JPH0911468A - インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置および情報処理システム - Google Patents

インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置および情報処理システム

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JPH0911468A
JPH0911468A JP16432395A JP16432395A JPH0911468A JP H0911468 A JPH0911468 A JP H0911468A JP 16432395 A JP16432395 A JP 16432395A JP 16432395 A JP16432395 A JP 16432395A JP H0911468 A JPH0911468 A JP H0911468A
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JP
Japan
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recording head
inkjet recording
ink
substrate
resistance layer
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Application number
JP16432395A
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English (en)
Inventor
Norifumi Makino
憲史 牧野
Katsura Fujita
桂 藤田
Yasushi Kawakado
保志 川角
Tetsuro Asaba
哲朗 浅羽
Shigeyuki Matsumoto
繁幸 松本
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク吐出効率が良好で高速な記録動作を可
能とするインクジェット記録ヘッド用基体、該基体を具
備したインクジェット記録ヘッド、該ヘッドを搭載する
記録装置、さらに該記録装置を出力手段とする情報処理
システムを提供することである。 【構成】 インクジェット記録ヘッド用基体の配線電極
はテーパ状の切欠部を有し、さらに該切欠部に発熱抵抗
層が積層してなる発熱部が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンタ、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュ
ータ等の情報処理システムにおいて、文字、画像等の情
報を被記録媒体上に出力するためのインクジェット記録
装置に搭載されるインクジェット記録ヘッドに用いられ
る基体、該基体を構成要素とするインクジェット記録ヘ
ッド、該記録ヘッドを搭載するインクジェット記録装置
および該装置を出力手段とした情報処理システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、布、プラスチックシート、O
HP用シート等の被記録媒体(以下単に記録紙ともい
う)に対して記録を行なう記録装置は、種々の記録方
式、例えばワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方
式、インクジェット方式による記録ヘッドを搭載可能な
形態として提案されている。
【0003】これらの方式のなかで、インクジェット方
式はインクを吐出して記録紙に直接付着させる低騒音な
ノンインパクト方式の一つで、インク滴の形成方法およ
び噴射エネルギの発生方法により、コンティニアス方式
(電荷粒子制御方式およびスプレー方式が含まれる)と
オンデマンド方式(ピエゾ方式、スパーク方式およびバ
ブルジェット方式が含まれる)とに大きく分類される。
【0004】コンティニアス方式は、インクを連続的に
吐出し、必要な液滴だけ電荷を与える。帯電した液滴が
記録紙に付着し、残りは無駄になる。これに対して、オ
ンデマンド方式は、印字に必要な時だけインクを吐出す
るために、インクの無駄がなく装置内部が汚れない。ま
た、オンデマンド方式はインクの吐出を開始したり停止
したりするため、コンティニアス方式に比べて応答周波
数は低い。このため、ノズル数を増やすことで高速化を
実現している。したがって、現在市販されている記録装
置の多くはオンデマンド方式のものであり、このような
インクジェット方式の記録ヘッドを具備した記録装置
は、高密度かつ高速な記録動作が可能であることから、
情報処理システムの出力手段、例えば複写機、ファクシ
ミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワークス
テーション等の出力端末としてのプリンタ、あるいはパ
ーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、光ディス
ク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたはポー
タブルプリンタとして利用され、かつ商品化されてい
る。この場合、インクジェット記録装置は、これら装置
固有の機能、使用形態等に対応した構成をとる。
【0005】一般にインクジェット記録装置は、記録手
段(記録ヘッド)およびインクタンクと搭載するキャリ
ッジと、記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制御す
るための制御手段とを具備する。そして、複数の吐出口
からインク滴を吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬送方
向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)にシリ
アルスキャンさせ、一方で非記録時に記録紙を記録幅に
等しい量で間欠搬送するものである。この記録方法は、
記録信号に応じてインクを記録用紙上に吐出させて記録
を行うものであり、ランニングコストが安く、静かな記
録方式として広く用いられている。また、インクを吐出
する多数のノズルが副走査方向に直線上に配置された記
録ヘッドを用いることにより、記録ヘッドが記録用紙上
を一回走査することでノズル数に対応した幅の記録がな
される。そのため、記録動作の高速化を達成することが
可能である。
【0006】さらに、カラー対応のインクジェット記録
装置の場合、複数色の記録ヘッドにより吐出されるイン
ク液滴の重ね合わせることによりカラー画像を形成す
る。一般に、カラー記録を行う場合、イエロー(Y)、
マゼンタ(M)およびシアン(C)の3原色またはこれ
ら3原色にブラック(B)を含めた4色に対応する4種
類の記録ヘッドおよびインクカートリッジが必要とされ
る。昨今ではこのような3〜4色の記録ヘッドを搭載
し、フルカラーで画像形成が可能な装置が実用化されて
いる。
【0007】さらにまた、上記インクジェット記録装置
は比較的容易にA1等の大判記録が可能な構成を取るこ
ともできる。すなわち、画像を読み取るリーダーを接続
し原稿を複写するA1版カラー記録対応の記録装置、例
えばCAD出力用プリンター等のプロッターも製品化さ
れている。また、一方で多様な使い方が要求されるよう
になり、会議、講義等におけるプレゼンテーション用に
投影可能なOHPフィルムへの記録の需要が高まってい
る。こうした需要に応えるため、インクの吸収特性が異
なる被記録媒体を必要に応じて選択した際に被記録媒体
の種類に係わりなく最良の記録が可能な記録装置の開発
および製品化が行われている。
【0008】このようにインクジェット記録装置は、優
れた記録手段として幅広い産業分野(例えばアパレル産
業等)で需要が高まっており、またより一層高品位な画
像の提供も求められている。
【0009】つぎに、インクジェット記録装置に備えら
れるインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドとも
いう)について述べる。
【0010】上記記録ヘッドにおいてインクを吐出する
