそれぞれ溶接し、接触させた。リチウムの対向面積(6cm2)は、正極面積(6×8(両面3枚、片面2枚)=48cm2)の12.5%であった。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1(重量比)混合液に、1モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を用いた。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1550mAh/gであった。電解液注液後直ちに150mAの定電流で4時間充電した後、7日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0117】
上記残り電池9個を70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、720mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0118】
〔実施例14〕
実施例11と同じ正極(2.0×3.0cm2)及びPAS負極(2.2×3.2cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、図4に示した正極、セパレーター、負極を積層した(負極10枚)電池を10個組んだ。外側の2枚の正極は、両面に成形された上記正極の片側をはがすことにより得た厚さ168μmのものを用いた。リチウム金属としては、リチウム金属箔(200μm、2.0×3.0cm2)を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、正極と対向するように配置した。正極(片面2枚、両面9枚)とリチウムを圧着したステンレス網はそれぞれ溶接し、接触させた。リチウムの対向面積(6cm2)は、正極面積(6×20(両面9枚、片面2枚)=120cm2)の5.0%であった。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電極、セパレーター、リチウム金属の総厚みは、実施例10とほぼ同じであり、電解液も実施例10と同様とした。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1550mAh/gであった。電解液注液後直ちに150mAの定電流で4時間充電した後、5日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0119】
上記残り電池9個に、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、650mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0120】
〔実施例15〕
実施例12と同じ正極(2.0×3.0cm2)及びPAS負極(2.2×3.2cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、図5に示した正極、セパレーター、負極を積層した(負極9枚)電池を10個組んだ。外側の2枚の正極は、両面に成形された上記正極の片側をはがすことにより得た厚さ168μmのものを用いた。リチウム金属としては、リチウム金属箔(100μm、2.0×3.0cm2)を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、正極と対向するように電極積層ユニットの上下に2枚配置した。正極(片面2枚、両面8枚)とリチウムを圧着したステンレス網はそれぞれ溶接し、接触させた。リチウムの対向面積(6cm2×2(両面2枚)=12cm2)は、正極面積(6×18(両面8枚、片面2枚)=108cm2)の11.1%であった。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電極、セパレーター、リチウム金属の総厚みは、実施例10とほぼ同じであり、電解液も実施例10と同様とした。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1550mAh/gであった。電解液注液後直ちに150mAの定電流で4時間充電した後、5日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0121】
上記残り電池9個に、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、650mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0122】
〔比較例6〕
負極集電体として厚さ60μm(気孔率70%)の銅エキパンドメタル(サンク株式会社製、LW:1mm,SW;0.5mm)を用い、正極集電体に厚さ240μm(気孔率88%)のアルミエキパンドメタル(サンタ株式会社製、LW:2mm,SW;1mm)を用いる以外は実施例10と同様に電池を10個組んだ。正極、負極それぞれ10枚(60cm×150cm)試作した際の伸び率及び脱落の有無は表12に示す通りであった。伸び率が大きい為強度が弱く、また、活物質の脱落も大きく電極歩留としては正極50%、負極60%であった。
2日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0123】
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。この時3個の電池が短絡した。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、710mAhであった(6個の平均値)。
【0124】
【表10】
【0125】
〔比較例7〕
負極集電体として厚さ30μm(気孔率40%)の銅パンチングメタルを用い、正極集電体に厚さ45μm(気孔率35%)のアルミパンチングメタルを用いる以外は実施例11と同様に電池を10個組んだ。正極、負極それぞれ10枚(60cm×150cm)試作した際の伸び率及び脱落の有無は表13に示す通りであった。伸び率が大きい為強度が弱く、また、活物質の脱落も大きく電極歩留としては正極60%、負極70%であった。
5日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0126】
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。この時1個の電池が短絡した。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、640mAhであった(8個の平均値)。
【0127】
【表11】
【0128】
〔比較例8〕
