JP3046641B2 - インクジェット記録ヘッド用基体の製造方法およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド用基体の製造方法およびインクジェット記録ヘッドの製造方法

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JP3046641B2
JP3046641B2 JP11524191A JP11524191A JP3046641B2 JP 3046641 B2 JP3046641 B2 JP 3046641B2 JP 11524191 A JP11524191 A JP 11524191A JP 11524191 A JP11524191 A JP 11524191A JP 3046641 B2 JP3046641 B2 JP 3046641B2
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    • B41J2202/13Heads having an integrated circuit

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録ヘ
ッド用基体の製造方法およびインクジェット記録ヘッド
の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術の説明】従来、記録ヘッドの構成は電気熱変
換素子アレイを単結晶シリコン基板上に形成し、この電
気熱変換素子の駆動回路としてシリコン基板外部にトラ
ンジスタアレイ等の電気熱変換素子駆動用機能素子を配
置し、電気熱変換素子とトランジスタアレイ間の接続を
フレキシブルケーブルやワイヤードボンディング等によ
って行う構成としていた。
【0003】上述した記録ヘッド構成に対して考慮され
る構造の簡易化、あるいは製造工程で生ずる不良の低減
化、さらには各素子の特性の均一化および再現性の向上
を目的として、特開昭57−72867号公報において
提案されているような電気熱変換素子と機能素子を同一
基体に設けた記録ヘッドを有するインクジェット記録装
置が知られている。
【0004】図20は上述した構成による記録ヘッドの
基体の一例を示す断面図である。
【0005】901は単結晶シリコンからなる半導体基
板である。902はN型半導体のコレクタ領域、903
は高不純物濃度のN型半導体のオーミックコンタクト領
域、904はP型半導体のベース領域、905は高不純
物濃度N型半導体のエミッタ領域であり、これらでバイ
ポーラトランジスタ920を形成している。906は蓄
熱層および層間絶縁層としての酸化シリコン層からなる
層間膜、907は発熱抵抗体層、908はアルミニウム
(Al)電極、909は酸化シリコン層からなる保護層
であり、以上で記録ヘッド用の基体930を形成してい
る。ここでは910が発熱部となる。この基体930上
に天板、液路が形成されて記録ヘッドを構成する。
【0006】ところで、上述した様な構造が優れている
とはいえ、近年記録装置に対して強く要求される高速駆
動化、省エネルギー化、高集積化、低コスト化、高信頼
性を満足する為には未だ改善の余地がある。
【0007】まず第1に、商業的な成功を収める為に
は、高信頼性を有する記録ヘッドを低価格で提供しなけ
ればならない。その為には、従来記録ヘッドの寿命を決
定する抵抗体露出端部に改良をほどこす必要があった。
【0008】つまり従来の記録ヘッドは、ウエット処理
によってAl等からなる電極908の配線材を除去した
場合はAlが等方的に除去され、図21に示す様な発熱
部形状を有していた。図21は発熱部910を拡大した
図である。またRIE等ドライエッチングによりAl電
極908を除去すると、更にAl側面は垂直に立ってし
まう。この場合、発熱部910を駆動すると、電圧を印
加することにより図20中の801A,801Bに示す
如く駆動電流が流れる。この駆動電流801A,801
Bの電流密度は図21に示す発熱抵抗体層露出端部Aあ
るいはBにおいて8.2×107 A/cm2 に達する。こ
の値は、Al電極908内の電流密度が1.7×106
A/cm2 、発熱抵抗体層907の中央部Cにおける電流
密度1.03×107 A/cm2 に比較して異常に大きな
値である。発熱抵抗体層露出端部AあるいはBにおける
この電流密度の集中が発熱抵抗体層907の一部を切断
することが、記録ヘッドの寿命を決定することが判明し
た。
【0009】そこで、本発明者は、発熱抵抗体層907
の露出端部における電流密度の集中を緩和することが記
録ヘッドの寿命を延ばし、且つ、記録ヘッドの均一性を
生むものであると確信した。
【0010】また、従来のAl電極908の端部940
が垂直に近く立っているがゆえに、ステップカバレージ
を良くするため層間膜906および保護膜909の厚さ
をそれぞれ1.25μm、1.0μm程度の厚さが必要
であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の記録ヘ
ッドは下記のような問題点を有している。
【0012】つまり、1.25μmもの厚い層間膜90
6は、装置のスループットをいちじるしく劣化させるた
め、低コスト化のネックになっていた。
【0013】また1.0μmもの厚い保護膜909は発
熱部910で発生した熱がインクへ伝わる際の熱抵抗と
して界在し、抵抗体の駆動電力を大きくする必要があ
り、且つ熱電導遅延により周波数特性を劣化させてい
た。
【0014】つまり、この厚い保護膜909があるた
め、従来、記録ヘッドの高性能化、低消費電力化が立ち
遅れていた。
【0015】本発明は、上記従来の技術が有する問題点
に鑑みてなされたもので、上下部層とのステップカバレ
ージ性を維持し且つ薄膜化を図ることにより、低価格化
および信頼性の向上が可能なインクジェット記録ヘッド
用基体、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェッ
