JP4120823B2 - 内燃機関の動弁装置及び可変動弁機構の初期設定装置 - Google Patents
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Description
例えば、エンジンの低速回転時に適したカムプロフィルを備えた低速用カムとエンジンの高速回転時に適したカムプロフィルを備えた高速用カムとを有し、これら低速用カムと高速用カムとをエンジンの回転速度状態に応じて選択可能な動弁装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
図9は図8のA−A線に沿う断面図であるが、当該動弁装置では、これら図8、図9に示すように、エンジンの各気筒上方のシリンダヘッド10に、各気筒毎に各々リターンスプリング(図示せず)により常閉とされる2つの吸気弁11,12と2つの排気弁21,22とが備えられており、これら吸気弁11,12、排気弁21,22を駆動するために動弁装置30が備えれられている。
吸気弁駆動用のロッカアーム33〜35のうち中低速ロッカアーム33,34は、一端のアジャストスクリュ33a、34aを吸気弁11,12のステム端部に当接させており、吸気弁11は中低速ロッカアーム33の揺動に応じて開閉し、吸気弁12は中低速ロッカアーム34の揺動に応じて開閉するよう構成されている。
詳しくは、ロッカシリンダ50のうち当該当接突起35aの先端面35dが中低速ロッカアーム33,34と当接する位置には、摺動面の一部が開口してそれぞれ開口部53が形成されており、当接突起35aは、当該開口部53からロッカシリンダ50の内部に挿入可能である。
具体的には、例えばエンジン回転速度Neが所定値以上になると、オイルコントロールバルブ42dの潤滑油供給のための大径通路(図示せず)が連通してロッカシリンダ50内に供給される潤滑油の油圧が高められ、ロッカピストン51は側面51aが開口部53を封鎖するように摺動する。一方、エンジン回転速度Neが所定値より低くなると、図11に示すようにオイルコントロールバルブ42dの潤滑油供給のための小径通路が連通してロッカシリンダ50内に供給される潤滑油の油圧が低められ、ロッカピストン51の側面51aが開口部53を封鎖しないように戻される。
図11に示す如くオイルコントロールバルブ42dの潤滑油供給のための小径通路が連通し、ロッカシリンダ50内の油圧が低められると、ロッカピストン51はスプリング52の付勢力によって側面51aが開口部53を封鎖しないようにロッカシリンダ50内に埋没してロッカシリンダ50の一方の摺動端側に位置し、開口部53からロッカシリンダ50内に向けて空間50aが形成される(図10(a)参照)。このように開口部53からロッカシリンダ50内に向けて空間50aが形成されると、高速ロッカアーム35の揺動時において、図10(a)中に二点鎖線で示すように、高速ロッカアーム35の上記当接突起35aの先端部35cが一切中低速ロッカアーム33,34と当接することなく当該空間50a内に出没することになり、この場合、中低速ロッカアーム33,34は各々対応する中低速用カム31a,31bに倣い揺動して吸気弁11,12を開閉作動する。
一方、オイルコントロールバルブ42dの潤滑油供給のための大径通路(図示せず)が連通し、油圧調整装置42によってロッカシリンダ50内の油圧が高められると、ロッカピストン51はスプリング52の付勢力に抗して側面51aが開口部53を封鎖し当該開口部53を塞ぐように作動する(図10(b)参照)。このようにロッカピストン51が開口部53を塞ぐように作動すると、高速ロッカアーム35の揺動時において、高速ロッカアーム35の上記当接突起35aの先端面35dがロッカピストン51の側面51aと当接することになり、この場合、中低速ロッカアーム33,34のローラ33b,34bは、各々対応する中低速用カム31a,31bから離間し、中低速ロッカアーム33,34は高速ロッカアーム35を介して高速用カム31cに倣い高速ロッカアーム35と一体に揺動して吸気弁11,12を共に開閉作動する。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、可変動弁機構を有した内燃機関において、可変動弁機構の切換動作の最適化を図り、吸気弁や排気弁の作動特性の切換に伴う異音の発生を抑え、可変動弁機構の損傷、摩耗を低減可能な内燃機関の動弁装置及び可変動弁機構の初期設定装置を提供することにある。
また、請求項2の内燃機関の動弁装置では、内燃機関は多気筒内燃機関であって、前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームを気筒毎に備え、前記学習手段は、前記各気筒の第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが所定の作動状態とならないように該ロッカピストンの作動時期を学習することを特徴としている。