ためのエネルギーを発生するエネルギー発生手段として
は、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、あ
るいは発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によって液体
を加熱させるものなどがある。
【0011】その中でも熱エネルギーを利用(膜沸騰現
象を利用)して液体を吐出させる方式(いわゆるバブル
ジェット方式)の記録ヘッドは、上記液体吐出口を高密
度に配列することができるために高解像度の記録をする
ことが可能である。
【0012】ここで、従来技術および本発明の理解を容
易にするために、従来のインクジェット記録ヘッドの一
例を図23を参照して説明する。
【0013】図23は、インクジェット記録装置に搭載
されるインクジェット記録ヘッドの概略的構成を説明す
るための断面斜視図である。
【0014】記録ヘッド230は、天板231と基体2
32とから構成される。天板231は、インクを通すた
めのノズルとなる複数の溝233、これらの溝に連通し
た共通液室となる溝234、および該共通液室へインク
を供給するための供給口235を有する。また、基体2
32は、各ノズルに対応した電気熱変換素子236と各
電気熱変換素子に電力を供給する電極237とが成膜技
術により一体的に形成されたものである。このような天
板231と基体232とが合わさってインクを吐出する
ための複数の吐出口(オリフィス)238が形成され
る。
【0015】このような構成からなる記録ヘッド230
は、該記録ヘッドへ上記供給口からインクを供給するイ
ンクタンクと一体となってインクジェットカートリッジ
を構成する。
【0016】図24は、従来の記録ヘッド用基体の概略
的構成を説明するための断面図である。参照符号901
は単結晶シリコンからなる半導体基板、902はN型半
導体のエピタキシャル領域、903は高不純物濃度のN
型半導体のオーミックコンタクト領域、904はP型半
導体のベース領域、905は高不純物濃度N型半導体の
エミッタ領域であり、これらによってバイポーラトラン
ジスタ920を形成している。参照符号906は蓄熱層
および層間絶縁層としての酸化シリコン層、907は発
熱抵抗層、908はアルミニウム(Al)の配線電極、
909は保護層としての酸化シリコン層、911はAl
のコレクタ・ベース共通電極、そして912は保護膜と
してのTaシリコン層である。この従来例では、参照符
号940が発熱部となる。
【0017】上記発熱抵抗層907は、外部からの信号
に従ってバイポーラトランジスタ920によりスイッチ
ングされた電流により発熱し、発熱部940直上に配さ
れるインクを急激に加熱、発泡されることによってイン
ク滴を吐出するものである。
【0018】ここで、上記構成からなる記録ヘッドで行
われるバブルジェット方式のインク滴形成過程について
簡単に説明する。
【0019】まず、発熱抵抗層が所定の温度に達すると
発熱面を覆うような膜気泡が生ずる。この気泡の内部圧
力は非常に高く、ノズル内のインクを押し出す。インク
はこの押し出しによる慣性力でノズルの外およびその反
対方向にある共通液室内に向かって移動する。インクの
移動が進むと気泡の内部圧力は負圧になり、また流路抵
抗も加わってノズル内部のインクの速度は遅くなる。ノ
ズル口(オリフィス)から外へ吐出されたインクは、ノ
ズル内部に比べて速いため、慣性力と流路抵抗、気泡の
収縮、インク表面張力のバランスでくびれが生じ、分離
・液滴化する。そして、気泡の収縮と同時に、毛管力に
よりノズル内に共通液室よりインクが供給され次のパル
スを待つ。
【0020】このように、電気熱変換素子をエネルギー
発生手段として用いた記録ヘッドは、駆動電気パルス信
号により一対一の対応で液路のインク内に気泡を発生さ
せることができ、また即時かつ適切に気泡の成長・収縮
を行わせることができるので、特に応答性のすぐれたイ
ンク滴吐出が達成できる。また、記録ヘッドのコンパク
ト化も容易であり、かつ最近の半導体分野における技術
の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工
技術の長所を十二分に活用でき、高密度実装化が容易
で、製造コストも安価なことから有利である。そして、
近年の情報処理システム、例えば複写機、ファクシミ
リ、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ等およ
びその出力端末としてのプリンタの開発および製品化動
向、また消費者のニーズは、高印字品位を求める一方
で、小型化、高速化、省エネルギー化、および低コスト
化を求めている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のインク
ジェット記録ヘッドでは、上記要求、すなわち小型化、
高速化、省エネルギー化、および低コスト化を達成しな
がら、優れた画像品質を提供するのは困難であった。な
ぜなら、上記従来のインクジェット記録ヘッドでは発熱
抵抗層で消費する電力に対してインク吐出効率が悪いと
いう欠点があった。このような欠点は、特にインクジェ
ット記録ヘッドを構成する記録ヘッド用基板の発熱部9
40に起因する。すなわち、この発熱部940は、高熱
層および層間絶縁層としてのSiO2 層906上に、H
fB2 等の発熱抵抗層907が約1000Åの厚さに形
成されており、この上部にAl配線908が配線抵抗軽
減のため5000Åの厚さで形成されている。従ってそ
の上のSiO2 の第1の保護層909は少なくとも50
00Å以上の段差を良好に被覆し、信頼性を確保するた
めには5000Å以上の保護層厚みが必要であった。時
に、低コスト化のためにA配線をウェットエッチングに
よりパターン形成する場合には、配線材料としてPur
e−Alが使用されるため、P−CVD法による保護層
成膜時の熱工程により、Alのヒロック成長が大きく、
高さ約数1000Å〜1μm以上のヒロックやウィスカ
の成長がある。このため、信頼性を確保するには約1
0,000Åの保護層が必要とされていた。さらに第1
の保護層909の上には、インク気泡消滅時のキャビテ
ーションからの素子保護のためTa等の耐キャビテーシ
ョン膜である第2の保護層912が1000〜2000
Å厚さで形成されている。従って、発熱抵抗層910で
発生した熱は、熱伝導性の低い10,000Å以上の絶
縁層と数1000ÅのTa膜を介してインクに伝えられ
るため、伝熱効率が悪く、また途中経路での熱拡散によ
り発熱抵抗層への投入電力に比し、インクの吐出効率が
劣るとともに、駆動の高速化や、隣接ノズルへの熱拡散
等微細化にも悪影響を及ぼしていていた。
【0022】したがって、本発明の目的は上記課題を解
決して、インク吐出効率が良好で高速な記録動作を可能
とするインクジェット記録ヘッド用基体、該基体を具備
したインクジェット記録ヘッド、該ヘッドを搭載する記
録装置、さらに該記録装置を出力手段とする情報処理シ
ステムを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド用基体
は、発熱抵抗層を有する複数の電気熱変換素子と、各電
気熱変換素子を駆動する複数の駆動用機能素子と、各駆
動用機能素子と各電気熱変換素子とを接続する配線電極
と、上記電気熱変換素子および上記駆動用機能素子と
が、フォトリソグラフィーによって形成されたインクジ
ェット記録ヘッド用基体において、上記配線電極はテー
パ状の切欠部を有し、さらに該切欠部に上記発熱抵抗層
が積層してなる発熱部が設けられたことを特徴とする。
【0024】好ましくは、上記配線電極の上面に、上記
発熱抵抗層が積層されている。
【0025】好ましくは、上記切欠部のテーパ面は、法
線に対する所定の傾斜角度、好ましくは30゜以上75
゜以下、を有する。
【0026】好ましくは、上記切欠部と、上記発熱抵抗
層との間に絶縁層が設けられている。
【0027】好ましくは、上記絶縁層は、上記切欠部と
上記発熱抵抗層とが接触するためのテーパ状開口部を有
し、さらに上記開口部のテーパ面は、法線に対する所定
の傾斜角度、好ましくは30゜以上75゜以下、を有す
る。
【0028】好ましくは、上記発熱抵抗層上に保護層が
積層され、さらに上記保護層の厚さは、好ましくは0.