ト記録装置ならびにインクジェット記録ヘッド用基体お
よびインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供するこ
とを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、フォト
リソグラフィにより、電気熱変換素子群と、該電気熱変
換素子群の電気熱変換素子をそれぞれ駆動する電気熱変
換素子駆動用の機能素子群と、該機能素子群の各機能素
子と前記電気熱変換素子とをそれぞれ接続するための配
線電極群とを基板に形成する、インクジェット記録ヘッ
ド用基体の製造方法において、前記配線電極群の各配線
電極の接続端面を、配線電極用エッチング液とマスク用
フォトレジストエッチング用のトリ・メチル・アンモニ
ウム・ハイドロオキサイド水溶液とを交互に用いてマス
ク用フォトレジストをエッチング後退させながら配線電
極の材料層のエッチングを行なう配線電極群エッチング
工程を有するところにある。
【0017】そして、配線電極群エッチング工程にて、
配線電極群の各配線電極の接続端面とともに側面を同時
に形成することが好ましい。
【0018】また、配線電極の材料がアルミニウムであ
る場合がある。
【0019】また、本発明の他の特徴は、フォトリソグ
ラフィにより、電気熱変換素子群、該電気熱変換素子群
の電気熱変換素子をそれぞれ駆動する電気熱変換素子駆
動用の機能素子群、および該機能素子群の各機能素子と
前記電気熱変換素子とをそれぞれ接続するための配線電
極群を基板に形成して基体を作成する基体作成工程と、
インクを吐出するための複数の吐出口を有するインク吐
出部を前記基体上に作成するインク吐出部作成工程とを
含むインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前
記基体作成工程が、前記配線電極群の各配線電極の接続
端面を、配線電極用エッチング液とマスク用フォトレジ
ストエッチング用のトリ・メチル・アンモニウム・ハイ
ドロオキサイド水溶液とを交互に用いてマスク用フォト
レジストをエッチング後退させながら配線電極の材料層
のエッチングを行なう配線電極群エッチング工程を含む
ところにある。
【0020】なお、この場合も、配線電極群エッチング
工程にて、配線電極群の各配線電極の接続端面とともに
側面を同時に形成することが好ましく、また、配線電極
の材料がアルミニウムであってもよい。
【0021】
【作用】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
によると、機能素子と電気熱変換素子とを接続するため
の配線電極の接続端面を、段差を含むなどの所望の形状
に容易に高精度に形成することができ、電気熱変換素子
を長寿命で均一な特性を示すようにし、保護膜のステッ
プカバレージを向上させ保護膜の薄膜化を可能とするこ
とで、低消費電力化および周波数応答性の向上に対応可
能にしている。
【0022】本発明のインクジェット記録ヘッドは、前
述のインクジェット記録ヘッド用基体を用いており、電
気熱変換素子が発した熱がインクに伝わる際の熱抵抗と
して介在する保護膜の薄膜化が可能であるので、前記電
気熱変換素子の駆動電力の低減および周波数特性の向上
が図れる。
【0023】本発明のインクジェット記録装置は、前述
のインクジェット記録ヘッドを用いているので、記録の
高速化および電力の低消費化が可能となる。
【0024】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体
およびインクジェット記録ヘッドの製造方法は、配線電
極群の各配線電極の接続端面を、配線電極用エッチング
液とマスク用フォトレジストエッチング用のトリ・メチ
ル・アンモニウム・ハイドロオキサイド水溶液とを交互
に用いてマスク用フォトレジストをエッチング後退させ
ながら配線電極の材料層のエッチングを行なうことによ
って、段差を含むなどの所望の形状に容易かつ高精度に
形成することができ、これにより、上述したように、接
続端部の電流密度集中の緩和および保護膜の薄膜化を可
能にするとともに駆動電力の低減および周波数特性の向
上が図れる。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明について詳
細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるこ
とはなく、本発明の目的が達成され得るものであればよ
い。
【0026】図1は、本発明による、記録ヘッド用基板
上に形成したインクジェット記録ヘッド用の基体100
の模式的断面図である。
【0027】本実施例の基体100は、前述の従来のも
のと同様な、P型ベース領域5、8、N型コレクタ埋込
み領域7およびN型エミッタ領域10,11とのNPN
トランジスタからなる機能素子を有するP型シリコン基
板1を、配線電極であるコレクタ・ベース共通電極1
2、エミッタ電極13およびアイソレーション電極14
が形成された、酸化膜等からなる蓄熱層101で覆い、
さらに、その上層にPCVD法やスパッタリング法によ
って酸化シリコン膜などからなる層間膜102を形成し
たものである。
【0028】前記各電極12,13,14は、アルミニ
ウム等からなり、図2の(a),(b)に示すように、
端面および側壁、すなわち側面全体が階段状に形成され
ている(14は図示せず)。各電極12,13,14を
形成するAlは側面に段差を有するため、層間膜102
のステップカバレージ性が非常に優れたものとなり、層
間膜102を従来に比較して蓄熱効果を失わない範囲で
薄く形成することができる。また、層間膜102を部分
的に開孔して、コレクタ・ベース共通電極12、エミッ
タ電極13およびアイソレーション電極14と電気的に
接続し、かつ層間膜102上で電気的に配線を形成する
ためのAlなどの、配線電極である配線104が設置さ
れる。すなわち、層間膜102を部分的に開孔したのち
