JP2846501B2 - 記録ヘッド用基体および記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

記録ヘッド用基体および記録ヘッドの製造方法

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JP2846501B2
JP2846501B2 JP11523891A JP11523891A JP2846501B2 JP 2846501 B2 JP2846501 B2 JP 2846501B2 JP 11523891 A JP11523891 A JP 11523891A JP 11523891 A JP11523891 A JP 11523891A JP 2846501 B2 JP2846501 B2 JP 2846501B2
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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
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    • B41J2/14088Structure of heating means
    • B41J2/14112Resistive element
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/13Heads having an integrated circuit

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録ヘッド用基体の製
造方法および記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【背景技術の説明】近年、インクジェット記録装置は、
複写機,ファクシミリ,ワードプロセッサおよびホスト
コンピュータの出力用プリンタやビデオ出力プリンタな
どに使用され始めている。
【0003】図17は、インクジェット記録装置に用い
られるインクジェット記録ヘッドの構成を示す概略構成
図である。
【0004】インクジェット記録ヘッド800 は、シリコ
ンなどからなる基板801 と、電気熱変換素子アレイを構
成する複数の電気熱変換素子802 と、電気熱変換素子80
2 と電気熱変換素子802 の駆動用機能素子(不図示)と
をそれぞれ接続する配線電極803 と、電気熱変換素子80
2 を隔絶する複数のノズル壁803 と、ノズル壁803 を介
して基板801 と互いに対向するよう設けられた天板804
とを有し、前記駆動用機能素子で配線電極803 を介して
電気熱変換素子802 に通電し電気熱変換素子802 上のイ
ンクを加熱することにより発生する発泡のエネルギーを
利用して、インク液滴を吐出口808 から吐出させるもの
である。なお、前記インクは供給管805およびコネクタ8
06 を介して不図示のインクタンクから共通液室807 に
供給され、毛管現象によりノズル(基板801 とノズル壁
803 と天板804 とで囲まれた各空間)に供給される。
【0005】しかし、このインクジェット記録ヘッド80
0 では、前記駆動用機能素子は基板801 の外部に配置さ
れ、電気熱変換素子802 と前記駆動用機能素子との接続
は、配線電極803 と前記駆動用機能素子とをフレキシブ
ルケーブルやワイヤードボンディングなどによって接続
することにより行われているため、インクジェット記録
ヘッドの構造の簡易化,製造工程で生ずる不良の低減
化,各素子の特性の均一化および再現性の向上について
若干問題がある。そこで、本出願人は、この問題を解決
するため、電気熱変換素子と駆動用機能素子とを同一基
板上に設けたインクジェット記録ヘッドを特開昭57ー
72867号公報において提案した。
【0006】図18は、特開昭57ー72867号公報
において提案した構成によるインクジェット記録ヘッド
用基体の一部分の縦構造を示す模式図である。
【0007】このインクジェット記録ヘッド用基体900
は、電気熱変換素子である発熱部920 と駆動用機能素子
であるバイポーラトランジスタ930 とをP型シリコン基
板901 上に形成したものである。
【0008】ここで、バイポーラトランジスタ930 は、
N型コレクタ埋込領域902 およびN型コレクタ埋込領域
902 を介してP型シリコン基板901 上に形成された2つ
の高濃度N型コレクタ領域911 と、N型コレクタ埋込領
域902 およびP型ベース領域905 を介して高濃度N型コ
レクタ領域911 の内側に形成された2つの高濃度P型ベ
ース領域908 と、N型コレクタ埋込領域902 およびP型
ベース領域905 を介して高濃度P型ベース領域908 に挟
まれて形成された高濃度N型エミッタ領域910とにより
NPNトランジスタの構造を有するが、高濃度N型コレ
クタ領域911 と高濃度P型ベース領域908 とがコレクタ
・ベース共通電極912 により接続されることによりダイ
オードとして動作する。また、バイポーラトランジスタ
930 に隣接して、素子分離領域としてのP型アイソレー
ション埋込領域903 ,P型アイソレーション領域906 お
よび高濃度P型アイソレーション領域909 が順次形成さ
れている。また、発熱抵抗層923 が、N型エピタキシャ
ル領域904 ,蓄熱層921 および層間膜922 を介してP型
シリコン基板901 上に形成されており、発熱抵抗層923
上に形成された配線電極924 が切断されることにより、
発熱部920 が構成されている。なお、インクジェット記
録ヘッド用基体900 の上面は第1の保護膜925 で覆われ
ており、また、バイポーラトランジスタ930 の高濃度N
型エミッタ領域910 から発熱部920 側の第1の保護膜92
5 は、第2の保護膜926 で覆われている。このような構
造を有するインクジェット記録ヘッド用基体900 は、公
知のフォトリソグラフィによる半導体製造プロセスで製
