JPH04320847A - インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置

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JPH04320847A
JPH04320847A JP11523991A JP11523991A JPH04320847A JP H04320847 A JPH04320847 A JP H04320847A JP 11523991 A JP11523991 A JP 11523991A JP 11523991 A JP11523991 A JP 11523991A JP H04320847 A JPH04320847 A JP H04320847A
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
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    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14088Structure of heating means
    • B41J2/14112Resistive element
    • B41J2/14129Layer structure
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/13Heads having an integrated circuit

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気熱変換素子と記録
用機能素子を基板上に形成した記録ヘッド用基体、この
記録ヘッド用基体を採用した記録ヘッド、およびこの記
録ヘッドを採用し、複写機、ファクシミリ、ワードプロ
セッサ、ホストコンピュータの出力用プリンタ、ビデオ
出力プリンタ等に用いられるインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【背景技術の説明】従来、記録ヘッドの構成は電気熱変
換素子アレイを単結晶シリコン基板上に形成し、この電
気熱変換素子の駆動回路としてシリコン基板外部にトラ
ンジスタアレイ等の電気熱変換素子駆動用機能素子を配
置し、電気熱変換素子とトランジスタアレイ間の接続を
フレキシブルケーブルやワイヤードボンディング等によ
って行う構成としていた。
【0003】上述したヘッド構成に対して考慮される構
造の簡易化、あるいは製造工程で生ずる不良の低減化、
さらには各素子の特性の均一化および再現性の向上を目
的として、特開昭57ー72867号公報において提案
されているような電気熱変換素子と機能素子を同一基板
上に設けた記録ヘッドを有するインクジェット記録装置
が知られている。
【0004】図23は上述した構成による記録ヘッド用
基体の一部分を示す摸式的断面図である。901は単結
晶シリコンからなる半導体基板である。902はN型半
導体のエピタキシャル領域、903は高不純物濃度のN
型半導体のオーミックコンタクト領域、904はP型半
導体のベース領域、905は高不純物濃度N型半導体の
エミッタ領域であり、これらでバイポーラトランジスタ
920を形成している。906は蓄熱層および層間絶縁
層としての酸化シリコン層、907は発熱抵抗層、90
8はアルミニウム(Al)の配線電極、909は保護層
としての酸化シリコン層であり、以上で記録ヘッド用の
基体930を形成している。ここでは940が発熱部と
なる。この基体930上に天板、液路が形成されて記録
ヘッドを構成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した様
な構造が優れているとはいえ、近年記録装置に対して強
く要求される高速駆動化、省エネルギー化、高集積化、
低コスト化、高信頼性を満足するためには未だ改善の余
地がある。
【0006】まず第1に、高信頼性を有する記録ヘッド
を低価格で提供しなければならない。そのためには、従
来記録ヘッドの寿命を決定する発熱抵抗層露出端部に改
良をほどこす必要があった。
【0007】つまり従来の記録ヘッド用の基体は、ウェ
ット処理によってAl等の配線材を除去した場合はAl
が等方的に除去され、図24に示す様な抵抗体形状すな
わち発熱部形状を有していた。またRIE等ドライエッ
チングによりAlの配線電極908を除去すると更にA
lの接続端面であるエッジ部910は垂直に立ってしま
う。本電気熱変換素子を駆動する際、電圧を印加するこ
とにより図24中の矢印に示す如く電流が流れる。電流
密度は各エッジ部910の下側の発熱抵抗層露出端部9
07Aあるいは907Bにおいて8.2×107 A/
cm2 に達する。この値は、配線電極908内の電流
密度が1.7×106 A/cm2 、抵抗体907の
中央部907Cにおける電流密度1.03×107 A
/cm2 に比較して異状に大きな値である。
【0008】発熱抵抗層端部907Aあるいは907B
におけるこの電流密度の集中が発熱抵抗層907の一部
を切断することが、記録ヘッドの寿命を決定することが
判明した。
【0009】そこで、本発明者は、発熱抵抗層907の
露出端部における電流密度の集中を緩和することが記録
ヘッドの寿命を延ばし、且つ、記録ヘッドの均一性を生
むものであると確信した。
【0010】また、来電極の接続端面であるエッジ部9
10および各側面が垂直に近く立っているがゆえに、ス
テップカバレージを良くするため層間膜906及び保護
膜909の厚さをそれぞれ1.25μm,1.0μm程
度の厚さが必要であった。
【0011】これらの従来の厚い絶縁膜は以下の様な問
題を内在していた。
【0012】つまり1.25μmもの厚い層間膜は、装
置のスループットをいちじるしく劣化させるため、低コ
スト化のネックになっていた。
【0013】また1.0μmもの厚い保護膜は発熱部9
40で発生した熱がインクへ伝わる際の熱抵抗として界
在し、抵抗体の駆動電力を大きくする必要があり、且つ