に、スパッタリング法によるHfB2 などの発熱抵抗層
103と、蒸着法あるいはスパッタリング法によるAl
などの配線104で構成された電気熱変換素子である発
熱部110が設けられている。
【0029】該発熱部110の拡大図を図3の(a),
(b)に示す。
【0030】この発熱部110を構成する配線104に
ついても、前記電極と同様に端面および長手方向の側壁
が階段状に形成されている。
【0031】発熱抵抗層103を構成する材料として
は、Ta,ZrB2,Ti−W,Ni−Cr,Ta−A
l,Ta−Si,Ta−Mo,Ta−W,Ta−Cu,
Ta−Ni,Ta−Ni−Al,Ta−Mo−Al,T
a−Mo−Ni,Ta−W−Ni,Ta−Si−Al,
Ta−W−Al−Niなどがある。
【0032】さらに、発熱部110上には、スパッタリ
ング法またはCVD法によって、図1に示すように、S
iO2 ,SiN,SiONなどの保護膜105およびT
aなどの保護膜106が設けられている。
【0033】ここで、前述したように、配線104はそ
の端面および側壁が階段状に形成されているため、保護
膜105のカバレージ性は極めて良好であり、従来の1
0000Åの膜厚を6000Åに薄くすることができ、
発熱部110で発生する熱を効率的に、かつ高速に伝達
することができる。また、保護膜堆積装置のスループッ
トを約2倍にすることができた。さらには、図4に示す
ように、前述したような発熱抵抗層103端部の駆動電
流401A,401Bの集中を、従来の8.2×107
A/cm2 から3.2×107 A/cm2 まで低減すること
ができ、耐久性も向上させることが可能となった。
【0034】次に、上述した構成による機能素子の基本
動作について、図5を参照して説明する。
【0035】図5は、図1に示した基体100の発熱部
110の駆動方法を説明するための模式図である。
【0036】本実施例では、図1および図5に示すよう
に、コレクタ・ベース共通電極12がダイオードのアノ
ード電極に対応し、エミッタ電極13がダイオードのカ
ソード電極に対応している。すなわち、コレクタ・ベー
ス共通電極12に正電位のバイアス(VH1)を印加する
ことにより、セル(SH1,SH2)内のNPNトラン
ジスタがターンオンし、バイアス電流がコレクタ電流お
よびベース電流としてエミッタ電極13から流出する。
また、ベースとコレクタとを短絡した構成にした結果、
発熱部110に相当する電気熱変換素子(RH1,RH
2)の熱が立上がりおよび立下がり特性が良好となり膜
沸騰現象の生起、それに伴う気泡の成長収縮の制御性が
よくなり安定したインクの吐出を行うことができた。こ
れは、熱エネルギーを利用するインクジェット記録ヘッ
ドではトランジスタの特性と膜沸騰の特性との結び付き
が深く、トランジスタにおける少数キャリアの蓄積が少
ないためスイッチング特性が速く、立上がり特性がよく
なることが予想以上に大きく影響しているものと考えら
れる。また、比較的寄生効果が少なく、素子間のバラツ
キがなく、安定した駆動電流が得られるものでもある。
【0037】本実施例においては、さらに、アイソレー
ション電極14を接地することにより、隣接する他のセ
ルへの電荷の流入を防ぐことができ、他の素子の誤動作
という問題を防ぐことができる構成となっている。
【0038】このような半導体装置においては、N型コ
レクタ埋込み領域2の濃度を1×1018cm-3以上とする
こと、P型ベース領域5の濃度を5×1014〜5×10
17cm-3 とすること、さらには、高濃度ベース領域8と
コレクタ・ベース共通電極12との接合面の面積をなる
べく小さくすることが望ましい。このようにすれば、N
PNトランジスタからP型シリコン基板1およびアイソ
レーション領域を経てグランドにおちる漏れ電流の発生
を防止することができる。
【0039】上記発熱部110の駆動方法についてさら
に詳述する。
【0040】図5には、2つの半導体機能素子(セル)
SH1,SH2が示されているだけであるが、実際に
は、このような機能素子が、たとえば前記発熱部110
に相当する128個の電気熱変換素子に対応して同数等
間隔に配置され、ブロック駆動が可能なように電気的に
マトリックス接続されている。ここでは、説明の簡単化
のため、同一グループに2つのセグメントとしての電気
熱変換素子RH1,RH2の駆動について説明する。
【0041】電気熱変換素子RH1を駆動するために
は、まずスイッチング信号G1によりグループの選択が
なされるとともに、スイッチング信号S1により電気熱
変換素子RH1が選択される。すると、トランジスタ構
成の機能素子セルSH1は正バイアスされ電流が供給さ
れて電気熱変換素子RH1は発熱する。この熱エネルギ
ーが液体に状態変化を生起させて、気泡を発生させ吐出
口より液体を吐出する。同様に、電気熱変換素子RH2
を駆動する場合でも、スイッチング信号G1およびスイ
ッチング信号S2により電気熱変換素子RH2を選択し
て、機能素子セルSH2を駆動し電気熱変換素子RH2
に電流を供給する。
【0042】このとき、P型シリコン基板1はアイソレ
ーション領域3,6,9を介して設置されている。この
ようい各半導体機能素子(セル)のアイソレーション領
域3,6,9設置されることにより各半導体機能素子間
の電気的な干渉による誤動作を防止している。
【0043】こうして構成された基体100は、図6に
示すように、複数の吐出口500に連通する液路505
を形成するための感光性樹脂などからなる液路壁部材5
01と、インク供給口503を有する天板502とが取
り付けられて、記録ヘッド600となる。この記録ヘッ
ド600は、インク供給口503から注入される記録液
が内部の共通液室504へ蓄えられて各液路505へ供
給され、その状態で発熱部110を駆動することで、吐
出口500から記録液の吐出がなされる。
【0044】次に、本実施例に係る記録ヘッド600の
製造工程について図7ないし図15を参照して説明す
る。
【0045】(1)P型シリコン基板1(不純物濃度1