正極集電体に厚さ30μmのアルミ箔を用いる以外は、実施例10と同様に電池を10個組んだ。20日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属が殆ど残っていた。
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流一定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において電池容量を評価したところ、450mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0129】
〔比較例9〕
負極集電体に厚さ18μmの銅箔を用いる以外は、実施例10と同様に電池を10個組んだ。20日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属が殆ど残っていた。
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、450mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0130】
〔比較例10〕
実施例10と同様に、厚さ290μmのPAS負極と、厚さ438μmのPAS正極を得た。この正極(2.0×3.0cm2)及びPAS負極(2.2×3.2cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、正極、セパレーター、負極を積層した(正極7枚)電池を10個組んだ。
【0131】
外側の2枚の負極は、両面に成形された上記負極の片側をはがすことにより得た厚さ175μmのものを用いた。リチウム金属としては、リチウム金属箔(33μm、2.0×3.0cm2、外側の2枚については1.5×2.0cm2)を負極板にはり合わせた。リチウムの面積(6cm2×6+3cm2×2=42cm2)は、負極面積(7.04cm2×14(両面6枚、片面2枚)=98.56cm2)の42.6%であった。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電極、セパレーター、リチウム金属の総厚みは、実施例10とほぼ同じであり、電解液も実施例10と同様とした。
電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1550mAh/gであった。7日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0132】
上記残り電池9個に、それぞれ150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、680mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0133】
〔比較例11〕
比較例6と同じ電極を用い、実施例13と同様に電池を10個組んだ。2日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。上記残り電池9個に、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。この時3個の電池が短絡した。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、710mAhであった(6個の平均値)。
【0134】
〔比較例12〕
比較例7と同じ電極を用い、実施例14と同様に電池を10個組んだ。5日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
上記残り電池9個に、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。この時1個の電池が短絡した。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、640mAhであった(8個の平均値)。
【0135】
〔比較例13〕
正極集電体に厚さ30μmのアルミ箔、負極集電体に厚さ18μmの銅箔を用いる以外は、実施例13と同様に電池を10個組んだ。20日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属が殆ど残っていた。
上記残り電池9個に、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、450mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0136】
〔比較例14〕
正極集電体に厚さ30μmのアルミ箔を用いる以外は、実施例13と同様に電池を10個組んだ。20日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属が殆ど残っていた。
上記残り電池9個に、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、450mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0137】
〔比較例15〕
負極集電体に厚さ18μmの銅箔を用いる以外は、実施例13と同様に電池を10個組んだ。20日間室温にて放置後1個分解したところ、リチウム金属が殆ど残っていた。
上記残り電池9個に、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。
次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、450mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0138】
〔比較例16〕
実施例13と同様に、厚さ290μmのPAS負極と、厚さ438μmの正極を得た。この正極(2.0×3.0cm2)及びPAS負極(2.2×3.2cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、正極、セパレーター、負極を積層した(負極7枚)電池を10個組んだ。外側の2枚の正極は、両面に成形された上記正極の片側をはがすことにより得た厚さ234μmのものを用いた。リチウム金属としては、リチウム金属箔(33μm、2.0×3.0cm2、外側の2枚については1.5×2.0cm2)を正極板にはり合わせた。リチウムの対向面積(6cm2×6+3cm2×2=42cm2)は、正極面積(6cm2×14(両面6枚、片面2枚)=84cm2)の50%であった。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電極、セパレーター、リチウム金属の総厚みは、実施例10とほぼ同じであり、電解液も実施例10と同様とした。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1550mAh/gであった。電解液注液後直ちに150mAの定電流で4時間充電した後、7日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0139】