熱伝導遅延により周波数特性を劣化させていた。
【0014】つまり、この厚い保護膜があるため、従来
ヘッドの高性能化、低消費電力化が立ち遅れていた。
【0015】よって、ヘッドの低コスト化、高性能化、
低消費電力化を達成するには、層間膜と保護膜のステッ
プカバレージ性を維持し且つ薄膜化を図ることが、新機
能ヘッドにとって不可欠であると確信した。
【0016】この様に高信頼性、低コスト、高速駆動、
低消費のヘッドを均一に作製するために、新しい発想の
もとに記録ヘッドの構成を見出さねばならない。
【0017】本発明の目的は上述した技術的課題を解決
し、寿命が長く信頼性の高い記録ヘッド用基体および記
録ヘッドを低価格で提供することにある。本発明の別の
目的は、高速記録、高解像度記録可能な記録ヘッド用基
体、記録ヘッドおよびインクジェット記録装置を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、消費電力が少なく
てすむ省エネルギーな記録ヘッド用基体、記録ヘッドお
よびインクジェット記録装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の記録ヘッド用基
体は、熱エネルギーを発生するための電気熱変換素子群
と、該電気熱変換素子群のそれぞれに電気的に接続され
た電気熱変換素子駆動用の機能素子群と、前記電気熱変
換素子群および機能素子群のそれぞれを接続する配線電
極とが同一基板に設けられた記録ヘッド用基体において
、前記配線電極の接続端面が、電気熱変換素子表面の法
線に対して30度以上75度以下の角度を有して形成、
更に望ましくは45度以上70度以下に形成されている
ことを特徴とするものである。
【0019】配線電極や機能素子群の側面が、電気熱変
換素子表面の法線に対して30度以上75度以下の角度
を有して形成されていてもよい。
【0020】また、本発明の記録ヘッドは、インクを吐
出するための複数の吐出口を有するインク吐出部を有す
るとともに、該インク吐出部に供給されたインクを吐出
するために利用される熱エネルギーを発生する電気熱変
換素子群と、該電気熱変換素子群のそれぞれに電気的に
接続された電気熱変換素子駆動用の機能素子群と、前記
電気熱変換素子群および機能素子群のそれぞれを接続す
る配線電極とが基板に設けられた基体を具備する記録ヘ
ッドにおいて、前記基体の配線電極の接続端面が、電気
熱変換素子表面の法線に対して30度以上75度以下の
角度を有して形成、更に望ましくは45度以上70度以
下に形成されていることを特徴とするものである。
【0021】基体の配線電極や機能素子群の側面が、電
気熱変換素子表面の法線に対して30度以上75度以下
の角度を有して形成されていてもよい。
【0022】さらに、本発明のインクジェット記録装置
は、インクを吐出するための複数の吐出口を有するイン
ク吐出部を有するとともに、該インク吐出部に供給され
たインクを吐出するために利用される熱エネルギーを発
生する電気熱変換素子群と、該電気熱変換素子群のそれ
ぞれに電気的に接続された電気熱変換素子駆動用の機能
素子群と、前記電気熱変換素子群および機能素子群のそ
れぞれを接続する配線電極とが基板に設けられた基体を
具備する記録ヘッドと、前記吐出口から吐出されたイン
クによって記録がなされる被記録部材を前記記録ヘッド
のインク吐出部に対向して搬送する搬送手段とを有する
インクジェット記録装置において、前記基体の配線電極
の接続端面が、前記電気熱変換素子表面の法線に対して
30度以上75度以下の角度を有して形成されているこ
とを特徴とするものである。
【0023】基体の配線電極や機能素子群の側面が、電
気熱変換素子表面の法線に対して30度以上75度以下
の角度を有して形成されていてもよい。
【0024】記録ヘッドは、最大被記録部材の全幅にわ
たって吐出口が複数形成されたフルラインタイプである
ことが可能である。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明について詳
細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるこ
とはなく、本発明の目的が達成され得るものであればよ
い。
【0026】図1は、本発明による記録ヘッド用基体の
模式的断面図である。
【0027】記録ヘッド用基体としての基体100は、
電気熱変換素子である発熱部110と駆動用機能素子で
あるバイポーラ型のNPNトランジスタ120とをP型
シリコン基板1上に形成したものである。
【0028】図1において、1はP型シリコン基板、2
は機能素子を構成するためのN型コレクタ埋込領域、3
は機能素子分離のためのP型アイソレーション埋込領域
、4はN型エピタキシャル領域、5は機能素子を構成す
るためのP型ベース領域、6は素子分離のためのP型ア
イソレーション埋込領域、7は機能素子を構成するため
のN型コレクタ埋込領域、8は素子を構成するための高
濃度P型ベース領域、9は素子分離のための高濃度P型
アイソレーション領域、10は素子を構成するためのN
型エミッタ領域、11は素子を構成するための高濃度N
型コレクタ領域、12はコレクタ・ベース共通電極、1
3はエミッタ電極、14はアイソレーション電極である
。ここに、NPNトランジスタ120が形成されており
、2,4,7,11のコレクタ領域がエミッタ領域10
とベース領域5,8とを完全に包囲するように形成され
ている。また、素子分離領域として、P型アイソレーシ
ョン埋込領域、P型アイソレーション領域7、高濃度P
型アイソレーション領域により各セルが包囲され電気的
に分離されている。
【0029】ここで、NPNトランジスタ120は、N
型コレクタ埋込領域2およびN型コレクタ埋込領域2を
介してP型シリコン基板1上に形成された2つの高濃度
N型コレクタ領域11と、N型コレクタ埋込領域2およ
びP型ベース領域5を介して高濃度N型コレクタ領域1
1の内側に形成された2つの高濃度P型ベース領域8と
、N型コレクタ埋込領域2およびP型ベース領域5を介
して高濃度P型ベース領域8に挟まれて形成された高濃