2〜 0.7μmである。
【0029】好ましくは、上記発熱抵抗層上の保護層の
熱伝導率が室温で20.5〜30w/m・kである。
【0030】好ましくは、上記発熱抵抗層上の保護層
は、SiNからなる。
【0031】好ましくは、上記発熱抵抗層上の保護層上
に第2の保護層が積層され、さらに該第2の保護層はT
a膜からなる。
【0032】好ましくは、上記第2の保護層は、上記発
熱抵抗層上の保護層上の上記発熱部に相当する領域のみ
に積層されている。
【0033】好ましくは、上記発熱抵抗層は、TaN,
Ta,HfB2 ,ZrB2 ,Ti−W,Ni−Cr,T
a−Al,Ta−Si,Ta−Mo,Ta−W,Ta−
Cu,Ta−Ni,Ta−Ni−Al,Ta−Mo−A
l,Ta−Mo−Ni,Ta−W−Ni,Ta−Si−
Al,Ta−W−Al−NiおよびTa−Si−Oから
なる群から選択される材料から構成される。
【0034】好ましくは、上記配線電極は、Cuを0.
5重量%以上10重量%以下の範囲で含有するAl合金
からなる。
【0035】つぎに、本発明にもとづくインクジェット
記録ヘッドは、上記インクジェット記録ヘッド用基体を
用い、また上記発熱抵抗層を有する電気熱変換素子をイ
ンク吐出のためのエネルギー発生手段としたことを特徴
とする。
【0036】また、このインクジェット記録ヘッドは、
上記基体と一体となって該ヘッドを構成する天板を有す
る。この天板は、インクを通すためのノズルとなる複数
の溝、これらの溝に連通した共通液室となる溝、および
該共通液室へインクを供給するための供給口を有する。
この天板と基体とが合わさってインクを吐出するための
複数の吐出口(オリフィス)が形成される。
【0037】さらに、本発明にもとづくインクジェット
記録装置は、上記インクジェット記録ヘッドを搭載する
ための手段を備えたことを特徴とする。
【0038】好ましくは、さらに被記録媒体を搬送する
搬送手段を具備する。そして、複数の吐出口からインク
滴を吐出させる上記インクジェット記録ヘッドを被記録
媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査
方向)にシリアルスキャンさせ、一方で非記録時に記録
紙を記録幅に等しい量で間欠搬送する。
【0039】そして、本発明にもとづく情報処理システ
ムは、上記インクジェット記録装置を出力手段とするも
ので、例えば複写機、ファクシミリ、プリンタ、 ワー
ドプロセッサ、パーソナルコンピュータ等である。
【0040】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0041】〈実施例1〉図1は、本発明に適用される
記録ヘッド用基体の模式的断面図である。
【0042】記録ヘッド用基体としての基体100は、
電気熱変換素子である発熱部110と駆動用機能素子で
あるバイポーラ型のNPNトランジスタ120とをP型
シリコン基板1上に形成したものである。
【0043】図1において、参照符号1はP型シリコン
基板、2は機能素子を構成するためのN型コレクタ埋込
領域、3は機能素子分離のためのP型アイソレーション
埋込領域、4はN型エピタキシャル領域、5は機能素子
を構成するためのP型ベース領域、6は素子分離のため
のP型アイソレーション埋込領域、7は機能素子を構成
するためのN型コレクタ埋込領域、8は素子を構成する
ための高濃度P型ベース領域、9は素子分離のための高
濃度P型アイソレーション領域、10は素子を構成する
ためのN型エミッタ領域、11は素子を構成するための
高濃度N型コレクタ領域、12はコレクタ・ベース共通
電極、13はエミッタ電極、そして14はアイソレーシ
ョン電極である。ここに、NPNトランジスタ120が
形成されており、2,4,7,11のコレクタ領域がエ
ミッタ領域10とベース領域5,8とを完全に包囲する
ように形成されている。また、素子分離領域として、P
型アイソレーション埋込領域6、P型アイソレーション
領域9、高濃度P型アイソレーション領域8により各セ
ルが包囲され電気的に分離されている。
【0044】ここで、NPNトランジスタ120は、N
型コレクタ埋込領域2およびN型コレクタ埋込領域2を
介してP型シリコン基板1上に形成された2つの高濃度
N型コレクタ領域11と、N型コレクタ埋込領域2およ
びP型ベース領域5を介して高濃度N型コレクタ領域1
1の内側に形成された2つの高濃度P型ベース領域8
と、N型コレクタ埋込領域2およびP型ベース領域5を
介して高濃度P型ベース領域8に挟まれて形成された高
濃度N型エミッタ領域10とによりNPNトランジスタ
の構造を有するが、高濃度N型コレクタ領域11と高濃
度P型ベース領域8とがコレクタ・ベース共通電極12
により接続されることによりダイオードとして動作す
る。また、NPNトランジスタ120に隣接して、素子
分離領域としてのP型アイソレーション埋込領域3,P
型アイソレーション領域6および高濃度P型アイソレー
ション領域9が順次形成されている。
【0045】また、発熱抵抗層103が、N型エピタキ
シャル領域4,蓄熱層109,層間膜102および配線
電極104を介してP型シリコン基板1上に形成されて
おり、発熱層103直下に形成された配線電極104が
切断されて接続端面である104−1をそれぞれ形成す
ることにより、発熱部110が構成されている。
【0046】上記記録ヘッド用基体100は全面が熱酸
化膜等で形成される蓄熱層101で覆われており、機能
素子から各電極12,13,14がAl等で形成されて
いる。
【0047】なお、各電極12,13,14は、図2お
よび図3に拡大(電極14、エミッタ、コレクタ、ベー
ス等は省略)して示すように、法線に対して角度θ(3
0度以上75度以下)の傾いた側面(端部)を有してい
る。
【0048】本実施例の基体100は、上述した駆動部
(機能素子)を有する記録ヘッド用のP型シリコン基板
1上に、コレクタ・ベース共通電極12、エミッタ電極
13およびアイソレーション電極14が形成された蓄熱
層101で覆ったもので、その上層にはPCVD法やス
パッタリング法による酸化シリコン膜等からなる層間膜
102が形成されている。各電極12,13,14を形
成するAl等は傾いた側面を有するため、層間膜102
のステップカバレージ性が非常に優れているので、層間
膜102を従来に比較して蓄熱効果を失わない範囲で薄
く形成することができる。層間膜102を部分的に開孔
して、コレクタ・ベース共通電極12、エミッタ電極1
3およびアイソレーション電極14と電気的に接続し、
かつ層間膜102上で電気的な配線を形成するためのA
1等の配線電極104が設置される。すなわち、層間膜
102を部分的に開孔した後に、スパッタリング法によ
るTaN等の発熱抵抗層103と、蒸着法あるいはスパ
ッタリング法によるAl,Al−Cu等の配線電極10
4で構成された電気熱変換素子が設けられている。ここ
