JP4150921B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の動弁装置に係り、詳しくは、吸気弁や排気弁の作動特性を機関の運転状態に応じて可変可能な内燃機関の可変動弁機構に関する。
近年、内燃機関(以下、エンジンという)に備えられるポペット型の吸気弁や排気弁の作動特性(開閉タイミングや開弁期間)をエンジンの負荷状態や回転速度状態に応じて最適化することの可能な可変動弁機構を備えた動弁装置が開発され実用化されている。
例えば、エンジンの低速回転時に適したカムプロフィルを備えた低速用カムとエンジンの高速回転時に適したカムプロフィルを備えた高速用カムとを有し、これら低速用カムと高速用カムとをエンジンの回転速度状態に応じて選択可能な動弁装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、出願人により、SOHC型エンジンにおいて図5、図6に示すような動弁装置が提案されている(例えば、特願2002−151363号に添付の明細書及び図面参照)。
図6は図5のA−A線に沿う断面図であるが、当該動弁装置では、これら図5、図6に示すように、エンジンの各気筒上方のシリンダヘッド10に、各気筒毎に各々リターンスプリング(図示せず)により常閉とされる2つの吸気弁11,12と2つの排気弁21,22とが備えられており、これら吸気弁11,12、排気弁21,22を駆動するために動弁装置30が備えれられている。
この動弁装置30は、吸気弁11,12を駆動する吸気弁駆動系と、排気弁21,22を駆動する排気弁駆動系とに分けられる。吸気弁駆動系は、カムシャフト31と、カムシャフト31に固設されたカム31a〜31cと、ロッカシャフト32と、ロッカシャフト32に揺動自在に軸支されてカム31a〜31cによって揺動するロッカアーム33〜35とを備えている。一方、排気弁駆動系は、吸気系と共用のカムシャフト31と、カムシャフト31に固設されたカム31d,31eと、ロッカシャフト36と、ロッカシャフト36に揺動自在に軸支されてカム31d,31eによって揺動するロッカアーム37,38とを備えている。
そして、動弁装置30の上記吸気弁駆動系の部分に、連結切換機構41を有する可変動弁機構40が設けられている。以下可変動弁機構40の構成の詳細について説明する。
吸気弁駆動用のロッカアーム33〜35のうち中低速ロッカアーム33,34は、一端のアジャストスクリュ33a、34aを吸気弁11,12のステム端部に当接させており、吸気弁11は中低速ロッカアーム33の揺動に応じて開閉し、吸気弁12は中低速ロッカアーム34の揺動に応じて開閉するよう構成されている。
詳しくは、中低速ロッカアーム33は、他端のローラ33bがエンジンの低速回転時に対応した中低速用カムプロフィルの形成された中低速用カム31aに当接しており、当該中低速用カム31aに倣い揺動することで、吸気弁11を図9(a)に一点鎖線で示すような低リフト特性で開放するよう構成されている。また、中低速ロッカアーム34は、他端のローラ34bがエンジンの低速回転時に対応した中低速用カムプロフィルの形成された中低速用カム31bに当接しており、当該中低速用カム31bに倣い揺動することで、吸気弁12を図9(a)に実線で示すような中リフト特性で開放するよう構成されている。つまり、中低速ロッカアーム33と中低速ロッカアーム34とは、それぞれ中低速用カム31a、31bに倣い吸気弁11、12を異なるバルブリフトで開閉作動させ、燃焼室内にスワール流を生起可能に構成されている。
一方、高速ロッカアーム35は、一端に形成された一対の当接突起35a,35aが中低速ロッカアーム33,34に向けて延びており、他端に設けられたローラ35bがエンジンの高速回転時に対応した高速用カムプロフィルの形成された高速用カム31cに当接している。即ち、高速ロッカアーム35は当該高速用カム31cに倣い揺動し、これにより、当接突起35a,35aの先端部35c,35cの先端面35d,35dが中低速ロッカアーム33,34と当接可能である。
高速ロッカアーム35は、当該高速ロッカアーム35がカム31cから離間しないようにアームスプリング43によって付勢されている。図5に示すように、アームスプリング43はスプリング本体43aとスプリング本体43aを内蔵するケーシング43bとから構成されており、詳しくは、高速ロッカアーム35がケーシング43bを介してスプリング本体43aの付勢力により押され、ローラ35bがカム31cと当接している。なお、アームスプリング43はロッカシャフト36回りに取り付けられたホルダ44の先端44aに支持されており、ホルダ44の後端44bはシリンダヘッド10に立設されたリブ45の上端と当接している。これにより、ホルダ44のロッカシャフト36回りの回転が抑止され、スプリング本体43aの付勢力が高速ロッカアーム35に良好に伝達される。
当接突起35aの先端面35dが中低速ロッカアーム33,34と当接する位置には、それぞれロッカシリンダ50,50が形成されており、ロッカシリンダ50の内部には当該ロッカシリンダ50の摺動面に摺動自在にしてロッカピストン51が内装されている。
詳しくは、ロッカシリンダ50のうち当該当接突起35aの先端面35dが中低速ロッカアーム33,34と当接する位置には、摺動面の一部が開口してそれぞれ開口部53が形成されており、当接突起35aは、当該開口部53からロッカシリンダ50の内部に挿入可能である。
ロッカシリンダ50内には、ロッカピストン51の側面51aが開口部53を封鎖しないようにロッカピストン51をロッカシリンダ50の一方の摺動端側(下側)に付勢するスプリング52が設けられ、ロッカシャフト32側から油路32a,32bを通じて圧油(作動油、ここでは潤滑油が兼用され、以下、潤滑油ともいう)が供給されるように構成されている。これより、ロッカシリンダ50内の油圧が高められると、図7(b)に示すように、ロッカピストン51は、一端に油圧を受けてスプリング52の付勢力に抗して開口部53を封鎖するようにロッカシリンダ50の他方の摺動端側(上側)に向けてロッカシリンダ50内を摺動する。一方、ロッカシリンダ50内の油圧が弱められると、図7(a)に示すように、ロッカピストン51は、スプリング52の付勢力により、ロッカピストン51の側面51aが開口部53を封鎖しないようにロッカシリンダ50の一方の摺動端側(下側)の位置に戻される。