度N型エミッタ領域10とによりNPNトランジスタの
構造を有するが、高濃度N型コレクタ領域11と高濃度
P型ベース領域8とがコレクタ・ベース共通電極12に
より接続されることによりダイオードとして動作する。 また、NPNトランジスタ120に隣接して、素子分離
領域としてのP型アイソレーション埋込領域3,P型ア
イソレーション領域6および高濃度P型アイソレーショ
ン領域9が順次形成されている。また、発熱抵抗層10
3が、N型エピタキシャル領域4,蓄熱層101および
層間膜102を介してP型シリコン基板1上に形成され
ており、発熱抵抗層103上に形成された配線電極10
4が切断されて接続端面である2個のエッジ部1041
 をそれぞれ形成することにより、発熱部110が構成
されている。
【0030】前記記録ヘッド用の基体100は全面が熱
酸化膜等で形成される蓄熱層101で覆われており、機
能素子から各電極12,13,14がAl等で形成され
ている。なお、各電極12,13,14は、図2および
図3に拡大(電極14、エミッタ、コレクタ、ベース等
は省略)して示すように、法線に対して角度θ(30度
以上75度以下)の傾いた側面(端部)を有している。
【0031】本実施例の基体100は、上述した駆動部
(機能素子)を有する記録ヘッド用のP型シリコン基板
1上に、コレクタ・ベース共通電極12、エミッタ電極
13およびアイソレーション電極14が形成された蓄熱
層101で覆ったもので、その上層にはPCVD法やス
パッタリング法による酸化シリコン膜等からなる層間膜
102が形成されている。各電極12,13,14を形
成するAl等は傾いた側面を有するため、層間膜102
のステップカバレージ性が非常に優れているので、層間
膜102を従来に比較して蓄熱効果を失わない範囲で薄
く形成することができる。層間膜102を部分的に開孔
して、コレクタ・ベース共通電極12、エミッタ電極1
3およびアイソレーション電極14と電気的に接続し、
かつ層間膜102上で電気的な配線を形成するためのA
l等の配線電極104が設置される。すなわち、層間膜
102を部分的に開孔した後に、スパッタリング法によ
るHfB2 等の発熱抵抗層103と、蒸着法あるいは
スパッタリング法によるAl等の配線電極104で構成
された電気熱変換素子が設けられている。ここで、発熱
抵抗層103を構成する材料としては、Ta,ZrB2
 ,Ti−W,Ni−Cr,Ta−Al,Ta−Si,
Ta−Mo,Ta−W,Ta−Cu,Ta−Ni,Ta
−Ni−Al,Ta−Mo−Al,Ta−Mo−Ni,
Ta−W−Ni,Ta−Si−Al,Ta−W−Al−
Ni等がある。
【0032】図4は電気熱変換素子の拡大された断面図
であり、図5は電気熱変換素子の拡大された平面図であ
る。
【0033】Al等の配線電極104は、法線に対して
30度以上の傾いた接続端面であるエッジ部1041 
および側面1042 を有している。さらに、図1に示
す電気熱変換素子の発熱部110上には、スパッタリン
グ法またはCVD法によってSiO2 ,SiN,Si
ON等の保護膜105およびTa等の保護膜106が設
けられている。
【0034】さらに、この基体100は、配線電極10
4のエッジ部1041 および両側面1042 (図5
参照)の形状が直線状のテーパーとなっていることと、
コレクタ・ベース共通電極12,エミッタ電極13およ
びアイソレーション電極14のエッジ部,両側面の形状
も、図2,図3にそれぞれ示すように、直線状のテーパ
ーとなっていることである。
【0035】したがって、この基体100では、発熱部
110における電流の流れは、図6に示すように、配線
電極104のエッジ部1041 の下方に集中すること
がない。たとえば、一実験結果によると、配線電極10
4のエッジ部1041 の下方における電流密度をエッ
ジ部1041 の形状がほぼ垂直なときの8.2×10
7 A/cm2 から2.6×107 A/cm2 に
まで低減することができる。その結果、発熱抵抗層23
の一部切断を防止することができるため、たとえばこの
基体100を用いて記録ヘッドを構成した一実験結果に
よると、記録ヘッドの耐久性を7×107 パルスから
1×109 パルスにまで大幅に延ばすことができた。
【0036】また、第1の保護膜105におけるステッ
プカバレージ性も極めて良好にすることができるため、
第1の保護膜105の厚さをエッジ部1041 の形状
がほぼ垂直なときよりも薄く(たとえば、1.0μmか
ら0.6μm)することができた。その結果、発熱部1
10で発生した熱エネルギーを効率的にかつ高速にイン
クに伝達することができるとともに、第1の保護膜10
5を形成する装置のスループットを約2倍にすることが
できた。なお、以下では配線電極以外の各電極に関して
は、エッジ部(接続端面)についても側面と記す。
【0037】次に、上述した構成による機能素子(駆動
部)の基本動作について説明する。図7は図1に示した
基体100の駆動方法を説明するための模式図である。
【0038】本実施例では、図1および図7に示すよう
に、コレクタ・ベース共通電極12がダイオードのアノ
ード電極に対応し、エミッタ電極13がダイオードのカ
ソード電極に対応している。すなわち、コレクタ・ベー
ス共通電極12に正電位のバイアス(VH1)を印加す
ることにより、セル(SH1,SH2)内のNPNトラ
ンジスタがターンオンし、バイアス電流がコレクタ電流
およびベース電流として、エミッタ電極13より流出す
る。また、ベースとコレクタとを短絡した構成にした結
果、電気熱変換素子(RH1,RH2)の熱の立上がり
および立下がり特性が良好となり膜沸騰現象の生起、そ
れに伴う気泡の成長収縮の制御性がよくなり安定したイ
ンクの吐出を行うことができた。これは、熱エネルギー
を利用するインクジェット記録ヘッドではトランジスタ
の特性と膜沸騰の特性との結び付きが深く、トランジス
タにおける少数キャリアの蓄積が少ないためスイッチン
グ特性が速く立上がり特性がよくなることが予想以上に
大きく影響しているものと考えられる。また、比較的寄
