JP4125069B2 - インクジェット記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッドおよび該インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッドおよび該インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出口よりインク液滴を吐出させることにより記録などを行うインクジェット記録ヘッドに用いられ、吐出エネルギーを発生する電気熱変換体とその電気熱変換体を駆動するためのスイッチング素子とこれらのスイッチング素子を制御するロジック回路などを有するインクジェット記録ヘッド用基板と、そのようなインクジェット記録ヘッド用基板を有するインクジェット記録ヘッドと、このインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置と、に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱を用いてインクを吐出口から吐出するインクジェット記録方法にしたがい、各種出力用の端末などとして用いられるインクジェット記録装置には、インクジェット記録ヘッドが搭載される。このインクジェット記録ヘッドには、電気熱変換素子(ヒータ)と、この電気熱変換素子をスイッチする素子(以下、スイッチング素子)と、そのスイッチング素子を駆動するためのロジック回路とを同一基体上に形成したインクジェット記録ヘッド用基板が用いられている。
【0003】
図21は、従来の構成によるインクジェット記録ヘッドの一部分を示す模式的な断面図である。単結晶シリコンからなる半導体基体901に、p型のウエル領域912、高不純物濃度のn型のドレイン領域908、低不純物濃度のn型の電界緩和ドレイン領域916、高不純物濃度のn型のソース領域907、およびゲート電極914が形成され、これらによってMIS型電界効果トランジスタを用いたスイッチング素子930を形成している。さらに半導体基体901の表面には、蓄熱層917および絶縁層としての酸化シリコン層、熱抵抗層918としての窒化タンタル膜、配線919としてのアルミニウム合金膜、および保護層920としての窒化シリコン膜が設けられており、以上で記録ヘッドの基体940を形成している。ここでは符号950が発熱部となり、発熱部950に対向するインク吐出部960からインクが吐出される。また、天板970は基体940と協働して液路980を画成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記構造の記録ヘッドおよびスイッチング素子に対して、これまで数多くの改良が加えられてきたが、近年、製品に対して、高速駆動化(より多くの電気熱変換体の配置)、省エネルギ化(電気熱変換体での電力消費率の向上、高電圧駆動)、高集積化(電気熱変換体、平行して配置されるスイッチング素子の配列密度の向上)、低コスト化(1電気熱変換体当たりのスイッチング素子等のサイズ小型化によるチップサイズの小型化による1ウエハ当たりの実質的な取り個数向上、本体のモータ電源電圧(例えば20〜30V)と電気熱変換素子駆動電圧との同一電圧化)、および高性能化(高速スイッチング等によるパルス制御性向上など)がより一層求められるようになった。
【0005】
しかしながら、電気熱変換素子のような負荷を駆動させるために必要となる大電流下においては、従来のMIS型電界効果トランジスタ930を機能させると、ドレイン−ウエルのpn逆バイアス接合部が高電界に耐えられずリーク電流を発生させ、スイッチング素子として要求される耐圧を満足することができなかった。さらに、スイッチング素子として使用されるMIS型電界効果トランジスタのオン抵抗が大きいと、ここでの電流の無駄な消費によって、電気熱変換素子を駆動するために必要な電流が得られなくなるという解決すべき課題があった。
【0006】
それに対して、小型化が可能なDMOS(二重拡散MOS)トランジスタをドライバとして用いることが、近年提案されている。しかしながら後述するように、DMOSトランジスタは、ドレイン耐圧は高いものの、ソース−基板間の耐圧がそれほど高くない。そのため、DMOSトランジスタを電気熱変換体のためのスイッチング素子として用いた場合、電気熱変換体に流れる電流とグラウンド配線抵抗との積によるソース電圧の上昇から、ソース−基板間でブレークダウンが発生する可能性がある。
【0007】
そこで本発明の目的は、大電流を流すことができ、高耐圧で高速駆動、省エネルギー、高集積化可能で印字装置全体でも低コスト実現可能という特徴を有するDMOSトランジスタを提供するとともに、このDMOSトランジスタを電気熱変換体のためのスイッチング素子として用いた場合に考慮しなくてはならない、ソース−基板ブレークダウンを防止する手段を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録ヘッド用基板は、複数個の電気熱変換体と、前記複数の電気熱変換体に対して共通に接続されるとともに駆動電源に接続し、前記複数の電気熱変換体に対して電力を供給するための第1の配線と、前記複数の電気熱変換体を接地電位に接続するための第2の配線と、該第2の配線と前記電気熱変換体との間に設けられ、前記複数個の電気熱変換体に通電するための複数個のスイッチング素子と、を第1導電型の半導体基体上に備えたインクジェット記録ヘッド用基板において、前記スイッチング素子は、前記半導体基体の一主表面に設けられた第2導電型の第1の半導体領域と、チャネル領域を提供するため、前記半導体基体の前記表面であって、かつ、前記第1の半導体領域に隣接して設けられるとともに、前記第1の半導体領域よりも不純物濃度の高い半導体からなる第1導電型の第2の半導体領域と、前記第2の半導体領域の前記半導体基体と対向する表面に部分的に設けられた第2導電型のソース領域と、前記第1の半導体領域の前記半導体基体と対向する表面に部分的に設けられた第2導電型のドレイン領域と、前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、を有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、前記ドレイン領域側に接続された前記第1の配線の配線抵抗よりも前記ソース領域側に接続された前記第2の配線の配線抵抗を小さくしたことを特徴とする。
【0009】
このような本発明のインクジェット記録ヘッド用基体は、典型的には、半導体基体としてp型半導体領域を主体とするものを使用する。例えば、本発明のインクジェット記録ヘッド用基体は、複数個の電気熱変換体と、前記複数の電気熱変換体に対して共通に接続されるとともに駆動電源に接続し、前記複数の電気熱変換体に対して電力を供給するための第1の配線と、前記複数の電気熱変換体を接地電位に接続するための第2の配線と、該第2の配線と前記電気熱変換体との間に設けられ、前記複数個の電気熱変換体に通電するための複数個のスイッチング素子と、が半導体基体に集積化されたインクジェット記録ヘッド用基板において、前記半導体基体は、p型領域を主体とするものであり、前記スイッチング素子は、前記半導体基体のp型領域表面に設けられたn型半導体領域と、チャネル領域を提供するため、該n型半導体領域を貫通して前記半導体基体のp型領域表面に至り、かつ、前記n型半導体領域よりも不純物濃度の高い半導体からなるp型半導体領域と、前記p型半導体領域の表面側に部分的に設けられた高濃度のn型ソース領域と、前記n型半導体領域の表面側に部分的に設けられた高濃度のn型ドレイン領域と、前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、を有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、前記ドレイン領域側に接続された前記第1の配線の配線抵抗よりも前記ソース領域側に接続された前記第2の配線の配線抵抗を小さくしたことを特徴とする。
