JPH09187936A - インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置

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JPH09187936A
JPH09187936A JP37596A JP37596A JPH09187936A JP H09187936 A JPH09187936 A JP H09187936A JP 37596 A JP37596 A JP 37596A JP 37596 A JP37596 A JP 37596A JP H09187936 A JPH09187936 A JP H09187936A
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oxide
recording head
ink jet
layer
heating element
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Masahiko Kubota
雅彦 久保田
Teruo Ozaki
照夫 尾▲崎▼
Toshihiro Mori
利浩 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 満足できる性能を持ち、従来より短い工程で
歩留り良く低価格で作製できるインクジェット記録ヘッ
ド用基体、インクジェット記録ヘッドならびにインクジ
ェット記録装置を提供することにある。 【解決手段】 熱エネルギーの作用によって飛翔液滴を
形成するタイプのインクジェット記録ヘッド用基体の発
熱体上に形成する保護膜を、1層の金属酸化物からなる
膜で形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,記録用の液体(イ
ンク等)を飛翔液滴として吐出口(オリフィス)から吐
出させて記録媒体に付着させることによって記録を行う
インクジェット記録装置に用いられるインクジェット記
録ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、ノンインパ
クイト記録として、サイレントの要求される現代のビジ
ネスオフィスやその他の事務処理部門において、強く望
まれているかたわら、高密度で高速記録が可能であると
いう点で、また、保守が比較的容易になる、あるいはメ
ンテナンスフリーになり得るという点において、開発・
改良が図られている。
【0003】そのようなインクジェット記録装置の中
で、特開昭54−59936号に開示されているインク
ジェット記録装置は、その構造的な特徴から高密度で高
速記録が十分可能であり、かついわゆるフルライン記録
ヘッドの設計製造が極めて容易であるため、その実現が
熱望されている。
【0004】しかしながら、かかるインクジェット記録
装置においても、高密度でフルライン化の記録を実現し
ようとすると、その記録ヘッドの構造上の設計的問題や
記録精度および記録の確実性と耐久性等に直結する記録
ヘッドの製造上および生産性・量産性の点において解決
すべき点が未だ残されている。
【0005】そこで、特開昭57−72867号および
特開昭57−72868号には、高密度・高速化を図る
ためにインクジェット記録ヘッドが高度に集積化された
構造をもつインクジェット記録装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記発熱体や
その発熱体に対して設けられる信号分離素子、例えば、
ダイオードやトランジスタを同一基板上に設けて集積度
を上げた構造になるために、その各素子のサイズや電気
配線の幅および配線間隔が狭くなっている。このため、
特開昭60−159060号に開示されているように、
前記発熱体の上に第1保護膜として無機絶縁体を、第2
保護膜として無機材料を具備する構成をとると、第1保
護膜の成膜プロセスによって発生する欠陥や、第2保護
膜を成膜する際に発生する膜応力による欠陥等によっ
て、電気配線材と第2保護膜間で電気的短絡を起こす不
良が数多く発生している。
【0007】また、特開昭57一72867号、特開昭
57−72868号に記載されているインクジェット記
録ヘッドの場合、基板上に多数の微細な前記発熱体およ
びその発熱体の各々を独立に駆動させる信号を分離し、
所望の発熱体が駆動されるために設けられた複数の機能
素子で構成される駆動回路部を同時に形成することか
ら、製造過程において、基板上では各層の形成と形成さ
れた層の一部除去の繰返しが行われる。従って、上部層
が形成される段階では、その上部層が形成される表面
は、ステップウェッヂ部(段差部)のある微細な凹凸状
となっているので、この段差部における上部層の被覆性
(ステップカバレージ性)が重要となっている。すなわ
ち、この段差部の被覆性が悪いと、その部分での液体の
浸透が起こり、それが電蝕あるいは電気的絶縁破壊を起
こす誘因となる。また、形成される上部層がその製造法
上において欠陥部の生ずる確率が少なくない場合には、
その欠陥部を通じて液体の浸透が起こり、それが前記発
熱体および電気配線の寿命を著しく低下させる要因とな
っている。
【0008】そこで、配線の幅および配線間隔が狭くな
っても、第1保護膜での段差部被覆(ステップカバレー
ジ)を良くするためには、第1保護膜を厚くしなければ
ならなくなる。これでは、前記発熱体から発生した熱
が、第2保護膜の表面に伝達される効率が低下する。そ