造することができる。
【0009】図19(A)〜(E)はそれぞれ、フォト
リソグラフィにより発熱部920 における配線電極の材料
層824 のエッチングを行うときの過程を示す模式図であ
る。発熱抵抗層923 上全面に配線電極の材料層824 を形
成し、配線電極の材料層824 上全面にマスク用フォトレ
ジスト1000を塗布し、マスクを用いてマスク用フォトレ
ジスト1000を露光したのち、マスク用フォトレジスト10
00を現像することにより、配線電極の材料層824 をエッ
チングする部分のマスク用フォトレジスト1000を除去す
る(同図(A))。その後、配線電極用エッチング液で
配線電極の材料層824 をエッチングすることにより、マ
スク用フォトレジスト1000が除去された部分の配線電極
の材料層824 が徐々にエッチングされて、配線電極の材
料層824 が切断されて、配線電極924 が形成される(同
図(B)〜(D))。配線電極924 が形成されたのち、
残っているマスク用フォトレジスト1000が除去される
(同図(E))。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たインクジェット記録ヘッド用基体900 は、発熱部920
において形成された配線電極924 のエッジ部9241が、図
19(E)に示すようにほとんど垂直に近い形状を有す
るため、以下に示すような問題が生じる。
【0011】(1)発熱部920 に熱エネルギーを発生さ
せるため、高濃度N型エミッタ領域910 から配線電極92
4 に電流を流すと、発熱部920 における配線電極924 か
ら発熱抵抗層923 への電流の流れは、図20に矢印で示
すように、エッジ部9241の下方に集中する。すなわち、
一実験結果によると、エッジ部9241の下方における電流
密度は8.2×107 A/cm2 に達し、配線電極924
内の電流密度1.7×106 A/cm2 および発熱部92
0 における発熱抵抗層923 の中央部における電流密度
1.03×107 A/cm2 に比較して異常に大きな値
となる。その結果、エッジ部9241の下方における電流密
度の集中が発熱抵抗層923 の一部切断を招きインクジェ
ット記録ヘッドの寿命を決定することが判明した。
【0012】(2)発熱部920 におけるステップカバレ
ージをよくするには、第1の保護膜925 の厚さをたとえ
ば1.0μm程度とする必要があるため、第1の保護膜
925が発熱部920 で発生した熱エネルギーがインクへ伝
わる際の熱抵抗として介在し、発熱抵抗層923 の駆動電
力を大きくしなければならず、かつ熱伝導遅延による周
波数特性の劣化を招いており、インクジェット記録ヘッ
ドの低消費電力化および高性能化を妨げる一因となって
いた。
【0013】本発明の目的は、耐久性に優れかつ低消費
電力化および高性能化が図れる記録ヘッド用基体および
記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の記録ヘッド用基
体の製造方法は、フォトリソグラフィにより、複数の電
気熱変換素子と、該各電気熱変換素子をそれぞれ駆動す
る複数の駆動用機能素子と、該各駆動用機能素子と前記
各電気熱変換素子とをそれぞれ接続する複数の配線電極
とを基板に形成する記録ヘッド用基体の製造方法におい
て、テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドロオキサイ
ドを主成分とするアルカリ性溶液を用いて、前記配線電
極の材料層のマスク用フォトレジストをエッチング後退
させながら前記配線電極の材料層をエッチングして前記
配線電極を形成する。
【0015】ここで、アルカリ性溶液のテトラ・メチル
・アンモニウム・ハイドロオキサイドの濃度が1.5〜
3.0%であってもよいし、配線電極の材料層がアルミ
ニウム層であってもよい。
【0016】本発明の記録ヘッドの製造方法は、フォト
リソグラフィにより、複数の電気熱変換素子、該各電気
熱変換素子をそれぞれ駆動する複数の駆動用機能素子、
および該各駆動用機能素子と前記各電気熱変換素子とを
それぞれ接続する複数の配線電極を基板に形成して記録
ヘッド用基体を作成する基体作成工程と、インクを吐出
するための複数の吐出口を有するインク吐出部を前記記
録ヘッド用基体上に作成するインク吐出部作成工程とを
含む記録ヘッドの製造方法において、前記基体作成工程
が、テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドロオキサイ
ドを主成分とするアルカリ性溶液を用いて、前記配線電
極の材料層のマスク用フォトレジストをエッチング後退
させながら前記配線電極の材料層をエッチングして前記
配線電極を形成する配線電極エッチング工程を含む。
【0017】ここで、アルカリ性溶液のテトラ・メチル
・アンモニウム・ハイドロオキサイドの濃度が1.5〜
3.0%であってもよいし、配線電極の材料層がアルミ
ニウム層であってもよい。
【0018】
【作用】本発明の記録ヘッド用基体の製造方法は、テト
ラ・メチル・アンモニウム・ハイドロオキサイドを主成
分とするアルカリ性溶液を用いて、配線電極の材料層の
マスク用フォトレジストをエッチング後退させながら配
線電極の材料層をエッチングすることにより、マスク用
フォトレジストが後退する領域における配線電極の材料
層のエッチング量をほぼ直線的に変化させることができ
るため、形成された配線電極のエッジ部の形状を直線状
のテーパーとすることができる。
【0019】また、本発明の記録ヘッドの製造方法は、
基体作成工程が、テトラ・メチル・アンモニウム・ハイ
ドロオキサイドを主成分とするアルカリ性溶液を用い
て、配線電極の材料層のマスク用フォトレジストをエッ
チング後退させながら配線電極の材料層をエッチングし
て配線電極を形成する配線電極エッチング工程を含むこ
とにより、耐久性に優れた記録ヘッドを製造することが
できる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明について詳