【0010】
本発明においては、前記第2の半導体領域が、前記半導体基体に隣接して形成されているとよい。
【0011】
また、前記第1の配線の配線幅より前記第2の配線の配線幅を大きくするとよい。前記ソース領域と前記ドレイン領域が横方向に交互に配置されているとよい。前記ソース領域を間に挟んで2つの前記ゲート電極が配されているとよい。前記複数の電気熱変換体の配列方向と前記複数のスイッチング素子の配列方向が平行であるとよい。一つの前記電気熱変換体に対して少なくとも2つの前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタの前記ドレイン領域が接続されているとともに、前記複数個の絶縁ゲート電界効果トランジスタの前記ソース領域は共通に接続されているとよい。前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタの実効チャンネル長が、前記第2の半導体領域と前記ソース領域との横方向の不純物拡散量の差で決定されるとよい。
【0012】
さらに、前記電気熱変換体は、電気的に直列に接続された複数の発熱素子を有し、前記直列に接続された複数の発熱素子が隣接して配置されているとよい。ここで典型的には、前記発熱素子の直列に接続される個数は2である。前記電気熱変換体は、比抵抗が450μΩ・cm以上のタンタル窒化シリコン材料で形成され、シート抵抗が70Ω/□以上であるようにすることが好ましい。
【0013】
インクジェット記録ヘッドの前記電気熱変換体にエネルギを供給する電源には、前記インクジェット記録ヘッドを動かすモータヘの電源と同一電圧を用いることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
(実施形態1)
まず、図1〜図4を参照して、本発明の実施形態1の液体吐出装置用のインクジェット記録ヘッド用基板について詳細に説明する。
【0016】
p型の半導体基体1に、n型のウエル領域2(第1の半導体領域)と、ゲート電極4と、p型のベース領域6(第2の半導体領域)と、n型のソース領域7と、n型のドレイン領域8、9と、コンタクト11と、ソース電極12と、ドレイン電極13とが形成されている。図示一点鎖線で囲む領域はスイッチング素子30としての絶縁ゲート型電界効果トランジスタを示している。図4の等価回路に示されるように、ソース接地されたスイッチング素子としての絶縁ゲート型電界効果トランジスタTr1,Tr2,Tr3のドレインに、負荷としての電気熱変換体31〜33の一端がそれぞれ接続している。電気熱変換体31〜33の他端は、共通に、電気熱変換体用の電源電圧VHに接続している。絶縁ゲート型電界効果トランジスタTrl、Tr2、Tr3のゲートには、ゲート電圧VGを印加するためのスイッチ34〜36が接続している。
【0017】
電気熱変換体31〜33は、半導体基体1の主表面上に、薄膜プロセスによって、集積化され配列されている。同様に、スイッチング素子Trl〜Tr3は、半導体基体1の主表面に配列されている。必要に応じて、電気熱変換体とスイッチング素子の配列方向を互いに平行にすれば、より集積度を上げることができる。また、この場合には、図1〜3に示すようにスイッチング素子を配列することが好ましいものである。ここでは、電気熱変換体に接続されるトランジスタの構造が全て同じであり、しかも、トランジスタアレイ内におけるトランジスタ間には専用の素子分離領域を必要としない構成を採用している。
【0018】
1セグメントは、ドレイン領域を間に挟んで2つのゲート電極と2つのソース領域が配された構成となっており、このうちソース領域は隣接するセグメントと共有化されている。
【0019】
図3に示す例では、2つのセグメントのドレインを電気熱変換体の一方の端子に接続し、共通ソースを0V(接地電位)のような相対的に低い基準電圧を供給する低基準電圧源(GNDH)に接続している。電気熱変換体の他方の端子は、例えば+10〜+30V程度の相対的に高い基準電圧(電源電圧)VHを供給する電源に接続されている。
【0020】
このインクジェット記録ヘッド用基板の動作について、その概略を説明する。p型半導体基体1及びソース領域7に、例えば接地電位のような基準電圧を与える。そして、電気熱変換体31〜33の一方の端子には、高い電源電圧VHを供給する。このうち、例えば、電気熱変換体31のみに電流を流す場合には、スイッチ34のみをオンして、スイッチング素子Trlを構成する2つのセグメントのトランジスタのゲート4にゲート電圧VGを供給して、スイッチング素子Trlをオンする。そうすると、電源端子から電気熱変換体31、スイッチング素子Trlを通して接地端子に電流が流れ、電気熱変換体31において、熱が発生する。そして、周知のとおり、この熱が液体の吐出に利用される。
【0021】
本実施形態においては、図2に示すように、予め十分深く形成したウエル領域2を横方向に分離する形にベース領域6を形成する。このウエル領域2とベース領域6はそれぞれトランジスタ30において、ドレインとチャネルの役割を果たすこととなる。そのため、通常のMOSトランジスタのように、チャネルとなる半導体領域を形成した後にドレインを形成した場合の構造とは逆に、ドレインを形成した後にチャネルを形成することから、ドレインの不純物濃度(ここでは、第1の半導体領域2のドナー濃度)をチャネルの不純物濃度(ここでは、第2の半導体領域6のアクセプター濃度)より低く設定することが可能である。トランジスタの耐電圧はこのドレインの耐電圧で決定され、その耐電圧は通常、ドレインの濃度が低いほど、ドレインの深さが深いほど高くなる。このため、本実施形態によれば、定格電圧を高く設定でき、大電流化を可能とし、高速動作を実現できる。
【0022】
また、本実施形態によるトランジスタ30の実効チャネル長は、ベース領域6とソース領域7との不純物の横方向拡散量の差で決定される。この横方向拡散量は物理的係数に基づき決定されるため、実効チャネル長は従来より短く設定でき、オン抵抗を低減することができる。このオン抵抗の低減は、単位寸法あたりの電流を流せる量を大きくすることにつながり、高速動作、省エネルギ、および高集積化が可能となる。
【0023】
また、ソース領域7を間に挟んで2つのゲー卜電極4が配されており、このベース領域6とソース領域7は、後述のように、どちらもゲート電極4をマスクとして自己整合的に形成できるため、アライメントによる寸法差を生じることがなく、スイッチング素子(トランジスタ)30をしきい値のばらつきなく製造することができ、高歩留りを実現し、高信頼性を得られる。
【0024】