生効果が少なく、素子間のバラツキがなく、安定した駆
動電流が得られるものでもある。
【0039】本実施例においては、さらに、アイソレー
ション電極14を接地することにより、隣接する他のセ
ルへの電荷の流入を防ぐことができ、他の素子の誤動作
という問題を防ぐことができる構成となっている。
【0040】このような半導体装置においては、N型コ
レクタ埋込領域2の濃度を1×1018cmー3以上と
すること、P型ベース領域5の濃度を5×1014〜5
×1017cmー3とすること、さらには、高濃度ベー
ス領域8と電極との接合面の面積をなるべく小さくする
ことが望ましい。このようにすれば、NPNトランジス
タからP型シリコン基板1およびアイソレーション領域
を経てグランドにおちる漏れ電流の発生を防止すること
ができる。
【0041】上記基体の駆動方法についてさらに詳述す
る。
【0042】図7には、2つの半導体機能素子(セル)
が示されているだけであるが、実際には、このような機
能素子がたとえば128個の電気熱変換素子に対応して
同数等間隔に配置され、ブロック駆動が可能なように電
気的にマトリクス接続されている。ここでは、説明の簡
単のため、同一グループに2つのセグメントとしての電
気熱変換素子RH1,RH2の駆動について説明する。
【0043】電気熱変換素子RH1を駆動するためには
、まずスイッチング信号G1によりグループの選択がな
されるとともに、スイッチング信号S1により電気熱変
換素子RH1が選択される。すると、トランジスタ構成
のダイオードセルSH1は正バイアスされ電流が供給さ
れて電気熱変換素子RH1は発熱する。この熱エネルギ
ーが液体に状態変化を生起させて、気泡を発生させ吐出
口より液体を吐出する。
【0044】同様に、電気熱変換素子RH2を駆動する
場合にも、スイッチング信号G1およびスイッチング信
号S2により電気熱変換素子RH2を選択して、ダイオ
ードセルSH2を駆動し電気熱変換体に電流を供給する
【0045】このとき、P型シリコン基板1はアイソレ
ーション領域3,6,9を介して接地されている。この
ように各半導体素子(セル)のアイソレーション領域3
,6,9が設置されることにより各半導体素子間の電気
的な干渉による誤動作を防止している。
【0046】こうして構成された基体100は、図8に
示すように、複数の吐出口500に連通する液路505
を形成するための感光性樹脂などからなる液路壁部材5
01と、インク供給口503を有する天板502とが取
り付けられて、インクジェット記録方式の記録ヘッド5
10とすることができる。この場合、インク供給口50
3から注入されるインクが内部の共通液室504へ蓄え
られて各液路505へ供給され、その状態で基体100
の発熱部110を駆動することで、吐出口500からイ
ンクの吐出がなされる。
【0047】次に、本実施例に係る記録ヘッド510の
製造工程について説明する。
【0048】(1)P型シリコン基板1(不純物濃度1
×1012〜1×1016cmー3程度)の表面に、8
000Å程度のシリコン酸化膜を形成した後、各セルの
N型コレクタ埋込領域2を形成する部分のシリコン酸化
膜をフォトリソグラフィー工程で除去した。シリコン酸
化膜を形成した後、N型の不純物(たとえば、P,As
など)をイオン注入し、熱拡散により不純物濃度1×1
018cmー3以上のN型コレクタ埋込領域2を厚さ2
〜6μmほど形成し、シート抵抗が30Ω/□以下の低
抵抗となるようにした。続いて、P型アイソレーション
埋込領域3を形成する領域のシリコン酸化膜を除去し、
1000Å程度のシリコン酸化膜を形成した後、P型不
純物(たとえば、Bなど)をイオン注入し、熱拡散によ
り不純物濃度1×1015〜1×1017cmー3以上
のP型アイソレーション埋込領域3を形成した(以上図
9)。
【0049】(2)全面のシリコン酸化膜を除去した後
、N型エピタキシャル領域4(不純物濃度1×1013
〜1×1015cmー3程度)を厚さ5〜20μm程度
エピタキシャル成長させた(以上図10)。
【0050】(3)次に、N型エピタキシャル領域4の
表面に1000Å程度のシリコン酸化膜を形成し、レジ
ストを塗布し、パターニングを行い、低濃度P型ベース
領域5を形成する部分にのみP型不純物をイオン注入し
た。レジスト除去後、熱拡散によって低濃度P型ベース
領域5(不純物濃度1×1014〜1×1017cmー
3程度)を厚さ5〜10μmほど形成した。その後、再
びシリコン酸化膜を全面除去し、さらに8000Å程度
のシリコン酸化膜を形成した後、P型アイソレーション
領域6を形成すべき領域のシリコン酸化膜を除去し、B
SG膜を全面にCVD法を用いて堆積し、さらに、熱拡
散によって、P型アイソレーション埋込領域3に届くよ
うに、P型アイソレーション領域6(不純物濃度1×1
018〜1×1020cmー3程度)を厚さ10μm程
度形成した。ここでは、BBr3 を拡散源として用い
てP型アイソレーション領域6を形成することも可能で
ある(以上図11)。
【0051】(4)BSG膜を除去した後、8000Å
程度のシリコン酸化膜を形成し、さらに、N型コレクタ
領域7を形成する部分のみシリコン酸化膜を除去した後
、N型の固相拡散およびリンイオンを注入しあるいは熱
拡散によって、コレクタ埋込領域5に届きかつシート抵
抗が10Ω/□以下の低抵抗となるようにN型コレクタ
領域7(不純物濃度1×1018〜1×1020cmー
3程度)を形成した。このとき、N型コレクタ領域7の
厚さは約10μmとした。続いて、12500Å程度の
シリコン酸化膜を形成し、蓄熱層101(図13参照)
を形成した後、セル領域のシリコン酸化膜を選択的に除
去した後、2000Å程度のシリコン酸化膜を形成した
【0052】レジストパターニングを行い、高濃度ベー
ス領域8および高濃度アイソレーション領域9を形成す
る部分にのみP型不純物の注入を行った。レジストを除
去した後、N型エミッタ領域10および高濃度N型コレ
クタ領域11を形成すべき領域のシリコン酸化膜を除去
し、熱酸化膜を全面に形成し、N型不純物を注入した後
、熱拡散によってN型エミッタ領域10および高濃度N