×1012〜1×1016cm-3程度)の表面に、8000Å
程度のシリコン酸化膜を形成したのち、各セルのN型コ
レクタ埋込み領域2を形成する部分のシリコン酸化膜を
フォトリソグラフィー工程で除去した。シリコン酸化膜
を形成したのち、N型の不純物(たとえば、P,Asな
ど)をイオン注入し、熱拡散により不純物濃度1×10
18cm-3以上のN型コレクタ埋込み領域2を厚さ2〜6μ
mほど形成し、シート抵抗が30Ω/口以下の低抵抗と
なるようにした。
【0046】続いて、P型アイソレーション埋込み領域
3を形成すべき領域の酸化膜を除去し、1000 程度
の酸化膜を形成したのち、P型の不純物(たとえば、B
など)をイオン注入し、熱拡散により不純物濃度1×1
15〜1×1017cm-3以上のP型アイソレーション埋込
み領域3を形成した(以上図7)。
【0047】(2)全面のシリコン酸化膜を除去したの
ち、N型エピタキシャル領域4(不純物濃度1×1013
〜1×1015cm-3程度)を厚さ5〜20μmほどエピタ
キシャル成長させた(以上図8)。
【0048】(3)N型エピタキシャル領域4の表面に
1000 程度のシリコン酸化膜を形成し、レジストを
塗布し、パターニグを行い低濃度P型ベース領域5を形
成する部分にのみP型不純物をイオン注入した。レジス
ト除去後、熱拡散によって低濃度のP型ベース領域5
(不純物濃度1×1014〜1×1017cm-3程度)を厚さ
5〜10μmほど形成した。その後、再び酸化膜を全面
除去し、8000Å程度のシリコン酸化膜を形成したの
ち、P型アイソレーション領域6を形成すべき部分の酸
化膜を除去し、BSG膜を全面にCVD法を用いて堆積
し、さらに、熱拡散によって、P型アイソレーション埋
込み領域3に届くように、P型アイソレーション領域6
(不純物濃度1×1018〜1×1020cm-3程度)を厚さ
10μmほど形成した(以上図9)。このとき、BBr
3 を拡散源としてP型アイソレーション領域6を形成す
ることも可能である。
【0049】(4)BSG膜を除去し、8000Å程度
のシリコン酸化膜を形成し、さらに、N型コレクタ領域
7を形成すべき部分のみ除去したのち、N型の固相拡散
およびリンイオンを注入しあるいは熱拡散によって、N
型コレクタ埋込み領域2に届きかつシート抵抗が10Ω
/口以下の低抵抗となるように厚さ10μmのN型コレ
クタ領域7(不純物濃度1×1018〜1×1020cm-3
度)を形成した。
【0050】続いて、12500Å程度のシリコン酸化
膜を形成し、蓄熱層101を形成した。その後、セル領
域の酸化膜を選択的に除去し、2000Å程度のシリコ
ン酸化膜を形成した。
【0051】次に、レジストパターニングを行い、高濃
度ベース領域8および高濃度P型アイソレーション領域
9を形成すべき部分にのみP型不純物の注入を行った。
レジストを除去したのち、N型エミッタ領域10および
高濃度N型コレクタ領域11を形成すべき領域の酸化膜
を除去し、熱酸化膜を全面に形成し、N型不純物を注入
して、熱拡散によってN型エミッタ領域10および高濃
度N型コレクタ領域11を同時に形成した。なお、N型
エミッタ領域10および高濃度N型コレクタ領域11の
厚さは1.0μm以下、不純物濃度1×1018〜1×1
20cm-3程度とした(以上図10)。
【0052】(5)さらに、一部電極の接続箇所のシリ
コン酸化膜を除去したのち、Alなどを配線電極の材料
層として全面堆積し、一部電極領域以外のAlなどを除
去した(以下図11)。このとき、アルミ電極のエッジ
部分を垂直ではなく、階段状となるように不要な部分を
エッチング除去するが、通常のウエットエッチングでは
アルミ電極のエッジ部分の形状は、前述の従来の技術で
参照した図21に示したようにほぼ垂直となるため、A
lと同時にレジストもエッチングすることにした。
【0053】ここで、Alの除去方法について図16を
参照して説明する。
【0054】全面に堆積したAl上にポジ型レジスト
(フォトレジスト)121を1.2μmの厚さで塗布
し、電極形成のためのパターニングを行う(図16の
(a))。次に、Al部のウエットエッチングを行う。
このとき使用するAlのエッチング液はリン酸(H3
4 ),硝酸(HNO3 )および酢酸(CH3 COO
H)の混合液がよく知られている。エッチング液温は3
0℃〜50℃で行った。また、Al部のエッチングは、
全Al膜厚の半分程度行う。このとき、Al部のエッチ
ングレートは、3000Å/min 程度であり、Al膜厚
の半分程度を、上記エッチングレートで割った値からエ
ッチング時間を算出した(図16の(b))。
【0055】次にポジ型レジスト121を後退させるた
めに、TMAH(トリメチルアンモニウムハイドロオキ
サイド)の水溶液に浸漬する。このときTMAH水溶液
濃度は、2〜3%であり、液温は30℃〜40℃であ
る。このときの後退量は、液温を変えることにより0.
5〜1.0μm/min の範囲で制御可能であった(図1
6の(c))。
【0056】次に、残りのAl部をエッチングする。こ
のときのエッチング液は、前述と同様である。また、エ
ッチングの終点は、ウエハ表面の反射率の変化により判
断する(図16の(d))。
【0057】次に、有機アミン系の剥離液を使用し、ポ
ジ型レジスト121を除去する(図16の(e))。
【0058】以上、述べたように、エッチング→レジス
ト後退→エッチングを繰返すことで、図16の(e)に
示すようにAl電極の端面および側壁、すなわち側面全
部を階段状に形成することができた。
【0059】(6)次に、スパッタリング法により蓄熱
層101としての機能を有する層間膜102となるSi
2 膜を全面に0.6〜1.0μmほど形成した。Si
2膜はCVD法によるものであってもよい。また、S
iO2 膜に限らずSiO膜またはSiON膜であっても
よい。
【0060】次に、電気的接続をとるために、エミッタ
領域10およびベース・コレクタ領域8,11の上部に