また、ウエル領域2を完全に分離するように、ベース領域6が、下地のp型半導体基体1に到達し、ベース領域の底部が基体1に隣接するに十分な深さを持つように形成されている。この構造のため、各セグメントの各ドレインを個々に電気的に分離できる。よって、図1〜3のように、専用の素子分離領域を配置することなく、ソース領域7とドレイン領域8、9とを横方向に交互に配置しても、各スイッチング素子の動作が妨げられない。
【0025】
また、図1及び図2には示されていないが、p型半導体基体1の電位を取出すための拡散層が形成されており、この拡散層とp型半導体基体1を介して、ベース領域2を所定の電位に保持することができる。図3では電位取出し用の拡散層は、p型半導体基体1の電位を画定するグラウンド配線(GNDL)と接続するものとしている。
【0026】
図3、図4に示した形態では、並列接続されたトランジスタの2つのドレイン(2つのセグメント)が、独立して駆動可能な一つの負荷に接続された例を示している。そして、ゲートに負荷を駆動するためのオン信号が与えられると、トランジスタがオン状態となり、一つのドレインからその両側にあるチャネルを通して共通化されたソースに電流が流れるように構成されている。前述したとおり、隣接セグメント間では、境界にあるソースを共通に使うことができる。これにより、本実施形態のトランジスタをアレイ状に配置し、液体吐出装置として使用する場合に、各トランジスタ間に特別に、pn接合分離用の半導体や、LOCOSやトレンチ分離用の誘電体などからなる、専用の素子分離領域などを形成する必要がなく、図2、3に示すような簡単な層横成で、大電流を流せる高集積化されたインクジェット記録ヘッド用基板を実現でき、低コスト化が可能となる。
【0027】
加えて、p型の半導体基体1にドレインから流れるリーク電流を十分に抑制できる。
【0028】
ここで、インクジェット記録ヘッド用基板に搭載されるスイッチング素子30としての絶縁ゲート型電界効果トランジスタを上述の構成(DMOSトランジスタ)にすることにより、新たに考慮すべき課題を本発明者は発見した。
【0029】
すなわち、ソース領域と基板との間の耐圧の低下である。これはインクジェット記録ヘッド用基板特有の問題であると考えられる。
【0030】
これについて、以下に詳細に説明する。
【0031】
図5は、インクジェット記録ヘッド用基板上での各素子の配置を示す平面図である。このインクジェット記録ヘッド用基板21は、略矩形状を有し、中央部に、長手方向に延びる貫通孔としてインク供給口20が形成されている。インク供給口20の両側に沿って、複数の電気熱変換体24(図3、図4での電気熱変換体31〜33に対応)が設けられている。この電気熱変換体24は、インク供給口20を介してこのインクジェットヘッド用基板21の紙面裏面側から供給されてきた液体(インク)を加熱して発泡させ、電気熱変換体に対面して設けられている吐出口からインク液滴を吐出させるためのものである。電気熱変換体24をはさんでインク供給口20の反対側には、各電気熱変換体34ごとに、スイッチング素子30が設けられている。さらに、インクジェットヘッド用基板21には、ロジック回路部23と、記録装置本体部側から電源と信号とをこのインクジェットヘッド用基板21に供給するための複数のパッド22とが設けられている。ロジック回路部23は、パッド22を介して記録装置本体側から信号が与えられた際に、その信号に基づいて各スイッチング素子30のオン/オフを制御する、ロジック回路を含んでいる。
【0032】
ここで、図3について上記では、単にp型半導体基体1及びソース領域7に、接地電位のような基準電圧を与えて、電気熱変換体31〜33の一方の端子には、高い基準電圧(電源電圧)VHを供給する場合の動作について説明したが、図5に示したような実際のインクジェット記録ヘッド用基板においては、数100ノズル分の電気熱変換体が一列に配置されており、それら全ての電気熱変換体へ供給されるエネルギが一定となるべく、配線抵抗の合わせ込みがなされている。
【0033】
図5にも示されるように、パッド22から各電気熱変換体24への配線長は、電気熱変換体24ごとに異なっており、そのままの状態では、配線の抵抗も異なることとなる。配線抵抗が異なると、電気熱変換体24での発熱量も異なることとなって、吐出口ごとのインク吐出量の不均一を生じさせることの原因となる。。したがって、インクジェット記録ヘッド用基板においては、異なる配線長であっても各電気熱変換体ごとの配線抵抗ができるだけ揃うように配線幅を段階的に変えるなどの手法を採用して、配線抵抗の合わせ込みが行われているのである。そして、このような配線抵抗の合わせ込みは、もともと相対的に配線抵抗が高かった電気熱変換体を基準として行われるものであり、その結果、全体としては電気熱変換体の配線抵抗が、比較的高く設定されることになる。
【0034】
図3、図4においては、電源電圧VH側のパッド22から電気熱変換体31〜33に到る上述の配線抵抗がそれぞれ抵抗RVHで示されている。
【0035】
電気熱変換体31〜33とそれに対応するスイッチング素子30(トランジスタTr1〜Tr3)とは近接して配置されており、その間の配線抵抗は無視できる。そして、トランジスタTr1〜Tr3のソースからグラウンド(GND)用のパッド22までの配線抵抗が抵抗RSで示されている。特にトランジスタTr1〜Tr3側の配線抵抗Rsは、スイッチング素子30に対するソース抵抗として作用する。その結果、その抵抗値と電気熱変換体に流れる電流(すなわちスイッチング素子30のドレイン電流)との積によって表わされる電位差が、スイッチング素子30のソース領域と電気熱変換体グラウンド(GNDH)の端子(図3参照)の間に発生する。一方、上記のp型半導体基体1の電位を確定するグラウンド配線(GNDL)は電気熱変換体とは独立した配線となっており、電気熱変換体に流れる電流による電位の変化は、この配線では基本的には起こらない。したがって、通常のインクジェット記録ヘッド用基板の形態においては、p型半導体基体1すなわちスイッチング素子30のp型ベース領域6(第2の半導体領域)とスイッチング素子30のソース領域7との間のpn接合に、電気熱変換体を駆動した際には、逆バイアスが印加される形態となっている。なお、電気熱変換体グラウンド(GNDH)と基体電位確定用のグラウンド配線(GNDL)とは図示破線で示すように電気的には接続されるものの、その接続箇所は、インクジェット記録ヘッド用基板上ではなく、一般に、記録装置本体側である。そのため、電気熱変換体グラウンド(GNDH)配線の引き回しによる配線抵抗、およびそれによる電位発生が無視できないのである。
【0036】
ここで本発明においては、上述したようにDMOSトランジスタ構造を採用し、スイッチング素子30において、高耐圧、省エネルギ、小型化を達成すべく、ウエル領域2に対してp型ベース領域6(第2の半導体領域)での不純物濃度が高くなっている。この構造は、高耐圧、省エネルギ、小型化につながるが、その一方で、p型不純物濃度が比較的高いために、ソース領域7とp型ベース領域6の間の逆バイアス耐圧は従来に比べて低下する。
【0037】
図6は、スイッチング素子30として上述したDMOSトランジスタを用いる場合においてソース領域と基板との間の耐圧を考慮することの必要性について、従来のMIS型電界効果トランジスタを用いる場合と対比しながら、説明する図である。
【0038】