型コレクタ領域11を同時に形成した。なお、N型エミ
ッタ領域10および高濃度N型コレクタ領域11の厚さ
は、それぞれ1.0μm以下、不純物濃度は1×101
8〜1×1020cmー3程度とした(以上図12)。
【0053】(5)さらに、一部電極の接続箇所のシリ
コン酸化膜を除去した後、Al等を全面堆積し、一部電
極領域以外のAl等を除去した。ここで、Alの除去は
、従来のウエットエッチングとは異なり、フォトレジス
トを後退させながらエッチングを行なう方法において、
傾いた側面を有する配線形状が得られた。
【0054】エッチング液としては、従来レジストをパ
ターニングするために用いる現像液つまりTMAH(テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を含有す
る水溶液を用いて良い結果すなわち配線の側壁が法線に
対して約60度傾いた形状が安定して得られた(以上図
13)。
【0055】(6)そして、スパッタリング法により蓄
熱層としての機能も有する層間膜102となるSiO2
 膜を全面に0.6〜1.0μm程度形成した。この層
間膜102はCVD法によるものであってもよい。また
SiO2 膜に限らずSiO膜またはSiN膜であって
もよい。
【0056】次に、電気的接続をとるために、エミッタ
領域およびベース・コレクタ領域の上部にあたる層間膜
102の一部をフォトリソグラフィ法で開口し、スルー
ホールTHを形成した(以上図14)。
【0057】(7)次に、発熱抵抗層103としてのH
fB2 を層間膜102上と、電気的接続をとるために
エミッタ領域およびベース・コレクタ領域の上部にあた
る電極13および電極12上とに、スルーホールTHを
通して1000Åほど堆積した。
【0058】(8)発熱抵抗層103の上に、電気熱変
換素子の一対の配線電極104,104およびダイオー
ドのカソード配線電極104,アノード配線電極109
としてのAl材料からなる層を約5000Å堆積させ、
AlおよびHfB2 (発熱抵抗層103)をパターニ
ングし、電気熱変換素子とその他配線とを同時に形成し
た。ここで、Alのパターニングは、前記方法と同様で
ある(以上図15)。 (9)その後、スパッタリング法またはCVD法により
、電気熱変換素子の保護層およびAl配線間の絶縁層と
してのSiO2 膜105を約6000Å堆積させた後
、耐キャビテーションのための保護層106としてTa
を電気熱変換体の発熱部上部に2000Åほど堆積した
【0059】(10)以上のようにして作成された電気
熱変換素子、TaおよびSiO2 膜105を部分的に
除去し、ボンディング用のパッド107を形成した。な
お、保護膜105はSiO2 以外にSiONまたはS
iNでもよい(以上図16)。
【0060】(11)次に、半導体素子を有する基体に
、インク吐出部500を形成するための液路壁部材およ
び天板502を配設して、それらの内部にインク液路を
形成した記録ヘッドを製造した(以上図17)。
【0061】このようにしてそれぞれAl配線電極のテ
ーパーエッチングの液温を変えることによりエッジ部の
法線に対する角度を変えて製造した複数の記録ヘッドに
ついて、それぞれ電気熱変換素子をブロック駆動し、記
録、動作試験を行った。動作試験では、一つのセグメン
トに8個の半導体ダイオードを接続し、各半導体ダイオ
ードに300mA(計2.4A)の電流を流したが、他
の半導体ダイオードは誤動作せず、良好な吐出を行うこ
とができた。また、上記記録ヘッドは熱伝達効率がよい
ため、駆動電力が従来の80%ですみ、かつ高周波応答
性に優れたものである。さらに、寿命、均一性に関して
も優れた特性が得られた。また、配線寸法精度、配線抵
抗ばらつき、初期良品率および耐久試験結果をそれぞれ
調べた。結果を表1に示す。法線に対する角度が30〜
75度のものでは、良好な最終判定が得られた。しかし
、法線に対する角度が5度および28度のものでは、耐
久試験結果により、また80度のものでは配線寸歩精度
および配線抵抗ばらつきにより、それぞれ良好な判定結
果が得られなかった。
【0062】
【表1】   本実施例において配線電極104は、発熱抵抗層に
対して傾いたエッジ部1041 を有すると同時に、配
線電極104の長手方向においても傾いた側面1042
 を有する構造が得られる。
【0063】しかし、発熱層抵抗端部における電流密度
の集中を緩和する目的からすると、配線電極は、発熱抵
抗層の法線に対して30度〜75度の角度を有する接続
端面を有することが必要であり、配線の長手方向の側面
が傾いていることが絶対的な条件ではない。
【0064】以下に示す手法により、配線電極の接続端
面のみが傾きを有し、長手方向の側面は法線に対して0
〜30度の垂直に近い構造にすることが可能である。
【0065】図18ないし図21に従って説明する。
【0066】発熱抵抗層103aとしてのHfB2 お
よび配線電極104aを形成するAl材料からなる層を
堆積させた後、2度の従来公知のフォトリソ工程の繰り
返しで発熱抵抗層103aと配線電極104aを形成す
る。このとき、配線電極104aのエッチングには従来
用いられているウェットエッチング法あるいはCl系の
ガスによるRIE等によるドライエッチング法がある。 これらの手法により配線電極104aの長手方向の側面
104bはほぼ垂直な角度を有する(図18)。次に、
図19に示す如く、従来公知の手法によりレジスト11
1(マスク用フォトレジスト)で発熱抵抗層103a以
外を覆う。そして、エミッタ電極等を形成する手法と同
様の手法、つまり配線電極104aのエッチング動作時
にレジスト111がエッチング後退しても、該エッチン
グ動作終了時にレジスト111が配線電極104aの両
側面に達しない程度にレジスト111を配線電極104
a上に形成しておき、配線電極104aをエッチングす
る。なお、この場合、TMAHを主成分とする、液温の
異なる2種類のアルカリ性溶液を交互にスプレーして配
線電極104をエッチングしてもよい。このようにして
、傾いたエッジ部104bを発熱抵抗層103との接続