のために、第2保護膜表面での熱エネルギ−を維持する
には、第1保護膜を厚くした分、前記発熱体にかかる電
圧を上げる必要がある。このため、電気・熱変換に伴う
効率が低下する。その結果、その効率を向上させるに
は、前記発熱体上に形成される保護膜をできる限り薄く
すれば良い。しかし、上述のように、上部層は、段差部
における被覆性が良好であること、形成される層に欠陥
が発生する確率が低く、発生しても実用上無視し得る程
度あるいはそれ以上に少ないことが要求される。さら
に、インクジェット記録ヘッド用基体の構成から、絶縁
膜が少なくとも1層以上形成されなければならない。
【0009】また、使用されるインクは、各種の用途か
ら、pH3〜10までのインクが使用されている。そこ
で、インクと接触する保護膜としては、前記pHにおい
て、溶解しないという制約が必要となる。
【0010】従来、比較的機械的強度に優れ、かつTa
等の金属材料で構成される耐キャビテ一ション膜との密
着性の良いSiO2膜が、第1保護膜として使用されて
いるが、そのSiO2膜はアルカリ水溶液で溶解される
ため、Ta等の耐キャビテーション膜に欠陥等が生じた
場合、アルカリ性のインクとそのSiO2膜が接触する
と溶解し、その後電極材料のAlも溶解し、それが電気
的断線を起こす原因となる。
【0011】また、上記SiO2膜の場合と同様の理由
で、Si34膜も第1保護膜として使用されている。そ
のSi34膜は主にCVD法で形成されるため、成膜温
度が300〜400℃と、スパッタリング法と比較する
と高温で成膜される。さらに、200〜300℃という
低温でのSi34膜の成膜も可能であるが、発熱体材料
であるTaN等の金属窒化物との密着性が低下する。そ
こで、300〜400℃の高温でそのSi34膜を成膜
すると、その際、電極材料であるAl層上のヒロック
(突起)がそのSi34膜中に成長し、その後成膜され
るTa等の金属材料で構成される第2保護膜とAlとの
間で電気的短絡を起こす。
【0012】一方、前記発熱体では液体が加熱により気
化されるが、これがサブクール沸騰であるためと、加熱
時間が短いために、直ちに冷却されて凝縮する。従っ
て、その発熱体近傍では毎秒数千回の高頻度で発泡−凝
縮が繰り返されており、この時の圧力変化(キャビテー
ション コロージョン)は、基板を破壊することも少な
くない。また最近では、インクジェット記録ヘッドは使
い捨てタイプのものが多く販売されており、そのヘッド
を搭載したインクタンク中のインクがなくなるまでの耐
久性を維持できればよくなってきている。
【0013】従って、本発明の目的は、満足できる性能
を持ち、従来より短い工程で歩留り良く低価格で作製で
きるインクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット
記録ヘッドならびにインクジェット記録装置を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、飛翔液滴を形
成するために液体を噴射する吐出オリフィスに連通する
液流路を形成する複数の熱作用室部と、該熱作用室部そ
れぞれを満たす液体に熱を効果的に伝達するように各熱
作用室部ごとに設けられている複数の発熱体と、該発熱
体のそれぞれを独立に駆動するための信号を分離し、所
定の発熱体が駆動されるために設けられた複数の機能素
子を有してなる駆動回路部とを具備し、前記発熱体上に
は保護膜が形成されており、前記複数の発熱体と機能素
子とを同一の基板上に構造的に設けてあるインクジェッ
ト記録ヘッド用基体において、前記保護膜が1層の金属
酸化物からなる膜であることを特徴とするインクジェッ
ト記録ヘッド用基体、その基体を搭載したインクジェッ
ト記録ヘッド、ならびにそのインクジェット記録ヘッド
を具備したインクジェット記録装置を提供する。
【0015】そのような本発明においては、前記保護膜
の成分である金属酸化物は遷移金属の酸化物であること
が好ましく、具体的には、そのような遷移金属の酸化物
は、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化モ
リブデン、五酸化夕ンタル、酸化夕ングステン、酸化ク
ロム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタ
ン、酸化イットリウムおよび酸化マンガンからなる群か
ら選ばれる金属酸化物であることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
【0017】
【実施例】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0018】図1には、本発明のインクジェット記録装
置の1実施態様の構成を説明するための模式的組み立て
部分図が示される。
【0019】図1(a)に示すインクジェット記録装置
は、複数の発熱素子がアレー状に配列されて構成される
発熱素子配列部102と、発熱素子に対応して設けられ
る機能素子で構成される駆動回路部103が表面部に設
けられてある素子付設部材101と、液体供給用の共通
液室および流路を形成するために所定の形状と寸法で所
定数の溝が設けてある溝蓋部材104で基本的には構成
される。
【0020】溝蓋部材104は、所定の間隔と所定の寸
法で規則的に配列されている各発熱素子105をそれぞ
れの溝106が覆うように構成されている。すなわち、
溝106は発熱素子105の配列ピッチと等ピッチで溝