ある層間膜102の一部をフォトリソグラフィ法で開口
し、スルーホール(TH)を形成した(以上図12)。
【0061】(7)次に、発熱抵抗層103としてのH
fB2 を層間膜102上及び、電気的接続をとる為にエ
ミッタ領域10及びベース・コレクタ領域8,11上部
にあたるエミッタ電極13及びコレクタ・ベース共通電
極12上に、THを通して1000 程堆積させた。
【0062】(8)その上に発熱部110の一対の配線
104,104及びダイオードのカソード電極配線10
4、アノード電極配線109を形成するための、Al材
料からなる材料層を約5000Å堆積させ、Al及びH
fB2 をパターニングし、発熱部110とその他の接続
を行なう配線104とを同時に形成した。Alのパター
ニングは前記(5)の方法と同様である(以上図1
3)。
【0063】(9)スパッタリング法またはCVD法に
より、発熱部110の保護層およびAlの配線104間
の絶縁層としてのSiO2 膜の保護膜105を約600
0Åほど堆積したのち、耐キャビテーションのための保
護膜106としてTaを発熱部110の上部に約200
0Åほど堆積した。さらに、このようにして作成された
発熱部110、Taおよび保護膜105を部分的に除去
し、ボンディング用のパッドを107を形成した。な
お、保護膜105はSiO2 意外にSiONまたはSi
Nでもよい(以上図14)。
【0064】(10)上述のようにして形成した、半導
体機能素子を有する基体100に、吐出口500を形成
する為の液路壁部材501および天板502を配設し
て、それらの内部に液路505および共通液室504を
形成した記録ヘッド600を製造した(以上図15)。
【0065】このように製造した記録ヘッド600につ
いて、発熱部110をブロック駆動し、記録、動作試験
を行った。動作試験では、一つのセグメントに8個の半
導体ダイオードを接続し、各半導体ダイオードに300
mA(計2.4A)の電流を流したが、他の半導体ダイ
オードは誤動作せず、良好な吐出を行うことができた。
また、容器記録ヘッドは熱伝達効率がよいため、駆動電
力が従来の80%ですみ、かつ高周波応答性に優れたも
のである。さらに、寿命、均一性に関しても優れた特性
が得られた。
【0066】また、前述した工程(5),(8)に示す
とおりAlのエッチングを2回にわけて行うとき、その
1回目(1stエッチング)と2回目(2ndエッチン
グ)のエッチング膜厚を制御することにより、層間膜1
02のステップカバレージを最適に合わせこむことが可
能となった。その結果を表1に示す。
【0067】
【表1】 *ステップカバレージ:○−良,×−不良 上記表1からも明らかなように、層間膜102のステッ
プカバレージは1stエッチングと2ndエッチングと
で膜厚差が大きくない場合の方が良好である。
【0068】また、前記工程(5),(8)に示すAl
エッチングを行う時、Alエッチング→レジスト後退→
Alエッチング→レジスト後退→Alエッチングという
ように、Alのエッチングを2回以上行うことにより、
図17に示すように、形成されるAl端面および側壁の
段差数を多くすることができる。図17はAlエッチン
グを4回にわけて行ったときのAl配線104端面の断
面形状を示す。
【0069】これにより、層間膜102のステップカバ
レージをさらに良くすることが可能となった。
【0070】以上述べた構成の記録ヘッド600をイン
クジェット記録装置本体に装着して装置本体から記録ヘ
ッド600に信号を付与することにより、高速記録、高
画質記録を行うことができるインクジェット記録装置を
得ることができる。
【0071】ここで、本発明の記録ヘッドを用いたイン
クジェット記録装置について図18を参照して説明す
る。
【0072】図18は本発明が適用されるインクジェッ
ト記録装置700の一例を示す概観斜視図である。
【0073】記録ヘッド600は、駆動モータ701の
正逆回転に連動して駆動力伝達ギヤ702,703を介
して回転するリードスクリュー704の螺旋溝721に
対して係合するギヤリッジ720上に搭載されており、
前記駆動モータ701の動力によってギヤリッジ720
とともにガイド719に沿って矢印a,b方向に往復移
動される。705は、媒体給送装置(不図示)によって
プラテン706上に搬送される記録用紙Pの紙押え板で
あり、ギヤリッジ移動方向にわたって記録用紙Pをプラ
テン706に対して押圧する。707,708は、フォ
トカプラであり、ギヤリッジ720のレバー709の、
この域での存在を確認して駆動モータ701の回転方向
切換等を行うためのホームポジション検知手段である。
710は前述の記録ヘッド600の前面をキャップする
キャップ部材711を支持する支持部材で、712は前
記キャップ部材711内を吸引する吸引手段で、キャッ
プ内開口713を介して記録ヘッド600の吸引回復を
行う。714はクリーニングブレードで、715はこの
ブレードを前後方向に移動可能にする移動部材であり、
本体支持板716にこれらは支持されている。クリーニ
ングブレード714は、この形態でなく他の周知のクリ
ーニングブレードを適用できることはいうまでもない。
又、717は、吸引回復の吸引を開始するためのレバー
で、キャリッジ720と係合するカム718の移動に伴
って移動し、駆動モータ701からの駆動力がクラッチ
切換等の公知の伝達手段で移動制御される。前記記録ヘ
ッド600に設けられた発熱部110に信号を付与した
り、前述した各機構の駆動制御を司ったりする印字制御
部は、装置本体側に設けられている(不図示)。
【0074】上述のような構成のインクジェット記録装
置700は、前記媒体給送装置によってプラテン706
上に搬送される記録用紙Pに対し、記録ヘッド600が
前記記録用紙Pの全幅にわたって往復移動しながら記録
を行うものであり、記録ヘッド600は、前述したよう
な方法で製造したものを用いているため、高精度でかつ
高速な記録が可能である。
【0075】前述の記録ヘッド600における基体10