詳しくは、油路32aの上流側には、ロッカシリンダ50内に供給する潤滑油の油圧を調整する油圧調整装置42が設けられており、当該油圧調整装置42がエンジンの運転状態、例えばエンジン回転速度Neに応じて切り換えられ油圧が高められると、ロッカピストン51がスプリング52の付勢力に抗しロッカシリンダ50の他方の摺動端側に摺動して開口部53を封鎖し、油圧調整装置42がエンジンの運転状態に応じて切り換えられ油圧が弱められると、ロッカピストン51がスプリング52の付勢力によってロッカシリンダ50の一方の摺動端側に戻される。
より詳しくは、油圧調整装置42は、図8に示すように、エンジン下部のオイルパン(図示せず)からシリンダヘッド10にポンプアップされた潤滑油を共通油路42aを介してロッカシャフト32内の油路32aに供給する油路42c及びロッカシャフト36内の油路に供給する油路42bと、油路42cに介装されたオイルコントロールバルブ42dと、フィルタ42eと、当該オイルコントロールバルブ42dの開度を制御するコントローラ(図示せず)とから構成されている。
これより、例えばコントローラからエンジン回転速度Neに応じた指令がオイルコントロールバルブ42dに供給されると、オイルコントロールバルブ42dの開度が当該指令に応じた開度とされ、油路32a,32bを介してロッカシリンダ50内に供給される潤滑油の油圧が調整され、ロッカピストン51がロッカシリンダ50内を摺動する。
具体的には、例えばエンジン回転速度Neが所定値以上になると、オイルコントロールバルブ42dの潤滑油供給のための大径通路(図示せず)が連通してロッカシリンダ50内に供給される潤滑油の油圧が高められ、ロッカピストン51は側面51aが開口部53を封鎖するように摺動する。一方、エンジン回転速度Neが所定値より低くなると、図8に示すようにオイルコントロールバルブ42dの潤滑油供給のための小径通路が連通してロッカシリンダ50内に供給される潤滑油の油圧が低められ、ロッカピストン51の側面51aが開口部53を封鎖しないように戻される。
そして、ロッカシリンダ50内のロッカピストン51と油圧調整装置42とから中低速ロッカアーム33,34と高速ロッカアーム35との連結状態を切り換える連結切換機構41が構成されている。以下、当該連結切換機構41の作動について説明する。
図8に示す如くオイルコントロールバルブ42dの潤滑油供給のための小径通路が連通し、ロッカシリンダ50内の油圧が低められると、ロッカピストン51はスプリング52の付勢力によって側面51aが開口部53を封鎖しないようにロッカシリンダ50内に埋没してロッカシリンダ50の一方の摺動端側に位置し、開口部53からロッカシリンダ50内に向けて空間50aが形成される(図7(a)参照)。このように開口部53からロッカシリンダ50内に向けて空間50aが形成されると、高速ロッカアーム35の揺動時において、図7(a)中に二点鎖線で示すように、高速ロッカアーム35の上記当接突起35aの先端部35cが一切中低速ロッカアーム33,34と当接することなく当該空間50a内に出没することになり、この場合、中低速ロッカアーム33,34は各々対応する中低速用カム31a,31bに倣い揺動して吸気弁11,12を開閉作動する。
つまり、エンジン回転速度Neが所定値より低いと、連結切換機構41の切り換えにより中低速用カム31a,31bが選択され、吸気弁11,12が図9(a)に実線と一点鎖線で示すような中リフト及び低リフトでそれぞれ開閉する。
一方、オイルコントロールバルブ42dの潤滑油供給のための大径通路(図示せず)が連通し、油圧調整装置42によってロッカシリンダ50内の油圧が高められると、ロッカピストン51はスプリング52の付勢力に抗して側面51aが開口部53を封鎖し当該開口部53を塞ぐように作動する(図7(b)参照)。このようにロッカピストン51が開口部53を塞ぐように作動すると、高速ロッカアーム35の揺動時において、高速ロッカアーム35の上記当接突起35aの先端面35dがロッカピストン51の側面51aと当接することになり、この場合、中低速ロッカアーム33,34のローラ33b,34bは、各々対応する中低速用カム31a,31bから離間し、中低速ロッカアーム33,34は高速ロッカアーム35を介して高速用カム31cに倣い高速ロッカアーム35と一体に揺動して吸気弁11,12を共に開閉作動する。
つまり、エンジン回転速度Neが所定値以上では、連結切換機構41の切り換えにより高速用カム31cが選択され、吸気弁11,12が共に図9(b)に実線で示すような高リフトで同時に開閉する。
特開昭63−170513号公報
ところで、上記可変動弁機構40では、ロッカピストン51は潤滑油を利用して油圧により作動するのであるが、高速用カム31c或いは中低速用カム31a,31bへの切換時、ロッカピストン51が上昇途中或いは下降途中であるときに高速ロッカアーム35が揺動して突起35aの先端面35dがロッカピストン51の側面51aと当接することになると、当接突起35aの先端面35dのうちロッカシリンダ50の一方の摺動端側の部分(下端)だけがロッカピストン51の端に引っ掛かった状態となる場合がある。このような場合、当接突起35aの押圧力は油圧よりも高いことから、ロッカピストン51がある程度まで当接突起35aによって押された後に弾かれてロッカシリンダ50の一方の摺動端側に戻されるという現象が起こり得る。
ロッカピストン51がある程度まで押されたところで急に弾き戻されると、当接突起35aの先端部35cがロッカピストン51から外れて開口部53から空間50aに一気に挿入され、中低速用カム31a,31bから離間していた中低速ロッカアーム33,34のローラ33b,34bが吸気弁11,12のリターンスプリングの付勢力によって急激に中低速用カム31a,31bと当接することになる。また、吸気弁11,12のバルブフェイスとバルブシートとが急激に当接する場合もある。