図6(a)は従来のMIS型電界効果トランジスタの断面構成を示している。このMIS型電界効果トランジスタは、図21を用いて示したものと同じであるが、図6(a)では、基板電位を与えるためのp+拡散層909がp型ウエル領域902の領域表面の一部に設けられていることが明示されている。このp+拡散層909は、基板電位を確定するためのグラウンド配線(GNDL)に接続されている。
【0039】
一方、図6(b)は、上述した本実施形態でのスイッチング素子30の断面構成を示す図であり、ここでは、図1〜図3を用いて示したものと同じスイッチング素子30が描かれている。ただし、半導体基体1の電位を固定するために、ソース領域を形成するためのものとは別にベース領域6が形成され、このベース領域6の領域表面の一部に、電位取出し用のp+拡散層19が設けられていることが明示されている。
【0040】
図6(a)に示す従来のMIS型電界効果トランジスタ(スイッチング素子)では、ソース領域907と電気熱変換体用のグラウンド配線(GNDH)との間の配線抵抗によりソース領域907の電位が持ち上がって、ソース領域907と基板901(p型ウエル領域902)との間のpn接合領域に逆電位が印加される状態となっても、p型のウエル領域902側でのp型不純物濃度が低いため、このpn接合領域での耐圧に問題は生じていなかった。
【0041】
一方、図6(b)に示す本実施形態のスイッチング素子30でも、ソース電位が基板1より高い場合には、n型のソース領域7とp型のベース領域6との間のpn接合に逆バイアスが印加されることとなり、n型のソース領域7は半導体基体1から電気的に分離されることになる。ここで、DMOSトランジスタであるこのスイッチング素子30では、チャネルを形成するp型ベース領域6がp型の半導体基体1と接続する構成を有し、p型ベース領域におけるp型不純物濃度が、図6(a)などに示した従来のスイッチング素子におけるp型ウェル領域902における不純物濃度よりも高くなっている。そのため、本実施形態のスイッチング素子30では、ソース領域7とベース領域6(半導体基体1)との間のpn接合の逆耐圧が、図6(a)に示す従来のスイッチング素子におけるソース領域907とp型ウェル領域902(半導体基体901)との間のpn接合の逆耐圧よりも小さくなってしまった。そのためGDNH配線の配線抵抗Rsと電気熱変換体に流れる電流との積によって表わされる電圧(ソース電位)を抑える考慮が必要となるのである。
【0042】
そこでこの実施形態では、スイッチング素子の逆バイアス耐圧が低下傾向にあることに対応すべく、図7に示すように、電気熱変換体24にエネルギを供給する電源電圧(VH)側配線すなわち電気熱変換体用パワー配線29Aの配線抵抗値RVHに比べて、スイッチング素子30のソース領域に接続されて最終的に記録装置本体のグラウンドに接続されることとなる電気熱変換体用グラウンド(GNDH)配線29Bの配線抵抗値RSが小さくなるように構成することとした。
【0043】
これにより基板上の配線パターンを集積する限られたエリア内で、配線をレイアウトする際に耐圧の問題を効果的に低減することができる。
【0044】
図7は、図5の拡大部を拡大した図に相当する。このように配線抵抗値を設定するためには、図6に示すように、配線を構成しているAl(アルミニウム)などの配線幅を、VH側の配線29Aに比べてGNDH側の配線29Bで幅広とすることにした。電源電圧(VH)側配線29Aは、電源電圧用のパッド22Aに接続し、電気熱変換体用グラウンド(GNDH)配線29Bは、GNDH用のパッド22Bに接続している。その結果、パッド22Aは、VH配線29Aの配線抵抗RVHを介して電気熱変換体24に接続し、パッド22Bは、GNDH配線29Bの配線抵抗RSを介してスイッチング素子30のソースに接続することになる。さらに、基板電位を接地電位に固定するためのGNDL配線29Cが設けられ、この配線29CはGNDL用のパッド22Cに接続している。ここでGNDH配線29Bには大電流が流れるが、GNDL配線29Cには大電流は流れない。
【0045】
さらにこの実施形態では、GNDH配線29Bの抵抗値を下げるだけでなく、本発明の特徴を生かして電気熱変換体24に供給する電源電圧値を上げるとともに、電気熱変換体の抵抗値を高く設定することで、電気熱変換体で消費するエネルギを実質的に変えることなく、VH配線29AおよびGNDH配線29Bに流れる電流値を下げる形態も採用した。電気熱変換体24の抵抗値を高くするために、この実施形態では、電気熱変換体の材料として、従来の窒化タンタルの代わりに、タンタル窒化シリコンなどの比抵抗が高くて熱に対しても抵抗値が安定している材料を採用した。そのような材料での比抵抗は、従来の450μΩ・cm未満に対して450μΩ・cm以上となる。本実施形態では、電気熱変換体24の形状を従来と同じとしたときに、電気熱変換体材料として比抵抗が800〜1000μΩ・cmのものを採用することにより、電気熱変換体のシート抵抗値が200Ω/□となるようにした。
【0046】
抵抗値を上げる別の手法として、図8に示すように、1つのスイッチング素子30に対して分離された発熱素子を2つ以上有し、これらの発熱素子が電気的には直列に接続されるとともに隣接して配置するように、電気熱変換体24を構成するというものがある。図示した例では、2つ発熱素子24A、24Bが設けられている。ここで発熱素子とは、電気熱変換体と同様の構成を有し、液体(インク)に対して吐出エネルギーを付与するものであるが、複数個集合することによって、1つの電気熱変換体と同様の機能を発揮するもののことをいう。電気熱変換体24の前面に形成される吐出口は、一般に真円か真円に近い楕円形状であり、そのため、電気熱変換体による発熱面としては、あまりに細長い形状は好ましくないことになる。発熱面としての形状に対する制約を満たしつつ、電気熱変換体24の抵抗値を向上するためには、このように、複数の発熱素子24A、24Bが電気的には直列に接続するとともに配置としては隣接するようにし、全体としてみたときには1つの正方形に近い発熱面を形成するようにすることが好ましい。
【0047】
このように構成することで、発泡に寄与する領域は、従来のものから大きな変化がない正方形の形状に近い形態ながら、電気熱変換体としての抵抗値は従来の4倍程度とすることが可能になった。
【0048】
図9は、図8の構成に対応する等価回路図である。パッド22Cから電位固定用のグラウンド(GNDL)配線29Cを介して、スイッチング素子30の基板電位が与えられ、パッド22Bは電気熱変換体用グラウンド(GNDL)配線29Bの配線抵抗RSを介してスイッチング素子30のソースに接続し、パッド22Aは電気熱変換体用パワー配線29Aの配線抵抗RVHを介して電気熱変換体24に接続していることが示されている。上述したように、RS<RVHである。
【0049】
次に、従来の電気熱変換体に印加していた電圧、従来の抵抗値に対して、本実施形態の構成を採用することにより、具体的にどの程度、省エネルギが達成されたかについて説明する。
【0050】