蓋部材104に設けられている。そして、各溝106
は、溝蓋部材104の後方に各溝106の長手方向と垂
直に設けられた共通液室用溝107と連絡されている。
そして、各溝106と対応する各発熱素子105とが対
向するように、素子付設部材101の素子配列部102
上に、溝蓋部材104が接合される。それによって、そ
の一部に熱作用室部を有する複数の流路に液体を満たす
ための共通液室が形成される。
【0021】共通液室用溝107の後方には、外部に設
けられる不図示の液貯蔵槽より共通液室に液体を供給す
るための供給管108が付設されている。
【0022】発熱素子105は、各素子に共通の共通電
極109と、駆動回路部103を構成する機能素子とし
てのトランジスタ110のコレクタ部に接続されている
電極111との間に、発生した熱を液体に作用させるた
めに設けられる発熱抵抗部112を有する。発熱素子配
列部102の表面全域に、液体と発熱抵抗部112との
接触および共通電極109とコレクタ電極111との電
気的短絡を防止するために無機絶縁体の保護層121が
設けられている。
【0023】保護層として金属酸化物を使用する利点と
しては、以下のものが挙げられる。 (1)アルカリ水溶液に対する耐性がよい。 (2)粒界を持たないアモルファス構造のため、耐キャ
ビテーション性がよい。 (3)発熱体材料であるTaN等の金属窒化物との密着
性がよい(同様の金属を選択すると、密着性はさらに向
上する)。 (4)アモルファス構造をとるため、機械的強度に優
れ、ステップカバレージ性が良好であり、かつ電極材料
であるAl層からのヒロック抑制にも有効である。 (5)保護膜1層にすると、プロセス工程が減少され、
かつ金属膜の耐キャビテーション膜を削除できるので、
電極層との電気的短絡もなくなり、歩留りが向上され
る。 (6)保護膜1層にすると、保護層全体の膜厚も薄くで
き、発熱体への投入パワーも低減できて、省エネルギー
駆動が可能である。 (7)上記によって、低価格でヘッド用基体が提供で
き、さらに、記録装置の電源容量も抑えることができ
て、低価格の記録装置をも提供できる。
【0024】この保護層121を構成する材料として
は、比較的熱伝導性および耐熱性に優れ、しかも耐pH
性(pH2〜11)を有する無機質絶縁材料が適してい
る。さらに、低温での膜形成が可能な材料が適してい
る。例えば、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化ニオ
ブ、酸化モリブデン、五酸化夕ンタル、酸化夕ングステ
ン、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、
酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化マンガン等の遷
移金属酸化物等を挙げることができる。さらに、発熱体
が、TaN膜である場合、その発熱体との密着性を考慮
すると、同一元素を含む五酸化タンタルが最適である。
【0025】駆動回路部103は、コレクタ電極11
1、ベース電極113、エミッタ電極114の各々の下
部位に、コレクタ領域、ベース領域およびエミッタ領域
が形成されている。これらの領域は、半導体基板115
の表面内部に構造的に設けられる。各ベース電極113
は後方に付設されてあるベ−ス共通電極110と連続的
に形成されている。117は、各トランジスタ110を
電気的にアイソレーションするためにコレクタ領域に高
電圧を印加するための電極であって、各トランジスタに
共通である。
【0026】図1(b)には、図1(a)に示すインク
ジェット記録装置を流路に沿って切断した場合の断面構
造が模式的に示される。
【0027】素子付設部材101は、その表面内部に構
造的に機能素子としてのトランジスタ110が設けられ
た構造を有し、半導体基板118上に形成されたエピタ
キシャル層119の表面に発熱素子105が積層構造的
に設けられている。
【0028】発熱素子105は、エピタキシャル層11
9の表面に設けた保護膜121の上の発熱抵抗部112
と、共通電極109、トランジスタ110のコレクタ領
域と接続するための電極111とで構成され、発熱抵抗
部112は発熱抵抗体120と、その発熱抵抗体120
を保護するための保護層121とで構成されている。
【0029】発熱抵抗部112の上部には、その発熱抵
抗部112より発生する熱の作用を受けて、気泡の発生
とその体積の収縮を含む急激な状態変化を液体が引き起
こす所としての熱作用室部122が形成されている。熱
作用室部122は、上記の状態変化に基づいて飛翔液滴
が形成されることから、液体が噴射される吐出オリフィ
ス123と、後方に設けられた共通液室124に各々連
通しており、共通液室124には、外部からの液体を共
通液室124に供給するための供給管108が付設され
ている。
【0030】各発熱素子105の後方には、対応したト
ランジスタ110がエピタキシャル層119の内部に構
造的に設けてある。
【0031】トランジスタ110は、通常のトランジス
タ構造を有しているもので、底辺部には、コレクタ領域
125の抵抗低下のための埋め込み層128が設けてあ
る。電極111とコレクタ領域125の間には、オーミ
ック接触を形成するためのオーミック領域129が設け
てある。
【0032】コレクタ領域125、ベース領域126、
エミッタ領域127からは、電気的に隔絶されて、各電
極111、113、114、117が取り出されてい
る。エミッタ電極114と、ベース電極113およびア