0の場合、Alからなる、配線104の接続端面および
側面と、機能素子の各電極の側面全面を階段状に形成し
たが、必ずしもそのような構成とする必要はない。電流
が流れる方向に対して垂直な面(配線104の場合、発
熱部110における接続端面)が階段状に形成されて
るだけでも効果的である。
【0076】このような階段状端面を形成する方法につ
いて、配線104の場合を例にし、図19の(a)〜
(e)を参照して説明する。
【0077】前述の基体100において、発熱抵抗層1
03としてのHfB2 と配線104としてAl材料から
なる層を堆積した後、2度の従来のフォトリソ工程のく
り返しで発熱抵抗層103と配線104を形成する
(a)。
【0078】このとき、配線104のエッチング法とし
ては従来より用いられているウエットエッチング法ある
いはCl系のガスによるRIE等によるドライエッチン
グ法がある。これらの手法により配線104の長手方向
の側面は、発熱抵抗層103表面に対しほぼ垂直な角度
を有するものとなる。
【0079】次に、従来の手法によりレジスト111,
111’で発熱部110に相当する領域以外を覆い
(b)、前述の記録ヘッド600の製造工程(5)で説
明したAl除去と同様にして、TMAH水溶液に浸漬さ
せながら、エッチングとレジスト後退を繰返して前記配
線104の発熱部110に相当する領域を剥離して発熱
部110を形成する(c)。このとき、配線104の、
発熱部110における2つの接続端面は、前述と同様に
階段状に形成され(d)、側面は、下層の発熱抵抗層1
03の表面に対してほぼ垂直な面とする(e)。
【0080】この方法は、前記機能素子の各電極に対し
ても同様に考えることができ、各電極の接続端面のみを
階段状に形成することができる。
【0081】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でもキャノン(株)が提唱している熱エネルギーを利
用してインクを吐出する方式の記録ヘッド、記録装置に
於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0082】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
にオンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持さ
れているシートや液路に対応して配置されている電気熱
変換素子に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換素子に熱エネルギーを発
生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果
的にこの駆動信号に一対一対対応し液体(インク)内の
気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させ
て、少なくとの一つの滴を形成する。この駆動信号をパ
ルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われ
るので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達
成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号とし
ては、米国特許第4463359号明細書、同第434
5262号明細書に記載されているようなものが適して
いる。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米
国特許第4313124号明細書に記載されている条件
を採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
【0083】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換素
子の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)
の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に記載された構成でもよい。
加えて、複数の電気熱変換素子に対して、共通するスリ
ットを電気熱変換素子の吐出部とする構成を開示する特
開昭59年第123670号公報や熱エネルギーの圧力
波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する
特開昭59年第138461号公報に基づいた構成とし
ても本発明は有効である。
【0084】更に、記録装置が記録できる最大記録用紙
の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドとしては、上述した明細書に開示されているような
複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満た
す構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでも良いが、本発明は、上述した効果を一
層有効に発揮することができる。
【0085】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0086】又、本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手
段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、クリーニング手段、加圧あるいは
吸引手段、電気熱交換素子あるいはこれとは別の加熱素
子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記
録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定
した記録を行うために有効である。