従来のインクジェット記録装置においては、電気熱変換体に対して16〜19Vの電源電圧が用いられていたが、本実施形態においては、スイッチング素子として上述したDMOSトランジスタが使用できるようになったため、電気熱変換体に対する電源電圧として、印字装置(記録装置)本体のモータに対する電源電圧と同一あるいはそれと同程度の20〜30Vを使用することができる。ここでは、24Vの印加電圧とした。この場合、電気熱変換体の抵抗値を変えない場合、電源電圧の上昇に伴なって流れる電流が増加して電気熱変換体での消費エネルギーが増大するだけでなく、電気熱変換体にエネルギを供給する配線での抵抗によってスイッチング素子のソース電位(対p型基板)が上昇することで、スイッチング素子におけるソース−ウエル(基板)間の耐圧も厳しくなる。そこで本実施の形態では、電気熱変換体を構成する抵抗体薄膜として、従来のシート抵抗が100Ω/□のものはなくて200Ω/□のものを使用した。電気熱変換体のサイズとしては、37×37μmのものを用いた。また、電気熱変換体への配線の抵抗は、電源接続側が30Ω(ここで30Ωは電気熱変換体近傍の電源側の電極配線部からインクジェット記録ヘッド用基板のパッドまでを測定)、スイッチング素子のソース側は10Ω(ここで10Ωはスイッチング素子のソース近傍の配線部からインクジェット記録ヘッド用基板のパッドまでを測定)であるとした。この条件では、スイッチング素子をオンとすることで電流は約100mA流れるが、ソース側の配線抵抗10Ωで発生する電圧は約1Vであり、この程度のソース電圧であれば、ソースと基板との耐圧に対して問題なく対応できた。
【0051】
電気熱変換体の抵抗を大きくする別の例として、12×27μmのサイズの発熱素子領域を電気的には直列に2個形成し、配置の上では約3μmの間隔で隣接するようにすることで電気熱変換体を構成し、ほぼ、27×27μmのサイズ相当とした。この場合、電気熱変換体としてシート抵抗が約80Ω/□のものを用いたが、抵抗値としては4.5倍の約360Ωとなり、シート抵抗200Ω/□を用いたものより高い抵抗値を実現することができ、流れる電流をさらに小さくすることができた。こうすることで、スイッチング素子におけるソース−基板間の耐圧範囲にソース電位を抑えることができるとともに、配線部の抵抗によるロスを低減でき、全体としての省エネルギも同時に達成することができた。
【0052】
(実施形態2)
本発明の実施形態2による液体吐出装置用の半導体装置(インクジェット記録ヘッド用基板)の基本構成は、上述した実施形態1と同じである。両者の主たる相違点は、ドレイン領域8、9の位置とその形成工程である。
【0053】
図10は、実施形態2による液体吐出装置用のインクジェット記録ヘッド用基板の平面構成を、図11は断面構成を示している。
【0054】
そして、このインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法は、概略、複数個の電気熱変換体と、前記複数個の電気熱変換体に電流を流すための複数個のスイッチング素子とが第1導電型の半導体基体に集積化された、半導体装置の製造方法において、前記第1導電型の半導体基体1の一主表面に第2導電型の半導体層2を形成する工程(図11の(a))と、前記半導体層上にゲート絶縁膜203を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極4を形成する工程(1の(b))と、前記ゲート電極をマスクとして第1導電型の不純物をドーピングする工程(図11の(c))と、前記第1導電型の不純物を前記第2導電型の半導体層よりも深くなるように拡放して半導体領域6を形成する工程(図11の(d))と、前記ゲート電極をマスクとして前記半導体領域6の表面側に第2導電型のソース領域7を、また前記第2導電型の半導体層2の表面側に第2導電型のドレイン領域8、9を形成する工程(図11の(e))とを有することを特徴とするものである。以下詳述する。
【0055】
まず、図11の(a)に示すように、p型半導体基体1を用意して、ウエルを形成すべき領域に選択的に、n型の不純物を導入して、p型半導体基体1の表面に、n型のウエル領域2を形成する。このn型のウエル領域2はp型半導体基体1全面に形成することもできる。
【0056】
また、n型のウエル領域2をp型半導体基体1全面に形成する場合はエビタキシャル成長法を用いることも可能である。
【0057】
次に、図11の(b)に示すように、n型のウエル領域2上に、例えば水素燃焼酸化により膜厚約50nmのゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)203を成長させ、ゲート酸化膜203上に、例えばLPCVD(減圧化学気相堆積)法により、膜厚約300nmの多結晶シリコンを堆積する。この多結晶シリコンにはLPCVD法で堆積すると同時に例えばリンをドーピングしたり、または堆積後に、例えばイオン打ち込み法や固相拡敢法を用いて例えばリンをドーピングして、所望の配線抵抗値となるようにする。その後、フォトリソグラフィーによリバターニングを行ない、多結晶シリコン膜をエッチングする。これによりMIS型電界効果トランジスタのゲート電極4が形成できる。
【0058】
次に、図11の(c)に示すように、フォトリソグラフィーによリバターニングを行なってホトレジストからなるイオン打ち込み用マスク(不図示)を形成し、またゲート電極4をもマスクとして用いて、選択的にp型の不純物、例えばポロンをイオン打ち込みして、不純物層205を形成する。
【0059】
次に、図11の(d)に示すように、電気炉で例えば1100℃で、60分の熱処理を行ない、ウエル領域2を電気的に横方向に分離するための深さ2.2μm程度のべ一ス領域6を形成する。この実施形態では、この熱処理はウエル領域2を完全に分離するように、ベース領域6がウエル領域2よりも深くなるように設計することが重要であり、熱処理の条件はウエル領域2の深さ、濃度、不純物の種類、また不純物層205の濃度、および不純物の種類に応じて決定される。本発明に用いられるベース領域6の深さは、例えば、1μm〜3μm程度の範囲から選択可能であり、ベース領域6の濃度は最表面で、1×1015/cm3〜1×1019/cm3程度の範囲から選択可能である。
【0060】
次に、図11の(e)に示すように、ゲート電極4をマスクとして、ソース領域7、第1のドレイン領域8、および第2のドレイン領域9を、例えばヒ素をイオン打ち込みして形成する。こうして、ソース領域7及びドレイン領域8、9はゲート電極と自己整合しつつ若干オーバーラップして形成される。
【0061】
次に、図11の(f)に示すように、フォトリソグラフィーによりバターニングを行なって、ホトレジストのマスク(不図示)を形成し、例えばイオン打ち込み法により、ベース電極取出し用の拡散層10を形成する。このベース電極取出し用の拡散層10は必ずしも必要としないが、回路設計上、あった方が望ましい。また、信号処理回路としてp型のMIS型電界効果トランジスタを同時に作り込む場合は、拡敢層10をこのように形成しても、工程が増えることはない。その後、例えば950℃にて30分の熱処理を行ない、ソース領域7、第1のドレイン領域8、第2のドレイン領域9、およびベース電極取出し用の拡散層10を活性化させる。
【0062】
その後、図示していないが、CVD(化学気相堆積)法により酸化膜を堆積して、層間絶縁膜を形成し、コンタクト11(図10を参照)用のコンタクトホールを開口し、導電体を堆積させ、バターニングすることにより、配線を形成する。そして、必要に応じて多層配線を行ない、集積回路としてインクジェット記録ヘッド用基板を完成させる。
【0063】
電気熱変換体は、この配線形成工程において、周知の薄膜プロセスを用いて作製され、基体1上に集積化される。このときの回路構成は前述した実施形態と同じである。
【0064】