そして、このように中低速ロッカアーム33,34のローラ33b,34bと中低速用カム31a,31bとが急激に当接し、或いは吸気弁11,12のバルブフェイスとバルブシートとが急激に当接することになると、大きな衝撃音(異音)が発生するという問題がある。また、このような急激な当接が繰り返されると動弁機構各部の損傷、摩耗の原因ともなり好ましいことではない。
特に、多気筒エンジンの可変動弁機構40では、上述したように潤滑油がロッカシャフト32内の油路32aを介して各気筒における中低速ロッカアーム33,34のロッカシリンダ50,50に供給されるため、一の気筒の中低速ロッカアーム33,34のいずれかにおいてロッカピストン51が弾き戻されると、油圧が大きく変動して油路32a内で脈動が生じ、他の気筒のロッカシリンダ50への供給油圧が一時的に低下してロッカピストン51が中途半端な状態で開口部53を封鎖し易く、これより連鎖的に集中して大きな衝撃音が発生するおそれがあり、上記問題は顕著である。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、可変動弁機構を有した内燃機関において、吸気弁や排気弁の作動特性の切換に伴う異音の発生を抑え、可変動弁機構の損傷、摩耗を低減可能な内燃機関の動弁装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1の内燃機関の動弁装置では、カムシャフトの回転に伴い回転する第1のカムに倣い揺動して吸気弁及び排気弁のいずれか一方を開閉作動させる第1のロッカアームと、前記第1のカムと異なる形状を有して前記カムシャフトの回転に伴い回転する第2のカムに倣い揺動する第2のロッカアームと、前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのいずれか一方に形成され、摺動面の一部に開口部を有するロッカシリンダと、前記ロッカシリンダ内に前記摺動面に沿い摺動自在に装着されたロッカピストンと、内燃機関の運転状態に応じ、前記ロッカピストンの側面が前記開口部を封鎖しない前記ロッカシリンダの一方の摺動端と前記開口部を封鎖する前記ロッカシリンダの他方の摺動端との間で前記ロッカピストンを作動させるロッカピストン作動手段と、前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのいずれか他方に突設され、前記第2のロッカアームの揺動により、前記ロッカピストンが前記ロッカシリンダの前記一方の摺動端にあるときには先端部が前記開口部から前記ロッカシリンダの内部に挿入される一方、前記ロッカピストンが前記ロッカピストン作動手段の作動により該ロッカピストンの側面が前記開口部を封鎖する位置にあるときには先端部が該側面と当接する当接突起とを備え、前記ロッカピストン作動手段は、前記第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが上昇途中或いは下降途中の所定の作動状態とならないように該ロッカピストンを作動させることを特徴としている。
即ち、内燃機関の動弁装置において可変動弁機構を有しており、通常は、第1及び第2のロッカアームがそれぞれ第1及び第2のカムに倣い揺動すると、第1及び第2のロッカアームのいずれかに設けられたロッカシリンダ内のロッカピストンがロッカシリンダの一方の摺動端にあるときには当接突起の先端部がロッカシリンダの開口部からロッカシリンダの内部に挿入され、吸気弁或いは排気弁は第1のロッカアームを介して第1のカムに倣って作動する一方、ロッカピストンがロッカピストン作動手段により作動して該ロッカピストンの側面がロッカシリンダの開口部を封鎖するときには先端部が該側面と当接し、第2のロッカアームが第1のロッカアームを押して第1のカムから離間させ、吸気弁或いは排気弁は第2のロッカアーム及び第1のロッカアームを介して第2のカムに倣って作動する。
ところが、この際、ロッカピストンが上昇途中或いは下降途中であるときに第2のロッカアームが揺動を開始することになると、当接突起の先端部のうちロッカシリンダの一方の摺動端側の部分(下端)だけがロッカピストンの端に引っ掛かった状態となる場合があり、この場合、ある程度まで当接突起がロッカピストンの端を押した後にロッカピストンが当接突起により弾かれてロッカシリンダの一方の摺動端側に戻され、第1のカムから離間していた第1のロッカアームが第1のカムと急激に当接し、または吸気弁或いは排気弁のバルブフェイスとバルブシートとが急激に当接して衝撃音を発生することがある。
これより、本発明に係る動弁装置では、第2のロッカアームが揺動を開始したときにはロッカピストンが上昇途中或いは下降途中の所定の作動状態とならないように該ロッカピストンを作動させるようロッカピストン作動手段を構成している。
また、請求項2の内燃機関の動弁装置では、内燃機関は多気筒内燃機関であって、前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームを気筒毎に備え、前記ロッカピストン作動手段は、前記各気筒の第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが所定の作動状態とならないように該ロッカピストンを作動させることを特徴としている。
即ち、多気筒内燃機関の場合、各気筒の第2のロッカアームが順次作動することになるが、いずれかの気筒の第2のロッカアームが揺動を開始したときにロッカピストンが所定の作動状態とならないように該ロッカピストンを作動させる。
例えば、第1のロッカアーム及び第2のロッカアームが吸気弁を作動させるものであって、内燃機関が4サイクル4気筒エンジンやV型6気筒エンジンの片側バンク(3気筒列)である場合、各気筒の第2のロッカアームが全て同時に作動開始することはないため、いずれの気筒の第2のロッカアームも作動開始しない期間に全気筒の全てのロッカピストンを作動させるようにする。
また、請求項3の内燃機関の動弁装置では、前記ロッカピストン作動手段は、油圧源から油路を介して供給される作動油によって前記ロッカピストンを作動させるものであって、前記油路に油圧調整手段を有し、前記第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが所定の作動状態とならないように、前記油圧調整手段により油圧を増減して前記ロッカピストンを作動させることを特徴としている。