で、発熱抵抗層103を構成する材料としては、Ta
N,Ta,HfB2 ,ZrB2 ,Ti−W,Ni−C
r,Ta−Al,Ta−Si,Ta−Mo,Ta−W,
Ta−Cu,Ta−Ni,Ta−Ni−Al,Ta−M
o−Al,Ta−Mo−Ni,Ta−W−Ni,Ta−
Si−Al,Ta−W−Al−Ni,Ta−Si−O等
がある。
【0049】図4は電気熱変換素子の拡大された断面図
であり、図5は電気熱変換素子の拡大された平面図であ
る。
【0050】発熱抵抗層103は、配線電極104の直
上に形成されている。
【0051】また、Al等の配線電極104は、法線に
対して30度以上の傾いた接続端面であるエッジ部10
4aおよび側面104bを有している。さらに、図1に
示す電気熱変換素子の発熱部110上には、スパッタリ
ング法またはCVD法によってSiO2 ,SiN,Si
ON,ZrO2 ,Si−Al−O−N等の第1の保護膜
105およびTa等の第2の保護膜106が設けられて
いる。
【0052】さらに、この基体100は、配線電極10
4のエッジ部104aおよび両側面104b(図5参
照)の形状が直線状のテーパーとなっていることと、コ
レクタ・ベース共通電極12,エミッタ電極13および
アイソレーション電極14のエッジ部,両側面の形状
も、図2,図3にそれぞれ示すように、直線状のテーパ
ーとなっていることである。
【0053】したがって、この基体100では、高融点
材料である発熱抵抗層103が、配線電極104のヒロ
ック成長(保護膜105の形成時に発生,成長する)を
小さく抑えることができる。その結果、配線電極104
のヒロックが保護膜105を突き抜けないよう、厚めに
形成していた第1の保護膜105の厚さを、発熱抵抗層
103直上に配線電極104を形成していたときよりも
薄くすることができる。
【0054】また、配線電極104のテーパ状切欠部エ
ッジ部104aおよび両側面104bに直線状のテーパ
ーを持たせることで、配線電極104に対する発熱抵抗
層103のステップカバレージ性を良好にするととも
に、第1の保護膜105のステップカバレージ性も極め
て良好にすることができる。そのために、ここでも、保
護膜105の厚さをエッジ部104が垂直なときより
も、薄くすることが可能である。
【0055】これらのことから、保護膜105の厚さ
は、10000Å程度必要としていたものを、5000
Å程度とすることができた。その結果、発熱部110で
発生した熱エネルギーを効率的かつ高速にインクへ伝達
することができるとともに、第1の保護膜105を形成
する装置のスループットを約2倍にすることができた。
【0056】次に、上述した構成による機能素子(駆動
部)の基本動作について説明する。
【0057】図6は図1に示した基体100の駆動方法
を説明するための模式図である。
【0058】本実施例では、図1および図6に示すよう
に、コレクタ・ベース共通電極12がダイオードのアノ
ード電極に対応し、エミッタ電極13がダイオードのカ
ソード電極に対応している。すなわち、コレクタ・ベー
ス共通電極12に正電位のバイアス(VH1 )を印加す
ることにより、セル(SH1 ,SH2 )内のNPNトラ
ンジスタがターンオンし、バイアス電流がコレクタ電流
およびベース電流として、エミッタ電極13より流出す
る。また、ベースとコレクタとを短絡した構成にした結
果、電気熱変換素子(RH1 ,RH2 )の熱の立上がり
および立下がり特性が良好となり膜沸騰現象の生起、そ
れに伴う気泡の成長収縮の制御性がよくなり安定したイ
ンクの吐出を行うことができた。これは、熱エネルギー
を利用するインクジェット記録ヘッドではトランジスタ
の特性と膜沸騰の特性との結び付きが深く、トランジス
タにおける少数キャリアの蓄積が少ないためスイッチン
グ特性が速く立上がり特性がよくなることが予想以上に
大きく影響しているものと考えられる。また、比較的寄
生効果が少なく、素子間のバラツキがなく、安定した駆
動電流が得られるものでもある。
【0059】本実施例においては、さらに、アイソレー
ション電極14を接地することにより、隣接する他のセ
ルへの電荷の流入を防ぐことができ、他の素子の誤動作
という問題を防ぐことができる構成となっている。
【0060】このような半導体装置においては、N型コ
レクタ埋込領域2の濃度を1×1018cm-3以上とする
こと、P型ベース領域5の濃度を5×1014〜5×10
17cm-3とすること、さらには、高濃度ベース領域8と
電極との接合面の面積をなるべく小さくすることが望ま
しい。このようにすれば、NPNトランジスタからP型
シリコン基板1およびアイソレーション領域を経てグラ
ンドにおちる漏れ電流の発生を防止することができる。
【0061】上記基体の駆動方法についてさらに詳述す
る。
【0062】図6には、2つの半導体機能素子(セル)
が示されているだけであるが、実際には、このような機
能素子が例えば128個の電気熱変換素子に対応して同
数等間隔に配置され、ブロック駆動が可能なように電気
的にマトリクス接続されている。ここでは、説明の簡単
のため、同一グループに2つのセグメントとしての電気
熱変換素子RH1 ,RH2 の駆動について説明する。
【0063】電気熱変換素子RH1 を駆動するために
は、まずスイッチング信号G1 によりグループの選択が
なされるとともに、スイッチング信号S1により電気熱
変換素子RH1 が選択される。すると、トランジスタ構
成のダイオードセルSH1 は正バイアスされ電流が供給
されて電気熱変換素子RH1は発熱する。この熱エネル
ギーが液体に状態変化を生起させて、気泡を発生させ吐
出口より液体を吐出する。
【0064】同様に、電気熱変換素子RH2 を駆動する
場合にも、スイッチング信号G1 およびスイッチング信
号S2により電気熱変換素子RH2 を選択して、ダイオ
ードセルSH2 を駆動し電気熱変換体に電流を供給す
る。
【0065】このとき、P型シリコン基板1はアイソレ
ーション領域3,6,9を介して接地されている。この
ように各半導体素子(セル)のアイソレーション領域
3,6,9が設置されることにより各半導体素子間の電
気的な干渉による誤動作を防止している。
【0066】こうして構成された基体100は、図7に
示すように、複数の吐出口500に連通する液路505
を形成するための感光性樹脂などからなる液路壁部材5
01と、インク供給口503を有する天板502とが取
り付けられて、インクジェット記録方式の記録ヘッド5
10とすることができる。この場合、インク供給口50
3から注入されるインクが内部の共通液室504へ蓄え
られて各液路505へ供給され、その状態で基体100
の発熱部110を駆動することで、吐出口500からイ
ンクの吐出がなされる。
【0067】次に、本実施例に係る記録ヘッド510の
製造工程について説明する。
【0068】(1)P型シリコン基板1(不純物濃度1
