JP2761081B2 - 記録ヘッド,記録ヘッド用基板およびインクジェット記録装置 - Google Patents

記録ヘッド,記録ヘッド用基板およびインクジェット記録装置

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JP2761081B2 JP9540390A JP9540390A JP2761081B2 JP 2761081 B2 JP2761081 B2 JP 2761081B2 JP 9540390 A JP9540390 A JP 9540390A JP 9540390 A JP9540390 A JP 9540390A JP 2761081 B2 JP2761081 B2 JP 2761081B2
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    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/13Heads having an integrated circuit

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、複写機,ファクシミリ,ワードプロセッ
サ、ホストコンピュータの出力用端末としてのプリン
タ,ビデオ出力プリンタ等に用いられる記録装置の記録
ヘッド、該ヘッド用基板およびインクジェット記録装置
に関し、特に記録のためのエネルギとして利用される熱
エネルギを発生する電気熱変換素子とその駆動用機能素
子を同一基板上に形成した記録ヘッド、該ヘッド用基板
およびインクジェット記録装置に関する。
[従来の技術] 従来、記録ヘッドの構成は電気熱変換素子アレイを単
結晶シリコン基板上に形成し、この電気熱変換素子の駆
動回路としてシリコン基板外部にトランジスタアレイ,
ダイオードアレイ等の電気熱変換素子駆動用機能素子を
配置し、電気熱変換素子とトランジスタアレイ等機能素
子との間の接続をフレキシブルケーブルやワイヤーボン
ディング等によって行う構成としていた。
上述したヘッド構成に対して考慮される構造の簡易
化、あるいは製造工程で生ずる不良の低減化、さらには
各素子の特性の均一化および再現性の向上を目的とし、
特開昭57-72867号公報において提案されているような電
気熱変換素子と機能素子とを同一基板上に設けたインク
ジェット記録ヘッドが知られている。
第9図は上述した構成による記録ヘッドの一部分を示
す模式的な断面図である。901はエピタキシャル成長層
を含む単結晶シリコンからなる半導体基板である。902
はエピタキシャル成長によって形成されたN型半導体の
コレクタ領域、903は高不純物濃度のN型半導体のオー
ミックコンタクト領域、904はP型半導体のベース領
域、905は高不純物濃度N型半導体のエミッタ領域であ
り、これらでバイポーラトランジスタ920を形成してい
る。906は蓄熱層および絶縁層としての酸化シリコン
層、907は発熱抵抗体層としての硼化ハフニウム(Hf
B2)層、908はアルミニウム(Al)電極、909は保護層と
しての酸化シリコン層であり、以上で記録ヘッド用の基
体930を形成している。ここでは940は発熱部となる。天
板910は基体930と協働して液路950を画成している。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上述したような構造が優れているとはい
え、近年記録装置に対して強く要求される高速駆動化、
省エネルギ化、高集積化、低コスト化、高信頼性を満足
する為には未だ改善の余地がある。
すなわち、上述したような基体を記録ヘッド、例えば
記録液(インク)を吐出する為の吐出口と、吐出口に連
通する液路と、吐出口に対応して設けられた吐出エネル
ギー発生素子としての電気熱変換体とを有するインクジ
ェット記録ヘッドや熱転写記録、感熱記録等に用いられ
るサーマルヘッドに用いる場合には、上記原因による記
録ヘッドの大型化、高価格化、ひいては記録装置全体の
大型化、高価格化を有効に防止できるようにするのが強
く望まれている。
特にインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッド
においては、液体(インク)を用いる為に、半導体装置
において発生する熱により影響や、電気熱変換体の発熱
による影響等を十分考慮した上で、記録ヘッドの構成を
決定しなければならないことが、本発明者等の数多くの
実験により判明した。
[目的] 本発明は、上述した技術課題に鑑みてなされたもので
ある。
本発明の目的は、製造が比較的容易に行え、かつ、低
コストの記録ヘッド、該ヘッド用基板およびインクジェ
ット記録装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、特にエネルギー発生素子
および半導体素子を複数そなえた記録ヘッドにおいて、
各素子間のバラツキを抑え、それぞれ均一な素子からな
り良好な記録を行える記録ヘッド、該ヘッド用基板およ
びインクジェット記録装置を提供することである。
さらに、本発明の第3の目的は、集積度の高い、小型
化された記録ヘッドを提供することである。
本発明の第4の目的は、寄生PN接合構造による漏れ電
流を抑え、効率のよい記録ヘッド、該ヘッド用基板およ
びインクジェット記録装置を提供することである。
本発明の第5の目的は、特に素子を複数備えた装置に