また、請求項4の内燃機関の動弁装置では、請求項3において、前記ロッカピストン作動手段は、前記第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが所定の作動状態とならないように、前記ロッカピストンの作動遅れ期間を考慮して前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を設定することを特徴としている。
即ち、作動油を媒体としてロッカピストンを作動させるようにすると、一般に油圧調整手段への油圧調整指令から油圧が十分に立ち上がる或いは立ち下がるまでにある程度の時間を要し、ロッカピストンに作動遅れが生じるのであるが、第2のロッカアームが揺動を開始したときにロッカピストンが所定の作動状態とならないように当該作動遅れ期間を考慮して油圧調整手段による油圧の増減開始時期を設定する。
また、請求項5の内燃機関の動弁装置では、請求項4において、前記ロッカピストン作動手段は、前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を油温に基づき補正することを特徴としている。
つまり、作動油は、油温に応じて粘度が変化し、低温であるほど粘度が高くなるものであるため、油温に応じて油圧の立ち上がり或いは立ち下がり時間が変化する。故に、油圧の増減開始時期を当該油温に応じて、例えば油温が低温であるほど増減開始時期を早めるよう補正する。
また、請求項6の内燃機関の動弁装置では、請求項4または5において、前記ロッカピストン作動手段は、前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を内燃機関の回転速度の変化率に基づき補正することを特徴としている。
つまり、内燃機関の回転速度が変化すると、それにつれて第2のロッカアームの作動周期も長く或いは短く変化する。故に、油圧の増減開始時期を内燃機関の回転速度の変化率に応じて増減開始時期を補正する。
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の内燃機関の動弁装置によれば、第2のロッカアームの揺動開始時にロッカピストンが所定の作動状態とならないように該ロッカピストンを作動させるようロッカピストン作動手段を構成しているので、ロッカピストンが上昇途中或いは下降途中の所定の作動状態であるときに第2のロッカアームが揺動を開始して当接突起の先端部がロッカピストンの側面と当接することがないようにでき、ロッカピストンの作動時期の適正化を図ることができ、当接突起がロッカピストンの端を押した後にロッカピストンが弾き戻されることを抑制できる。
これより、第1のロッカアームと第1のカムとの急激な当接や吸気弁或いは排気弁のバルブフェイスとバルブシートとの急激な当接を抑制でき、衝撃音の発生を防止することができる。さらに、可変動弁機構の損傷、摩耗をも防止することができる。
また、請求項2の内燃機関の動弁装置によれば、多気筒内燃機関の場合、いずれかの気筒の第2のロッカアームが揺動している間にはロッカピストンが所定の作動状態とならないように該ロッカピストンを作動させるようにするので、全気筒において、ロッカピストンが上昇途中或いは下降途中の所定の作動状態であるときに第2のロッカアームが揺動して当接突起の先端部がロッカピストンの側面と当接することがないようにでき、ロッカピストンの作動時期の適正化を図ることができる。
また、請求項3の内燃機関の動弁装置によれば、ロッカピストン作動手段は、油圧源から油路を介して供給される作動油によってロッカピストンを作動させるものであって、油路に油圧調整手段を有するので、ロッカピストン作動手段を比較的簡単に構成することができるとともに、動弁機構各部の潤滑をも良好に行うことができる。
また、請求項4の内燃機関の動弁装置によれば、請求項3において、ロッカピストンの作動遅れ期間を考慮して油圧調整手段による油圧の増減開始時期を設定するようにしたので、作動油を媒体としてロッカピストンを作動させる場合にはロッカピストンに作動遅れが生じるのであるが、当該ロッカピストンの作動遅れに拘わらず、ロッカピストンが上昇途中或いは下降途中の所定の作動状態であるときに第2のロッカアームが揺動して当接突起の先端部がロッカピストンの側面と当接することがないようにでき、やはりロッカピストンの作動時期の適正化を図ることができる。
また、請求項5の内燃機関の動弁装置によれば、請求項4において、油圧調整手段による油圧の増減開始時期を油温に基づき補正するようにしたので、作動油は油温に応じて油圧の立ち上がり或いは立ち下がり時間が変化するのであるが、当該油温に拘わらず、ロッカピストンの作動時期をより一層適正なものにできる。
また、請求項6の内燃機関の動弁装置によれば、請求項4または5において、油圧調整手段による油圧の増減開始時期を内燃機関の回転速度の変化率に基づき補正するようにしたので、内燃機関の回転速度が変化すると、それにつれて第2のロッカアームの作動周期も長く或いは短く変化するのであるが、当該回転速度の変化に拘わらず、ロッカピストンの作動時期をより一層適正なものにできる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明に係る動弁装置は、上記図5〜図9に示した動弁装置を改良したものであり、動弁装置の基本構成は上述した通りであるため説明を省略し、上記図5〜図9をも参照しながら、本発明に係る部分について詳細に説明する。
なお、ここでは、エンジンがV型6気筒エンジンである場合を例に説明し、図5〜図9に示した動弁装置は当該V型6気筒エンジンの片側バンク(右側バンク#1、#3、#5気筒側、或いは左側バンク#2、#4、#6気筒側)のものとして説明する。
図1を参照すると、上記図8に示す油圧調整装置(ロッカピストン作動手段)42を含む油圧回路の詳細が示されている。