細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定され
ることはなく、本発明の目的が達成され得るものであれ
ばよい。
【0021】図1(A)〜(E)はそれぞれ、本発明の
記録ヘッド用基体の製造方法の第1の実施例を説明する
ための配線電極の材料層34がエッチングされる過程を
示す模式図である。
【0022】発熱抵抗層23上全面にアルミニウムから
なる配線電極の材料層34を形成し、配線電極の材料層
34上全面にマスク用フォトレジスト100 (ポジ型)を
厚さ1.2μmだけ塗布し、マスクを用いてマスク用フ
ォトレジスト100 を露光したのち、マスク用フォトレジ
スト100 を現像することにより、配線電極の材料層34
をエッチングする部分のマスク用フォトレジスト100 を
除去する(同図(A))。その後、配線電極の材料層3
4とマスク用フォトレジスト100 との密着性向上および
マスク用フォトレジスト100 中の溶媒などを除却するた
め、ベークを125℃で225秒行ったのち、配線電極
の材料層34のエッチング動作を開始する。ここで、ア
ルミからなる配線電極24のエッチングに用いる配線電
極(アルミ)用エッチング液としては、リン酸(H3
4),硝酸(HNO3)および酢酸(CH3COOH)
の混合液が一般的に知られているが、この混合液ではマ
スク用フォトレジスト100 をエッチングすることができ
ない。そこで、アルミは両性金属でありアルカリ可溶で
あること、また、アルカリ可溶性フェノール樹脂とナフ
トキノンジアジドとの混合物で代表されるポジ型のマス
ク用フォトレジスト100 も基本的には強いアルカリ水溶
液に溶けることから、本実施例では、テトラ・メチル・
アンモニウム・ハイドロオキサイド(以下、「TMA
H」と称する。)を主成分とするアルカリ性溶液を使用
して配線電極の材料層34のエッチングを行う。前記ア
ルカリ性溶液を用いて配線電極の材料層34のエッチン
グを開始した時点では、配線電極の材料層34のみが主
にエッチングされる(同図(B))が、時間が経過する
につれてマスク用フォトレジスト100 もエッチングされ
るため、マスク用フォトレジスト100 がエッチング後退
されながら配線電極の材料層34がエッチングされる
(同図(C))。したがって、マスク用フォトレジスト
100 が後退した領域における配線電極の材料層34のエ
ッチング量はほぼ直線的に変化するため、配線電極の材
料層34のエッチング動作が終了して配線電極24が形
成されたときには、同図(D)に示すように、配線電極
24のエッジ部241の形状は直線状のテーパーとな
る。以上のようにして配線電極24の形成が終了する
と、残っているマスク用フォトレジスト100 を除去する
(同図(E))。なお、34℃に加熱した前記アルカリ
性溶液を用いて10分間配線電極の材料層34のエッチ
ングを行った一実験結果では、マスク用フォトレジスト
100 のエッチング後退量(パターン寸法シフト量)は約
1.3μmであり、図2(A)に示す配線電極24のエ
ッジ部241 のテーパーの角度(配線電極24の表面の
法線に対する角度)θは約65度であった。
【0023】また、図1に示すようにして配線電極の材
料層34をエッチングすると、形成された配線電極24
の両側面(紙面の手前および後方側の面)242 の形状
も、図2(B)に示すように、直線状のテーパーとな
る。
【0024】図3は、図1に示した製造方法により製造
したインクジェット記録ヘッド用基体40の一部分の縦
構造を示す模式図である。
【0025】このインクジェット記録ヘッド用基体40
が図18に示したインクジェット記録ヘッド用基体900
と異なる点は、配線電極24のエッジ部241 および両
側面242 の形状が直線状のテーパーとなっていること
と、コレクタ・ベース共通電極12,エミッタ電極13
およびアイソレーション電極14のエッジ部,両側面の
形状も、図4(A),(B)にそれぞれ示すように、直
線状のテーパーとなっていることである。
【0026】したがって、このインクジェット記録ヘッ
ド用基体40では、発熱部20における電流の流れは、
図5に示すように、配線電極24のエッジ部241 の下
方に集中することがない。たとえば、一実験結果による
と、配線電極24のエッジ部241 の下方における電流
密度をエッジ部241 の形状がほぼ垂直なときの8.2
×107 A/cm2 から2.6×107 A/cm2 にま
で低減することができる。その結果、発熱抵抗層23の
一部切断を防止することができるため、たとえばインク
ジェット記録ヘッド用基体40を用いてインクジェット
記録ヘッドを構成した一実験結果によると、インクジェ
ット記録ヘッドの耐久性を7×107 パルスから1×1
9 パルスにまで大幅に延ばすことができた。
【0027】また、第1の保護膜25(図3参照)にお
けるステップカバレージ性も極めて良好にすることがで
きるため、第1の保護膜25の厚さをエッジ部241
形状がほぼ垂直なときよりも薄く(たとえば、1.0μ
mから0.6μm)することができた。その結果、発熱
部20で発生した熱エネルギーを効率的にかつ高速にイ
ンクに伝達することができるとともに、第1の保護膜2
5を形成する装置のスループットを約2倍にすることが
できた。
【0028】次に、図3に示したインクジェット記録ヘ
ッド用基体40の製造工程について説明する。
【0029】図6に示すように、P型シリコン基板1
(不純物濃度1×1012〜1×1016cmー3程度)の表
面に、8000Å程度のシリコン酸化膜を形成したの
ち、各セル(各バイポーラトランジスタ30)のN型コ
レクタ埋込領域2を形成する部分のシリコン酸化膜をフ
ォトリソグラフィーにより除去した。シリコン酸化膜を
形成したのち、N型不純物(たとえば、P,Asなど)
をイオン注入し、熱拡散により不純物濃度1×1018
ー3以上のN型コレクタ埋込領域2を厚さ2〜6μmほ
ど形成し、シート抵抗が30Ω/□以下の低抵抗となる