おいて、隣接する素子への影響を防止し、誤動作するこ
とのない記録ヘッド、該ヘッド用基板およびインクジェ
ット記録装置を提供することである。
本発明の第6の目的は上述した技術的課題を解決し、
高速記録、高解像度記録が可能な記録ヘッド、記録ヘッ
ド用基板およびインクジェット記録装置を提供すること
にある。
本発明の第7の目的は、高集積化され信頼性の高い記
録ヘッドおよび記録ヘッド用基板を低価格で提供し、以
てインクジェット記録装置の低廉価に資することにあ
る。
[課題を解決するための手段] そのために、本発明は、インクを吐出する為の吐出口
を有する液吐出部と、該液吐出部に供給されたインクを
吐出する為に利用される熱エネルギを発生する為の電気
熱変換素子と該電気熱変換素子に電気的に接続されたト
ランジスタ素子とが設けられた基体と、を具備する記録
ヘッドにおいて、前記トランジスタ素子のベースとコレ
クタとが短絡された第1の配線電極と、前記基体に電気
的に接続された第2の配線電極と、前記電気熱変換素子
の電極の一方に接続された第3の配線電極と、を有し、
前記トランジスタ素子のエミッタと前記電気熱変換素子
の電極の他方とが電気的に接続され、かつ、前記トラン
ジスタのコレクタ領域が前記基体表面より熱拡散にて形
成されて成ることを特徴とする。
また、本発明は、熱エネルギを発生する為の電気熱変
換素子と、該電気熱変換素子に電気的に接続されたトラ
ンジスタ素子と、が同一基板に設けられた記録ヘッド用
基板において、前記トランジスタ素子のベースとコレク
タとが短絡された第1の配線電極と、前記基体に電気的
に接続された第2の配線電極と、前記電気熱変換素子の
電極の一方に接続された第3の配線電極と、を有し、前
記トランジスタ素子のエミッタと前記電気熱変換素子の
電極の他方とが電気的に接続され、かつ、前記トランジ
スタのコレクタ領域が前記基体表面より熱拡散にて形成
されてなることを特徴とする。
さらに、本発明インクジェット記録装置は、上記記録
ヘッドと、該ヘッドに対してインクを供給するための手
段と、前記記録ヘッドによる記録位置に記録媒体を搬送
する手段とを具えたことを特徴とする。
[作用] 本発明によれば、同一工程で記録ヘッドの基板内に複
数個の素子を作り込むことができるので、記録ヘッドを
低コストで高密度化、高性能化、小型化することが可能
となる。
さらに、本発明では、電気熱変換素子を駆動するトラ
ンジスタのコレクタとベースとを電気的に短絡化したの
で、複数のダイオードを形成するトランジスタに電流増
幅率のばらつきがあっても一定の電流増幅率の大きいダ
イオードに電流集中が生じることがなく、従ってエネル
ギー発生素子および半導体素子が破壊されることがな
い。
また、本発明によれば、トランジスタ素子と、電気熱
変換素子とを同一基板上に作り込むことができ、記録ヘ
ッドをより高密度化、高性能化、小型化することができ
る。更には、本発明の回路構成により、吐出応答性に優
れた、常に安定した液滴を高速で形成することができ
る。
[実施例] 以下、図面を参照しながら本発明について詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されることはな
く、本発明の目的が達成され得るものであればよい。
(実施例1) まず、電気熱変換素子とその駆動用機能素子としての
ダイオードとの接続、および電気熱変換素子の駆動につ
いて説明する。
第1図(a)は、本実施例に係る基板を、その配線部
を模式化して示す断面図、第1図(b)は所定数の電気
熱変換素子および機能素子を含む1ブロックの等価回路
図である。本実施例では、第2図(b)について後述す
るように、コレクタ・ベース共通電極10がダイオードの
アノードに対応し、エミッタ電極11がダイオードのカソ
ードに対応している。そして、電気熱変換素子(RH1,RH
2)の駆動時には、コレクタ・ベース共通電極10に接続
された電気熱変換素子に正電位のバイアス(VH1)を印
加することにより、セル内のNPNトランジスタがターン
オンし、バイアス電流がコレクタ電流およびベース電流
として、エミッタ電極13より流出する。
本例のようにベースとコレクタとを短絡した構成にし
た結果、電気熱変換素子の熱の立上がり、立ち下がり特
性が良好となり膜沸騰現象の生起、それに伴う気泡の成
長収縮の制御性がよくなり安定したインクの吐出を行う
ことが出来た。これは、熱エネルギを利用するインクジ
ェット記録ヘッドではトランジスタの特性と膜沸騰の特
性との結び付きが深く、トランジスタにおける少数キャ
リアの蓄積が少ないためスイツチング特性が速く立上が
り特性が良くなることが予想以上に大きく影響している
ものと考えられる。また、比較的寄生効果が少なく、素
子間のバラツキがなく、安定した駆動電流が得られるも
のでもある。本実施例については、更に、アイソレーシ
ョン電極12を接地することにより、隣接する他のセルへ
の電荷の流入を防ぐことができ、他の素子の誤動作とい
う問題を防ぐことができる構成となっている。
上記記録ヘッドの駆動方法についてさらに詳述する。
第1図(a)には2つの半導体機能素子(セル)が示さ
れているだけであるが、実際にはこのように素子が例え
ば128個の電気熱変換素子に対応して同数等配置されブ
ロック駆動可能なように電気的にマトリクス接続されて
いる(第1図(b)参照)。
ここでは同一グループにおける2つのセグメントとし
ての電気熱抵抗素子RH1,RH2の駆動について説明する。