例えば、第1のロッカアーム及び第2のロッカアームが吸気弁を作動させるものであって、内燃機関が4サイクル4気筒エンジンやV型6気筒エンジンの片側バンク(3気筒列)である場合、各気筒の第2のロッカアームが全て同時に作動開始することはないため、いずれの気筒の第2のロッカアームも作動開始しない期間に全気筒の全てのロッカピストンを作動させるように学習する。
また、請求項4の内燃機関の動弁装置では、請求項3において、前記学習手段は、前記ロッカピストンの作動途中に前記油圧検出手段により所定量以上の油圧の変化が検出されると、前記所定量以上の油圧の変化が検出されないように前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を学習することを特徴としている。
即ち、内燃機関の回転速度が変化すると、それにつれて第2のロッカアームの作動周期も長く或いは短く変化し、第2のロッカアームの作動開始時に対するロッカピストンの作動時期も変化するため、機関回転速度検出手段により検出される回転速度毎にロッカピストンの作動時期を学習する。
例えば、初期設定装置は内燃機関のベンチテスタであって、ベンチテスタによってロッカピストンの作動時期を学習して学習値を記憶しておき、当該記憶した学習値を出荷前の内燃機関のコントローラに対し所定の作動時期の初期値として設定する。
また、請求項8の内燃機関の可変動弁機構の初期設定装置では、前記ロッカピストン作動手段は、油圧源から油路を介して供給される作動油によって前記ロッカピストンを作動させるものであって、前記油路に油圧調整手段を有し、前記学習手段は、前記油路内の油圧を検出する油圧検出手段を有し、前記第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが所定の作動状態とならないよう、該油圧検出手段により検出される油圧の変化に基づいて、前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を学習することを特徴としている。
また、請求項9の内燃機関の可変動弁機構の初期設定装置では、請求項8において、前記学習手段は、前記ロッカピストンの作動途中に前記油圧検出手段により所定量以上の油圧の変化が検出されると、前記所定量以上の油圧の変化が検出されないように前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を学習することを特徴としている。
即ち、上記請求項5と同様に、内燃機関の回転速度が変化すると、それにつれて第2のロッカアームの作動周期も長く或いは短く変化し、第2のロッカアームの作動開始時に対するロッカピストンの作動時期も変化するため、機関回転速度検出手段により検出される回転速度或いは回転速度域毎にロッカピストンの作動時期を学習する。
また、請求項2の内燃機関の動弁装置によれば、多気筒内燃機関の場合、いずれかの気筒の第2のロッカアームが揺動している間にはロッカピストンが所定の作動状態とならないように該ロッカピストンの作動時期を学習するので、全気筒において、ロッカピストンが上昇途中或いは下降途中の所定の作動状態であるときに第2のロッカアームが揺動して当接突起の先端部がロッカピストンの側面と当接することがないようにロッカピストンの作動時期を維持でき、ロッカピストンの作動時期の適正化を図ることができる。
また、請求項7の内燃機関の可変動弁機構の初期設定装置によれば、多気筒内燃機関の場合、いずれかの気筒の第2のロッカアームが揺動している間にはロッカピストンが所定の作動状態とならないように該ロッカピストンの作動時期を学習するので、全気筒において、ロッカピストンが上昇途中或いは下降途中の所定の作動状態であるときに第2のロッカアームが揺動して当接突起の先端部がロッカピストンの側面と当接することがないようにロッカピストンの作動時期を最適に初期設定できる。
先ず、本発明に係る内燃機関の動弁装置について説明する。
本発明に係る動弁装置は、上記図8〜図12に示した動弁装置を改良したものであり、動弁装置の基本構成は上述した通りであるため説明を省略し、上記図8〜図12をも参照しながら、本発明に係る部分について詳細に説明する。
図1を参照すると、上記図11に示す油圧調整装置(ロッカピストン作動手段)42を含む油圧回路の詳細が示されている。
また、エンジンには、クランク角センサ62、カム角センサ64、油温センサ66等が設けられており、各油路42cのOCV42d下流側には油圧センサ(油圧検出手段)68が設けられており、ECU60には、これら各センサからの情報が入力されるよう構成されている。即ち、ECU60には、クランク角センサ62からクランク角情報が入力し、カム角センサ64からカムシャフトの回転角情報が入力し、油温センサ66から作動油の温度情報Toilが入力し、油圧センサ68から油圧情報Poilが入力する。そして、ECU60では、クランク角情報に基づきエンジン回転速度Neが演算され、カムシャフトの回転角情報に基づきTDC信号(ピストン上死点信号)が発信される。