本実施の形態では、ゲート電極をイオン打ち込み用のマスクに用いて、べ一ス領域6、ソース領域7、ドレイン領域8、9を形成したので、これらの領域がゲート電極に対して整合して形成され、スイッチング素子アレイの高集積化、各素子の特性の均一化が達成されている。また、ソース領域7とドレイン領域8、9が同じ工程で形成できるので、製造コスト抑制にも寄与する。
【0065】
図1〜図11に示した本発明の各実施形態の製造方法により製造されたインクジェット記録ヘッド用基板をインクジェット記録ヘッドのような液体吐出装置に組込んだ場合のその記録ヘッドの一部分の断面構造の一例を図12に示す。ここで、単結晶シリコンからなるp型の半導体基体1に、n型のウエル領域2、ゲート電極4、p型のべース領域6、n型のソース領域7、n型のドレイン領域8が設けられ、これらでMIS(金属絶縁半導体)型電界効果トランジスタ30を形成している様子を模式的に示しているが、前述したように、各トランジスタ(又はセグメント)間には、専用の素子分離領域を配することなくアレイ状に配列することが好ましいものである。
【0066】
また、半導体基体1上には、蓄熱層および絶縁層として機能する酸化シリコンなどの絶縁層817、窒化タンタル膜、窒化ケイ素タンタルなどの発熱抵抗層818、アルミニウム合金膜などの配線819、および窒化シリコン膜などの保護層820が形成されており、これらにより記録ヘッドの基体940が構成されている。ここでは、符号850が発熱部となり、インク吐出部860からインクが吐出される。また、天板870は基体940と協働して液路880を画成している。
【0067】
以上説明した本発明の各実施形態の作用について説明する。
【0068】
図13及び図14は、あるMIS型電界効果トランジスタアレイの平面図及び断面図である。半導体基体1内に作り込んだこれらのMIS型電界効果トランジスタを単独または複数個、同時に動作させることによって、マトリクス状に結線されている電気熱変換素子間の電気的分離性を保つことができる。ここで、半導体基体1に、ゲート電極4、n型のソース領域7、n型のドレイン領域8、もう一つのn型のドレイン領域9、コンタクト11、ソース電極12、ドレイン電極13、およびn型の電界緩和ドレイン領域15が設けられていることが示されている。
【0069】
しかしながら、電気熱変換素子を駆動させるために必要となる大電流においては、上記のような従来のMIS型電界効果トランジスタアレイを機能させると、ドレイン−ウエル間(ここではドレインと半導体基体間)のpn逆バイアス接合部は高電界に耐えられず、リーク電流を発生させ、上記電気熱変換素子駆動用インクジェット記録ヘッド用基板として要求される耐電圧を満足することができなかった。さらに、大電流で使用されるために、MIS型電界効果トランジスタのオン抵抗が大きいと、ここでの電流の無駄な消費によって、電気熱変換素子が機能するために必要な電流が得られなくなる。
【0070】
また、上記の耐電圧を向上させるためには、図15の平面図、図16の断面図に示すようなMIS型電界効果トランジスタアレイが考えられる。ここでは、p型の半導体基体1に対し、n型のウエル領域2、ゲー卜電極4、p型のベース領域106、n型のソース領域7、n型のドレイン領域8、もう一つのn型のドレイン領域9、べース電極取出し用の拡散層10、コンタクト11、ソース電極12、ドレイン電極13が設けられている。
【0071】
このMIS型電界効果トランジスタの構造は、通常の構造とは異なり、ドレインの中にチャネルを作り込むことによって耐電圧を決定しているドレインの深さを深く、また低濃度で作り込むことが可能となり、耐電圧を向上できる。
【0072】
しかしながら、アレイ状にこのMIS型電界効果トランジスタを配置すると、各トランジスタのドレインが唯一の共通半導体層で形成されることになり、全てのドレイン電位が共通電位となってしまうため、独立してスイッチング動作させなければならないスイッチング素子間に専用の素子分離領域を設けて、ドレインを分離しなければ、電気熱変換素子間の電気的分離が保てない。また、そのような素子分離領域を新たに形成しようとすると、プロセスが複雑になって、コストアップとなり、さらに素子を形成する面積も大きくなってしまう。そのため、図15、図16に示すようなMIS型電界効果トランジスタの構造は、液体吐出装置用のトランジスタアレイには不向きである。
【0073】
一方、以上説明した本発明の各実施形態のインクジェット記録ヘッド用基板によれば、ドレインの濃度をチャネルの濃度より低く設定でき、かつドレインを十分深く形成できるため、高耐電圧により大電流化を可能とし、低いオン抵抗による高速動作を可能とし、延いては高集積化と省エネルギー化が実現できる。また、複数個のトランジスタによるアレイ状の構成を必要とするインクジェット記録ヘッド用基板においても、コストを上げることなく、素子間の分離が容易に可能となる。
【0074】
実際に、本発明とそれと同程度の単体素子特性を持つ図15、図16に示した構造のMIS型電界効果トランジスタを、電気的分離が保てるように素子分離領域を設け、同じあるデザインルールで、かつ同じマスク枚数で実際にレイアウトすると、図15、図16に示す技術によるMIS型電界効果トランジスタは、1つのセグメントを形成するためにアレイの配列方向に12.0μm必要なのに対し、図1、図2に示す本発明の構造を用いたMIS型電界効果トランジスタ場合は、アレイの配列方向の長さが6.0μmと1/2で形成できる。この寸法比(図15、図16の構造のアレイの配列方向の長さを基準とした場合の図1、図2の構造のもののアレイの配列方向の長さの比率)は、上記デザインルールが徹細になればなるほど、小さくなる傾向にある。
【0075】
<液体吐出装置>
本発明の液体吐出装置の一例としてインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)の例を挙げて説明する。
【0076】
図17は、本発明によるインクジェット記録装置の記録ヘッドを構成する半導体装置(インクジェット記録ヘッド用基板)の回路構成を示す図である。この半導体装置としては前述した全ての実施形態により製造された装置を用いることができる。
【0077】
図17において、インクジェット記録ヘッド用基板21上に多数の電気熱変換体24が設けられており、電気熱変換体24の一端は駆動電源VHに共通に接続し、他端は、それぞれ、電気熱変換体24ごとに設けられたスイッチング素子30を介して接地されている。インクジェット記録ヘッド用基板21上には、ラッチ回路403、シフトレジスタ404が設けられている。さらに、同時に駆動される電気熱変換体24の数を少なくし瞬時に流れる電流を小さくすることにより記録装置本体電源装置の小型化をはかる目的などで、電気熱変換群を所定個数ごとのブロックに分割し、ブロックを単位として分割駆動を行うために設けられるデコーダ等の時分割駆動ブロック選択用ロジック405、ヒステリシス特性を有するロジック系バッファ406などが、インクジェット記録ヘッド用基板21上に形成されている。入力信号としては、シフトレジスタを動かすためのクロック、画像データを直列(シリアル)で受け取る画像データ入力、ラッチ回路でデータを保持させるためのラッチクロック、ブロック選択のためのブロックイネーブル信号、パワートランジスタのオン時間すなわち電気熱変換体を駆動している時間を外部からコントロールするためのヒートパルス、ロジック回路駆動電源(5V)、接地(GND)線、駆動電源VHがあり、それぞれ、基板上のパッド407,408,409,410,411,412,413および414を介して入力される。さらに、各スイッチング素子30ごとに、ヒートパルス、ラッチ403の出力、およびデコーダ405からの出力の論理積(AND)をとってその結果によってスイッチング素子30を制御し、駆動パルスが電気熱変換体24を流れるようにするアンド(AND)回路420が設けられている。パッド408から入力したデジタル画像信号は、シフトレジスタ404によって、並列に並び替えられ、ラッチ回路403にラッチされる。論理ゲートがイネーブルになると、ラッチ回路403にラッチされた信号に応じて、スイッチング素子30がオン又はオフ状態となり、選択された電気熱変換体24に電流を流す。