上記残り電池9個に、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、150mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、650mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
【0140】
比較例10及び比較例16のように量産可能なリチウム金属の下限である33μmのリチウム箔を負極1枚ずつにはり付けることは、非常に煩雑であり、工業生産に向かない方法である考えられる。また、実施例10、11、13、14より明らかな様に放電特性改良のために更に電極厚みを下げることが必要であるが、この場合、更に薄いリチウム箔が必要となり、量産することがより困難になる。
【0141】
本発明は、上記実施例10〜実施例15より明らかなように、負極由来のリチウムを有する電池系、すなわち予め負極にリチウムを担持させる電池系において、放電特性等の設計の自由度が大きい負極リチウムの担持方法を提供するものである。
以下、円筒電池における実施例について説明する。
【0142】
〔実施例16〕
実施例10と同様に、厚さ210μmのPAS負極と、厚さ300μmのPAS正極を得た。この正極(巾5.4×長さ34.0cm2)及びPAS負極(巾5.6×長さ36.0cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーターを用いて、円筒電池を10本組んだ。リチウム金属箔を圧着するため、負極の両側に長さ4.8cmの集電体を負極活物質を形成しない部分を作った(負極全長は36.0cm+4.8cm)。
【0143】
リチウム金属箔(180μm、5.4×4.8cm2)を負極集電体に圧着したものを用い、図7のように、負極、正極と対向するように配置して巻き取り円筒電池とした。リチウムの面積(25.92cm2)は、負極面積(403.2cm2)の6.4%であった。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1(重量比)混合液に、1モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を用いた。
電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1500mAh/gであった。7日間室温にて放置後1本を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0144】
上記残り電池9本に、それぞれ400mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、200mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において電池容量を評価したところ、2000mAhであった(9本の平均値)。9本の電池はいずれもショートしなかった。
【0145】
〔実施例17〕
実施例13と同様に、厚さ210μmのPAS負極と、厚さ300μmの正極を得た。正極集電体としては厚さ30μm(気孔率7%)のステンレスパンチングメタル(SUS316)を用いた。この正極(巾5.4×長さ34.0cm2)及びPAS負極(巾5.6×長さ36.0cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーターを用いて、円筒電池(18650タイプ)を10本組んだ。
【0146】
リチウム金属箔を圧着するため、正極の両側に長さ5.2cmの集電体を正極活物質を形成しない部分を作った(正極全長は37.0cm+5.2cm)。リチウム金属箔(180μm、5.4×4.8cm2)を正極集電体に圧着したものを用い、図8のように、負極、正極と対向するように配置して巻き取り円筒電池とした。リチウムの面積(25.92cm2)は、正極面積(399.6cm2)の7.1%であった。リチウム金属は、負極PASに対し、250mAh/g相当である。電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1(重量比)混合液に、1モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を用いた。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1500mAh/gであった。電解液注液後直ちに500mAの定電流で4時間充電した後、7日間室温にて放置後1本を分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていた。
【0147】
上記残り電池9本に、それぞれ200mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した後、400mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、200mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において電池容量を評価したところ、1980mAhであった(9本の平均値)。9本の電池はいずれもショートしなかった。
【0148】
〔比較例17〕
実施例10と同様に、厚さ210μmのPAS負極と、厚さ300μmの正極を得た。この正極(巾5.4×長さ34.5cm2)及びPAS負極(巾5.6×長さ36.5cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、円筒電池を10本組んだ。リチウムは電池内に配置しなかった。
電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1(重量比)混合液に、1モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を用いた。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1500mAh/gであった。
上記電池に、400mAの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、200mAの定電流で電池電圧が2.0Vになるまで放電した。この4.2V−2.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において電池容量を評価したところ、1400mAhであった(10本の平均値)。10本の電池はいずれもショートしなかった。