ようにした。続いて、P型アイソレーション埋込領域3
を形成する領域のシリコン酸化膜を除去し、1000Å
程度のシリコン酸化膜を形成したのち、P型不純物(た
とえば、Bなど)をイオン注入し、熱拡散により不純物
濃度1×1015〜1×1017cmー3以上のP型アイソレ
ーション埋込領域3を形成した。
【0030】図7に示すように、全面のシリコン酸化膜
を除去したのち、N型エピタキシャル領域4(不純物濃
度1×1013〜1×1015cmー3程度)を厚さ5〜20
μmほどエピタキシャル成長させた。
【0031】図8に示すように、N型エピタキシャル領
域4の表面に1000Å程度のシリコン酸化膜を形成
し、レジストを塗布し、パターニングを行い、低濃度の
P型ベース領域5を形成する部分にのみP型不純物をイ
オン注入した。レジスト除去後、熱拡散によって低濃度
のP型ベース領域5(不純物濃度5×1014〜5×10
17cmー3程度)を厚さ5〜10μmほど形成した。その
後、再びシリコン酸化膜を全面除去し、8000Å程度
のシリコン酸化膜を形成したのち、P型アイソレーショ
ン領域6を形成する部分のシリコン酸化膜を除去し、B
SG膜を全面にCVD法を用いて堆積し、さらに、熱拡
散によって、P型アイソレーション埋込領域3に届くよ
うに、P型アイソレーション領域6(不純物濃度1×1
18〜1×1020cmー3程度)を厚さ10μmほど形成
した。このとき、BBr3 を拡散源として用いてP型ア
イソレーション領域6を形成することも可能である。
【0032】図9に示すように、BSG膜を除去し、8
000Å程度のシリコン酸化膜を形成し、さらに、N型
コレクタ領域7を形成する部分のみシリコン酸化膜を除
去したのち、N型の固相拡散およびリンイオンを注入し
あるいは熱拡散によって、N型コレクタ埋込領域2に届
きかつシート抵抗が10Ω/□以下の低抵抗となるよう
にN型コレクタ領域7(不純物濃度1×1018〜1×1
20cmー3程度)を厚さ10μmほど形成した。続い
て、12500Å程度のシリコン酸化膜を形成し、蓄熱
層21(図10参照)を形成したのち、セル領域のシリ
コン酸化膜を選択的に除去し、2000Å程度のシリコ
ン酸化膜を形成した。レジストパターニングを行い、高
濃度ベース領域8および高濃度アイソレーション領域9
を形成する部分にのみP型不純物の注入を行った。レジ
ストを除去したのち、高濃度N型エミッタ領域10およ
び高濃度N型コレク領域11を形成する部分のシリコン
酸化膜を除去し、熱酸化膜を全面に形成し、N型不純物
を注入して、熱拡散によって高濃度N型エミッタ領域1
0および高濃度N型コレク領域11を同時に形成した。
なお、高濃度N型エミッタ領域10および高濃度N型コ
レク領域11の厚さは1.0μm以下、不純物濃度は1
×1018〜1×1020cmー3程度とした。
【0033】次に、図10に示すように、一部電極の接
続箇所のシリコン酸化膜を除去したのち、Al(アルミ
ニウム)を全面堆積して、コレクタ・ベース共通電極1
2,エミッタ電極13およびアイソレーション電極14
の領域以外のAlを除去した。このとき、コレクタ・ベ
ース共通電極12,エミッタ電極13およびアイソレー
ション電極14のエッジ部,両側面の形状が垂直ではな
く、法線に対して30度〜75度の角度になるように、
図1に示したようにレジストをエッチング後退させなが
らAlをエッチングした。
【0034】続いて、図11に示すように、スパッタリ
ング法により蓄熱層としての機能も有する層間膜22と
なるSiO2 膜を全面に0.6〜1.0μmほど形成し
た。SiO2 膜はCVD法によるものであってもよい。
また、SiO2 膜に限らずSiO膜またはSiON膜で
あってもよい。その後、電気的接続をとるために、エミ
ッタ電極13およびコレクタ・ベース共通電極12の上
部にあたる層間膜22の一部をフォトリソグラフィによ
り開口し、スルーホールTHを形成した。
【0035】次に、図12に示すように、エミッタ電極
13およびコレクタ・ベース共通電極12上と層間膜2
2(SiO2 膜)上とに、発熱抵抗層23としてスルー
ホールTHを通してHfB2 を1000Åほど堆積し
た。発熱抵抗層23上に、電気熱変換素子の一対の配線
電極24(ダイオードのカソード配線電極に相当)およ
びダイオードのアノード配線電極15を形成するための
配線電極の材料層であるAl層を約5000Åほど堆積
したのち、配線電極24のエッジ部241 および両側面
の形状が垂直ではなく、法線に対して30度〜75度の
角度になるように、図1に示したようにマスク用フォト
レジストをエッチング後退させながらAlをエッチング
した。
【0036】その後、図13に示すように、スパッタリ
ング法またはCVD法により、電気熱変換素子の保護層
およびAl層間の絶縁層としての第1の保護膜25(S
iO2 膜)を約6000Åほど堆積したのち、耐キャビ
テーションのための第2の保護膜26としてTaを電気
熱変換体の発熱部20上部に約2000Åほど堆積し
た。このようにして作成された電気熱変換素子,Taお
よびSiO2 膜を部分的に除去し、ボンディング用のパ
ッドPを形成した。なお、第1の保護膜25はSiO2
以外にSiONまたはSiNでもよい。
【0037】次に、図3に示したインクジェット記録ヘ
ッド用基体40の駆動用機能素子であるバイポーラトラ
ンジスタ30の基本動作について、図14を用いて説明
する。
【0038】バイポーラトランジスタ30では、コレク
タ・ベース共通電極12がダイオードのアノード電極に
対応し、エミッタ電極13がダイオードのカソード電極
に対応している。すなわち、コレクタ・ベース共通電極
12に正電位のバイアスVH1を印加することにより、セ
ル内のNPNトランジスタがターンオンし、バイアス電
流がコレクタ電流およびベース電流としてエミッタ電極
13から流出する。また、ベースとコレクタとを短絡し
た構成にした結果、電気熱変換素子の熱の立上がりおよ
び立下がり特性が良好となり膜沸騰現象の生起、それに
伴う気泡の成長収縮の制御性がよくなり安定したインク