【0078】
上述した各実施形態のトランジスタは、このスイッチング素子として好適に用いられる。そして、スイッチング素子アレイ内のスイッチング素子間は前述したとおり、専用の素子分離領域を形成せず、スイッチング素子アレイと電気熱変換体アレイとの間や、スイッチング素子アレイと論理ゲート(又はラッチ回路やシフトレジスタ)との間などの複数のアレイ間には、フィールド絶縁膜のような素子分離領域を設けることが好ましいものである。
【0079】
図18は、インクジェットヘッドの摸式図である。図17の回路が作製されたインクジェット記録ヘッド用基体21上には、電流が流れることで熱を発生し、その熱によって発生する気泡によって吐出口53からインクを吐出するための電気熱変換体(ヒータ)24が複数列状に配されている。この電気熱変換素子のそれぞれには、配線電極54が設けられており、配線電極の一端側は前述したスイッチング素子30に電気的に接続されている。電気熱変換体24に対向する位置に設けられた吐出口53へインクを供給するための流路55がそれぞれの吐出口53に対応して設けられている。これらの吐出口53および流路55を構成する壁が溝付き部材56に設けられており、これらの溝付き部材56を前述のインクジェット記録ヘッド用基板21に接続することで流路55と複数の流路にインクを供給するための共通液室57が設けられている。
【0080】
図19は、本発明のインクジェット記録ヘッド用基板21を組み込んだインクジェット記録ヘッドの構造を示すもので、枠体58にインクジェット記録ヘッド用基板21が組み込まれている。このインクジェット記録ヘッド用基板上には前述のような吐出口53や流路55を横成する部材56が取り付けられている。そして、装置側からの電気信号を受け取るためのコンタクトパッド59が設けられており、フレキシブルプリント配線基板60を介してインクジェット記録ヘッド用基板21に、装置本体の制御器から各種駆動信号となる電気信号が供給される。
【0081】
図20は、本発明のインクジェット記録ヘッドが適用されるインクジェット記録装置IJRAの概観図である。
【0082】
駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011、5009を介して回転するリードスクリュー5005のら線溝5004に対して係合するキャリッジHCは、インクジェット記録ヘッドが着脱自在に搭載されるものであって、ピン(不図示)を有し、矢印a、b方向に往復移動される。5002は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわたって、典型的には紙であるプリント媒体をプリント媒体搬送手段であるプラテン5000に対して押圧する。5007、5008はフォトカプラでキャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認してモータ5013の回転方向切換等を行うためのホームポジション検知手段である。5016はインクジェット記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段でキャップ内開口5023を介してインクジェット記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらは支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることはいうまでもない。また、5012は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0083】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきたときにリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にとって好ましい構成例を示している。
【0084】
なお、本装置にはインクジェット記録ヘッド(インクジェット記録ヘッド用基板)に対して発熱体を駆動するための駆動信号やその他の信号を供給するための信号供給手段を備えている。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、インクジェット記録ヘッド用基板において、複数の電気熱変換体に対して共通に接続されるとともに駆動電源に接続し、複数の電気熱変換体に対して電力を供給する第1の配線(駆動電源(VH)用の配線)と、各スイッチング素子のソース領域を接地電位に接続するための第2の配線(高電圧グラウンド用配線(GNDH))と、を備える場合に、第1の配線の抵抗よりも第2の配線の抵抗を小さくしたことにより、スイッチング素子としてDMOSトランジスタのようなソース−基板(ウエル)間の耐圧が比較的小さい素子を用いた場合であっても、スイッチング素子におけるブレークダウンを確実に美防止できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のインクジェット記録ヘッド用基体の部分平面図である。
【図2】図1に示すインクジェット記録ヘッド用基体の断面図である。
【図3】図1に示すインクジェット記録ヘッド用基体の動作回路を示す図である。
【図4】図1に示すインクジェット記録ヘッド用基体の等価回路図である。
【図5】実施形態1のインクジェット記録ヘッドの平面図である。
【図6】DMOSトランジスタにおけるソース−基板間の耐圧を説明する図である。
【図7】図6の要部拡大図である。
【図8】電気熱変換体の別の構成例を示す図6の要部の別の拡大図である。
【図9】図8の構成を示す等価回路図である。
【図10】実施形態2のインクジェット記録ヘッド用基板の平面構成を示す平面図である。
【図11】図10に示すインクジェット記録ヘッド用基板の断面図である。
【図12】インクジェット記録ヘッドの一部分の断面構造を示す断面図である。
【図13】MIS型電界効果トランジスタアレイの平面図である。
【図14】図13に示すMIS型電界効果トランジスタアレイの断面図である。
【図15】別のMIS型電界効果トランジスタアレイの平面図である。
【図16】図15に示すMIS型電界効果トランジスタアレイの断面図である。
【図17】インクジェット記録ヘッド用基板に設けられる回路を示すブロック図である。
【図18】図1に示したインクジェット記録ヘッド用基板を用いたインクジェット記録ヘッドの概略構成図である。
【図19】図18に示したインクジェット記録ヘッドの斜視図である。