×1012〜1×1016cm-3程度)の表面に、8000
Å程度のシリコン酸化膜を形成した後、各セルのN型コ
レクタ埋込領域2を形成する部分のシリコン酸化膜をフ
ォトリソグラフィー工程で除去した。シリコン酸化膜を
形成した後、N型の不純物(たとえば、P,Asなど)
をイオン注入し、熱拡散により不純物濃度1×1018
-3以上のN型コレクタ埋込領域2を厚さ2000〜6
000Åほど形成し、シート抵抗が30Ω/□以下の低
抵抗となるようにした。続いて、P型アイソレーション
埋込領域3を形成する領域のシリコン酸化膜を除去し、
1000Å程度のシリコン酸化膜を形成した後、P型不
純物(たとえば、Bなど)をイオン注入し、熱拡散によ
り不純物濃度1×1015〜1×1017cm-3以上のP型
アイソレーション埋込領域3を形成した(図8参照)。
【0069】(2)全面のシリコン酸化膜を除去した
後、N型エピタキシャル領域4(不純物濃度1×1013
〜1×1015cm-3程度)を厚さ5000〜20000
Å程度エピタキシャル成長させた(図9参照)。
【0070】(3)次に、N型エピタキシャル領域4の
表面に1000Å程度のシリコン酸化膜を形成し、レジ
ストを塗布し、パターニングを行い、低濃度P型ベース
領域5を形成する部分にのみP型不純物をイオン注入し
た。レジスト除去後、熱拡散によって低濃度P型ベース
領域5(不純物濃度1×1014〜1×1017cm-3
度)を厚さ5000〜10000Åほど形成した。その
後、再びシリコン酸化膜を全面除去し、さらに8000
Å程度のシリコン酸化膜を形成した後、P型アイソレー
ション領域6を形成すべき領域のシリコン酸化膜を除去
し、BSG膜を全面にCVD法を用いて堆積し、さら
に、熱拡散によって、P型アイソレーション埋込領域3
に届くように、P型アイソレーション領域6(不純物濃
度1×1018〜1×1020cm-3程度)を厚さ1000
0 程度形成した。ここでは、BBr3 を拡散源として
用いてP型アイソレーション領域6を形成することも可
能である(図10参照)。
【0071】(4)BSG膜を除去した後、8000Å
程度のシリコン酸化膜を形成し、さらに、N型コレクタ
領域7を形成する部分のみシリコン酸化膜を除去した
後、N型の固相拡散およびリンイオンを注入あるいは熱
拡散によって、コレクタ埋込領域5に届きかつシート抵
抗が10Ω/□以下の低抵抗となるようにN型コレクタ
領域7(不純物濃度1×1018〜1×1020cm-3
度)を形成した。このとき、N型コレクタ領域7の厚さ
は約10000Åとした。続いて、12500Å程度の
シリコン酸化膜を形成し、蓄熱層101(図11および
12参照)を形成した後、セル領域のシリコン酸化膜を
選択的に除去した後、2000Å程度のシリコン酸化膜
を形成した。
【0072】レジストパターニングを行い、高濃度ベー
ス領域8および高濃度アイソレーション領域9を形成す
る部分にのみP型不純物の注入を行った。レジストを除
去した後、N型エミッタ領域10および高濃度N型コレ
クタ領域11を形成すべき領域のシリコン酸化膜を除去
し、熱酸化膜を全面に形成し、N型不純物を注入した
後、熱拡散によってN型エミッタ領域10および高濃度
N型コレクタ領域11を同時に形成した。なお、N型エ
ミッタ領域10および高濃度N型コレクタ領域11の厚
さは、それぞれ1.0μm以下、不純物濃度は1×10
18〜1×1020cm-3程度とした(図11参照)。
【0073】(5)さらに、一部電極の接続箇所のシリ
コン酸化膜を除去した後、Al等を全面堆積し、一部電
極領域以外のAl等を除去した。ここで、Alの除去
は、従来のウェットエッチングとは異なり、フォトレジ
ストを後退させながらエッチングを行なう方法におい
て、傾いた側面を有する配線形状が得られた。
【0074】エッチング液としては、従来レジストをパ
ターニングするために用いる現像液つまりTMAH(テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を含有す
る水溶液を用いて良い結果すなわち配線の側壁が法線に
対して約60度傾いた形状が安定して得られた(図12
参照)。
【0075】(6)そして、スパッタリング法により蓄
熱層としての機能も有する層間膜102となるSiO2
膜を全面に0.6〜1.0μm程度形成した。この層間
膜102はCVD法によるものであってもよい。またS
iO2 膜に限らずSiO膜またはSiN膜であってもよ
い。
【0076】次に、電気的接続をとるために、エミッタ
領域およびベース・コレクタ領域の上部にあたる層間膜
102の一部をフォトリソグラフィ法で開口し、スルー
ホールTHを形成した(図13参照)。
【0077】(7)次に、電気熱変換素子の一対の配線
電極104,104およびダイオードのカソード配線電
極104、アノード配線電極109としてのAl材料か
らなる層を、層間膜102上と、電気的接続をとるため
にエミッタ領域およびベース・コレクタ領域の上部にあ
たる電極13および電極12とに、スルーホールTHを
通して、約5000Å堆積させ、続けてパターニングす
ることで、配線を形成する。ここでAlパターニングは
上記方法と同様である。
【0078】(8)次に、発熱抵抗層103としてのT
aNを層間膜102と、配線電極104の上に約100
0Å堆積し、続けて配線電極104上と発熱部110以
外の領域を除去するためのパターニングをした。このと
きのパターニングでは、レジストパターニングの後のT
aNのエッチングに、C12,BC13等のガスを使ったプ
ラズマエッチングを行った(図14参照)。
【0079】(9)その後、スパッタリング法またはC
VD法により、電気熱変換素子の保護層としてのSiN
膜105を約5000Å堆積させた後、耐キャビテーシ
ョンの保護層106としてTaをスパッタ法により、約
1500Å堆積させた。
【0080】(10)次に保護層としてのTa膜106
を電気熱変換素子上部以外の領域において除去し、更に
続けて、ボンディングパッドに必要な部分において保護
層105を除去する。なお、保護膜105は、SiN以
外にSiON,SiO2 でもよい。また、Ta膜106
と保護膜105の除去領域は同一でもよい(図15参
照)。
【0081】(11)次に、半導体素子を有する基体
に、インク吐出部500を形成するための液路壁部材お
よび天板502を配設して、それらの内部に液路を形成
した記録ヘッドを製造した(図16参照)。
【0082】以上述べた構成の記録ヘッド510を記録
装置本体に装着して装置本体から記録ヘッド510に信
号を付与することにより、高速記録、高画質記録を行う
ことができるインクジェット記録装置を得ることができ
る。
【0083】次に、本発明の記録ヘッドを用いたインク
ジェット記録装置について図17を参照して説明する。
図17は本発明が適用されるインクジェット記録装置7
00の一例を示す概観斜視図である。