同図に示すように、油圧調整装置42のオイルコントロールバルブ(油圧調整手段、以降OCVと略す)42dは、右側バンクの油路42cと左側バンクの油路42cにそれぞれ一つずつ設けられ、共通油路42a、油圧ポンプ46を介してオイルパン47に接続されている。なお、ここでは作動油として潤滑油が兼用されるため、これら油圧ポンプ46やオイルパン47はエンジンの潤滑油供給用のものがそのまま適用される。
OCV42dは、電磁切換式のON・OFF弁であり、OCV42dのソレノイドがECU(電子コントロールユニット)60に電気的に接続されている。
また、エンジンには、クランク角センサ62、カム角センサ64、油温センサ66等が設けられており、各油路42cのOCV42d下流側には油圧センサ68が設けられており、ECU60には、これら各センサからの情報が入力されるよう構成されている。即ち、ECU60には、クランク角センサ62からクランク角情報が入力し、カム角センサ64からカムシャフトの回転角情報が入力し、油温センサ66から作動油の温度情報Toilが入力し、油圧センサ68から油圧情報Poilが入力する。そして、ECU60では、クランク角情報に基づきエンジン回転速度Neが演算され、カムシャフトの回転角情報に基づきTDC信号(ピストン上死点信号)が発信される。
ECU60では、さらに、エンジン回転速度Ne、TDC信号、温度情報Toilに基づいてON信号或いはOFF信号が発信され、OCV42dは、当該ON信号或いはOFF信号に応じて切換操作される。
例えば、ECU60からOFF信号がOCV42dに供給されると、OCV42dは図示の状態に切り換えられ、OCV42d内に設けられたオリフィスによって油路42cが絞られて小径通路が形成され、同時にOCV42d下流側の油路42cとドレン回路42fとが連通する。これより、ロッカシリンダ50に供給される油量が制限されるとともにロッカシリンダ50内の作動油がドレン回路42fを経てオイルパン47に返戻され、ロッカシリンダ50内の油圧が低下し、ロッカピストン51がスプリング52の付勢力によってロッカシリンダ50の一方の摺動端側(下側)に戻される。つまり、ECU60からの信号がONからOFFに切り換えられると、ロッカピストン51の側面51aが開口部53を封鎖しない(或いは、当接突起35aの揺動軌跡と交差しない)ようにロッカシリンダ50内に埋没することになり、高速ロッカアーム(第2のロッカアーム)35の揺動時において、高速ロッカアーム35の上記当接突起35aの先端部35cが一切中低速ロッカアーム(第1のロッカアーム)33,34と当接することなく当該空間50a内に出没する。即ち、連結切換機構41が非連結状態に切り換えられ、中低速用カム(第1のカム)31a,31bが選択される。
なお、この場合であっても、オリフィスを介して作動油はある程度ロッカシャフト32内の油路32aに供給されるため、中低速ロッカアーム33,34や高速ロッカアーム35の作動部は良好に潤滑される。
一方、ECU60からON信号がOCV42dに供給されると、OCV42dは図示しない状態、即ち大径通路が連通した状態に切り換えられる。これより、ロッカシリンダ50に十分な量の作動油が供給されてロッカシリンダ50内の油圧が上昇し、ロッカピストン51がスプリング52の付勢力に抗してロッカシリンダ50の他方の摺動端側(上側)に移動する。つまり、ECU60からの信号がOFFからONに切り換えられると、ロッカピストン51の側面51aが開口部53を封鎖する(或いは、当接突起35aの揺動軌跡と交差する)ようにロッカシリンダ50内を摺動することになり、高速ロッカアーム35の揺動時において、高速ロッカアーム35の上記当接突起35aの先端面35dがロッカピストン51の側面51aと当接する。即ち、連結切換機構41が連結状態に切り換えられ、高速用カム(第2のカム)31cが選択される。
以下、このように構成された動弁装置の本発明の制御内容、即ち連結切換機構41の本発明に係る切換制御内容について説明する。
図2を参照すると、当該切換制御における本発明に係る油圧増減開始制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い説明する。
先ず、ステップS10では、連結切換機構41の切り換えを行ってもよいか否か、即ち切換可か否かを判別する。ここでは、エンジン回転速度Ne(内燃機関の運転状態)に基づき、中低速用カム31a,31bから高速用カム31cへの切換時には、エンジン回転速度Neが所定回転速度N1(例えば、3000rpm)以上になったか否かを判別し、逆に高速用カム31cから中低速用カム31a,31bへの切換時には、ヒステリシスを設け、エンジン回転速度Neが所定回転速度N2(例えば、2800rpm)以下になったか否かを判別する。
なお、ここではエンジン回転速度Neに基づいて切り換えを行うようにしているが、その他、エンジン負荷Le(内燃機関の運転状態、アクセル開度等)が所定の負荷状態になったか否かの判別に基づいて切り換えを行うようにしてもよい。また、エンジン回転速度Neとエンジン負荷Leとの双方に基づいて切り換えを行うようにしてもよい。
ステップS10の判別結果が偽(No)の場合には、切換不可と判定し、当該ルーチンを抜ける。一方、判別結果が真(Yes)の場合には、次にステップS12に進む。
ステップS12では、油圧増減開始時期S、即ちOCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給時期を設定する。
上述したように、高速用カム31c或いは中低速用カム31a,31bへの切換時、ロッカピストン51が上昇途中或いは下降途中であるときに高速ロッカアーム35が揺動すると、当接突起35aの先端面35dのうちロッカシリンダ50の一方の摺動端側の部分(下端)だけがロッカピストン51の端に引っ掛かった状態となり、ロッカピストン51が弾かれてロッカシリンダ50の一方の摺動端側に戻され、中低速ロッカアーム33,34のローラ33b,34bと中低速用カム31a,31bとが急激に当接し、或いは吸気弁11,12のバルブフェイスとバルブシートとが急激に当接し、大きな衝撃音(異音)が発生する場合がある。
そこで、ここでは、高速ロッカアーム35が揺動を開始したときにロッカピストン51が上昇途中或いは下降途中(所定の作動状態)とならないように油圧増減開始時期Sを設定する。