イソレ一ション用の電極117との間には、重なる部分
において電気的隔絶を形成する目的で、電気的絶縁層1
31が介在させてある。発熱素子105とトランジスタ
110との間には、発熱素子105より発生する熱がト
ランジスタ110に悪影響を与えないように、熱的アイ
ソレーションを行う目的で、拡散領域130が設けてあ
る。この拡散領域130を設けることで、トランジスタ
110の寿命が格段に延びる。
【0033】図2は、図1に示したインクジェット記録
ヘッド用基体上の発熱体近傍の積層構造を示す模式的断
面図である。基体201上には、蓄熱層205、発熱体
層206および上記ヒータ配線層204が順次積層され
ている。このヒータ配線層204の一部は、上述の発熱
体202となるべき部分についてエッチング等の手段に
より溝形状に除去されて、その溝の底部に上記発熱体層
206の一部が露出する。この露出した発熱体層206
およびヒータ配線層204の上にはこれらの層をインク
の影響から保護する機能と耐キャビテーション性の機能
を併せ持つ保護層207(Ta25)が順次積層されて
いる。
【0034】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。
【0035】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0036】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0037】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。
【0038】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0039】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0040】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0041】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モード
を行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0042】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個を組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0043】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。
【0044】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0045】図3は、上記実施例に係るインクジェット
記録ヘッドを装着して適用することのできるインクジェ
ット記録装置の一例を示す概略斜視図である。図3にお
いて、601は上記実施例に係るインクジェット記録ヘ
ッドである。このヘッド601は、駆動モータ602の
正逆回転に連動して駆動力伝達ギア603および604
を介して回転するリ一ドスクリュ605の螺旋溝606
に対して係合するキャリッジ607上に搭載されてお
り、上記駆動モータ602の動力によってキャリッジ6
07とともにガイド608に沿って矢印aおよびb方向
に往復移動される。図示していない記録媒体供給装置に
よってプラテン609上を搬送されるプリント用紙Pの
紙押さえ板610は、キャリッジ移動方向にわたってプ
リント用紙Pをプラテン609に対して押圧する。
【0046】上記リードスクリュ605の一端の近傍に
は、フォトカプラ611および612が配設されてい
る。これらは、キャリッジ607のレバー607aのこ
の域での存在を碓認して駆動モータ602の回転方向切
り換え等を行うためのホームポジション検知手段であ
る。図において、613は上述のインクジェット記録ヘ
ッド601の吐出口のある前面を覆うキャップ部材61
4を支持する支持部材である。また、615はキャップ
部材614の内剖にヘッド601から空吐出等によって
溜ったインクを吸引するインク吸引手段である。この吸
引手段615により、キャップ内開口部616を介して
ヘッド601の吸引回復が行われる。617はクリーニ
ングブレードであり、618はブレード617を前後方
向(上記キャリッジ607の移動方向に直交する方向)
に移動可能にする移動部材であり、ブレード617およ
び移動部材618は本体支持体619に支持されてい
る。上記ブレード617はこの形態に限らず、他の周知
のクリーニングブレードであってもよい。620は吸引
回復操作にあたって、吸引を開始するためのレバーであ
り、キャリッジ607と係合するカム621の移動に伴
って移動し、駆動モータ602からの駆動力がクラッチ
切り換え等の公知の伝達手段で移動制御される。上記ヘ
ッド601に設けられた発熱体202に信号を付与した
り、前述した各機構の駆動制御を司ったりするインクジ
ェット記録制御部は装置本体側に設けられており、ここ
には図示しない。
【0047】上述の構成を有するインクジェット記録装
置600は、図示しない被記録材給送装置によりプラテ
ン609上を搬送される被記録材Pに対し、ヘッド60
1は用紙Pの全幅にわたって往復移動しながら記録を行
う。
【0048】本発明に係る記録装置の形態としては、ワ
ードプロセッサやコンピュータ等の情報処理機器の画像