【0084】記録ヘッド510は、駆動モータ701の
正逆回転に連動して駆動力伝達ギア702,703を介
して回転するリードスクリュー704の螺旋溝721に
対して係合するキャリッジ720上に搭載されており、
上記駆動モータ701の動力によってキャリッジ720
とともにガイド719に沿って矢印a,b方向に往復移
動される。図示しない記録媒体給送装置によってプラテ
ン706上に搬送される記録用紙P用の紙押え板705
は、キャリッジ移動方向にわたって記録用紙Pをプラテ
ン706に対して押圧する。
【0085】707,708はフォトカプラであり、キ
ャリッジ720のレバー709のこの域での存在を確認
して駆動モータ701の回転方向切換等を行うためのホ
ームポジション検知手段である。710は前述の記録ヘ
ッド510の全面をキャップするキャップ部材711を
支持する支持部材で、712は上記キャップ部材711
内を吸引する吸引手段で、キャップ内開口713を介し
て記録ヘッド510の吸引回復を行う。714はクリー
ニングブレードで、715はこのブレードを前後方向に
移動可能にする移動部材であり、本体支持板716にこ
れらは支持されている。クリーニングブレード714
は、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例
に適用できることはいうまでもない。また、717は、
吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジ
720と係合するカム718の移動に伴って移動し、駆
動モータ701からの駆動力がクラッチ切換等の公知の
伝達手段で移動制御される。上記記録ヘッド510に設
けられた発熱部110に信号を付与したり、前述した各
機構の駆動制御を司ったりする印字制御部は、装置本体
側に設けられている(不図示)。
【0086】上述のような構成のインクジェット記録装
置700は、上記記録媒体給送装置によってプラテン7
06上に搬送される記録用紙Pに対し、記録ヘッド51
0が上記記録用紙Pの全幅にわたって往復移動しながら
記録を行うものであり、記録ヘッド510は、前述した
ような方法で製造したものを用いているため、高精度で
高速な記録が可能である。
【0087】以上の説明においては、基体をインクジェ
ット方式の記録ヘッドに採用した例について説明した
が、本発明により基体は、たとえば、サーマルヘッド用
基体にも応用できるものである。
【0088】なお、本実施例の説明においては、配線電
極としてAlを使用したが、Cuを0.5〜10wt%
程度含有するAl−Cu合金又はAl−Si−Cu合金
を使用しても良い。この場合、後工程の保護膜成膜時に
300〜400℃の加熱工程が加えられても不純物とし
てのCuによるピンニング効果即ちAl原子の粒界移動
が妨げられることにより、ヒロックやウィスカーの成長
を抑制することができる。従って必ずしも配線電極全面
を発熱抵抗層で覆いヒロックを抑制する手段をとる必要
はない。また本実施例の説明においては、各々128個
の電気熱変換素子及び機能素子の例を上げ、記録ヘッド
はキャリッジにのせられ移動しながらインク吐出を行な
っているが、例えば記録ヘッド用基体が長尺Siを基板
として、さらに多数個の素子を並べることによりヘッド
移動を不要とすることもできる。この場合の長尺Siは
円柱状の単結晶インゴットを軸方向にスライスすること
により得ることができる。
【0089】〈実施例2〉実施例1の記録ヘッド用基体
100において本実施例では、層間膜102,配線電極
104および発熱層103の構成を以下の様に形成す
る。
【0090】ここで図20のように配線電極104の上
面と層間膜102の上面のレベルは同一である。その上
層には、スパッタリング法により形成された発熱層10
3が形成される。この発熱層103が配線電極104直
上にあるということで、保護膜105成膜時に発生,成
長するAlヒロックを抑制することができる。また、配
線電極104上面と、層間膜102上面が同一であるこ
とで、保護膜105成膜時に存在する段差の大きさは、
発熱層103の約1000Å程度であるため、保護膜1
05のステップカバレージ性は良好である。
【0091】したがって保護膜105の厚さは、ヒロッ
クの低減効果と、良好なステップカバレージ性より、薄
く形成することが可能である。
【0092】次に本実施例に係る記録ヘッド用基体の製
造工程について説明する。ここで本実施例(1)〜
(6)は実施例1(1)〜(6)と同様である。
【0093】(7)次に、配線電極104を形成する領
域について、層間膜102を約5000Å除去する。更
に、電気熱変換素子の一対の配線電極104,104お
よびダイオードのカソード配線電極104,アノード配
線電極としてのAl材料からなる層を、層間膜102上
と、電気的接続をとるためにエミッタ領域およびベース
・コレクタ領域の上部にあたる電極13および電極12
とにスルーホールTHを通じて約5000Å堆積させ、
続けてパターニングすることで配線を形成する。ここで
のAlパターニングは実施例1のそれと同様である(図
18参照)。
【0094】(8)次に全面を平坦化する目的で、高粘
度のSOG201を塗布し、エッチバック法を用い、配
線電極102を露出させる(図19参照)。
【0095】(9)更に実施例1と同様に、発熱抵抗層
103を形成する(図20参照)。
【0096】(10)以下実施例1(9)〜(11)と
同様の方法を用いて、記録ヘッド基体インクを製造する
ものである。
【0097】〈実施例3〉実施例1,2の記録ヘッド基
体において、本実施例では層間膜102,配線電極10
4および発熱層103の構成を以下の様に形成する。
【0098】ここで図22のように、配線電極104と
発熱抵抗層103の間に、平坦化処理をした絶縁層30
1を形成し、保護層105堆積時の表面の段差を抑える
ことで、保護層のステップカバレージ性を向上できる。
【0099】したがって保護層105の厚さを薄く形成
することが可能である。
【0100】次に本実施例に係る記録ヘッド用基体の製
造工程について説明する。ここで本実施例(1)〜
(7)は実施例1(1)〜(7)と同様である。
【0101】(8)次に表面平坦化のための絶縁層をバ
イアススパッタ,SOGあるいはエッチバック法または
それらの組合せにより、約5000〜10000Å堆積
させる。更に、発熱抵抗層103との電気的接続をする
ためのスルーホールTHを開口する。このスルーホール
の端部の傾きは、法線に対し、30°〜75°の角度を
有する。なおこのTH開口にはレジストパターニング時
のポストベークで200〜250°に昇温させること
で、レジストパターン側面をリフローさせる。このレジ
ストマスクを使ってO2 流量比の高い(10〜20%)
フロン系(CF4,CHF3 )ガスによるプラズマエッ
チングを行うことによって達成できる(以上図21)。