電気熱変換素子RH1を駆動する為には、まずスイッチG
1によるグループの選択がなされると共にスイッチS1に
より電気熱変換体RH1が選択されて正電圧VH1が印加さ
れる。するとトランジスタ構成のダイオードセルSH1は
正バイアスされ電流がエミッタ電極11より流出する。か
くして電気熱変換体RH1が発熱し、この熱エネルギが液
体に状態変化を生起させて気泡を発生させ吐出口より液
体を吐出する。
同様に電気熱変換体RH2を駆動する場合も、スイッチG
1,スイッチS2を選択的にオンしてダイオードセルSH2を
駆動し電気熱変換体に電流を供給する。
この時基板1はアイソレーション領域3,7を介して接
地されている。このように各半導体素子(セル)のアイ
ソレーション領域3,7が接地されることにより各素子間
の電気的な干渉による誤動作を防止している。なお、配
線の形態としては、第1図(c)および(d)に示すよ
うなものであってもよい。
第2図(a)は概ね以上のような基板(ヒータボー
ド)100を用いて構成された記録ヘッドを示す。かかる
ヘッドは、図に示すように、複数の吐出口50、吐出口に
連通する液路を形成する為の感光性樹脂等からなる液路
壁部材51、天板52、インク供給口53とを有する。なお、
液路壁部材51と天板52とは樹脂モールド材を利用するこ
とにより一体化も可能である。
次に、基板およびその配線部についてさらに詳述す
る。
第2図(b)は、第1図(a)の構成による記録ヘッ
ド用基板およびその配線部の模式的断面図、すなわち第
2図(a)のE−E′線断面図である。
図において、1はP型シリコン基板、2は素子を構成
するN型コレクタ領域、3は素子分離の為のP型アイソ
レーション領域、4は素子を構成するP型ベース領域、
5は素子を構成するN型コレクタ領域、6は素子を構成
する高濃度P型ベース領域、7は素子分離の為の高濃度
P型アイソレーション領域、8は素子を構成するN型エ
ミッタ領域、9は素子を構成する高濃度N型コレクタ領
域、10はコレクタ・ベース共通電極、11はエミッタ電
極、12はアイソレーシヨン電極である。ここに、N型コ
レクタ領域2、P型ベース領域、N型エミッタ領域8に
よりNPNトランジスタが形成されており、コレクタ領域
が2,5,9により、エミッタ領域10とベース領域5,8とを完
全に包囲するように形成している。また、素子分離領域
として、P型アイソレーション領域3、高濃度P型アイ
ソレーション領域7によりアイソレーション領域が形成
されている。そして、上記セルを複数個、電気的にマト
リックス状に接続している。
本実施例の記録ヘッド100には、上述した駆動部を有
する基板上に熱酸化によるSiO2膜101、およびCVD法やス
パツタリング法による酸化Si膜等から成る蓄熱層102上
に、スパッタリング法によるHfB2等の発熱抵抗層103とA
l等の電極104とで構成された電気熱変換素子が設けられ
ている。
発熱抵抗層としては、ほかにもPt,Ta,ZrB2,Ti−W,Ni-
Cr,Ta-Al,Ta-Si,Ta-Mo,Ta−W,Ta-Cu,Ta-Ni,Ta-Ni-Al,Ta
-Mo-Ni,Ta-W-Ni,Ta-Si-Al,Ta-W-Al-Ni,Ti-Si,W,Ti,Ti
−N,Mo,Mo-Si,W−Si等を用いることができる。
更には電気熱変換素子の発熱部110上にはスパッタリ
ングまたはCVD法によるSiO2等の保護膜105およびTa等の
保護膜106が設けられている。
ここで蓄熱層102を形成するSiO2膜は駆動部の配線201
と203との間の層間絶縁膜と一体的に設けられている。
また、保護層105についても同様に配線201と202との間
の層間絶縁膜と一体化されている。
さらに、駆動部における最上部の配線202の上には耐
インク性に優れた絶縁膜として感光性ポリイミド等の有
機材料からなる保護層107が設けられている。
次に、第3図(a)〜(g)を用いて本実施例に係る
記録ヘッドの製造工程について説明する。
1×1012〜1016cm-3程度の不純物濃度のP型シリコ
ン基板1の表面に、5000〜20000Å程度のシリコン酸化
膜を形成した。
各セルのコレクタ領域2を形成するべき部分のシリコ
ン酸化膜をフォトリソグラフィー工程で除去した。
イオン注入ダメージ対策用のシリコン酸化膜を100〜3
000Å程度形成した後、N型の不純物、例えば、P,Asな
どをイオン注入し、熱拡散によりN型コレクタ領域2を
15〜20μm形成した。
次に、N型コレクタ領域表面に100〜300Å程度のシリ
コン酸化膜を形成し、レジストを塗布し、パターニング
を行い、低濃度ベース領域5を形成すべき領域にのみP
型不純物をイオン注入した。レジスト除去後、熱拡散に
よって、不純物濃度1×1013〜1×1015cm-3の低濃度P
型ベース領域5を5〜10μm形成した。(以上第3図
(a)) 再び酸化膜を全面除去し、さらに1000〜10000Å程
度のシリコン酸化膜を形成した後、P型アイソレーショ
ン領域3を形成すべき領域の酸化膜を除去し、BSG膜を
全面にCVD法を用いて堆積し、さらに熱拡散によって、
不純物濃度1×1018〜1020cm-3のP型アイソレーション
領域3を形成した。
BSG膜を除去した後1000〜10000Å程度のシリコン酸化
膜を形成し、さらに、N型コレクタ領域5を形成すべき
領域のみ酸化膜を除去した後、PSG膜を全面にCVD法を用
いて相積し、さらに、熱拡散によってN型コレクタ領域