例えば、ECU60からOFF信号がOCV42dに供給されると、OCV42dは図示の状態に切り換えられ、OCV42d内に設けられたオリフィスによって油路42cが絞られて小径通路が形成され、同時にOCV42d下流側の油路42cとドレン回路42fとが連通する。これより、ロッカシリンダ50に供給される油量が制限されるとともにロッカシリンダ50内の作動油がドレン回路42fを経てオイルパン47に返戻され、ロッカシリンダ50内の油圧が低下し、ロッカピストン51がスプリング52の付勢力によってロッカシリンダ50の一方の摺動端側(下側)に戻される。つまり、ECU60からの信号がONからOFFに切り換えられると、ロッカピストン51の側面51aが開口部53を封鎖しない(或いは、当接突起35aの揺動軌跡と交差しない)ようにロッカシリンダ50内に埋没することになり、高速ロッカアーム(第2のロッカアーム)35の揺動時において、高速ロッカアーム35の上記当接突起35aの先端部35cが一切中低速ロッカアーム(第1のロッカアーム)33,34と当接することなく当該空間50a内に出没する。即ち、連結切換機構41が非連結状態に切り換えられ、中低速用カム(第1のカム)31a,31bが選択される。
一方、ECU60からON信号がOCV42dに供給されると、OCV42dは図示しない状態、即ち大径通路が連通した状態に切り換えられる。これより、ロッカシリンダ50に十分な量の作動油が供給されてロッカシリンダ50内の油圧が上昇し、ロッカピストン51がスプリング52の付勢力に抗してロッカシリンダ50の他方の摺動端側(上側)に移動する。つまり、ECU60からの信号がOFFからONに切り換えられると、ロッカピストン51の側面51aが開口部53を封鎖する(或いは、当接突起35aの揺動軌跡と交差する)ようにロッカシリンダ50内を摺動することになり、高速ロッカアーム35の揺動時において、高速ロッカアーム35の上記当接突起35aの先端面35dがロッカピストン51の側面51aと当接する。即ち、連結切換機構41が連結状態に切り換えられ、高速用カム(第2のカム)31cが選択される。
図2を参照すると、当該切換制御における本発明に係る油圧増減開始制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い説明する。
先ず、ステップS10では、連結切換機構41の切り換えを行ってもよいか否か、即ち切換可か否かを判別する。ここでは、エンジン回転速度Ne(内燃機関の運転状態)に基づき、中低速用カム31a,31bから高速用カム31cへの切換時には、エンジン回転速度Neが所定回転速度N1(例えば、3000rpm)以上になったか否かを判別し、逆に高速用カム31cから中低速用カム31a,31bへの切換時には、ヒステリシスを設け、エンジン回転速度Neが所定回転速度N2(例えば、2800rpm)以下になったか否かを判別する。
ステップS10の判別結果が偽(No)の場合には、切換不可と判定し、当該ルーチンを抜ける。一方、判別結果が真(Yes)の場合には、次にステップS12に進む。
上述したように、高速用カム31c或いは中低速用カム31a,31bへの切換時、ロッカピストン51が上昇途中或いは下降途中であるときに高速ロッカアーム35が揺動すると、当接突起35aの先端面35dのうちロッカシリンダ50の一方の摺動端側の部分(下端)だけがロッカピストン51の端に引っ掛かった状態となり、ロッカピストン51が弾かれてロッカシリンダ50の一方の摺動端側に戻され、中低速ロッカアーム33,34のローラ33b,34bと中低速用カム31a,31bとが急激に当接し、或いは吸気弁11,12のバルブフェイスとバルブシートとが急激に当接し、大きな衝撃音(異音)が発生する場合がある。
通常、ECU60からOCV42dにON信号或いはOFF信号を供給しても、実際にロッカピストン51が作動を開始するまでには、作動油の油路32aへの充填時間を含むOCV42dの作動遅れや油圧の立ち上がり遅れがあるため、ある程度の時間を必要とする。従って、ここでは、これら作動遅れ時間や油圧の立ち上がり遅れ時間を考慮し、高速ロッカアーム35が揺動を開始したときにロッカピストン51が上昇途中或いは下降途中とならないように油圧増減開始時期S、即ちOCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給時期を設定する。