の吐出を行うことができる。これは、熱エネルギーを利
用するインクジェット記録ヘッドではトランジスタの特
性と膜沸騰の特性との結び付きが深く、トランジスタに
おける少数キャリアの蓄積が少ないためスイッチング特
性が速く立上がり特性がよくなることが予想以上に大き
く影響しているものと考えられる。また、比較的寄生効
果が少なく、素子間のバラツキがなく、安定した駆動電
流が得られるものでもある。さらに、アイソレーション
電極14を接地することにより、隣接する他のセルへの
電荷の流入を防ぐことができ、他の素子の誤動作という
問題を防ぐことができる。
【0039】このような半導体装置においては、N型コ
レクタ埋込領域2の濃度を1×1018cmー3以上とする
こと、ベース領域5の濃度を5×1014〜5×1017
ー3とすること、さらには、高濃度ベース領域8と電極
との接合面の面積をなるべく小さくすることが望まし
い。このようにすれば、NPNトランジスタからP型シ
リコン基板1およびアイソレーション領域を経てグラン
ドにおちる漏れ電流の発生を防止することができる。
【0040】図14には、2つのダイオードセルSH
1,SH2が示されているだけであるが、実際には、こ
のような駆動用機能素子がたとえば128個の電気熱変
換素子に対応して同数等間隔に配置され、ブロック駆動
が可能なように電気的にマトリックス接続されている。
ここでは、説明の簡単のため、同一グループに2つのセ
グメントとしての電気熱変換素子RH1,RH2の駆動
について説明する。
【0041】電気熱変換素子RH1を駆動するために
は、まずスイッチング信号G1によりグループの選択が
なされるとともに、スイッチング信号S1により電気熱
変換素子RH1が選択される。すると、トランジスタ構
成のダイオードセルSH1は正バイアスされ、電流が供
給されて電気熱変換素子RH1は発熱する。この熱エネ
ルギーが液体(インク)に状態変化を生起させて気泡を
発生させ、吐出口より液体を吐出させる。同様に、電気
熱変換素子RH2を駆動する場合にも、スイッチング信
号G1およびスイッチング信号S2により電気熱変換素
子RH2を選択して、ダイオードセルSH2を駆動して
電気熱変換素子RH2に電流を供給する。このとき、P
型シリコン基板1はアイソレーション領域を介して接地
されている。このように各半導体素子(セル)のアイソ
レーション領域が接地されることにより各半導体素子間
の電気的な干渉による誤動作を防止している。
【0042】次に、本発明の記録ヘッドの製造方法の一
実施例について説明する。
【0043】図3に示したインクジェット記録ヘッド用
基体40を有する、図17に示したような構造をもつイ
ンクジェット記録ヘッドを製造するためには、配線電極
の材料層34のマスク用フォトレジスト100をエッチ
ング後退させながら配線電極の材料層34をエッチング
する図1に示した配線電極エッチング工程を有する、図
6から図13に示した基体作成工程に続いて、インクを
吐出するための複数の吐出口を有するインク吐出部を前
記記録ヘッド用基体上に作成するインク吐出部作成工程
(図15に示すように、インクジェット記録ヘッド用基
体40上に、吐出口208 を形成するための複数のノズル
壁(図17参照)および天板204 を設ける工程)や、天
板204 にコネクタ(図17参照)を設ける工程などを追
加すればよい。
【0044】このようにして製造したインクジェット記
録ヘッドについて、電気熱変換素子をブロック駆動し、
記録,動作試験を行った。動作試験では、一つのセグメ
ントに8個の半導体ダイオードを接続し、各半導体ダイ
オードに300mA(計2.4A)の電流を流したが、
他の半導体ダイオードは誤動作せず、良好な吐出を行う
ことができた。また、上記インクジェット記録ヘッドは
熱伝達効率がよいため、駆動電力が従来の80%です
み、かつ高周波応答性に優れたものであった。さらに、
寿命,均一性に関しても優れた特性が得られた。
【0045】表1に、配線電極24のエッジ部241
直線状のテーパーの角度θを変えてインクジェット記録
ヘッドの耐久試験を行ったときの評価結果の一例を示
す。
【0046】
【表1】 この評価結果から、配線電極24のエッジ部241 の直
線状のテーパーの角度θを30度から75度の間にする
ことにより、インクジェット記録ヘッドの耐久性が向上
することがわかった。
【0047】また、表2に、TMAHを主成分とするア
ルカリ性溶液のTMAH濃度と、配線電極24のエッジ
部241 のテーパーの角度θとの関係を調べた一実験結
果を示す。
【0048】
【表2】 表2に示した実験結果より、TMAHを主成分とするア
ルカリ性溶液のTMAH濃度を変えることにより、配線
電極24のエッジ部241 のテーパーの角度θを所望の
角度に設定することができるとともに、TMAHを主成
分とするアルカリ性溶液のTMAH濃度を1.5〜3.
0%とすることにより、配線電極24のエッジ部241
のテーパーの角度θを30度から75度の間にすること
ができることがわかった。
【0049】次に、本発明の記録ヘッド用基体の製造方
法の第2の実施例について説明する。
【0050】図1に示した実施例では、配線電極24の
両側面242(図2(B)参照)の形状も直線状のテー
パーとしたが、発熱部20における電流密度の低減のみ
を達成するためには、配線電極24の両側面242 の形
状は、図16(B),(C)にそれぞれ示すようにほぼ
垂直のままであってもよい。
【0051】この場合には、配線電極24を形成するた
めの配線電極の材料層34のエッチングと、配線電極2
4のエッジ部241 の形状を直線状のテーパーとするた
めの配線電極24のエッジ部241 のエッチングとを分
けて行えばよい。すなわち、まず、配線電極の材料層3
4全面上にレジストを塗布し、従来のウエットエッチン
グ法またはCl系のガスによるRIEなどによるドライ
エッチング法を用いて配線電極の材料層34をエッチン
グすることにより、配線電極24を形成する。このと
き、配線電極24の両側面の形状は従来と同様にほぼ垂