3を厚さ約10μm形成した。(以上第3図(b)) 続いて、セル領域の酸化膜を除去後、100〜3000Å
のシリコン酸化膜を形成し、レジストパターニングを行
い、高濃度ベース領域6および高濃度アイソレーション
領域7を形成すべき領域にのみP型不純物のイオン注入
を行った。レジスト除去後、N型エミッタ領域8および
高濃度N型コレクタ領域9を形成すべき領域の酸化膜を
除去し、PSG膜を全面に形成し、続いて、熱拡散によっ
て、高濃度P型ベース領域6、高濃度P型アイソレーシ
ョン領域7、N型エミッタ領域8、高濃度N型コレクタ
領域9を同時に形成した。なお、それぞれ、領域の厚さ
は1.0μm以下とし、不純物濃度は1×1019〜1020cm-3
とした。(以上第3図(c)) さらにシリコン酸化膜101を形成した後、各電極の
接続箇所のシリコン酸化膜を除去し、pure Alを全面に
堆積し、電極領域以外のAl等を除去した。また、Alとシ
リコンとの接合性を高めるため、アロイ処理を行い、配
線部を形成した。
そして、アイソレーション領域7を介して基板1に電
気的に接続される配線203を形成した。次に、スパッタ
リング法により蓄熱層及び層間絶縁膜となるSiO2膜102
を全面に1.0μm程度形成した後、選択的に除去した。
このSiO2膜はCVD法によるものであってもよい。(以上
第3図(d)) 次に、発熱抵抗層103としてのHfB2を、1000Å程度
堆積させ、その上に電気熱変換素子の一対の電極104お
よびダイオードのアノード電極配線201、カソード電極
配線202としてのAl配線を堆積させ、パターニングし
た。(以上第3図(e)) その後、スパッタリング法により電気熱変換素子の
保護層および層Al配線間の絶縁層としてのSiO2膜105を
堆積させてコンタクトホールを形成した。カソード電極
配線202を形成し、電気熱変換体の発熱部上には耐キャ
ビテーションの為の保護層としTaを2000Å程堆積させ
た。更にはSiO2膜105、カソード電極配線202上に保護層
として感光性ポリイミドを形成した。(以上第3図
(f)) 以上のようにして作成された電気熱変換素子、半導
体素子を有する基体に、インク吐出部を形成する為の液
路壁部材および天板52を配設して、それらの内部にイン
ク液路を形成した記録ヘッドを製造した。(第3図
(g)) このような記録ヘッドについて、電気熱変換素子をマ
トリクス接続し、ブロック駆動して記録動作試験を行っ
た。動作試験では、1つのセグメントに8個の半導体ダ
イオードを接続し、それぞれ300mA(計2.4A)の電流を
流したが、他の半導体ダイオードは誤動作せず良好な吐
出を行うことができた。なお、本発明はPNPトランジス
タ構成にも適用できる。
(記録ヘッドを適用した装置の実施例) 第4図乃至第8図は、以上の構成の記録ヘッドが実施
もしくは適用されて好適なインクジェットユニットIJU,
インクジェットヘッドIJH,インクタンクIT,インクジェ
ットカートリッジIJC,インクジェット記録装置本体IJR
A,キャリッジHCのそれぞれ、およびそれぞれの関係を説
明するための説明図である。以下これらの図面を用いて
各部構成の説明を行う。
本例でのインクジェットカートリッジIJCは、第5図
の斜視図から明らかなように、インクの収納割合が大き
くなっているもので、インクタンクITの前方面よりもわ
ずかにインクジェットユニットIJUの先端部が突出した
形状である。このインクジェットカートリッジIJCは、
インクジェット記録装置本体IJRAに載置されているキヤ
リツジHC(第8図)の後述する位置決め手段および電気
的接点とによって固定支持されると共に、該キャリツジ
HCに対して着脱可能なディスポーザブルタイプである。
本例第4図乃至第8図には、本発明の成立段階において
成された数々の発明が適用された構成となっているの
で、これらの構成を簡単に説明しながら、全体を説明す
ることにする。
(i) インクジェットユニットIJU構成説明 インクジェットユニットIJUは、電気信号に応じて膜
沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギを
生成する電気熱変換体を用いて記録を行うバブルジェッ
ト方式のユニットである。
第4図において、100はSi基板上に複数の列状に配さ
れた電気熱変換体(吐出ヒータ)と、これに電力を供給
するAl等の電気配線とが成膜技術により形成されて成る
上記構成のヒータボードである。1200はヒータボード10
0に対する配線基板であり、ヒータボード100の配線に対
応する配線(例えばワイヤボンディングにより接続され
る)と、この配線の端部に位置し本体装置からの電気信
号を受けるパッド1201とを有している。
1300は複数のインク流路をそれぞれ区分するための隔
壁や共通液室等を設けた溝付天板で、インクタンクから
供給されるインクを受けて共通液室へ導入するインク受
け口1500と、吐出口を複数有するオリフィスプレート40
0を一体成型したものである。これらの一体成型材料と
してはポリサルファオンが好ましいが、他の成型用樹脂
材料でも良い。
300は配線基板1200の裏面を平面で支持する例えば金
属製の支持体で、インクジェットユニットの底板とな
る。500は押えばねであり、M字形状でそのM字の中央
で共通液室を押圧すると共に前だれ部501で液路の一部
を線圧で押圧する。ヒータボード100および天板1300を
押えばねの足部が支持体300の穴3121を通って支持体300