ロッカピストン51の下降時には、エンジン回転速度Neが所定回転速度N2(例えば、2800rpm)で連結切換機構41が切換可となるため、当該所定回転速度N2でOCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給が行われる場合には、#1(#2)気筒の高速ロッカアーム35が揺動を開始した時点から#1(#2)気筒の排気TDC信号までの時間t3、時間t4を所定回転速度N2に応じた時間に設定し、これら時間t3、t4とエンジン回転速度Neに拘わらず変化しないOCV42dの作動遅れ時間t1及び油圧の立ち上がり遅れ時間t2とに基づき、上記同様に油圧増減開始時期Sの設定可能範囲を求める。そして、この設定可能範囲で油圧増減開始時期Sを設定するようにする。
従って、次のステップS16では、さらに油温油温Toilに応じて油圧増減開始時期Sを補正する。つまり、油温油温Toilが低いほど遅れ時間t2を長く、高いほど遅れ時間t2を短くして油圧増減開始時期Sの設定可能範囲を変更し、これに応じて油圧増減開始時期Sを補正する。
そして、ステップS18では、上記のように設定した油圧増減開始時期Sに基づき、当該油圧増減開始時期SにおいてOCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給を行う。即ち、当該油圧増減開始時期SにおいてOCV42dの切り換えを行う。
そこで、ステップS20では、このような油圧Poilの変化、即ち油圧パルスに基づき、油圧増減開始時期Sの学習を行う(学習手段)。
従って、中低速ロッカアーム33,34のローラ33b,34bと中低速用カム31a,31bとが急激に当接することや吸気弁11,12のバルブフェイスとバルブシートとが急激に当接することがなくなり、大きな衝撃音(異音)の発生が防止される。また、可変動弁機構の損傷、摩耗も防止される。
次に、本発明に係る内燃機関の可変動弁機構の初期設定装置について説明する。
図6を参照すると、本発明に係る可変動弁機構の初期設定装置の詳細が示されている。
同図に示すように、当該初期設定装置は、主としてベンチテスタ70からなり、当該ベンチテスタ70のコントローラに高精度の二個の油圧センサ(油圧検出手段)72が接続されて構成されている。さらに、ベンチテスタ70のコントローラは、エンジンに設けられたクランク角センサ62、カム角センサ64、油温センサ66からの情報を取り込み可能に構成されている。
先ず、エンジンがベンチテスタ70にセットされると、クランク角センサ62、カム角センサ64、油温センサ66等の各種センサ類がベンチテスタ70のコントローラに電気的に接続され、これにより、エンジンはベンチテスタ70のコントローラによって制御される。そして、二個の油圧センサ72が、それぞれ左バンクの油路42c、右バンクの油路42cに油圧Poilを検出可能に取り付けられる。
図7を参照すると、ベンチテスタ70のコントローラにより実行される当該油圧増減開始初期設定の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い説明する。
ここでは、上述した油圧増減開始時期Sと同様に、高速ロッカアーム35が揺動を開始したときにロッカピストン51が上昇途中(所定の作動状態)とならないよう、OCV42dの作動遅れ時間t1、油圧の立ち上がり遅れ時間t2、#1(#2)気筒の高速ロッカアーム35が揺動を開始した時点から#1(#2)気筒の排気TDC信号までの時間t3及び時間t4に基づいて油圧増減開始基準時期Sbを設定する。なお、設定手法の詳細については上述した油圧増減開始時期Sの場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
この際、油圧増減開始基準時期Sbが適正な値であればよいが、適正な値でないと、上述したように、ロッカピストン51が作動油を強く押し戻そうとすることになり、OCV42dの作動遅れ時間t1及び油圧の立ち上がり遅れ時間t2が経過するまでの間(t1+t2)に、油圧センサ72により検出される油路42c内の油圧Poilが一時的に上昇して大きな油圧パルスが発生する(図5参照)。
この油圧増減開始初期設定はエンジン回転速度Ne毎に行うようにし、さらにステップS30では、上記所定回転速度N2(例えば、2800rpm)における油圧増減開始基準時期Sb、即ち中低速用カム31a,31bへの切換時におけるOCV42dへのOFF信号の基準供給時期を設定する。
そして、このようにベンチテスタ70のコントローラに記憶された油圧増減開始初期値S0は、対象となるエンジンのECU60に出力され、高速用カム31或いは中低速用カム31a,31bへの切換時における油圧増減開始時期Sとして使用される。
なお、エンジンの出荷後は、上記同様、各エンジンにおいて、ECU60によりエンジン回転速度Neの変化率dNe/dtや油温油温Toilに応じて油圧増減開始初期値S0を補正するようにしてもよく、これによりロッカピストン51の作動時期がより一層適正なものとなる。