【図20】図18および図19に示したインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置の構成例を示す斜視図である。
【図21】従来の構成によるインクジェット記録ヘッドの一部分を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 p型半導体基体
2 n型ウエル領域
4 ゲート電極
6 p型ベース領域
7 n型ソース領域
8,9 n型ドレイン領域
11 コンタクト
12 ソース電極
13 ドレイン電極
20 インク供給口
21 インクジェット記録ヘッド用基板
22、22A〜22C パッド
23 ロジック回路部
24、31〜33 電気熱変換体
24A、24B 発熱素子
34〜36 スイッチ
30 スイッチング素子
53 吐出口
Claims (15)
- 複数個の電気熱変換体と、前記複数の電気熱変換体に対して共通に接続されるとともに駆動電源に接続し、前記複数の電気熱変換体に対して電力を供給するための第1の配線と、前記複数の電気熱変換体を接地電位に接続するための第2の配線と、該第2の配線と前記電気熱変換体との間に設けられ、前記複数個の電気熱変換体に通電するための複数個のスイッチング素子と、を第1導電型の半導体基体上に備えたインクジェット記録ヘッド用基板において、
前記スイッチング素子は、
前記半導体基体の一主表面に設けられた第2導電型の第1の半導体領域と、
チャネル領域を提供するため、前記半導体基体の前記表面であって、かつ、前記第1の半導体領域に隣接して設けられるとともに、前記第1の半導体領域よりも不純物濃度の高い半導体からなる第1導電型の第2の半導体領域と、
前記第2の半導体領域の前記半導体基体と対向する表面に部分的に設けられた第2導電型のソース領域と、
前記第1の半導体領域の前記半導体基体と対向する表面に部分的に設けられた第2導電型のドレイン領域と、
前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
を有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、
前記ドレイン領域側に接続された前記第1の配線の配線抵抗よりも前記ソース領域側に接続された前記第2の配線の配線抵抗を小さくしたことを特徴とする、インクジェット記録ヘッド用基板。 - 複数個の電気熱変換体と、前記複数の電気熱変換体に対して共通に接続されるとともに駆動電源に接続し、前記複数の電気熱変換体に対して電力を供給するための第1の配線と、前記複数の電気熱変換体を接地電位に接続するための第2の配線と、該第2の配線と前記電気熱変換体との間に設けられ、前記複数個の電気熱変換体に通電するための複数個のスイッチング素子と、が半導体基体に集積化されたインクジェット記録ヘッド用基板において、
前記半導体基体は、p型領域を主体とするものであり、
前記スイッチング素子は、
前記半導体基体のp型領域表面に設けられたn型半導体領域と、
チャネル領域を提供するため、該n型半導体領域を貫通して前記半導体基体のp型領域表面に至り、かつ、前記n型半導体領域よりも不純物濃度の高い半導体からなるp型半導体領域と、
前記p型半導体領域の表面側に部分的に設けられた高濃度のn型ソース領域と、
前記n型半導体領域の表面側に部分的に設けられた高濃度のn型ドレイン領域と、
前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
を有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、
前記ドレイン領域側に接続された前記第1の配線の配線抵抗よりも前記ソース領域側に接続された前記第2の配線の配線抵抗を小さくしたことを特徴とする、インクジェット記録ヘッド用基板。 - 前記第2の半導体領域が、前記半導体基体に隣接して形成されている請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
- 前記第1の配線の配線幅より前記第2の配線の配線幅が大きい、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
- 前記ソース領域と前記ドレイン領域が横方向に交互に配置されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
- 前記ソース領域を間に挟んで2つの前記ゲート電極が配されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
- 前記複数の電気熱変換体の配列方向と前記複数のスイッチング素子の配列方向が平行である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
- 一つの前記電気熱変換体に対して少なくとも2つの前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタの前記ドレイン領域が接続されているとともに、前記複数個の絶縁ゲート電界効果トランジスタの前記ソース領域は共通に接続されている、請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
- 前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタの実効チャンネル長が、前記第2の半導体領域と前記ソース領域との横方向の不純物拡散量の差で決定される、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
- 前記電気熱変換体は、電気的に直列に接続された複数の発熱素子を有しており、前記直列に接続された複数の発熱素子が隣接して配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項にインクジェット記録ヘッド用基板。
- 前記発熱素子の直列に接続される個数が2である請求項10に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
- 前記電気熱変換体は、比抵抗が450μΩ・cm以上のタンタル窒化シリコン材料で形成され、シート抵抗が70Ω/□以上であることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
- 前記電気熱変換体に対応した吐出口が形成されている請求項1乃至12のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基板と、前記電気熱変換体により前記吐出口から吐出される液体を収容する液体収容器と、を有するインクジェット記録ヘッド。
- 請求項13に記載のインクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドの前記電気熱変換体にエネルギを供給するとともに駆動制御信号を供給する制御器と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記電気熱変換体にエネルギを供給する電源には、前記インクジェット記録ヘッドを動かすモータヘの電源と同一電圧を用いることを特徴とする、請求項14に記載のインクジェット記録装置。
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