の裏面側に係合することでこれらを挟み込んだ状態で両
者を係合させることにより、押えばね500とその前だれ
部501の付勢力によってヒータボード100と天板1300とを
圧着固定する。又、支持体300は、インクタンクITの2
つの位置決め凸起1012および位置決め且つ熱融着保持用
凸起1800,1801に係合する位置決め用穴312,1900,2000を
有する他、装置本体IJRAのキャリッジHCに対する位置決
め用の突起2500,2600を裏面側に有している。加えて支
持体300はインクタンクからのインク供給を可能とする
インク供給管2200(後述)を貫通可能にする穴320をも
有している。支持体300に対する配線基板200の取付は、
接着剤等で貼着して行われる。尚、支持体300の凹部240
0,2400は、それぞれ位置決め用突起2500,2600の近傍に
設けられており、組立てられたインクジェットカートリ
ッジIJC(第5図)において、その周囲の3辺を平行溝3
000,3001の複数で形成されたヘッド先端域の延長点にあ
って、ゴミやインク等の不要物が突起2500,2600に至る
ことがないように位置している。この平行溝3000が形成
されている。蓋部材800は、第4図でわかるように、イ
ンクジェットカートリッジIJCの外壁を形成すると共
に、インクジェットユニットIJUを収納する空間部を形
成している。又、この平行溝3001が形成されているイン
ク供給部材600は、前述したインク供給管2200に連続す
るインク導管1600を供給管2200側が固定の片持ちばりと
して形成し、インク導管の固定側とインク供給管2200と
の毛管現象を確保するための封止ピン602が挿入されて
いる。尚、601はインクタンクITと供給管2200との結合
シールを行うパッキン、700は供給管のタンク側端部に
設けられたフィルターである。
このインク供給部材600は、モールド成型されている
ので、安価で位置精度が高く形成製造上の精度低下を無
くしているだけでなく、片持ちばりの導管1600によって
大量生産時においても導管1600の上述インク受け口1500
に対する圧接状態が安定化できる。本例では、この圧接
状態下で封止用接着剤をインク供給部材側から流し込む
だけで、完全な連通状態を確実に得ることができてい
る。尚、インク供給部材600の支持体300に対する固定
は、支持体300の穴1901,1902に対するインク供給部材60
0の裏面側ピン(不図示)を支持体300の穴1901,1902を
介して貫通突出せしめ、支持体300の裏面側に突出した
部分を熱融着することで簡単に行われる。尚、この熱融
着された裏面部のわずかな突出領域は、インクタンクIT
のインクジェットユニットIJU取付面側壁面のくぼみ
(不図示)内に収められるのでユニットIJUの位置決め
面は正確に得られる。
(ii) インクタンクIT構成説明 インクタンクは、カートリッジ本体1000と、インク吸
収体900とインク吸収体900をカートリッジ本体1000の上
記ユニットIJU取付面とは反対側の側面から挿入した
後、これを封止する蓋部材1100とで構成されている。
900はインクを含浸させるための吸収体であり、カー
トリッジ本体1000内に配置される。1220は上記各部100
〜600からなるユニットIJUに対してインクを供給するた
めの供給口であると共に、当該ユニットをカートリッジ
本体1000の部分1010に配置する前の工程で供給口1220よ
りインクを注入することにより吸収体900のインク含浸
を行うための注入口でもある。
この本例では、インクを供給可能な部分は、大気連通
口とこの供給口とになるが、インク吸収体からのインク
供給性を良好に行うための本体1000内リブ2300と蓋部材
1100の部分リブ2500,2400とによって形成されたタンク
内空気存在領域を、大気連通口1401側から連続させてイ
ンク供給口1220から最も遠い角部域にわたって形成して
いる構成をとっているので、相対的に良好かつ均一な吸
収体へのインク供給は、この供給口1220側から行われる
ことが重要である。この方法は実用上極めて有効であ
る。このリブ2300は、インクタンクの本体1000の後方面
において、キヤリッジ移動方向に平行なリブを4本有
し、吸収体が後方面に密着することを防止している。ま
た、部分リブ2400,2500は、同様にリブ2300に対して対
応する延長上にある蓋部材1100の内面に設けられている
が、リブ2300とは異なり分割された状態となっていて空
気の存在空間を前者より増加させている。尚、部分リブ
2500,2400は蓋部材1000の全面積の半分以下の面に分散
された形となっている。これらのリブによってインク吸
収体のタンク供給口1220から最も遠い角部の領域のイン
クをより安定させつつも確実に供給口1220側へ毛管力で
導びくことができた。1401はカートリッジ内部を大気に
連通するために蓋部材に設けた大気連通口である。1400
は大気連通口1401の内方に配置される撥液材であり、こ
れにより大気連通口1400からのインク漏洩が防止され
る。
前述したインクタンクITのインク収容空間は長方体形
状であり、その長辺を側面にもつ場合であるので上述し
たリブの配置構成は特に有効であるが、キャリッジの移
動方向に長辺を持つ場合または立方体の場合は、蓋部材
1100の全体にリブを設けるようにすることでインク吸収
体900からのインク供給を安定化できる。