以上で本発明に係る内燃機関の動弁装置及び可変動弁機構の初期設定装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
また、上記実施形態では、中低速ロッカアーム33,34にロッカシリンダ50とロッカピストン51とを備える一方、高速ロッカアーム35に当接突起35aを備えた可変動弁機構40を示したが、逆に、中低速ロッカアーム33,34に当接突起を備える一方、高速ロッカアーム35にロッカシリンダとロッカピストンとを備えた可変動弁機構であってもよい。
また、上記実施形態では、V形6気筒エンジンを例に説明したが、これに限られず、エンジンは直列4気筒エンジン等であってもよく、この場合には、油圧調整装置42は一つのOCV42dで構成される。
但し、この場合には、油圧センサ68、72を用いることができないため、例えばエンジンにノックセンサを設け、中低速ロッカアーム33,34のローラ33b,34bと中低速用カム31a,31bとが急激に当接したときの振動や吸気弁11,12のバルブフェイスとバルブシートとが急激に当接したときの振動を検出し、当該振動に基づいて油圧増減開始時期Sや油圧増減開始基準時期Sbの学習を行うようにするのがよい。このようにしても、油圧センサを用いる場合に比べて検出精度はやや劣るものの、十分な効果が得られる。
21,22 排気弁
31a,31b 中低速用カム(第1のカム)
31c 高速用カム(第2のカム)
32 ロッカシャフト
33,34 ロッカアーム(第1のロッカアーム)
40 可変動弁機構
41 連結切換機構
42 油圧調整装置(ロッカピストン作動手段)
42a 共通油路
42b,42c 油路
42d オイルコントロールバルブ(OCV、油圧調整手段)
50 ロッカシリンダ
51 ロッカピストン
51a 側面
52 スプリング
53 開口部
60 ECU
62 クランク角センサ
64 カム角センサ
66 油温センサ
68 油圧センサ(油圧検出手段)
70 ベンチテスタ
72 油圧センサ(油圧検出手段)
Claims (10)
- カムシャフトの回転に伴い回転する第1のカムに倣い揺動して吸気弁及び排気弁のいずれか一方を開閉作動させる第1のロッカアームと、
前記第1のカムと異なる形状を有して前記カムシャフトの回転に伴い回転する第2のカムに倣い揺動する第2のロッカアームと、
前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのいずれか一方に形成され、摺動面の一部に開口部を有するロッカシリンダと、
前記ロッカシリンダ内に前記摺動面に沿い摺動自在に装着されたロッカピストンと、
内燃機関の運転状態に応じ、前記ロッカピストンの側面が前記開口部を封鎖しない前記ロッカシリンダの一方の摺動端と前記開口部を封鎖する前記ロッカシリンダの他方の摺動端との間で前記ロッカピストンを作動させるロッカピストン作動手段と、
前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのいずれか他方に突設され、前記第2のロッカアームの揺動により、前記ロッカピストンが前記ロッカシリンダの前記一方の摺動端にあるときには先端部が前記開口部から前記ロッカシリンダの内部に挿入される一方、前記ロッカピストンが前記ロッカピストン作動手段の作動により該ロッカピストンの側面が前記開口部を封鎖する位置にあるときには先端部が該側面と当接する当接突起とを備え、
前記ロッカピストン作動手段は、前記第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが上昇途中或いは下降途中の所定の作動状態とならないように該ロッカピストンの作動時期を学習する学習手段を含むことを特徴とする内燃機関の動弁装置。 - 内燃機関は多気筒内燃機関であって、前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームを気筒毎に備え、
前記学習手段は、前記各気筒の第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが所定の作動状態とならないように該ロッカピストンの作動時期を学習することを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の動弁装置。 - 前記ロッカピストン作動手段は、油圧源から油路を介して供給される作動油によって前記ロッカピストンを作動させるものであって、前記油路に油圧調整手段を有し、