部のみに有する構造が得られた(図20、図21)。
【0067】以上述べた構成の記録ヘッド510を記録
装置本体に装着して装置本体から記録ヘッド510に信
号を付与することにより、高速記録、高画質記録を行う
ことができるインクジェット記録装置を得ることができ
る。
【0068】次に、本発明の記録ヘッドを用いたインク
ジェット機録装置について図22を参照して説明する。 図22は本発明が適用されるインクジェット機録装置7
00の一例を示す概観斜視図である。
【0069】記録ヘッド510は、駆動モータ701の
正逆回転に連動して駆動力伝達ギア702,703を介
して回転するリードスクリュー704の螺旋溝721に
対して係合するキャリッジ720上に搭載されており、
前記駆動モータ701の動力によってキャリッジ720
とともにガイド719に沿って矢印a,b方向に往復移
動される。図示しない記録媒体給送装置によってプラテ
ン706上に搬送される記録用紙P用の紙押え板705
は、キャリッジ移動方向にわたって記録用紙Pをプラテ
ン706に対して押圧する。
【0070】707,708はフォトカプラであり、キ
ャリッジ720のレバー709のこの域での存在を確認
して駆動モータ701の回転方向切換等を行うためのホ
ームポジション検知手段である。710は前述の記録ヘ
ッド510の全面をキャップするキャップ部材711を
支持する支持部材で、712は前記キャップ部材711
内を吸引する吸引手段で、キャップ内開口713を介し
て記録ヘッド510の吸引回復を行う。714はクリー
ニングブレードで、715はこのブレードを前後方向に
移動可能にする移動部材であり、本体支持板716にこ
れらは支持されている。クリーニングブレード714は
、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に
適用できることはいうまでもない。また、717は、吸
引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジ7
20と係合するカム718の移動に伴って移動し、駆動
モータ701からの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝
達手段で移動制御される。前記記録ヘッド510に設け
られた発熱部110に信号を付与したり、前述した各機
構の駆動制御を司ったりする印字制御部は、装置本体側
に設けられている(不図示)。
【0071】上述のような構成のインクジェット記録装
置700は、前記記録媒体給送装置によってプラテン7
06上に搬送される記録用紙Pに対し、記録ヘッド51
0が前記記録用紙Pの全幅にわたって往復移動しながら
記録を行うものであり、記録ヘッド510は、前述した
ような方法で製造したものを用いているため、高精度で
高速な記録が可能である。
【0072】以上の説明においては、基体をインクジェ
ット方式の記録ヘッドに採用した例ついて説明したが、
本発明により基体は、たとえば、サーマルヘッド用基体
にも応用できるものである。
【0073】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でもキヤノン(株)の提唱する、熱エネルギーを利用
してインクを吐出する方式の記録ヘッド、記録装置にお
いて、優れた効果をもたらすものである。
【0074】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,
740,796号明細書に開示されている基本的な原理
を用いて行なうものが好 ましい。この方式はいわゆる
オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用
可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて
核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つ
の駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱
エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸
騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一対応し液体(
インク)内の気泡を形成出来るので有効である。この気
泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク
)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この
駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長
収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状
の駆動信号としては、米国特許第4,463,359号
明細書、同第4,345,262号明細書に記載されて
いるようなものが適している。なお、上記熱作用面の温
度上昇率に関する発明の米国特許第4,313,124
号明細書に記載されている条件を採用する と、さらに
優れた記録を行なうことができる。
【0075】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4,558,333号明細書、米国特
許第4,459,600号明細書を用いた構成も本発明
に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に
対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とす
る構成を開示する特開昭59年第123670号公報や
熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応さ
せる構成を開示する特開昭59年第138461号公報
に基づいた構成としても本発明は有効である。