また、インクタンクITの上記ユニットIJUの取付面の
構成は第6図によって示されている。オリフィスプレー
ト400の突出口のほぼ中心を通って、タンクITの底面も
しくはキャリッジの表面の載置基準面に平行な直線をL
1とすると、支持体300の穴312に係合する2つの位置決
め凸起1012はこの直線L1上にある。この凸起1012の高
さは支持体300の厚みよりわずかに低く、支持体300の位
置決めを行う。この図面上で直線L1の延長上には、キ
ャリッジの位置決め用フック4001の90°角の係合面4002
が係合する爪2100が位置しており、キャリッジに対する
位置決めの作用力がこの直線L1を含む上記基準面に平
行な面領域で作用するように構成されている。第4図で
後述するが、これらの関係は、インクタンクのみの位置
決めの精度がヘッドの吐出口の位置決め精度と同等とな
るので有効な構成となる。
また、支持体300のインクタンク側面への固定用穴190
0,2000にそれぞれ対応するインクタンクの突起1800,180
1は前述の凸起1012よりも長く、支持体300を貫通して突
出した部分を熱融着して支持体300をその側面に固定す
るためのものである。上述の線L1に垂直でこの突起180
0を通る直線をL3、突起1801を通る直線をL2としたと
き、直線L3上には上記供給口1220のほぼ中心が位置す
るので、供給口1220と供給管2200との結合状態を安定化
する作用をし、落下や衝撃によってもこれらの結合状態
への負荷を軽減できるので好ましい構成である。また、
直線L2,L3は一致していず、ヘッドIJHの吐出口側の凸
起1012周辺に突起1800,1801が存在しているので、さら
にヘッドIJHのタンクに対する位置決めの補強効果を生
んでいる。尚、L4で示される曲線は、インク供給部材6
00の装着時の外壁位置である。突起1800,1801はその曲
線L4に沿っているので、ヘッドIJHの先端側構成の重量
に対しても充分な強度と位置精度を与えている。尚、27
00はインクタンクITの先端ツバで、キャリッジの前板40
00の穴に挿入されて、インクタンクの変位が極端に悪く
なるような異変時に対して設けられている。2101は、キ
ャリッジHCとのさらなる位置決め部との係合部である。
インクタンクITは、ユニットIJUを装着された後に蓋8
00で覆うことで、ユニットIJUを下方開口を除いて包囲
する形状となるが、インクジェットカートリッジIJCと
しては、キャリッジHCに載置するための下方開口はキャ
リッジHCと近接するため、実質的な4方包囲空間を形成
してしまう。従って、この包囲空間内にあるヘッドIJH
からの発熱はこの空間内の保温空間として有効となるも
のの長期連続使用としては、わずかな昇温となる。この
ため本例では、支持体の自然放熱を助けるためにカート
リッジIJCの上方面に、この空間よりは小さい幅のスリ
ット1700を設けて、昇温を防止しつつもユニットIJU全
体の温度分布の均一化を環境に左右されないようにする
ことができた。
インクジェットカートリッジIJCとして組立てられる
と、インクはカートリッジ内部より供給口1220、支持体
300に設けた穴320および供給タンク600の中裏面側に設
けた導入口を介して供給タンク600内に供給され、その
内部を通った後、導出口より適宜の供給管および天板40
0のインク導入口1500を介して共通液室内へと流入す
る。以上におけるインク連通用の接続部には、例えばシ
リコンゴムやブチルゴム等のパッキンが配設され、これ
によって封止が行われてインク供給路が確保される。
尚、本実施例においては天板1300は耐インク性に優れ
たポリサルフオン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリプロピレンなどの樹脂を用い、
オリフィスプレート部400と共に金型内で一体に同時成
型してある。
上述のように一体成型部品は、インク供給部材600、
天板・オリフィスプレート一体、インクタンク本体1000
としたので組立て精度が高水準になるばかりでなく、大
量生産の品質向上に極めて有効である。また部品点数の
個数は従来に比較して減少できているので、優れた所望
特性を確実に発揮できる。
(iii) キャリッジHCに対するインクジェットカート
リッジIJCの取付説明 第7図において、5000はプラテンローラで、記録媒体
Pを紙面下方から上方へ案内する。キャリッジHCは、プ
ラテンローラ5000に沿って移動するもので、キャリッジ
の前方プラテン側にインクジェットカートリッジIJCの
前面側に位置する前板4000(厚さ2mm)と、カートリッ
ジIJCの配線基板200のパッド201に対応するパツド2011
を具備したフレキシブルシート4005およびこれを裏面側
から各パッド2011に対して押圧する弾性力を発生するた
めのゴムパッド4006を保持する電気接続部用支持板4003
と、インクジェットカートリッジIJCを記録位置へ固定
するための位置決め用フック4001とが設けられている。
前板4000は位置決め突出面410をカートリッジの支持体3
00の前述した位置決め突起2500,2600にそれぞれ対応し
て2個有し、カートリッジの装着後はこの突出面4010に
向う垂直な力を受ける。このため、補強用のリブが前板
のプラテンローラ側に、その垂直な力の方向に向ってい
るリブ(不図示)を複数有している。このリブは、カー
トリッジIJC装着時の前面位置L5よりもわずかに(約0.