出力端末として一体または別体に設けられるものの他、
リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能
を有するファクシミリ装置の形態を採るものであっても
良い。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
発熱体層の上に1層の金属酸化物のみで構成される保護
膜を形成することにより、満足できる性能を持ったイン
クジェット記録ヘッド用基体を歩留り良く作製すること
ができ、従来の2層の保護膜を形成するよりも製造工程
を短縮させることが可能となる。従って、インクジェッ
ト記録ヘッド用基体を低価格で供給することが可能とな
り、満足できる性能を持ったインクジェット記録ヘッド
およびインクジェット記録装置を低価格で供給すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの1実施態
様の構成を示す図であり、(a)は模式的組立図、
(b)は断面図である。
【図2】図1のインクジェット記録ヘッドの発熱体近傍
の積層構造を示す模式的断面図である。
【図3】本発明のインクジェット記録装置の1例の概略
斜視図である。
【符号の説明】
101 素子付設部材 102 素子配列部 103 駆動回路部 104 溝蓋部材 105 発熱素子 106 溝 107 共通液室溝 108 供給管 109 共通電極 110 トランジスタ 111 コレクタ電極 112 発熱抵抗部 113 ベース電極 114 エミッタ電極 115 基板 116 ベース共通電極 117 電極 118 P型半導体基板 119 エピタキシャル層 120 発熱抵抗体 121 保護層 122 熱作用室部 123 オリフィス 124 共通液室 125 コレクタ領域 126 ベース領域 127 エミッタ領域 128 埋め込み層 129 オーミック接触領域 130 拡散領域 131 電気的絶縁層 201 基体 202 発熱部 204 ヒータ配線層 205 蓄熱層 206 発熱体層 207 保護層 601 インクジェット記録ヘッド 602 駆動モータ 603 駆動力伝達ギア 604 駆動力伝達ギア 605 リードスクリュ 606 螺旋溝 607 キャリッジ 607a レバー 608 ガイド 609 プラテン 610 紙押え板 611 フォトカプラ 612 フォトカプラ 613 支持部材 614 キャップ部材 615 インク吸引手段 616 キャップ内開口部 617 クリーニングブレード

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飛翔液滴を形成するために液体を噴射す
    る吐出オリフィスに連通する液流路を形成する複数の熱
    作用室部と、該熱作用室部それぞれを満たす液体に熱を
    効果的に伝達するように各熱作用室部ごとに設けられて
    いる複数の発熱体と、該発熱体のそれぞれを独立に駆動
    するための信号を分離し、所定の発熱体が駆動されるた
    めに設けられた複数の機能素子を有してなる駆動回路部
    とを具備し、前記発熱体上には保護膜が形成されてお
    り、前記複数の発熱体と機能素子とを同一の基板上に構
    造的に設けてあるインクジェット記録ヘッド用基体にお
    いて、 前記保護膜が1層の金属酸化物からなる膜であることを
    特徴とするインクジェット記録ヘッド用基体。
  2. 【請求項2】 前記保護膜の成分である金属酸化物が遷
    移金属の酸化物である請求項1記載のインクジェット記
    録ヘッド用基体。
  3. 【請求項3】 前記遷移金属の酸化物が、酸化チタン、
    酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、五酸化
    夕ンタル、酸化夕ングステン、酸化クロム、酸化ジルコ
    ニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化イットリ
    ウムおよび酸化マンガンからなる群から選ばれる金属酸
    化物である請求項1または2記載のインクジェット記録
    ヘッド用基体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の基
    体を搭載したインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 インク吐出エネルギー発生素子が電気エ
    ネルギーを与えることによって発熱し、インクに状態変
    化を生ぜしめて吐出を行なわせるための電気熱変換体で
    ある、請求項4記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
    出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
    る請求項4または5記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 記録媒体の被記録面に対向してインクを
    吐出するためのインク吐出口が設けられている請求項4
    ないし6のいずれかに記載の記録ヘッドと、該記録ヘッ
    ドを載置するための部材とを少なくとも具備するインク
    ジェット記録装置。
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