直となる。その後、図16(A)に示すように、配線電
極の材料層34のマスク用フォトレジスト50で発熱部
20以外を覆ったのち、図1に示した方法により配線電
極24をエッチングして、同図(B),(C)に示すよ
うに、配線電極24のエッジ部241 の形状を直線状の
テーパーとする。
【0052】以上の説明においては、インクジェット記
録ヘッド用基体およびインクジェット記録ヘッドについ
て説明したが、本発明により製造される記録ヘッド用基
体および記録ヘッドは、たとえば、サーマルヘッド用基
体およびサーマルヘッドにも応用できるものである。ま
た、図3に示した発熱抵抗層23を構成する材料として
は、Ta,ZrB2,Ti−W,Ni −Cr,Ta−A
l,Ta−Si,Ta−Mo,Ta−W,Ta−Cu,
Ta−Ni,Ta−Ni−Al,Ta−Mo−Al,T
a−Mo−Ni,Ta−W−Ni,Ta−Si−Al,
Ta−W−Al−Niなどがある。
【0053】図21は、本発明の記録ヘッドの製造方法
により製造したインクジェット記録ヘッド(以下、「記
録ヘッド」と称する。)510 が搭載されたインクジェッ
ト記録装置700 の一構成例を示す概略構成図である。
【0054】記録ヘッド510 は、駆動モータ701 の正逆
回転に連動して駆動力伝達ギア702,703 を介して回転
するリードスクリュー704 の螺旋溝721 に対して係合す
るキャリッジ720 上に搭載されており、駆動モータ701
の動力によってキャリッジ720 とともにガイド719 に沿
って矢印a,b方向に往復移動される。図示しない記録
媒体給送装置によってプラテン706 上に搬送される記録
用紙P用の紙押え板705 は、キャリッジ移動方向にわた
って記録用紙Pをプラテン706 に対して押圧する。
【0055】フォトカプラ707,708は、キャリッジ720
のレバー709 のこの域での存在を確認して駆動モータ70
1 の回転方向切換などを行うためのホームポジション検
知手段である。支持部材710 は、前述の記録ヘッド510
の全面をキャップするキャップ部材711 を支持する。ま
た、吸引手段712 は、前記キャップ部材711 内を吸引
し、キャップ内開口713 を介して記録ヘッド510の吸引
回復を行う。移動部材715 はクリーニングブレード714
を前後方向に移動可能にするものである。移動部材715
およびクリーニングブレード714 は本体支持板716 によ
り支持されている。クリーニングブレード714 は、この
形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用で
きることはいうまでもない。また、吸引回復の吸引を開
始するためのレバー717 は、キャリッジ720 と係合する
カム718 の移動に伴って移動し、駆動モータ701 からの
駆動力がクラッチ切換などの公知の伝達手段で移動制御
される。記録ヘッド510 に設けられた発熱部に信号を付
与したり、前述した各機構の駆動制御を司ったりする印
字制御部は、装置本体側に設けられている(不図示)。
【0056】上述のような構成のインクジェット記録装
置700 は、前記記録媒体給送装置によってプラテン706
上に搬送される記録用紙Pに対し、記録ヘッド510 が記
録用紙Pの全幅にわたって往復移動しながら記録を行う
ものであり、記録ヘッド510は、前述したような方法で
製造したものを用いているため、高精度で高速な記録が
可能である。
【0057】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でもキヤノン(株)の提唱する、熱エネルギーを利用し
てインクを吐出する方式のインクジェット記録ヘッド
(以下、「記録ヘッド」と称する。)およびインクジェ
ット記録装置(以下、「記録装置」と称する。)におい
て、優れた効果をもたらすものである。
【0058】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明
細書に開示されている基本的な原理を用いて行なうもの
が好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コン
ティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、
オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持され
ているシートや液路に対応して配置されている電気熱変
換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な
温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加する
ことによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこ
の駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の気泡を形
成出来るので有効である。この気泡の成長、収縮により
吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少な
くとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状
とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるの
で、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成で
き、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4,463,359号明細書、同第4,345,262号明
細書に記載されているようなものが適している。なお、
上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4,
313,124号明細書に記載されている条件を採用すると、