通常、ECU60からOCV42dにON信号或いはOFF信号を供給しても、実際にロッカピストン51が作動を開始するまでには、作動油の油路32aへの充填時間を含むOCV42dの作動遅れや油圧の立ち上がり遅れがあるため、ある程度の時間を必要とする。従って、ここでは、これら作動遅れ時間や油圧の立ち上がり遅れ時間を考慮し、高速ロッカアーム35が揺動を開始したときにロッカピストン51が上昇途中或いは下降途中とならないように油圧増減開始時期S、即ちOCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給時期を設定する。
つまり、図3を参照すると、例えばOCV42dにON信号を供給したときのロッカピストン51の作動状態がタイムチャートで示されているが、同図に示すように、ロッカピストン51は、OCV42dへの供給信号がOFF信号からON信号に切り換わった後すぐには上昇せず、OCV42dの作動遅れ時間t1が経過した後に油圧の立ち上がり遅れ時間t2をもって徐々に上昇作動するため、ロッカピストン51が当該遅れ時間t2をもって徐々に上昇している期間に高速ロッカアーム35が揺動を開始しないようにOCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給時期を設定する。
ここで、図4を参照すると、高速ロッカアーム35の揺動時期(ONが揺動時を示し、OFFが非揺動時を示す)、油圧増減開始時期Sの設定可否範囲、ロッカピストン51の作動状態(上昇時、下降時)及び#1(または#2)気筒の排気TDC信号に関するタイムチャートが示されており、以下同図に基づいて油圧増減開始時期Sの具体的な設定手法について説明する。
V型6気筒エンジンでは、同図に示すように、高速ロッカアーム35は気筒順(右側バンクでは#1気筒→#3気筒→#5気筒、左側バンクでは#2気筒→#4気筒→#6気筒)に順次揺動することになるため、ここでは、いずれかの気筒の高速ロッカアーム35が揺動を開始した時点、即ち一点鎖線で示す時期にロッカピストン51が上昇途中或いは下降途中とならないように油圧増減開始時期Sを設定する。つまり、同図中においても、t1がOCV42dの作動遅れ時間を示し、t2が油圧の立ち上がり遅れ時間或いは立ち下がり遅れ時間を示しているが、ロッカピストン51が遅れ時間t2をもって徐々に上昇或いは下降している期間(所定の作動状態)にいずれかの気筒の高速ロッカアーム35が揺動を開始しないように、即ち遅れ時間t2の期間が一切一点鎖線を跨がないようにOCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給時期を設定する。
具体的には、同図中には、遅れ時間t2の期間が一点鎖線、即ち高速ロッカアーム35が揺動を開始した時点に掛かる直前と当該一点鎖線を跨いだ直後のロッカピストン51の作動状態(上昇時、下降時)が全気筒に関しそれぞれ仮想的に示され、これらに対応して作動遅れ時間t1及び遅れ時間t2を考慮したOCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給時期がやはり全気筒に関し破線矢印で示されているが、遅れ時間t2の期間が一点鎖線に掛かる直前から一点鎖線を跨いだ直後までの期間に対応した全ての破線矢印間の期間を油圧増減開始時期Sの設定不可範囲(不可)とし、当該破線矢印間の期間を除く期間を油圧増減開始時期Sの設定可能範囲(可能)とする。そして、当該設定可能範囲内においてOCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給時期、即ち油圧増減開始時期Sを設定する。
なお、ここでは、説明の便宜上、遅れ時間t2の期間中、即ちロッカピストン51の作動中は一切高速ロッカアーム35が揺動を開始しないようにしているが、高速ロッカアーム35の当接突起35aの先端面35dのうちロッカシリンダ50の一方の摺動端側の部分(下端)だけがロッカピストン51の端に引っ掛かった状態となるのは、ロッカピストン51が上昇途中或いは下降途中であってロッカピストン51の端が開口部53から見える中間作動状態となる場合に限られるため、ロッカピストン51が当該中間作動状態(所定の作動状態)になるときにのみ高速ロッカアーム35が揺動を開始しないようにするようにしてもよい。
ところで、油圧増減開始時期Sを設定するためには高速ロッカアーム35が揺動を開始した時点を知る必要があるが、実際に高速ロッカアーム35が揺動を開始した時点を検出することは困難であるため、同図に示すように、#1(#2)気筒の排気TDC信号を基準に油圧増減開始時期Sを設定する。つまり、高速ロッカアーム35が揺動を開始した時点から排気TDC信号までの時間はエンジン回転速度Neが同じであれば常に一定であり、また、各気筒の排気TDC信号の発信間隔も一定であるため、ここでは、例えば#1(#2)気筒の排気TDC信号を基準とし、当該#1(#2)気筒の排気TDC信号に基づいて油圧増減開始時期Sを設定する。
具体的には、ロッカピストン51の上昇時には、エンジン回転速度Neが所定回転速度N1(例えば、3000rpm)で連結切換機構41が切換可となるため、当該所定回転速度N1でOCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給が行われる場合には、#1(#2)気筒の高速ロッカアーム35が揺動を開始した時点から#1(#2)気筒の排気TDC信号までの時間t3(例えば、1.3ms)、OCV42dの作動遅れ時間t1(例えば、23ms)及び油圧の立ち上がり遅れ時間t2(例えば、12ms)を考慮し、さらにV型6気筒エンジンでは各気筒の高速ロッカアーム35が揺動を開始する時期は片側バンクで240°、即ち時間t4(例えば、11.4ms)ずつずれていることを考慮して、#1(#2)気筒の排気TDC信号前{S1=t1+t3+n・t4}〜{S2=t1+t2+t3+n・t4}(n=0、1、2)の範囲が油圧増減開始時期Sの設定不可範囲となる。