【0076】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満
たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0077】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0078】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段などを付加することは本発明の効果を一層安定化で
きるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリー
ニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体ある
いはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせ
による予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐
出モードを行なうことも安定した記録を行なうために有
効である。
【0079】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラーまたは、混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0080】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化もしくは液体あるい
は、上述のインクジェットではインク自体を30℃以上
70℃以下の範囲内で温度調整を行なってインクの粘性
を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的
であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなす
ものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギーによ
る昇温をインクの固形状態から液体状態への態変化のエ
ネルギーとして使用せしめることで防止するかまたは、
インクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するイン
クを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録
信号に応じた付与によってインクが液化してインク液状
として吐出するものや記録媒体に到達する時点ではすで
に固化し始めるものなどのような、熱エネルギーによっ
て初めて液化する性質のインク使用も本発明には適用可
能である。このような場合インクは、特開昭54−56
847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に
記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液
状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体
に対して対向するような形態としてもよい。本発明にお
いては、上述した各インクに対して最も有効なものは、
上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0081】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、電気
熱変換素子と配線電極の接続端面が傾斜面で接触してい
るため、電気熱変換素子端部の電流集中を大幅に緩和す
ることができた。
【0082】また、下地の配線電極の接続端面が傾きを
もっているため配線電極によって生ずる上部膜の凹凸を
なだらかに形成することができ、優れたステップカバレ
ージを有するため、層間膜及び保護膜の薄膜化が可能と
なった。
【0083】よって、薄膜化を行うことにより熱伝導効
率があがり低消費電力且つ周波数応答性の良い記録ヘッ
ドが安価に実現できた。また、電流集中を緩和できたた
めに、記録ヘッド用基体および記録ヘッドの寿命が延び
且つ均一な特性のものが得られる様になった。
【0084】つまり高信頼性、高均一性の記録ヘッド用
基体および記録ヘッドを低コストで得ることができた。
【0085】また、高速動作も達成できスイッチング特
性が速く、立ち上がり特性が向上し、寄生効果も少ない
ため液体に好適な熱エネルギーを付与することができ吐
出特性が向上した記録ヘッドおよびインクジェット記録
装置が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録ヘッド用基体を示す模式的断
面図である。
【図2】記録ヘッド用基体の電極の断面図である。
【図3】記録ヘッド用基体の電極の平面図である。
【図4】記録ヘッド用基体の電気熱変換素子部の断面図
である。
【図5】記録ヘッド用基体の電気熱変換素子部の平面図
である。
【図6】本発明の実施例の発熱抵抗体中の電流の流れを
示す図である。
【図7】本発明による記録ヘッド駆動方法を説明するた
めの模式図である。
【図8】本発明による記録ヘッドの外観を示す模式的斜
視図である。
【図9】本発明による記録ヘッドの製造方法の一例を説
明するための模式的断面図である。
【図10】本発明による記録ヘッドの製造方法の一例を
説明するための模式的断面図である。
【図11】本発明による記録ヘッドの製造方法の一例を
説明するための模式的断面図である。
【図12】本発明による記録ヘッドの製造方法の一例を
説明するための模式的断面図である。
【図13】本発明による記録ヘッドの製造方法の一例を
説明するための模式的断面図である。
【図14】本発明による記録ヘッドの製造方法の一例を
説明するための模式的断面図である。
【図15】本発明による記録ヘッドの製造方法の一例を
説明するための模式的断面図である。
【図16】本発明による記録ヘッドの製造方法の一例を
説明するための模式的断面図である。
【図17】本発明による記録ヘッドの製造方法の一例を