1mm程度)プラテンローラ側に突出しているヘッド保護
用突出部をも形成している。電気接続部用支持板4003
は、補強用リブ4004を前記リブの方向ではなく垂直方向
に複数有し、プラテン側からフック4001側に向って側方
への突出割合が減じられている。これは、カートリッジ
装着時の位置を図のように傾斜させるための機能も果し
ている。また、支持板4003は電気的接触状態を安定化す
るため、プラテン側の位置決め面4008とフツク側の位置
決め面4007を有し、これらの間にパッドコンタクト域を
形成すると共にパッド2011対応のポッチ付ゴムシート40
06の変形量を一義的に規定する。これらの位置決め面
は、カートリッジIJCが記録可能な位置に固定される
と、配線基板300の表面に当接した状態となる。本例で
は、さらに配線基板300のパッド201を前述した線L1
関して対称となるように分布させているので、ゴムシー
ト4006の各ボッチの変形量を均一化してパッド2011,201
の当接圧をより安定化している。本例のパッド201の分
布は、上方,下方2列、縦2列である。
フック4001は、固定軸4009に係合する長穴を有し、こ
の長穴の移動空間を利用して図の位置から反時計方向に
回動した後、プラテンローラ5000に沿って左方側へ移動
することでキャリッジHCに対するインクジェットカート
リッジIJCの位置決めを行う。このフック4001の移動は
どのようなものでも良いが、レバー等で行える構成が好
ましい。いずれにしてもこのフック4001の回動時にカー
トリッジIJCはプラテンローラ側へ移動しつつ位置決め
突起2500,2600が前板の位置決め面4010に当接可能な位
置へ移動し、フック4001の左方側移動によって90°のフ
ック面4002がカートリッジIJCの爪2100の90°面に密着
しつつカートリッジIJCを位置決め面2500,4010同志の接
触域を中心に水平面内で旋回して最終的にパッド201,20
11同志の接触が始まる。そしてフック4001が所定位置、
即ち固定位置に保持されると、パッド201,2011同志の完
全接触状態と、位置決め面2500,4010同志の完全面接触
と、90度面4002と爪の90度面の2面接触と、配線基板30
0と位置決め面4007,4008との面接触とが同時に形成され
てキャリッジに対するカートリッジIJCの保持が完了す
る。
(iv) 装置本体の概略説明 第8図は本発明が適用できるインクジェット記録装置
IJRAの概観図で、駆動モータの5013の正逆回転に連動し
て駆動力伝達ギア5011,5009を介して回転するリードス
クリュー5005のら線溝5004に対して係合するキャリッジ
HCはピン(不図示)を有し、矢印a,b方向に往復移動さ
れる。5002は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわ
たって紙をプラテン5000に対して押圧する。5007,5008
はフォトカプラでキャリッジのレバー5006のこの域での
存在を確認してモータの5013の回転方向切換等を行うた
めのホームポジション検知手段である。5016は記録ヘッ
ドの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部
材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段でキャ
ップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。
5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを
前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018
にこれらは支持されている。ブレードは、この形態でな
く周知のクリーニングブレードが本例に適用できること
はいうまでもない。また、5012は、吸引回復の吸引を開
始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020
の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラ
ツチ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
これらのキヤツピング、クリーニング、吸引回復は、
キャリッジがホームポジシヨン側領域にきたときにリー
ドスクリユー5005の作用によってそれらの対応位置で所
望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイ
ミングで所望の作動を行うようにすれば、本例には何れ
も適用できる。上述における各構成は単独でも複合的に
見ても優れた発明であり、本発明にとって好ましい構成
例を示している。
(その他) なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中で
もバブルジェット方式の記録ヘッド、記録装置において
優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば
記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいず
れにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合
には、液体(インク)が保持されているシートや液路に
対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対
応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少な
くとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱
変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用
面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対
一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので
有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に
優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第44
63359号明細書,同第4345262号明細書に記載されている
ようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上
昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載
されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行う
ことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口,液路,電気熱変換体の組合せ構
成(直線字液流路または直角液流路)の他に熱作用部が
屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許
第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用い
た構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の
電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換
体の吐出部とする構成を開示する特開昭59-123670号公
報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応
させる構成を開示する特開昭59-138461号公報に基いた
構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記
録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明に
よれば記録を確実に効率よく行うことができるようにな
るからである。
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対
応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対
しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッ
ドとしては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さ
を満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッド
としての構成のいずれでもよい。
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装
置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装
着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体か
らのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプ
の記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にイン
クタンクを設けられたカートリッジタイプの記録ヘッド
を用いた場合にも本発明は有効である。
また、本発明に記録装置の構成として設けられる、記
録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付
加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ま
しいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッ
ドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加
圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素
子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録と
は別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定
した記録を行なうために有効である。
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数につい
ても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けら
れたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに
対応して複数個数設けられるものであってもよい。すな
わち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主
流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体
的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでも
よいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフル
カラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極め
て有効である。
さらに加えて、以上説明した本発明実施例において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化
するもの、あるいはインクジェット方式ではインク自体
を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインク
の粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが
一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状
をなすものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギ
による昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変
化のエネルギとして使用せしめることで防止するか、ま
たはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化する
インクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギの記
録信号に応じて付与によってインクが液化し、液状イン
クが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではす
でに固化し始めるもの等のような、熱エネルギによって
初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は
適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54
-56847号公報あるいは特開昭60-71260号公報に記載され
るような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固
形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対
向するような形態としてもよい。本発明においては、上
述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜
沸騰方式を実行するものである。
さらに加えて、本発明インクジェット記録装置の形態
としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端
末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写
装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の
形態を採るもの等であってもよい。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば高耐圧で、かつ
素子毎の電気的分離性に優れた半導体素子を単一基板上
に複数個形成することができる。したがって、例えばマ
トリクス接続された回路においては、素子単体を個別に
外付けする必要がなく、工程を削減することができるの
で、故障発生箇所を減少させ、得られる記録ヘッドの高
信頼性を確保することができる。
また、本発明によれば同一基板上に半導体素子と該半
導体素子により駆動される電気熱変換素子を作り込むこ
とができるので、回路の小面積化、工程の削減、信頼性
の向上を図り、ひいては高解像度の記録画像を形成でき
る記録ヘッドが得られる。
更には、半導体素子としてトランジスタを用いて、ベ
ースとコレクタとを短絡して駆動電圧を印加し、エミツ
タに電気熱変換素子を接続すると共に各素子毎に分離領
域を介して基板を設置することにより、ベース・コレク
タ間に少数キャリアの注入がない為スイッチング特性が
速く、立ち上がり特性が向上し、寄生効果も少ない為液
体に好適な熱エネルギを付与することができ吐出特性が
向上した。
さらに、本発明によれば配線幅を狭くする上での問題
点が解決でき、且つ工程数もふやさずに機能素子を高密
度に集積し、記録ヘッドのチップ面積を半減することに
より低コスト化が信頼性を劣化させることなく可能とな
った。また記録品位を向上させるための吐出孔を高密度
に設置することも配線領域からの制約がなくなり容易に
なった。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)および(b)は、それぞれ、本発明の一実
施例に係る記録ヘッド用基板をその配線部を模式化して
示した断面図および等価回路図、 第1図(c)および(d)は、それぞれ、本発明の他の
実施例に係る記録ヘッド用基板をその配線部を模式化し
て示した断面図および等価回路図、 第2図(a)および(b)は、それぞれ、本発明の一実
施例に係る記録ヘッドの斜視図、およびそのE−E′線
断面図、 第3図(a)〜(g)は本例による記録ヘッドの製造方
法を説明する為の模式的断面図、 第4図は本発明に係る記録ヘッドを適用して構成可能な
カートリッジの分割構成斜視図、 第5図は第4図の組み立て斜視図、 第6図は第4図におけるインクジェットユニットの取り
付け部の斜視図、 第7図は第4図示のカートリッジの装置に対する取り付
け説明図、 第8図は第4図示のカートリッジを適用した装置外観
図、 第9図は従来の記録ヘッドの模式的断面図である。 1……P型シリコン基板、2……N型コレクタ埋込領
域、3……P型アイソレーション埋込領域、4……P型
ベース領域、5……N型コレクタ領域、6……高濃度P
型ベース領域、7……高濃度P型アイソレーション領
域、8……N型エミッタ領域、9……高濃度N型コレク
タ領域、10……コレクタ・ベース共通電極、11……エミ
ッタ電極、12……アイソレーション電極、100……記録
ヘッド用基板(ヒータボード)、103……発熱抵抗層、1
04……電極 105,106……保護層、500……吐出口。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−72867(JP,A) 特開 昭57−72868(JP,A) 特開 平2−6138(JP,A) 特開 平2−30538(JP,A) 特開 平2−125743(JP,A) 特開 平3−224741(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/05

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクを吐出する為の吐出口を有する液吐
    出部と、 該液吐出部に供給されたインクを吐出する為に利用され
    る熱エネルギを発生する為の電気熱変換素子と該電気熱
    変換素子に電気的に接続されたトランジスタ素子とが設
    けられた基体と、 を具備する記録ヘッドにおいて、 前記トランジスタ素子のベースとコレクタとが短絡され
    た第1の配線電極と、前記基体に電気的に接続された第
    2の配線電極と、 前記電気熱変換素子の電極の一方に接続された第3の配
    線電極と、を有し、 前記トランジスタ素子のエミッタと前記電気熱変換素子
    の電極の他方とが電気的に接続され、かつ、前記トラン
    ジスタのコレクタ領域が前記基体表面より熱拡散にて形
    成されてなることを特徴とする記録ヘッド。
  2. 【請求項2】請求項1記載の記録ヘッドと、 該ヘッドに対してインクを供給するための手段と、 前記記録ヘッドによる記録位置に記録媒体を搬送する手
    段と を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】熱エネルギを発生する為の電気熱変換素子
    と、 該電気熱変換素子に電気的に接続されたトランジスタ素
    子と、が同一基板に設けられた記録ヘッド用基板におい
    て、 前記トランジスタ素子のベースとコレクタとが短絡され
    た第1の配線電極と、前記基体に電気的に接続された第
    2の配線電極と、 前記電気熱変換素子の電極の一方に接続された第3の配
    線電極と、を有し、 前記トランジスタ素子のエミッタと前記電気熱変換素子
    の電極の他方とが電気的に接続され、かつ、前記トラン
    ジスタのコレクタ領域が前記基体表面より熱拡散にて形
    成されてなることを特徴とする記録ヘッド用基板。
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