例えば、#1(#2)気筒に着目すると、#1(#2)気筒の排気TDC信号前24.3〜36.3msの範囲(n=0)、#5(#6)気筒に着目すると、#1(#2)気筒の排気TDC信号前35.7〜47.7msの範囲(n=1)、#3(#4)気筒に着目すると、#1(#2)気筒の排気TDC信号前47.1〜59.1msの範囲(n=2)が油圧増減開始時期Sの設定不可範囲であり。これらの期間を外した期間が油圧増減開始時期Sの設定可能範囲である。従って、この設定可能範囲で油圧増減開始時期Sを設定するようにする。
また、上述したように、ロッカピストン51が中間作動状態となるときにのみ高速ロッカアーム35が揺動を開始しないようにする場合には、例えば当該中間作動状態をロッカピストン51の上昇開始後3ms〜9msの間とすると、#1(#2)気筒の排気TDC信号前{S1=t1+3+t3+n・t4}〜{S2=t1+9+t3+n・t4}(n=0、1、2)の範囲が油圧増減開始時期Sの設定不可範囲となる。
この場合には、例えば、#1(#2)気筒に着目すると、#1(#2)気筒の排気TDC信号前27.3〜33.3msの範囲(n=0)、#5(#6)気筒に着目すると、#1(#2)気筒の排気TDC信号前38.7〜44.7msの範囲(n=1)、#3(#4)気筒に着目すると、#1(#2)気筒の排気TDC信号前50.1〜56.1msの範囲(n=2)が油圧増減開始時期Sの設定不可範囲であり、これらの期間を外した期間が油圧増減開始時期Sの設定可能範囲である。
このように、ロッカピストン51が当該中間作動状態になるときにのみ高速ロッカアーム35が揺動を開始しないようにすると、油圧増減開始時期Sの設定可能範囲が拡大することになり効果的である。
ロッカピストン51の下降時には、エンジン回転速度Neが所定回転速度N2(例えば、2800rpm)で連結切換機構41が切換可となるため、当該所定回転速度N2でOCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給が行われる場合には、#1(#2)気筒の高速ロッカアーム35が揺動を開始した時点から#1(#2)気筒の排気TDC信号までの時間t3、時間t4を所定回転速度N2に応じた時間に設定し、これら時間t3、t4とエンジン回転速度Neに拘わらず変化しないOCV42dの作動遅れ時間t1及び油圧の立ち上がり遅れ時間t2とに基づき、上記同様に油圧増減開始時期Sの設定可能範囲を求める。そして、この設定可能範囲で油圧増減開始時期Sを設定するようにする。
ところで、OCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給が行われるときには、既にエンジン回転速度Neが所定回転速度N1(例えば、3000rpm)よりも上昇、或いは所定回転速度N2(例えば、2800rpm)よりも下降してしまっている場合があり、この場合には、高速ロッカアーム35の作動周期が変化し、上記#1(#2)気筒の排気TDC信号までの時間t3及び時間t4は所定回転速度N1のときよりも短く或いは長くなる。
従って、ステップS14では、例えば連結切換機構41の切換可否判断をする際(ステップS10)のエンジン回転速度Neの変化率dNe/dtを求めておき、当該変化率dNe/dtに基づいて油圧増減開始時期Sを補正する。つまり、変化率dNe/dtが正側に大きいほど時間t3及び時間t4を短く、負側に大きいほど時間t3及び時間t4を長くして油圧増減開始時期Sの設定可能範囲を変更するようにし、これに応じて油圧増減開始時期Sを補正する。
また、作動油は油温Toilに応じて粘度が変化し、油温Toilが低温であるほど粘度が高くなるため、油温油温Toilに応じて油圧の立ち上がり或いは立ち下がり遅れ時間t2が変化する。
従って、次のステップS16では、さらに油温油温Toilに応じて油圧増減開始時期Sを補正する。つまり、油温油温Toilが低いほど遅れ時間t2を長く、高いほど遅れ時間t2を短くして油圧増減開始時期Sの設定可能範囲を変更し、これに応じて油圧増減開始時期Sを補正する。
なお、作動油の粘度は油圧とも相関があり、当該粘度の変化はOCV42d下流の油圧によっても検出可能であるため、油圧センサ68からの油圧情報Poilに応じて油圧増減開始時期Sを補正するようにしてもよい。
そして、ステップS18では、上記のように設定した油圧増減開始時期Sに基づき、当該油圧増減開始時期SにおいてOCV42dへのON信号或いはOFF信号の供給を行う。即ち、当該油圧増減開始時期SにおいてOCV42dの切り換えを行う。
これにより、ロッカピストン51の作動時期の適正化が図られることになり、高速用カム31c或いは中低速用カム31a,31bへの切換時において、当接突起35aの先端面35dのうちロッカシリンダ50の一方の摺動端側の部分(下端)だけがロッカピストン51の端に引っ掛かった状態となることがなくなり、故にロッカピストン51が弾かれてロッカシリンダ50の一方の摺動端側に戻されることがなくなる。
従って、中低速ロッカアーム33,34のローラ33b,34bと中低速用カム31a,31bとが急激に当接することや吸気弁11,12のバルブフェイスとバルブシートとが急激に当接することがなくなり、大きな衝撃音(異音)の発生が防止される。また、可変動弁機構の損傷、摩耗も防止される。
以上で本発明に係る内燃機関の動弁装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、吸気弁11,12の作動特性を切り換える可変動弁機構40を示したが、排気弁21,22の作動特性を切り換えるものであってもよく、吸気弁11,12と排気弁の21,22の両方の作動特性を切り換えるものであってもよい。
また、上記実施形態では、中低速ロッカアーム33,34にロッカシリンダ50とロッカピストン51とを備える一方、高速ロッカアーム35に当接突起35aを備えた可変動弁機構40を示したが、逆に、中低速ロッカアーム33,34に当接突起を備える一方、高速ロッカアーム35にロッカシリンダとロッカピストンとを備えた可変動弁機構であってもよい。