【0087】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみの記録モードだけでなく、記録ヘッドを
一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでもよ
いが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフルカラ
ーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有
効である。
【0088】以上説明した本発明の実施例においては、
インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で
固化するインクであって、室温で軟化もしくは液体とな
るもの、あるいは、インクジェットにおいて一般的に行
われている温度調整の温度範囲である30℃以上70℃
以下の温度範囲で軟化もしくは液体となるものでもよ
い。すなわち、使用記録信号付与ときにインクが液状を
なすものであれば良い。加えて、積極的に熱エネルギー
による昇温を、インクの固形状態から液体状態への態変
化のエネルギーとして使用せしめることで防止するか又
は、インクの蒸発防止を目的として放置状態で固化する
インクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの
記録信号に応じた付与によってインクが液化してインク
液状として吐出するものや記録用紙に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによ
って初めて液化する性質のインク使用も本発明には適用
可能である。このような場合インクは、特開昭54−5
6847号公報あるいは特開昭60−71260号公報
に記載されるような、多孔質シート凹部又は貫通孔に液
状又は固形物として保持された状態で、電気熱交換素子
に対して対向するような形態としても良い。本発明にお
いては、上述した各インクに対して最も有効なものは、
上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば下記
のような効果を奏する。
【0090】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体
によれば、配線電極の接続端面を、段差を含むなどの所
望の形状に容易かつ高精度に形成することができ、該配
線電極によって生ずる上、下部膜の凹凸をなだらかに形
成することができ、優れたステップカバレージを有する
ため、上、下部膜である保護膜、層間膜の薄膜化が可能
となった。
【0091】また、発熱部において配線電極と電気熱変
換素子とが階段状の接続端面で接触しているため、電気
熱変換素子端部の電流集中を大幅に緩和することができ
た。また、薄膜化を行うことにより熱伝導効率があがり
低消費電力且つ周波数応答性の良い記録ヘッドが安価に
実現できた。さらに、電流集中を緩和できたために、記
録ヘッドの寿命が伸び且つ均一な特性のものが得られる
様になった。
【0092】つまり高信頼性、高均一性の記録ヘッドを
低コストで得ることができた。
【0093】また、インクジェット記録装置において、
高速記録動作も達成できスイッチング特性が速く、立ち
上がり特性が向上し、寄生効果も少ない為、インクに好
適な熱エネルギーを付与することができ、記録動作の精
度が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体の一
例を示す模式的断面図である。
【図2】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体の電
極の一例を示す図であり、(a)はその断面図、(b)
は平面図である。
【図3】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体の発
熱部の一例を示す図であり、(a)はその断面図、
(b)は平面図である。
【図4】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体の発
熱部を流れる電流の一例を示す断面図である。
【図5】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体の動
作を説明するための断面図である。
【図6】本発明のインクジェット記録ヘッドの一例を示
す斜視図である。
【図7】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体およ
びインクジェット記録ヘッドの製造工程の一例を示す断
面図である。
【図8】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体およ
びインクジェット記録ヘッドの製造工程の一例を示す断
面図である。
【図9】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体およ
びインクジェット記録ヘッドの製造工程の一例を示す断
面図である。
【図10】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体お
よびインクジェット記録ヘッドの製造工程の一例を示す
断面図である。
【図11】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体お
よびインクジェット記録ヘッドの製造工程の一例を示す
断面図である。
【図12】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体お
よびインクジェット記録ヘッドの製造工程の一例を示す
断面図である。
【図13】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体お
よびインクジェット記録ヘッドの製造工程の一例を示す