前記学習手段は、前記油路内の油圧を検出する油圧検出手段を有し、前記第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが所定の作動状態とならないよう、該油圧検出手段により検出される油圧の変化に基づいて、前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を学習することを特徴とする、請求項1または2記載の内燃機関の動弁装置。 - 前記学習手段は、前記ロッカピストンの作動途中に前記油圧検出手段により所定量以上の油圧の変化が検出されると、前記所定量以上の油圧の変化が検出されないように前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を学習することを特徴とする、請求項3記載の内燃機関の動弁装置。
- さらに、内燃機関の回転速度を検出する機関回転速度検出手段を備え、
前記学習手段は、前記機関回転速度検出手段により検出される回転速度或いは回転速度域毎に前記ロッカピストンの作動時期を学習することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか記載の内燃機関の動弁装置。 - カムシャフトの回転に伴い回転する第1のカムに倣い揺動して吸気弁及び排気弁のいずれか一方を開閉作動させる第1のロッカアームと、
前記第1のカムと異なる形状を有して前記カムシャフトの回転に伴い回転する第2のカムに倣い揺動する第2のロッカアームと、
前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのいずれか一方に形成され、摺動面の一部に開口部を有するロッカシリンダと、
前記ロッカシリンダ内に前記摺動面に沿い摺動自在に装着されたロッカピストンと、
内燃機関の運転状態に応じ、所定の作動時期に、前記ロッカピストンの側面が前記開口部を封鎖しない前記ロッカシリンダの一方の摺動端と前記開口部を封鎖する前記ロッカシリンダの他方の摺動端との間で前記ロッカピストンを作動させるロッカピストン作動手段と、
前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのいずれか他方に突設され、前記第2のロッカアームの揺動により、前記ロッカピストンが前記ロッカシリンダの前記一方の摺動端にあるときには先端部が前記開口部から前記ロッカシリンダの内部に挿入される一方、前記ロッカピストンが前記ロッカピストン作動手段の作動により該ロッカピストンの側面が前記開口部を封鎖する位置にあるときには先端部が該側面と当接する当接突起とを備えた内燃機関の可変動弁機構の初期設定装置であって、
前記第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが上昇途中或いは下降途中の所定の作動状態とならないように該ロッカピストンの作動時期を学習する学習手段と、
該学習手段により学習された学習値を前記所定の作動時期の初期値として設定する初期設定手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構の初期設定装置。 - 内燃機関は多気筒内燃機関であって、前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームを気筒毎に備え、
前記学習手段は、前記各気筒の第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが所定の作動状態とならないように該ロッカピストンの作動時期を学習することを特徴とする、請求項6記載の内燃機関の可変動弁機構の初期設定装置。 - 前記ロッカピストン作動手段は、油圧源から油路を介して供給される作動油によって前記ロッカピストンを作動させるものであって、前記油路に油圧調整手段を有し、
前記学習手段は、前記油路内の油圧を検出する油圧検出手段を有し、前記第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが所定の作動状態とならないよう、該油圧検出手段により検出される油圧の変化に基づいて、前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を学習することを特徴とする、請求項6または7記載の内燃機関の可変動弁機構の初期設定装置。 - 前記学習手段は、前記ロッカピストンの作動途中に前記油圧検出手段により所定量以上の油圧の変化が検出されると、前記所定量以上の油圧の変化が検出されないように前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を学習することを特徴とする、請求項8記載の内燃機関の可変動弁機構の初期設定装置。
- さらに、内燃機関の回転速度を検出する機関回転速度検出手段を備え、
前記学習手段は、前記機関回転速度検出手段により検出される回転速度或いは回転速度域毎に前記ロッカピストンの作動時期を学習することを特徴とする、請求項6乃至9のいずれか記載の内燃機関の可変動弁機構の初期設定装置。
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