また、上記実施形態では、中低速用カム31a,31b及び中低速ロッカアーム33,34を用いた例について説明したが、中低速用カムを同一形状としてもよいし、或いは、単一の低速用カム及び二股状の単一のロッカアームを用いて吸気弁11,12を駆動するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、V形6気筒エンジンを例に説明したが、これに限られず、エンジンは直列4気筒エンジン等であってもよく、この場合には、油圧調整装置42は一つのOCV42dで構成される。
また、上記実施形態では、連結切換機構41は油圧調整装置42を含み、構成が容易であり且つ潤滑機能を有していることから作動油の油圧によりロッカピストン51を作動させる構成としたが、ロッカピストン51の作動手段は油圧に限られるものではない。
本発明に係る可変動弁機構を含むSOHC型エンジンの動弁装置のうち、OCVを含む油圧回路の詳細を示す図である。 本発明に係る油圧増減開始制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。 OCVにON信号を供給したときのロッカピストンの作動状態を示すタイムチャートである。 高速ロッカアームの揺動時期、油圧増減開始時期Sの設定可否範囲、ロッカピストンの作動状態及び#1(または#2)気筒の排気TDC信号を示すタイムチャートである。 出願人により提案されている可変動弁機構を含むSOHC型エンジンの動弁装置の構成を示す図であって、本発明の基本構成を示す図である。 図5のA−A線に沿う断面図である。 図5の連結切換機構のうちロッカシリンダとロッカピストンの部分を示す詳細図である。 図5の連結切換機構のうち油圧調整装置の部分を示す詳細図である。 図5の吸気弁の中低速及び高速での作動特性(バルブリフト)を示す図である。
符号の説明
11,12 吸気弁
21,22 排気弁
31a,31b 中低速用カム(第1のカム)
31c 高速用カム(第2のカム)
32 ロッカシャフト
33,34 ロッカアーム(第1のロッカアーム)
40 可変動弁機構
41 連結切換機構
42 油圧調整装置(ロッカピストン作動手段)
42a 共通油路
42b,42c 油路
42d オイルコントロールバルブ(OCV、油圧調整手段)
50 ロッカシリンダ
51 ロッカピストン
51a 側面
52 スプリング
53 開口部
60 ECU
62 クランク角センサ
64 カム角センサ
66 油温センサ

Claims (6)

  1. カムシャフトの回転に伴い回転する第1のカムに倣い揺動して吸気弁及び排気弁のいずれか一方を開閉作動させる第1のロッカアームと、
    前記第1のカムと異なる形状を有して前記カムシャフトの回転に伴い回転する第2のカムに倣い揺動する第2のロッカアームと、
    前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのいずれか一方に形成され、摺動面の一部に開口部を有するロッカシリンダと、
    前記ロッカシリンダ内に前記摺動面に沿い摺動自在に装着されたロッカピストンと、
    内燃機関の運転状態に応じ、前記ロッカピストンの側面が前記開口部を封鎖しない前記ロッカシリンダの一方の摺動端と前記開口部を封鎖する前記ロッカシリンダの他方の摺動端との間で前記ロッカピストンを作動させるロッカピストン作動手段と、
    前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのいずれか他方に突設され、前記第2のロッカアームの揺動により、前記ロッカピストンが前記ロッカシリンダの前記一方の摺動端にあるときには先端部が前記開口部から前記ロッカシリンダの内部に挿入される一方、前記ロッカピストンが前記ロッカピストン作動手段の作動により該ロッカピストンの側面が前記開口部を封鎖する位置にあるときには先端部が該側面と当接する当接突起とを備え、
    前記ロッカピストン作動手段は、前記第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが上昇途中或いは下降途中の所定の作動状態とならないように該ロッカピストンを作動させることを特徴とする内燃機関の動弁装置。
  2. 内燃機関は多気筒内燃機関であって、前記第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームを気筒毎に備え、
    前記ロッカピストン作動手段は、前記各気筒の第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが所定の作動状態とならないように該ロッカピストンを作動させることを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の動弁装置。
  3. 前記ロッカピストン作動手段は、油圧源から油路を介して供給される作動油によって前記ロッカピストンを作動させるものであって、前記油路に油圧調整手段を有し、前記第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが所定の作動状態とならないように、前記油圧調整手段により油圧を増減して前記ロッカピストンを作動させることを特徴とする、請求項1または2記載の内燃機関の動弁装置。
  4. 前記ロッカピストン作動手段は、前記第2のロッカアームの揺動開始時に前記ロッカピストンが所定の作動状態とならないように、前記ロッカピストンの作動遅れ期間を考慮して前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を設定することを特徴とする、請求項3記載の内燃機関の動弁装置。
  5. 前記ロッカピストン作動手段は、前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を油温に基づき補正することを特徴とする、請求項4記載の内燃機関の動弁装置。
  6. 前記ロッカピストン作動手段は、前記油圧調整手段による油圧の増減開始時期を内燃機関の回転速度の変化率に基づき補正することを特徴とする、請求項4または5記載の内燃機関の動弁装置。
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