【0102】(9)次に発熱抵抗層103としてのTa
Nを約1000Å堆積させる。続けてパターニングによ
って、配線電極104との電気的接続をするためのスル
ーホールTHおよび発熱部110以外の領域を除去する
(以上図22)。
【0103】(10)以下実施例1(9)〜(11)と
同様の方法を用いて記録ヘッド基体を製造するものであ
る。
【0104】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、上記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0105】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0106】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0107】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0108】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0109】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0110】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0111】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0112】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0113】
【発明の効果】以上説明した様に、配線電極レベルより
上層に発熱抵抗層を設け、少なくとも配線電極上面にお
いて発熱抵抗層と配線電極とを接続する様構成し、さら
に配線電極上面を発熱抵抗層で覆い、或いは配線電極を
Cuを含むAl合金にて形成することにより発熱抵抗層
上の保護層厚さを軽減でき、伝熱効率を向上し、隣接す
る電気熱変換素子への熱拡散が抑制され、記録装置の低
消費電力化、高速化、高集積化に効果大なるものであ
る。
【0114】また電気熱変換素子を低いパワーで駆動で
きるため、電気熱変換素子の信頼性向上、長寿命化にも
効果がある。
【0115】また、保護層成膜のスループットを向上で
き、低コスト化にも効果がある。
【0116】さらに他の効果として、配線電極と各種駆
動用機能素子間との接続に発熱抵抗層が介在しないた
め、接続抵抗の低減及び安定化が計られ、高速駆動、高
信頼性実現の効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド用
基体の模式的断面図である。
【図2】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド用
基体の一部分を拡大した模式的断面図である。
【図3】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド用
基体の一部分を拡大した模式的平面図である。
【図4】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド用
基体の電気熱変換素子の模式的断面図である。
【図5】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド用
基体の電気熱変換素子の平面図である。
【図6】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド用
基体の駆動方法を説明するための模式図である。
【図7】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッドの
部分断面斜視図である。
【図8】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッドを
製造するための方法の一工程を説明するための断面図で
ある。
【図9】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッドを
製造するための方法の一工程を説明するための断面図で
ある。
【図10】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド
を製造するための方法の一工程を説明するための断面図
である。
【図11】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド
を製造するための方法の一工程を説明するための断面図
である。
【図12】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド
を製造するための方法の一工程を説明するための断面図
である。
【図13】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド
を製造するための方法の一工程を説明するための断面図
である。
【図14】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド
を製造するための方法の一工程を説明するための断面図
である。
【図15】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド
を製造するための方法の一工程を説明するための断面図
である。
【図16】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド
を製造するための方法の一工程を説明するための断面図
である。
【図17】本発明にもとづくインクジェット記録装置の
概略的構成を説明するための斜視図である。
【図18】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド
用基体を製造するための方法の一工程を説明するための
断面図である。
【図19】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド
用基体を製造するための方法の一工程を説明するための
断面図である。
【図20】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド
用基体を製造するための方法の一工程を説明するための
断面図である。
【図21】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド
用基体を製造するための方法の一工程を説明するための
断面図である。
【図22】本発明にもとづくインクジェット記録ヘッド
用基体を製造するための方法の一工程を説明するための
断面図である。
【図23】従来のインクジェット記録ヘッドの概略的構