説明するための模式的断面図である。
【図18】本発明による記録ヘッドの製造方法の他の例
を説明するための模式図である。
【図19】本発明による記録ヘッドの製造方法の他の例
を説明するための模式図である。
【図20】本発明による記録ヘッドの製造方法の他の例
を説明するための模式図である。
【図21】本発明による記録ヘッドの製造方法の他の例
を説明するための模式図である。
【図22】本発明が適用されるインクジェット機録装置
の一例を示す概観斜視図である。
【図23】従来の記録ヘッド用基体を示す模式的断面図
である。
【図24】従来例の発熱抵抗体中の電流の流れを示す図
である。
【符号の説明】
1        P型シリコン基板 2        N型コレクタ埋込領域3     
   P型アイソレーション埋込領域4       
 N型エピタキシャル領域5        P型ベー
ス領域 6        P型アイソレーション領域7   
     N型コレクタ領域 8        高濃度P型ベース領域9     
   高濃度P型アイソレーション領域10     
 高濃度N型エミッタ領域11      高濃度N型
コレクタ領域12      コレクタ・ベース共通電
極13      エミッタ電極 14      アイソレーション電極100    
記録ヘッド 101    蓄熱層 102    層間膜 103    発熱抵抗層 104    配線電極 105    保護膜 106    保護膜 107    ボンディングパッド 110    発熱部 500    吐出口 501    液路壁部材 502    天板 503    インク供給口 510    記録ヘッド

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  熱エネルギーを発生するための電気熱
    変換素子群と、該電気熱変換素子群のそれぞれに電気的
    に接続された電気熱変換素子駆動用の機能素子群と、前
    記電気熱変換素子群および機能素子群のそれぞれを接続
    する配線電極とが同一基板に設けられた記録ヘッド用基
    体において、前記配線電極の接続端面が、電気熱変換素
    子表面の法線に対して30度以上75度以下の角度を有
    して形成されていることを特徴とする記録ヘッド用基体
  2. 【請求項2】  配線電極の側面が、電気熱変換素子表
    面の法線に対して30度以上75度以下の角度を有して
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の記録ヘ
    ッド用基体。
  3. 【請求項3】  機能素子群の電極の側面が、電気熱変
    換素子表面の法線に対して30度以上75度以下の角度
    を有して形成されていることを特徴とする請求項1また
    は2記載の記録ヘッド用基体。
  4. 【請求項4】  インクを吐出するための複数の吐出口
    を有するインク吐出部を有するとともに、該インク吐出
    部に供給されたインクを吐出するために利用される熱エ
    ネルギーを発生する電気熱変換素子群と、該電気熱変換
    素子群のそれぞれに電気的に接続された電気熱変換素子
    駆動用の機能素子群と、前記電気熱変換素子群および機
    能素子群のそれぞれを接続する配線電極とが基板に設け
    られた基体を具備する記録ヘッドにおいて、前記基体の
    配線電極の接続端面が、電気熱変換素子表面の法線に対
    して30度以上75度以下の角度を有して形成されてい
    ることを特徴とする記録ヘッド。
  5. 【請求項5】  基体の配線電極の側面が、電気熱変換
    素子表面の法線に対して30度以上75度以下の角度を
    有して形成されていることを特徴とする請求項4記載の
    記録ヘッド。
  6. 【請求項6】  基体の機能素子群の電極の側面が、電
    気熱変換素子表面の法線に対して30度以上75度以下
    の角度を有して形成されていることを特徴とする請求項
    4または5記載の記録ヘッド。
  7. 【請求項7】  インクを吐出するための複数の吐出口
    を有するインク吐出部を有するとともに、該インク吐出
    部に供給されたインクを吐出するために利用される熱エ
    ネルギーを発生する電気熱変換素子群と、該電気熱変換
    素子群のそれぞれに電気的に接続された電気熱変換素子
    駆動用の機能素子群と、前記電気熱変換素子群および機
    能素子群のそれぞれを接続する配線電極とが基板に設け
    られた基体を具備する記録ヘッドと、前記吐出口から吐
    出されたインクによって記録がなされる被記録部材を前
    記記録ヘッドのインク吐出部に対向して搬送する搬送手
    段とを有するインクジェット記録装置において、前記基
    体の配線電極の接続端面が、前記電気熱変換素子表面の
    法線に対して30度以上75度以下の角度を有して形成
    されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】  基体の配線電極の側面が、電気熱変換
    素子表面の法線に対して30度以上75度以下の角度を
    有して形成されていることを特徴とする請求項7記載の
    インクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】  基体の機能素子群の電極の側面が、電
    気熱変換素子表面の法線に対して30度以上75度以下
    の角度を有して形成されていることを特徴とする請求項
    7または8記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】  記録ヘッドは、最大被記録部材の全
    幅にわたって吐出口が複数形成されたフルラインタイプ
    であることを特徴とする請求項7、8または9記載のイ
    ンクジェット記録装置。
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