さらに優れた記録を行なうことができる。
【0059】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4,558,333号明細書、米国特許第4,45
9,600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるもので
ある。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通する
スリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する
特開昭59年第123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸
収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭
59年第138461号公報に基づいた構成としても本発明は有
効である。
【0060】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満
たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0061】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0062】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段などを付加することは本発明の効果を一層安定化で
きるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリー
ニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体ある
いはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせ
による予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐
出モードを行なうことも安定した記録を行なうために有
効である。
【0063】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラーまたは、混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0064】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化もしくは液体あるい
は、上述のインクジェットではインク自体を30℃以上
70℃以下の範囲内で温度調整を行なってインクの粘性
を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的
であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなす
ものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギーによ
る昇温をインクの固形状態から液体状態への態変化のエ
ネルギーとして使用せしめることで防止するかまたは、
インクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するイン
クを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録
信号に応じた付与によってインクが液化してインク液状
として吐出するものや記録媒体に到達する時点ではすで
に固化し始めるものなどのような、熱エネルギーによっ
て初めて液化する性質のインク使用も本発明には適用可
能である。このような場合インクは、特開昭54-56847号
公報あるいは特開昭60-71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は次に示す
効果がある。
【0066】請求項1乃至請求項3記載の発明は、配線
電極の材料層のマスク用フォトレジストをエッチング後
退させながら配線電極の材料層をエッチングして配線電
極を形成することにより、配線電極のエッジ部の形状を
直線状のテーパーにすることができるため、発熱部にお
ける電流密度の集中を防止することができるとともに、
発熱部におけるステップカバレージを向上させることが
できる。
【0067】請求項4乃至請求項6記載の発明は、基体
作成工程が、配線電極の材料層のマスク用フォトレジス
トをエッチング後退させながら配線電極の材料層をエッ
チングして配線電極を形成する配線電極エッチング工程
を含むことにより、耐久性に優れかつ低消費電力化およ
び高性能化が図れる記録ヘッドを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録ヘッド用基体の製造方法の第1の
実施例を説明するための配線電極の材料層がエッチング
される過程を示す模式図であり、(A)は配線電極の材
料層をエッチングする前の状態を示す図、(B)〜
(D)は配線電極の材料層をエッチングする途中の状態
を示す図、(E)は配線電極の材料層をエッチングが終
わったときの状態を示す図である。
【図2】形成された配線電極の形状を示す図であり、
(A)は(B)のAーA線に沿う断面図、(B)は平面
図である。
【図3】図1に示した製造方法により製造したインクジ
ェット記録ヘッド用基体の一部分の縦構造を示す模式図
である。
【図4】図3に示したコレクタ・ベース共通電極,エミ
ッタ電極およびアイソレーション電極のエッジ部,両側
面の形状を示す図であり、(A)は(B)のAーA線に
沿う断面図、(B)は平面図である。
【図5】図3に示した発熱部における電流の流れを示す
図である。
【図6】図3に示したインクジェット記録ヘッド用基体
の製造工程を示す図である。
【図7】図3に示したインクジェット記録ヘッド用基体
の製造工程を示す図である。
【図8】図3に示したインクジェット記録ヘッド用基体