成を説明するための斜視図である。
【図24】従来のインクジェット記録ヘッド用基体の模
式的断面図である。
【符号の説明】 100 基体 103 発熱抵抗層 104 配線電極 105 保護膜(第1保護膜) 106 保護膜(第2保護膜) 110 発熱部 301 絶縁層 510 インクジェット記録ヘッド 700 インクジェット記録装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅羽 哲朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松本 繁幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱抵抗層を有する複数の電気熱変換素
    子と、各電気熱変換素子を駆動する複数の駆動用機能素
    子と、各駆動用機能素子と各電気熱変換素子とを接続す
    る配線電極と、前記電気熱変換素子および前記駆動用機
    能素子とが、フォトリソグラフィーによって形成された
    インクジェット記録ヘッド用基体において、 前記配線電極はテーパ状の切欠部を有し、さらに該切欠
    部に前記発熱抵抗層が積層してなる発熱部が設けられた
    ことを特徴とするインクジェット記録ヘッド用基体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェット記録ヘッ
    ド用基体において、 前記配線電極の上面に、前記発熱抵抗層が積層されてい
    ることを特徴とするインクジェット記録ヘッド用基体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のインクジェット
    記録ヘッド用基体において、 前記切欠部のテーパ面は、法線に対する所定の傾斜角
    度、好ましくは30゜以上75゜以下、を有することを
    特徴とするインクジェット記録ヘッド用基体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか一項記載の
    インクジェット記録ヘッド用基体において、 前記切欠部と、前記発熱抵抗層との間に絶縁層が設けら
    れたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド用基
    体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のインクジェット記録ヘッ
    ド用基体において、 前記絶縁層は、前記切欠部と前記発熱抵抗層とが接触す
    るためのテーパ状開口部を有し、さらに前記開口部のテ
    ーパ面は、法線に対する所定の傾斜角度、好ましくは3
    0゜以上75゜以下、を有することを特徴とするインク
    ジェット記録ヘッド用基体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一項記載の
    インクジェット記録ヘッド用基体において、 前記発熱抵抗層上に保護層が積層され、さらに前記保護
    層の厚さは、好ましくは0.2〜0.7μmであること
    を特徴とするインクジェット記録ヘッド用基体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のインクジェット記録ヘッ
    ド用基体において、 前記発熱抵抗層上の保護層の熱伝導率が室温で20.5
    〜30w/m・kであることを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッド用基体。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載のインクジェット
    記録ヘッド用基体において、 前記発熱抵抗層上の保護層は、SiNからなることを特
    徴とするインクジェット記録ヘッド用基体。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし8のいずれか一項記載の
    インクジェット記録ヘッド用基体において、 前記発熱抵抗層上の保護層上に第2の保護層が積層さ
    れ、さらに該第2の保護層はTa膜からなることを特徴
    とするインクジェット記録ヘッド用基体。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のインクジェット記録ヘ
    ッド用基体において、 前記第2の保護層は、前記発熱抵抗層上の保護層上の前
    記発熱部に相当する領域のみに積層されたことを特徴と
    するインクジェット記録ヘッド用基体。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれか一項記
    載のインクジェット記録ヘッド用基体において、 前記発熱抵抗層は、TaN,Ta,HfB2 ,ZrB
    2 ,Ti−W,Ni−Cr,Ta−Al,Ta−Si,
    Ta−Mo,Ta−W,Ta−Cu,Ta−Ni,Ta
    −Ni−Al,Ta−Mo−Al,Ta−Mo−Ni,
    Ta−W−Ni,Ta−Si−Al,Ta−W−Al−
    NiおよびTa−Si−Oからなる群から選択される材
    料から構成されることを特徴とするインクジェット記録
    ヘッド用基体。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか一項記
    載のインクジェット記録ヘッド用基体において、 前記配線電極は、Cuを0.5重量%以上10重量%以
    下の範囲で含有するAl合金からなることを特徴とする
    インクジェット記録ヘッド用基体。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれか一項記
    載のインクジェット記録ヘッド用基体を用い、また前記
    発熱抵抗層を有する電気熱変換素子をインク吐出のため
    のエネルギー発生手段としたことを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のインクジェット記録
    ヘッドを搭載するための手段を備えたことを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のインクジェット記録
    装置を出力手段とすることを特徴とする情報処理システ
    ム。
JP16432395A 1995-06-29 1995-06-29 インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置および情報処理システム Pending JPH0911468A (ja)

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