断面図である。
【図14】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体お
よびインクジェット記録ヘッドの製造工程の一例を示す
断面図である。
【図15】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体お
よびインクジェット記録ヘッドの製造工程の一例を示す
断面図である。
【図16】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体の
電極の製造工程の一例を示す断面図である。
【図17】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体の
発熱部の他の例を示す断面図である。
【図18】本発明のインクジェット記録装置の一実施例
を示す斜視図である。
【図19】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体の
発熱部の製造工程の他の例を示す断面図である。
【図20】従来のインクジェット記録ヘッド用基体の一
例を示す断面図である。
【図21】従来のインクジェット記録ヘッド用基体の発
熱部に流れる電流を示す断面図である。
【符号の説明】
1 P型シリコン基板 2 N型コレクタ埋込み領域 3 P型アイソレーション埋込み領域 4 N型エピタキシャル領域 5 P型ベース領域 6 P型アイソレーション領域 7 N型コレクタ領域 8 高濃度P型ベース領域 9 高濃度P型アイソレーション領域 10 N型エミッタ領域 11 高濃度N型コレクタ領域 12 コレクタ・ベース共通電極 13 エミッタ電極 14 アイソレーション電極 100 基体 101 蓄熱層 102 層間膜 103 発熱抵抗層 104 配線 105,106 保護膜 107 ボンディング用パッド 109 アノード電極配線 110 発熱部 401 駆動電流 500 吐出口 501 液路壁部材 502 天板 503 インク供給口 504 共通液室 505 液路 600 インクジェット記録ヘッド 700 インクジェット記録装置 701 駆動モータ 702,703 駆動力伝達ギヤ 704 リードスクリュー 705 紙押え板 706 プラテン 707,708 フォトカプラ 709,717 レバー 710 支持部材 711 キャップ部材 712 吸引手段 713 キャップ内開口 714 クリーニングブレード 715 移動部材 716 本体支持板 718 カム 719 ガイド 720 キャリッジ 721 螺旋溝
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05 B41J 2/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトリソグラフィにより、電気熱変換
    素子群と、該電気熱変換素子群の電気熱変換素子をそれ
    ぞれ駆動する電気熱変換素子駆動用の機能素子群と、
    機能素子群の各機能素子と前記電気熱変換素子とをそれ
    ぞれ接続するための配線電極群とを基板に形成する、
    ンクジェット記録ヘッド用基体の製造方法において、前記配線電極群の各配線電極の接続端面を、配線電極用
    エッチング液とマスク用フォトレジストエッチング用の
    トリ・メチル・アンモニウム・ハイドロオキサイド水溶
    液とを交互に用いてマスク用フォトレジストをエッチン
    グ後退させながら配線電極の材料層のエッチングを行な
    う配線電極群エッチング工程を有することを特徴とする
    インクジェット記録ヘッド用基体の製造方法。
  2. 【請求項2】 配線電極群エッチング工程にて、配線電
    極群の各配線電極の接続端面とともに側面を同時に形成
    することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記
    録ヘッド用基体の製造方法。
  3. 【請求項3】 配線電極の材料がアルミニウムであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット
    記録ヘッド用基体の製造方法。
  4. 【請求項4】 フォトリソグラフィにより、電気熱変換
    素子群、該電気熱変換素子群の電気熱変換素子をそれぞ
    れ駆動する電気熱変換素子駆動用の機能素子群、および
    該機能素子群の各機能素子と前記電気熱変換素子とをそ
    れぞれ接続するための配線電極群を基板に形成して基体
    を作成する基体作成工程と、インクを吐出するための複
    数の吐出口を有するインク吐出部を前記基体上に作成す
    るインク吐出部作成工程とを含むインクジェット記録ヘ
    ッドの製造方法において、 前記基体作成工程が、前記配線電極群の各配線電極の接
    続端面を、配線電極用エッチング液とマスク用フォトレ
    ジストエッチング用のトリ・メチル・アンモニウム・ハ
    イドロオキサイド水溶液とを交互に用いてマスク用フォ
    トレジストをエッチング後退させながら配線電極の材料
    層のエッチングを行なう配線電極群エッチング工程を含
    むことを特徴とする、インクジェット記録ヘッドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 配線電極群エッチング工程にて、配線電
    極群の各配線電極の接続端面とともに側面を同時に形成
    することを特徴とする請求項4記載のインク ジェット記
    録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 配線電極の材料がアルミニウムであるこ
    とを特徴とする請求項4または5記載のインクジェット
    記録ヘッドの製造方法。
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