このように、負極由来のリチウム量が0mAh/gの場合には、充分な容量が得られなかった。
【0149】
〔実施例18〕
実施例13と同様にし200μmのPAS負極を得た。また、V2O5(タイプ2の正極)100重量部、アチレンブラック10重量部を、ポリフッ化ビニリデン粉末3.5重量部をN−メチルピロリドン80重量部に溶解した溶液とを充分に混合することによりスラリーを得た。該スラリーを厚さ30μm(気孔率7%)のアルミニウムパンチングメタル両面に成形し、580μmの正極を得た。この正極(2.0×3.0cm2)及びPAS負極(2.2×3.2cm2)を用い、厚さ25μmのポリプロピレンセパレーター用いて、図1に示した正極、セパレーター、負極を積層した(負極9枚)電池を10個組んだ。外側の2枚の正極は、両面に成形された上記正極の片側をはがすことにより得た厚さ304μmのものを用いた。
【0150】
リチウム金属としては、リチウム金属箔(800μm、2.0×3.0cm2)を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、正極と対向するように配置した。正極(片面2枚、両面8枚)とリチウムを圧着したステンレス網はそれぞれ溶接し、接触させた。リチウムの対向面積(6cm2)は、正極面積(6×18(両面8枚、片面2枚)=108cm2)の5.6%であった。リチウム金属は、負極PASに対し、1000mAh/g相当である。電解液は実施例10と同様とした。電池内の負極PASに対する総リチウム量は、1050mAh/gであった。7日間室温にて放置後1個を分解したところ、リチウム金属はほぼ完全に無くなっていた。
【0151】
上記残り電池9個に、150mAhの定電流で電池電圧が3.3Vになるまで充電し、3.3Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を12時間行った。次いで、70mAの定電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電した。この3.3V−1.0Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電において、電池容量を評価したところ、470mAhであった(9個の平均値)。9個の電池はいずれもショートしなかった。
以上の結果をまとめたものを、表14に記載する。
【0152】
【表12】
【0153】
【産業上の利用可能性】
以上のように、本発明に係る有機電解質電池は、製造が容易で高容量及び高電圧を有し、充放電特性に優れ、かつ安全性の高い、きわめて有用なものである。
【0154】
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る電池内の電極配置の第1の例を示す説明図である。
図2は、本発明に係る電池内の電極配置の第2の例を示す説明図である。
図3は、本発明に係る電池内の電極配置の第3の例を示す説明図である。
図4は、本発明に係る電池内の電極配置の第4の例を示す説明図である。
図5は、本発明に係る電池内の電極配置の第5の例を示す説明図である。
図6は、本発明に係る電池内の電極配置の第6の例を示す説明図である。
図7は、本発明に係る電池内の電極配置の第7の例を示す説明図である。
図8は、本発明に係る電池内の電極配置の第8の例を示す説明図である。
図9は、本発明に係る電池内の電極配置の第9の例を示す説明図である。
図10は、本発明に係る電池内の電極配置の第10の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1は、正極を示す。2は、負極を示す。1’は、集電体(正極)を示す。2’は、集電体(負極)を示す。3は、セパレーターを示す。4は、リチウム金属を示す。4’は、集電体(リチウム)を示す。5は、導線を示す。5’は、導線を示す。
Claims (7)
- 正極、負極並びに電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であって、正極集電体及び負極集電体がそれぞれ表裏面を貫通する孔を備えるとともにその気孔率が1%以上30%以下であり、負極活物質がリチウムを可逆的に担持可能であり、負極由来のリチウムを、正極あるいは負極と対向して配置されたリチウムと負極を電気化学的に接触することにより、該リチウムの全部あるいは一部を、該リチウムに隣接する負極には直接に、その他の負極には少なくとも1層以上の正極を透過させて担持させたことを特徴とする有機電解質電池。
- 負極活物質が、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体である請求項1記載の有機電解質電池。
- 負極活物質に対し、電池内に含まれる総リチウム量が500mAh/g以上であり、かつ負極由来のリチウムが100mAh/g以上である請求項2記載の有機電解質電池。
- 負極由来のリチウムを、正極あるいは負極と対向して配置されたリチウムと負極を電気化学的に接触することにより、該リチウムの全部あるいは一部を、該リチウムに隣接する負極には直接に、その他の負極には少なくとも1層以上の正極および負極を透過させて担持させる請求項1〜3のいずれかに記載の有機電解質電池。
- 正極、負極並びに電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であって、正極集電体及び負極集電体が、それぞれに表裏面を貫通する孔を備えるとともにその気孔率が1%以上30%以下であり、正極活物質及び負極活物質がリチウムを可逆的に担持可能であり、正極由来のリチウムを、負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムと正極を電気化学的に接触することにより、該リチウムの全部あるいはその一部を、該リチウムに隣接する正極には直接に、その他の正極には少なくとも1層以上の正極を透過させて担持させたことを特徴とする有機電解質電池。
- 負極活物質が、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体である請求項5記載の有機電解質電池。
- 正極由来のリチウムを、負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムと正極を電気化学的に接触することにより、該リチウムの全部あるいは一部を、該リチウムに隣接する正極には直接に、その他の正極には少なくとも1層以上の正極および負極を透過させて担持させる請求項5または6記載の有機電解質電池。
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