の製造工程を示す図である。
【図9】図3に示したインクジェット記録ヘッド用基体
の製造工程を示す図である。
【図10】図3に示したインクジェット記録ヘッド用基
体の製造工程を示す図である。
【図11】図3に示したインクジェット記録ヘッド用基
体の製造工程を示す図である。
【図12】図3に示したインクジェット記録ヘッド用基
体の製造工程を示す図である。
【図13】図3に示したインクジェット記録ヘッド用基
体の製造工程を示す図である。
【図14】図3に示したインクジェット記録ヘッド用基
体の駆動用機能素子であるバイポーラトランジスタの基
本動作を説明するための図である。
【図15】本発明による記録ヘッドの製造方法を説明す
る為の模式的断面図である。
【図16】本発明の記録ヘッド用基体の製造方法の第2
の実施例を示す図であり、(A)は配線電極の材料層を
エッチングする前の状態を示す図、(B)は配線電極の
材料層をエッチングしたあとの状態を示す(C)のAー
A線に沿う断面図、(C)は配線電極の材料層をエッチ
ングしたあとの状態を示す平面図である。
【図17】インクジェット記録装置に用いられるインク
ジェット記録ヘッドの構成を示す概略構成図である。
【図18】特開昭57ー72867号公報において提案
した構成によるインクジェット記録ヘッド用基体の一部
分の縦構造を示す模式図である。
【図19】フォトリソグラフィにより発熱部における配
線電極の材料層のエッチングを行うときの過程を示す模
式図であり、(A)は配線電極の材料層をエッチングす
る前の状態を示す図、(B)〜(D)は配線電極の材料
層をエッチングする途中の状態を示す図、(E)は配線
電極の材料層のエッチングが終わったときの状態を示す
図である。
【図20】図18に示したインクジェット記録ヘッド用
基体の問題点を説明するための図である。
【図21】本発明の記録ヘッドの製造方法により製造し
たインクジェット記録ヘッドが搭載されたインクジェッ
ト記録装置の一構成例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 P型シリコン基板 2 N型コレクタ埋込領域 3 P型アイソレーション埋込領域 4 N型エピタキシャル領域 5 P型ベース領域 6 P型アイソレーション領域 7 N型コレクタ領域 8 高濃度P型ベース領域 9 高濃度P型アイソレーション領域 10 高濃度N型エミッタ領域 11 高濃度N型コレクタ領域 12 コレクタ・ベース共通電極 13 エミッタ電極 14 アイソレーション電極 15 アノード配線電極 20 発熱部 21 蓄熱層 22 層間膜 23 発熱抵抗層 24 配線電極 241 エッジ部 242 側面 25 第1の保護膜 26 第2の保護膜 30 バイポーラトランジスタ 34 配線電極の材料層 40 インクジェット記録ヘッド用基体 50,100 マスク用フォトレジスト 204 天板 208 吐出口 TH スルーホール P パッド RH1,RH2 電気熱変換素子 SH1,SH2 ダイオードセル S1,S2 スイッチ信号 G1 スイッチング信号 VH1 バイアス

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトリソグラフィにより、複数の電気
    熱変換素子と、該各電気熱変換素子をそれぞれ駆動する
    複数の駆動用機能素子と、該各駆動用機能素子と前記各
    電気熱変換素子とをそれぞれ接続する複数の配線電極と
    を基板に形成する記録ヘッド用基体の製造方法におい
    て、テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドロオキサイ
    ドを主成分とするアルカリ性溶液を用いて、前記配線電
    極の材料層のマスク用フォトレジストをエッチング後退
    させながら前記配線電極の材料層をエッチングして前記
    配線電極を形成することを特徴とする記録ヘッド用基体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ性溶液のテトラ・メチル・アン
    モニウム・ハイドロオキサイドの濃度が1.5〜3.0
    %である請求項1記載の記録ヘッド用基体の製造方法。
  3. 【請求項3】 配線電極の材料層がアルミニウム層であ
    る請求項1または請求項2記載の記録ヘッド用基体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 フォトリソグラフィにより、複数の電気
    熱変換素子、該各電気熱変換素子をそれぞれ駆動する複
    数の駆動用機能素子、および該各駆動用機能素子と前記
    各電気熱変換素子とをそれぞれ接続する複数の配線電極
    を基板に形成して記録ヘッド用基体を作成する基体作成
    工程と、インクを吐出するための複数の吐出口を有する
    インク吐出部を前記記録ヘッド用基体上に作成するイン
    ク吐出部作成工程とを含む記録ヘッドの製造方法におい
    て、前記基体作成工程が、テトラ・メチル・アンモニウ
    ム・ハイドロオキサイドを主成分とするアルカリ性溶液
    を用いて、前記配線電極の材料層のマスク用フォトレジ
    ストをエッチング後退させながら前記配線電極の材料層
    をエッチングして前記配線電極を形成する配線電極エッ
    チング工程を含むことを特徴とする記録ヘッドの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 アルカリ性溶液のテトラ・メチル・アン
    モニウム・ハイドロオキサイドの濃度が1.5〜3.0
    %である請求項4記載の記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 配線電極の材料層がアルミニウム層であ
    る請求項4または請求項5記載の記録ヘッド用基体の製
    造方法。
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